まどか「魁!!見滝原中学校」 (133)

注意

・魔法少女まどか☆マギカのキャラと魁!! クロマティ高校の世界観を合わせた何か

・ギャグメインでキャラ崩壊上等


それでは始めます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411917514

第1話


前略 ママ様

私は無事に見滝原中学の2年目を迎えており、引き続き健やかな学園生活を過ごしていきたいと思っております。

ですが…

「目玉焼きとは固焼きですか?それとも半熟ですか?」

「どっちでもいいんじゃないかと」

「いやぁ~、目玉焼きなんて人間扱いしちゃ駄目っすね」

「あはははは、やり方さえ分かっちゃえば目玉焼きなんて簡単なもんだね」


未だにこの学校になじめずいささか困惑しております。

まどか「だけど嘆いていたって何も始まらない。私が頑張ってこの学校を良くしていかなくちゃ」

さやか「それはムリな話だね」

まどか「さ、さやかちゃん。それはどういうことなの?」

さやか「3組にすごいのがいるんだ。アイツがいる限りこの学校は毎日がワルのハロウィンパーティ状態さ」

まどか「3組に…」

さやか「なんなら今から見に行けば?」

まどか「そ、その子の名前は?」

さやか「いや、名前は知らない」

まどか「えっ?名前が分からないなら行っても会えないんじゃ」

さやか「行けば分かる」

 2年3組

まどか「行けば分かると言われても、髪をピンクや青や緑に染めてるようなワルばかりの学校なのに見た目で分かるなんてあるわけ…」

薔薇の魔女の使い魔アントニー「」

まどか「いた!」

まどか(間違いない!小柄な体格ながら圧倒的な存在感を示す、この口ひげの生徒がそうだ)

まどか(ただ1つ気になることが…)

まどか(この人は本当に中学生なのかな?)

まどか(というより言葉は通じるのかな?)

まどか「はじめまして。私、鹿目まどかと申します」

アントニー「……」

まどか(素性を明かしたくないのかな、それとも本当に言葉が通じないとか)

まどか(それよりも周りの人たちの反応が気になる)

まどか(私の事をまるで「勝手に誰もいない壁に向かって話し始めた変な人」のように訝しげな視線を向けてくるのはどうして?)

まどか(それほどこの人が別格の存在だというの?)

まどか(ううん、今はそんな事を考えても仕方がない)

まどか(私が相手にしているのは目の前の唯1人)

まどか(そう、いくら恐ろしい外見をしていてもたった一人の中学生が相手なんだ。何も恐れる事はない。勇気を出してもう一度話しかけてみよう!)

まどか「あの…」

アントニー×10「……」

まどか「増えてる!!」


第1話 終了

第2話


突然まどかの前に現れた謎の強敵。
その圧倒的な存在感はまどかの精神を確実に蝕んでいった。
命からがら逃げ出したまどかの情報を基に対策が講じられたが、とりあえずフレディと名前をつけた事以外何一つ進展がないまま時は過ぎ去っていった。
しかし、不安な生活を送る彼女たちに容赦なく新たな黒い影が忍び寄るのであった。

さやか「大変だよ、まどか!4組にもいたんだよ、凄いワルが!」

まどか「凄いって言っても昨日のフレディくん(まどか命名)を見た後じゃ、ねえ…」

仁美「4組の不良グループのリーダーというと確かハギワラさんという方では?」

まどか「ゴツイ外見でケンカがものすごく強くて、ごく一部の噂では本名はオギワラなんじゃないかって言われてる人だよね」

さやか「いや、あたしが言ってるのはハギワラのことじゃない」

まどか「えっ?」

さやか「4組の頭は別にいる。そいつの前ではハギワラでさえただの舎弟に過ぎない」

仁美「そんな、考えられません!だとしたらその方の事はもっと噂になっているはずですわ」

さやか「噂にならないのはそれだけ4組が掌握されているってことだろうね」

仁美「いくらクラスを掌握したとしてもリーダーを隠しおおせるなんてこと出来るのでしょうか?」

まどか「それはここで話し合っても始まらないよ。実際に行って確かめてみようよ」

 2年4組

エイミー「ニャー」

さやか「あいつがこのクラスの頭だ」

まどか「なるほど、一目見ただけで戦意をそがれ心が支配されるようなこの感覚…只者じゃない!」

仁美「……」

さやか「あたしは今までいろんなワルを見てきた」

さやか「だがこれほどのワルがいようとは…」

仁美「ワルとかそういう問題ではありませんわ!」

まどか「あっ!二人とも、あれを見て!」

さやか「あ、あのハギワラが貢ぎ物をしている!?」

まどか「しかも森印おいしい低脂肪乳!」

仁美「単にネコにエサをあげているだけですわ!」

さやか「仁美、不良がネコにエサをあげるなんて話が現実にあるわけないじゃん」

まどか「漫画の見過ぎだよ仁美ちゃん。ここは素直に彼女(?)が人間だと考えるべきじゃないかな」

仁美「…フレディさんの一件以来あなたたちの常識おかしくなっていませんか」

まどか「それは違うよ仁美ちゃん。私はあの日から世界の広さを実感して視野が広がっただけだよ!」

仁美「いくら視野が広がってもあれはネコであって人間ではありません!」

さやか「でも日本語しゃべってるよ?」

仁美「えっ!?」

「やあ、はじめまして」

さやか「ほら」

まどか「やっぱり。これで彼女が人間だということが証明されたね」

仁美「何を言っているんですの?ネコはあちらの机の上ですわ」

エイミー「ニャー」

まどか「えっ、それじゃあここにいるのは…?」

QB「ボクと契約して魔法少女になってよ」

まどか「……」

さやか「……」

まどか「なんだ人違いか」

さやか「まったく、期待させないでよね」


 屋上

マミ「どうしたのQB。こんな所で黄昏れて」

QB「ボクが泣いているのは とても悔しいからです」


第2話 終了

第3話&第4話は明日投稿予定です

第3話


ほむら(私の名前は暁美ほむら。唯一人の友達鹿目まどかを救うために契約した魔法少女)

ほむら(その目的を果たすために私は何度も過去へ遡り、今また転校生として見滝原中に来ている)

ほむら「あなた、保健委員よね。保健室に連れて行ってもらえないかしら」

まどか「えっ?」

ほむら「転校したばかりで場所が分からないの」

ほむら(経験上こう言えばしばらくまどかと二人で話が出来る事は分かっている)

まどか「えっと――」

さやか「じゃああたしも一緒に行くよ、保健室」

ほむら(なっ、美樹さやか!?)

さやか「転校生に聞きたい事もあるしね」

ほむら「ちょっと待って、私は係の人に…」

ほむら(結局3人で保健室に行く事になってしまった)

ほむら(とにかく二人に魔法少女に関わらないよう忠告しましょう)

ほむら「あなたたちに奇跡を約束して取り入ろうとする者が現れても、決して言いなりになってはだめ」

さやか「いや~それよりもどうしても今転校生に聞きたいことがあって。それが気になって気になって他の話に全く集中できないのよ」

ほむら「何?」

さやか「ねぇ転校生、あんた本当にこの見滝原中の生徒なの?」

ほむら「……は?」

まどか「ちょっと。失礼だよ、さやかちゃん」

さやか「だって心臓病の子供をこの学校に転入させるなんて、草野球の小学生にいきなり大リーグのピッチャーやらせるくらい無茶だよ」

まどか「た、確かに」

ほむら「二人が何を言っているのかいまいち分からないけど、私は今日から正真正銘、見滝原中の生徒よ」

さやか「でもアンタの制服うちのと違うじゃん」

ほむら(制服が違う?まったく、何を言い出すかと思えば。そんなことあるわけ――)

ほむら「……」

ほむら(ホントだ!魔法少女の姿のままだった!!)

ほむら(まずいわ。魔法少女に関わらせない算段だったのにいきなりつまずいてしまったわ)

ほむら(でも服を見られただけならなんとかなる。まだ前の学校の制服しかないとでも言えば)

まどか「もしかしてさっきの奇跡の話と関係あるの?」

ほむら「なっ!?」

さやか「図星かっ!」

ほむら「ええと、それは…」

ほむら「ええい、良く聞きなさい!私はこの学校の生徒ではないわ!」

さやか「じゃあ何なんだよ」

まどか「さっき自分で見滝原の生徒だって言ったんだよ?」

ほむら「ちょっと待って」

ほむら「私の通う中学校の理事長は日本政府を裏で牛耳る悪の黒幕、影の総理よ!!」

ほむら「奇跡を起こすなんて造作もないし、既にこの学校もほぼ手中に収めているわ!」

一同「……」

ほむら(しまった。パニックの余りとんでもないことを言ってしまったわ!)

ほむら(こんなの信じてもらえるわけが――――)

まどか「ええ~~!!それホント!?」

さやか「Sugeeee!」

ほむら「……うん」

さやか「で、その悪の中学校の生徒さんがこんな学校に何のご用で?」

ほむら「その、だからそれは…その悪の黒幕と戦うために決まっているでしょう!」

まどか「ひとついいですか?」

ほむら(まずい。さすがにバレたかしら?)

まどか「私にも手伝わせてください!正義のために!」

ほむら「え?」

さやか「ふっ、あんたたちだけにカッコつけさせはしないよ」

まどか「さやかちゃん!」

ほむら「そ、そうね。これで役者は揃ったわね…」

まどか「うん、みんなで力を合わせればどんな困難だって乗り越えられるはずだよ」

さやか「よーし!明日からみんなでがんばるぞー!!」

まどさやほむ「おおーーーっ!!!」


 ほむホーム

ほむら「大変なことになっちゃったよ……」


第3話 終了

ちなみに配役イメージは

まどか=神山
さやか=林田
ほむら=北斗

でした

第4話


友達を魔法少女の世界から遠ざけるために奔走する魔法少女、暁美ほむら。
しかし転校早々魔法少女の姿を見られた彼女は、それを誤魔化すためにウソの上塗りを続けて取り返しのつかない窮地に追い込まれてしまったのであった。

ほむら「このままだと私はまどかを守りつつワルプルギスの夜を倒し、さらに悪の黒幕と戦わなきゃいけないわね」

ほむら「…うん、絶対無理」

ほむら「なんとか誤解を解いて私の負担を減らさないと」

まどか「ほむらちゃん、おはよう」

さやか「おはよー、ほむら」

ほむら「お、おはよう」

ほむら(ここで焦ってはいけないわ。同じ失敗を繰り返さないためにも冷静に対処することが重要よ)

ほむら(まずはハンカチで汗を拭いて……あれ、このハンカチ異様に固いわね)

まどか「その拳銃って本物?」

ほむら(しまった!ハンカチと間違えてデザートイーグル取り出してた!!)

さやか「さすがミッション系からの転校生。インポッシブルな任務にそのアイテムは欠かせないよね!」

ほむら(私の不注意とはいえ、もう何言っても誤解は解けないような気がしてきた)

ほむら(ここは発想を転換して誤解させたまま魔法少女に関わらないように誘導しましょう)

まどか「武器を取り出したってことは敵がすぐ近くにいるんだね?」

さやか「ふっふっふ、腕が鳴るわ」

ほむら「バカな真似は止めなさい」

ほむら「敵である3年の巴マミは組織がアメリカから送り込んだ凄腕のエージェントで彼女が本気を出せば町は壊滅するわ」

さやか「え!?そんな敵と戦ったら例え勝ったとしても町が大変なことに……」

まどか「じゃあその人に何か弱点はないか調査しないと」

ほむら「下手にそんなことをすれば私たちの存在を敵に知られることになるわ」

ほむら「敵にはQBとかいう神出鬼没のしゃべる白いぬいぐるみみたいな詐欺師もいて、裏工作という点では私たちでは足下にも及ばないのよ」

さやか「まさかミッション系からの転校生がスパイ合戦で勝てないなんて……」

ほむら「今は息を潜めてチャンスを窺うしかないわ」

ほむら(というか二人とも相変わらず何でも信じるのね)

まどか「うーん。ほむらちゃんの話を聞いて私なりにまとめると」

まどか「今必要なのは正面からの戦いは避けること。敵の周辺をうろつかないこと。そしてチャンスが来るまでは敵の目を欺き普通の中学生でいること」

まどか「ということでいいのかな?」

ほむら「それで問題ないわ」

ほむら(何か凄くうまいこといったんじゃない?)

ほむら(巴マミを悪者に仕立てるのは心苦しいけど、QBたちの信用を落として関わらないように誘導できたわ。これでひとまず安心ね)

 放課後

ほむら「…つまり、どういうことなの?」

さやか「つまりマミさんたちと偶然カフェで相席になったからこれはチャンスだと思って」

まどか「ほむらちゃんの忠告通り戦いや裏工作を避けて正面から話し合いをしたら仲間になってくれたよ!」

マミ「この学校を救うためと言われたら協力しないわけにはいかないわ」

QB「ボクはいつでも君たちの力になれるよ」

さやか「よーし!新しい仲間も増えたことだし、これからもみんなでがんばるぞー!!」

まどさやマミQB「おおーーーっ!!!」


 ほむホーム

ほむら「ますます大変な事になっちゃったよ……」


第4話 終了

第5話&第6話は明日投稿予定です

マミさんのモチーフはクロ校原作のみ登場のキャラです
アニメ組の人は申し訳ありません

第5話


マミ「それじゃあ、また放課後にね」

まどさや「はーい」

仁美「…誰ですの、あの方は?」

さやか「マミさん知らないの?あのダブリのショウさんだって一目置いているほどの人だよ」

仁美「いえ、そう言われましても」

まどか「マミさんはとっても強くて優しい素敵な先輩だよ」

さやか「あたしの勘だとこの学校でフレディに勝てるのはマミさんかほむらくらいだよ」

仁美「でしたらあの方が3年生を仕切っているのですか?」

さやか「いや、それは違う。あの人はそんな肩書きだとか上に立って徒党を組むとか友達を作るとかそんなことには興味がないんだ」

まどか「そういうところもカッコイイよね」

さやか「その上美人で頭もいいし料理も出来て情にも厚い、何から何まで完璧な人だよ」

仁美「それは確かに凄い人ですわ。ですがちょっと聞きたい事が…」


仁美「頭についているドリルみたいなのは何ですか?」

さやか「…そんなの知らないよ」

仁美「知らないってマミさんには聞いたのですか?」

まどか「そういうのを本人に聞くのはちょっとどうかなって…」

さやか「うん、胸のない人にどうして胸がないんですかって聞けないでしょ?それと同じ事だよ」

仁美「多分アレは自分の意思でなさっているから、自分の意思ではどうしようもない胸のこととは話が違うと思いますが」

さやか「そりゃあそうだけどさぁ…でも何かキッカケがないと聞きにくいよ」

まどか「きっかけ……あ!二人ともこれ見て!」

仁美「校内新聞がどうかしたんですか?」

まどか「ほら、この最後のところ」

まどか「次の新聞の企画『新・見滝原中七不思議』第一弾では、在校生が最も知りたい見滝原中の謎をアンケートで募って一番多かったのを新聞部が調査するんだって」

仁美「!?」

さやか「ほほう。つまりマミさんのアレに関する質問が最も多ければ、あたしたちの代わりに新聞部が聞いてくれると」

まどか「そうなる可能性は十分あるよ。だって私もアレが気になって夜も寝られないもん」

 翌日

さやか(よーし、さやかちゃんもアレに関する質問を用紙に書いて新聞部に託すとしますか)

さやか(質問です。巴マミさんの頭についているその…その…)

さやか(……何て呼べばいいんだアレは!?)

さやか(アレって言えば通じるのか?いやしかし、それはさすがに……)

まどか「さやかちゃん。書けた?」

さやか「あ、ごめん。もうちょっと待ってて」

仁美「私そろそろお稽古の時間が…」

さやか「わかった、すぐ書くから!」

さやか(仕方ない。アレに関してはまどかと仁美に任せてとりあえず適当な質問でお茶を濁そう)

それからしばらくして新聞は完成した。

さやか「ついにマミさんのアレの謎が明かされるときが来た……!」

仁美「見てください。見出しに『巴マミさんに独占インタビュー』との文字が」

まどか「早速読んでみようよ」

仁美「ええ」

―――巴マミさんに質問です。

はい。

―――今日はいい天気ですね?

ええ、そうですね。

―――ありがとうございました。

ありがとうございました。


まどさや仁美「私の質問が採用されちゃったよ……」


第5話 終了

第6話


さやか「やばい、テスト前日だってのに何もしてない」

まどか「私も~。仁美ちゃんは頭いいから大丈夫だよね」

仁美「それがここ最近いろんな事件が頻発したせいで、私も全く勉強に手がつきませんでしたわ」

まどか「こうなったらこれからみんなで勉強会を開くしかないよ」

まどか「仁美ちゃんは習い事で来られなかったけど代わりにほむらちゃんを呼んできたよ」

さやか「じゃあこれで全員揃ったね」

さやか「この人数だとちょっと狭いけど、まぁ自分の部屋だと思ってリラックスしてよ」

ほむら「まず数学だけど最低でもフィボナッチ数列はやっておいた方がいいと思うわ」

まどか「うちの学校でそんな問題出ないよ」

さやか「みんな、リンゴ食べる?」

まどか「じゃあ私、皮を剥いてくるね」

こうして和やかな雰囲気で勉強会は行われ、皆それぞれに充足感を感じていた。
しかしその中にいて唯一人、大きな不満を持つ男がいた。


上条「ちょっと待ってくれないか」

さやか「どしたの、恭介?」

上条「テスト前日で不安だという気持ちは僕もよく分かる。勉強会を開くのもいいことだと思う」

上条「…けど、わざわざ僕のいる病室に集まらなくてもいいんじゃないか?」

さやか「バカだなぁ恭介は」

さやか「あたしたちが恭介を見捨てて自分だけテスト勉強するわけないでしょ」

上条「頼んでないよ!さやかはもう少し人の迷惑ということを考えるべきだ」

まどか「待って上条君。これは私たちが好きでやっていることだから迷惑だなんて思ってないし、何も気にする必要なんてないんだよ」

上条「僕が気にするよ!もちろん悪い意味で!」

ほむら「数学だけどフィボナッチ数列はやっぱりやっておいた方がいいと思うわ」

上条「あげくにスルーされたよ!」

さやか「お、今日はかわいい女の子に囲まれて元気だねー」

上条「イライラしてるんだよ!」

さやか「むー、そこまで言うなら仕方ないな」

さやか「もし次のテストであたしが100点取れなかったら、もうここで勉強会をするのは止めるよ」

上条「本当だね?絶対だぞ!」

さやか「さやかちゃんに二言はない!」

 数日後


さやか「ごめん、みんな。あたしのせいで勉強会が開けなくなって…」

まどか「元気出して、さやかちゃん」

まどか「確かに勉強会は開けなくなったよ。だけどそれがどうしたの」

まどか「私たちは今お茶会を通じてお互いの絆を深めている」

まどか「それは勉強よりもずっと大切なことのはずだよ」

ほむら「ええ、そうね」

マミ「鹿目さんの言う通りだわ」

仁美「ですからさやかさん。そんなに落ち込まないでください」

さやか「あ…ありがとう、みんな。こんなに嬉しいお茶会は初めてだよ」

まどか「それはここにいるみんなが同じ気持ちだよ」


まどか「そうだよね、上条くん?」

上条「いいから今すぐ病室から出てけ!」


第6話 終了

第7話&第8話は木曜日に投稿予定です

投下します

このSSは全12話ですので後半戦突入です

第7話


QB(ボクの名前はインキュベーター。第二次成長期の女の子と契約して魔法少女にするのがボクの仕事さ)

QB(自慢じゃないけどボクの話術にかかれば大抵の女の子は二つ返事で契約してくれる)

QB(先日も信じられないほど高い素質を持った少女との接触に成功した。契約も時間の問題さ)

QB(ただ、ひとつだけ予想外の問題があった)

まどか「願い事を叶える?そんなの出来るわけないでしょ、QBはただの人間なんだから」


QB(その子がボクを人間だと信じていることだ)

QB「ボクの姿を見てそんな事が言う人間は君が初めてだよ」

まどか「世界は広いんだもん。QBみたいな人も探せば5,6人くらいはいるはずだよ」

QB「いやいや、この姿で人間に見えるならそこらへんの犬とか猫とかだって人間に見えるよ」

まどか「QB、いくらドジな私でもネコと人間を間違えたりしないよ」

仁美「おはようございます、まどかさん。今日はお一人ですか?」

まどか「えっ、一人?」

QB「まどか、志筑仁美にはボクの姿が見えていないんだよ」

QB「ボクは地球の生命体とは根本的に違うからね」

まどか「そんな…今までずっとQBは普通の中学生だと思っていたけど……」

QB「やれやれ、ようやく分かってくれたようだね」

まどか「QBって本当は、ものすごく影の薄い中学生だったんだね!」

QB「んなワケねーだろ!」

仁美「影が薄い?私がですか??」

まどか「仁美ちゃんのことじゃないよ、ここにいるQBのことだよ」

まどか「そう言えば仁美ちゃんにはまだQBのこと紹介してなかったよね」

仁美「ええ…(QB?何のことですの?)」

まどか「私の肩に乗ってる毛深い子がQBだよ」

まどか「ほら、QBも仁美ちゃんに挨拶して」

QB「だからボクの姿は志筑仁美には見えないんだってば」

仁美「私には何も見えませんが…」

QB「ほらね」

まどか「見損なったよ仁美ちゃん」

仁美「え?」

まどか「人を無視するのはイジメだよ。それがどれだけQBの心を傷つけているかよく考えてよ」

QB「いや、だから…」

仁美「まどかさんこそ何なのですか!?先ほどからQB、QBって……そんなのまどかさんにしか見えない妄想じゃないですか!」

まどか「なんてことを言うの?QBの目の前でそんな酷すぎるよ!」

仁美「そんなにおっしゃるなら他にQBさんとやらを見ることの出来る方を連れてきてください」

仁美「まあ、そのような方がいるはずありませんけれど」

さやか「おーい。まどかー、仁美ー、QBー!おっはよー」

仁美「……」

仁美「お二人とも、あんまりですわ~!」

まどか「あー、行っちゃった」

さやか「どしたの?」

まどか「仁美ちゃんは自らの行いを恥じてこの場にいられなくなったんだよ。でも大丈夫、いつかきっと改心してくれると私は信じているから」

QB「……」

QB(もしかしてこの子ってこの学校で一番のワルなんじゃ…)


第7話 終了

スマン クロマティ高校側はメイン級キャラでも出番無いのがたくさんいます

第8話


QB「まどか、どうしたらボクの言うことを信じてくれるんだい?」

まどか「だから何を言われても非科学的な存在なんてないの」

QB「なら、あの病院の前を見てごらん」

マミ「反応はこの辺りね…」

まどか「あっ、マミさんだ。確かにマミさんのアレは科学では説明できないかもしれない…」

QB「いやいや、確かにマミの髪型は異質だけどボクが人間であることよりはよっぽど自然だよね」

QB「それよりも…」

マミ「えっ、何で鹿目さんがここに!?こっちに来てはダメよ!」

まどか「えっ、えっ、これって!?」

マミ「最悪のタイミングね。鹿目さんまで魔女の結界に取り込まれるなんて」

まどか「そんな、一瞬のうちに周りの景色が変わっちゃった…」

QB(よし、いくらまどかでもこの状況下では魔法の存在を認めるはずだ)

まどか「この目で見た以上認めるしかないよね…」


まどか「この状況はつまり、めちゃくちゃ絵を描くのが早い人が壁を落書きで埋め尽くしたんだね!」

QB(んなワケねーだろ!)

マミ「ここから先は危険よ。鹿目さんは下がってて」

まどか「あれが今回の騒動の犯人…」

シャルロッテ「…」

QB(よし!あれはどう見ても人間じゃない。まどかの反応は?)

まどか「想像してたよりもずっと小柄な人だね」

QB(だろうと思ったよ!)

マミ「かわいい外見でも容赦しないわよ、魔女さん」

マミ「ハッ!」

QB「今の見た?マミが何もないところからマスケットを出したよ」

まどか「すごい!マミさんの手品の腕はプロ級だね!」

QB「いやあれは魔法であって――」

まどか「分かってるよ。手品は見る人に夢を与える素敵なエンターテイメントだもん。みんなの前であれは手品だ魔法じゃないなんて騒ぎ立てることはしないよ」

QB(何にも分かってねーよコイツ!)

QB(チクショー、ここまで見ても魔法を信じないのか!?分かったよ、こう見えてもボクも大人だ。君たちの価値観に合わせてやろうじゃないか!)

QB(丸っこい使い魔が一斉にマミに飛びかかるのも手品)

QB(マミの胸の辺りから銃が生成されるのも手品)

QB(魔女が頭を打ち抜かれてもまだ死なずにふわふわ浮き上がるのも手品)

QB(そして何もないところから砲台が出現して、ティロフィナーレの掛け声とともに魔女を消し飛ばすのも手品―――)

QB(!?魔女の口から何か飛び出して…)

シャルロッテ(第2形態)「あ~ん」

マミ「!?」

まどか「!!!!!?」

マミ「あ、危なかった…あと数センチ左にずれていたら私の命はなかったわ…」

まどか「……QB、今の見た?」

まどか「私はこれまで魔法とか超能力とか、そういった超常現象は信じてなかったけど、今その考えを改めるよ」

QB「やっと分かってくれたんだね、まどか」

まどか「見て!マミさんの頭のアレが取れてる!!!」

QB「驚くとこはそこじゃねえ!!」

第8話 終了です

おまけ
8.5話


マミ「私の髪の毛が…」

ほむら「二人とも怪我はない?早くここから脱出するわよ」

まどか「ほむらちゃん!ありがとう、来てくれて。このままだと私、頭がどうにかなるところだったよ」

ほむら「巴マミも無事?」

ほむら「!?」

ほむら「巴マミ、返事をして!目を開けなさい!死んではダメ!」

マミ「それ私じゃなくてただの髪の毛なんだけど」

ほむら「本当だ!よく見たらこれ髪の毛だ!」

ほむら「…とにかく私に捉まって。結界の出口まで走り抜けるわよ」

ほむら「ここまで来れば大丈夫ね。二人とも大丈夫?」

まどか「私は大丈夫。マミさんもこうして手を繋いで…」

縦ロール「」

まどか「ってよく見たらこれアレだよ!」

ほむら「ええーーー!?」


QB(はあ…この分だと契約は当分できなさそうだね……)


8.5話 終了

第9話&第10話は明日投稿予定です

第9話


見滝原の隣、風見野の頂点に立つ魔法少女、佐倉杏子。
彼女はケンカが強いだけではなく、実は「お笑い」にもとてもうるさい少女であった。
しかしその事実は誰も知らない。

QB「まさか君が見滝原に来ていたとはね。とすると狙いはやっぱり…」

杏子「アタシたち(芸人)が狙うものなんて(笑いに)決まってんじゃん」

QB「確かにキミたち(魔法少女)が共通して求めるものはひとつ(グリーフシード)しかない」

QB「それなら気をつけた方がいい。この町は今非常にやっかいなことになっている」

杏子「そりゃどういうことさ?今でもこの町は巴マミの1強状態なんだろ?」

QB「杏子、キミの知っている巴マミはもうここにはいないよ」

杏子「引退したってのか!?」

QB「そういうわけじゃないけど…。とにかくこの町にはもう一人魔法少女がいるし他にも才能のある少女が2人いるんだ。以前の見滝原と同じと考えない方がいい」

杏子「へぇ、どんなスタイルの奴らだ?」

QB「彼女たちは極めつけのイレギュラーだ。どんな行動に出るのかボクにもさっぱり分からない」

杏子「セオリーには縛られないってことか。上等じゃないの。せっかくここまで出向いたんだ。ちっとは楽しませて貰わないとね」

 見滝原市内

杏子(あれが噂の新人って奴か)

さやか「フレディ、中学校はこっちだよ。そっちは保健所」

アントニー「……」

さやか「またそうやって黙って。中学生なんだからもっとしっかりしなよ」

さやか「そんなんだから体育の時間で誰にもペアを組んでもらえないんだよ」

アントニー「……」

杏子(…………)

杏子(ってどー見てもそいつ中学生じゃねえだろ!)

杏子(…いかん、思わずツッコミを入れそうになってしまった)

杏子(しかしさすがのあたしも思いつかなかった。まさか使い魔相手にボケるとは、新人ならではの柔軟な発想だな)

杏子(だが残念なことに今のボケは使い魔の見えない一般人相手には全く無意味)

杏子(とはいえ幅広い客層に対応できるようになればこいつは化けるかもしれん)

杏子(ん?あれはQBの言っていたもう一人の新人)

まどか「さやかちゃん、フレディくん、おはよー」

まどか「どうしたの?中学校はこっちだよ?」

杏子(なっ、使い魔ネタをたたみかけてきただと!?)

杏子(アタシにしか通用しないボケを何故?)

杏子(ハッ、そういうことか。つまり奴らの狙いは最初からアタシ一人だったんだ)

まどか(何だかこの子めちゃくちゃ睨んでるよ。お腹空いてるのかな?)

まどか「あの、牛乳飲みますか?」

杏子(アタシに牛乳だと!?まさかこいつアレをやるつもりか!)

杏子(お笑いを愛し食べ物を大事にするアタシにアレで勝負を挑むとは……この勝負絶対に負けるわけにはいかねぇ)

杏子(さあどこからでもかかってこい!)

さやか(なんで牛乳を飲み込まずに頬いっぱいに溜め込んでるんだ?)

???「二人とも、もう大丈夫よ」

まどさや「?」

杏子(この声は!?)

杏子(ふっ、どうやらこいつら初めから全力で殺しにかかってくるらしい)

杏子(あいつの髪型とドヤ顔からのティロ・フィナーレはかなりの破壊力を秘めているからな。今迂闊に振り返ってあの顔を見るのは危険だ)

???「久しぶりね、佐倉さん…」

杏子『よう、久しぶりだな。テレパシーでの会話で失礼するぜ』

???「QBから聞いたわ。あなたこの見滝原を狙っているんですってね」

杏子『だったらどうだっていうのさ。ここでやるってんなら相手になるよ』

???「いいの?すでに(リボンの)仕込みは終わっているわ。今ならだれも巻き込まずにあなたを倒すことだって出来るのよ?」

杏子(どうやら相当自信のあるネタを仕込んできたらしいな)

杏子(しかし登校する奴らがわんさかいるこの通学路でアタシだけをノックアウトするボケだと?)

杏子(となれば普通に考えて一般人に見えない使い魔ネタの天丼。ひねっても魔女かQBがいいとこだろ。そんなのでアタシを仕留めるつもりか?)

杏子『しばらく見ないうちに力量も計れなくなったかい?QBの言うとおりアンタ変わったな』

杏子『正直ガッカリだね。今のアンタとは勝負する価値もない』

???「そう…このまま大人しく帰るのならそれもいいわ」

???「でもね佐倉さん、あなたにひとつだけ言いたいことがあるの。こっちを向いてくれないかしら」

杏子『はあ?ったく今更アンタの顔なんて見たくもないんだけど…』

金髪ショートカット「私は何も変わっていないわよ」

杏子「ブフォーー!!!」


 その夜

杏子「…って誰だよアイツ」


第9話 終了

第10話


上条「先生から直々に言われたよ。今の医学じゃ無理だって」

上条「僕の手はもう二度と動かない。奇跡か魔法でもない限り治らない」

さやか「あるよ」

上条「えっ?」

さやか「奇跡も、魔法も、あるんだよ」

さやか「というわけであたしは甲子園に出ようと思う」

QB「訳が分からないよ!ボクと契約するんじゃなかったの!?甲子園とか全然関係ないじゃん!」

さやか「QB知らないの?昔から難病の少年はホームランを見れば病気が治ると相場が決まってるんだけど」

QB「そんな相場は有史以来決まったことないよ!それ以前にそもそもさやかは甲子園に出られないからね」

さやか「え…やっぱり甲子園に出るには頭を坊主にしなきゃダメなの?」

QB「問題はそこじゃないよ!甲子園は高校野球の大会であって女子中学生のさやかが出る大会じゃないの!」

さやか「大丈夫。男子高校生が相手だろうがあたしは負けないよ」

QB「だからルールで出場できないんだってば!」

まどか「その意見には賛成できないよ。だってルールに縛られる生き方なんて悲しいでしょ?」

QB「君はルールとか律儀に守るタイプだと思ってたけど」

まどか「確かにルールは大事だよ。でもそれはみんなが幸せになるために必要なのであって、人を悲しませるルールなんて私が変えてみせる!壊してみせる!!」

QB「おとなしそうな顔して意外と危険思想の持ち主だね」

QB「まあいいや。崇高な理念も賛同を得られなければただの独りよがりに過ぎない」

QB「さやかがルールを打ち破って甲子園に出られるかどうか、お手並み拝見させてもらうよ」

さやか「やっぱりあたしには甲子園は無理なのかな…」

まどか「さやかちゃん。諦めたら何も始まらないよ?一緒に頑張ろ」

さやか「でも一体どうすれば…」

まどか「それは私に分からないけど、できることから一歩ずつ始めようよ。そうすればきっと光は見えてくるはずだよ」

まどか「そうだね、まずは野球部の部員集めかな?」

さやか「確かにこんなワルばかりの学校で部員が勧誘することができるなら、世間に坊主頭ルールの変更を認めさせることだってできるかもしれない!」

まどか「その意気だよ!さやかちゃん」

こうして見滝原野球部は誕生し、その日のうちに部員15人(まどか・さやか・仁美・ほむら・エイミー・フレディ×10)が集まった。

さやか「1日でこんなに集まってくれるなんて!」

まどか「…ちょっといいかな?」

さやか「どうしたのさ。そんな深刻そうな顔をして」

まどか「私はみんなに謝らないといけないことがあるの」

まどか「今までの私はみんなの上辺や外見だけを見てこの学校はおかしな学校だと思い込んでいました」

まどか「だけどみんなはさやかちゃんや上条くんのためにこうして集まることのできる、真っ当な人間らしい心を持った素晴らしい友達です」

まどか「みんなが真っ当な人間じゃないなんてて言われたら、私そんなのは違うって何度でもそう言い返せます。きっといつまでも言い張れます」

ほむら「まどか…」

さやか「…もう、まどかの奴。あたし、こういう湿っぽいのは苦手なのに」

さやか「ちょっと部活動申請の書類出してくるよ」

まどか「さやかちゃん…」

仁美「さやかさん、目を潤ませていましたね」

 10分後

まどか「さやかちゃん、申請できた?」

さやか「人間を5人以上集めろって言われた」

まどさや「……」

まどさや「やっぱり真っ当じゃないよ!!」


第10話 終了

予定を変更して11話を投下します

第11話


謎の金髪「鹿目さん、私も野球部に入れてもらえるかしら」

まどか「もちろんです!」

謎の金髪「ふふ、じゃあまた部活でね」

まどか「はい!」

まどか(なんであの人私の名前を知ってるんだろう?どこかで会ったかな?)

杏子「甲子園に出る?お笑いだな!」

さやか「何さ。バカにするならもう頼まないよ」

杏子「誰が入らないつったよ。当然アタシも入るからな」

杏子(お笑い甲子園か…やったぜ!)

さやか「これで人間として認められそうな人が6人そろった!」

謎の金髪「いよいよね」

杏子「ああ」

まどか「でも決めなくちゃいけないことがまだまだたくさんあるよ」

さやか「部室は恭介の病室でいいとして道具はどうしよう。結構お金かかるんじゃない?」

仁美「それなら大丈夫です。とりあえず30万円は用意できましたわ」

仁美「私はお稽古がありますからもう行きますので使い道は皆さんでお任せします」

さやか「さすが仁美。太っ腹だねこの~」

まどか「一応言っとくけど借りるだけだからね。みんなで毎月のお小遣いから少しずつ返すんだよ?」

さやか「うん、それでお金はどこ?」

まどか「今ほむらちゃんが道具を買いに行ってるところだよ。きっともうすぐ戻ってくる頃じゃないかな」

まどか「ちょっと待って、ほむらちゃん。どういうことか一から説明してくれないかな」

ほむら「分かったわ。一から説明するからよく聞いてなさい」

ほむら「30万円でバット1本しか買えなかったわ…」

さやか「どんな高級品だよ!もっと安いのがあったでしょ!?」

杏子(高級?硬球とかけたのか)

杏子「おい、ちょっとそれは安易だぞ」

さやか「え?」

まどか「たしかに良い道具を使うのは大事だよ。ほむらちゃん、どんなバットか見せてくれる?」

ほむら「ええ、これよ。とてもスイングがしやすいわ」

さやか「しかもそれゴルフクラブじゃねーか!」

ほむら「本当にごめんなさい。でも代わりに店主がボールと小さい武器をおまけしてくれたわ」

さやか「ゴルフボールとピンだよそれ!」

ほむら「お詫びにあなたにあげるわ」

さやか「…じゃあピンだけもうらうよ(使い道ないけど)」

杏子(ピンを選んだだと!?それはグループを抜けてピン芸人として活動するという意思表明か!?)

杏子「てめぇ、ふざんけんじゃねぇ!」

さやか「え、あたし!?」

まどか「みんな落ち着いてよ!」

まどか「たかが道具のためにケンカなんておかしいよ。私たちの友情はこんなことで壊れるものだったの?」

杏子「…悪かったよ」

さやか「ごめん、私が間違ってた。バットかゴルフクラブなんてたいした違いじゃないのに」

謎の金髪「道具のこともみんなで工夫すればきっとうまくいくわ」

まどか「長くて堅い棒状のものならバットの代わりになるはずだよ」

ほむら「だったらこのMP40はどうかしら?」

謎の金髪「私もほら、マスケットなら用意できるわ」

杏子「槍ならアタシにまかせな。こうやって折りたためばハリセンにもなる優れものだ」

ほむら「出来る!これなら野球が出来るわ!」

まどか「さやかちゃん、さっそく上条くんに報告しよう?きっと喜ぶよ」

さやか「よーし!みんなで道具をもって部室(恭介の病室)に移動だ!」

 その夜

「今日見滝原病院に銃器を持った複数の女子中学生が現れ、同級生の病室に立て籠もるという事件が発生しました」

「通報を受けた警察によりまもなく犯人グループは取り押さえられ、監禁されていた少年は無事保護されました」

「なお犯行に及んだ少女たちは『ただ野球がしたいだけだった』などと供述しており――」



まどか「野球やるって全然信じてもらえないよ…」

ほむら「おうち帰りたい…」


第11話 終了

最終話&番外編(マミさん車酔い編)は日曜日投稿予定です

最終話


前略 ママ様

突然ですが私は見滝原の樹海にいます。
樹海とはものすごく大きな森のことであり一度足を踏み入れたら二度と出られないそうです。
見滝原に樹海なんてあるのかって?
確かに地図上では見滝原には小さな森があるだけですが実際樹海なんだから仕方ありません。
だって中学生の私たちがハイキングコースにもなってる森の道で迷うなんてあるわけないですから。

まどか「私たちはただ野球の合宿をするためにキャンプ場に来ただけなのにどうしてこんなことに…」

仁美「といいますか私以外は警察沙汰起こしてもう甲子園なんて無理なのにどうして合宿なんか」

謎の金髪「私たちが迷い始めてからもう2時間が過ぎてるわね」

杏子「もう食料も尽きた。カップ麺はあるが肝心のお湯がない」

さやか「あたしの人生もここまでか……」

ほむら「私はまた守れなかったというの?」

QB「ボクと契約すればここから出られるよ」

仁美「みなさん大げさですわ」

まどか「気休めはいいよ仁美ちゃん。もう私たちは助からないかもしれない。だからみんなには言いたいことがあるの」

まどか「私はみんなと出会えて本当に良かった」

まどか「いつも元気なさやかちゃん」

まどか「しっかり者の仁美ちゃん」

まどか「頑張り屋さんのほむらちゃん」

まどか「理屈が得意なQB」

まどか「情熱的な杏子ちゃん」

まどか「みんなのアイドルエイミーちゃん」

まどか「ミステリアスなフレディくんたち」

まどか「そして…」

謎の金髪「……」

まどか「そしてあなた」

謎の金髪(あなた?)

まどか「みんな最高の友達だよ!」

さやか「あたしだって、まどかも仁美もバントが下手なほむらもフレディもエイミーもQBも杏子もそして…」

さやか「キミも」

謎の金髪(キミ?)

さやか「みんな大好きだよ!」

謎の金髪「ちょっと待って」

謎の金髪「私もみんなと出会えて幸せだったわ。でも一つだけ聞いてもいいかしら?」

謎の金髪「さっきからあなたとかキミとか…まさかとは思うけど私の名前知らないなんてことはないわよね?」

一同「……」

まどか「ごめんなさい」

謎の金髪「え、うそでしょ!?つい最近まで私を名前で呼んでくれてたじゃない!」

さやか「うーん、金髪ショートカットの知り合いなんていたかなぁ……ごめん、全く記憶にない」

謎の金髪「そんな…じゃあ私は誰にも名前を知られることなくここで死んでいくというの?」

まどか「そんなことありません!」

まどか「さっきは大変失礼しました。私のことを知ってる人に名前を聞くのが恥ずかしくて」

まどか「だけど私が間違っていました。今から是非あなたの名前を聞かせてください!」

まどか「いいよね、みんな!」

一同「うん!」

謎の金髪「ありがとうみんな。じゃあもう一度自己紹介させてもらうわね。私の名前は…」

さやか「あれっ!エイミーがいないよ!」

謎の金髪「ふふ、全員揃ってないと意味がないものね。私が探してくるわ」


謎の金髪「見つけてきたわ」

謎の金髪「じゃあ改めて言わせてもらうわ。私の名前は…」

まどか「大変!エイミーちゃんにあげる牛乳がなくなっちゃった!」

杏子「早くなんとかしないとコイツ死んじまうぞ!」

謎の金髪「…私がなんとかするわよ」

さやか「あ、森印おいしい低脂肪乳ね」


謎の金髪「はぁはぁ…買ってきたわ。ジュースと紅茶もあるからみんなで飲んで頂戴」

仁美「森の外に出られたんですか?」

謎の金髪「そんなことよりまずは私の話を聞いて。私の名前は…」

ほむら「そういえば今日ワルプルギスの夜が来るんだった!」

謎の金髪「私が倒してくるわよ!!」

 数十分後

謎の金髪「ボコボコにされてきたわ…」

ほむら「あ、うん。生き延びただけで十分よ」

謎の金髪「慰めはいいわ。こんな私じゃみんなに名前を覚えてもらう資格なんてないもの…」

仁美「ま、まずはこの森から抜け出しませんか」

謎の金髪「そうね、案内するわ。ここを5分ほどまっすぐ突き進むのよ」

まどか「あ、そんな簡単に出られたんだ」

仁美「酷い…町がこんなことになっているなんて」

ほむら「このままではもっと酷いことになるわ」

警官「ちょっと君たち!ここにいては危ないよ。早く避難所に行きなさい!」

杏子「どうする?巻くか?」

ほむら「そうね。ワルプルギスの夜を倒さないことには避難所も無事では済まないもの」

謎の金髪「行くわよ!」

警官「待ちなさい!」

まどか「待って、ほむらちゃん!私も行くよ!」

さやか「仁美とエイミーは色仕掛けでおまわりさんを足止めしてて!」

仁美「え!?」

まどか(私が冷静でいられたのはきっと見滝原中で日常的にいろんな事件に巻き込まれてきたからだと思います)

まどか(だからほむらちゃんたちが巨大な恐ろしいものと戦っているのも)

まどか(フレディくんたちが黒い影みたいな子たちと野球をしているのも)

まどか(さやかちゃんが30万円するバットを壊してQBと言い争いをしているのも)

まどか(ツッコミを入れずに見ていられたんだと思います)

まどか(しかし精神的な余裕はあっても肉体的な疲労はどうしようもありません)

まどか(私たちは今みんな仰向けになって空を見ています)

まどか(とても綺麗な青です)

ほむら「守れたよ…やっと私守れたよ…」

まどか「うん、やっぱりほむらちゃんは約束を守ってくれたね」

ほむら「え…まどか?今、約束って…」

まどか「どうしてそんな驚いた顔をしているの?」

まどか「約束してくれたでしょ?初めて会った日に、見滝原中を守るって」

まどか「ワルプルギスの夜っていうのをやっつけたから嵐が治まったんだよね?」

ほむら「…そうね。フレディたちが使い魔を引きつけてくれてたのが大きかったわ」

ほむら「杏子は相変わらず頼もしかったし、金髪の魔法少女は凄い実力者だった」

まどか「それでもありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「まどか……。ええ、私はこれからも見滝原を、あなたを守っていくわ」


警官「ちょっと君たち」

まどか「あ、おまわりさん。安心してください。ほむらちゃんたちがワルプルギスの夜の夜をやっつけたからもう嵐の心配は必要ありませんよ」



 留置場

まどか「なんて全然信じてもらえないよ…」

ほむら「武器しまうの忘れてたわ…」


まどか「魁!!見滝原中学校」 完

番外編は夜までに書き上げて投下する予定です




ほむらちゃんそんな約束してねーよ!!!

やはり推敲は大切だなと読み直してしみじみ思いました。
矛盾や誤字は申し訳ありませんが脳内変換で対応することをお願いします。

さて、投下前は「杏子ちゃんはまだか!」というコメントが来る事を予想していたのに
ふたを開けてみればそういう類いのコメントは全部男キャラという魔法少女まどか☆マギカSSにあるまじき異常事態。

そんな状況に置かれて困惑した作者が衝動的に書くことを決意したのがこの番外編です。

番外編ということでSS本編とは矛盾する描写もありますが生温かくスルーしていただければ幸いです。

番外編 その1


見滝原中3年で最強の少女巴マミ。
彼女は魔女とのケンカでは連戦連勝であり怖いもの知らずの魔法少女である。
しかしそんな彼女もただひとつ大きな悩みと戦っていた。
それは、彼女が非常に乗り物に酔いやすいということである。

マミ「でもそんなことは魔女との戦いには何の関係もないわ」

さやか「マミさん大変だよ!恭介が魔女に捕まった!」

まどか「私は基本的にはケンカは反対だけど、友達を助けるためなら仕方がありません」

さやか「病院前の結界に急がなきゃ!」

マミ「みんな、行くわよ!」

まどか「はい!準備万端です!」

まどか「どうぞ、タクシーに乗ってください!」

マミ「……」

マミ「歩いて行けるんじゃないの?近いし…」

まどか「上条くんが捕まってるんですよ!?時は一刻を争うんです!!」

マミ(結局乗ってしまったわ)

マミ(しかも真ん中…)

マミ(でも病院まではそう遠くないわ。車なら5分もかからない。だったらなんとかギリギリ気合いと根性で乗り切れるわ!)

運転手「あの、お客さん…」

運転手「私最近ここに越してきたばかりであまりよく道を知らないんですけど」

まどか「はい、構いませんよ。多少遠回りしても」

マミ「ちょっと!!?さっき一刻を争うって言ってたじゃない!!!」

まどか「でも道が分からないなら仕方ないですよ」

マミ「絶対にダメ!命に関わることなのよ!!」

さやか「大丈夫。恭介はそう簡単にくたばる奴じゃないよ!」

マミ(その前に私が死ぬわ…)

マミ(気持ち悪い…時間が長く感じられる)

まどか「もうタクシーにのって1時間以上が経過しました」

マミ「なんでよ!病院なんて歩いても20分くらいよ!?」

まどか「すみません。早くも作戦失敗です」

マミ(あーもう心折れたわ)

さやか「まどか、マミさんの様子がおかしいよ」

まどか「どうしたんですか、マミさん」

マミ「もう無理よ…こんなんじゃ私戦えないわ……」

さやか「ねえ、ほんとにどうしちゃったの?」

まどか「大丈夫だよ、さやかちゃん。原因は分かってるし対策もばっちりだよ」

マミ(なによ鹿目さん。あなた分かっててタクシーに乗せたの?それより対策って…)

まどか「腹が減っては戦はできぬですよね。ではこのプリンをどうぞ。ちょっと生ぬるくなっていますが」

マミ「~~~~~!?」


さやか「大変だ!マミさんがプリン食べて失神しちゃったよ!」

番外編 その2


さやか「マミさん大変だよ!恭介がまた魔女に捕まった!」

まどか「急いで助けに行かなくちゃ!」

マミ「ええ、もちろんよ」

まどか「さあ、タクシーにどうぞ!」

マミ「……」

マミ「前回タクシーで失敗したし今回は無難に徒歩で行かない?」

まどか「大丈夫です!今回はちゃんとこの辺りの道に詳しい人に来てもらいましたから」

さやか「マミさん早く!一刻も早く恭介を助けなきゃ!」

マミ(結局また乗ってしまった…)

マミ(でも今回は道に迷うこともなさそうだしなんとか)

運転手「お客さん、急ぐんでしょ?」

運転手「飛ばしますからしっかりつかまっててくださいね!」

マミ「ちょっ、安全運転してくd……うっ」

さやか「なんて華麗なドリフト捌きなんだ!」

まどか「これならすぐにでも目的地に着くね!」

マミ(気持ち悪い…脳がシェイクされる……)

まどか「待って。この音ってサイレン?」

さやか「あ、まどか後ろ!」

まどか「あれは…魔法少女の天敵、おまわりさん!なんて素早い対応なの!?」

マミ(おまわりさん…助けて!)

警官「そこの車、止まりなさい」

運転手「お客さん、警察を巻くために多少遠回りをしても構いませんかね」

まどか「もちろんです!」

マミ「警察の言うとおりにしなさいよ!!」

運転手「うおおおおお!!!滾ってきましたぜええええ!!!」

さやか「運転手さん、燃えてますねぇ!」

マミ(私は既に灰になっているわ……)

運転手「ふぅ…いい仕事したなぁ」

まどか「ありがとう、運転手さん」

さやか「ありがとう。楽しい1時間だったよ!」

マミ「や、やっと着いたのね」

マミ(本当にギリギリだった…。今なら乗り物を見るだけで吐く自信があるわ)

マミ(けれどここからは魔女空間。私を酔わす乗り物はここにはない)

マミ(どんな魔女であろうと片っ端からやっつけてやるわ。もう何も怖くない!)


ギーゼラ(バイク形態)「ブロロロロロ……」

マミ「……」


さやか「大変だ!マミさんが今にも無理心中しそうな表情で暴れ出したよ!」

まどか「マミさん!そっちは魔女じゃなくて上条くんだよ!」

マミ「今日食べたケーキが気持ち悪さを生むなら、吐くしかないじゃない!」

まどか「ああーーー!!ダメですよマミさん!魔法少女は希望の象徴なんですよ!!」

まどか「ルミナスでカラフルな胃の内容物を大地にコネクトさせちゃダメですよ!」

まどか「マミさーーーん!!!」


番外編 終了

これにてこのSSは終わりです。
ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom