チノ「ココアさんがラビットハウスを出てどれくらい経っただろう…」 (18)

チノ「今日も雨ですか…」


チノ(もともとここの高校に通うための下宿先という話だったのだ。もちろん卒業してしまったら…)


チノ(当然覚悟はしていた…)


カランカランッ…


チノ「あ…いらっしゃいませ。」







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リゼ「久しぶりだな。チノ」


チノ「リゼさん!?おひさ…


って!びしょ濡れじゃないですか!」タオル差し出し



リゼ「あぁ、すまない。ひさびさにこの街に戻ってきたからな…ラビットハウスに顔を出しておこうと思って。」フキフキ


チノ「高校を卒業してからは女優を目指していたんですよね?」


リゼ「あぁ、最近ようやく役をもらえるようになってきたんだよ。これからは多分忙しくなるし余計にここに顔を出せなくなるかもしれないな。」


チノ「そう…ですか。」


リゼ「おいおい、そんな顔をするな。なに…休みが取れたらいくらでも顔出すさ。」


リゼ「っと、そういえばココアはどうしたんだ?」


チノ「ココアさんは高校卒業までの約束だったので、今は実家の方に戻られてますよ。」


リゼ「そうだったのか…じゃあ今はチノが一人でこの店をやってるのか?」


チノ「今は、マヤさんとメグさんがたまに手伝いに来てくれていますね。それに…ティッピーもいます。」もふもふ

リゼ「ハハッ、そうか。チマメ隊は健在だな。」


チノ「チマメ…」


リゼ「それにしてもこの街は全然変わらないな。それにチノ…お前もな。」


チノ「ムッ…そ、そんなことないです。背だって伸びましたし…」

チノ「ココアさんには結局勝てませんでしたが」ボソッ…


リゼ「あ、そうだ。注文注文と…そうだな、ブルーマウンテン一つ頼む。」


チノ「はい…」





チノ「」カラカラカラ……

………………………

リゼ「にしてもココアがいないとやっぱり静かだな。」


チノ「そう…ですね…」カラカラ…


チノ「ここを出る時にココアさん…」




ココア『街の国際バリスタ弁護士になるために弁護士の資格を取ってここに戻ってくるからね!チノちゃん!!』抱きつきモギュー



チノ「何てことを言ってましたね。」


リゼ「ハハッ、あいつらしいな。」

チノ「ブルーマウンテンです」コトッ


リゼ「あぁ…ありがとう、いただくよ。」


カランカランカランッ


マヤ「チーノー!手伝いに来たぜー!」傘ブンブン

メグ「あれ?リゼちゃんがいるー。」


リゼ「おお、マヤにメグじゃないか久しぶりだな。元気にしてたか?」

マヤ「あたしはいっつも元気だぜー!」

メグ「わたしもー」


チノ「マヤさん、メグさん。ありがとうございます。でも今日はお客様もいないので大丈夫ですよ?」

マヤ「ええーつまんねーの!」

リゼ「わたしは客ですらないのか!?」

メグ「ふふっ」




その後リゼさん達で四人当時の話で盛り上がった


お泊まり会、球技大会 、クリスマスパーティ……

どれも今となっては最高の思い出だった。

でも、それらを思い出す度に少しさみしくなった。



ふと気がつくと外の雨はすでに止んでいた。


リゼ「おっと、もうこんな時間か。なんだかすごく早く感じたな…」


リゼ「懐かしい顔がみれてよかったよ。次来る時は事前に連絡でもいれるよ。」


マヤ「もう行くのかリゼー」

メグ「まだまだ話し足りないよー」


リゼ「ハハッ、またすぐにでも来るさ。それじゃまたな。」

チノ「ではお気をつけて。」

マヤ「またなー」

メグ「またねー」


カランカランッ

メグ「行っちゃったねー」


マヤ「あたしたちもそろそろ帰るかぁ」


チノ「もう帰るんですか?」


マヤ「なんだチノー。もしかしてさみしいのか?」


チノ「そ、そんなことないです!」


マヤ「しょーがないから今日はチノん家に泊まるかー!」

メグ「さんせー」にこにこ


チノ「そんな急に…


まぁ構わないですが」ボソッ


マヤ「そうとなったら一旦家に帰って準備だ!」

メグ「だねー」


マヤ「それじゃまた来るぞチノー!」

メグ「くるねー」


カランカランッ


チノ「気を使わせてしまったかもです…」


チノ「おじいちゃん、わたしはあの二人の優しさに甘えてばかりな気がします…ココアさんが帰ってしまってからは特にです…」


ティッピー「…チノ……やはりさみしいか?…」


チノ「少し…さみしいのかもしれないです…」


カランカランッ


千夜「こんばんわ。チノちゃん、いるかしら?」


チノ「千夜さん、いらっしゃいませ。」


チノ「千夜さん、最近よくラビットハウスに来るようになったような…」


千夜「ふふっ」

千夜「大切なお友達から妹をよろしくって頼まれてるのよ。」ニコッ


チノ「…子供じゃないです。」


チノ「甘兎庵の方は大丈夫なんですか?」


千夜「えぇ、今の時間の甘兎はシャロちゃんにお願いしてあるから。」


チノ「そういえばシャロさんは高校を出てからは甘兎庵で働いてるんでしたね」


千夜「今では立派な甘兎の看板娘よ」にこにこ


チノ「それ…本当なら千夜さんの方なのでは?」


千夜「ふふっ。」


チノ「…………………あの」


千夜「なーに?」



チノ「その……千夜さんは、今もココアさんと連絡を取り合ったりとかはしてるんですか?」


千夜「そうね…今も電話でよく話したりするわね。チノちゃんの事……とかね」


チノ「私の?」


千夜「えぇ、やっぱりココアちゃん…チノちゃんの事心配みたい。」


チノ(なら…どうして来てくれないんですか……ココアさん)


チノ「ココアさん、この街に遊びに……来たり…とか….しないんですかね?」


千夜「そうね……ココアちゃん…資格の勉強とか色々忙しいみたい。」


チノ「そう…ですか」


千夜「ココアちゃんと会えなくて…やっぱりさみしい?」


チノ「そ…そんなこと…ないです。」


千夜(…………やっぱりさみしいのね)

千夜「きっとまたすぐに会えるわ。ココアちゃんもチノちゃんに会いたいはずだもの。」


チノ「別に…さみしくないですっ大丈夫ですっ/////」


千夜「ふふっ…そうね。じゃあそろそろ甘兎のほうに戻るわね」


チノ「はい。」


千夜「チノちゃんが会いたがっている伝えておくわね」ウィンク



チノ「ちっ千夜さんっ」///


千夜「ふふっ」


カランカランッ


チノ「まったく…」


ティッピー(なんだか今日は騒々しいのう。)

ティッピー(だがしかし。少しはさみしさも紛れたみたいじゃの)チラ


チノ「………」微笑み


~その日の夜~



マヤ「よっし!やっぱりお泊まり会といえばトランプ大会だ!」


メグ「おぉ~」パチパチ


チノ「いいですね。」


メグ「なにやるの~?ババ抜き?大富豪?」


マヤ「やっぱりベタにババ抜きかなー。」

チノ「ババ抜きなら負けません」


マヤ「じゃあ配るぞ~。」





………………………………………………

…………………………………

……………………

…………

……





マヤ「負けたー!!」


メグ「そろそろ寝よっか~」


チノ「そうですね。」


マヤ「明日は学校休みだし、3人でどっかいこーぜ。」


メグ「そうだね~どこいこっか?」


チノ「明日決めましょう。電気消しますね。」


メグ「はーい。」


マヤ「zzZ」


チノ「もう寝てる…」

メグ「ふふっ…じゃあおやすみ~。」


チノ「おやすみなさいです。」








3人「zzZ……………」

翌日


〜図書館〜


マヤ「おぉ〜!本がたくさんだ!」


メグ「マヤちゃん、図書館初めてなの?」


マヤ「どうだったかな〜?でもあんましここに縁はないかな〜」


チノ「二人とも、せっかくの休日に図書館で良かったんですか?」


マヤ「いーのいーの!それにチノが図書館がいいっていったんだろ〜?」


メグ「チノちゃん、何か探し物?」


チノ「いえ…なんとなく図書館を挙げただけなん…」


マヤ「まぁいいや!あたし漫画探してこよ〜!」タッタッタッ

メグ「ちょっとマヤちゃん、図書館では静かにしないとだよ〜?」タッタッタッ





チノ(行ってしまった…)



チノ(図書館…懐かしいな…)

机ナデナデ




シャロ「あら?チノちゃんじゃない。」


チノ「シャロさん!?」


シャロ「どうしたのよ?そんなに驚いて。」


チノ「なんでもないです。今日はどうして?」


シャロ「今日は千夜にお休みもらったのよ。」

シャロ「たまには休まなきゃダメよー……なんて、自分が一番働いてるのに。」


チノ「そうだったんですか。でもどうして図書館に?」


シャロ「なんだか、急に休みって言われても一人じゃ行きたい場所なんか無くてね〜」


シャロ「チノちゃんたちと四人で来たの思い出しちゃって。」


シャロ「なんとなくって感じね。」


チノ(なんとなく…………私も同じだ……)

シャロ「それにしても」

シャロ「なんだかココアがいなくなってから静かになったわよね?」


チノ「……………」


シャロ「全く、たまには顔出しなさいよねココアの奴」


チノ「…………」


チノ「全くです…………」




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