勇者「フンッ! フンハッ! ヘリャアッ!」(26)

??「うーん…」

とある一室に謎の男が一人いた。
何やら目の前の物とにらめっこしていた。
顔からは何やら汗がダラダラと垂れていた。

トントン

??「どうぞ」

ガチャ

勇者「よう男!」

男「ああ…、勇者じゃないか」


部屋に入ってきたのは優男な一人の勇者であった。
見た目はやや痩せ型といったところか、ただ目からは只ならぬ視線が見られた。

勇者「どうしたんだ?考え事なんかしておって」

男「今日はさとうとう例の日だろ?」

勇者「ああ、そうだな。」

男「うまくいくか心配している。」

勇者「そうだったな、今回はお前が主役だからなあ」

男「今回もかなりお客様が来ると聞いた。」

勇者「もう各地の隣村にいるらしいけどな。」

男「そりゃ一大イベントだからな。仕方ないか。」

勇者「とりま、腹決めて準備しとけ。」

男「そうするしかないな」

勇者「うむ」

勇者はそう言うと部屋を出て行った。

男「今夜は俺が主役か………。」

男が家を出ると村の女衆が忙しそうに何かの祭りの準備をしていた。
食材を持つ者、何かの機材を運ぶ者、装飾物を準備している者。

男「腹を決めるしかねえな……。」

夕方────
男は一人イベント会場へと向かった。
そこにも男のいた村以外の女衆が忙しそうに何やら準備をしている。
何かのパーティーだろうか?
男は会場の中心の席に座る。


男「…………」ガクガクブルブル


男は何やら震えている。
尿意でももよおしているのだろうか?
さっさと厠に行けばいいのに………。

男「男ならやるときゃやる!」ビシッ!!


男は何かを決意したかのように夜を待った。
陽が落ちるにつれて女衆も作業を終え、夜を待つ。


辺りが暗くなると、百とも二百とも言われる松明を円状に立てて火を点け始めた。
いよいよパーティーの始まりだ。
女衆は円状より外に出るとパーティーの開幕を待った。

すると、半刻後男の目には遠くから何やら複数の灯が迫ってきたのである。

??「フンハァ…」

??「フン、フンハァ……」


何やら半裸のスキンヘッドのマッチョの男たちがやってくる。
別方向からも何者かがやってくる。

??「細マッチョ…、細マッチョ……」

??「ヘアッ!!」


どうやらこちらはタンクトップの細マッチョ集団であった。
更に別方向からも何者かがやってきた。

??「ゴリマッチョ、ゴリマッチョ…」

??「フンハ!!」


こちらはパンツ一丁のゴリマッチョ集団である。
筋骨隆々、ガチムチもいいところである。

三方向からマッチョな男たちが円状の中に入り込む。
総計凡そ六百から八百である。

正に壮観である。
見るものを惹きつける男たちの肉体。
実に美しい。


マッチョ「フンハッ!」

マッチョ「ハイハイハァッー!!」

細マッチョ「細マッチョ……」

ゴリマッチョ「ゴリマッチョ……」

マッチョ「ナッハ!」

マッチョ「ハイッ!!」

男は決意の目をし、上着を脱いだ。
彼も他の男たちには劣るもそれなりの筋肉をしていた。
男が半裸になると男たちは声を合わせるようになった。


男たち「細マッチョ……、ゴリマッチョ……、フンッ! ハァッ!」

男たち「細マッチョ……、ゴリマッチョ……、フンッ! ハァッ!」

男たち「細マッチョ……、ゴリマッチョ……、フンッ! ハァッ!」

六百人以上のガチムチな男たちの大合唱が始まった。
男は中心の台に立ち何やら奇妙な踊りをやり始める。
すると叫び声をあげる者まで出てくるではないか。


男たち「細マッチョ……、ゴリマッチョ……、フンッ! ハァッ!」

元山賊「ヘァッ!!」

男たち「細マッチョ……、ゴリマッチョ……、フンッ! ハァッ!」

元魔王「フンハッ!!」

男たち「細マッチョ……、ゴリマッチョ……、フンッ! ハァッ!」

元山賊頭「フゥゥッッッ!!」

男たち「細マッチョ……、ゴリマッチョ……、フンッ! ハァッ!」

勇者「フンッ! ンンンッッッ! フンッハアァッ!」

これこそ勇者が考案した一大イベントの『裸漢肉弾祭』である。
真の男になりたければこのイベントの主役となることである。


男「皆の者、止まれ!」


今回の主役の男は号令をかける。


「これより儀式を始める。女衆、男たちに飲み物を!」

女衆はマッチョな男たちに飲み物を渡す。
ちなみにただの飲み物ではない。
プロテイン入りジュースである。

男を始め会場にいる男たちはジュースを飲みほした。
パーティーの始まりである。


最初のマッチョが男に歩んでくる。


マッチョ「フンッ! ハァッ! フンハァッ!」ムギュ!!

男「ぐほっ………!!」


そして抱きつくや否やボディアタックをかまして男を倒した。
マッチョは松明の外へと行ってしまった。

すると次のマッチョがやってきて、男を起こす。


マッチョ「フンッ! フンハッ! ウホーッ!」ムギュ!!

男「ぎゃあっ………!!」


一人目のマッチョと同じように抱きついた後にボディアタックをかまして松明の外へと行ってしまった。
これがこのパーティーの醍醐味である。
数百人のマッチョな男の抱擁とボディアタックを受けることにより更なる肉体を作り出す。
更なる肉体への欲望を醸し出す偉大なる儀式、これが勇者考案『羅漢肉弾祭』であった。

半日後───
勇者の番となった。
男は既にフラフラであった。
立つのがやっとであろう。


勇者「男………、俺の番で最後だ。」

男「ああ………」ヨロ……

勇者「俺の渾身の友情愛を受けてくれ!!」

男「………」コク

勇者「フンッ! フンハッ! ヘリャアッ!」


勇者渾身のポーズからの渾身の抱擁!!ムギュ!!

男「ウホッッ!!」

勇者「ドーン!」


最後に勇者のボディアタックで儀式は完了した。





わけではないのである………。

一時間後───
食事を終えた勇者や男たち。
既に朝日は昇っている。

マッチョたちは朝日が照りつける中、男を山奥にある社へと運んでいった。


マッチョ「セイセイセイッ!」

細マッチョ「テイ!」

ゴリマッチョ「ホウ、ホウ、ンッー!!」


男たちのむさ苦しい掛け声にテンションがあがっていく。
作者のテンションが上がってきたぞ、上がってきたぞ!!
ウヒャヒャヒャヒャヒャ………

社───
マッチョの一人が何やら男根を模した物を取り出す。
マッチョは勇者にそれを渡すと勇者は男の下着を下げ尻を露にさせる。


勇者「男を四つん這いにさせよ!」


数人のマッチョが男が暴れないように体を押さえ込む。
男は覚悟を決めた。


勇者「行くぜ!!!」












男「アッーーーーーーーーー!!!」

勇者は男根物を男の肛門にズブッと捻じ込め十度出し入れした。


勇者「男、よく頑張った。儀式は終わりだ。」

男「は、はひ……」ポロリ


男の目元からは一筋の涙が零れ落ちた。


元山賊頭「おめでとうございます。」パチパチパチ


男はマッチョたちから盛大な拍手が送られる。
これで一人前の“漢”になったのである……。

勇者「これでお前の結婚できる数が一人から三人になったな。よかったな!」

男「ああ………」バタリ

勇者「あーあ、気絶しちゃった。まあいいや。俺らもここいらで寝ますか」

マッチョたち「ウッハッ!!」


こうして男はマッチョたちの肉体を受けることにより三人と重婚できる権利を得たのであった。
複数の女性と結婚したいと思っているそこのあなた。
この『羅漢肉弾祭』に参加してみてはいかがだろうか?








勇者「皆さんのご参加をお待ちしておりまーす!!」

………
……
















勇者「ちなみに俺はこの儀式で魔王と山賊と山賊頭と結婚することができました。」





終わり

あー、ミスった。
裸漢のつもりでしてたけど、羅漢でいいやw

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