男「きっと彼女はおしっこを我慢しているんだ」(3)

 学校に行く途中、道端で可愛い女の子を拾った。彼女がお腹が空
いたと言う物だから、僕は自分の昼飯のおにぎりを上げた。彼女は
それを食べ終わると、僕に、学校が終わったら河原に来てくれと言
ったんだ。君こそ学校に行かなくていいのか、と聞いたところ、彼
女は孤児で、学校に行っていないとのことだった。いや、薄々気づ
いてたけどさ、髪の毛ボサボサだし、汚い服着てるし。でもすごく
可愛くて、僕のことも気に入ってくれたようだ。

 僕は学校が終わると、タンスにあった古着を持って河原に行った。彼女は荒
川河口の茂みに小屋を建て、そこで暮らしていた。ドアをノックすると彼女が
出てきた。どうやら彼女は髪を切ってほしいようで、僕に錆びたハサミを差し
出した。切れないそのハサミで後ろ髪を切り落とす時、僕は違和感を感じた。
ホームレスというのは普通、防衛本能が強いはずだ。彼女はなぜ知らない奴に
刃物を渡すのだろうか。このタイミングで彼女を刺し殺すことなど容易にでき
るというのに。彼女が僕に対して少しの疑いも持っていないことは確実だった。
僕は髪を切り終わると、彼女に古着を渡した。これは僕が着ていた服だ。男物
である。

よみにくい

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