岸辺露伴は動かないエピソード#08 『片割れ』 (34)

短いけど、この場を借りて少しだけだが語らせてもらうぜ。

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 世界には様々な『写真』が存在する。
それは綺麗に彩られた可憐なハナの写真だったりだとか、
マニアックな昆虫の写真だったとか、
所謂絶景と称される写真(ぼくがよく見るのは絵手紙だったが、販売されているヤツ)
そーいう様々な写真がある。

 ぼくは別にそれをあーだこうだと批判する気は全く無い。
それどころか一部の美麗な写真と言うモノは「ほおゥ」と感動するナニカがあるとすら思っている。
ではその様々な『写真』の感動とは?
そこにいったいどんな差があるというのだろうか?
今回はぼくの体験を紹介しようと思う。

 ちょっと前にぼくが実際に『目撃』した日常風景に通ずる恐怖――。
そのリアリティを、読者のみんなという奴に読んで欲しかった。
今回それがどうしても無理だったという事でこんな風に書き込ませてもらってるが、
それはともかく。

 日常に潜む恐怖。
なんとなしに潜む化け物。
死角に潜むおぞましきモノ。
それを少しだけ、語らせてもらう。

 自己紹介が遅れたな、
ぼくの名前は岸辺露伴、漫画家だ。



 その日ぼくはテキトーに近くを散歩していた。
いや、ベツに散歩というよりも次の打ち合わせと原稿を届けた直後の、
持て余した時間を潰すと言うだけの事だったが、

 まァ、暇な時間を潰す為にそこら辺の道を右往左往と彷徨っていた。
知らない道と言う物は時としてそれなりに良いイメージを思い浮かべさせてくれるし、
そうでなくともマイナスになる事ではないだろうと踏んだ結果という奴だ。
(これで文句を言われる筋合いはぼくには無い)



 それで真昼だというのに全くと言っていい程に人が居ない。


「こんなにもここの通りは人が居ない物なのか…………?」


 子供は今の時間帯から考えるまでも無くガッコーで大切な道徳とやらを教わっているだろうし、
サラリーマンが居ない事にもこの寂れた風景にはあまり合わないという物だろう、
セールスマンというならまだしも。
しかしご老人やらまでが居ないという事はどういう事だ?


「『誰も』いない………?」


 深夜の丑三つ時だとか、早朝という訳でもない。
(ていうか、多分その時間帯なら長官を配るゲンキな好青年とかが居る事だろうしな)
散歩をしている足を止めるともう何も聞こえなくなってしまう、
ぼくの耳が果たしてブッ壊れでもしたのかと思ってしまうくらいには――
何も聞こえなくなってしまう。



 自転車だとか、バイク、自動車のクソうるさい排気音から、
ご近所の笑い声、テレビ、ノートパソコン、生活音、それすらも聞こえない。
ここまで何も聞こえなくなってしまうとかえってうずうずとしてしまう。
無音というものに、何かがそそられてしまう。


「ダメだなあァァ~~最近全部の事が『スタンド攻撃』だとか、

 そういうものに引ッ張られてる気がするぜ、ぼくは、こういうものをこういう風に楽しむ奴だろォー?」


 ぼくの鼓膜にぼくの足音を響かせながら、
それなりのゴキゲンな感じで楽しげに散歩を終了させてチョッキのルートを辿って居ると、
いやァァ~~~な物音が耳障りに聞こえて来る訳だ。


「ムッ?『音』……自動車か…………………!!!」


 自動車のがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやと聞き慣れたいやァ~~~~~~な音ッ!
気分を害されたとすら思ったね!
折角何かヒラメキ描けそうだったのにも関わらずッ!!

 ショージキに話せば今すぐにでも運転手の頭の中に『ある』ページを大量に破って、
『自分はブレーキが踏めなくなる』とかでも書き込んでやりたい気分だったッッ!!



 だけどぼくは一応ソレを抑えたさ、
抑えに抑えて抑えまくってこれでもかと押さえては抑えに抑えたねー。
幾らぼくでもそんなに子供じみちゃあいない。
幸いにも構想自体が消えたわけでもないし、
だからぼくはそれなりに怒りを抑えてイライラしながらも、
その赤信号を待ちに待った。


「……………………………。
 ……………」


 どうやらそこはそれなりに交通量があるようで(東京のゴチャゴチャとはの全然違っていたがね)
寂れた風景には似つかわしくない大きな道路が展開されていたらしい、
真昼間だからこそこんなにも交通量が多い。
単純な理屈だから怒る気にもならなかった。



「なんだよ、この道路、もう二分くらいは待ってるぞ…………?」


 しかしこれまたその道路の赤信号が長い。
ぼくならその待ち時間の間にも漫画一ページ分くらいは描けるんじゃあないのかと錯覚するほどに長かった。
だから(だからって訳じゃあないが)その辺も散歩のついでとして軽く視界を動かして色々と見て回った。


「ふん…良い造りの和菓子専門店かァ……一つくらい買って行ってやろうかな」


 道路は中々のモンなのに周りはそれなりの廃れ具合で正直微妙と言わざるを得なかった、
まァさっきの奇妙な寂れ具合からすれば『そりゃそーだ』とも言えるのだからこれにも別に文句はない。
それどころか微妙だからこそ絶妙とも言えるとぼくは思う。

 最近は何だかんだと高層ビルだのどの世界が一番高いだのとまさに奇妙奇天烈なことばっかだからな、
上を見るよりも足元視た方がそれなりに良いものだってモンさ。
それなりの観察をし終ってから、ぼくは赤信号と再度御対面した。
いー加減に青にならないだろうかと、不意に溜息を吐いた時だった。


 ぼくはそれを目撃した。



「ウォッ!」


 ぼくはそれを目撃した。


「……………うぅッ!」


 ――『片割れの靴』。
ただ一つ、ぽつんとそこにある、靴を。
ただの靴じゃあない!
片方だけの!右足だけッ!

 そこに有ったのはもう片方の無い、一足ではない、揃わない靴だったッ!
丁度道路と近くに寄り添うように立ててある電柱の間にぽつんと一つだけ!
道路に向かい合うように!今にも歩き出しそうに!

 そこに自立するが如くに、立っていたッッ!!!



 君達は一瞬だけ、


『なんだァ~~たった靴が立ってるだけじゃああないですかァーー、プッ』


 とか、思った事だろう。
勿論ぼくもこれが大人の履くようなローファーだったりテキトーなサンダルだったり、
変な柄の靴下だったり、もふもふした奇怪な手袋だったり、
どこからどうみても靴に見えるだけの何かだったりしたら、君達と同じように鼻で笑ったかもしれない。
鼻で笑えたかもしれない。
大人のローファーだったりしたら、


「なんだ、べへれけが千鳥足になって靴からすっぽ抜けたのか」


 とか、
サンダルだったら、


「なんだコイツゥーー!」


とか、高笑いでもして笑い飛ばせたことだろう。



 しかしッ!
ぼくは断じてそんなものじゃあないと断言させてもらおうッ!
その片方だけの靴は、子供用――
いや、それだけじゃあまだまだ足りていない。
子供――ではなく、
幼児――と言った方がいいのだろう。


「幼児……」


 言うまでも無くぼくは子供がきっと嫌いの部類に入る人間だ。
ましてや幼児だなんて、興味関心が全くと言って良い程無い。
けれど、
今回だけは全く別だ。
全く、興味関心がそそられない訳が無いッッ!!


「なんだ……?これはァ………ッ!!」


 背筋に怖気が走った。
ぞくぞくと、何かがぼくの中を駆け巡っていく感覚!



 単純明快に!ぼくはその一枚の『写真』のような光景に!風景に!!
恐怖を感じたのだ!
恐怖、というより、おぞましさ。
おぞましさ、というよりも、狂気を。
魂の震え上がる声を、ぼくはその『現実』という『写真』に見出せてしまったッ!


「どうしてだ……何故、ぼくはこの『写真』に感動している……………ッ!?」


 ぼくはその写真に、魅入ってしまった。
こんなにも日常風景だというのに!
こんなにも穏やかな日常に潜んでいる恐怖ッ!
ただ靴がそこに置いてあるだけだというのにッ!


「これは――イイッ!!!」


 すごく――イイッ!!!



「――写真だッ!まず最初にすべき事ッ!写真を撮らねばッ!」


 なんだか写真を写真に撮るだなんて間違っているような気がしないでもないが、
そんなことこの時のぼくはどうでもよかったのだ、
うぁんうぁんとうるさく耳障りだった自動車の排気音ですらなにか高揚させる音のように聞こえて来る。

 数十から……何枚だったか忘れたが、とにかく気が済むまで撮り終わった後にでも、
息を乱しつつ、ぼくはその幼児用の靴について調べだした。
その時既に赤信号は青に変わっていたが、そんなものもどうでもいいッ。

 ぼくはこの時その靴しか目に入っていない。
完全に僕の片手にすっぽりと入ってしまうくらいの、
下手をすれば生まれて三年すら経ってはいないのではないのかと、
そんな不安を醸し出すくらいに小さな靴だった。



「ムッ?これは……名前か………小さい、そして幼い字、だが丁寧で……
 (恐らくは母親の物だろうか………?)」


 踵の部分にその字は書いてあった。
マッキーか何かで書かれているようで、恐らくは油性のもの、
名前は勿論伏せるが七字、綺麗に分担させて描かれている。
それがまたこの靴を悪いイメージへと転嫁させる何か不思議な力を持っているのだろう。


「フゥム……なるほど、増々興味が俄然湧いてきたッ!
 ふは、ワハハハッハハッハハハハ!!」


 ぴっちりと締まっているマジックテープ式の靴紐を剥がしてだらしなくして再び置いてみると、
どうしてだろう、然程の恐怖を感じないことが分かった。
(多分、ぴっちりと締まっている事が条件の一つでもあるのだろう、
 それ程締まっているとすっぽ抜けたという考えが脳裏から排除されるかもしれない……)



 軽く匂いを嗅いでみるとそれはどうやら新品の様だった。
勿論使われていない訳ではないだろうが、それでも使って間もない感じのする匂い、
靴のくたびれ方にも何か影響があるのだろう。


「面白いなァ~~~~!!
 『靴が一つ有るだけ』で!『靴が片方しかないだけ』でここまで想像を駆り立てさせるッッ!!
 全く!散歩に来て良かったぜェーー!!」


 たまに来る収穫と言う物は素晴らしいと再確認したッ!
好奇心旺盛でよかった!

 何せそれだけでここまで面白く物事は進むッ!



「ハアァァァ~~~~~~~~………しっかし、残念だぜ、これが靴だっていう点はな、
 ぼくの能力、『ヘブンズ・ドアー』が全く役に立たない。まさに宝の持ち腐れってェ奴だァ~~~」


 様々な角度、様々な内容を調べ尽くして、ぼくはその恐怖とのご対面を止めにして、
赤信号に再度向き合う事とした――



その時だった。



「ンッ!?――!?」


 確かにぼくには腕が掴まれた感覚と言うモノがそこにはあった。
そこにはあったのだけれども――
そこには何もなかった。
何も。


「なんだって………?『何も』無い……………?何も……何も…ッ!?」


 そんなはずはない……。
だって、そこには、



「『あの靴』も…!?一体どこにいったッ!?靴が、靴が消えたぞッッ!!?」


 



 そこには何もなかった!
そしてぼくは思い出す!この奇妙な展開ッ!そこに関わって来るエネルギーをッ!
ぼくの持っている能力をッ!

【スタンド使い同士は惹かれ合う】


「まずい……ッ!まさかあの靴……!スタンドだったのかッ!?」


 死後に発動するタイプの、極めて珍しい――スタンドッ!!
ならば――拙い!


「あの靴は『無機物』だッ!ぼくのスタンド能力が通用しないんじゃあないのかッ!?」


 いや――落ち着け、
落ち着けよ、岸部露伴。
スタンド能力が通用しなかったとしても、
スタンドの性能が通用しない訳じゃあないだろォ!

 ぼくのスタンドもそれなりに強くなっているはずだ、
決してッ!弱い訳じゃあないんだッ!!


「落ち着け、落ち着けよ……深呼吸でもすれば、落ち着く………」



 手。
いや――
まず、ぼくが最初に見たのは『靴』だった。
そして、手。
靴の内部から伸びる手が――ぼくには見えた。


「う…うわああああああああああああああ
 ああああああああああああ………」


 喉。
手が伸びた先は喉だった。
丁度頸動脈と気管を潰すような形で、

 ぼくの喉をその小さな手はしっかりと握り潰すように握った。
そして、引っ張る。
赤信号だというのに、車が――走っているというのに!!



「――へ……ヘブンズ……ドァァーーー………ッッ!!!!」


 腕ならば――腕ならば、ぼくの能力が通用する。
『ヘブンズ・ドアー』の能力はッ!

 生物を本に変えてッ!そこに新たに書き加える能力ッ!
そこに書かれた文字はどんなに不可能であったとしても書かれた人間はそれを実行する!
時速七十キロで真後ろに吹っ飛ぶと書けば時速六十キロで吹っ飛び!
空中十メートルまで高く飛ぶと書けばそこまで高く飛ぶ!
イタリア語だってペラペラに話せる!

 岸部露伴が見えないと書けば――無論、ぼくの姿は見えなくなり、
岸部露伴を攻撃できないと書けば、ぼくの勝ちだ。

 割れ目が入った!書き込まなければ!書き込まなければ!!

死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死



「――――なァ……こ、これは…!!!」


 一面に『死』だと……ッ!
これでは、書いたとしても、無意味だ。
無理だ。

 しかし、しかしッ!
道路まであと数十センチ!
どうすればいいッ!?


何か、何か手はッ!?



「簡単な事だ……アンマリやりたくはないがな……」


 自身にスタンド能力を使う。


「七十じゃあなくても十全だろ……
 『ぼくの身体は時速五十キロで後方に吹っ飛ぶ!』」


 子供の手には十分過ぎる速度だ!
握力が耐えられなくなって直ぐに離す!


「そしてページを『破る』ッ!!」

「うぐああぁぁッ!!」


 直ぐに真後ろの壁と接触事故を起こしたが、
あのまま『道連れ』にされていたと思うと、これが最善のような……。


「……いや、……『死者』への敬意を、最悪への考えを分かっていたのに怠ってしまった、
 ぼくの誤りだ……悪かったな、ガキンチョ……」

「だがッ!使わせてもらうぞ、このリアリティはな……
 あ~ァ……肋骨が折れてやがる…痛い出費だ……」



 翌日、ぼくはもう一度その場を訪れてみるとあの場所には同じ靴が全く同じ角度で、
全く変わらずそこにあった。

 不気味に思うが、きっと彼はそこで待ち続けるのだろう……。
絵画のような、写真のような美麗なままで、きっと次を探すのだろう……………。
ぼくは気まぐれに、その写真をもう一度写し取った、対向線から、違う角度から。


 敬意と、畏怖を忘れずに。



「……ていうさ、話だったんだけどォ……」

「えっと……スミませぇん、露伴先生……『この写真』にそれが、映っているんですかァー……?」

「ああ、写した。間違いなくな」

「…………僕には、変な道路が映ってるだけ…にしか……」

「ああ、ぼくにもそう見えるよ……」

「………………。」

「あっ!今目逸らした!眼ェ逸らしたろ今ッ!nowだ!今ッッ!!」


 

観てくれて有難う、ちなみに実体験だ。
やっぱりリアリティがなくちゃあ、いけないよな。

え どこまでが実体験だよ

>>26
一応言っておくと靴を発見した所まで、だな
名前もあったぜ

名前すげー間違えてるな……
後六十キロ、すみませェん……

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