モバP「戻れる?」 (87)

小梅「う、うん」

P「いつに?」

小梅「え、えと、……三十分前、とか」

P「微妙だな」

幸子「なんの話です?」

P「時間を遡れるんだと」

幸子「…………はい?」

小梅「こ、この子が、…できるって」

幸子(どの子ですか)

小梅「ね。…どうしてもお礼がしたいって、言ってるから、き、聞いてあげて欲しい…」

幸子「なにかしてあげたんですか?」

P「ああ、俺の昼食を普通のカップ麺から塩分少なめの奴に替えたら、なんか助かったらしいぞ」

幸子(なんですかそれ。というか未だにカップ麺ですか、まったくそんなことじゃあ力が出なくてボクのプロデュースに支障が出るじゃないですか! な、なんなら今度ボクがお弁当を…)ブツブツ

P「まあいいぞ」

幸子「軽いですね」

P「本当かどうかも分からないしなぁ」ボソ

幸子「ですが小梅さんの霊感は本物ですよ? あまり侮らない方が」

小梅「あ、ありがとう。この子も、よ、喜んでる」キャッキャッ

P「…まあ…小梅も喜んでるしな。付き合ってやるさ」

幸子「はあ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369236221

P「どうすればいいんだ?」

小梅「…手を、こう」カルクカカゲテ…

P「こうか」

小梅「そ、そう。うん、そう、手を繋いで」

幸子(だれとですか。あ、その子とですか)

キュ

P「…ん」ゾク

小梅「…な、なにか、分かる?」

P「……ちょっと寒気がした…ような、気はするな」

小梅「そ、そう。なら、きっと、大丈夫です」コクン

幸子(なにがですか)

小梅「それで、えっと——」

ガシャーンッ


「あぁー!」

P「?」

比奈「……あ…ぁー…うわぁ」ボタボタ

美玲「…あ、ちが……その…」

幸子「なにかありましたか、って…ああ、比奈さんそれ…」

比奈「……インクが…原稿がぁ…」グス

P「こぼしちゃったのか」

美玲「…………」

幸子「美玲さんは大丈夫ですか? 服にインクが跳ねたりは」

美玲「違う!」バッ

幸子「きゃっ」

美玲「う、ウチが、倒したんじゃ、…な、ないモンッ!」ガーッ

幸子「そ、そんなことは言ってませんよ?」

比奈「……いや、いいッスよ。蓋を開けたままにしてた私も悪いでスよね…」ハハ…

美玲「…あ、いや……」

比奈「本当に服には跳ねてないッスか?」

美玲「う、うん。平気、だけど」

ポン

比奈「わぷ」

P「よしよし」

比奈「な、なんでスか…プロデューサー」

P「なんとなくな」

ナデナデ

比奈「……」

比奈「そうでスか。なんとなくでスか。なら仕方ないでスね」

P「おう」

P「えっと」チラ

美玲「」ビクッ

P「心配するな、怒ったりするつもりはないよ」

美玲「う、ウチはなんもしてないってばぁ!」

P「そうだな」

美玲「むぅー」

小梅「あ…ぷ、プロデューサーさん」

P「ん?」

小梅「い、いい感じ。そのまま、そのまま、…目を閉じて」

P「ん? こうか?」ギュ

比奈「?」

美玲「?」

幸子「?」

小梅「そ、そう…じゃあ」



          「行ってらっしゃい」



P「ん」パチ

凛「……、プロデューサー? 大丈夫? なんだか様子がおかしいけど…」

P「……。えっと、大丈夫」チラ

P(時間は…、おお、マジで三十分前だ…すげぇ)

凛「そう?」

P「ああ気にしないでくれ。えっと凛は…そろそろ現場に行く時間か」

凛「うん。頑張って来るね」

P「おう。気をつけてな」

凛「……」

P「…凛?」

凛「……ううん、なんでもない。ありがと」ニコ


ガチャ… パタン


P「? なにかあったのかな…」

P「まあ、いいか。それよりもとりあえずは、と」チラ

比奈「むむ、ここはいい感じッスねぇ」ニヤニヤ

美玲「…! …!!」ブンブン

P「?」

P「おーい、美玲ー」

美玲「? …と。な、なに」

P「ゲームに熱中するのはいいけど、あんまし爪を振り回すなよ。…その、比奈にぶつかったりすると、危ないだろ?」

美玲「! い、…言われなくても、わ、分かってるから。そのくらい」

P「そうか?」

比奈「べつに私は大丈夫でスよ? ぶつかるくらいなら何ともないッス」

P「その台詞はインクの蓋をしてから言おうな」

比奈「あっ!? …そ、そうでスね…どもッス」ハハ

P「いえいえ」

P(これで比奈の原稿が酷いことになる未来は回避されたかな)

ガチャ


小梅「た、ただいまです」

幸子「戻りました」

P「お疲れ」

幸子「ありがとうございます。…でも、もっと労いの言葉をかけてくれてもいいんですよ?」

P「はいはい」ナデナデ

P「あ、そうだ小梅。ありがとな。おかげで一つ不幸な過去を変えることができたぞ」

小梅「? な、なんの話?」

P「……あ、いや…」

P(そうか。このときの小梅は——俺が過去に戻ったことを、知らない、のか…)

小梅「あ、あの、プロデューサーさん?」

P「なんだ?」

小梅「その……お、お昼は、わがままを聞いてくれて、あ、ありがとう。…それで、その、この子がお礼にって……」

P(まあ、そうなるよな)

一旦ここまでです。
ちょっとホラーチックな話にする予定ではありますが、まあ、ノリで書いておりますので、突飛な展開も緩く見てもらえると嬉しいです。

http://i.imgur.com/DQtFqdk.jpg
http://i.imgur.com/zbqnV8u.jpg
白坂小梅(13)

http://i.imgur.com/dD9wWar.jpg
http://i.imgur.com/euk9Vu3.jpg
輿水幸子(14)

http://i.imgur.com/gN3EvXD.jpg
http://i.imgur.com/aRzT1hA.jpg
荒木比奈(20)

http://i.imgur.com/kNuhncv.jpg
http://i.imgur.com/QBE1pxi.jpg
早坂美玲(14)

http://i.imgur.com/HO36iSv.jpg
http://i.imgur.com/4nQrzod.jpg
渋谷凛(15)

P(これは下手をしたら無限ループなのではないだろうか)ブツブツ

小梅「ぷ、プロデューサーさん?」

P「ん? ああ、なんでもないぞ」

幸子「時間を遡れるって本当ですかね」

P「…………さー」

幸子「どうして棒読みなんです?」

P「…まあ、うん、どうだろうな。しかも三十分とか微妙な時間だし…」

小梅「え?」

P「え?」

PRRRRRRR


P「おうびっくりした。電話か」

ガチャ

ちひろ「お電話ありがとうございます、○○プロで… へ? う、うちのアイドルが、現場に来ていない?」

P「?」

サッ
ちひろ「あ、あの、プロデューサーさん。今日の▲▲テレビのお仕事は、たしか凛ちゃんと乃々ちゃんの二人が行くはずだったと思うんですけど…」

P「ええ」

ちひろ「…それが、その、…乃々ちゃんがまだ現場に来ていないみたいで」

P「え」

美玲「? 乃々ならさっきからそこにいるぞ」

P「どこ?」

美玲「机の下」

P「はあ?」



乃々「…………」

P「……なにしてんの?」

乃々「……むーりぃ…」グスン

乃々「……ぐす」

P「り、凛と喧嘩でもしたのか?」

乃々「…………」フイ

P「おーい」

幸子「無理に聞くのはかわいそうですよ」

P「…まあ、それはそうなんだが…。お前たちはなにか知らないか?」

比奈「分かんないでス」

美玲「ウチも…」

P「二人とも事務所で趣味に没頭しすぎだ」

比奈「てへ」

美玲「べ、べつにゲームはウチの趣味なんかじゃないもん!」ブン

P「あぶねっ」

乃々「……」ギュ



P「……どうしたもんかね…」

P(この状況だと…いったいなにがあったかなんて、過去に遡るでもしないと——)

小梅「あ。…あの、ぷ、プロデューサーさん」グイ

P「え?」

小梅「い、いい感じ。そのまま、そのまま、…目を閉じて」

P「ん? 目を…?」キュ

P(ってさっきもこんなことがあったような)

比奈「?」

美玲「?」

幸子「?」

小梅「そ、そう…じゃあ」



          「行ってらっしゃい」



**

ガタンッ

P「おっと」

奈緒「うお!? ぴ、Pさん!? 急に寄り掛かって来るんじゃねぇよ!」

P「あ悪い」パッ

P「…ん、奈緒?」

奈緒「……なんだよ…まさか一瞬でもあたしの名前を忘れたんじゃないだろうな?」

P「ち、違う違う」

P(まーこうなるか。また過去に戻ったってことか)

P(でもどうして奈緒なんだ? さっき三十分前に戻ったときは凛に会ったはず——)チラ

P「……」

奈緒「? どうかしたか?」

P(……一時間前に戻っとる……)

短いですが、一旦ここまでです。
夜に続きを投下したいと思います。


それと画像、ありがとうございます。

http://i.imgur.com/spcMo5h.jpg
http://i.imgur.com/d9EckcE.jpg
森久保乃々(14)

http://i.imgur.com/elZjBQP.jpg
http://i.imgur.com/sAVWYsa.jpg
神谷奈緒(17)

奈緒「おーい」

P(なんでだよ。まさか回を重ねるごとに遡ることのできる時間が伸びるのか?)

奈緒「おいってばー」

P(というか俺に選択の余地はないのか…戻る時間を選べたら便利そうなのに…くっ)

奈緒「無視すんなよー」グスン

P「悪い悪い。ちょっと考えごとをな」ナデナデ

奈緒「……だれも撫でろとは言ってねえよ」

P「そうだな」ナデナデ

奈緒「あーもー!」

加蓮「お楽しみのところ悪いんだけど」ヒョコ

奈緒「語弊を招く言い方をすんなよ!?」

加蓮「はいはい」フフ

P「はいはい」クスクス

奈緒「なんだよー」

加蓮「そろそろ行こっか」

奈緒「と、そうだったな」

P「仕事か。頑張って来いよ」

奈緒「当然」フンス

加蓮「うん。ありがと」フリフリ


パタン…


P「……さて」

P「まあ戻って来ちゃったものは仕方ないしな。とりあえずさっきの問題を解決するか…」

      ドンッ


P「うげ」

乃々「あっ」ビクッ

乃々「ご、ごめんなさ」

P「平気だよ。それより、慌ててどうかしたか?」

乃々「え、えと」

凛「乃々!」

乃々「ひぅ」ビクッ

P「?」

凛「…ほら、早く行くよ。いつまでも逃げてないで」

乃々「……っ」

バッ

凛「あっ」

乃々「り、凛さん、あの、えと……わ、私っ」

凛「なに」キッ

乃々「…っ…」

凛「乃々。人と話すときはちゃんと相手の目を見て話そう」

乃々「……、やっぱむーりぃ…!」ゴソッ

凛「…………」

P(なぜ机の下に)

凛「……乃々」

机(乃々)「…………」グス

凛「…もう、いい」ハア

凛「プロデューサー。このあと乃々と一緒に入ってる仕事、私が一人で行くから」バッ

乃々「!」

P「はい?」

凛「急病でいいよもう。やる気のない人と一緒に仕事をしても、パフォーマンスが落ちるだけだよ」

P「い、いやいや」

乃々「…………」

P「落ち着け。まず乃々」

机(乃々)「……」

P「聞こえてるか?」

机(乃々)「……」ガタ

P(どんな相槌だよ)

P「凛の言うことも最もだ。仕事は仕事だからな。頑張るって決めたんだろ?」

机(乃々)「……」ガタガタッ

凛「…とてもそうは見えないけど」ボソ

P「凛も同罪」

凛「……私?」

P「お前こそ、本当にちゃんと乃々の目を見て話そうと思ったか?」

凛「……思ったけど」

P「じゃあもう一度。ほら」ポン

凛「…………」

スッ

凛「…」ビクッ

乃々「…」フーッ…

凛「……」

凛「…乃々、怒ってる?」

乃々「……り、凛さん、あの」

乃々「わ、私……べ、べつに、やる気がないわけじゃない、ですけど…」ギュ

乃々「し、仕事は、辛いし、怖いですけど……こ、この衣裳は、プロデューサーさんが、一緒に考えて、くれた……大事な…の、です、し…」ポロポロ

凛「…………」

凛「……うん…そうだね」

凛「ごめん。私が、悪かった」

乃々「……」フルフル

乃々「わ、私こそ……ごめんなさいぃ」



P「うんうん」

比奈「なに遠い目してんでスか」

美玲「気持ち悪いぞ」

P「二人してひどい」

凛「じゃあプロデューサー。行って来るね」

乃々「ほ、ほどほどですけど……頑張って、来ます」

P「おう。応援してるぞ」


パタン…


比奈「はふー。レッスンも終わったし、ぼちぼち続きを書かなきゃっスね」カチャ

美玲(ゲームが置いてある……や、やってもいいかな)ドキドキ

P「……さて」

P(さすがに何度も過去に戻るのはよくないよな。戻って来たら小梅に聞いてみるか)ウン

ガチャ


小梅「た、ただいまです」

幸子「戻りました」

P「お、待ってたぞ二人とも」

幸子「おや。プロデューサーさんにしては殊勝なことですね」フフン

P「まあな」ハハ

小梅「…」エヘヘ…

小梅「あ、あの、プロデューサーさん?」

小梅「その……お、お昼は、わがままを聞いてくれて、あ、ありがとう。…それで…」

P「…なあ小梅、その話だけどな」

小梅「うん?」

P「えっと——」


ガシャーンッ


「あぁー!」

P「あ?」

比奈「……あ…ぁー…うわぁ」ボタボタ

美玲「…あ、ちが……その…」

幸子「なにかありましたか、って…ああ、比奈さんそれ…」

比奈「……インクが…原稿がぁ…」グス

P「」

P(わ、忘れてた…そうだよな。そりゃこうなるか)ハァ…

美玲「…………」

幸子「美玲さんは大丈夫ですか? 服にインクが跳ねたりは」

美玲「ちがっ」バッ


PRRRRRRRR


美玲「」ビクッ

P「っと、また電話…」ゾク

幸子「…大丈夫ですか?」

美玲「う、うるさい! うちに構うなぁ! ぷ、プロデューサー! 早く出ろ!」ガーッ

P(理不尽だ)

P「はいはい」ハア


PRRRRRRRRRRRRR


P「ああそっか、今度は俺の携帯か…」スッ


Pi

P「もしも

奈緒『Pさんか! あたしだけど!』

P「…そんな大声出さなくても聞こえるぞ」キーン

奈緒『加蓮が大変なんだよ!』

P「……加蓮がどうかしたか?」

奈緒『現場に向かう途中に急に雨が降り出してさ…土砂降りまともに食らっちまって』

P「……雨…今日は、そんな、予報だったっけか…」

奈緒『それで』

加蓮『…ちょ、奈緒、ケータイ貸して…私なら、平気だから』ハア

奈緒『なに言ってんだよへろへろじゃねえか…』

加蓮『プロデューサー? ごめんね、奈緒が、大げさなだけだから…あはは』

奈緒『やせ我慢すんなって。なあPさん、なんとか今日の仕事はやめにしてくれよ。頼むよ、それかせめて加蓮だけでも休みにできないかな』

P「…………」

P「これが最後だからな」ボソ

奈緒『? Pさんいま、なんか言ったか?』

スッ

P「なあ小梅」

小梅「な、に?」

P「さっきなにか言いかけたよな。なんだ?」

小梅「あ、うん。えっと、ね、この子が、お礼にって……」


****

P「これで最後にする! 絶対にだ!」

菜々「はわ?」ズルズル…

P「……」

菜々「……」モグモグ

菜々「あ、プロデューサーさんもいります?」ズルズル

P「ウサミン星人ってスー○ーカップ食べるんですね」

菜々「もっちろ…… あっここウサミン星じゃなかったです!?」

P「気を抜きすぎだ」

菜々「な、なしで! 今のはなしでお願いしますぅ!」

P「はいはい」

菜々「本当に違うんですよぉ! もー!」


ガチャ


仁奈「菜々おねーさん。もうすぐレッスンの時間でごぜーますよー」

菜々「あ、はいはい。分かりましたよー、ありがとうございます仁奈ちゃーん」ヨッコイショーイチット

P「おいこら」

菜々「はわ?」

P「ってあれ、仁奈と菜々さんがレッスンに行ったのって、けっこう前じゃ…」チラ

菜々「?」

P「……」

P(今度は二時間前か…遡る時間量がどういう変化をしているのかも把握しないとな…)ハア

菜々「ど、どうかしましたか? プロデューサーさん」

P「…」フラ

P「いえ大丈夫です。ありがとうございます」

仁奈「元気が出ねーときはキグルミを着るといいですよ!」

P「そうだな。じゃあ仁奈がレッスン終わったら、一緒にもふもふするか」

仁奈「! ホントでごぜーますか!? 約束ですよ!?」

P「おう」

仁奈「わーい!」ピョンピョン

菜々「ナナもお付き合いしますねっ☆」

P「無理はしなくてもいいですよ?」

菜々「えっひどいです」

P「いや、単純に無理に付き合わせたりはしないですよって意味です。邪推しないでくださいよ」

菜々「あ、そ、そういう…あははナナってば早とちりですぅ…」テヘ

菜々「じゃー行って来ますねー」フリフリ

仁奈「ですよー」モフモフ

P「はいはい」


パタン


P「……さて、やるか」

P「…………なんかもう疲れたな……本当に、…これで最後にしよう…」ハア

加蓮「けほっ、けほ…」ガクッ

奈緒「だ、大丈夫かよ。くそ、今日は雨が降るなんて聞いてないぞ…」

加蓮「……」ブルッ

奈緒「が、頑張れ加蓮。とりあえず雨宿りしよう。な?」

加蓮「……そんなことしてたら、遅れちゃうよ…。もうすぐそこなのに…ぅ」

奈緒「ばっ、そんなこと言ってる場合かよ。ちょっと遅れるくらい、…」

加蓮「奈緒、私たちはもうプロなんだよ。こんなことじゃ…」

奈緒「体調管理だってプロの条件だ! 加蓮の分からず屋!」

加蓮「む、な、奈緒こそ…けほっ」


スッ


P「喧嘩しとる場合か」

奈緒「……」

加蓮「……ぷ、プロデューサー?」

P「はい傘」

加蓮「…あ」

奈緒「……ありがと」キョトン

P「気をつけて行って来いよ」ポン

P「風邪なんて引かなきゃ、加蓮は誰にだって劣らない立派なアイドルなんだから。自信もってな」

加蓮「……ぁ…ぅぅ。…あ、りがとう…」//

P「奈緒もな」

奈緒「あたしはおまけかよ」

P「違う違う。奈緒はきっと、加蓮がいれば大丈夫だろう?」

奈緒「……ま、ね」

P「な」

奈緒「…はあ…はいはい。頑張って来ますよーだ。くそ、格好つけやがって」

P「…ここに来るのもけっこう大変だったんだ。格好くらいつけさせてくれよ」ハハ

奈緒「? よく分かんねーけど…」

加蓮「じゃあ、頑張って来るね」ニコ

P「おう」







PRRRRRRRR


P「」ビクッ

幸子「」ビクッ

幸子「な、なんだ、ただの呼び出し音じゃないですか。大げさに驚かないでくださいよ」

P「お、おう。悪いな」

P(今日ですっかりこの音がトラウマになってしまった…)

ガチャ

ちひろ「お電話ありがとうございます、○○プロでございます」

P(も、もうなにがあっても、俺は過去には戻らないぞ)

サッ
ちひろ「た、大変ですプロデューサーさん! 菜々さんがレッスン場で、高血圧で倒れたって!」

P「年甲斐もなくカップ麺なんてもん食ってるからだよちくしょうめ!」バンッ

幸子「」ビクッ

美玲「」ビクゥ

P「……あー…」ガリガリ

P「あーもう。本当に、もう、うちの事務所は…」ハア

P「…」チラ

小梅「?」

P「……」

P「これで、最後だから。マジで」

小梅「う、うん。うん?」ナンノハナシカナ…

http://i.imgur.com/ZpKxJH2.jpg
http://i.imgur.com/jfeM6iw.jpg
北条加蓮(16)

http://i.imgur.com/nW2KFyZ.jpg
http://i.imgur.com/wLgkeK8.jpg
安部菜々(17?)

http://i.imgur.com/0QhVoZM.jpg
http://i.imgur.com/ak4xKo1.jpg
市原仁奈(9)



********

P「ウサミン星人ならウサミン星人らしく人参でも食っといてください」

菜々「…………」ボリボリ

菜々「……いや…野菜スティックおいしいですけど、…こんなんじゃお腹が……」グゥ

P「俺が菜々さんのために買って来た物が食べれないんですか?」

菜々「!」キュン

菜々「そ、そんなことないですよ! キャハー//」ボリボリボリボリ…

P「よし」






ちひろ「た、大変ですプロデューサーさん! 仁奈ちゃんがレッスン場で脱水症状に!」

P「いつかなると思ってましたよ!」



****************



P「きぐるみは没収だ! 代わりに俺が着といてやるから我慢しろ!」モフモフ

仁奈「わ、分かりやがりました」コクン

菜々(プロデューサーさんも案外ウサミン星人は行けそうですね!)カワイイ!






ちひろ「た、大変ですプロデューサーさん!」

P「今度はいったいなんですかねぇ」

幸子「…プロデューサーさん、なんだかささくれ立ってますね」

P「けっ」

ちひろ「あの、杏ちゃんが現場に来てないって…」

P「もうやだよぅ……P疲れたにょわー…」グタッ

幸子「ど、どうしました? 大丈夫ですか?」

P「幸子…」

幸子「し、仕方ないですね。プロデューサーさんはお疲れのようです

から、ボクがなでなでしてあげましょう」ナデナデ

P「…………」

幸子「どうです? カワイイボクに撫でられると元気が出るでしょう?」フフ

P「……うん」

幸子「……やけに素直ですね」

P「そうか? …でもたしかに元気は出たよ。ありがとな」ナデ

幸子「む。今はボクが撫でる側なんですからね!」ナデナデー

P「はいはい」

幸子「ふふ」

P「……でも…幸子がこんな風に俺を心配してくれたことも、」

P「心配されて嬉しい今の俺自身も、——全部まとめてなかったことになるんだよな…」ボソ

幸子「…? プロデューサーさん?」

P「…」フルフル

P「なんでもないよ。なあ小梅」

小梅「う、うん?」

P「さっきの話の続きをしようか——」

一旦休憩にさせてください。レス合いの手画像感謝です。
十一時前後には再開できるかなと思います。


それから、自宅がイーモバなので、携帯と専ブラを行き来しながら投下します。
携帯だと酉を入れるのが面倒なので、最初と最後に入力するのみにしますので、予めご了承ください。



****************


杏「げ」

P「お楽しみのようで」ニッコリ

杏「……どうしてプロデューサーがここにいるのさー…」

P「さあな。ほら仕事行くぞ」

杏「ぶーっ」

グイ

P「……」

杏「…? どうかした? もしかしてやっぱ気が変わったとか? 杏は大歓迎だけど」

P「…なあ、お前体重軽くなった?」

杏「はい?」

杏「ちょっと手を引いただけでそんなことが分かるの? ひょっとして変態?」

P「違うわ。お前まさか本当に体調が悪いんじゃないだろうな」

杏「そ、そんなことないよっ↑」

P「声裏返ってるぞ」

杏「そ、そんなわけないっしょ→」

P「先輩の喋り方をぱくるんじゃない。てかどうやってんだそれ」スゲェ

http://i.imgur.com/Peb0ywg.jpg
http://i.imgur.com/MJyKqwV.jpg
双葉杏(17)

杏「けほ」

P「素直に調子が悪いって言えばこっちだって素直に休ませてやるのに」

杏「…な、なんかそれって恥ずかしいじゃん」

P「……分からん」

杏「ふへ。やっぱプロデューサーは乙女心が分かってないねぇ」ケホッ

P「乙女心というかサボり人の矜持って感じだな」

杏「失敬な」

P「とにかく今日は休ませてもらおう。無茶をして、本番で失敗する方がよくないしな」

杏「うん」

P「…」ナデナデ

杏「…なに?」

P「ううん。なんでも」ニコニコ

杏「へんなプロデューサー」

P(そうだよな。杏だって、本当になんの理由もなく仕事を放棄するようなやつじゃない)

P(こうして俺からきちんと止めることができたから、過去へ来た意味はあったけど——…杏は杏でちゃんと自己管理ができてる)

P(……つまり、俺がしようとしたことは、余計なお節介だったってことだ)

P(——それはきっと、今回に限らず…だよな)









ザシュッ


P「いてっ」

美玲「あっ、ごめ…って、そんなことにぼーっと突っ立てる方が悪いんだぞ!」

P「うん」

美玲「…? う、うん。分かればいいよ」

比奈「? プロデューサー、大丈夫でスか? なんだか元気がないッスけど…」

P「そうか?」

P「比奈、インクの瓶には気をつけろよ」

比奈「へ? あ、でスね…ありがとうございまス」キュ

P「いえいえ」

ガチャ


小梅「た、ただいまです」

幸子「戻りました」

P「小梅」

小梅「ひ、ひゃい?」ビクッ

幸子「ずいぶん可愛い返事ですね。まあボクほどではないですけど」

P「話がある」

小梅「? う、うん」

幸子「無視ですかそうですか」

パタン

小梅「ふ、…二人、きり…」ドキドキ

P「ああ。できれば他のみんなには聞かないで欲しい話でな」

小梅「そっか…う、うん、大丈夫、です」コクン

小梅「あ、けど、その……“この子”が一緒だけど」

P「平気だよ。むしろ“その子”には一緒に聞いて欲しいんだ」

小梅「?」

P「なあ小梅。俺はもう、何度も過去に戻ることをくり返して来たって言ったら、信じてくれるか?」

小梅「?? …えっと…」

小梅「は、はい。その、プロデューサーさんが言うことなら、信じます」

P「そっか。ありがとう」

小梅「…い、いえ」エヘヘ…

P「自分で選んで、何度もそんなことをくり返しておいて図々しいお願いなんだが…」

P「俺にはもう、その魔法は必要ないんだ。過去を変える必要なんてない。平気なんだよ」

小梅「え…で、でも、“この子”のお礼が…」

P「いいんだ。俺はお礼をされるようなことをしたつもりもないし」

小梅「……で、でもっ」

P「頼むよ」

小梅「…っ…」グッ

P「……」

小梅「……」

P「…小梅?」

小梅「……ぷ、プロデューサーさん」スッ

小梅「手を」

P「え?」

パシ

P「なんだ」

小梅「こう、軽くかかげて…」

P「なんだってば」

小梅「うん、いい感じ。それで、目を閉じて」

P「小梅!」

小梅「えへへ…」ギュ


        「ごめんなさい。プロデューサーさん」


          「でも、……」



****************


幸子「プロデューサーさん?」

P「…」

幸子「…どうかしましたか? なんだか顔色が良くないように見えますが…」

P「……」

P(さっきから、大体…四時間前が、戻れる時間の底みたいだな…)ハァ

幸子「? その右手に持っているものはなんです」

P「…昼飯だけど」

幸子「冗談ですよね?」

P「え? なにが?」

幸子「まさか…そんなインスタント食品を軽くつまんだ程度で、こんなにカワイイボクのプロデュースがまともにできると思っているんですか!」

P「……いや、その…べつにそんなつもりじゃ……っ」フラ

幸子「ちょ、プロデューサーさん!」ガシッ

P「…んっ…わ、悪い。ちょっと…疲れてるんだ…」ハハ…

幸子「プロデューサーさん…」

幸子「も、もう。本当にしょうがない人ですね」

幸子「そんな体調でカロリー摂取が目的のような食品を口にするなんて自殺行為ですよ!」

P「言いすぎだろ」ハハ…

幸子「いいえそんなことはありません。な、なのでですね」

グイ

P「なんだこれ」

幸子「カワイイボクに感謝して食べてください。なにせ手作りですからね」

P「……弁当…か」

幸子「はい」

P「自分用に作って来たのか?」

幸子「いえ。プロデューサーさんのためにと思って作って来ました」

P「……俺はそんなに体調を心配されていたのか…」

幸子「それもありますが」クス

幸子「…なんとなく……プロデューサーさんにはお弁当を作って来てあげないといけないような気がしたものですから」

P「…………ふぅん。そいつは不思議な気まぐれだな」

幸子「まったくです」

幸子「そんなわけですから。どうぞ」

P「おう。ありがとな」


ガチャ


小梅「お、おはようございます…」

幸子「おはようございます、小梅さん」

P「おう」

小梅「えへへ、やっと日差しから逃げられました…」

P「吸血鬼か」

小梅「? それは……な、なんですか?」

P「これか?」

幸子「お弁当です。ボクが作って来たんですよ! 小梅さんも、よかったら一緒にどうです?」

小梅「あ、…う、うん。あ、りがとう」

P「…?」

幸子「構いませんよ。ボクは優しいので!」

P「……」

P「なあ、小梅」

小梅「は、はい。…なに?」

P「なにか俺にして欲しいことはあるか?」

小梅「……して欲しい…こと?」

P「そう」

小梅「…………えっと」

小梅「え、へへ。ううん、べつに、ないですよ」ニコ

P「……本当に?」

小梅「…う」

幸子(…プロデューサーさん、珍しく食い下がりますね…)

P「じーっ」

小梅「…」

P「じ〜っ」

小梅「…うぅ……ちょ、プロデューサーさ……あぅ」//

幸子「いぢめですか」

P「違うわい」

P「幸子と一緒だよ。なんとなくだ」

幸子「ボクと一緒ですか! ナルホド!」

P「言っといてなんだがなにに納得したんだお前は」

小梅「な、…なんと…なく?」

P「うん。なんとなく」

P「小梅はひょっとして、なにか俺に遠慮してるんじゃないかなって」

小梅「……遠慮…」

小梅「……」ギュ

小梅「あ…あの、プロデューサー、さん」

P「うん。なんだ?」

ゴソ

小梅「…っ…え、と、じ、…実は、これ……つ、くって、来たん…です」プルプル

P「これは…」

幸子「鮮血に染まったかのように鮮やかな赤の風呂敷に包まれた、…これはお弁当箱ですね!」

P「風呂敷の説明の方が長いな」

小梅「……その…ぷ、プロデューサー、さん……最近いつも、カップ麺だったから…心配で」

P「そんなに俺って不健康な生活をしているように見えるのか」

幸子「少なくとも食事に関してはそうですね」

小梅「……その…きっと、あまり、…美味しくない、けど……た、食べて欲しい…です」ギュ

P「なに言ってんだ」ポン

P「俺のためになにかしたいって思ってくれたんだろ? その気持ちがもう十分嬉しいよ。泣き出したいくらいだ」

小梅「…そう…ですか?」

P「ああ。もちろん、お弁当はお弁当で嬉しいけどな」ニコ

幸子「プロデューサーさん、なんだかボクのときと小梅さんのときと微妙に反応が違いませんか」

P「気のせいだ。だってお前は可愛いからな」

幸子「そ、そうですね。ボクカワイイですもんね」

小梅(…なんの話…?)ハテ

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