サキュバス「クスクス。そうよ、これであなたもおしまいね♪」
勇者「どういうことなの…」
サキュバス「おしえてあげる♪」クスクス
サキュバスは勇者のつつましい胸をいやらしい手つきでなでた。
勇者「ひっ。なにするんだよ!!」
▼勇者は1の経験値を手に入れた。
勇者「…ッ」
サキュバス「こういうこと♪ それじゃあねまたね」 スゥ――
勇者「き、消えた! 待ってよ!! 」
勇者「うそだ…こんなの夢だよ」
ガサガサ
スライム「オ!ユウシャヤンケ!」
▼スライムがあらわれた。
勇者「野生のスライム…よし!」
勇者「こいつを倒せば2の経験値を得られるはず!」ザシュ
勇者はスライムを倒した。
スライム「ホゲッ」
▼勇者は0の経験値を手に入れた。
勇者「……!!?」
勇者「ぜ、ゼロ…? まってよいま確かに手応えがあったのに」
▼勇者は錯乱している。
▼勇者は手当たり次第に近くの魔物を切り捨てた。
勇者「はぁ…ハァ…これでざっと経験値50は入るはず」チャキン
勇者「ふふふそろそろレベルアップかな」
▼勇者は0の経験値を手に入れた。
勇者「 」
勇者「ま、まって、そんな……本当にボク…おかしくなっちゃったの?」
勇者「……」
勇者「さっきは胸をさわられてたんだよね…」ゴクリ
ふにっ
勇者「…っひ」
▼勇者は1の経験値を手に入れた。
勇者「うああああああああ!!!」
勇者「うそだうそだうそだああああ!!」ジタバタ
・ ・ ・
勇者(結局あれからどれだけ魔物を倒しても経験値は入らなかった)
勇者「そろそろ日が暮れるしみんなの待つ馬車に帰ろ…」
僧侶「おかえりなさい勇者様」
勇者「あ、うん…ただいま」
僧侶「元気ないですねぇ。特訓がんばったんですね」
この子は僧侶。
ボクの幼馴染で良き理解者だ。
パーティの食事担当でもある。いまもシチューを作りながらボクの帰りを待っていてくれた。
ボクは全くと言っていいほど料理ができないので、僧侶が付いて来てくれて本当に助かっている。
僧侶「あれ?経験値ふえてないですねー。たったの10だけ?」
勇者「う、うん…」
僧侶「もしかしてやられちゃったんですか!? 怪我はない!?」アワアワ
勇者「大丈夫だよ。平気」
僧侶「本当ですか? 隠してないですか!?」
勇者「そういえばお腹の奥の方がジンジンというかムズムズというか…変な感じ」
これは本当だ。
あのサキュバスに呪いをかけられてから、お腹の奥の方が少し熱っぽいような、
経験したことのない違和感がある。
僧侶「おなか痛ですか? 森で変なもの食べてないでしょうね。はい服まくって。ペロンって」
勇者「えぇ…大丈夫だよぉ」
僧侶「いーから」
彼女はかなり過保護でもある。一度こうなるともう納得するまで離してくれない。
勇者「わかったよ」ペロン
僧侶「まぁ可愛いお腹」
勇者「うるさいなぁ…」
僧侶「んー? 打ち身もしてないですよね?」
僧侶「魔物に体当たりされちゃったり?」
勇者「無いよ。全戦全勝、ノーダメージ!」
僧侶「の割には経験値あんまりふえてないですけど」
勇者「うっ、そ、それは…」
僧侶「何かあったんですか? ねぇ私に話してくださいよ」
勇者「えっと…うーーん……」
僧侶「……。えいっ」プニッ
▼僧侶は勇者の白い柔腹をつついた。
勇者「あっ」
▼勇者は1の経験値を手に入れた。
僧侶「?」
勇者「あっ、あの…これはね」アセアセ
僧侶「はて…?」
▼僧侶は勇者の腹をさらにつついた。
勇者「うあっ」
▼勇者は1の経験値を手に入れた。
僧侶「ん~?」
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