看守「囚人番号208番、入れ」 (57)
看守「……残念だったな」
208番「なら俺を逃がせよ」ギロッ
看守「……上からの命令だ。貴様は黙って死刑まで待っていろ」
208番「どうなってんだよ日本は」
看守「……着いたぞ、ここだ」
208番「……2人」
看守「囚人番号206番、囚人番号207番、これから貴様等の元で暮らす人間を紹介する」
看守「208番、早く行け」
208番「あっ、よろしくおねがいします……」
206番「よろしくね!!」
207番「飯の取り分が減っちまうよ……」
207番「何の罪を犯し此処に来た?」
208番「犯罪は起こしてません」
207番「なら何故此処にいる……」
208番「……罪を代わりに受けさせられたんです」
207番「誰のだ?」
208番「今の天皇の息子の罪です」
208番「天皇の息子は狂った奴です。気にくわない事があって今まで人を4人程殺しました」
208番「その罪は一般公開せずに天皇の権力でその罪を揉み消そうとしました、が、無理でした。被害者の親族が暴動を起こしたのです。」
208番「でも息子を死刑になんてできない。だから適当に人を選んで代わりに罪を受けさせました」
207番「それがお前だったのか……」
208番「はい。親族の方も加害者の顔なんて知らないので、適当に俺が連れていかれました」
207番「日本は狂ってるな……」
208番「あの……貴方達は何か罪を犯したのですか……?」
207番「……いや。」
207番「数十年前の、殺人超能力事件って知ってるか?」
208番「はい。超能力が殺人を次々と行う事件ですよね……」
207番「俺達はその超能力者の子供なんだ」
206番「そう、兄弟なんだ!」
207番「その超能力者は子供、俺達を産んだ直後、無差別殺人で殺されたんだ。笑えるだろ?殺人者が殺人者を殺すんだぜ」
208番「そ、そうなんですか……それは気の毒ですね」
207番「いいんだ、お互い解放されるまで気長に待とうじゃないか」
208番「え、もしかして知らないんですか?」
207番「あ?何をだよ」
208番「貴方達はずっとここにいるから知らないんでしょうね、ここに来たら生きる術はないんですよ」
207番「な、何を言って……」
208番「日本は変わったんです。この監獄に来る人間は殺人や、それ以上のことを起こした人間です」
208番「俺も一応殺人の罪。貴方達はそれ以上……なんですかね」
208番「ここに来る人間は皆30歳で死刑になる」
207番「あと、3年……」
208番「それと奴隷というものがいます。殺人以下の犯罪を起こした人間は奴隷として10年間働かされます。殺人未遂は30年」
208番「俺もあと3年で殺されます」
206番「タメじゃん!タメ口でいいよ!」
208番「俺達の死は初めから決まってました。死ぬまで仲良くしましょう」
206番「タメでいいよ!」
207番「お前は黙ってろ」
208番「……まぁ、これくらいで……かな。あと、名前は?」
207番「ないよ。直ぐ此処に入れられた。それから18まで勉強させられ、25まで労働だ。残りの5年は自由時間か……労働でもいいから一回太陽を見てみたいな」
208番「そ、そうなんだ……」
206番「まぁまぁ。もう遅いぞ。看守が来るから寝よう!」
207番「……こいつは12歳の頃に看守に歯向かって1か月キツい労働をさせられたせいで頭がおかしくなったんだ。許してやってくれ」
208番「あの……ご飯…」
207番「お前が来る前に食ったよ。今日は寝るぞ」
208番「そ、そう……」
深夜3時
206番「キィィィィィウァァァァァァァ!!」
207番「今夜もか……」
208番「Zzz……」
206番「ダセェェェェ!!ハヤクダセェェェェ!!」
208番「う………何の騒ぎ?」
207番「す、すまんな。こいつは毎晩こうやって叫びだすんだ」
看守「またお前か!!」
206番「キィィィィィ!!」
看守「くらえっ!」フッ
206番「キィィ……」プスッ
206番「……」バタ
208番「しっ、死んだ!」
207番「うるせぇ……死んでない。麻酔の矢が刺さったんだよ」
208番「あ、そうなんだ」
看守「ったく……ちゃんと寝かしとけ!」
207番「あぁ。すまんな」
206番「ウゥ……ダセ……Zzz」
208番「怖い人だな……」
看守「起きろ!!朝だぞ!!」
208番「ふぁ~……何時に起こされるんだよ……」
207番「6時だ。起こされても走るだけだ。お前だけだけど」
208番「あぁ……そうか…207番達も昔走ってたのか……」
207番「キツいぞ。監獄の周りを40周だ。1周500mだぞ。」
208番「えぇ……長いなぁ…」
看守「早く出ろ!!」
208番「頑張ってくるね」
207番「ああ」
看守「まったく…早く来いよな……」ガシャン
207番「……よし、飯食うか」
206番「だめだよ。208番もお腹空くよ!」
207番「いいんだよ新米は俺達に飯をよこすのが役目だろ?」
206番「だめだよ!残してあげようよ!」
207番「偽善者ぶりやがって……」
206番「……あぁ?何か間違ってたかなぁ」ピキピキ
207番「す、すまんすまん、残そう、残すから。キレんなって!」
206番「本当に君って人は…」
207番「じゃあ食うか……」
206番「いただきまーす!」パッチン
208番「ゼェゼェ……あれ?もう飯食べたの……?」
206番「あ……ごめん」
207番「(やっぱり誘惑に負けたか)」
208番「……いや、いいんだ、いいんだよ……」ゼェゼェ
206番「ご、ごめんなさい……」
207番「すまんな。晩御飯を楽しみにしていろ」
208番「うん……」
207番「そう気を落とすなよ。俺達の楽しみは一応あるんだぜ?」ジャッ
208番「あっ、チンチロ?」
207番「そう。囚人に本は与えられないが1部屋ずつドンブリとサイコロ3つが与えられるんだ」
206番「わぁい、さっそくやろう」
207番「新米も入ってきたし、賭けでもするか」
208番「なになに?」
207番「実は脱獄計画を16の頃から進めているんだ」ペラッ
208番「え、穴……」
207番「最初はお前を放って逃げるつもりだったがな、なかなか良い奴だから連れていってやる」
208番「はぁ……」
207番「この勝負で負けた奴はここから出てもらう。言えば囮だ。運が良ければ一人で脱獄もできるぞ」
208番「いやいや!!そんなのしないよ!」
207番「……あっそ。じゃあ二人でやろうぜ。そして二人で逃げようぜ」
208番「ハァ~……分かった。やるよ。」
206番「カイジみたいだね!!」
208番「イカサマとかは出来ないよな?当然」
207番「当たり前だろ?囚人だぜ」
206番「うるせぇ!一投目!!」
206番「……出目なし」
208番「ちょっと待って、勝ち負けはどうするの?」
207番「そうだったな。じゃあ空想の金でやろう」
207番「全員1000円ずつ。絶対100円賭けること。これでやろう」
208番「運勝負だな」
206番「じゃあ初めから?」
207番「二投目からだ」
206番「トホホ~……」ポイッ
206番「うおおおお出目4だああああああ!!」
207番「煩いよ。次俺な」ポイッ
カラカラカラカラ…
207番「ヒフミですやん」
208番「うわぁお気の毒だ」クスクス
207番「黙れ!次はお前だ!!」
208番「わかってるよ」ポイッ
207番「ションベンしろよ」チッ
206番「何が出るかな~♪」
208番「出目6。俺の勝ちだ」
207番「……じゃあ、206番が千三百円、俺が七百円。208番が1100円か?」
208番「やったー、次は俺が親だ」
206番「ヒーフーミ、ヒーフーミ」
208番「出目2……終わった」
207番「まぁそう気を落とすなよ」
206番「ざまぁーーー!!」ゲラゲラ
206番「俺だ俺だーー!」ポイッ
206番「えっとー……ションベンだ」
207番「ざまぁーーー!」
207番「俺だーー!」ポイッ
207番「ヒフミですやん」
ご飯食べに行くので中断します
ワイワイ ガヤガヤ
モニター室の看守「……バレバレだそ馬鹿共」ニヤリ
モニター室の看守「おい、206号室の後ろに入ってろ」ニヤリ
看守「ハッ!」ダッダッダッ
モニター室の看守「即死刑だぞ馬鹿共が……」
あ、やばコテでちゃった
はずぅぅwwwwww
コテだと叩かれるぅぅぅwwwww
>>35
小説書いてても叩かれるときは叩かれるんだから気にスンナ
>>36
コテだからって叩くでしょ?
続けたほうがいい?
紫マカロンだったのか
書きたいなら続ければいいし、叩かれるのが嫌ならやめておけばいい
>>40
エラそうだな
暇だし続けるわ
207番「おい俺かよーー!」
206番「早く行くべきだな」
207番「くそーー」ペラッ
207番「(長いな)」
207番「やっと出……」ビクッ
看守「何をしている?」ガチャッ
207番「な……お、おい嘘……」
看守「処刑だ」ドンドンドン
207番「お前ら……逃げ……」バタ
208番「ふわぁ~……遅い」
206番「本当に逃げたのかも。ちょっと見てくるか」ペラッ
208番「俺も行きますわ」
206番「お~……長い」
208番「長いなぁ」
206番「……出たぞー」
208番「出……って看守!!」
看守「残念だったな。全員死刑だ」ガチャッ
206番「……!?207番…!」
看守「先程殺したぞ」ニヤリ
206番「……貴様……!」
看守「何」バキッ
看守「痛っ!銃……がない!!」
206番「フー……フー……殺してやる……殺してやる……!」ガチャッ
看守「おい!!やめろ!!やめろ!!死刑だぞ!!」
206番「殺してやる!!!!!」ダダダダダダダ
看守達「ぐはぁっ」バタバタ
206番「フー……フー……」ハァハァ
208番「う、うわぁ……」ビクビク
206番「逃げるぞ……」ゼェゼェ
208番「ど、どこに逃げるんだよ」
206番「脱獄だ……こんな所から出てやる……!」
206番「フー……」
208番「……あっ!!」
看守「……」ガバッ
206番「ん!!なんだ!!出せ!」
208番「……え、連れてかれた」
208番「俺はどうす……うわっ!」
看守「やあ」ニヤリ
208番「ひぃぃぃ!!」
看守「まあそうビビるな。君は冤罪の人間だ。チャンスをやろう。206番をさっき捕まえたがどうせ逃げられる。今まで10回程捕まえたが逃げられた。だから君にお願いだ。奴が帰ってきたら213号室前まで逃げるふりをして連れてこい。そしたらお前は解放だ。悪い話じゃないだろ?」
208番「……」
看守「それとも無実のまま死ぬまで待つか?」
208番「……俺、やります」
看守「待っているぞ」ニヤリ
208番「もうあれから2時間……遅いなぁ」
206番「……ハァ、ハァ…」
208番「お、遅かったじゃないか」オドオド
206番「ごめん、ちょっとね」
208番「あ、あー!看守来るよ!逃げよう!」
206番「ん?どうした?焦りすぎだぞ。気持ちは分かるけどな」
208番「違うんだ!さっき足音がしたんだよ!」
206番「なっ、なに!?なら逃げなければ!!」
208番「そうだよ!逃げよう!」
206番「ああ、そうだな」
タッタッタッタッ
208番「(もうすぐ……!)」ゼェゼェ
206番「……けっこう遠くまできたなぁ」
208番「(210…211……212…)」
208番「(ここだっ!)」
206番「バレバレだよ?」ダダダダダ
208番「え……なん…で」ドサ
看守「撃て!!」ダダダダダダ
206番「死……ぬ…もんか……!」ダダダダダダ
看守「貴様……何て体力だ……」ドサ
看守達「ぐはぁ」ドサドサ
206番「みんな裏切り者だ」
プスッ
206番「でも俺は死なな……Zzz」
研究室
ビリビリビリビリビリ
男「うわああああああああ!!」
研究者「……フフフ、完成したぞ!」
男「……」ムクッ
研究者「ついに、超能力を……!」
男「……」ゴゴゴゴゴゴ
研究者「ふふふふふ、これで超能力殺者は私のものだ!」
研究者「ふふふふ」
男「ワタシハアナタノモノデス」
研究者「これで、私が神だ!!!」
男「カミデス」
研究者「ふふふふ!!」
研究者「さあ、私と共に世界を脅かそうぞ!!」フフフ
男「……」スッ
研究者「む?何をする」
男「……?」ボォォ
研究者「なっ!熱いっ!やめろ!!離せ!!」
男「……すまないが私はお前の手元には居れないな。超能力者を洗脳できるのは良くて5分だな」
研究者「な……」メラメラ
男「少し用ができた」
研究者「ま、まて……」メラメラ
男「……」ビリビリビリビリ
研究者「こ、殺す気か……!?」メラメラ
男「火が嫌なら電撃だな」ビリビリビリビリ
研究者「ぐわあああああ」バリバリバリバリ
男「雑魚に興味はない」パチパチ…
研究者「……」バリバリ
看守「206番……206番!」
206番「……ん?」
看守「今からお前を死刑執行する」
206番「えぇ!?おい、放せ!!」
看守「喚いても無駄だ。貴様は殺人まで行ったんだ。今更逃れようなんぞ考えるな」
206番「おい、嘘だろ……」
ゴゴゴゴゴゴゴ
看守「ん?何だ?」
ゴゴゴゴゴゴゴ
206番「?」
男「キィィィィエェェェェェ!!」
206番「と、父さん!?」
看守「なっ……!出てきたのか!」
206番「え、死んだはず……」
男「息子を返せぇぇぇぇぇ!!」ゴゴゴ
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