村長「せっかく勇者が生まれたのに女の子だった…」 (7)

村長「えらい困ったのう」

司祭「女では王宮に遣わすことも、旅に出すこともできませぬ」

司祭「次世代の男勇者が産ませるまでこの村は貧困にあえぐことになりますぞ」

村長「そうじゃな、男児でなくては王国より援助をうけることもままならん」

司祭「ではひとつ、村総出で男として育ててみてはどうでしょう」

村民「なんと! たばかろうとおっしゃいますか」

司祭「村のためじゃ。わかってくれるな」

母親「はい…」

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~15年後

勇者「お母様…旅立ちの日が来ました。ボクは今日、長年育った村を離れ魔王討伐の旅にでます…」

勇者「お母様…見守っていてください」

司祭「おお、勇者よココにいたのか」ツカツカ

勇者「司祭様」

司祭「すっかり泣かなくなったな。たくましく育ったことだ。体の線はちと細いが、まぁバレることはそうないだろう」

司祭「お前の母親もきっと喜んでおるよ」

勇者「では、お元気で」

司祭「まずは王宮へ行きなさい。王に謁見するのだ」

司祭「首を長くしてお待ちになっていることだろう」

勇者「いってきます!」

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