遊戯王ARC-VSS「図書館デート」(70)

ARC-V本編開始、1年前の夏休み・・

柚子「おはよ~」
フトシ「お~っす柚子ねーちゃん」
アユ「柚子おねーちゃんおはよー」

柚子「おはよ、フトシくん、アユちゃん」
「って、あれ?権現坂も」

権現坂「おお、柚子」
柚子「今日は随分早いわね。なにか用?」
権現坂「いや、特に用は無いが。用が無ければ来てはいかんのか?」
柚子「別に、そんなことは無いけど…」
「…遊矢は?」

フトシ「え~、今日はまだ見てないぜ?」
アユ「柚子おねーちゃんと一緒に来ると思ってたんだけど…」

柚子「…」時刻10:46
「この時間に来てないって事は…」
権現坂「全く、遊矢のヤツめ。夏休みだからと何時迄もダラ寝しおって、けしからん。ここは一つ、この
漢・権現坂が、親友として喝を…」
柚子「必要ないわ」

改行ミスった。
初SSなので手探り状態デス。

アユ「必要無い、てなんで?」
柚子「ん、なんでも。それより、アユちゃんとフトシくん、伝言頼める?お父さんに」
アユ&フトシ「伝言*」

柚子「うん。私と遊矢、今日は塾休むから、あとお願い、て」
フトシ「柚子ねーちゃんも休むの*今来たばっかなのに…」
柚子「ごめんね、用事できたから」
「じゃ、お願いね♪」
アユ「え、あ、ちょっと、柚子おねーちゃ…行っちゃった」

他の人のss見た? 台詞毎に行を変えてるよ。

柚子「遊矢は?」

フトシ「そういえばどこだ?」キョロキョロ

みたいにさ。がんばってね

改行出来てないよ
後、たぶん文字化けしてるんじゃないか?

アユ「どうしたんだろ?柚子おねーちゃん」
権現坂「ふーむ。もしかしたら、遊矢のところへいったのかも知れん」
フトシ「遊矢にーちゃんの?」
アユ「居場所知ってるのかな。てかひょっとして、デート…?」
フトシ「…面白そうだから尾けてみようぜ!」
権現坂「何を言っとる!柚子が何処へ行ったにせよ、この漢・権現坂、
友人を尾行などとけしからん真似は断じて出来ん!ましてデートの覗き見など絶対に…」
アユ「じゃぁ権現坂、一人でお留守番ヨロシク。行こ、フトシ」
フトシ「しびれるぅ~!」

5>なるほど、ありがとう。

6>細心注意払ってるんだが…
「何時」「何処」などは意図的になんだけど、読み難い?

あと、ついでに教えてください。
「カタカナの半角てどうやるの?」
使いたいのに使えない(泣

誰かお願いします。

>>4
アユ&フトシ「伝言*」の最後の*は文字化けじゃないか?

権現坂「え、あ、おい…」

権現坂「権現坂『さん』な…」

>>9
あー、それね。ハイ、確かに。

アユ&フトシ「伝言??」

て書こうとしたら見事に化けた。
すみません。あと、ありがとう。
以後気をつけます。

舞網市立大図書館/11:15

遊矢「…」ペラ「………」ペラ

柚子「やっぱりここに居た」

遊矢「…ん、柚子?」

柚子「塾休むんなら、一言くらい掛けなさいよね」
言いながら隣の椅子に。

遊矢「あれ、言ってなかったっけ?わるい」

柚子「別に謝らなくて良いわよ。何時ものコトだし」

柚子「今日は何読んでるの?」

遊矢「ん」
表紙見せ

「清水正丸の孤島シリーズ/第5巻」

柚子「好きねぇ、それ。何回目?」

遊矢「さぁ?数えてない…」ペラ

柚子「あ、そう…」ペラ

遊矢「……」ペラ「…………」ペラ

柚子「……」ペラ「………」ペラ

アユ「…なに、あれ」

フトシ「…読書してる」

アユ「それは見ればわかるわよ。そうじゃなくて…」

権現坂「何故あの二人が、わざわざ図書館で読書を…?」

アユ「そう、それ。デートにしては地味というか、そもそもなんで塾休んでまで読書してるの?」

フトシ「しかも、遊矢にーちゃんも柚子ねーちゃんも、眼鏡掛けてる」

アユ「しかも色違いのおそろい」

フトシ「結構似合ってるケド、二人共眼ぇ悪かったっけ?」

権現坂「恐らく逆だな。視力が良過ぎて、遠くを見るのは得意だが手元の小さな活字は読み辛いのだろう」

権現坂「遊矢は小柄だが、その理由で教室では後ろの方の席がいいと、以前聞いたコトがある。柚子は、よく分からんが…」

アユ「ていうか権現坂、なんだかんだでついて来てんじゃん」

フトシ「一人は寂しかったんだろ?しびれるぅ~(笑)」

権現坂「この漢・権現坂『さん』を寂しん坊扱いするとは!けしから~ん!!!」

アユ「図書館では静かに!!」

フトシ「怒られるぅ~www」


11:50
遊矢「……………」ペラ「………」

柚子「……」ペラ「………………」

アユ「二人共ずっと本読んでるね」

フトシ「飽きられるぅ~」

権現坂「むぅ。折角図書館に来たのだから、俺達も何か読むか。ずっと覗くのも失礼だ」

アユ「あ、わたし、読書感想文の本借りよ」

フトシ「あー、おれもだ…絵本でも良かった…」

アユ「わけないでしょ。課題図書」

フトシ「眠れるぅ~…」

13:24

権現坂(う~む。やはり五輪書は素晴らしい。何度読んでも魂を研がれるようだ。決闘者たる者、常住戦陣。心の剣を常に鍛えておらねばな!)

権現坂(それはそうと、気が付けばもう昼時か。本を読んでいるだけでもそれなりに腹は減ってきたな。アユとフトシ、遊矢と柚子も昼食を共にするくらいならば、『邪魔』にはならんだろう。誘いに行くか)

権現坂「む?なんだ二人共、また遊矢達を覗いて…」

アユ&フトシ「しーっ!!」

権現坂「ぬ*な、なんだ?」

アユ「あれ見て(小声)!」


遊矢「…………」ペラ「…………」
柚子「…」コックリ「…」コックリ

権現坂「…柚子が舟を漕いでおるな」

アユ&フトシ「舟…????」

権現坂「ん?知らんのか?あんな風に、眠くなって頭を揺らすコトを、『舟を漕ぐ』と言い表すのだ」

アユ&フトシ「へ~~~」

すみません、また化けた。

化ける字(?)は解ったので、もう次は無い。

遊矢「…………」ペラ「……」

柚子「………………………」コテッ

柚子「zzz………」


アユ「あ。柚子おねーちゃん寝ちゃった…」

フトシ「しかも遊矢にーちゃんにもたれ掛かって」

権現坂「……けしからんぞ、遊矢」

フトシ「もしかして羨ましいの?」

権現坂「な!?そんなことは!!けけ、けしからん!!!」

フトシ「動揺し過ぎ。ドン引くぅ~」

アユ「わたしはちょっと、うらやましい、カモ…」

フトシ「どっちが?…柚子ねーちゃんが?」

アユ「………///」

権現坂「…真っことけしからんぞ、遊矢…」

アニメ&夕飯の為、暫し休憩。

再開明日になるかも。待ってる方いたらごめんなさい。

必ず完結はさせるので、気長に待っていてください。

絵文字使うなよ

>>8
文字入力後、「F8」を押せば半角になる

>>24
ありがとうございます。
けれど、スマホで書いている場合はどうすればいいのでしょう。
宜しければご教授願います。

>>23
素人ですみません。実は、「絵文字」とそうでない「遊び文字」との区別も、あまり分かっていません。
代表的な例で教えていただけるとありがたいです。
どうぞお手柔らかにお願いします。

遊矢「風邪ひくぞ柚子。大丈夫か?」

柚子「ん~…」ズルっ、トサ…
っヒザマクラ

柚子「…すぅ…」

遊矢「…落ちたか。今日は割とがんばったな」←言いながら上着を柚子に掛けるユーヤくん(13)


アユ「…いいなぁ、おねーちゃん」

権現坂「…けしからん…」

とりあえず帰れ
掲示板云々以前にきちんとネットリテラシーを学んでこい

絵文字とそれ以外の違いが判らないって言われても説明出来ないわ

遊矢「…普段ガサツな柚子でも、寝顔は可愛いよな。『天使の寝顔』てやつか…」

遊矢「…ま、どちらかと言えば『天使』よか『ネコ』っぽいけど」クスッ

柚子「……ごろにゃん♪」

遊矢「ッ!!!あ、と、わるい、柚子。いいい、今のは…っ!!」

柚子「…ばーか」

遊矢「……柚子?」

柚子「…すぅ…すぅ…」

遊矢「…はぁ…」「…………」ペラ

>>27
解りました。では、今日はここまでにします。
明日、キチンと勉強した上で、再開します。
注意して下さりありがとうございます。
それと、不快にさせてしまい、申し訳ありませんでした。
これからもどうぞよろしくお願いします。

少々時間が掛るかも知れませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
おやすみなさい。

再開します。
待っていて下さった方、遅くなってごめんなさい。
あと、私の使っている機械では半角カタカナは不可能と判明。どうにか工夫します。


>>28からの続き

フトシ「うっわぁ~、ラブラブゥ~」

アユ「ホント、いいなぁ……ん?権現坂、どしたの?? 」

権現坂「け、け……っ! 」

権現坂「けしから~~~ん!!! 」

フトシ「うわぁぁ?!ビックリしたぁ! 」

アユ「ちょっと!だから大声は、」


ヒュッ、カンッッ!

権現坂「ぬ?!なんだ!? 」

フトシ「あ?権現坂、耳たぶから血が……」

アユ「いまなにか飛んできたような? 」

フトシ「もしかして、壁に刺さってるアレじゃね? 」

権現坂「これは、トランプのカード? 」

フトシ「絵柄の面に字が書いてるぜ? 」

JOKER「館内では静かに」←吹き出し台詞

アユ「遊矢おにーちゃんだよね、コレ」

権現坂「手品の延長の札投げか、さっきのは」

フトシ「しびれるぅ~っ」

アユ「本格的に怒られる前に、退散しよっか」

フトシ「だな」

権現坂「う、む。だが、あの二人をあのままというのは、」

アユ「ほーら、」ガシッ

フトシ「権現坂、」ガシッ

アユ&フトシ「お邪魔虫は良くないよ~」ズルズル……

権現坂「ぬ。うぬぅ」ズルズル……


P.M.17:45

キーン、コーン、カーン、コーン

アナウンス「閉館15分前となりました。ご来館の皆様、お忘れ物に注意し、速やかにお帰りの準備をお願いします。またのお越しをお待ちしています」

遊矢「ふぅ。もうそんな時間か」

遊矢「柚子。起きろ、帰るぞ」

柚子「う~ん……すぅ」

遊矢「熟睡かよ。ったく、、おーい柚子。起きろってば~」

柚子「ん~…… 」

遊矢「だめだ。揺すっても起きねぇ。よっぽど深睡してんだな」

遊矢「…… 」キョロキョロ

遊矢(周りに人の気配は無し。見られる心配は無さそうだ。なら… )

遊矢「久々だけど、大丈夫だろ」

言いながら右手の親指と薬指を合わせ、柚子の耳元に。そして……

遊矢「『催眠』なのに起こすっていうのも変な話だけど、、起きろ! 」パキンッッ

柚子「ヒゅにャっ?! 」ビクっ

遊矢(かわいい声だすなよっっ!)

柚子「ふぇ、? 遊、矢 。おはよ~」

遊矢「あぁ、おはよう柚子。もう閉館だ。帰るぞ」

柚子「 ? 閉、館 ?あ、そっか。今日は図書館に……て!?ご、ごめん遊矢!わたし、また寝ちゃってた?! 」アワワワっ

遊矢「あぁそりゃもうグッッスリと。今も催眠術で起こしたくらいだし」←本まとめてる

柚子「え、催眠で起こしたの? 」

遊矢「じゃないと起きそうに無かったし。気分は? 」

柚子「え、あ、うん。大丈夫」

遊矢「そっか。なら良かった。とっとと本返して、飯食べにいこうぜ」

柚子「あ、うん、、!じゃぁ、遊矢の分も私 返してくる! 」

遊矢「へ?いや、いいよ。自分の分は自分で、」

柚子「いいから渡して。迷惑掛けちゃったし、これくらいは、、遊矢はフロントで待ってて」

遊矢「あ、おい!、、行っちまった。別に気にしてないのに」

遊矢「……ま、いいか。それよりも」

また休憩入ります。

今日か明日中には完結します。

もう暫し、お付き合い下さいませ。

仕上げに入ります。

>>38の続き

権現坂「む、閉館か。結局一日中入り浸ってしまったな。遊矢と柚子は、」

遊矢「呼んだか?権現坂」

権現坂「どぅぬぉわっっっ?!ゆ、遊矢?! 」ドッキリバース

遊矢「驚き過ぎだよ。逆にこっちがびびった」

権現坂「お、おぉ、スマン。急に背後から声を掛けられた上、気配をまるで感じなかったものでな」

遊矢「オレは普通に近づいたつもりなんだけどな。てか、館内では静かに、て何度言わせんだ」

権現坂「う、スマン…… 」


権現坂「と、ところで遊矢。柚子と一緒だったのではないのか? 」

遊矢「ん?あぁ、柚子なら本返しに行ってくれてる」

権現坂「くれてる、というのは? 」

遊矢「寝ちまったお詫びに、てオレの分も一緒にってことさ。いつものコトなんだから、気にしなくて良いのに」

権現坂「……『いつもの』ということは、今までにも、二人で一緒に図書館に? 」

遊矢「あぁ。月に一度くらいな。毎日決闘漬けも良いけど、たまには息抜きが必要だろ? 」

権現坂「まぁ、確かに。だがそれで何故、二人で図書館に? 」

遊矢「別に、深い理由なんてないよ。ただ小学校の頃ハマったミステリー小説を読みに図書館に通ってたら、柚子が勝手について来るようになって、月一の息抜きにも同じく勝手に『便乗』発動して来てる。ただそれだけだ」

権現坂「そうか。何故唐突に罠カードを発動したのかは解らんが、」

遊矢「少しくらいは決闘要素をな」

権現坂「……ともかく理由は解った。念のため訊くが、その、デート、では無いのだな? 」

遊矢「はぁ?デート?なわけ無いだろ。なんでオレと柚子が」

権現坂「そ、そうか。いやその、お前が柚子に、『膝枕』を、しているのを見たのでな。中学生の分を越えた関係なのでは、と。二人の友人として少し心配になってな」

遊矢「なんだそりゃ。膝枕くらい普通だろ。オレと柚子は幼馴染みなんだから」

遊矢「そんなことより、アユとフトシも来てるんだろ?せっかくだから皆で晩飯行こうぜ」

権現坂「む、夕餉か。昼食を摂っていないから、かなり空腹だな」

遊矢「『ゆうげ』て、いつの時代だよww 」

遊矢「それはそうと。一日中座って読書してるだけでも、なぜか腹減るよな」

権現坂「意識しだすと余計にな。時間も丁度良いし、皆で行くか」

遊矢「フトシのやつ、腹減り過ぎてスリム化してたりして」

図書館近くのファミレス/P.M.18:20

フトシ「生き返るぅ~~ 」

アユ「それじゃ、デートしてたワケじゃないんだ。おねーちゃんとおにーちゃん」

遊矢「だから違うって。恋人でもないのに、デートなんかするワケ無いだろ。ましてや柚子と」

柚子「ちょっと最後のどういう意味よ!? 」

アユ「まぁまぁ、柚子おねーちゃん。でもほら、お膝枕してたでしょ?あれって恋人にしてあげるものじゃないの? 」

柚子「み、見られてた……// 」

遊矢「権現坂にも言ったけど、幼馴染みなんだから膝枕くらい普通だろ。別に恋人同士でしかやっちゃいけない、なんて決まりは無いんだから」

フトシ「ほれってりぇーと

>>45すみません!!ミスりました。

フトシの台詞からやり直し。

フトシ「ほえってりぇーとほほんはひひゃ? 」

柚子「口に食べ物詰めたまま喋らない! 」

アユ「ハムスターみたくなってるよ」

遊矢「……第一、あれは柚子が勝手にオレの膝を枕にしてるだけだ。ひとの息抜きに便乗しといて毎回寝落ち。挙げ句勝手に膝枕。迷惑とは思ってないけど、変に誤解されるのは御免だ」

柚子「……イロイロごめんなさい」

遊矢「だから柚子を迷惑とは思ってないって。ただオレたちを見て、他人があれこれ言ってくるのが嫌なんだ。オレと柚子が何をしてたって、関係無いだろうに。誰にも迷惑は掛けて無いんだしさ」

アユ「……」
フトシ「……」モゴモグ
権現坂「……」

遊矢「オレが言いたいのは、まず柚子のことは本当に迷惑なんて思ってない。だからもう謝るな? 」

柚子「…はい」

遊矢「次に、オレをからかうのは良いけど柚子を巻き込むな。柚子に他意は無い。ただオレたちが幼馴染みだから、一緒に居るのが自然で、半分兄妹みたいなもんだから膝枕も普通。要は柚子がオレを何とも思ってないから、お互いにリラックスしていられる」

遊矢「オレは笑われてナンボの道化。けど柚子はそうじゃない。普通の女の子だ。理由も無いのにオレと一緒に居るってだけでからかわれたら、オレも良い気しないし何より柚子が可哀想だ」

遊矢「アユだって、誰かクラスの男子とかと二人きりで話してて、たったそれだけで周りに囃し立てられたら、腹が立ったり悲しくなったりするだろ? 」

アユ「…うん」

遊矢「それと同じだ。自分がされて嫌なことは他人にもしない。ましてや、オレたちは『遊勝塾』の生徒なんだから」

アユ「 ? 関係あるの? 」

遊矢「明るく楽しく、観てる人々をハッピーな笑顔にする。それが、『遊勝塾』の誇る『エンタメデュエル』だ。誰かを嫌な気持ちにさせる笑いは、オレたちが目指す『エンタメ』じゃない」

遊矢「『面白けりゃなんでも良い』なんて考えじゃ、いつか自分自身が嗤われる。そういうヤツに限って、自分が嗤われたら逆ギレして、他人を傷つける。そしてまた嗤って嗤われて。気がつけば、『心から笑う』てことができなくなってる」

遊矢「『笑顔』を無くしたヤツが、だれかを『笑わせる』ことなんてできない」

遊矢「だれも笑顔にできない決闘をするために、アユは『遊勝塾』に入ったのか? 」

アユ「ちがう。あたしは、失敗しても、ピンチの時でも。何度挫けそうになっても立ち上がって、最後は必ず笑顔をくれる。そんな遊矢おにーちゃんや、柚子おねーちゃんに憧れて、『遊勝塾』に入ったの。誰かを、嫌な気持ちにさせるためじゃない」

フトシ「おれだって同じだよ。二人や遊勝さんに憧れて、デュエルを始めたんだ」

遊矢「だったら、アユもフトシも、忘れるな。
『わらって良いコトと、わらっちゃいけないコトがある』
その境界はものすごく曖昧だ。けれどちゃんと見定めないと、誰かを傷つけるかもしれない。そして他人を傷つけることは、結局は自分を傷つけることにもなる。それは『エンターテイメント』じゃない」

遊矢「決闘はみんなで楽しみ、笑顔になるためにするもの。
みんなの心を幸せな笑顔で満たす。それこそが『エンタメデュエル』
オレだってまだまだ修行中で、失敗することもある。大切なことを忘れることだって、この先あるかもしれない」

遊矢「けれど、オレたちは一人じゃない。誰かが忘れたり、間違ったりしても、同じ気持ちを共有する仲間が、必ず『笑顔』を思い出させる」

遊矢「そのためには、一人一人が普段から『笑顔』をわすれないこと。
最初に話してた、オレと柚子の息抜き。デートじゃないって言ったけど、仮にデートだったとしても、それを誰かに冷やかされる筋合いは無い」

遊矢「アユもフトシも、バカにする気持ちは無いってのは解ってる。けれど、もし自分が将来、好きな人とデートして、それを冷やかされたら、嫌だろう?バカにされてるんじゃないって解ってても、心のどこかにモヤモヤはできる。そのモヤモヤが、二人の、そしてみんなの笑顔を曇らせる。笑顔が曇ると幸せが逃げてく。そんな、悲しいチェーンブロックを積み上げてしまわないよう。
『笑顔』を忘れてしまう、きっかけを作らないよう。今のうちから気をつけてほしくて、柄にも無い説教を始めたんだ」

「…ふぅ 」

遊矢「慣れないコトすると疲れるな。途中から頭回らなくなっちまった」

遊矢「ごめんな、みんな。一人で長々と語っちまって。けど、最後まで聴いてくれて、ありがとな。オレが言いたかったこと、ちょっとでも伝わったか? 」

柚子「遊矢が、みんなのことを真剣に想って言ったんだ、てことは、伝わったはずだよ。ね?二人とも」

アユ「うん。あんまり長くて、正直全部はわかんなかった。でも、遊矢おにーちゃんが、あたしたちに何を伝えたいのかは、わかったよ」

アユ「あたし、もう誰かを冷やかしたり、バカにするようなこと、一生絶対に言わない。からかったりはするけど、絶対に、相手を傷つけるふうには言わない。ちゃんと、みんなで笑い合えるようにする」

アユ「遊矢おにーちゃん、柚子おねーちゃん。嫌な気持ちにさせちゃって、ごめんなさい」

フトシ「ごめんなさい」

柚子「謝らなくていいわよ。私は、最初から気にしてないし。遊矢だって、ホントはそんなに怒ってないでしょ?話をちゃんと聴いてもらうために、ワザと怒ったフリしてただけで」

遊矢「あはは、ばれてたか。いつ気付いた? 」

柚子「最初から。珍しいコトするな~、て思ったんだけど、それだけ本気なんだなって。だから私も。権現坂だって、遊矢に合わせてずっと黙っててくれてたんでしょ? 」

権現坂「確かにそれもある。
しかし、この漢・権現坂。単純に遊矢の言葉に聴き入っていた。
遊矢自身が言った通り、長講に過ぎる感は否めない。
だがそれは、遊矢が常日頃から、様々なことを感じ、考えていることの裏返し。伝えたいことが多くあるからこそ、期せずして始めた説教で、短くまとめ切れなかったのだろう」

遊矢「それを短く解り易くまとめるのが、本物の文章力なんだけどな」

権現坂「遊矢。この漢・権現坂は今、猛烈に感動している! 」←漢泣き

遊矢「うぉ?!な、なんだよいきなり…… 」ビクッ

柚子「急にどしたの?権現坂…… 」

権現坂「遊矢!!遊勝さんがいなくなってからというもの、お前はいつもいつも!ヘラヘラとふざけてばかり!この漢・権現坂、幼少からの親友であるお前に対し、正直失望していた! 」

遊矢「お、おう。それはまぁ、なんだ、そうだろうな。うん。
けど権現坂、失望されるのは解るけど、せめて泣くか怒鳴るかどっちかにしてくれないか? 」

権現坂「しかし!この漢・権現坂。先程の遊矢の説教を聴き、自らの浅はかさを大いに恥じた!
遊矢、お前はふざけながらも、常に真剣に向き合っていたのだな、『笑顔』と!そして、遊勝さんから受け継いだ『エンタメデュエル』と!
この漢・権現坂、親友のそのような想いも知らず、上っ面だけを見て『失望した』などと!けしからん!けしからんぞ、俺~~!!!」

この後、権現坂は号泣しながら遊矢を抱き締め、更には料理を庇って逃げ遅れたフトシくんをも抱き上げ、感極まり過ぎて危うく二人を締め潰してしまいそうになった。
コックさんも含めお店の従業員十人以上、加えて他の男性客や駆け付けた警官、計二十数人の男たちに飛びかかられ取り押さえられ、ようやく遊矢とフトシくんを解放した権現坂。
けれど、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔はさながら鬼の形相。それで肩で息をしたりするものだから、今度は『少年二人を締め殺そうとした狂暴犯』として連行されそうになった。

締め殺されそうになった少年二人。
フトシくんは白目を剥き、泡を吹いて失神していたけれど、命に別状はないらしい。呼吸はしている。
もう一人。遊矢は苦しそうにしゃがみ込んでいるが、意識ははっきりしてるみたい。よかった。

遊矢「良くないだろ。権現坂のヤツ…… 」

ゼィゼィと、喘鳴のような荒れた呼吸で言葉を吐き出す遊矢。流石に、というべきか。今度はかなり怒っておいでのようだ。

柚子「大丈夫?遊矢」

遊矢「あぁ、大丈夫だよモチロン。
一瞬『粉骨砕身』なんて技名が浮かんじまったけど、運良く生きてるから。うん。全っ然平気だZE☆」

柚子「……遊矢、語尾おかしい。落ち着いて」

遊矢「…泣き出したと思ったらイキナリ締め殺されそうになったんだぞ。落ち着けってか? 」

柚子「うん、わかってる。わかってるけど、今はまず権現坂を。このままじゃ捕獲、、じゃなくて補導されちゃう」

遊矢「一回保健所送られた方がイイんじゃね?あの怪力バカ」

柚子「……遊矢 」

遊矢「………ちぃ、わかってるよ」

遊矢はその場に居た、自分と私以外の全員を催眠術で眠らせた。
権現坂だけは、「意識のみ眠らせ身体をラジコンのように操る」という、かなり(副作用が)キツイ術をかけて自力で動かさせた。
失神しているフトシくんは遊矢が担ぎ、遊矢の術で眠らせたアユちゃんは私が抱っこして、急いでお店を出た。
ちなみにアユちゃんは、いち早く危険を察知し、私を引っ張って席(権現坂)から離脱していた。
遊矢はマリオネット状態の権現坂を通学路沿いの河原に捨て(アイツの馬鹿力なら平気だろ)、フトシくんとアユちゃん、そして私とをそれぞれの家まで送り届けてくれた。
二人きりになってから、遊矢が私に「頼みがある」と言ってきた。

遊矢「明日からしばらく、口裏合わせてくれないか?今日一日の」

柚子「なんで、なんて聞かなくても解るけど。三人とも? 」

遊矢「いや、アユとフトシだけでいいと思う。権現坂は、一週間はバグッてるだろうし」

柚子「サラっとアブないコト言わないでよっ。一週間て、、もう少し安全に使えないの? 」

遊矢「無茶言うな。オレにだって、なんで使えるのかわかんねーてのに」

柚子「小学校の図書室で見つけた本の内容を遊びで試してみたら使えちゃった☆とか、どういう才能よ」

遊矢「オレが訊きたいよ」

柚子「大体ねぇ、なんで『催眠術』なんて試そうと思ったのよ。そんなオカルトチックな」

遊矢「オレだって、例えばこれが『魔法』とかだったら、試そうなんて思わなかったよ。在り得ねぇし。けどほら、『催眠術』くらいだったらさ、なんか、在りそうじゃん?そんで出来心で~というか。マジで使えるなんて思わねぇしさぁ! 」

柚子「ハァ、もういい。とにかく、アユちゃんとフトシくんね。今日一日の内容を、さり気なく刷り込む、で良いのよね? 」

遊矢「あぁ、頼む」

柚子「はいはい」

私の家に着くと、途端にお父さんが飛び出してきて、何事かを喚いていた。権現坂騒動ですでにつかれきっていた私は、聞き流しつつ遊矢を振りかえった。

遊矢「んじゃ、また明日」

柚子「うん、おやすみ」

後日ーーー

とりあえず、遊矢の言った通り権現坂はあれから一週間ほど、まるっきり使い物にならなかった。

アユちゃんとフトシくんは、あの日のことを殆ど覚えておらず、丸一日分の記憶を補完するのに3日かかった。
ただ、遊矢が熱弁を奮って伝えたことは、なんとなく覚えているらしく、あの日以来、二人はちょっぴり大人になった。ような気がする。

この約一年後、私と遊矢の運命の振り子が大きく揺れ出すことを、この時はまだ、誰も知らなかった。

そんな、夏休みのとある日々ーー

Finale♪

ハイ、というわけで、終わりです。

言い訳はしません。如何なる酷評も甘んじて受けます。

誰も期待していないでしょうが、次回作ではもう少しマトモな物を書きます。

助言・注意等下さった方々、ありがとうございました。あまり活かせず申し訳ありません。
では、おやすみです。

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