アユ「柚子お姉ちゃんのハリセン？」

柚子「アユちゃんは見なかった？」

アユ「さあ？」

遊矢「もう諦めようぜ」

柚子「ダメよ！」

遊矢「うっ・・・」

アユ「何で必要なの？」

柚子「それは・・・」

遊矢「アユは知らないんだな」

アユ「うん」

遊矢「次に行くぞ」

タツヤ「ハリセン？」

遊矢「俺は別にいいんだけどさ」

タツヤ「柚子姉ちゃんでしょ？」

柚子「見てない？」

タツヤ「ハリセンぐらい遊矢兄ちゃんが買ってあげなよ」

遊矢「そうか！買ってやるよ柚子！」

柚子「あれじゃないとダメなのよ」

遊矢「だから何で」

柚子「それは・・・」

タツヤ「女心をちゃんと理解しないと誰かに取られちゃうよ」

遊矢「・・・」

フトシ「痺れるゥ～！」

遊矢「フトシも知らないのか」

フトシ「痺れるゥ～！」

柚子「そう・・・」

フトシ「痺れるゥ～！」

遊矢「それっぽいのを見たって？」

フトシ「痺れるゥ～！」

柚子「一体どこで」

フトシ「痺れるゥ～！」

遊矢「教えろよフトシ！」

フトシ「黒咲隼だ」

遊矢「見つけたぞ黒咲！」

ユート「うっ・・・」

柚子「返しなさいよハリセン！」

黒咲「ユート？どこ行った！？」

遊矢「黒咲！」

黒咲「瑠璃のハリセン？」

柚子「フトシくんが言ってたわ！」

黒咲「確かに持っていたが」

遊矢「どこにあるんだ？」

黒咲「瑠璃の同級生に渡した。こんな髪型の奴で」

遊矢「沢渡か・・・」

沢渡「何で俺が柊柚子のハリセンを・・・捨てちまお」ポイッ

遊矢「沢渡ィ！！！」

沢渡「うわっ！？」

柚子「私のハリセンは！？」

沢渡「ハ、ハリセン？」

柚子「答えなさいよ！」

沢渡「捨てちまった！」

柚子「川に流されてる・・・何ているするの！」

沢渡「ハリセンぐらいでガタガタ言うな！あんなものぐらい」

柚子「酷い奴ね！」

遊矢「俺が取って来てやるよ柚子」

柚子「危ないわよ！もう諦めるから」

遊矢「もし十代さんなら絶対に取って来る。遊星さんだって遊馬だってカイトさんだって」

柚子「で、でも」

遊矢「大切な物なんだろ？」

柚子「うん」

遊矢「ちゃんと持ってくるからそこで待ってろ」

沢渡「お、おい！」

遊矢「かっとビングだ！俺！！」

バシャッ

柚子「あっ！」

沢渡「本当に飛び込みやがった・・・」

権現坂「遊矢！なぜ川に居るんだ！」

遊矢「権現坂！ちょっと訳ありでな」バシャバシャバシャ

権現坂「訳あり？ならばこの男権現坂も共に！」

遊矢「これは俺のデュエルだ！」バシャバシャバシャ

権現坂「デュエルならば仕方がない・・・」

遊矢「もうちょっとで手が届く・・・ハリセンに」

権現坂「まさかあのハリセンは柚子の！？柚子のために川に飛び込んだのか！？この時季に！」

修造「まさに青春だ！青春を爆発させるんだ遊矢！」

遊矢「おう！」

修造「遊矢はまた一皮剥けたみたいだね権現坂くん」

権現坂「うむ」

遊矢「ハァハァ・・・寒い・・・」

柚子「遊矢！」

遊矢「柚子・・・これ」

柚子「ハリセンよりも遊矢が」

遊矢「いいから、もう無くすなよ」

「沢渡さん！榊遊矢を助けるって本当ッスか！？」

沢渡「ここで恩を売ってやるんだ！」

「沢渡さん！マジレスキューッスよ！」

沢渡「遊矢ァ！どこ行ったー！」

柚子「もう上がってるのに・・・縄まで持って」

遊矢「疲れた・・・」

遊矢「そう言えばどうしてそこまでハリセンを？昔から使ってたけどお前」

柚子「・・・これよ」

遊矢「写真？俺の？何で？」

柚子「何でって・・・よく見なさいよ」

遊矢「俺だろ」

柚子「だから・・・いい笑顔してるから遊矢が」

遊矢「確かに笑ってるな俺」

柚子「だから大切な物なのよ。遊矢が楽しそうにしてるから」

遊矢「何か照れるな・・・帰るか？」

柚子「うん！」

遊矢「写真か・・・」