提督「まるで地を這う波濤のように」 (16)
電「司令官さん、言われた通り皆を集めてきました」
提督「ありがとう電、助かったよ。さて、よく集まってくれたな、電、神通、足柄、赤城、陸奥、イムヤ」
伊168「本当よ。今何時だと思ってるの?本当人使いがあらいんだから司令官は」
神通「イ、イムヤちゃん!提督に向かってそんな事……」
陸奥「あらあら、小さいイムヤ『ちゃん』はもうおねむなの?いい娘だからもう少し我慢して起きていましょうね」
伊168「なっ!子ども扱いしないでよね!大体戦艦なんて私達に手も足も出ないくせに!」
陸奥「冗談よ。ムキになっちゃって本当可愛いわねイムヤは」
伊168「くっ……」
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足柄「はいはい、それくらいにしときなさいな。今は提督の前よ?」
提督「いや、いいんだ足柄。そんなに肩肘の張った話でもないしな」
赤城「あの、それでお話と言うのは?」
提督「ああ。お前達を呼んだのは他でもない。ここにいる六人は各艦種の中でも最初に我が艦隊に加わってくれた者たちだ。今日までよく第一線で活躍してくれた。改めて礼を言わせてくれ。ありがとう」
赤城「そ、そんな。頭をお上げになってください。普段から提督は私達に充分良くして下さっていますよ。むしろ私達の方が感謝しています」
足柄「そうよねえ。ただ未だに私の作るスペシャル勝利定食を食べてくれない事には納得がいきませんけど」
提督「ははは、それはまたの機会にな。話を続けるぞ。それでお前達には労いの意味を込めて何かしてやりたいんだ。もちろん私に出来る範囲でなら何でもしてやるつもりでいる」
神通「……何でも、ですか?」
提督「ああ、そうだ」
電「で、でも……電達だけ特別扱いだなんて、そんな…。皆でここまで頑張ってきたのに…」
提督「電の言う事ももっともだ。上に立つものとして部下を差別するようなことはあってはならない。…だかな、正直に言うと私はここにいる6人の事がかわいくてしょうがないんだよ。それだけお前達は私にとって思い入れがある艦娘なんだ」
陸奥「そういえば、私が艦隊に加わった時涙で顔をグチャグチャにしながら大喜びしてたわね。何事かと思ったわ」
伊168「私の時はあまりに興奮して失神したんだっけ。こんな司令官で大丈夫かしらって思ったのも今じゃいい思い出ね」
提督「いやあ面目ない。まあそれはそれとして何をして欲しいか考えておいてくれ。期限はないから思いついたら各自好きなタイミングで私に教えてくれたらいい」
電「………」
提督「それとこの事は私達だけの秘密だ。一部の艦娘を贔屓してると他の娘達にバレて鎮守府内の士気が下がるのも問題だからな」
赤城「提督も随分な事を言いますね」
提督「まあな。だからこそこんな夜中にお前達に集まってもらったんだ。話は以上。電も今日はもう休んでくれ。わかったな?」
一同「了解しました」
提督「よし、では解散だ」
電「……おやすみなさい」
伊168「うーん、何をお願いしようかな」
足柄「なんでも、って言われると逆に困っちゃうわね。赤城さんはどうするの?」
赤城「…そうですね、まあ時間はありますしじっくり考えてみます。今は提督が私を特別に思ってくれている事が嬉しくて、まともに考えられそうにもありません」
陸奥「まあ、提督の競争率は半端じゃないしね。そう考えると私達はかなりリードしてることになるのかしら」
神通「………」
電「……神通さん?帰らないのですか?」
神通「……提督。私、してほしいこと決まったんですけど大丈夫ですか?」
提督「もう決まったのか。いいぞ、言ってくれ」
神通「私を…抱いて下さい」
電「なっ!?」
伊168「!?」
足柄「……」
陸奥「……あら、あらあら」
赤城「……そうきましたか」
提督「……私でいいのか?」
神通「はい。寧ろ提督でなければ嫌です」
提督「そう言ってもらえて凄く嬉しいよ。私も神通の事が愛しくてたまらなかったんだ」
神通「私もです。では、今夜はよろしくお願いします」
提督「ああ。では行こうか」
赤城「……提督、でしたら後日私にも同じ事をしてもらってよろしいでしょうか?」
陸奥「私もそれでお願いするわ」
提督「赤城…陸奥も…わかった。いっぱい愛してやるからな。楽しみにしておいてくれ」
電「……ちょっと待ってください。それは違うと思うのです」
伊168「私もそう思うわ。司令官の好意に甘えて関係を持つのは違うんじゃない?」
足柄「私も2人と同意見ね。何でも、とは言われたけどあくまで常識の範囲内での話でしょう。だいたい提督とデキればそれでいいの?こんな形で関係を持っても虚しいだけじゃないかしら」
神通「そうかもしれません。でも私は本気で提督の事が好きなんです。だからこういう機会でも提督とデキるのであればその機会を逃すつもりはありません」
赤城「神通ちゃんの言う通りです。それに自分の権利を使って提督も納得しておられるんだから問題はありませんよね」
陸奥「そうよ。あなた達にとやかく言われる筋合いはないと思うけど」
続きはまた
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