【モバマス】佐藤心は我が道に迷う (39)

社長「うーん、最近壁ドンがいいシチュエーションって風潮だよね」

乃々「確かに、ちょっと憧れる状況ではありますけど……」

社長「やっぱり少女漫画とかでは……、その……、ときめく感じなの?」

乃々「そうですね。漫画ではですけど……」

社長「確かに。日常生活でやったら単なる脅迫だよね」

乃々「そ、そんな夢のないことは言われても困るんですけど……」

社長「いや、最近の映画でも壁ドンシーンをメインにしようとしてるやつあるじゃん」

乃々「うぅ……、でも、やっぱり、ちょっと男らしさや俺様感が出て……、その……」

社長「でも、つり橋効果みたいな考え方もあるよね」

乃々「見も蓋もないことを言わないで欲しいんですけど……」

社長「いないじゃん、その……、ロマンの中で行き続ける人なんて……」

日菜子「むふふ……、面白い話してますね」

社長「前言を撤回させて頂きます」

乃々「うぅ……、その……妄想でも……」

社長「まあ、確かにね。でもさ、でもだよ。それは中高生までじゃん。二十歳も越えて、そんなメルヘンロマンに生きる人はあれだよね。終わりだよね」

心「おっす☆今日もスウィーティーでキュートなしゅがーはぁとが来てやったぞ☆」

社長「……」

心「おい、なんで無言で合掌してるんだよ☆てゆーか、乃々ちゃんまで……、日菜子ちゃん……、えぇ……」

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社長「まあまあ、ジョークはここまでにして何の用かな?ちょっと流行調査は切り上げようか」

心「ちょっと相談があるからのって☆」

社長「P関連のことかな?」

心「それじゃなくて……、これからのことかな☆」

社長「今回は、真面目なやつか」

心「はぁとはいつでも真面目だよ☆年が年だからね☆」

乃々「でも、それだけやる気があれば大丈夫だと思うんですけど……」

日菜子「そうですよぉ。しゅがーはぁとなんてお姫さまみたいで……、むふっ」

心「簡単な問題じゃないの☆これからの生き残りがかかってるやつ」

社長「エグいね、内容が。とりあえず、人がいると話辛いだろうから日菜子と乃々は席外して」

乃々「では、もりくぼはリスになりきりますから……」

日菜子「心さん、機会があったら衣装作ってくださいねぇ。お姫さまみたいなものを期待してますからぁ……」

心「はぁとにおまかせだよ☆」

社長「まあ、泥船だけどね」

心「砂糖菓子で出来た船に訂正して☆しろよ☆」

社長「どちらにしろ出港は出来ないんですが、それは……」

社長「仕切り直して行こうか。今日の相談内容は?」

心「ぶっちゃけ、色物だよね☆」

社長「否定して欲しい?」

心「しろよ☆落ち込むだろ☆」

社長「大丈夫。しゅがーはぁととか奇抜な衣装を着て奇行をしてるけど佐藤さんは色物じゃないよ!!」

心「喧嘩は買ってあげるよ☆」

社長「んー、でもPがそうやって売り出すって決めたんだから、それを信じれば……」

心「シリアス展開にして無視してんじゃねーよ☆」

社長「まあ、あれでしょ。スタッフになんか言われたんでしょ。後で始末するから名前と特徴」

心「目がマジだぞ☆とりあえず、落ち着け」

社長「大丈夫。悩みの種はなるべく早く、ね……」

心「お前何者だよ☆」

社長「ま、冗談だけどね」

心「目が冗談から戻ってないぞ☆」

心「最近、同級生が次々結婚しててさ……」

社長「そんなの、この事務所では日常茶飯事……」

心「それだけじゃねーよ☆晴ちゃん、乃々ちゃん……、みんなやりたくないことをやってるのに、はぁとはやりたいことやれてるじゃん……、これも、その……」

社長「そんなこと言ったらヘレンさんはどうなりの!?」

心「あの人は世界レベルだから……」

社長「あ、そっか……」

心「はぁとには何も残らない気がして怖いの……」

社長「佐藤さん……」

心「もし、はぁとがはぁとじゃなくなったら、はぁとは何になるの?はぁとは普通の女の子に戻れるの?はぁとはただの女の子としてアイドルできるの?」

社長「佐藤さん……」

心「プロデューサーは、はぁとがはぁとだったからスカウトしたんだよね」

社長「やっぱりP関連じゃないか」

心「何か文句あるの☆」

社長「いや、ないけど。ただ単に珍しいな、と」
心「はぁとはどうすればいいのかな?」

社長「ありのままでいいんじゃない」

心「でも……」

社長「悩む必要なんてねーんだよ!」

心「いつも通り常識に縛られないはぁとアタックをみんなにあげればいいんだね☆」

社長「そこは縛らなきゃ……」

心「……、本当にありがとね☆」

社長「まあ、仕事の一環ですよ」

心「あまり謙遜しなくていいよぉ☆似合わないくせに☆」

社長「お前本当に心からありがとうって言ってんの!?」

社長「そんなこと思ったってことは原因があるんでしょ、誰?」

心「315プロの鬼ヶ島羅刹っているでしょ☆」

社長「天ヶ瀬冬馬な」

心「そいつが、お前みたいな色物は努力も何もしてないからそんなに能天気でいられるんだって……」

社長「ああ……、今気が立ってるからなぁ……、アンタも挑発したんじゃないの?アイツが意味なくそんなこと言うわけないはずなんだけど……」

心「童貞ヘタレって言ってやっただけだよ☆」

社長「悪意100%の悪口じゃねぇか!?」

心「だって、幸子ちゃんや小梅ちゃんとかと話してるとき凄くキョドってたんだもん☆」

社長「やめろよ、触れてやるなよ!!」

心「だって、輝子ちゃんだって怯えてたし……」

社長「ま、まあ、アイツはああだけど、その……」

心「裏に呼び出して、ちょっと説教したら泣いたけど☆」

社長「泣かしたの!?」

心「で、どうするの☆」

社長「死ぬ寸前まで痛めつけようか、と思ったけどやめるよ。9:1でこっちが悪いじゃねーか」

心「スウィーティーでキュートなはぁとの金言を聞けたんだから、それで勘弁してあげて☆」

社長「随分、価値のない金だな」

心「1回本気でやるか☆マジで☆」

理樹・佳奈多「「メル友?」」真人・葉留佳「「おう(うん)」」

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理樹(バスの事故から3ヶ月、

もう雪が降る季節だ。

僕らは悪夢のような出来事から目を覚まし、

今をこうして悠々と過ごしている)

日常系リトバスSSです!

亀更新ですがよろしくお願いします

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心「いや、でもお前に話せて良かったよ」

社長「社長に向かってお前もおかしいけどな」

心「はぁとは、はぁとのままでいいんだよね☆」

社長「決めるのは自分自身かな」

心「なんか意地悪いな☆」

社長「お前よかマシだろ」

心「お前本当に冗談抜きでやるか☆」

社長「いいの?やっちゃうよ、やっちゃうよ」

心「今回ばかりはマジで☆」

社長「そっちがその気なら、こっちだってな……」

P「お疲れ様です」

社長「おっす、お疲れ」

心「お、プロデューサー☆いいところに来たね☆」

P「?」

心「ねえ、プロデューサー。はぁとは今のままでいいと思う?」

P「佐藤さん?」

心「はぁとは、ずっとはぁとでいられるわけじゃないでしょ☆」

P「それは……、その……」

心「プロデューサーは、はぁとがはぁとじゃなくなっても見捨てない?」

P「……」

心「はぁとは、今まではぁとで生きることしか考えてなかったよ。でも……」

P「でも、なんですか?」

心「はぁとはもうはぁとでいることに疲れちゃった、のかな?」

P「違うと思いますよ」

心「どうして☆」

P「あなたは、ただ俺の反応を聞きたいだけですよね」

心「……」

P「俺からの返事が肯定であることを期待してるんですよね。ただ安心したいだけですよね」

心「そ、そんなことは……」

P「佐藤さん!!」ドンッ

社長(おお、壁ドン)

心「な、何☆」

P「俺は、ただひたすらにしゅがーはぁととして頑張っている佐藤さんに輝きを見出したんです!」

心「!」

P「だから……、自分を……、そして、俺を信じてください!!」

心「ぷ、ぷろでゅ……」

P「俺は、あなたを絶対にトップに立たせてみせます!」

心「は、はい……」

P「佐藤さんは俺が守りますから……」

心「……」

社長(おお、佐藤さんが赤くなってる。傍から見る分には面白いな、これ)

心「はぁとは……、信じていい?」

P「はい!!」

心「……、わかった」

P「……、では、仕事がありますので、これで……」

心「……、待っ……、なんでもない……」

P「それでは、お疲れ様です」

心「はい……」

社長(この雰囲気、どうすんだよ。絶対、ここに人いちゃいけないパターンのやつだよね!!)

心「おい☆」

社長「ん?」

心「今さっきの……、誰にも言うなよ☆」

社長「白昼夢だった、っと」

心「そういうこと☆それじゃ☆」

社長(強がっているけど、顔真っ赤じゃないか……)

社長「ふぅ、なんだか仕事が急にしたくなったかな。なんて、ガラじゃないなぁ……」

心「プロデューサー、はぁとのことをずっと信じてね☆」

心「はぁともプロデューサーのこと信じてるから」

心「だって……」



















心「はぁとが輝ける仕事を持ってきてくれるプロデューサーの手腕にメロメロなんだもん♪」

                                            完

長々とSS書くのにかかってすいませんでした。次回も書く事があったらよろしくお願いします。

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