春香「犬になっちゃった」(35)

-765プロ 事務所

小鳥「あら、まだ春香ちゃんだけなのね……お茶がはいったの、要る?」

春香「あっ、ありがとうございます!頂きます」

小鳥(ふひひ…あの中には昨日知らないおじさんから貰った犬になる薬が入ってるのよね)

春香「美味しいです」ゴクゴク

春香「あれ………でもなんだか眠く…………」カクン

小鳥「疲れてるなら寝てていいわよ?今日は仕事も無いんだし」

春香(意識保ってられないや…………)

春香「」スースー

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美希「すごくかわいいの」

千早「それにしてもどこから迷い込んで来たのかしら?」

P「ほんと、どこから入ったのやら……765プロの警備態勢は犬に破られる程度だったのか」

春香(うん…………………………?寝ちゃってたのかな?……みんな帰ってきたみたいだし……………)ポケー

美希「ねぇハニー、この子ここで飼っていい?」

P「ダメに決まってるだろ、事務所に犬なんて言語道断だ」

春香(みんな……何の話してるのかな?)

目を開けると、プロデューサーさんたちが私を覗き込みながら何か話しているようでした

美希「えー!ハニーケチなの」

P「当たり前だ」

美希「じゃあ、追い出しちゃうの?迷子かもしれないのに」ウルウル

千早「それは、可愛そうね。プロデューサー、なんとかしてあげられませんか?」

P「うっ………」

寝ぼけてるのかイマイチ頭が回りません。みんなが何の話をしてるのかつかめないんです。
それにしても何だかいつもより視界が低いような。

小鳥「それなら、この子の飼い主が見つかるまで預かるっていうのはどうかしら?」

P「小鳥さんまで……分かった。2人ともアイドル活動に支障が出ないように責任もって面倒みるんだぞ」

美希「やったー!ハニー大好きなの!」

千早「良かったわね、ゴンザレス」


2人がこぞって頭を撫でてきます
何となく分かってきました
私、どうやら犬になっちゃったみたいです

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春香(どうしよう)

どうしようもないです
響がいたらもしかしたら話せたのかも知れませんが、今日響が来る予定はありません

美希「ほらわんちゃん!おにぎりだよ!」

千早「ゴンザレスはお米はたべないんじゃないからしら?」

あぁもう!さっきから、美希と千早ちゃんに撫でられたり、抱かれたり、気が休まりません

美希「あれ?にげちゃった…」



春香「プロデューサーさん、助けてぇ」

私の声は皆には届きませんが、それが犬らしい行動になってるみたいです

P「どうしたわんちゃん」ダキッ

春香「ぷっ、プロデューサーさん!?」

春香(わ、わ、私いまプロデューサーさんに抱っこされてる……それもすごく顔が近い……////)

P「よしよし 可愛いなぁ…」

春香「か、かっ、かわっ……えぇ?」

春香(プロデューサーさん、可愛いって!)

春香(そ、そう言えば、犬ってよく舐めるよね……その顔とか)

小鳥 ニヤリ

春香(なら…例えばだけど、プロデューサーさんのゴニョゴニョを舐めても全然普通だよね……ってやっぱり無理!恥ずかしいし!でも………ほんのちょっとなら…うぅ………)

結局ダメでした
でもプロデューサーさんの膝の上に乗せてもらえたし、プロデューサーさんに頭を撫でてもらったし……えへへ…犬も悪くないかもしれません

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夜になりました。プロデューサーさんのお膝の上で寝ちゃってたみたいです……今更ですが
このまま戻れなくなったら………そう思うと不安です

小鳥「そういうわけで、プロデューサーさん、今晩そのわんちゃんをお願いしますね」

P「はい、でも早く飼い主を見つけましょうね
情が移ってからだとみんなが辛い思いをすることになる」

プロデューサーさんに抱っこをされます…プロデューサーさんの腕の中はすごく落ち着きます

P「じゃあお前は今日は俺の家で泊りだ」

春香「えええええええええええ!?」////

春香(泊まりってどういう……っていうか心の準備がぁ!)

寝ます

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P「ただいまー…っつても、だれもいないんだが」

春香「お、お邪魔します」

春香(ここがプロデューサーさんの部屋なんだ....何もない...)

プロデューサーさんの部屋は、簡素というか、屋根があってベッドがあって仕事ができる最低限の機能しかない部屋でした

春香(そう言えば、プロデューサーさんって家だとどんな感じなんだろ?)

プロデューサーさんは帰りにスーパーで値引きされてたお惣菜を袋から取り出し、電子レンジで温め始めました
私のために買ってくれた、値の張りそうな缶詰もあけて、お皿に盛り付けてくれています

部屋は、電子レンジの稼働音と、プロデューサーさんがたてるカチャカチャという音しかしませんでした

春香「プロデューサーさん!」ワンッ!

私はどうしてか、プロデューサーさんに何か言わないといけない気がしました
声にはなりませんでしたが...

P「ははは、腹が減ってるんだな、待ってろすぐに用意してやるから」

どうやら勘違いされたようです

P「ちょっとやってみようか、待て!」

お皿が私の前に置かれます
すごくいい匂いです

春香(もぅ、ばかにして)フリフリ

命令されたのに不思議と嫌な感じはしませんでした。むしろ...いえこれ以上はやめておきましょう
もっとも、元は人間ですから、待てない訳がありません。でも、尻尾は私の意思とは関係なく動きました

P「よし、たべていいぞ!しっかしかわいいな」

食事中はずっと撫でられてました
顔が熱かったことだけは覚えています

ご飯が済んだ後、プロデューサーさんは仕事を始めました
いまさら気づきましたが、これって普段のプロデューサーさんが何をしてるかを知るチャンスですね!
今のところ、プロデューサーさんらしいというか、意外な一面とかは見せてくれてませんが…

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いつの間にか眠ってしまっていました
軽くのびをします
プロデューサーさんに目をやると、雑誌を読んでる最中でした

春香(あれって、皆が写ってるやつじゃ…)

尻尾がまた勝手に動いてるのがわかります

P「何だ?これが気になるのか……ほら」

春香(これ、無理矢理皆で一枚に入ったやつだ)

P「この写真気に入ってるんだ。そうだ、みんなの事を少し教えてやろう。これが美希だ…って今日一緒にいたし分かるか」

ぴよちょん誕生日おめでとう

P「これは千早、凄く歌がうまいんだ…これは言葉じゃ説明できないな。今度聞かせてもらおうか。いい表情してるけど、昔は仏頂面ばっかりだったんだ」

春香(そうだったなぁ、もう懐かしいや…)

P「感情を表に出すようになってから華やかになったというか、元々美人だったのに加えて千早らしい可愛さが出てきてるんだ。こうはっきり違いが解るとやっぱり嬉しいんだ、この良く似た二人が亜美真美……」

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P「これが春香」

春香(そうだ、私も写ってるんだった!?)

また、尻尾が一人でに動き始めます
うぅ、恥ずかしいから止まって……

P「……ってなんか俺独り言言ってるみたいだな……いくらお前が聞いてるとはいえ、なんだか恥ずかしくなってきた……ってイタッ!なんで爪立てるんだよ…」

春香「もうプロデューサーさんなんて知りません」ヴァイヴァイ

P「どうして鳴くんだよ…ほら撫でてやるから落ち着け」ナデナデ

ムカツキましたが、せっかくなのでナデナデは受け取っておきました

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春香です!遂に大人の階段をのぼったみたいです!

プロデューサーさんはおもむろに立ち上がって私を抱き上げました

もちろん‘おちてはいけません’から抵抗なんてしません

そして、脱衣所まで連れていかれました

プロデューサーさんが服を脱ぎ始めました




そこからしばらく記憶がありません

気付いたら、濡れた身体をドライヤーで乾かされてるところでした

P「そういえば、お前は春香に何となく似てるな…」

春香(・犬の私が可愛い
・犬の私と本来の私が似てる
⇒…………もしかして…//

ってそんな都合のいいことないよね……)

P「何だか元気無くないか?もしかして風呂で疲れたのか?凄く暴れてたし…」

春香(暴れてたって…私一体何したの………っつ…思い出そうとしたら頭がズキズキする…)




風呂シーンは割愛、許して下さい。なんでもしますから

春香(さっき、写真みながら何言おうとしたんだろ…気になるな…)

P「そうだな、もう寝るか」


そう言うとプロデューサーさんは私用に毛布を敷いてくれます

って、ええええええええええええええええええええええええええええええ
わ、わたし今日はプロデューサーさんと1つ屋根の下ですか!?
心の準備が…
って布団は別ですよね……なんだか、今日一日でプロデューサーさんと距離を感じた気がします

P「それじゃあお休み」パチン

春香(はい、お休みなさい。プロデューサーさん…)

目を閉じたらとたんに眠くなりました

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凄く暑くて目が覚めました。

身体が暑くて堪りません

春香(喉渇いたし、お水貰おうっと)

コップをお借りして水を飲みます

思ったより水は冷たく、意識も多少ですがはっきりしてきました

春香(結局プロデューサーさんはあのあと何を言おうとしたんだろう)

確認するまで気になって眠れません

部屋に戻ると、プロデューサーさんの寝息が聞こえてきました

私はこんなにモヤモヤしてるのに、スヤスヤ寝てるなんて、許せません

問い詰めてやりましょう、そうしましょう

そう決意すると、尻尾がまた勝手に動き出します

無防備なプロデューサーさんの上に、腹這いに乗ります

少し大胆な事をしてる気もしなくもないですが、こんなに尻尾が素直なら仕方ないです

春香「ねぇプロデューサーさん……おきて下さい…」ユサユサ

春香「ねぇってば……プロデューサーさぁん……」ユサユサユサユサ

P「Zzzzzzzzzzzzzzz」

春香(むっ、こうなったら…)

ペチペチ

P「Zzzzzzzzzzzzzz」

イラッ

パチーン

春香(えへへ、これすごい、何だか癖になっちゃいそうな……)

P「………ぅーん……………って春香ぁ!」

今度は口が勝手に動きました

春香「ねぇプロデューサーさぁん……私にはぁ何も無いんですかぁ?千早ちゃんや……響…他のみんなには何かあるけど……………なのに、私は無個性なんでふか?」

P「春香?言ってる意味が…それよりなんでここに」

春香「とぼけないでくださいよぉ…夕方に一緒に雑誌を見てるときにぃ……皆を褒めたのに私だけ飛ばしたでしょ」

P「えっとそれはだな……なんとうか……」

春香「なんれ言いにくそうにするんですか、やっぱり特徴がないのが特徴だって言うんですね」グスン

P「いやあるぞ、あるにはあるんだ」

春香「えっ」ワクワク

P「だが言いにくいんだ…」

春香「…」シュン

P「あぁあぁ分かった言うから!
春香のいいところは笑顔だよ!
これでいいか!?」

春香「はっ?それだけですか?千早ちゃんには6行もつかったのに?」

P「アッハイ、やり直します」

春香「はいっ」ワクワク

P「ゴホン…その…春香はだな、いつも魅力的なんだよ。可愛いのはもちろん、どんな時でも明るさを無くしたりしないし、俺が春香にどれだけ助けられたか知らないだろ?春香の笑顔は本当に魅力的なんだ。」

春香(………いつも魅力的…………可愛いのはもちろん………えへへ……でも安心して………)

P「いや、笑顔だけが魅力的って訳じゃないんだぞ。たまに拗ねた様な顔した時はグッとくるし、怒ったら跪きたく…って、何言ってんだ俺!だから、とにかく…ってあれ?」

春香「スースー」

P「えっ?」

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翌朝

物知り顔でプロデューサーさんの家に来た小鳥さんのでっち上げた嘘で、私が家にいた事と犬が消えた事はどうにかプロデューサーさんに納得してもらえました

ですが、その程度でこの出来事は収まりません

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P「春香」

春香(魅力的……………可愛い………………私が可愛いってプロデューサーさん…)//

P「あのー春香さん?」

春香「ふぇっ?…えっ?……はいっ!」

P「心ここに在らずって感じだけど大丈夫か?
それと、頼むから顔をこっちに向けてくれ」

春香「あんなこと言われて、まともに顔見れるわけないじゃないですか」ボソッ

P「えっ?なんか言った?」

私が一番……その…ゴニョゴニョしてる方が、私の笑顔で助けられたって言ってくれました

だから、私もそれに全力で答えます

春香「あのプロデューサーさん!」

昨日決めた…ううん、ずっと前からきめてた

きっと私の顔は真っ赤になってると思う

ちょっと緊張して変になっちゃうかもしれたない

でも、いま私が出来るとびきりの笑顔で

春香「今日も一日お願いしますっ!」



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小鳥「いい話ピヨ」

春香「後で事務所裏な」

小鳥「ピョォ!!」

くぅ疲
はるかさんが可愛すぎて生きるのが辛い

初投稿のSSなので、思い通りに文章が書けなかったり、処女作としてある意味でらしい出来になったと思います
またお目にかかることがあれば、次はもっとまともなモノをかけるように祈って

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