千足「何故、そんなありえないみたいな顔するんだ！！」

伊介「だってぇー」

鳰「仕方ないっスよねー」

春紀「桐ヶ谷とほんと仲良いもんな」

兎角「ロリコンだろ。小さな女の子が好きなんだから」

晴「兎角さん！本当の事でも本人の前で言って良い事と駄目な事があるよー」

しえな「生田目は不健全だ」

涼(年齢差の事を考えると、わしが香子ちゃんの事が好きだとロリコンになってしまうかもしれんのぉ)

香子「くしゅん…誰か私の事を噂したのか？」

乙哉「あたしは小さい女の子より、同い年ぐらいかお姉さんの方が好きかな」

真昼「ロリコン…小さな女の子が好き…？…いやあああ！！」

純恋子「どうなさいましたの番場さん？(怯えている番場さんも素敵ですわね)」

真昼（昔のトラウマが…）

柩「どうしたんですか、みなさん？ぼくがトイレに行ってる間に、何か騒ぎでもあったのですか？」

兎角「こうして見ると、やっぱり小さいな桐ヶ谷」

しえな「生田目と並ぶと身長差が凄い…」

晴「柩ちゃんが余計に小さく見えるね」

伊介「やだー！なんだか犯罪的ぃー♡」

千足「流石に私でも怒るぞ！」

柩「何かあったんですか千足さん？」

千足「桐ヶ谷は知らなくていい事だ…」

柩「？」

鳰「生田目さんがロリコンかどうかをみんなで話してたんッスよー」

千足（走りの奴…）

柩「ロリコン？」

しえな「ロリコン…ロリータコンプレックスの略称だ。意味は…」

涼「幼女や小さな少女に恋愛感情を持つ事、または持つ人間の事じゃよ。ロリータの由来はウラジーミル・ナボコフの小説『ロリータ』から来ておる」

晴「首藤さん、物知りー」

春紀「流石、わがクラス一の事情通」

しえな（ボクが言おうとした事が先に言われてしまった！）ガーン

乙哉(しえなちゃん、どんまい)

伊介「生田目さんがー、桐ヶ谷さんの事を好きみたいだから、みんなロリコンって言ってるのー」

柩「で、でもぼくは千足さんと年齢はそんなに変わりませんよ？」

香子「しかし見た目は小学生ぐらいの小さな女の子に見えるからな」

柩「し、小学生！？」

鳰「見えるッスよねー小学生に」

千足「もうこれ以上、桐ヶ谷に変な事を吹き込むのは止めてくれないか！」

千足「私が桐ヶ谷の事が好きなのは事実だし、桐ヶ谷の容姿が小学生に見えるのも事実だ」

柩（千足さんもぼくの事、小学生に見えるとか思ってたんですかー！？）ガーン

千足「だが、私は桐ヶ谷が小学生に見えるから好きになったのではない。たまたま好きになった桐ヶ谷が小学生のような見た目なだけで…」

鳰「割と今の台詞ってロリコンの言い訳の常套句ッスよねー！」

伊介「うわぁ！きもーい！」

春紀「妹達と会わしたくないな」

真昼「ロリコン…嫌い…です…」

純恋子「番場さんが嫌いという事は私も生田目さんの事が嫌いですわ！」

しえな「生田目…ちょっとカッコイイと思っていたのに…失望したよ」

千足「誤解だ！！」

涼「そんなに違う、違うと否定するならテストしてみるのはどうじゃ？」

千足「どういう事だ？」

涼「本当におぬしがロリコンであるかないかを判断するための質問や問題を出すから、その答えで判断するというわけじゃよ」

千足「…いいだろう。それであらぬ疑いを解く事ができるなら」

伊介「じゃあ伊介から生田目さんに問題ねぇー」

千足「うん」

伊介「晴ちゃんが背の小さくて幼い女の子だったら、生田目さんは晴ちゃんの守護者になってたかしらー？」

千足「え…！？」

千足「…」

千足「な、ならない！わ、私には果たすべき使命と桐ヶ谷という守るべき人がいるのだから！」

晴・しえな・涼・香子・伊介・春紀・鳰（答えるまでに結構、間が空いたな…）

兎角（小さくて幼い晴か…それはそれで良いな！）

乙哉(そんな晴っち、あたしの趣味じゃないよ)

純恋子（小さくて幼い番場さんを想像する…それだけでタマリマセンワー！！）

涼「今度はワシからテストじゃ」

涼「ここに香子ちゃんの幼き時代の写真がある」

兎角・晴・しえな・伊介・春紀・鳰（何で、そんなもの持ってるの！？）

香子「どこで、そんなものを！？」

涼「ほれ、見てみろ」

千足「…可愛い」

柩「！？」

千足「き、桐ヶ谷！？こ、これは、まあ、あ、あれだ！小さな女の子を愛くるしいと思って可愛いと言うのは別におかしい事じゃない！子犬とか子猫とかを可愛いと思うのと同じ事だ」

春紀「女の子を子犬、子猫扱いは酷いよなあ」

涼「おぬしにとっては幼子も犬畜生と一緒だという事じゃな」

伊介「それじゃあ、桐ヶ谷さんの事もそう思ってたんだぁ」

鳰「最低ッスねー」

香子「そんな事より、何であんな写真持ってるんだ首藤！？」

晴「兎角さんは犬と猫どっちが好き？晴はどっちも好き♪」

兎角「カレー」

純恋子「犬はキャンキャンうるさいし、主人の言う事に忠実なあたりが気に入りませんわ。私は猫派です」

真昼「子犬…好き♪」

純恋子「犬可愛らしいですわよね！私、実は犬も好きですの！」

千足（こいつら…）プルプルプル

柩「…大丈夫ですよ千足さん。ぼくはそんな事全然気にしてませんから」

千足「桐ヶ谷…」

千足（桐ヶ谷ならきっと私の事を信じてくれる…）

鳰「次はうちからテストッス」

千足「次は走りか…」

鳰「実はうちって桐ヶ谷さんと身長一緒なんっスよ」

伊介「へー。意外ー」

しえな「ボクは知ってたぞ！ボクの分析は完璧だ！」

鳰「なのに、桐ヶ谷さんと違って小学生に間違われる事とか無いんッスよねー」

涼（胸じゃな）

香子(胸だ)

しえな（胸だな）

伊介（胸ね）

春紀(胸か)

晴（おっぱい）

兎角「臭いからだな」

千足「桐ヶ谷と同じ身長の走りを私はこれっぽっちも可愛いと思った事はない。これは私がロリコンじゃないという証拠になるんじゃないか？」

鳰「これっぽっちもとか…流石に傷ついたッスよ…」

千足「ご、ごめん。言いすぎた…」

鳰「…そこで、小学生に見えるにはどうしたら良いか考えてみたッス」

鳰「そして出た結論、桐ヶ谷さんは服装も子供っぽい！」

兎角「確かに」

晴「小学生っぽいかもしれないね」

伊介「つまり乳臭いってわけねぇ」

純恋子（番場さんに子供っぽい服装着せてみたいですわ）

鳰「…というわけでウチが小学生っぽく見えるために着替えてくるッス」

鳰「お待たせッス」

兎角・晴・しえな・乙哉・涼・香子・伊介・春紀・千足「！！？？？」

鳰「小学生の着る制服に、通学帽、運動靴、そしてリコーダーが刺さった赤いランドセルッスよ！」ジャジャーン！

晴（こ、これはちょっと…）

しえな(コスプレかよ…)

香子（痛々しいな…）

涼(無理があるのぅ…)

春紀（恥ずかしくないのか？）

兎角（臭いな）

純恋子（番場さんに着せてみたいですわ）

乙哉(もしかしてこれも幻術なの！？)

伊介「…何でそんなもの持ってるのよ？」

鳰「そ、それは秘密ッス！」

鳰（理事長に時々着せられるんスよ…）

千足「…か、可愛い///」

兎角・晴・しえな・涼・香子・伊介・春紀・鳰「え！！！？？？」

柩「！？」

鳰「今、何と言ったんスかー？」

千足「いや、何も言ってない」

涼「おやあ？さっき可愛いって単語が聴こえた気がしたがのぉ」

伊介「聴こえた♪聴こえた♪」

千足「き、気のせいだ…」

鳰（まだ落ちないッスか…それなら…）

鳰「おねえちゃーん♪」

千足「え！？」

鳰「わたし、かわいくなーい？」

千足「そんな事はないさ。君は凄く可愛いよ」キリッ

柩「！？」

鳰「わーい！鳰うれしい！！」

千足「君が嬉しいと私も嬉しい」ニコッ

鳰「はーい。生田目さんロリコン決定ッス」

兎角・晴・しえな・涼・香子・伊介・春紀「異議なし」

千足「ちょ、ちょっと待ってくれ！！い、今のはつい…」

純恋子（私も番場さんにおねえちゃんって呼ばれてみたいですわ）

乙哉(ふわぁ～早く終わんないかな…)

伊介「ついって何よロリコン」

しえな「言い訳は見苦しいなロリコン」

涼「観念するんじゃなロリコン」

鳰「さっきの台詞は全部録音しといたッスよロリコンさん♪」

千足「き、桐ヶ谷！桐ヶ谷は私を信じてくれるか？」

柩「…ち、千足さんはどんな千足さんでも千足さんですから…。千足さんがロリコンでも、ぼくは千足さんが好きです…」

千足「ごめんよ、桐ヶ谷ああああああああ！！！！」

短いけど、ここまでです。
次回に続くッス。

放課後

しえな「文化祭の時期が迫ってるんだから気合入れて、練習するぞー！」

柩「はぁ…」

柩（千足さんはロリコンなんだ…）

しえな「どうした桐ヶ谷！気合が足りないぞ！そんなんで、観衆を魅了できると思っているのか！」

柩「す、すいません」

柩（集中しないと…それに千足さんがロリコンであっても千足さんが千足さんである事には変わりが無いはず！）

柩（でも、千足さんがロリコンだという事は…もしぼくが大きくなったら…）

しえな「何ボーっとしてるんだ桐ヶ谷！」

柩「ご、ごめんなさい！」

しえな「ったく」

柩（今は練習に集中しないと…）

しえな「桐ヶ谷！『ああ、ロミオ、ロミオ。どうしてあなたはロミオなのですか？』から始めるぞ！」

柩「は、はい！」

柩「…ああ、ロリコン、ロリコン。どうしてあなたはロリコンなのですか？」

しえな「ストップ！！ストップ！！ストーップ！！！」

しえな「お前は何を言ってるんだ！」

柩「ご、ごめんなさい」

しえな「ああもう！仕方がない！今日は休みだ！そんな状態だと練習できないだろうしな」

柩「すみません…」

晴「柩ちゃん、大丈夫かな」

兎角「重傷だな…」

千足「…」

夜

千足「大丈夫か。今日はだいぶ疲れているみたいだったが…」

柩「心配かけてごめんなさい。でも、大丈夫ですから…」

千足「そうか…何かあるなら必ず私に言ってくれ。いつでも、桐ヶ谷の力になるから」

柩「ありがとうございます千足さん」

柩「ぼく、お風呂に入ってきますね」

お風呂場

柩「はぁ…ぼく、そんなに疲れた顔してるかな？」

柩は鏡に映る自分の姿を見た。

柩「！！」

柩「そんな！？」

次の日

千足「おはよう桐ヶ谷」

柩「おはようございます…」

千足「さあ、一緒に教室まで行こうか」

柩「いいえ、一人で言って下さい」

千足「え！？」

柩「ぼくには千足さんと一緒にいる資格はないんです…」

千足「な、何故！？」

柩「…こ、答えられません」

千足「ガーン！！」

キンコンカンコーン！

晴「やったー！お昼だー！兎角さん、何食べます？」

兎角「カレー」

千足「私達も食堂に行こうか桐ヶ谷」

柩「一人で言って下さい…」

千足「ガガーン！！」

放課後

兎角「…で、相談にのってほしいというわけか」

千足「こういう事を頼めるのが東しかいなくて」

兎角「めんどくさいな…」

千足「頼む…」

兎角「…わかった。聞くだけ聞いてやるよ」

千足「すまない」

千足「桐ヶ谷が何故、私を避けているのだろうか」

兎角「それはアレじゃないか。やっぱりロリコンだというのがショックだったのでは？」

千足「桐ヶ谷は、どんな私でも好きでいてくれると言っていたはずなのに…」

兎角「言葉ではそう言っても、心はどうかわからない。迷いが生じる事もある…」

千足「桐ヶ谷…」

兎角「…」

千足「やはり、私みたいな人間は桐ヶ谷を愛する資格がないのか…」

兎角「そんなものだったのか、お前の桐ヶ谷に対する気持ちは？」

千足「え！？」

兎角「そんな程度の気持ちなら、桐ヶ谷もお前の事に愛想を尽かすはずだ。がっかりだな。桐ヶ谷が好きというのもただ、小さな女の子が好きという程度のものだったのかもしれないしな」

千足「言わせておけば！私の桐ヶ谷に対する気持ちは本物だ！決して嘘偽りはないし、ロリコンだからではない！」

兎角「なら何故迷う必要があるんだ？何故、愛する資格が無いのかもしれないとか言うような弱音を吐くんだ？」

千足「！」

兎角「桐ヶ谷がお前を避けようと、お前は桐ヶ谷と一緒にいたいはずだろ？」

千足「しかし、桐ヶ谷の気持ちは…」

兎角「お前の気持ちはどうなんだ？お前はあいつを愛しているんだろ？なら、突き進めばいい、自分の気持ちの赴くままに！」

千足「…ずいぶんと自分勝手な考え方かもしれないな…。でも、東らしい」

兎角「ほっとけ」

千足「一ノ瀬は幸せものだな…こんなにも情熱的な守護者が守っていてくれるんだから」

兎角「///」

千足「ふふ、東でも顔を赤くする事があるのか」

兎角「う、うるさい！さっさと桐ヶ谷のとこに行って来い！」

千足「わかった。ありがとう東」

千足「桐ヶ谷ー！」

柩「ち、千足さん！？」

千足「私は桐ヶ谷の事が好きなんだ！桐ヶ谷と一緒にいたいんだ！なのに、このまま心が離れ離れのまま生きていくなんて事は絶対に嫌だ！」

柩「…ぼ、ぼくだって絶対に嫌です！千足さんが好きです！千足さんとずっと一緒にいたいです！」

千足「じゃあ、何故？」

しえな(たまたま、廊下を歩いていたらとんでもないものに遭遇してしまったぞ…)

柩「…だって」

柩「…き、昨日お風呂に入って鏡を見たら、ぼくの胸が少し大きくなってたんです！」

千足「へ？」

しえな「は？」

千足「えーと…まあ、成長期なんだからそんな事があってもおかしくないんじゃないのかな」

柩「で、でも大きくなったと言う事はまだ成長するという事！ロリコンである千足さんに嫌われてしまいます！」

千足「そういう事だったのか…」

千足「桐ヶ谷、私はロリコンじゃないよ」

柩「嘘です！千足さんはロリコンです！」

千足「桐ヶ谷…」

千足(何か桐ヶ谷を説得する方法は無いものか…そうだ！)

千足「確かに私はロリコンかもしれない。でも、ロリ巨乳もいけるロリコンだと思う。だから心配ない」

しえな(アホー！そんな言い分があるか！)

柩「で、でも…胸が大きくなるという事は身長も大きくなるという事ですよ！そんなぼくをロリコンの千足さんは愛してくれるんですか？」

しえな(そうなるだろうな…)

千足「桐ヶ谷…」

千足「たとえ、桐ヶ谷が大きくなったって私が桐ヶ谷を愛する事には変わりはない」

柩「そんなの信じられません！」

千足「私が桐ヶ谷が好きなのは、桐ヶ谷が桐ヶ谷だからだよ。君が私の事をどんな私でも好きだと言ってくれていたように、私もどんな桐ヶ谷でも愛する」

柩「ち、千足さん…」

千足「たとえ桐ヶ谷が大きくなってしまっても、私は桐ヶ谷を愛し続ける！」

千足「たとえ私がロリコンだったとしても、その時はロリコンを克服すればいい！」

千足「私を信じてくれ！」

柩「ち、千足さん…」ウルウル

柩「千足さーん！！」

千足「桐ヶ谷ー！」ギュッ

しえな(やれやれ。見てらんないよ)

柩「ぼくが馬鹿でした！ぼくが千足さんを信じられなくてどうするんですか！」

千足「私が愚かだったんだよ。桐ヶ谷の心を迷わすような私が」

しえな(良かったな二人とも…)

しえな(…本当にちょっと生田目の事憧れてたんだけどなあ…)

しえな(…まあいいや。その代わり演劇の練習はバシバシしごくからな！)

次の日

しえな「さあ、演劇の練習再開だ！」

柩「…ああ、ロリコン、ロリコン。どうしてあなたはロリコンなのですか？」

しえな「何で、この前と同じままなんだよ！？」

千足「ただ一言、私を恋人と呼んでください。さすれば新しく生まれ変わったも同然、今日からはもう、ロリコンではなくなります」

しえな「何でお前も続けるんだよ！？」

柩「うふふふ」

千足「ふふふ」

晴「何だか、あの二人楽しそうだね」

兎角「仲直りできたか…まったく人騒がせなバカップルだよ…」

カレー屋

兎角「まったく、馬鹿な事で悩んでたもんだな桐ヶ谷も。相談にのった私が馬鹿みたいじゃないか」

千足「ハハハハ。相談料という事でカレーをご馳走するんだから良いじゃないか」

兎角「ふっ。まあ、それもそうだな」

兎角「ロリコンか…。黒組に小学生みたいな女子が桐ヶ谷一人で良かったな」

千足「またその話か。私はロリコンじゃないと思うんだけどなぁ」

兎角「どうだか」

幼女「あっ！」スッテン！

ガッシャーン！

千足「わっ！」

兎角「大丈夫か？カレーまみれになってしまってるぞ生田目」

幼女「ご、ごめんなさい！」

千足「私の事はいい。それよりも君は大丈夫か？怪我はないか？」

幼女「は、はい。大丈夫です…」

千足「良かった。君が無事ならそれで充分だ」

幼女「は、はい///」

兎角「まったく。足元を見てないから転けるんだ」

千足「まあいいじゃないか」ニコニコ

兎角「どうしたんだ？凄く嬉しそうな顔してるが」

千足「ああ。さっきの娘、小さくて可愛かったなって思って///」

兎角(やっぱりロリコンじゃねえか！！)


終わり