【ごちうさ】チノ「ココアさんの馬鹿! もう知りません!」 (37)

ココア「ごめんなさい! お願い許してチノちゃん!!」

チノ「絶対に許しません」ゴゴゴゴゴ

ココア「お願い~」シクシク

チノ「泣いてもダメです。私はもう寝ますから。ついてこないでください」バタン

ココア「あ゛ー、チ゛ノ゛ち゛ゃ゛ん゛に゛き゛ら゛わ゛れ゛た゛ー」ダバー


ヤァ ヤァ バンビーナ

ココア「グスッ ? こんな時間にメール…?」

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チノ「全く、容器にあれだけ堂々と『チノ』と書いておいたプリンを食べてしまうなんて信じられません」

チノ「ココアさんにはたっぷり反省してもらいませんと」

チノ「とりあえず、明日は一日無視です、無視」

ティッピー「早めに仲直りするんじゃぞ……取り返しがつかなくなったら遅いからの」

チノ「そんなのわかってます。でも、同じ屋根の下に住んでるんですから、そんなこと早々無いと思いますよ?」

ティッピー「どうかのう……ワシも近所の知り合いと下らんことで喧嘩して、それが永遠の別れになったことが……」

チノ「怖いこと言わないでください。それに、おじいちゃんと私たちでは年齢が違いすぎます」

ティッピー「まあ、それもそうじゃの」


ココア「あの、タカヒロさん。実は実家で――――」

チュン チュン

チノ「ん……もう朝ですか。ココアさんを起こしに……」

チノ「……今日は一日放っておくことにしたんでした。まあ、遅刻したら自己責任ですよね」

チノ「朝ごはん作りましょう」


ジュウー

チノ「……ココアさんが起きてこない」

チノ「全く、私がいないとちゃんと起きることもできないんですね」

チノ「本当にしょうがないお姉ちゃんです」

ティッピー「起こしに行かんのか?」

チノ「行きません。遅刻したいならそうすればいいんです。私がいなきゃダメだとわかるでしょう。……そういえばお父さんは?」

ティッピー「厄介な客に絡まれたせいでまだ寝ておる」

チノ「そうですか……」

チノ(ちょっと、寂しいです……)

メグ「チノちゃん、なんか今日機嫌悪いねー」

マヤ「どうしたチノ? ココアと喧嘩でもしたかー?」

チノ「まあ、そんなところです。ココアさんったら、わかりやすく名前を書いておいたプリンを勝手に食べちゃったんですよ」

マヤ「そりゃひでえな……」

チノ「泣いて謝ってきましたが、許しません。今日は一日無視の刑です」

マヤ「チノもひでえな……」

メグ「早く仲直りしてあげなきゃ、さすがに可哀想だと思うよ~?」

チノ「……まあ、今日の夜には許してあげます。特別にモフモフも許可してあげます」

メグ「それなら大丈夫だね~」

チノ「ただいま」

リゼ「おお、チノ。お帰り」

チノ「ココアさんは……また遅刻ですか。まったくもう」

リゼ「いや? チノは何も聞いてないのか?」

チノ「?」

リゼ「ココアの奴、実家で家族が大変とかで、昨日の夜慌てて帰っていったそうだぞ」

チノ「えっ」

リゼ「焦ってたのか詳細も伝えなかったっていうし、いつ帰って来るかもわからないらしい」

リゼ「携帯も繋がらないんだよな。あいつのことだから充電忘れとかかも知れないけど」

チノ「……」

リゼ「まあ、そのうちひょっこり帰ってくるだろ。心配するな」

チノ(ココアさん……)

更衣室

チノ(ココアさん……実家に帰ってしまったんですか)

チノ(いつ帰ってくるんでしょうか)

チノ(……ひょっとして)


(ティッピー『どうかのう……ワシも近所の知り合いと下らないことで喧嘩して、それが永遠の別れになったことも……』)


チノ「そんなこと……そんなこと絶対にありえません。どうせすぐにまた会えます。でも……もし…」ギュウッ


チノ(もし、もう会えなかったら……)


チノ「」ウルッ

チノ「コ゛コ゛ア゛さ゛ん゛ー!!」ウワアアァアン

ティッピー「ど、どうしたんじゃ! 落ち着けチノ! ココアのことじゃ、二、三日で帰ってくる!!」

チノ「……」ヒック グスッ

チノ「……もし」

チノ「もし、このままココアさんが……帰ってこなかったらと、そう思ったら……」

チノ「喧嘩別れなんて嫌です。プリンなんて、許してあげれば良かった……」ヒック

チノ「ココアさんに会いたいです」ウルウル

ティッピー「チノ……」

リゼ「大丈夫かチノ? なんかすごい泣き声が聞こえたが」

チノ「大丈夫です。泣いてないです」グズグズ

リゼ「いやいや。今日のココアシックはまた一段とすごいな……」

チノ「ココアシック……ココアさん……」ポロポロ

リゼ「う、うわぁ! 泣くなチノ! 大丈夫だ、ココアならすぐに帰ってくるから! な!」

チノ「……お母さんも」

リゼ「?」

チノ「お母さんも、すぐ帰ってくるって、私、あの時そう信じて……」シクシク

チノ「ココアさんも帰ってこなくなっちゃったらどうしよう……」シクシクシク

リゼ「」

リゼ(マイナス思考の負の連鎖が起きてる!)

リゼ「落ち着けチノ。そんなことはない、ココアはすぐ帰ってくるさ」ギュッ

チノ「んぅ……」グズグズ

リゼ「とりあえず、店は私が任されるから、チノはちょっと二階で落ち着いて来るといい」

チノ「はい……」グスッ


チノ「ココアさんの部屋……ココアさんの匂いがします……」クンクン

チノ「ココアさん……」グスッ

ティッピー「大丈夫じゃ。リゼも言っておったが、ココアは必ずすぐに帰ってくる。あまり心配するでない」

チノ「おじいちゃん……私、知っていたはずなんです」

ティッピー「?」

チノ「お母さんが亡くなって、おじいちゃんも……でも、おじいちゃんが兎になって、忘れていたのかもしれません」

チノ「人って、いつの間にかいなくなってしまうんです。もっとこうしたかったって思った時には、もう会うことができないんです」

チノ「ココアさん……ココア、お姉ちゃん……」シクシク

ティッピー「……大丈夫じゃチノ。ココアが帰ってきたら、たっぷりそう呼んでやると良い。きっと喜んでくれるはずじゃ」

チノ「……グスッ……そうですね……きっと喜んでくれます」

ティッピー(昨日ワシが言ったことが原因なのじゃろうが……これがまた、成長のきっかけになるとええのう)

チノ「申し訳ないですが、お店はリゼさんとお父さんに任せて、気分転換に千夜さんやシャロさんに会いに行きましょう」

ティッピー「たまにはそういう日があっても良いじゃろ」

チノ「あれ? あそこにいるのは……シャロさん?」

シャロ「あら、チノちゃんじゃない。どうしたの? 今日はお店やってる日なんじゃ」

チノ「いえ、今日はその……色々ありまして」

シャロ(チノちゃん目のあたり真っ赤……何かあったのかしら)

シャロ「ひょっとして、ココアと喧嘩でもしたの?」

チノ「…………」ウルッ

シャロ「あわわわ! と、とりあえず一緒に甘兎行きましょ! ね!」

チノ「……」コクッ

千夜「いらっしゃーい……あら、シャロちゃんとチノちゃん。珍しい組み合わせね」

チノ「こんにちは千夜さん」

千夜「あ、ねえチノちゃん。今日学校にココアちゃ――」

シャロ「のわああぁぁ!!」ガバッ

千夜「もごもご」

チノ「?」

千夜「ぷはっ。どうしたのシャロちゃん。お店の中で、そんな大胆…///」

シャロ(チノちゃん、ココアとなんかあったみたいなのよ……)

シャロ(だから、今日はそのことには触れないでいてあげなさい)

千夜(そうだったの……)

千夜「じゃあ二人とも、席、案内するわね」

千夜「で、ココアちゃんと何があったの?」

シャロ「ちょおま」

チノ「……昨日、ココアさんと喧嘩しました。すっごくくだらないことだったんですが、私は許しませんでした」

千夜「それで?」

チノ「それから一度も会うことなく、ココアさんが理由も告げないまま急に実家に帰ってしまって……」

チノ「もし、もしもココアさんと、このまま会えなくなったらと思うと、涙が止まらなくなって……」ウルウル

シャロ「チノちゃん……」

千夜「大丈夫よチノちゃん。ココアちゃんはね、誰よりチノちゃんのことが大好きなんだから。何がなんでもすぐに帰ってくるわ」

シャロ「そうよ! あのココアがチノちゃんと仲直りしないまま帰って来ないなんてありえないわ!」

チノ「わかっています……わかってはいるんです。心配するまでもないなんて……でも……」グスッ

チノ「ココアさんがいなくなったらって、考えただけでこんなに悲しいなんて、私、初めて知りました」

チノ「いえ、本当はもっと前からわかっていたはずなんです。なのに……どうして私、こんなこと……」グスグス

千夜「ココアちゃんのこと、大好きなのね」

チノ「……」コクッ

千夜「その気持ちに、今やっと素直になれたってことなのよ。好きで好きで、いつだって一緒にいたいって。次に会ったらその気持ち、ちゃんと伝えてあげてね」

チノ「わかりました」



シャロ「んー、じゃあ、今日は私が奢ってあげるから。甘いものでも食べて、とりあえず元気を出しましょ」

シャロ「いつ帰ってくるかわからないなら、今日帰ってくるかもしれないじゃない!」

チノ「シャロさんに奢ってもらうのは流石に悪いです」

シャロ「あれ? 私がチノちゃんに心配されてる?」

千夜「二人とも、私からのサービス、っていうことにしておくわ。こちら今月の新作、『星の海に沈む宝石』よ」

チノ「透明なゼリーの中に、星とぶどうが浮かんでます…!」プルルン

シャロ「綺麗……」

千夜「それを食べて、元気出してね」

チノ「大分気持ちは落ち着きましたが、シャロさんと千夜さんを心配させてしまった気がします。……申し訳ないです」

ティッピー「そう思うなら、ココアが帰ってきてから、何かお礼をすれば良い」

チノ「そうですね。そうしましょう」

チノ「おや、あれは……青山さんが公園で一人たそがれています」

ティッピー「また煮詰まっておるのかのう」

青山「あら、チノさん。こんにちは」

チノ「こんにちは。……青山さん、こんなところで何を」

青山「お話が浮かんで来ないので、ここでぼーっとしていたら……眠くなってきてしまいまして……」フアァ

チノ「相変わらずですね」

青山「チノさん、何か面白いこと、変なこと、話してしまいたいこと……なんでもいいので、何かありませんか?」

ティッピー「思いつかないからといってチノをネタにしようとするでないわ!」

青山「今はっきりとマスターのお声が! ……けど、そうですよね。すいません、変なことを聞いて」

チノ「いえ、丁度今お話したいことが。おじいちゃんもちょっと黙っててください」

チノ「……というわけなんです」

青山「ココアさんと喧嘩して、もう会えなくなったらどうしようと悩んでいたと……」

青山「良いですね……そういう気持ちはとても大切なものです」

チノ「?」

青山「人はみんな、普段はいつか会えなくなる、なんてこと忘れているんです。今までのチノさんがそうだったように」

青山「だから、こうして日常の中で思い出して、大切な人への気持ちを確認できるのは、とても貴重な機会だと私は思います」

青山「……いなくなってしまってからでは、遅いですから」

チノ「青山さん……」

青山「私も、マスターがいなくなってしまうなんて、ラビットハウスで聞くまで考えてもいませんでした」

青山「本にするために忙しく働いて、早く読んでもらいたいとばかり考えて……」

青山「……すいません。チノさんからの相談だったのに、つい。こんなことでは、また叱られてしまいますね」


ティッピー「お前はよく頑張っておる」

青山「!」

ティッピー「作品の出来も学生時代とは比べ物にならん。自信を持って、前を向いて歩きなさい」

青山「マスター……!」

青山「チノさん。私、書きたいこと見つかりました。……チノさんの話も小説に盛り込みたいのですが、よろしいですか?」

チノ「はい。私の話したことでよければ」

青山「では、この感動を忘れないうちに書きますので、私は帰ります。それではー」タッタッタ

チノ「行ってしまいました……」

チノ(大切な人への、気持ち)

チノ(ココアさん……)

チノ(もう昼のラビットハウスは閉まってる頃ですね)

チノ(ココアさん、帰って来てるかな)

チノ「ただい……」

ココア「あっ、チノちゃ~~ん!!!」ムギュッ

チノ「んっ……ココアさん」

ココア「ごめんねチノちゃん! リゼちゃんから聞いたよ……チノちゃん、私がもう帰って来ないと思ってすごい泣いてたって」

ココア「ごめんね、ごめんね……もう勝手にいなくなっちゃったりしないよ」ナデナデ

チノ「……ココアさん」ウルッ

チノ「……ココアお姉ちゃんっ!!」ギュウッ

チノ「プリンなんかで怒ってごめんなさい……お姉ちゃんのこと、大好きです」ポロポロ

ココア「うん、私も。私も大好きだよ。チノちゃん……」ギュギュッ

チノ「ココアお姉ちゃん……」ムギュギュ


タカヒロ(ほほえまー)

タカヒロ「二人とも、もうバーの方の準備も始めるから、詳しい話は上でゆっくりすると良い」

ココア「はーい。行こう、チノちゃん」

チノ「はい……」キュッ

ココア「? ……」ギュッ

チノ「あっ…」

ココア「服の裾なんてつかまなくても、手くらいつなぐよ?」

チノ「……えへへ」

ココア「実はね、昨日チノちゃんに叱られたすぐ後に、実家のお姉ちゃんからメールがきたんだ」

チノ「メール?」

ココア「お兄ちゃんが階段で転んで意識不明とだけ書かれてて、慌てて帰ってみたら、一段目で躓いて気絶しただけだったみたい」

ココア「一応病院には行ったらしいけど……全く、紛らわしいにもほどがあるよー」

チノ「でも、ココアさんのお兄さんが無事で良かったです」

チノ「日常の中で大事な人への気持ちを確認できる、そういう時も必要なものなんです」

チノ(青山さんの受け売りですが)

ココア「……うん。本当にすっごく心配しちゃったからね……お兄ちゃんがいなくなるなんて、考えたことも無かった」


ココア「チノちゃんにも、いっぱい同じような心配かけちゃったよね」

ギュッ

ココア「大丈夫だよ、チノちゃん」

チノ(ココアさん……あったかい……)

チノ(大丈夫って、他の誰に言われるより、安心します)

ココア「私はここにいるよ。ちゃんとここにいるからね……」

チノ「……グスッ ココアお姉ちゃん……」ハラハラ

チノ(ココアさんに抱きしめられて、安心して、なのに、どうしてでしょう)

チノ(涙が止まりません……)

ココア「チノちゃんも、ずっと一緒にいてね」

チノ「ココアさん……大丈夫ですよ。お姉ちゃんと一緒にいますよ」

ココア「うん。ごめんね、私も……チノちゃんがいなくなったらって思ったら、悲しくて……」グスッ

ココア「安心したら涙出ちゃった……情けないお姉ちゃんでごめんね。でも、今だけ……少しだけ……」ポロポロ

チノ「情けなくなんか無いです。素敵な私の、お姉ちゃんです」




ココア「さあ、気分を変えて、晩御飯食べよう! おじさんが用意してくれたから、準備するだけだよ」

ココア「しかも、今日はデザートもあるんだ! 楽しみにしててね!」

チノ「はい、ココア……お姉ちゃん」

ココア「えへへ~」


ココア「ごちそうさまー」

チノ「ごちそうさまでした」

ココア「そしてデザート! これが今日私が買ってきたプリンケーキだよ!」

チノ「わあぁ……ホールケーキみたいなプリンです……」

ココア「これなら間違って食べたりしないよー。一緒に食べよっ」

チノ「そうでなくても間違って食べないでください。もう。……お父さんとティッピーの分もとっておきましょうね」

ココア「うん!」

チノ「……スー……スー……」

ココア「お風呂出て、髪乾かしてあげてたら寝ちゃった」

ココア「いっぱい泣いてたし、疲れちゃったのかな」

チノ「ここあ……お姉ちゃん……」ギュッ

ココア「よしよし」ナデナデ


??「チノのこと、よろしくね。お姉ちゃん」


ココア「? 今誰か……」


ココア「……気のせいかな」

ココア「おやすみ、チノちゃん」


おしまい

以下後日談。ただ書き直すため少々お待ちください。

翌朝


チノ「んぅ……」

チノ「……」キョロキョロ

ココア「スー……スー……」

チノ「……」

チノ「……」ギュッ

姉中毒


メグ「チノちゃん、なんか今日も機嫌悪そうだねー」

マヤ「まだココアと喧嘩してんのかー?」

チノ「いえ。ココアさんと……」

マヤ「ココアと?」

メグ「ココアちゃんと?」

チノ「…………離れたくなかったんです」ボソッ

マヤメグ「えっ」

チノ「早くココアさんに会いたいってことです!」////カアァ

メグ「わぁ、シスターコンプレックス、ってやつだねー」

マヤ「ココア中毒じゃねーの? 私たちが寂しさなんて忘れさせてやるぅー!」コチョコチョ

メグ「えーいっ」コチョコチョ

チノ「ちょ、マヤさんメグさんやめっ……ふにゃあ!」

リゼとタカヒロ


リゼ「…………」ジュワー

タカヒロ「…………」トクトクトク

リゼ(またこの組み合わせか……微妙に気まずい、気まずいぞ……)

タカヒロ「……チノは、ちゃんと元気になったかな」

リゼ「へっ? ええ。今日だって、『一時間だけ二人で仲直りデートだよー』とか言ってどこかへ行きましたし」

リゼ「むしろ、前以上にあの二人が仲良くなって、ちょっと居場所が……」

タカヒロ「そうか……俺はチノとちゃんと接する機会が少ないうえに、辛いことがあっても、あの通り我慢する性格だからね」

タカヒロ「リゼくん。チノにとっては、リゼくんもまた頼れるお姉さんなんだと思う」

タカヒロ「ココアくんと二人、これからもチノのこと、よろしく頼む」

リゼ「は、はいっ。わかりました!」

??「あなたもねー」


タカヒロ「? ……そうだな、俺が一番、しっかりしないとな」

春のモフモフ祭り


千夜「いらっしゃーい……あら、ココアちゃんにチノちゃん」

シャロ「二人ともちゃんと仲直りしたのね」

チノ「はい。シャロさん、千夜さん。これ、先日心配をおかけしたお詫びです」

ココア「私が焼いたパンと、チノちゃんが作ったデザートだよー」

千夜「あら、そんなの別にいいのに」

シャロ「ほんとにチノちゃんはしっかりしてるわねー」

千夜「わあ、パンがいっぱい。メロンパンもたくさんあるわ」

ココア「シャロちゃんのためにメロンパン多めにしたんだ」

シャロ「ほんと!? そんな……私、チノちゃんが困ってるとき、ろくな助言もできなかったのに……」

千夜「そうね」

シャロ「」グサッ

チノ「そ、そんなこと無いですよ! シャロさんの言葉にも、すっごく救われました」

千夜「ええ。シャロちゃんのおかげで、チノちゃんも心を落ち着けることができたのよ」

ココア「よくわかんないけど、シャロちゃん大好きだよ!」モフモフ

シャロ「えっ。も、もう何よ……慰めなんていらないわよ。ココアは離れなさいよー!」

千夜「そーれ、もふもふー」モフモフ

チノ「わ、私も……」モフモフ

シャロ「こーらー! 離れなさいったらー!!」///

ココアチノ千夜「」パッ

シャロ「急に離れないでよー!!」

ココアチノ千夜「もふもふー」モフモフ

シャロ「んぅぅ……」///


客(ほほえまー)

青山さんの新作


数ヵ月後

青山「できましたチノさん。明日発売の新作『お別れは一日だけ』です。是非、貰ってください」

チノ「ありがとうございます。私はお役に立てたでしょうか」

青山「ええ。それはもう……タイトルからして」

チノ「……そ、そうですね」

青山「むしろ、参考にしすぎてマスターに怒られてしまうかもしれませんね」

青山「色々と脚色も加えはしましたが。草葉の陰から見守ってくれている、主人公のお母さんが――」

チノ「青山さん、ネタバレは」

青山「あっ、すいません。ココアさんとタカヒロさん、お友だちと……マスターの分もありますから。ゆっくり読んでください」

チノ「はい、ありがとうございます」


青山「ところで、ひょっとしてマスターって、チノさんに守護霊としてとりついてたりするんでしょうか」

青山「チノさんが近くにいるときに、マスターのお声を聞く気がするんです……」

チノ「」

ティッピーと……


ティッピー「プリンケーキか……糖分の摂取はちょっと怖いが、どれ」

ティッピー「……ワシの分が八分の一しかない…じゃと……」

??「これ、美味しい。あの子やっぱり見る目あるわ」モグモグ

ティッピー「お、お前は……」

??「あら、お義父さん。……まだ、こっちにいらっしゃらないんですか」

ティッピー「……もうしばらく、チノのことを見守ってからな」

??「話せる位置からとかずるいですよー。今回の元凶なのに」

ティッピー「ぐっ……け、結果オーライじゃ」

??「もう……あの子、少しずつ、しっかり成長していますね」

ティッピー「ああ。最近は友人も増えてきたしのう……ワシもそろそろお役御免かもしれん」

??「それでも二十歳くらいまでは見守りますけどね! 変な虫がつかないように! そこから先は……きっと、なんとかしてくれます」

ティッピー「そうじゃな……」

ティッピー「それよりお前、ワシのプリンケーキをよくも!」

??「あ、お義父さんのだったんですか。それはすいません」モグモグ

ティッピー「ぐぬぬ……」



タカヒロ「親父、一人で何をぶつぶつ言ってるんだ」

ティッピー「お前の嫁にプリンケーキを食われた……」

タカヒロ「? ……ああ、介護がいらないのはその姿になって楽だったかもな」

ティッピー「ボケとらんわぁ!!」


おしまい

??さんの性格は、ココア+チノくらいのつもりで書きました。

作品内では全くチノに関与はしていません。ずっと見守っているだけです。


八月中延々とSS書き続けましたが、投稿頻度落とし、しゅぎょーして処女作のココアに自分をプレゼントする話を漫画にしようかと思います。
いつできるかわかりませんが、もし見かけたらよろしくお願いします。

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