女勇者「なんだきさまは？どうしてそんなやる気がないのだ？」


勇者「いや～だってぼくもうね、一回魔王倒してますしね 」


女勇者「魔王はまだ死んでいない！きさまそれでも勇者か！？」


勇者「うぅ……」

女勇者「ちっ」

女勇者「ん、そういえば貴様の仲間は？」


勇者「いやおれ孤高だから」

女勇者「ん？」


勇者「なんつーの、一匹狼？孤独じゃねえから」

女勇者「あっ」


勇者「なんだよ！」

女勇者「いや、まあな。うん。そういうことか」


勇者「ど、どういうことだよ！」


女勇者「うん」ｱﾜﾚﾐ


勇者「ひ、ひいいん！！そういうおまえはどうなんだよ！」


女勇者「わたしか？そこにいるではないか 」


勇者「え」


幽霊「」ﾆﾔｯ

勇者「え」

女勇者「いまのところは彼女だけだな。そのうちほかの仲間も到着するだろう」


勇者「え？いや、あの」

幽霊「？」

勇者「これが？この……人、が？」


女勇者「ああ、そうだ」

勇者「いや透けてますけど？うしろ見えてますけど！？」


幽霊「」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

女勇者「こらこら、勇者。彼女をあまり怒らせるなよ」

勇者「いや！えっ！？」

女勇者「いまでこそこうなってしまったが、彼女の生前の姿はそりゃあもう凄まじかったのだぞ」


勇者「生前とかなんかもうおかしいから、死んでるの確定させちゃってるから」

女勇者「なにを言っているんだ？彼女はたしかに死んでいるが仲間だ！！」ドンッ！！


勇者「強引すぎるからね！その落とし方強引すぎるからね！！」

幽霊「ｸｩｰﾙｩｰ」


女勇者「ん？」

幽霊「ｸｩｰﾙｩｰ」


女勇者「は？」

勇者「……なんて言ってるんだ？」

女勇者「知らん。死人の言葉など理解できん」

勇者「えぇー……


女勇者「とりあえずここでじっとしていても始まらん。他の仲間のことも気になるがおそらくこの世界のどこかには到着しているだろうしな」

勇者「なんだよそれ……」

女勇者「ははは。とりあえずサラボナとやらに案内するのだ。勇者」


勇者「」

とりあえず、とやらで俺は女勇者たちをサラボナの町に案内した


勇者「ついたぞ」

女勇者「ありがとう。しかしこの世界は平和だな、魔物がまるでいない」

勇者「当たり前だろ。魔王を倒したんだ」


女勇者「それも、そうか…」


勇者「は？」


女勇者「いやなんでもない。とりあえず腹ごしらえだ」


勇者「……」

勇者「あれ？つーかよなんで魔物いねえんだ？」


女勇者「は？さっき自分でいってたではないか、魔王を倒したからだ、と」

勇者「けどおまえんとこの魔王がいるんだろ？」


女勇者「ああ、いるな」


勇者「なんで？」

女勇者「魔王軍共もこっちにすぐ全員やってこれるわけではないのだろう」


勇者「なるほど」

勇者「あれ？」


女勇者「なんだ貴様は？」


勇者「おかしくね？なんで大将からこっちにやってくんだよ、普通雑魚共からじゃね？」


女勇者「私のところの魔王は行動派なのだよ……まだ幼いしな」ﾆﾔｯ


勇者「え？」


女勇者「それより飯だ。腹が減ってはなんとやらだしな」


勇者「お、おう」

店員「あいよ」ﾄﾞﾝｯ

勇者「」

女勇者「おー、なかなか美味しそうだな！」ｼﾞｭﾙﾘ

勇者「まーあえてつっこまないぞ」

女勇者「ん？」

勇者「なんでもない」

女勇者「そうか？ではいただきます」ｶﾞﾂｶﾞﾂﾊﾌﾊﾌ

勇者「ところで……これからどうするんだ？てか俺必要なのか？」

女勇者「」ｶﾞﾂｶﾞﾂﾊﾌﾊﾌ

勇者「…」

女勇者「」ｶﾞﾂﾞｶﾂﾞﾊﾌﾊﾌ

勇者「はあ」

女勇者「ふう……」


勇者「終わったか？」


女勇者「あぁ。ごちそうさま」


勇者「金を払うきはないぞ 」

女勇者「あぁ。構わない」

勇者「お、おう」

女勇者「さてだが……」

勇者「これからのことか？」

女勇者「あぁ」


女勇者「当面は魔王の潜伏場所を探りたいと思う。あと」

勇者「あと？」

女勇者「魔王以外の邪悪な気を沈めるぞ」

勇者「は？なんだそれは」


女勇者「なんだ貴様は！勇者のくせに感じないのか！？」

勇者「あぁ。なにも 」


女勇者「……魔王を倒したことによって勇者としての力を失ったのか？」

勇者「知らん」


女勇者「それとも一世界に勇者は一人しか存在出来ないとかなのか」


勇者「さあなー。んでその邪悪な気ってのは？」

女勇者「とても邪悪な気だ。下手したら魔王よりも、だ」


勇者「へぇ。そりゃ凄い」


女勇者「どうした？怖じ気付いたのか？」

勇者「うん」


女勇者「」


勇者「すっごく怖いよ。お前の世界の魔王だって」

女勇者「そ、それあれか？冗談だよは？」

勇者「冗談言ったってしょうがないだろ」

女勇者「」

女勇者「きさま！それでも勇者か！！」

勇者「……」


女勇者「会ったときから薄々は感づいていたが……貴様には覇気を感じない！なんなんだ！？その貴様のていたらくは！」


勇者「うるせえなあ。おまえさ自分中の勇者の定義を俺に押しつけるなよ」


女勇者「黙れ！！勇者とは人々の象徴、常に人々の希望でなくてはいけない……違うか？」

勇者「は……ったく、いきなり熱くなるなよ」

女勇者「なに！？」


勇者「勇気の使いどころがちゃんとしてればそれでいいじゃん。普段はこんなでもさ」