北上「提督ー、大井っちはー?」提督「残念ながら未着任のままだな」 (302)

北上「えー。『そのうち来るだろー』とか言ってから一体何ヶ月待てばいいのさー」

提督「んなこと言ってもなぁ。この鎮守府には姉妹が着任してない子なんてごまんと居るぞ?本当そのうち来るから今は我慢しとけ我慢」カリカリ

北上「あー……そりゃ提督も良いけど、たまには居ない姉妹に会いたくなる時ってのはあるんだよー」

提督「……ちょっと待った。お前……多摩はいいのか?」

北上「だってさ、多摩姉ぇは本当にそのうちひょっこり出てきそうな感じあるし?」

北上「球磨姉ぇと木曽っちも、多摩姉ぇに関してはそう思ってるから提督に言いに来ないんだと思うなー」

北上「というか提督ー、なんで多摩姉ぇ居ないのさ?大井っちに比べたらレア度めちゃくちゃ低いよ?」

提督「知らん、物欲電探の妖精にでも聞いてくれ」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408973960


北上「それにしてもさー、鎮守府ってこんなに人居ないもんだっけ?」

提督「そりゃ今はな。AL/MI作戦真っ最中なわけだし」

提督「結構遠いから、作戦中は鎮守府への帰還ができないからちと寂しく感じるな」

北上「球磨姉ぇと木曾っちもMI方面で活躍中なんだっけ?」

提督「あぁ。昨日の夜、通信でAL/MI作戦共に成功したという報告を受けた」

提督「ただALはもう暫く周辺警戒、MIは奪還部隊の迎撃を行ってもらうから帰ってくるまではもう少しかかるだろう」

北上「ま、鎮守府が今かーなーり人手不足なのはよーく分かったよ。提督が自分でお茶入れるの久々に見たし?」

提督「正確には戦力がな……普段秘書官の赤城もMIに出てるから、茶くらいは……というかお前茶入れろよ。何のための秘書官代理だ」

北上「えー、良いじゃん。提督の入れたお茶、私が入れたのよりかなり美味しいよー?」

提督「……ま、褒められて悪い気はしないな」

大淀「――提督、緊急電文です!」バターン

提督「大淀さん、念願の艤装貰ってはしゃいでるのは分かるんですけど……」

北上「艤装つけて腕力かなり上がってるだろうから、ドアが吹き飛んじゃうよー?」

大淀「ドアの心配なんかしてる場合じゃないです!これを……!」


提督「ええと、何々……『AL/MI作戦展開中に敵の別働隊が本土近海へ接近。残存戦力を以ってこれを迎撃、撃滅または撃退せよ』……?」

北上「……大淀っち、これマジ?」

大淀「もちろん、至って大真面目です!敵急襲艦隊の旗艦はかの戦艦棲姫、しかも同タイプがもう一隻艦隊に存在しているとの情報が偵察機から得られています」

提督「」

大淀「……提督?」

北上「あー、こりゃ厳しいねぇ。提督もあまりのことに思考回路が停止しちゃってるよ」

北上「まぁ提督ー、流石に今は思考放棄してる場合じゃないから起ーきーてーよっ」先制雷撃ボディブロー!

提督「ほげぇ!……うぅ。と、とりあえず残存戦力を集めろ……アレに対抗できるだけの練度の奴を優先的にだ……」

大淀「りょ、了解です!」


~で~


提督「点呼、番号!」

長門「1!」

陸奥「2!」

五十鈴「3!」

川内「4!」

千歳「5!」

北上「6-」


提督「ギリギリ1艦隊分か……練度的には恐らくは問題ないはずだが……」

長門「とはいえ提督、この鎮守府には元々戦える艦がそれほど多い方ではないことを考えると1艦隊組めただけでも十分ではないか?」

陸奥「まさか姫クラスが隙を突いて本土に殴り込みだなんて……もしも私と姉さんが居なかったらと思うと、ゾッとするわね」

提督「長門型でも戦艦棲姫はかなり危ない相手だろ……2隻とか割と洒落になってない」


川内「ねぇねぇ提督?」

提督「ん?」

川内「私改二になってから、一度も夜戦してないんだよね」

提督「あぁ……そういやそうか……」

川内「それで、1つ聞いておきたいんだけど……――別に、アレを夜戦で沈めてしまっても構わないんだよね?」

提督「おい、死亡フラグはやめろ馬鹿野郎!」ビシッ

川内「あぅっ」


五十鈴「大丈夫よ提督、この五十鈴が居るからには敵なんか一捻りよ!」

提督「だと、良いんだがなぁ……無理して大破進軍とかすんなよ?お前は前の限定海域でもやらかしてるから怖いの何の」

五十鈴「馬鹿ね、心配しないで頂戴な。私が沈んでも代わりの五十鈴は山ほど」

提督「居ねぇよ馬鹿!お前の代わりなんざ居るわけねーだろ!」

五十鈴「そ、そう……?そこまではっきり言われるとなんか照れるじゃない」ドキドキ

長門「まぁ、そう頭を抱えるな。ALやMIで戦っている連中よりは練度が劣るかもしれん。だが、それでも私たちが本土と提督を護ってみせよう。この長門を、ビックセブンを信じろ!」

「(あぁ、長門はすげー大真面目に言ってくれてるのに……いや、大真面目だからこそ死亡フラグがみえるっつーか)」


北上「そういや提督さー、まだアレ使ったことないよね?」

提督「あれ?」

北上「ケッコン指輪と書類一式。皆練度は高くはなったけど、それでもまだケッコン可能な練度には至ってないとか言ってさ」

提督「あぁ、言ったな」

北上「実はさー、この迎撃戦に勝ったら私の練度、限界に達しそうなんだよねー」

北上「だからさ。無事に本土を守り抜いて私が帰ってきたら、その指輪私にくれない?」

提督「……北上、お前」

北上「えへへ。そりゃ死ぬほどキツい戦いになるだろうからさー、最初にこうやって頑張ったときのご褒美くらい約束しといたほうが良いじゃん?」

北上「ガラじゃないかもしれないけどさ、私結構提督のこと好きだし?ケッコンするなら提督とがいいなーって――」

提督「だから今そういうこと言うと死にそうで怖いからやめろヲ!」ビシィ!

北上「いっ!?……もう、折角なんだからムードに浸らせてよー……」

提督「そういう空気は後だ後!ほれ、時間jはそんなにないぞ!装備を点検したらすぐに出撃だ!」

北上「ちぇー……まぁいっか。じゃあ提督、また後でねー!」

長門「艦隊、出撃するぞ。この長門に続け!」



陸奥「……」スィー

千歳「……」スィー


千歳「……私も提督に伝えたいことあったのに……」

陸奥「……奇遇ね、私も何か一言くらい言っとけばよかったかも」


他の連中がキャラ濃すぎたり、ネタに走るもんだからつい話しそびれてしまった千歳と陸奥なのであった

今日はもうねるんっ!

E-6は僕は無理だったので、詳細は省いて次回からはもうAL/MI作戦終わってます

酉付けたです

※一応、このSSに出てくる艦娘は私が所持している娘とほぼ一致します。今まで居なかったのにある時唐突に出てきたら、それは(一部を除いて)手に入ったということです

【E-6ダイジェスト①】

空母棲姫「ナンドデモ……ナンドデモ……シズンデイケ……」

千歳「」

五十鈴「」

川内「」

陸奥「えぇ……?」

長門「これは……キツいな」

北上「提督?この黒セーラー、確かMI作戦のほうで出現したって言ってなかったっけ?」

提督「なんで君こっちにも居るの……!?」



空母棲姫「シズメ……!!」

川内「や、夜戦に入ればこんな奴……アーッ!?」大破

提督「撤退だ撤退!千歳だけだと烈風ガン積みでも制空権取れなかったってのにあんなもん勝てるか!」

【E-6ダイジェスト②】

五十鈴「敵の潜水艦を発見!」

北上「駄目だ!」

提督「駄目じゃねーよ、さっさと中破に追い込め!」


千歳「2隻残った、撃ってくるわ!」

陸奥「姉さん、大丈夫?」

長門「くぅ……!この長門、たかが魚雷1本ではそうそうダメージなど……」

川内「アーッ!?」大破

提督「……撤退!」

【E-6ダイジェスト③】

長門「っ……辺りが暗く……?」

北上「ここ夜戦エリア?うっわ、リ級の黄色い奴が2隻も居る……しゃらくさい!」敵旗艦を撃破

提督「マジで!?潜水艦避けたと思ったのに無慈悲すぎんだろー。攻撃させるな、完封しろ!」

長門「提督の言うとおり、ここはやられる前にやるのが上策か……てぇーッ!」二番艦を撃破

陸奥「それしかないわね、撃てー!」三番艦を撃破

五十鈴「千歳が夜戦できないぶん、どうしてもハ級の足付きが残っちゃうけど、そこは耐えるしかないわね……!」四番艦を撃破

川内「やったー!待ちに待った夜戦だー!」『六番艦を中破』

千歳「ちょっと川内、仕留め損なって……きゃあ!?」五番艦の攻撃で小破

提督「千歳、損害は!」

千歳「て、提督……心配要りません、艦載機はまだ飛ばせます!」

提督「そうか……まだ行けるな?」

千歳「は……はい!」

川内「グワーッ!ヤ・ラ・レ・ターッ!」仕留め損ねた奴のカットインで大破

提督「……」

千歳「……」

北上「提督、ここはやっぱ」

提督「……あぁ、そうだよ。命あっての物種、撤退だ」

【で、最終的に】

北上「あの後も10回ほど出撃したけど、結局敵の大将と海戦に持ち込めたのはたった1回かぁー。ちぇー」

長門「その1回も、あの姫こそ北上が夜戦で思いっきりぶん殴って泣かせることができたが随伴艦は2隻ほどしか撃破できなかったな」

陸奥「支援なしだとあの頃にはもう燃料と弾が……ねぇ?」

千歳「ごめんなさい……空母棲姫に艦載機を落とされすぎて、最終戦ではもう制空権が……」

五十鈴「いや、それはもう仕方がないし……今回、もっと重要なことがあると思うの」

五十鈴「ねぇ……川内?」

川内「んー!んぅ~!」猿轡&椅子に拘束

北上「まぁまぁ五十鈴っち~、あの激戦じゃ誰が致命傷スレスレまで傷負うかなんて分からないんだしさー」

陸奥「そ、そうよ五十鈴ちゃん?空母棲姫やタ級の黄色い奴の攻撃をモロに受けたら、私や姉さんだって危ないんだし……」

五十鈴「こいつは回数が異常なのよ、回数が!十数回出撃して、川内だけ大破して撤退の流れ10回位あったわよ!?」

五十鈴「……何か言い訳はあるなら聞くわよ?」

川内「プハッ……夜戦なら負けないよ、夜戦なら!」

五十鈴「その夜戦で、駆逐艦仕留め損ねた上にカウンター貰って大破したのはどこの誰でしたっけねぇ~!」

川内「い、いひゃいいひゃい!いひゅじゅゆるひへ~」

長門「……しかし、夜戦で足付きとはいえ、駆逐艦に一撃で大破まで持ち込まれる奴を見るのは久方ぶりだったな」

陸奥「姉さん、今それ言わないで。川内ちゃんの株がどんどん下がってる」


千歳「そういえば、次の出撃命令は……?」

北上「あー……あれ見てくれる?」資材表指差し

千歳「……あっ」

燃料:263 鋼材:9938
弾薬:961 ボーキ:10346  高速修復剤:0


北上「そう、今私たち実質『詰んでる』わけよー」

千歳「でもそれじゃ本土が……!」

北上「もちろん本土を焼かれるのなんて、二度と見たくはないしさー私も他の方法を今必死に考えてるわけよ」

北上「でも、私たちは補給なしで戦うなんてことは無理だし?捨て艦なんてあの優しい提督が許可するわけもないし……まぁ、やったとしても策敵とかでキャミソールまで辿り着くのが無理だろうけどさ」

北上「うちにいる艦娘、今出払ってるのと私たちを除いたらレベルの低い遠征部隊だけだからねー。あのキャミソールと張り合っても太刀打ち無理でしょ」

北上「なーんか良い手段ないもんかねー……交渉とか?」

千歳「そうですねぇ……あら、ところで提督は?」

北上「提督は……うん、まぁ……そうねぇ……」

北上「資材表を見てショック症状起こしちゃって。今は明石に慰めてもらってるよ」



明石「提督ー、どこか痒い所はありませんかー?」クチュクチュ

提督「アッ……アッ……」

提督「落ち着けお前たち、ここはフラットに行こうじゃないか……」

千歳「提督!ショックから立ち直られたのですか!」

提督「ここで腑抜けてあの黒キャミソールに侵攻されたら、俺ぁ色々と申し訳が立たん」

長門「だが提督、残りの燃料と弾があの有様では……」

提督「撃破はこの際諦めた。残す手は、どうにかしてお帰り願うことだろうな」

五十鈴「でも、どうやるつもり?あいつ等に帰ってくれなんてお願いして聞いてもらえるとは思えないんだけど」

提督「五十鈴と川内は大至急北方港湾基地に駐屯している部隊へ連絡を取ってくれ」

提督「千歳と北上は工廠で、既に準備を開始している明石・大淀の手伝いだ」

提督「長門と陸奥は着いて来い。俺の護衛として、あの黒キャミソールに会いに行くぞ」

陸奥「……何をするつもり?」

提督「なぁに……ただ、情に訴えかけるんだよ。言語を解する連中に、これが効かないなんてことは言わせんさ」


戦艦棲姫A「ナンノツモリ……カシラ……?」

提督「別に?ただ、今回の侵攻を中止して帰ってもらえないか打診しに来ただけだ」

戦艦棲姫B「ソンナコト……キクトオモッテ……?フフフ……」

提督「それは、この映像を見てからにしてもらおうか」ごとっ

TV<「クンナ、カエレ!」「フフフ……この子を近代化回収に使ったら運とか良くならないかしら」「姉さま、その子色は白いですけどまるゆじゃないです!」

戦艦棲姫A「!?」

戦艦棲姫B「ホッポチャン!?キサマ……ホッポチャンニナニヲ……!?」

提督「いやぁ?何もしないさ、今はまだ何もね?」

提督「既に撃破して、戦闘能力を奪った陸上タイプ深海棲艦の子供1匹、いや1人か?精々が作戦中に捕えておく程度で、撤収時には解放しようとさえ考えてたくらいだ。俺ぁ優しいからなぁ?」

提督「ところがどっこい、そうも行かなくなった……折角AL/MI作戦が無事に終わったってのにお前らが要らん茶々を入れてくれたせいで、こっちは喜ぶ間もなく大パニックを通り越して最早絶望ビリーだ」

戦艦棲姫B「ノゾミヲ……イイナサイ……!」

提督「察しが良くて助かる。さっさと本土襲撃部隊を撤収してもらいたい。それが確認できれば、俺たちもあの子は解放しよう」

戦艦棲姫A「カテナイカラヒトジチ……ヒキョウモノノハッソウネ……」

提督「不意討ちを仕掛けてきた奴が言えた事じゃあないだろう?まぁ、戦争ってのはこういうもんだ」

提督「もし断れば、あの子は毎晩戦艦の放つ三式弾の的にする」

戦艦棲姫A「グッ……!」

戦艦棲姫B「オネエサマ……ココハヒキマショウ……コノママダトホントウニホッポチャンガ……」

戦艦棲姫A「……オボエテナサイ……イツカ……イツカカナラズ……」

提督「あぁ、真っ向勝負でなら受けて立つさ。また、戦場で会おう」

戦艦棲姫B「ヤクソクハ……マモリナサイヨ……ホッポチャンニナニカアッタラコロスワ……!」



提督「……もう無防備になる程度には痛めつけてあるんだけどなぁ」

長門「微妙に後味は悪いが、退いた……のか?」

陸奥「でも提督……本当に的にする気なんてなかったんでしょ?」

提督「当たり前だろう?ほれ、その証拠に……扶桑、終わったからほっぽちゃんに御褒美あげといて」

TV<「はい、提督……ほっぽちゃん?お芝居お疲れ様。御褒美の瑞雲よ」「ソレチガウ!ナンカチガウ!レップウ!レップウオイテケ!」「山城、申し訳ないのだけど……」「わかりました姉様、すぐに鳳翔さん呼んできます!」

長門「……提督は相変わらず、自分の雰囲気を切り替えるのが上手い男だな……」

※さっきのグロ資材表は実話にござる
※ダイジェストであった出来事は、半分くらいほんとの話でござる

※E-6にあの編成で行かざるを得なかったのも、嘘みたいなほんとの話(流石にレベル低い子で支援は出してた)

次回、艦隊が帰還します(イベント終了より早い)

提督「……アレから数日。何はともあれ戦艦棲姫及び本土襲撃艦隊の撤退は確認した」

北上「じゃあ作戦終了ってことで、皆も帰ってくる感じ?」

提督「おう、既に撤収命令は出してあるからそろそろ……」

<艦隊が帰還しましたー

提督「っと。来たな」


扶桑「提督……AL作戦参加艦艇9隻、無事帰投いたしました」

提督「了解、皆良くやってくれたよ。お前たちが派手にやってくれたからこそMI作戦も無事成功したし、向こうでほっぽちゃんを手懐けておいてくれたからこそ本土進攻が防げた」

扶桑「ご期待に沿えて光栄です……北方ちゃんと仲良くできたのは、殆ど鳳翔さんの功績ですけど……」

提督「流石の母性だな……」

北上「そういえば、他の子は?」

扶桑「山城は帰り際に別れを悲しんでグズる北方ちゃんの突撃を受けて、中破していたのでドッグ入りさせています……他の子も、今頃補給を受けているかと」

提督「そうか……さぁ、扶桑も補給を受けてくるといい。疲れただろう、皆今日はゆっくり休め。な?」

扶桑「はい。――提督も、作戦終了お疲れ様でした」

提督「あぁ。お疲れ様」

北上「それにしても、なんだかんだ全員無事で良かったよねー」

提督「そこに尽きるな……正直、AL作戦の方は全力で取り組んではいけないという制約があったから、泣く泣く性能のそれほど良くない娘たちを派遣したし」

北上「軽空母も、片方は千代田だったとはいえもう片方は鳳翔さんでしょ?あの人が実戦に出るの数ヶ月ぶりじゃなかったっけ?」

提督「鎮守府立ち上げて以来の古株だけあって練度はかなり高いんだが、いかんせん戦闘がそれほどでもないからな……作戦前の数ヶ月は専ら艦載機の開発と新造艦の建造に従事してもらってた」

北上「航空戦艦の扶桑姉妹と航空巡洋艦の三隈っちやくまのんはまぁ良いとしても、軽巡と駆逐二人は提督相当苦悩したでしょ?」

提督「……やっぱ分かる?」

北上「そりゃー分かるよ。軽巡は神通――ただし作戦中に作戦用泊地で改二への改修を実施、駆逐に至っては普段は遠征任務に当たってた文月と皐月だよ?」

提督「いや、文月と皐月についてはそれなりの練度はあったし、それに三人とも実際実戦に出してもそれなりの成果を上げてくれていたから……」

北上「まぁ全体的に性能が低い艦も用いてたとはいえ、最終的に港湾基地の制圧には成功してるしねー。別に提督の判断が間違ってたとも、AL組が弱いとも思ってないよ」

提督「皆には、何か褒美をやらんとなぁ……北上、何がいいと思う?」

北上「そりゃーハズレなしで考えるなら、間宮さんのアイス券を振舞うとか鉄板だよねー」

提督「なるほどな。人数分手配しておくよ」

鳳翔「提督、失礼します」

提督「鳳翔さん、お疲れ様。久々の実戦にこんな大規模作戦を選んでしまってすまなかった」

鳳翔「いえ、久々の実戦も苦しかったですけど……それなりに充実感もありましたから」

鳳翔「それで北方ちゃんにプレゼントした艦載機なんですけど……」

提督「やっぱ零戦を贈ったか?ゼロ置いてけって言ってたし」

鳳翔「いえ……それが……」

提督「あー、満足できなかったか。なら紫電改か?もしくは爆戦?」

鳳翔「いや、そうではなく……」

提督「あぁ、もしかして烈風渡しちゃったのか?良いって良いって、別に怒りゃしないさ!烈風1つ位なら失ってもまだあるし、何よりほっぽちゃんは本土進攻を中止させた裏のMVPだから、烈風が欲しけりゃ貰える位の権利はあるし」

北上「(あ、これ嫌な予感がする)」


鳳翔「――すみません提督、北方ちゃんがどうしてもと言うので、つい烈風改を……!!」

提督「」

北上「うわぁやっぱり」

明石「はーい提督、なんにも心配要らないですよー提督は頑張れる人ですからねー」クチュクチュ

提督「アッ……アッ……」

明石「ちょっと強くしますよー」

提督「アァォッ!?」


北上「駄目だよ鳳翔さん、性能が低いからって提督がせめてもの戦力増強に持たせてあげた一点物の艦載機あげるのは流石に不味いってー」

鳳翔「ごめんなさい、北方ちゃんが凄く悲しそうな目で、どうしてもって言うから……」

北上「子供に弱いのは凄くよく分かるけどさー、言葉の意味を理解した直後の提督の顔、あれレ級の恐ろしさを初めて見た時よりも絶望感ある表情してたよ?」

鳳翔「うぅ……」


<MI組も帰還しましたー

北上「おおぅ……提督がまだ立ち直りきってないのに、こりゃ面倒ごとになりそうな予感……」


つづく

<ガヤガヤガヤ……

北上「やばっもう来た!」

赤城「提督!?」バターン

飛龍「赤城さんちょっと落ち着いて……って居ない?北上さん、提督は?」

北上「……あー、それがね?鳳翔さんが烈風改を失くしちゃったのでショックを受けて今明石の所に」

鳳翔「ごめんなさい……」

大鳳「烈風改!?烈風ならまだしも烈風改を!?」

赤城「」フラッ……

飛龍「ああっ!普段烈風改を任されてた赤城さんがショックのあまり……」

赤城「ッッッ!!」ダァン!

北上「踏ん張った!?」

赤城「烈風改なんて知らない子、別に無くとも艦載機運用を工夫すればどうとでもカバーできるわ……!」

赤城「そんなことよりも提督です!提督の元気なお姿を目にするまでは、私のあの五分間はまだ終わらない!」


北上「ねぇねぇ飛龍ー、赤城なんかあったの?」

飛龍「ミッドウェーを割と大勝利に終えて、泊地で帰ったら提督に告白するー!なんてフラグ立ててたら別働隊の急襲の電文が来て、まさかの提督側に死亡フラグが立ったもんだからねぇ……気が気じゃなかったんだと思う」

北上「あーうん、そりゃあそうなるよねぇ……え゙っ?」



赤城「提督は明石さんの所ですね!?」

鳳翔「は、はい……多分まだ」

赤城「提督……烈風改のことももちろんショックだったでしょうが、それ以上に今回の別働隊を追い払った際に受けた重圧やら何やらできっと心労が溜まっていたはず……!」

赤城「早く提督に、この赤城の顔を見せ皆の無事を伝えて少しでも重荷を取り払って差し上げないと……提督ー!」

赤城「提督――んぎゃっ!?」パコーン

明石「今は静かに!……提督がようやくお眠りになられたんですから」

赤城「スパナ投げるのはやめてくださいよ明石さん……それで、提督は?」

明石「烈風改の件でショックを受けたのが倒れた引き金だけど、やっぱり作戦中の心労が蓄積していたみたい」

明石「今までと違って、作戦が終わるまで帰って来れない、皆の状態を満足に把握できないっていうのが地味に堪えたんでしょう……」

赤城「提督、そんなにも私たちのことを気に留めてくださるなんて……」

明石「今は暫く寝かせといてあげましょう?身体に異常はないんだから半日も寝れば起きてきますよ」

赤城「そうですね……今はゆっくりとお休みください……我々は貴方のおかげで一人も欠けることなく、あの歴史を乗り越えることができたのですから……」

北上「あー、うん。まずいね……これは物凄く良くないよ」

飛龍「?……さっきから要領を得ないんだけど……何がそんなに不味いの?」

北上「いや、だってさー……赤城、今まで提督の事好きとかそういうそぶり見せなかったじゃん……うー、競合相手他に居ないと思ったのにぃー……」

飛龍「あっ……」全てを察した

飛龍「北上ー?もっと回りに目を向けたほうがいいと思うよ……?」

北上「えぇ……?」

飛龍「提督が誰ともケッコンしてなかったってだけで実際は赤城さんの他にも数人、提督の事を本気で慕ってる娘居るし」

北上「……マジ?」

飛龍「……大マジ」

E-6は早々に諦めて備蓄これくしょんに戻ったんだよなぁ……
磯風が欲しいだけの人生であった

提督「――んが」

提督「あれ、俺何時の間に寝てたんだ……?」

提督「確か……あー、そうだ烈風改……あれワンオフだったのに」

赤城「提督、お目覚めになられましたか?」

提督「ん!?赤城お前――そうか、帰ってきてたのか。悪いな、すぐにでも労ってやらにゃならん時に寝てて」

赤城「いえ、烈風改の損失や今回の襲撃に対する立ち回り、提督はきっと心身ともに疲れ切っていたのでしょう……それに、私はここに帰ってきて提督の顔を見られただけでも十分に労われましたから」

提督「なんじゃそりゃ……おかえり赤城。因縁に決着はつけられたか?」

赤城「はい、一航戦赤城は提督の指揮の下、念願のMI作戦を成功させる事ができました!おかげでようやく、私も前に進む事ができそうです……提督?」

提督「そうか、それはなによりだ。だが、ちょっとだけ慢心が残ってるぞ?――『おかえり』を言われたなら、返す言葉は一つだろう?」ナデナデ

赤城「……それもそうですね、失礼しました。――提督、ただいま戻りました」

提督「そうだ、それで良い」

提督「そういや、お前俺が起きるまで部屋で待ってたのか?」

赤城「はい、提督の寝顔を眺めているのは中々楽しかったですよ?」

提督「なんでまた……単に艦隊帰還の報だけなら俺が起きた後に来りゃいいだろうに」

赤城「いえ……それはですね提督?実は帰還の報告以外にも、提督にお伝えしなければならない事があったので……その、待たせて貰ってたんです」

提督「他の報告?まさか友永隊をミッドウェーに置いてきたとか言うなよ?俺の心も耐え切れないし、飛龍が泣くぞ」

赤城「艦載機の話じゃないですよ、もう!……これを伝える時は、この時だけは提督と2人が良かったんです」

赤城「MIを終えて、無事に帰ったら提督に伝えようと思ってて……なのに、直前になって別働隊の存在を聞いてしまって……正直、ここに戻ってくるまで気が気じゃなかったんですよ?」ズイズイ

提督「あー、変に心配かけたのは悪かった……って赤城?」

赤城「提督――私はずっと貴方のことを……」

赤城「おし」

<バターン!「ちょーっと待ったぁー!!」

赤城「!?」

提督「!?」

北上「赤城ー、邪魔して悪いけどその話一旦ストップ、ストップ!」

赤城「き、北上さん!?なんで……」

北上「いやー、私も飛龍から話を聞くまであんたがそのつもりだとは全く気付かなかったよ……この北上、痛恨の極みだね」

提督「……何の話だ?」

北上「赤城、今ケッコンを強請ろうとしたでしょ?」

提督「……何ィ!?」

赤城「!?――そ、そうですよ!私は以前から提督の事をお慕いしていました!私は提督の一番の座が欲しいです!」

提督「何ィ!?!?」

赤城「だからケッコンのお約束を、こうしてお願いしようとしていたんです」

北上「ところがどっこい、この鎮守府で練度99に到達したのはこの北上様だけなんだよねー!提督とケッコンできるのは今んとこ私だけって訳よ!」

赤城「……成る程。北上さんの言い分、そして真意は分かりました。ですが1つ、慢心を残しているようですね!」

北上「慢心?」

赤城「私は、今作戦中に練度99に到達しています!」 ド ン !

北上「なぁっ!?」

赤城「私が何のために連合艦隊の旗艦を勤め、そしてどれだけのMVPを掻っ攫ったと思ってるんですか」

赤城「全ては作戦中に練度を最大まで高め、そして鎮守府へ戻ったあかつきには堂々と提督へ告白する!」

赤城「その為に私はどっかで見たような顔した黒セーラーと、涙を堪えて戦い抜いてたんですよ!」

北上「微妙に脚色してるよねそれ!?私飛龍から、困惑してる黒セーラーを殺意マシマシな顔で艦載機無視して飛行甲板で滅多打ちにして泣かせてたって聞いたけど!?」

提督「それでいいのか正規空母……」

北上「そうだ!求婚した速さなら私のほうが先だったはず!提督、私確か約束したよねー!」

提督「ん……あれふざけて死亡フラグ立てて遊んでただけじゃなかったの?」

北上「うっわ酷っ!私ってそんな信用無いかなー……ちぇー」イジイジ……

赤城「北上さんは普段飄々としてるから、いつもの調子で軽く言っても分かってもらえないんですよ」フフン


北上「じゃー今ハッキリ言う!私提督の事好きだからケッコンして!」

赤城「な、なら私だって!提督、好きです!愛してます!」

提督「んー、正直俺としてはまだケッコンする気はなかったんだがな……よっしゃ、するか!」

『どっちと(ですか)!?』

提督「両方」

『えっ……!?』

提督「ちょっと待ってろ」デンワヲテニトリ

提督「あー、あか……アイテム屋さん?ケッコン指輪と書類のセットください」

提督「数?……んー、支給分と……またこんなことが無い様にちょっち多めに買っとくか……じゃあ5個」

提督「あーはい、じゃあまたいつもの様にあな……明石さんに届けといてもらっていいですか、受け取るんで。はい」ガシャン

赤城「あ、あの……提督?」

北上「ケッコン指輪って結構高かった気がするんだけど……数買っていいの?」

提督「いや、給金って意外に使うことなくてさ。あと、最近対○忍の10連ガチャ回すのに金入れたばっかで丁度良い具合に余ってたから使っちゃえと」

提督「お前らどっちがケッコンするとか、まぁお互いに譲らんだろうし?正直俺もお前らの事は好きだが一人は選べんからなー。それならいっそ、望む者とはケッコンする位の甲斐性は見せるさ」

赤城「提督……!」ジーン

北上「普段朴念仁っぽかったから色々侮ってたけど、そういう所はちゃんと男見せられるんだねー」

提督「ふふん、惚れ直したか?」

北上「もちろん!」

長門「なんだ、対○忍の話題が出たからって私をそんな目で見るのはやめろ。忍者なら川内を思い浮かべるだろう普通」

空母棲姫さんは史実より、寧ろ春イベで沈みまくった加賀さんのアレって説が微粒子レベルで存在していると僕は思うんですよ

――
―――
―――――

提督「おーい、赤城ィー。艦載機開発と建造頼みたいんだけど……」

赤城「……提督、いよいよAL/MI作戦が発動されましたね!我々機動部隊はry」

提督「赤城お前大丈夫か……?因縁のMI作戦ならこの前やって帰ってきたばっかだって……」

赤城「提督!いよいよAL/MI作戦が発動されましたね!我々ry」

提督「赤城!?お前本気でまだミッドウェーが終わってないと申すか!?」

赤城「提督!いよいよry」

提督「いい加減限定ボイスを何時までもしゃべり続けるのはやめろぉ!」

飛龍「……」

蒼龍「……」

提督「あぁ、二航戦!助けてくれ、赤城がミッドウェーに魂を持っていかれたみたいになって……」

飛龍「――次はMI作戦ですか?」

蒼龍「ミッドウェー?なにそれ美味しいの?」


――

―――

提督「――二航戦の馬鹿共が!!」ガバァッ

提督「……夢、か……」

赤城「Zzz」スヤスヤ

北上「うぅーん……」スースー

提督「……寝るか」ゴロン


※二人とケッコンしてからというものの、提督はなんやかんや一緒に寝る事を強いられているんだ!(集中線)

※シンコンショヤも二正面作戦をやり切ったっぽい?

【翌日・武器庫にて】

北上「ふーふふーん……ありゃ?球磨姉ぇじゃん、どしたの?」

球磨「クマはこれから遠征に行くところだから、ドラム缶の用意クマー。北上こそなんでこんなところに居るんだクマ?」

北上「ん?いやー私は甲標的でも磨こうかなって」

球磨「秘書艦じゃないのかクマ?」

北上「やだなー球磨姉ぇ、普段の秘書官は昔から変わらず赤城でしょ?私が秘書官のときは赤城が出てるときだけだって」

球磨「それでも、北上はなんだかんだ甘えん坊だから提督のところで寛いでるかと思ったクマ」

北上「流石に仕事の邪魔する気はないってばー。それに、夜には提督もガッツリ構ってくれるから別に飢えてないし」

球磨「遠征前に惚気をご馳走様だクマー……それにしても、今の北上は幸せそうで何よりクマ!」

北上「そりゃ幸せだよー、好きな人と一緒になれるってのは女の子の本懐ってもんでしょ?」

球磨「ごもっともクマ。それでも、鎮守府内には北上のライバルも沢山居たから心配してたクマよ?」

北上「アッハハ……私は他に提督の事そういう目で見てた子がいたの全く知らなかったからのんびりしてたわ。いやー今考えたら怖いわー」

球磨「でも、赤城と北上の両方とケッコンしたから他の娘たちもジュウコンの希望が見えたし、前のほんのちょっとだけギスギスした空気はなくなったクマ。良かったクマー」

北上「あー……そだね。まぁ、提督も中々鈍い割に甲斐性はあるから、練度が最大になってから告白されたら何人でも娶るんじゃない?」

球磨「でも、ケッコン指輪って結構高価だって聞いたクマ」

北上「この前のときは、なんかとりあえずって言って一気に5つ位買ってたよ?私が貰ったのは最初に支給された奴だから、あと4人は練度さえ足りれば今すぐにでもケッコンできるかな」

球磨「それを皆に教えれば、きっとレベリングが加速するクマ」

北上「そう思ってさ、私と赤城でしばらくは秘密にすることになってたわけよー。だから球磨姉ぇもこの事広めないでよね?」

球磨「フッフッフー。やっぱり嫁が増えたら一人当たりの提督が減るからかクマァ?」

北上「そーいうこと。まぁ球磨姉ぇはさ?キャラの割りに口や義理は堅いから教えたって感じ」

球磨「こーいう時に盗み聞きしてそうな青葉型はうちの鎮守府には居ないクマ。だから、この事はクマが黙っておけば公表するまでは内緒だクマー」

北上「内密に頼むよ、誰も聞いてないからこそ話したんだからねっ」


???「居るさっ!ここに一人な!!」

北上「ファッ!?」

球磨「ヴォーッ!?」

衣笠「衣笠さんぜーんぶ聞いちゃったよ!」

北上「ゲェー!青葉は居ないけど青葉型は居たわこの鎮守府!忘れてたぁ!」

衣笠「もう、私を忘れるなんて酷いなぁ!」

球磨「何時から居たんだクマ?」

衣笠「艤装の掃除しに来たら、二人で面白そうな話してるからつい隠れて聞いちゃってた♪」テヘペロ

球磨「行動が姉に限りなく近いクマ……」

衣笠「あ、でも別にこれ今公表するつもりはないよ私!青葉とは違って別に何でもかんでも広める気はないもん!」

北上「成る程、ただ面白いから聞いてただけで他意はないってことかぁ……あービックリした。ヘタな広まり方したら赤城に怒られるし」

衣笠「ごめんね、でも一度やってみたかったんだよねーあの登場の仕方!」

北上「コブラじゃねーか!」

球磨「クマー……クマー……」←他に盗み聞きしてるやつが居ないが念のために探ってる

――――――――――――

提督「赤城、こっちの書類ファイリングしといてくれ」カリカリ

赤城「はい」

トントン

提督「入っていいぞー」

伊19「遠征から帰ってきたのね……」

伊58「てーとく、これが報告書類です。あとドイツさんからお土産に爆撃機貰ったでち……」

提督「おう、お疲れさん。ドイツはどうだった?」

伊168「ほんのちょっとだけ観光できたから楽しかったわ。でも、帰りは夜通し泳いできたからもう眠くて……」

伊58「あと、はっちゃんがうちには居ないから地味に会話の成立に時間がかかったでち……」

提督「あー……次の派遣までには伊8を着任させるよう努力するよ。まるゆは?」

伊19「帰り道で限界が来て寝ちゃったのね。イクが引っ張って帰ってきたから、多分まだ港でぐっすりなのね」

提督「そうか……あとで木曾辺りにでも回収させよう」

伊168「それで、報告はこれで終わりだけど他にする事ある?正直少し寝かせて欲しいんだけど……」

提督「あー……そんなら悪いけど、艤装置きに倉庫行くだろ?比叡のダブった艤装セットが2つあるから、それを解体室へ持っていってもらえるか?それが終わったら今日は一日休みにするから寝ててもいい」

伊19「わかったのねー……」

伊58「ひえーさんの艤装セットでちね……」


提督「うーむ、ドイツの方でもそろそろ艦娘の開発が可能になりそうだな。技術確立の際には一隻友好の証にこちらへ配備してくれるそうだ」

赤城「ドイツの子ですか、楽しみですね!」

提督「同時に向こうの技術も分けてくれるそうだから、こっちでもドイツの艦娘をうっかり建造できるようになったりしてな」

【倉庫にて】 ※さっきの北上たちの話とは時間が違います

伊168「比叡さんの艤装セットって言ってたわよね確か」

伊58「うぅ……眠いでち、早くベッドで寝たいよぉ……」ガサゴソ

伊19「その為にも、さっさと探して持っていくのねー……」ガサゴソ


伊58「あ、あったでち」ヒョイッ

伊168「さっさと持って行っちゃいましょ……ふぁぁ、寝る前にお風呂は入る元気あるかしら……」ヒョイッ

伊19「今日はもう泥のように寝て、起きたら和食のご飯食べてからまた寝るのー……」ヒョイッ

<カーンカーンカーン

伊19「ふぃー、ようやく終わったのねー」

伊58「さ、部屋に戻って寝よっと」



伊168「……ねぇ、二人とも?今私たちさ、幾つ艤装セット持っていったっけ?」

伊58「えー?何言ってるんでちかイムヤ、三人で一人1つずつ持っていったんだから3つに決まっ……て……」

伊19「?二人ともどうしたのー?顔色が悪いのね!」

伊168「イク、提督は艤装セット幾つ余ってるって言った!?」

伊19「……ぁっ」


「「「……」」」

伊58「……これ、やばくないでちか?」

伊19「あわわ、わ……ててて提督ももちろんだけど、私たち比叡さんになんて言えば良いのね……!」ガタガタ

伊168「不味いわ……眠いのに眠気が吹っ飛ぶって凄い体に悪そう……」

伊19「現実逃避してる場合じゃないのっ!!」

伊19「で、でも比叡さんもしかしたら練度そんなに高くないかもしれないのね!それならきっとすぐに許してもらえ……」

伊168「97」

伊19「……もう海底土下座でもなんでもして謝るしかないの……お仕置きはあるだろうけど、提督ならきっとそこまで重い罰は下さないはずなのね」

伊58「そ、そうでち!てーとくは鳳翔さんの時も【1ヶ月てーとくにお弁当を作る】刑で手を打ってたでち!大変でもきっとゴーヤたちの長所を生かした……」

伊58「うわぁぁぁぁ!!オリョクルでちぃぃぃぃぃ!!絶対オリョクルでちぃぃぃぃ!!!」


伊168「でも、イムヤたちはそれだけの罪を犯しちゃったんだからやるしかないわよね……辛いだろうけど」

伊19「それがイクたちのできる精一杯なのね」

伊58「お、オリョクルは嫌でち!」


伊168「しょうがないでしょ……ほら、今から執務室へ行くわよ!」

伊19「なにをしても怒らない提督だけど、これは怒るなっていうほうが無理なのねー……」

伊58「てーとくが折角あの地獄からゴーヤを救い出してくれたのに!お願いだからオリョクルは許して欲しいでちぃぃぃ!」ズリズリ


<ヒ、ヒェェー!?ワタシノギソウガー!?
<ヒ、ヒエイオネエサマ!?キリシマ、ナニガアッタノ!?
<コレハ・・・・・・ヒエイオネエサマトギソウノリンクガキレテマスネ
<エェッ!?


伊168「・・・・・・急ぐわよ!」

伊19「そ、そうなのね!」

伊58「てーとく、ごめんなちぃごめんなちぃごめんなちぃごめんなちぃごめんなちぃ…・・・」ズリズリ

伊19「提督、ちょーっとお話したい事があるのn……!?」

提督「あー……なんとなく事情は察したけど、ちょっとそこで待ってろ。まずはこっちを宥めないと始まらん」


比叡「ひぇぇぇん!!ひぇーん!」ワンワン

榛名「比叡お姉様、どうかお気を確かに!」

霧島「司令。これどうしたら良いのでしょうか……?」

提督「比叡落ち着け、艤装が無くなって練度がリセットされても戦闘経験とかはお前の身体のほうにも刻み込まれてるから!新しい艤装背負い直せばすぐ元の練度まで戻るって!」

比叡「でも、でも……ひぇぇーん!オロローン!」

赤城「大丈夫ですよ比叡さん、提督は貴女を見捨てたりはしませんから」

比叡「司令、司令!見捨てないでぇー!!」ビェーン

提督「大丈夫、だいじょーぶだから!艤装さえ手配できれば、暫く集中的に鍛えなおしてやるから!」


伊168「一足遅かった…・・・てか、あの高速戦艦足速すぎでしょ」

伊19「艤装とリンクが切れちゃってるから、今は唯の女の子なのね」

伊58「オリョ…・・・イヤ……デチ……」ガチガチ

――2時間後――

比叡「ひぇぇん……ひぇぇん……」ヒックヒック

榛名「比叡お姉様、どうかポカリで水分補給してください」

霧島「2時間泣きっぱなしで声もガラガラじゃないですか……」



提督「……成る程、そりゃどっちかと言えば事故だわな……というか俺にも非の一端があったか」

伊19「提督は悪くないのね、イク達が弛んでたのが悪いの……」

伊168「言い訳なんてするつもりはないから、提督も遠慮なく処罰を下して頂戴?」

提督「うーむ、そうだな……じゃあ、こういうのはどうだ?比叡の艤装が再び手に入ったら、比叡が第一改装を行える練度になるまでひたすら随伴する任務を与えよう」

伊19「イクはそれでいいの!デコイでもなんでもやるの!」

伊168「そうね、痛いけど提督なら轟沈は防いでくれるし……イムヤもそのくらいはしないと比叡さんに顔向けできないわ」

伊168「ゴーヤも、それでいいわよね?」

伊58「……オリョクルはしなくてもいいんでちか?」

提督「おう、俺はもとよりオリョクルとか嫌いだし」

伊58「てーとく……ゴーヤ、てーとくのこと大好きでち!」

伊168「(ちょろいわ)」

伊19「(ちょろいのね)」

赤城「それで提督、艤装を入手するまでの間比叡さんはどうしましょうか?」

赤城「今の比叡さんは普通の人間ですし……」

提督「寝泊りは今までどおり榛名と霧島と同室で良いだろう。後は艦娘としての仕事が一切できないなら……」ウーン

比叡「(ハッ……司令が私の処遇について悩んでる!?ここで私にしかできない仕事を提示しなきゃ……私だけの価値を見せなきゃ……見捨てられる!)」


比叡「司令!」ガタッ

提督「ん?持ち直したか?」

比叡「私、艦娘に戻るまでの間何も司令にしてあげられることありませんから……せめて、司令の夜伽の相手をします!!」

提督「」

霧島「お姉様!?」

榛名「よとぎ……?」←わかってない

赤城「ま……ま……」


赤城「間に合ってますッッッ!!」

北上「間に合ってるよッッッ!!」ドアバターン

比叡「ヒエェェェェ!!そうでしたぁぁぁぁ!!!」

赤城「比叡さん、良いですか?女の子がそんな簡単に夜伽とか言っては駄目ですよ」

北上「そうだよー、もっと自分を大切にしなきゃ」

比叡「ひ、ひぇぇぇ……」

霧島「赤城さんの言うとおりですよ、お姉様?」

比叡「わ、私だってその位は分かってますってばぁー!」

北上「じゃあ何でそんな事言ったのさ、ほれ言ってみ?……まさかアンタもケッコン志望者だったりするのかねぇ?」


榛名「……?提督、よとぎってなんなのですか?榛名、気になります!」

提督「うぇっ!?……そうだなぁ、あとで霧島にでも聞いてくれ……」

榛名「???」



伊19「……ゴーヤ、ゴーヤ」

伊58「なんでち?」

伊19「比叡さんって提督に夜伽を申し出るほど好意を持ってたっけ?」

伊168「いや、アレはその位しないと見捨てられるとか思ってテンパっただけじゃないの?」

伊58「……いや、思い当たる節はあるかも」

伊58「ほら、金剛さんってウチに居ないでしょ?」

伊19「提督の上司さんとケッコンしてるから居るわけないのね……それがどうかしたの?」

伊58「愛する姉が遠く離れた鎮守府で、しかも既婚……溢れ出る愛の注ぎ所を見失った比叡さんがてーとくにその役目を求めたとしたら……」

伊168「やだ、すっごい昼ドラチック……!!」



比叡<私の提督への想いはそんな代用品みたいなもんじゃないですってばぁー!!

伊58「やべっ聞かれてたでち!」

北上<白状したなこいつ!

比叡<ヒエェェェー!?

提督「……えー、それじゃあ比叡はとりあえず艤装が手に入るまでは秘書手伝い、手に入ったあとは第一改装まで優先的に鍛錬メニューを行う……ということで良いか?」

比叡「はい!秘書手伝いも、鍛錬も!気合い!入れて!やります!」

比叡「そして99になって早く提督とケッコンしたいです!」

霧島「なんていうか、金剛お姉様みたいになって来ましたね比叡お姉様」

赤城「姉妹ですから、根は似てるんでしょうかね?」

霧島「嬉しいような、一緒にしてほしくないような……」

榛名「霧島、よとぎってなんのこと?」


北上「まぁ、ケッコンできるようになるまでにしばらく掛かるだろうし、いっかなー」




提督「さて、そういや潜水艦たちは……」

伊58「でちぃ」スヤァ

伊19「のねぇ」スヤァ

伊168「て、提督……なんだかんだ眠気が退いてたけど、安心したらイムヤもそろそろ限界が……ぐぅ」スヤァ

提督「……俺の布団に寝かしとくか」

北上「えー、提督の匂いに潜水艦のが混じるじゃん」

提督「お前時々無茶苦茶言うな……」

【翌日・工廠にて】

提督「――大型建造、しよう」

北上「……えー、なんでまた?」

提督「比叡の艤装を再び入手するのにな、資材の消費は別としてできる事なら一発、あるいは数回で出したいわけだ」

北上「うんうん」

提督「大型建造で戦艦が出やすいように資材配分を行えば、金剛型の艤装が割と出てきやすいと聞く」

北上「世界に存在できる艦娘は1種につき一人だけ、残りは艤装が出てもガラクタ同然なんだしさー、比叡の分余らしてる鎮守府に頼んで送ってもらえばいいのに」

提督「既に確認されている艦娘の艤装は、自分の鎮守府の子のでなければすぐ解体しちゃうからなぁ……ウチだって金剛のが出たらすぐ捨てるから残らないだろ?」

北上「あー……確かに」

提督「まぁ、そういうわけでだ。とりあえず2回ほどやろうと思う」

北上「でもさ、提督って妙に運いいから未確認の艦を建造しそうな気がするんだけど?大本営から正規空母3隻も配備してもらったのに自分で大鳳新造しちゃったくらいだし」

北上「あーあとさ、私も結構運いいからハズレ狙いで建造ボタン押させる役はさせない方がいいよー」

<ハズレってはっきり言うのやめてもらえませんか!?

提督「あー、北上よ……その辺にぬかりは無いぞ。そうツッコまれると思って、ちゃんと適任を用意した」

北上「……あー、やっぱつれてきた理由ってソレ要因なんだ」


扶桑「はぁ……運の悪さを買われてハズレを狙わされるなんて……不幸だけど……」

北上「……だけど?」

扶桑「提督が私を必要としてくれてるなら、不幸もちょっと悪くないかも……」

北上「あー、なんか聞こえたけど聞こえなーい。とりあえず聞こえなーい」

大鳳「うう、運が無いとはよく言われるけど、こんな使い方されるだなんて……」

北上「大鳳っちの反応が凄く模範的なだけに、こっちの何かが目覚め始めてる航空戦艦の反応のアレっぷりが際立ってるねぇ」

扶桑「……そんなに酷いかしら?」

北上「駄目な男に引っ掛かりそうな感じそのまんま、かなぁ……」

提督「何はともあれ、じゃあまず大鳳頼む」

大鳳「あ、はい!提督、資材配分はどうするの?」

提督「4000/6000/6000/2000、資材は贅沢に20使っておけ」

北上「ちょっと提督、それ舞鶴の大将が大和を建造してみせたって触れ込みの伝説のレシピじゃん!最低値でも金剛型出るんじゃないの?」

提督「ガッツリ行った方が外れる確率が上がるだろう?信じよう、大鳳を……」

北上「(これもうわかんないなぁ……)」

大鳳「い、行きます!」スイッチポチッ

つ07:59:59

北上「は、八時間?」

提督「うっわ……最悪だこれ、大和の艤装パーツだ……せめて後半年くらい先にこれ見れてれば、ウチの鎮守府が大和迎えれてたのに」

大鳳「な、なんかごめんなさい……」

提督「あー、大鳳のせいじゃないよ、大丈夫」

提督「……ただ、これは即解体だろうなぁ。この時間表示で大和の艤装パーツ以外が出たって報告もないし」

北上「最初に大和引いた大将はさぞかし面食らっただろうね……はぁ。最強の戦艦のパーツも、本人が居ないんじゃガラクタかぁ」


扶桑「提督……私も同じ配分でいいのかしら……?」

提督「……オール7000、資材100で」

北上「ファッ!?」

扶桑「えっと……提督?本当にそれで……?」

大鳳「提督、流石に無茶よ!」

北上「そうだよ、流石にそれは不味いって!」

提督「そうだ、普通こんな配分じゃまわしゃしないんだろうな……だが、本当に本気で、決死の覚悟で挑んだときこそ、大ハズレを引くというのは定石だ!扶桑、やれ!」

扶桑「提督……私、頑張ってハズレを引きます!扶桑型戦艦の不運、見せてあげる!」スイッチバシーン


つ04:19:59


提督「四時間二十分……なんかそれっぽくね?」

北上「え、そうなの?よく覚えてないんだけど」

提督「確か金剛型ってそんな感じの時間だったと思うんだけどなぁ……」

扶桑「でも、仮に金剛型だったとしても油断はできないわ……もしかしたら私の不運が加速して土壇場で金剛型の違うのが出るかもしれないし」

提督「あーそうか、金剛型を引いたからって比叡を引いたわけじゃないんだもんな。ここばっかりは神のみぞ知る、か」

提督「じゃあ、建造が終わるまで食堂でなんか甘味でも食うか。間宮は今日は来てないけど」

北上「えー、間宮のアイスが食べたかったかなー」

大鳳「やっぱり提督の階級では間宮を専属で配備する事は難しいのかしら……?」

提督「その件だがな。人気ナンバーワンの間宮を専属ってのは流石に無理だったが、大淀に根回ししてもらって給糧艦自体は専属配備させてもらえる事になった」

提督「まだ書類に目を通しただけだが確か……伊良湖、だったか?」

北上「おぉー、良いねぇ、痺れるねぇ♪」

扶桑「鳳翔さんもいるし、前よりも毎日の食事が楽しみになりますね……」



比叡「ヒエェェェ!最初に一言しゃべったじゃないですか!私のことも忘れないで誘ってくださいよぉー!」

【――半日後、工廠】

提督「……さて、そろっそろ8時間経ったろ」

北上「提督ー?大和のパーツでもいつもどおり解体しちゃう感じ?」

提督「うんにゃ。大和のパーツに関してはもし引き当てた場合、本営に渡せとの命令だ」

赤城「他の艤装と違って滅多に出ないからですか?」

提督「そういうこった。艦娘としての身体さえちゃんと生きてれば艤装を失っても再起できるが、その艤装がなければ手に入るまでの間は戦えないからなぁ……最入手しても暫くは演習で練度上げないとだし」

提督「比叡とか北上みたく、練度上げの苦労はともかく入手に関しては建造回してれば割と楽に手に入る艦の艤装は捨てちまってもそこまで困らんが、自分とこの艦で貴重な奴の艤装は倉庫が空いてるならストックしといたほうがいいのさ。ほら、赤城や飛龍、長門、陸奥のは1つずつストックしてあるだろ?」

北上「なるほどねー……大鳳っちは?」

提督「アイツのは大和並に希少だからな……正直ストックが手に入ってない。他の鎮守府にも出たらくれと言ってるんだがなぁ……」

赤城「まだ予備が作られてないんですね……あら、工廠の様子がなにやら慌しい……?」

提督「明石さーん、建造終わりましたー?」

明石「あ、提督!?大変ですよ大変!」

赤城「大変……?」

<ん、貴様が提督か?

提督「えっ、あー……いかにも……俺が提督だ。おまえ、もしかしなくても新造艦か?艦種は……多分戦艦だよなぁ、その艤装だと」

武蔵「あぁ。どうやら随分と待たせたらしいな」

提督「おう、8時間くらい待っ……8時間で戦艦?」

武蔵「私は大和型二番艦、武蔵だ。よろしく頼むぞ、提督……提督よ、どうした?顔が呆けているぞ」

提督「」シコウテイシ


北上「うわぉ、まさかウチの鎮守府が大和型を擁する日が来るなんてねぇ……」

赤城「新造艦が出た場合、その艦娘は引き当てた鎮守府の所属になるってルールがありますしねぇ」

明石「それより、新造艦が出た事を大本営に報告しないと……あぁ、きっと大鳳さんの時みたいに広報の取材とかで忙しくなるんだろうなぁ」

※ちなみに4時間20分のほうは扶桑の艤装パーツでした(即解体)

青葉「どもー!大本営広報部から来ました、青葉です!」

北上「やっほー、じゃーこっちの部屋に武蔵居るから早いとこ取材しちゃってー」

青葉「恐縮です!しかし、大本営以外の鎮首府・泊地が新造艦を建造した事例はこれで12件目ですけど……内10件がここの鎮守府って、どんだけ強運なんですかねぇ」

北上「いやー、ウチの旦那変な時に神域の剛運発揮しちゃうからさー」

青葉「他が大本営から配備された艦で頑張ってる中、戦力的に妙に充実してますもんねぇ。ここだけの話、上も大本営で新造された艦を配備しようとか言ったりして、結構ここに期待してるんですよ。あと、ケッコンおめでとうございます」

北上「あーありがと。まぁジュウコンだけどねー」

青葉「その辺ももうちょっと聞きたいですけど、今日は広報部長に早めに帰って来いって言われてるんでお仕事に戻らせてもらいます!」


<じゃあ、まず練度を教えてもらえますか?

<っと、24だ

<24? もう前線に出てるんですか?じゃあ…

<まだだ

<まだ?あっ…(察し)ふ?ん(軽蔑)…え、火力、装甲はどれくらいあります?

<え~、火力が94で、装甲が88だな

<うん、94。今なんか積んでるんで?主砲…すごいガッチリしてますよね

<今は特には積んでないが、演習はし、やっているぞ

<あ、演習やってるんですか。…っていうのは模擬戦みたいな?

<まぁ、そうなるな。

<誰だ今のは、私じゃないぞ
 
<んー…一日、どれくらいやってるんですかね?

<一日…五戦から十戦ぐらいか?」

<へえ~…



赤城「青葉さん来るたびになんかある事無い事書かれそうでひやひやするけど、今回も問題なく終わりそうねー」

北上「まー他の鎮首府ならいざ知らず、ここ上からのウケも良いらしいし。ガッサも所属してるから中々うかつな事書けないでしょ」

衣笠「ちょっとぉ、衣笠さんの事ガッサって呼ぶのやめてよね。でも、私が居るから青葉が迂闊な事書けないって言うのは合ってるかも」

北上「強そうじゃん?」

衣笠「強すぎて嫌われそうなのが問題なの!」

【その夜】

武蔵「しかし、大本営のインタビューとやらは存外長かったな。まさか3時間も質問攻めに遭うとはこの武蔵をしても思わなかったぞ」ガツガツガツ

提督「あそこまで長く、多く取材したのはお前の他にはお前の姉くらいじゃないか?かつての日本の象徴、あの大和型だからな。人々の関心もそれほど集まっているという事だ」

武蔵「ふっ……期待や関心を向けられて、悪い気はしないなぁ。応えてやろうという気になる」ガツガツガツガツ

提督「……それにしてもよく食うなお前。大本営の大和も結構食うとは聞いていたが、大和型って奴は皆大喰らいなのかね?」

武蔵「提督よ、私だから良いが女性にあまりそういうことは言わないほうがいいぞ?――まぁ、大和型ってのは元々燃費が悪いんだろう。もちろん、その分以上の仕事が出来るだけの能力は有しているつもりだがな」ガツガツガツ

提督「そりゃあ承知している。まさか練度1の慣熟を兼ねた模擬戦で長門をボコボコにするなんざ思わなかったしな……長門ちょっと泣いてたぞ」

武蔵「流石に面子を潰して悪いとは思うが、この武蔵の装甲と主砲は伊達ではないのだよ」

武蔵「なぁ提督よ、見ていろ……これからも私はどんどん強くなるぞ。そしていつかあの大和すら越えてみせようではないか」

提督「大和を越えるって……そんときゃお前が国の力の象徴として、国に勝利と栄光を与えることになるな」

武蔵「いや、そこまで大層な存在になる気はないさ。そもそも大本営所属になるつもりもない」

武蔵「私を形作ってくれたこの鎮守府の所属として、私を呼んでくれた提督、貴様に勝利と栄光を齎そうと思ってるのだ」

武蔵「あの大和を越えた艦を相棒として擁しているとなれば、貴様にも箔がつくだろう?」

提督「ははは……そいつは嬉しいな、建造したときから期待はしてたが、そんなこと言われちゃもっと期待せざるを得ないってもんだ」

提督「そんなら、さしあたってまずは第一次改装が行えるよう錬度を上げないとな」

武蔵「ふっ……そうだな。敵襲も少ない今、今しばらく演習の日々だろうがよろしく頼むぜ?」





北上「じぃー……」

赤城「じぃー……北上さんはどう思います?」

北上「振る舞いがイケメンすぎて判断に困るけど、ありゃ狙ってそうじゃない?」

赤城「かの大和型2番艦……今はまだまだ錬度が低いのでケッコンは出来ないのが救いですが……手強いですね」

北上「うぅー、皆演習に力入れてるから、じわじわと練度が最大に近づいてる子増えてきたよね……」

赤城「それだけケッコンしたいんでしょうね。提督が指輪を買い足さなければ残り4枠、先着順ですから」

北上「……とりあえず、今のうちに私たちだけで提督独占しとこっか」

赤城「そうですね……」

お、そうだ(唐突)
E-4は朝雲泥率4%(DBより)だったからすぐ出たゾ
大和型と秋月雷巡入れればボスS周回安定するってそれ一番言われてたから

――

北上「渾作戦?」

提督「そう、渾作戦だ。大本営から一部の鎮守府に、三段階に分けて行う大規模な友軍支援作戦への参加要請……つーか命令が来た」

赤城「それで、この鎮守府にも命令は来ていると……」

提督「そゆこと。鎮守府ごとに大まかな役割は違うみたいでな。うちの場合、露払いに当たる第一、第二次作戦では他所と同じように足並みを揃えた上で、ほぼ同時にラインを上げていくんだが……」

大淀「その後の決戦、本命である第三次作戦においてのみ、当鎮守府の艦隊は決戦艦隊として最前線へ行く事になっています」

五十鈴「えぇ、ここだけ!?なんで?」

陸奥「まぁ、理由はなんとなくだけど、予想はつくわよね、姉さん?」

長門「……まぁ、理由があるとすれば十中八九はそれだろうな」

球磨「どういうことクマ?」

霧島「金剛お姉様を除く金剛型3隻(※現在一人非武装)に、扶桑型と長門型……何故分配を行わないのか不思議なほどにこの鎮守府は戦艦の比率が他所に比べて高いですからね……」

大鳳「航空戦力も他所に比べればかなり充実してますもんね……」

北上「……提督さ、夏頃に『ウチは戦える娘少ない』って言ってなかったっけ?」

提督「言ったよ?」シレッ

五十鈴「どこがよ!?」

提督「よーく考えてみろ、AL/MI作戦が終わってから俺がなにをしていたか」

提督「前回ので俺はウチの戦力不足……いや、頭数の不足というものを痛感した」

提督「なら、今まで遠征要因とかで経験の少なかった娘を優先して演習のスケジュールを組み、艤装の練度をとにかく上げる!」

提督「これ以上の解決策がどこにあるというのかね?」

五十鈴「せ、正論過ぎて何も言い返せない……!」

榛名「えぇっと、それでは提督?今まで我が鎮守府の目立った穴であった水雷戦隊……特に駆逐艦の子達の錬度も?」

提督「当然。燃費のよさだけを見て遠征要因に回していた彼女たちも十分に戦闘経験を演習で積ませたり、軽巡重巡の子に指導させたりして、今作戦で戦えるようにしてある」

提督「そもそも夏の時点で殆ど初陣だったにも関わらず敵の首塚築いてた娘も居るくらいだしなー。ポテンシャルはあったんだろうよ」

五十鈴「ちょっと待って。指導したの誰?私は何も聞いてないんだけど?」

提督「だってお前教えんの下手そうだし。神通と古鷹に頼んでたんだよ」

扶桑「そう……じゃあ、今の戦力は一分の隙もないってことね?」

提督「慢心に繋がるから断言はしないけどね。この前みたいに不測の事態が起こっても余裕を持って対処するくらいの戦力は揃えたつもりよ」

北上「で、それを大本営に察知されて前線行きと」

提督「……うん。あと、ウチ武蔵居るし。大和型二番艦が決戦艦隊の旗艦として敵を叩きのめせば、戦意高揚の良い火種になるとかなんとか」

武蔵「ま、そりゃあそうだろう。アイツ(大和)はどうせ本土防衛の要である、とか何とか言って引きこもっているのだろう?こういう、前線で暴れて士気を上げる役目は確かに私の領分だろうよ」

霧島「でも、大丈夫で?数ヶ月前に建造されたばかりで、いきなり大型決戦の旗艦など……」

武蔵「侮るなよ、この武蔵、生まれてこの方、この瞬間の為に己を鍛え上げていた。練度の面でも問題はない」

提督「つーわけで、各自いつでも出撃できるよう準備を行え。艦隊の編成は俺が行うからな」

提督「大淀と秘書艦、ついて来い!」

大淀「はい」

赤城「はっ!」

【第一次作戦】

扶桑「私が今回の連合艦隊旗艦……うふふ、提督に目を向けて貰えるだけでなく、こんな大役を任せて頂けるだなんて……!」

山城「さすがお姉様!装備も新ためて、ますます素敵です!」

扶桑「提督が私の為に……態々貴重な改装設計図まで使ってくださった……うふふ……うふふふふ……!」

川内「見えた、敵艦隊!」

木曾「どうするんだ扶桑さん、陣形の指示を……!?」

扶桑「嗚呼、提督が私にこれほどの期待を掛けてくれていると思っただけで、なんて高揚感!今の私ならレ級と殴り合っても勝てるわ!さぁ山城、砲戦を開始するわよぉ!」

山城「はい!お姉様!」

扶桑「さぁ、お行きなさい……瑞雲!!」パシュシュシューン


文月「ほわぁ、扶桑さん気合はいってるね~」

皐月「ボクたちの見せ場はここよりは次かもね……っと文月、敵の駆逐艦が来てるよ!」

文月「えぇ?こんなの敵にもならないよ~」主砲で一撃、クリティカル

皐月「まぁそうだけどさ、油断は禁物だからね!」

文月「分かってるよ~!」



夕立「ぽいっぽーい!ぽいー!」ステキナパーティー

夕立「赤い重巡程度じゃ話にならないっぽいー!」タコ殴り


熊野「……」

木曾「……」

祥鳳「……」

熊野「……なんと言いますか……」

木曾「言うんじゃない。気持ちはわかるが、言ってしまえばオレ達の心に何かが残るぞ」

熊野「いえ、血の気多すぎじゃないですこと?扶桑さんは提督に更なる改造を施してもらってハイですし……駆逐艦の子ってあんな感じでしたっけ?」

木曾「元々あんな感じだ……今までは錬度が低かったからオレ達が見逃してただけでな……」

熊野「……文月ちゃん」

木曾「文月は夏の作戦でポテンシャルが開花して……しかも大量に敵を撃破したことを提督に褒められたのが嬉しくてだな……」

熊野「……あぁ、いつもより可愛がってもらえたから条件付けされたんですわね」

祥鳳「(……制空権は瑞雲だけで取っちゃったし、提督に今回制空担当って言われたから攻撃機持ってこなかったし……なんで私ここに居るんだろう)」

川内「そこ!何無駄話してんのさ、撃って撃って!」



――ザバァ!

熊野「ッ――!?」

ネ級「――」ニタァ


木曾「なっ――伏兵だと!?」

川内「こっからじゃ位置が悪くて間に合わない――熊野さん!」

木曾「避けろ熊野ー!」


ネ級「――」

バキィッ!!

ネ級「――!?」イタイッ

木曾「なっ……!?」

熊野「――ハァッ……ハッ……!!」

川内「そんなのアリ……!?」

木曾「ひ、飛行甲板で殴り飛ばしたぁ!?」

熊野「ッ――とぉぉぉ↑ぉぉおう↓!!!」ボコスカボコスカ

ネ級「!!――!?!!」イタイイタイ

川内「待って熊野さん、そこの硬直は普通に砲撃しようよ!なんで更に近づいて甲板で殴るの!?」

熊野「こんなっ!(バキッ)こともっ!(ベキッ)あろうかとっ!(ゴシャッ)あかぎっ!(ボキッ)さんにっ(ガスッ)ならって!(ゴチュッ)おいて!(グジュリ)よかった!(グジュリ)ですわっ!(グジュリ)」

熊野「――ふぅ。飛行甲板術は淑女の護身術としては結構上等ですわね。最も、赤城さんの飛行甲板とは形が大分違うので、基礎だけ教わって後は我流ですけども」

ネ級「――」ピクピク

熊野「あら、貴女よく見るとどこかで見たような顔してますのね。まるでまだ見ぬ姉妹艦のようですわ」

熊野「なんか深海棲艦がその顔なのを見てるとムカムカしてくるので、さっさと潰れてしまいなさいな」ゴシャッ



熊野「――あら、今ので増援が止みましたわ。今のが指揮艦だったのかしら……ってあら?どうしたんですの川内さん、木曾さん?」

木曾「お前……どの口が「血の気多すぎじゃないですこと?」なんて言ったんだよ」

川内「熊野さん……淑女はそんな返り血に塗れた鈍器を軽々と抱えたりしないと思うよ……」

熊野「あら、失礼ですわね……私はただ、不測の事態から自分の身を護っただけですわ」



扶桑「提督……私は貴方の期待に応えられたかしら……」恋する乙女の眼光

山城「流石はお姉様!鬼神の如き戦いぶりでした!」


文月「ふわぁ~、つまんなかったね~」大量のフラ駆逐の屍の上に座り込み

皐月「だから言ったでしょ?ボク達の本番は次の第二次作戦だってさ」


夕立「う~お腹減ったっぽい~。提督さん、帰ったら鳳翔さんのお店連れてって~お腹一杯食べさせて~」中破で全身返り血塗れ


祥鳳「……」←結局流れ弾で中破し、いよいよ自分はなんでここに居るのか分からなくて殻に篭った。帰った後提督に泣き付きめちゃくちゃ慰められた


【第一次作戦完了:中破者2、大破・轟沈者無し】

そのうちまた書くデース
アニメについては「皆可愛い」とだけ感想漏らしときマース!

※渾作戦(秋イベ)は、第二次作戦以外は連合艦隊(最大12人)で出撃するのです

【一次作戦終了後:壱】

扶桑「提督、連合艦隊は作戦を終えて帰還いたしました……」

扶桑「そう……この扶桑が旗艦の連合艦隊が……ふふっ」

提督「おう、お疲れさんっと……ん?作戦成功がそんなに嬉しかったか?」

扶桑「いえ……私、こんな大規模な作戦で連合艦隊の旗艦を任されたのは初めてですから……提督に期待を掛けていただき、それに応えられた事が嬉しくて……」

提督「あー……そういやAL作戦の旗艦は山城だったかんなー」

山城「あの時は作戦を終えるまでずっとお姉様の私を見る視線が、なんというか粘着質で攻撃的なものに変わってて流石の私も結構怖かったんですからね!」

山城「帰投後の報告も旗艦がやるってルールなのに、後ろから――「やましろ?」――ひゃい!?なんでもないです!はい!」

提督「……あぁ、その、なんだ。とにかく今回はよくやってくれたよ扶桑。戦艦を10隻以上撃破したんだろう?その功績は誇っても良いものだ」ポリポリ

提督「改装されて欠陥など無くなったお前の力、よく見せてもらったよ。その力をこれからも俺の為に振るってくれ」ナデリコナデリコ

扶桑「はい……(嗚呼……提督が私の頭を撫でてくださるなんて……なんて幸せ……あぁ提督。私の提督……!!)」

山城「(お姉様、最近提督に構ってもらうと凄い嬉しそうなんだけど、放つオーラは凄まじいドス黒さなのよね……)」

時雨「(あれはどう見たって『提督と私の間に入る者は殺す』ってオーラだよね。提督はなんやかんやで鈍いから気付いてないみたいだけどね)」

山城「(時雨……!?この子、直接脳内に……!!)」

【一次作戦終了後:弐】

提督「おーい駆逐組ー、次の作戦の準備してるかー」

文月「あ、司令官だー!」トテテテ

提督「おぉ、文月。さっきはお疲れ様」

文月「司令官、あたしねー!さっきいっぱいあいつ等をヤッたよー!」ピョンピョン

提督「えらいぞ、よく頑張ったなー」ナデナデ

文月「ほわぁぁ……えへへ……♪」テレテレ

提督「じゃあ文月、その調子でもう一仕事頼めるか?」

文月「うん♪本領発揮するよぉ~!」

皐月「司令官、ボクも頑張ったよぉ、褒めてよぉ!」ピョンピョン

提督「あぁ~、皐月もがんばったなぁ!よしよし」ナデナデ

皐月「あはは、くすぐったいよ~!」キャッキャッ

文月「あ~、もう一回あたしも撫でて~」

フミィ……アハハ……ウフフ……



川内「……全部昼戦で片付いちゃったら私の本領発揮しようがないし」

木曾「ふっ……駆逐艦に戦果で負けるとは俺もまだまだ未熟……やれやれ、また鍛えなおしか」

川内「それにしてもさ、戦果が中途半端すぎて掛けてもらう言葉が少ないってのは良いことなのか悪い事なのやらね……あーあ、いっそ祥鳳さん並みにやらかしてたら提督ももっと構ってくれたかなー」

木曾「言うな、祥鳳は色々と不憫が重なった結果のアレだぞ。ありゃ環境……というか組んだ相手が悪かった。ハイになってるとはいえ、まさか水上機で空母相手に制空権を取るなんて普通は誰も思わないだろ……」

北上「提督も、まさか保険にと思って組み込んだ祥鳳が心折れて帰ってきたのには驚いてたしねー。そりゃ慰めるでしょ」

木曾「姉貴、居たのか」

北上「そりゃねー。末っ子が帰ってきたら私だってお疲れくらい言うよ」

木曾「……球磨の姉貴は?」

北上「寝てる」

【一次作戦終了後:参】

夕立「ん~!美味しい~♪」

提督「夕立はもう一戦出てもらうからなー。二次作戦までもうちょい時間あるし、どんどん食え」

夕立「てーとくさん、ありがとうっぽい!鳳翔さんも、これすっごく美味しい!」

鳳翔「ぽいを付けないって事は、本当に気に入ってもらえたようでよかったわ」

鳳翔「提督も、何かお食べになりますか?」

提督「いやー今はさほど腹が減ってなくてな……お茶くれ、気を引き締めたいから渋めのを。」

鳳翔「え、でも作戦中は何も口にしていなかったのでは……?」

夕立「……?」クンクン

夕立「……!てーとくさんの口から餡子と、レモンの匂いがするっぽい!」

提督「犬かお前は……!?」

夕立「ふふん、夕立はてーとくさんの忠実な犬だもん!」

鳳翔「それにしても、そんなお菓子今執務室に置いてあったかしら……?」

提督「伊良湖ちゃんが差し入れにって持って来てくれた奴を食べたんだよ。レモンを練りこんだ餡を使った試作品らしくてな、俺に食べて欲しかったんだとさ」

提督「俺のウケ次第ではメニューに加えるから、後で感想言いに行かないとなぁ……まぁすげー美味かったし是非また食べたいけど」

鳳翔「あらあら……伊良湖さんも提督の胃袋から攻めるだなんて、私も負けてられませんね」ニコニコ

夕立「夕立も食べたいっぽい!」

提督「じゃあお前が行ってる間に伊良湖ちゃんにもう一つ作ってもらうよう頼むよ」

夕立「時雨と春雨の分もお願い!」

提督「あいよー」

【一次作戦終了後:四】

提督「泣き止んだかー」ナデナデ

祥鳳「うぅ……私戦場に居るだけで、何の役にも立てませんでした……」ヒシッ

提督「ごめんなー祥鳳。せめて爆戦でも積ませときゃ良かったわ」

提督「ただなー、まさか航空戦艦2席で制空権完璧に取るとは思わないじゃん?寧ろ祥鳳を組み込まないと制空権取られるかなーって位に考えてたからさー」

祥鳳「それは分かります……私だって絶対に仕事があると思ってましたし……」スンスン

提督「でも俺の配慮がちょーっと浅かったのはほんとにごめんなー。辛かったよなー」ナデナデ

祥鳳「いえ、私のほうこそ御免なさい……次の作戦もあるのに、貴重な時間を取らせてしまって……あの、もう大丈夫ですから」

提督「まだ時間はあるし、もう暫くはこうしててやるって」ギュッ

祥鳳「あっ……なんだか、安心します……私はここに居て良いんだって気がして……」

提督「居てもらわないと俺は困るなー」



ドア<テイトク……


蒼龍(壁に耳当て)「提督も女泣かせだよね~。あれで天然とか凄くない?」

飛龍(壁に耳当て)「祥鳳も……というか、提督に靡く子基本的にちょろいからねー。私はこんなコロッとは落ちないし信頼できる良い人止まりだけど……ねぇ?」チラッ

大鳳(壁にコップ)「えぇっ!?なんで私を見るんですか!?」カァァ

赤城(壁にバケツ)「……」ギリィ

千歳「赤城さん、気持ちは分かるけどこういうのは平等だから、抑えて抑えて!」

また書くにゃ。次回、わるさめちゃんが死にます(ネタバレ)
次のイベント始まる前には秋イベダイジェスト終わらせないといけない焦燥感、常人にはとても耐えられまい

【第二次作戦】

五十鈴「提督ー?今のところ電探に敵の反応はないわ、ひょっとすると交戦しないかもしれないけどその場合はどうするの?」

提督『あー、今回の作戦目標はあくまで第三次作戦においてその海域を主力艦隊が通過する際に奇襲を受けないように予め露払いすることだかんな。敵が居ないなら居ないで別にいいわけよ』

五十鈴「なるほどねぇ……ところで、何で空母すら居ない水雷戦隊で海域に突入する必要があったのかしら?」

提督『そら露払いだからな。遊撃手マシマシでやる都合上、部隊全体の移動速度が高速である事を求められた結果としか言えんよ』

五十鈴「なるほどね……大体の事情はわかったわ。引き続き策敵を続けます」

提督『了解ー、帰還するまで油断はせぬよう』


五十鈴「(最近あまり構ってくれないと思ってたけど、こういう大事な時に旗艦においてくれるなんて……やっぱり提督は五十鈴のことが好きなんだわ……!!)」

五十鈴「えへへ……」ニヘラ

菊月「五十鈴殿……今しがた司令官が油断するなと言っていたばかりだろう?」

長月「全く、司令官は女を骨抜きにする事に掛けては一流だな。普段の五十鈴はもっとしっかりしているのに、提督の声1つでこれだ」

菊月「……いやお前が言えたことじゃあないだろう、長月」

長月「言えても良いんだよ私は。私は戦場であんな締まりのない顔はしない……って何言わせるんだ!」

菊月「いや、勝手に盛り上がったのはお前だろう……」


文月「ふわぁ~ぁ、ふみゅぅ……」グシグシ

皐月「文月、眠いの?」

文月「だってぇ、敵が出てこないと退屈でぇ~」フミィ

皐月「駄目だよ、幾らボク達の錬度が高いといっても、奇襲に対応できずに怪我でもしたら司令官が悲しむよ」

文月「司令官が悲しむのは文月やだなぁ……」フミィ

文月「皐月ちゃん、そんな奴はやっつけちゃおうね!」フタゴスマイル

皐月「そうだね文月、ボク達なら司令官を笑顔に出来るよ!」フタゴスマイル


夕立「んー、夕立も退屈っぽいー」ギョライイジイジ

文月「夕立ちゃんも早くあいつ等やっつけたいでしょぉ~?」

夕立「ぽい!じゃあ文月ちゃんと私で、敵を見つけたらどっちが多く仕留められるか競争しよ?」

文月「いいよぉ~♪」



長月「……前の旗艦はメロメロ状態、後ろの3隻はバーサク。私たちは何だ?メダパニ状態か?」

菊月「落ち着け長月、私たちがここでしっかりしなくてどうする」

長月「しかしだな、これで正気を保てというのも中々酷じゃあないか?」

菊月「司令官の顔でも思い出せば正気に戻るだろう?気をしっかり持て」

長月「そんなことしたら私もアレ(五十鈴)と同じになるぞ」テレリコ

菊月「やっぱりアウトだよ、お前も」

今日はもう眠いから寝るにゃ
次こそわるさめちゃんが死にます。それはもう、無残に(笑)

菊月「――ッ!五十鈴殿、電探に反応アリ。敵艦だ!」

長月「陣形はどうする、手堅く複縦陣で攻めるか?」

五十鈴「そうね……各艦陣形を変更!複縦陣で突撃するわ!」

駆逐棲姫「ヤラセハ……シナイヨッ!」ホウゲキ

五十鈴「……んん?疲れてるのかしら……?なんかアレ、春雨に見えない?」

夕立「ほ、本当に春雨みたいに見えるっぽい!?」

皐月「でも、春雨ちゃんって今鎮守府に居るんじゃないの?」

長月「それもそうだな……確認を取ってみよう。――司令官!」

提督『あいよー、なんかあった?』

長月「敵側に春雨と思しき姿がある!鎮守府に春雨の姿は?」

提督「あ?……いやいや、それは春雨じゃねーよ」

菊月「いやに返答が早いな、司令官」

提督『いや、だってさ……』


司令部室

春雨「スゥ…スゥ……」スヤァ

提督「春雨、今俺の膝でぐっすり寝てるし」※遠征帰りでお昼寝


夕立「えー!?春雨、ズルいっぽい!」

五十鈴「そうよ、不公平だわ!帰ったら五十鈴にもしてもらうから、良いわね!?」 ――ァン

長月「しかし、これであの春雨もどきは気兼ねなく敵として仕留められるわけだ……」 ……ガァン

菊月「そうだな……よし、行くz――!?」ズガァン!!

皐月「もう、なんなんだよさっきからぁ!後ろでガンガンガンガン、人が話してるって言うのにさぁ!」クルッ



駆逐棲姫「ク……クルナッ……!」

文月「えへへぇ、後は春雨ちゃんの贋物だけだねぇ~♪」フミィ……

文月「春雨ちゃんもどきはぁ、何分壊れないで居られるかなぁ?あたしちょっと楽しみ~」ズガガン、ズガガン

駆逐棲姫「ヒィッ……!?」


皐月「うわぁー、文月が随伴艦全部やっちゃってるよ」

長月「……あいつ、私たちが司令官に確認を取る前に交戦開始してなかったか?」

夕立「夕立も混ぜるっぽい!春雨の姿で出てきた事を後悔させてやるっぽい!」ズァッ

五十鈴「待ちなさい!MVPを取って提督に膝枕してもらうのは五十鈴よ!!」ズァッ

長月「いや、そんなルール決めてなかっただろう……?」

菊月「ハァー……全く。司令官に心酔している連中はどうして、揃いも揃ってこうなるのやら……これで当人は北上や赤城とケッコンするまで一切気付いてなかったのだから……ハァー(ため息)」

菊月「……待てよ、考えようによっては最初が北上と赤城だったのは寧ろ司令官の剛運の賜物か?あの二人は相当にまともだからな……」ブツブツ

長月「菊月、考え込んでる場合じゃないぞ!私たちも行かねば!!」ズァッ

――駆逐棲姫は、春雨と直接出会ったことはない。だが、産まれ堕ちた際には正しくこの姿だった。

それは、艦娘が「正」のエネルギーの賜物であるのに対して深海棲艦が出所は同じだが「邪」のエネルギーからの産物であるが故に。

この海域で沈んだ船の魂から抜き出た負のエネルギーが深海棲艦として形作られる際に、「たまたま」正邪の姿がほぼ一致したに過ぎない

しかし駆逐棲姫はこの姿こそが敵を欺き、動揺させるための武器足りえる事を知っていた。

駆逐棲姫「(ククク……ヤハリ……オドロイテイル……)」

現に自身と相対した敵は、この姿を見て動揺を隠せないようだ。或いは、自身の「正」に対応する艦娘が彼女たちの仲間にいるのかもしれない。

そして敵は動揺の余り、おもむろに後ろを向いて通信を始めた……攻撃を仕掛けるならば、今だろう。なんと分かりやすい隙、当然深海の姫の一角たる彼女が見逃すはずもない。

駆逐棲姫「イマダ……ッ!?」

彼女からすれば、これが生れ落ちてから始めての「驚愕」だった

よもや、完全に隙を突いたと思った矢先に真横から砲撃を受けるなどと――彼女が目をやった先には、無邪気に笑う「天使」がいた

文月「あなたは春雨ちゃんの贋物でしょ?いや、もしも本物だったとしてもぉ」

「天使」の一撃は正確無比。僚艦が揃って通信中、作戦を練り直しているだろうところだろうに、その「天使」だけは笑いながら――的確に随伴艦の駆逐艦やツ級を屠っていく

されど、駆逐棲姫が放つ砲撃はただの一度として掠りもしない。なんだ、奴は――駆逐棲姫がそう思ったのは、随伴艦が全滅した直後、「天使」の標的が自分しか居なくなった瞬間だった。

そして、それを脅威と認識するのが遅すぎたのは駆逐棲姫のミスに他ならない。構えた瞬間には砲弾が数箇所に突き刺さり、中破

帽子を模したような角突きの頭部ユニットは右半分を吹き飛ばされ、存在しない脚部の代わりに航行などを可能としている脚部ユニットも被弾して機動力もガタ落ちとなった


駆逐棲姫は、殆ど意識せぬままに第二の死を迎えようとしていることに気が付き、この姿を持ってから初めて涙を流す

涙に潤み、恐怖に怯える深海棲姫がその目で見たのは、先と変わらぬ「天使」のような少女の笑顔だ

しかし、死に掛けて始めて気付ける事もある。その瞬間、駆逐棲姫は確かに見た

文月「――なぁんだ、あなたの首じゃあ、しれぇかんは満足してくれなさそうかなぁ」ニヤリ

――「天使」が敵にだけ見せる、「死神」のような歪で凶悪な笑顔

それは確かに駆逐棲姫に死を告げるサイン、そこにあったのは彼女の「死」その物だった

……砲撃音が一発、二発――それを最後に、駆逐棲姫は自身の視界が急激に暗く、狭くなっていくのを感じ――それっきり。彼女の意識と生命は、闇へと葬られた

寝るにゃ

ユーちゃんすき。ローちゃんきらいじゃない。

【第二次渾作戦終了後】

皐月「しれいかーん♪」ダキッ

夕立「提督さん、夕立今日はあんまり活躍できなかったぽい~」

提督「いやいや、よくやってくれたよ皆。お疲れ様」

文月「しれいかん、今回はあたしがMVPなんだって~♪」ピョンピョン

提督「あぁ、よく頑張ったな。偉い偉い」ナデナデ

提督「ところで文月?後ろに持っているものは何だ?」

文月「あ、これ~?しれいかんと春雨ちゃんにおみやげ~」

つ「駆逐棲姫ヘッド」

提督「ひぇっ……」ゼック

春雨「ぴゃああああああ!?」←丁度起きた

文月「ほぇ?ダメだったかなぁ?」

長月「ダメに決まってるだろうが!」

菊月「うちの睦月型の中で一番イカれてるよな、お前」

文月「むぅぅ、その言い方は失礼だよ~」!かすんぷ

~この後、発狂寸前まで行った春雨を慰めるために提督が二肌くらい脱ぎ、結果春雨が提督に依存しだしたがそれは別の話である~

【第三次渾作戦】

武蔵「――あーこちら連合艦隊旗艦武蔵、聞こえるか?我々はこれより」

提督『通信状態は良好、異常は見受けられない。それでどうだ武蔵、艦隊の状況及び現時点での策敵範囲内の状態は』

武蔵「なぁに、提督選りすぐりのメンバーによる連合艦隊だ。途中、三度ほど敵の迎撃を受けたが難なく突破したさ」

武蔵「被害状況も、赤城が小破したものの未だ航空能力は健在、あとは全員かすり傷って所だな」

提督『了解、友軍による同時突入が一切ない分大変だろうが、引き続き制圧を頼む』

武蔵「あぁ、帰ったら祝勝に酒でもっ――と。どうやら空母の姫タイプが出てきたらしい。通信を切るぞ」

提督『了解。武運を祈る』プツッ



提督「――さて、とりあえずはこれが終われば俺達の仕事はおしまいっと……つーか武蔵、フラグ立てんなよタコ・・・…」ナデリコナデリコ

春雨「Zzz……」スヤァ

(提督の膝でぐっすり)

文月「春雨ちゃんずるーい!ふみぃ!」プンプン

夕立「そうっぽい!ずるいっぽいー!」ポイー

菊月「諦めろ文月、春雨は昨日のアレですっかり心が参って、今や提督と5m以上離れると半狂乱になるようになってしまったのだぞ?」

時雨「おまけに、提督が触れてないと眠れなくなっちゃったしね……」

提督「この作戦が終わったらカウンセラー呼んで、リハビリさせるけどもさぁ……ハァ」タメイキ

武蔵「数では勝っているとはいえ、敵は凄まじい火力の持ち主だ、気を抜くな!」

空母棲姫「敵機直上――急降下――!!」

赤城「きゃあっ!?」大破!

羽黒「赤城さんッ!!」

球磨「赤城が直撃貰ったクマー!?」

長門「くっ――赤城にトドメを狙ってくるぞ!艦載機を近寄らせるな!」ドォーン

不知火「沈め!!」高角砲で狙い撃ち

卯月「うーちゃん、しれーかんに言われて沢山機銃積んで来たっぴょん!くーらーえー!!」バレットサーカス

北上「赤城が沈んだら提督に遭わせる顔が無くなるでしょー……がっ!!」サンソギョライ

空母棲姫「フフフ――」miss!


羽黒「今回連合艦隊に航空戦力は赤城さんだけです……一度撤退する事を考えたほうが……」

北上「そだね、沈むよりはよっぽどマシでしょ」

赤城「……皆さんは先へ行ってください」

北上「……赤城、それ言われて、はい分かったってそう易々と先に進めると思ってんの?」

赤城「北上さんの言いたいことも分かっています。けれど、別に私はここで死ぬつもりなんかないですよ?」

長門「囮になって、我々が振り切ったら即座に離脱すると?だが、大破したお前では時間すら稼げるか……」

赤城「?……何言ってるんですか?」

武蔵「いや、赤城こそ……お前、まさか」

赤城「あの程度、大破しててもタイマンで勝てますよ?」

球磨「ファッ!?」

羽黒「えぇぇー!?」

北上「……赤城、絶対勝てるんだよね?相討ちとか、そういうのじゃなくて」

赤城「えぇ、勝てます。絶対に100%、確実に相手だけ沈めて私は一足先に鎮守府へ戻らせて貰いますね」

北上「……よっしゃ!武蔵、行こう!」

武蔵「正気か!?どう考えても大破して航空戦力もない空母が、あの空母棲姫を撃破して帰る事など……」

北上「赤城なら大丈夫だって。よくよく考えたら、この状況初めてでもないらしいし」

球磨「あー……そういやそうクマ。じゃ、任せたクマー」スィー

武蔵「……そこまで言うなら、信じよう……卯月、お前は残って、赤城が退避する際に護衛を頼む。それに、お前の装備なら赤城がやり合ってる間艦載機を牽制できるだろう?」

卯月「わ、わかったぴょん!皆も気をつけて!」ビシッ


武蔵「――さぁ、赤城の思いを無駄にしないよう、最奥の敵は早々にぶちのめす。行くとしようか!!」

【最深部】

戦艦棲姫「ナンドダッテ……沈メテアゲル……」

長門「出たなダイソン、今日は一人か?」

戦艦棲姫「エェ……私ハ一人デ……十分ヨ……」

長門「そうか……じゃあ、2対1でも問題ないと」ゴキゴキ

戦艦棲姫「エッ」

武蔵「お前たち8隻は取り巻きを頼む。ここで早く潰せば潰すほど、もしかすれば交戦中の赤城の救援に戻ってやれるかもしれんからな」バキバキッ

ダイソン「エッ……エッ?」


球磨「言われなくてももうやってるクマー!!ヴォォォォォ!!!」(新型の敵艦載機を掴んで食い千切りながら)

ヲ改「ヲ!?ヲ!?」ナンデ!?

――肩をツンツン

ヲ改「……?」クルッ

霧島「――よぉ。マイクチェックしていくか、おい」46cm砲振り被り

ヲ改「ヲ――」ヲタスケ



不知火「たかが駆逐艦如き、睨んだだけで死にます」(水鬼級の眼光)

ロ級後期型×2「」プカァ

黒潮「……覇王色の覇気みたいやなぁ」


羽黒「え……えぃ!」(重巡最強火力でのパンチ)

ツ級「」(首の骨が折れる音)


タ級「……」ボーゼン

北上「あ、あそこで戦艦が暇してるじゃん」ユビサシ

初風「あら、本当ね」

妙高「じゃあ……やっちゃいましょうか」ニッコリ

タ級「!?」

<アッニゲタワ!
<ニガシマセンヨー
<ツカマエタヨー

(無言の腹パン)
(無言の地獄の断頭台)
(無言の雷撃処分)

ざんねん! タきゅう は しんでしまった!

だいそん「フェェ……」ボロボロ
戦艦棲姫の艤装だったもの「」

長門「どうする武蔵、このまま解体(物理)と行くか?」

武蔵「連れて帰って風呂に沈めてもいいが……こちらもそれなりに急いでる事だ。今は逃がしてやるとしようか」

長門「それもそうだな。再び戦闘能力を得るにはどこかへ逃げてそれなりの時間回復に回らねばならなさそうだし」デコピン

だいそん「アゥ」ビシッ

武蔵「作戦は成功だ。これより、赤城が空母棲姫の足止めを行っているポイントを経由して帰還するぞ!」カエリジタク




ここからいろいろとおかしくなります

【後始末】

―執務室―

提督「……」

卯月『し、しれーかん!赤城さんの飛行甲板で空母棲姫をぼっこぼこにぶん殴ってるぴょん!?』

大鳳「……また赤城さんの悪癖が出ちゃったの?」

提督「らしいな……。元々好戦的なきらいはあるんだが、艦載機が飛ばせない状況になるといよいよ引くこと知らずのグラップラーと化すのは……元が戦艦として建造されていた事による本能だろうなぁ……」

提督「だからって、飛行甲板術なんて意味の分からん近接格闘術を編み出すこたぁねぇだろ?」

飛龍「え?あれ最初に考案したの鳳翔さんですよ?」

提督「うっそだろお前!?(驚嘆)」

飛龍「本当ですよー、『飛行甲板は盾とも刀とも取れ。近接戦における、空母の持つ唯一無二の武具である』……だったかな?」

提督「鳳翔さんそんなこと言ってたんだ……やってたんだ……」

蒼龍「まぁ、いつしか鳳翔さんはそういうこと言わなくなっちゃいましたけどね。飛行甲板術の話すると顔を真っ赤にして恥ずかしがるし」

提督「……あっ」

菊月「司令官、なんで今私を見た?なぁおい!」

卯月『ぴょ、ぴょん!?しれーかん、大変だっぴょん!?』

提督「……一応聞くけど、どうした?」

卯月『赤城さんの飛行甲板の先っぽがハサミみたいになって、空母棲姫をがっちりホールドしたぴょん!あっそのまま投げては掴んでを繰り返して嵌めてるぴょん!!』

提督「えぇ……?」

五十鈴「どっかで見たわねそれ……なんだったかしら……」

卯月『あぁっ!?今度は赤城さんが三連装副砲を取り出したと思ったら、青いぷよぷよみたいなのを発射したぴょん!』

木曾「……あれか!?」

提督「あんまり聞きたくないけど、そのぷよぷよは当たるとどうなった……?」アタマカカエ

卯月『空母棲姫にくっついたと思ったら時間差で爆発したぴょん』


提督「明石さん……いや、夕張をよべぇい!!!あと誰だ、あのキチガイメカニックによりにもよってユニコーン見せた馬鹿は!!」

長月「いや……司令官、夕張さんはここ最近は司令官の出した【ロボットアニメ禁止令】を忠実に守っているはずだぞ?」

皐月「流石に変形機能取り付けられて、榛名さんの骨格が危うく大丈夫じゃなくなるところだったもんね~。そりゃ禁止されるって」

提督「……?ならば何故……?禁止令を出す前に見ていたのなら、すぐにではなく今更赤城にあんなの取り付ける必要はどこに……?」

飛龍「あっ……そういえば夕張さん、ここ1週間くらい夜中に狂ったようにゲームしてたよ?PS3の奴」

提督「あっちか!!!!野郎、勝てないからってDLC買ったな!!?えぇい、さっさと罪人を俺の前に引きづりだせぇい!!」

長月「心配しなくとももうすぐ来るだろう。文月が行ったからな……」タメイキ

夕張「……」セイザ

提督「……ノルン、買ったね?」ゴゴゴゴゴ

夕張「……はい」ガックシ

提督「もう……アレは使い出しちゃうと強すぎて癖になるから買うのは止めとけって言ったのにぃ……」タメイキ

夕張「だってしょうがないじゃない!ノルンじゃないとオンライン戦勝てないんだから!」

提督「そんなことないですぅー、現に俺ぁシナ使って大……」

<赤城と卯月が先に戻ってきたぞー!!

提督「赤城は直ぐに入渠の準備だ!あと、明石さんにアームドアーマーもどきと化した飛行甲板の整備を頼んでおいてくれ!」

夕張「もどきって……それなりに機能を再現してるのに……」

提督「背中に装着してバレルロール気味に飛べる飛行甲板なんか必要ないだろ!とりあえず俺は一度赤城のところへ行く。……夕張、お前そこを動くなよ!」リセキ

夕張「はーい、了解しましたー」アッケラカン

夕張「……」

夕張「……」イッタカナ?

夕張「……」ソローリ

五十鈴「逃げるんか?」ヌッ

夕張「しまった!!提督以外にも監視の目が……それでも!!」脱兎

長月「*おおっと*」トオセンボ

川内「逃がさないよー」トオセンボ

夕張「あんた達……邪魔!」

川内「邪魔しに参った」アームロック

夕張「がぁぁ……っ」

飛龍「(なーにやってんだこいつら……)」

提督「――赤城!」

赤城「提督……わざわざお出迎えを?」プスプス

提督「当たり前だろ、それよりも怪我を治して……あとその飛行甲板は元に戻せ。絶対よくない影響あるから」

赤城「そんなに悪いものなのですか、これは?」

提督「ああ!それはもう、使っただけで罵倒が飛び交って人が部屋を去るレベルの暗黒物質だ。その飛行甲板は危険なんだ、分かってくれ」

赤城「――皆で私を否定するんですか……?あら、頭の中で何か……」

提督「ほれ見ろそういうことになるー!ほら、入渠して来い!その間に明石さんに直してもらうから」

赤城「そうですか……結構気に入ってたけれど、提督が言うなら仕方ありません。赤城、入渠してまいります」

提督「ほれ、卯月も」

卯月「うーちゃん忘れられてたかと思ったぴょん。お風呂入ってきまっす!」プップクプー

提督「ふぅ……なにしてんの?」

川内「んー、メロンジュース絞ってる感じ?」ギリギリ

(ニンジャコブラツイスト)

夕張「あがががが……」

提督「えぇ……女の子がしちゃいけない顔してる」ドンビキ

武蔵「提督よ、決戦用連合艦隊本体も帰還したぞ」小破

提督「おーうお帰り!お前らも入渠の用意はできてるから、早めに傷を癒せよ」

長門「それからだがな、帰り際に大破していた深海棲艦二隻を見かけたから鹵獲してきた。暴れないように拘束してあるので、確認してもらえるか?」

提督「何……だと……!?鹵獲!?」

長門「あぁ。港に繋いであるから、付いて来てくれ」テマネキ

提督「(やっぱりアレか、王道的に考えるとヲ級か?あいつら可愛い顔してるからなぁ、慣れさせれば良い感じにコマせそうだが)」

提督「(いや待てよ、しかしタ級とかの可能性もあるし、武蔵と長門と霧島がふんじばって来たからには姫クラスも十分ありえるか)」

提督「(陸上タイプでクッソ重そうな港湾はないにせよ、赤城が散々コケにした空母棲姫や軽巡棲姫あたりの可能性もあるわけだ)」

提督「(だが待て、長門が拾おうとか言い出したからにはそういう可愛さでない危険もある……即ち、くちくいきゅう!)」



長門「こいつらだ。戦闘能力はほぼ奪ったが、どこに繋いでおけば良い?」

ヌ級「ヌッ!……ヌッ!(迫真)」モゾモゾ

ツ級「………」ボー

提督「」

長月「これはまた斜め上のが出てきたな」

菊月「絶対王道を往くヲ級だと思ったのだがな」

※ツ級とヌ級は鎮守府の外で飼う事になりました

~数日後~

赤城「提督、今回の作戦に貢献した鎮守府にはドイツで完成したばかりの艦娘を配備しているそうですが……」

提督「なーんでウチにはなんも来ないんですかねぇ……!?」

提督「呉のにはビスマルク、佐世保にゃZ1とZ3、舞鶴のにはプリンツオイゲン!」

提督「だがあいつらの主な作戦内容は序盤俺らと同じ陽動で、後半にゃ周辺海域の敵を削ることだぞ!?」

提督「なんで正面切って単独で決戦を行ったウチにはなんもないんだよーぅ!!」ガバチョ

北上「よしよし。大本営も酷いことするよねー」ナデナデ

赤城「それにしても、本当なんででしょうね?」

電話<ハナテモンスタードンナモンダーアシタハモウーメノーマーエー

赤城「あら、電話。はい、横須賀鎮守府ですけど……へ!?」

提督「あかぎぃー、なんのでんわー?」ぐでー

赤城「いえ、ここに着任する艦娘が道を間違えてかなり遠くを迂回していたらしくて、ようやく着きそうだから連絡をと……」

提督「……なんと」

北上「よかったじゃん提督、ちゃんと評価されてたみたいで」

~港~

提督「……で、お出迎えに来てみた訳だけど」

北上「艦影全く見えないねー」

赤城「もうすぐ着くといってもまだ時間がかかるんでしょうか?」

五十鈴「ドイツ艦ねー……どんな子なのかしらね?」←暇だったからついてきた

皐月「どんな子でも、仲良く出来るといいなぁ。あとは司令官に攻撃的じゃなければ尚いいと思うよ!」←同じく


五十鈴「……ん?」耳澄まし

赤城「五十鈴さん?どうかしましたか?」

五十鈴「んー、なんていうか……ソナーに感ありっていうか……」トーン・・・トーン・・・

提督「……潜水艦?ゴーヤたちか?」

北上「さっきゴーヤたち見たけど、休みの日だって皆でカラオケ行ってたよ?」

提督「……ってことは……敵!?」

U-511「敵じゃないです……」ザバァ

提督「……えぇっと、君は?」

ユー「U-511です、結構遠出してきました……よろしくです……って」

皐月「融合?」

ユー「ユー・ゴーイチイチです……って」

五十鈴「ユーゴね、男みたいな名前してるのねぇ」

ユー「いや、ユーゴじゃなくてユー・ゴーイチイチですって」

赤城「成程。融合次元の手先でしたか……」ゴゴゴ

ユー「だから、ユーゴーでもユーゴでも無くって……えぅぅ」グスッ


北上「ちょっと……あんたら全員こっちへ」ブチッ

五十鈴「やばっやり過ぎた」

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北上「あのねぇ、そういうのはネタが通じる相手かどうか考えてからやりなよ。あたしだって別に身内で盛り上がる分には全然良いしノるよ?でも日本に来たばっかの子にあの辺のネタがわかるわけないでしょうが!」ガミガミ

皐月「北上さんの説教とか結構久しぶりだよぅ……」ヒェェ

赤城「一航戦の誇り……こんなところで」

北上「アンタの誇りはとっくにカードにされちまってるよ!」

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ユー「提督、ユー……ここでやっていけるのか不安になっちゃいました……」テイトクノヒザノウエ

提督「あー、大丈夫大丈夫。皆仲良くしてくれるよ」ナデナデ

股書きます

伊58「やっほーぃ!!今日の哨戒任務終わったでち!」

伊168「相変わらず、なんにもなかったわねー」

伊19「何もなくて午後遊べるならなんでもいいのね!さ、ご飯食べに食堂へ行くのー!」

伊58「ユーゴーちゃんも一緒にいこ!」

呂500「ユーゴーじゃねぇ!ろーちゃんです、はい!」

モー、デッチハナンカイマチガエルノー
デッチッテイウノハヤメルデチィィィ……
アハハハ……

【執務室】

提督「いやー……なんていうか、早めに馴染めてよかったなぁ」マドカラナガメ

北上「正直滅茶苦茶印象変わったよね。強くなったっていうか、弾けたっていうか」←今日の秘書官

提督「艦娘三日会わざれば、じっくり舐め回すように視姦しろって言うだろ?どんなに無理に見えても、すぐに適応できるんだよ」

北上「そんな諺ないんじゃない?」

提督「ところがぎっちょん、実際に大本営のスローガン集に載っていた時期がある。2年前だったか?」

北上「えぇ……一昨年の年報……げぇっマジだ」

提督「ま、実際にそんなことはしないと思うがね……セクハラ通報されて憲兵にお世話になるわ、そんなん」

北上「……ま、一番驚いたのはさ?ユーがろーに変わった事じゃなくて……」チラッ

提督「……あぁ。そこはさほど驚かなかったがな……これはたまげたよ……」チラッ

U-511「ん……」スヤスヤ

提督「まさか呂500に改装されたその日に、もう一隻U-511が鎮守府内に出現するとは……」

北上「ろーにお祝いって伊良湖ちゃんの最中食べに行ったら、しれっと最中食べてたもんね……」

提督「いやぁ、あの時のお互いのパニックっぷりはやばかった。ユーは過呼吸で倒れるし、ろーは自分自身を信じられなくなって大泣きするし」

北上「ありゃー落ち着くのに時間かかったよねぇ。で、結局原因とか分かったの?」

提督「さっぱり分からん。最初はどっちかが深海棲艦のスパイかと疑ったが、別にそんなこともなかったし」

提督「そもそも、名義が変わったといっても同じ艦が同時に2隻存在する事自体前例がなくてな。大本営に「またミラクル起こしたのか」と笑われたよ」

北上「笑い飛ばせるような話じゃないんだけどねぇ……よく身柄引き渡せって言われなかったね?」

提督「……ま、大本営にはそれなりの伝手とコネがあるからな。それで研究所からの要求を握りつぶさせた」

提督「……何はともあれ、本当に平和に助かるよ。よぅし、今日の分の書類終わりっ」ハンコポーン

北上「相変わらず仕事が早いねー。よくもまぁアレだけの書類を午前中に終わらせられるよ」クツロギ

提督「そらなぁ、誰だって早めに済ませて時間を有意義に使いたいってもんだろ?俺学生時代の夏休みとか、宿題貰った日のうちに終わらせてたし」

北上「それ早すぎじゃない?」

提督「一晩掛けて宿題を終わらせ、疲労で次の日一日寝込む……長期休みの高齢だったさ……」トオイメ

北上「有能な無能じゃん」ケラケラ

赤城「あら、もう終わったのですか?」

提督「応、なんか用か?」

赤城「いえ、そろそろ昼食にでもどうかと思って……今日は伊良湖さんがロコモコ丼作るそうですよ」

提督「美味そ……じゃ、行くか」

北上「はいはーい。ほーら、ユーも行くよ」ユサユサ

U-511「ん……ていとく、お仕事終わった……?」

提督「終わったよ。ご飯食べに行こうな」

U-511「ご飯……北上、起こしてくれてありがと……」

北上「良いって良いって」

【別な日】

文月「~♪」

大鳳「あら?文月ちゃん、何してるの?」

文月「あ、大鳳さん!今ね、お水をあげてるんだ~♪」

大鳳「大きな鉢植えにお水……お花育ててるの?」

文月「ん~お花じゃないけどぉ、こうしてればきっと育つと思うから!」

大鳳「そう、きっと元気に育つと思うわ。頑張ってね!」スタスタ

文月「ありがとぉ~♪ よぉし、げんきになぁれ、げんきになぁれ~」


大鳳「……それにしても、あれ何育ててたのかしら?花じゃないなら野菜、とか?」

大鳳「鉢植えのところにあったプレート、読んでおけばよかったかしら」フフッ


プレートに書いてあった言葉【くびづか】

【後日】

文月「~♪」ニコニコ

長月「……む、あれは文月か?」

菊月「そのようだな……おい、何をしている?」

皐月「あー、文月が何か栽培してるって聞いてたけど、それ?」

文月「あ、皆見て見て~♪」オイデオイデ

文月「もうそろそろ芽を出すよぉ、朝から見てたから楽しみだなぁ~♪」

皐月「へぇ、態々芽を出すところが見たくてずっとここに居たんだ?」

長月「ははは、文月らしいな。それで、そろそろ何を育ててたのか教えて……ん?」

菊月「……なんだこれは、角のようなものが2本突き出た、黒くてつるつるした丸い感じの物体が土から頭を出している……?」

長月「ナスとかカブの類ではないよな……というより、この形、昔どこかで見たような……」

皐月「……あっ、なんか僕猛烈に嫌な予感してきたかも」ゾワッ

長月「文月、お前何を埋めた……?何を育てた…?」

文月「さぁ~出てくるよぉ~♪」ワクワク


\ボコッ/

駆逐棲姫(首だけ鉢植えから出てる)「……」ジーッ

皐月「うわぁぁぁやっぱりぃぃぃ」

長月「なんだこれは……!?どうすればいいのだ!?」

菊月「お、お、落ち着け!まずは落ち着いてタイムマシンを探すのだ!」

文月「わぁい、ちゃんと育てれば首も育つんだ~♪」キャッキャッ

皐月「!というか不味いよ、こんな誰にでも見える場所にこんなの置いといたら……!!」


春雨「ピャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?!?!?!?!?!?!?」フラッシュバック

長月「……時すでに時間切れ、という奴か?これは」

皐月「みたいだねぇ……」

提督「ほーれ、食事だぞー」

ヌ級「ヌッ!ヌッ!」チキンガツガツ

ツ級「……」モグモグ

提督「そうかー、美味いかー……」


<ピャアアアアア

ヌ級「ヌッ!?!?」

提督「おおっ!?」ビックン



皐月「それにしても……これどうしよっか」

駆逐棲姫「……」キョロキョロ

菊月「今度こそ叩き潰して捨てよう」

文月「えー、折角ここまで育てたのにぃ?」

長月「その時点で大分問題なんだがな……司令官の部屋にあった漫画でこんな感じの奴があったが、実際見ると結構きついな」

皐月「そんな奇異な漫画があるの?」

長月「あぁ、ホラー漫画でタイトルが……たしか……」


提督「何事だぁ!」

春雨「ッ……!しれぇかぁぁぁぁぁん!!!」ピャー

提督「うぉぉ!?春雨何があった!?」ミワタシ

駆逐棲姫「……?」キョトン

提督「うぎゃぁぁぁぁぁ富江だぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

長月「あぁ、そうそうそれだ」

提督「もう、駄目じゃないか文月……こんな錬金術紛いなことしちゃあ……」

文月「ごめんなさぁ~い」ナミダメ

長月「しかし、どうするんだ?幾ら今は首だけといえども、育てれば完全復活もありえるのだろう?」

皐月「やっぱ捨てたほうが……」

提督「まぁ待て、その処遇だがな……俺が今から、こいつと一対一で対話を試みて、その結果しだいで決める」

菊月「一対一で?危険じゃあないか?」

提督「流石に頭だけで俺を殺せたらびっくりだよ。それに……どうも根付いてて鉢植えからも出られんようだしな。ここで一対一の対話をもってコイツをおいても問題ないか見極めるつもりだ」

提督「と、言うわけでだ。俺が良いと言うまで、今から何人たりとも入る事を禁ず。お前らは扉の前で見張ってろ」

皐月「んー、まぁ釈然としないけどまっかせてよ!」


―10分後―

皐月「中々時間かかってるねー……ふぁぁ」アクビ

菊月「そもそも、奴は喋れるのか?」

長月「んー、防音だから微かにしか聞こえんし、意味も分からん」トビラニミミアテ


……チュパッペチャペチャ
……ンッ……カポッカポッ
ンッ……~~♥♥
チュパッ……レロォ……チュッ……


長月「んー、何を話しているかなど皆目見当が付かんな」

提督「あー、こいつはここに置いといても問題なさそうだな」

文月「ほんとぉ!?やったぁ~♪」

提督「ただ、首だけといえど女の子だし室外で雨ざらしっつーのはなぁ?だから執務室のサイドボードにでも置いとくぞ。日当たりも良いし」

長月「しかし、一体どんな対話をしたんだ……?」

提督「なぁに……コイツはもう敵意はないよ。育ちきって鉢植えから独立しても、変わらず俺が面倒見てやるさ」

文月「提督ありがとぉ♪」

皐月「それにしても、なんか知らないけど提督と話した後から笑顔になってない?」

駆逐棲姫「・・・・・・」ニコリ

提督「折角だからと栄養を与えてみたからな。いやぁ流石は口く性器、素晴らしかった」

菊月「じゃあ、ついでに春雨も任せていいか?司令が入れるなというから抑えてたがそろそろしんどい」

春雨「しれいかん、しれいかん、しれぇかぁぁぁん」サクラン

提督「春雨、折角落ち着いたのになぁ……まぁでも、コイツを正式に置いとくからには慣れさせないといけないし、仕方ないか」

※この後、滅茶苦茶慣れさせた。ただ今度は落ち着いた後も依存気質は完治せず、時折不安定になってしまうようになったのが提督の同情を買い、3人目の指輪保持者となった。同情婚である
ちなみに、ケッコンした直後に一気に落ち着いたし駆逐棲姫(鉢植え)とも仲良くやっている。まるで演技でもしていたかのように……

まーた書ーくでーす

【執務室】

赤城「わるさめちゃん、大分成長しましたね……もう植木鉢から上半身が出てるじゃないですか」

提督「あぁ、声帯も出来上がったらしくちゃんと喋れるようにもなったもんな。なー?」

わるさめ「あぁ、喋れる」

提督「コイツは凄いぞー?もう色んなことができるようになった。例えば」ラジカセセット

赤城「?」

♪:恋の2-4-11~

わるさめ「!!~~~」クネクネ

提督「ほら、首だけの頃から音楽聞かせて育てたから、今じゃ音楽を聴くと合わせて踊りだすようになった」

赤城「そんな感じの花のおもちゃ、ありましたよね?」

提督「後はラジコントラックにわるさめを搭載すると自力で移動できるようになったりとか」

提督「春雨と一緒に飯を作ったりとか……まぁこれは時々鉢植えの土が混じってるからもう暫く控えて欲しいけど」

提督「あと、足元に置いとくとわるさめが丁度良いタイミングで俺のメガバズーカランチャーを手と口で」

赤城「提督?」ニコォ……

提督「アッハイ」

赤城「それをされてしまうと、私の分が薄くなってしまうので出来れば控えて頂けませんか?唯でさえ北上さんと春雨ちゃんとで折半なんですから」

提督「その辺において抜かりはないぜ赤城くん。俺のその気になったときの性欲を甘く見てもらっては困るなぁ」

※提督はその気になったとき、80連射か5分40秒の連続照射かを自由に選べる

赤城「……あら?提督、明日の午前と午後にそれぞれ演習の申し込みが来てますよ?」

提督「演習?申し込んでるのはどこだ?」

赤城「午前中が呉鎮守府、午後は……大本営の防備艦隊ですね」

提督「呉はまぁ分かるが、大本営……大本営か……赤城、大淀にそれぞれ2箇所に了承の旨を打電するよう伝えてくれ」

提督「それが終わったら明日の演習のメンバーを選んでおくから、それらを呼び出してくれ」

赤城「了解です……提督、なんでそんなに悪い顔をしてらっしゃるので?」

提督「いや、別にぃ?」ニコォ

――で

提督「っつーわけで、午前中に呉鎮守府と遣り合って貰うのは山城を旗艦として熊野、球磨、菊月と長月、空母として祥鳳な」

山城「航空戦艦山城、旗艦の任了解しました」

提督「呉が演習を申し込んできた理由として考えられるのは、この前ドイツから派遣された戦艦・ビスマルクの力を試したいんだろう。奴さんのところには今まで戦艦が居なくて打撃力に欠けていた節があるからな」

熊野「あそこは確か…足柄さんが旗艦を勤めていた所だったかしら?」

提督「そうだ、呉は水雷戦隊中心で戦艦と空母不足に悩まされてたみたいだからなぁ……ま、泣き付いてきてもウチの空母と戦艦はやらんが」

提督「というわけで、向こうはガチで編成を練ってきても戦艦はビスマルクのみ、足柄と唯一の軽空母である龍驤を入れて残りの3隻はまぁ軽巡か駆逐だろう。だからウチもなるべく合わせてこの編成ってわけだ」


提督「まぁ、呉とは別に仲良くやってるし?こっちの方が連度も上だからお前達は戦い方を教えるつもりでやってやりゃいいさ。――で、逆にだ」チラッ

提督「午後に大本営の本土防衛艦隊を相手取るのはお前たちだ」

提督「武蔵、長門、榛名、北上、夕立、空母として赤城。手抜きは一切無し、完膚なきまでに叩き潰してやれ」ビッ

赤城「あ、あの……提督?」

北上「本土防衛艦隊って確か実戦経験0だよね?私たちが本気でやったら制限時間の10分の1もかからないと思うんだけど」

提督「あぁ、良いぞ。防衛艦隊の艦娘たちにはより一層錬度を高めてもらうバネとしての屈辱を与えてやれ」

提督「ただ、大将……防衛艦隊を率いている大本営直属の提督。奴の心を粉々に打ち砕いてやろうじゃないか」ニタァ

北上「(あっ悪い顔してるなぁ提督)」

武蔵「だが、実戦経験がないとしても私の姉が所属しているのだ。この戦力でも存外過剰とは言い――」

提督「大和なら出てこないと思うぞ。大将殿は何かともったいぶる癖があるからな。恐らく明日の演習には出してこない」

武蔵「折角の大和型を遊ばせておくとは……本当に本土防衛の要なのか?」

提督「大将の事はよーく知っている。恐らく編成は戦艦無しで航空巡洋艦の利根と筑摩、軽巡阿武隈、駆逐艦電と雷、そして空母に瑞鶴といったところだろうよ」

長門「随分と具体的に編成のヤマを貼れるのだな……」

提督「以前、大本営の防衛艦隊の訓練風景を見たことがあってな。大和を除けば筋がいいのは今上げた面子と空母翔鶴のみ。後は海は奔れるが、奔りながら砲や魚雷を撃てない、狙いなんか付けられないって奴ばかりだった」

提督「大将が俺らに対して大和抜きで本気でやろうと思ったら、この面子しかないわけだ。精々駆逐艦を1隻抜くなりして空母2隻編成で来る程度だな」

提督「っつーわけで、防衛艦隊の甘ったれた考えは一度圧し折る。最前線で戦ってる艦の強さを刻み込ませて、目標にさせることが今回の編成の理由……というより、そうさせる事が大将の狙いだろうな」

提督「んじゃ、解散。明日は働いてもらうから早めに休めよー」

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