老神父「……姫様がさらわれた?」 (5)
老神父「その話…本当なので?」
巡回兵「ああ、大昔は王族だったが、何やら儀式に失敗したとかで平民として暮らしてた婆さんらしい」
巡回兵「関所や訓練所じゃこの話で持ちきりさ、今まで大して気にもしてなかった婆さんが昔は王族だったんだからな」
老神父「ふむ」
巡回兵「しっかし、何代前の姫様なんだかねー……今さらモンスターに誘拐された理由も不明だし」
老神父「何にせよ、無事ならば良いのですが」
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老神父「……ふむ」
老神父(隣町の端に住んでいたようですが、気になりますね)
老神父(事の詳細も定かではありません)
老神父(もしかしたら、誘拐の噂さえも出鱈目の可能性すらあります)
老神父(私は今や神に仕える身、無計画な行動は避けなければ)
少女「あら神父様、このような早朝からどちらへ?」
老神父「おはよう宿屋の娘さん、これから隣町まで行くのですよ」
少女「まぁ、そのお歳であそこまで歩いていくのは心配ですわ?」
老神父「ほっほ…ちとこの老人の足では些か試練ですね」
少女「宿の魔法石で馬車をお呼びしましょうか?」
老神父「それには及びませんよ、私もたまには教会の周りから出て歩くべきなのです」
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