にこ「ん……」ﾑｸｯ


にこ「……ここどこ！？　私はベットの上で寝てたはず……！」


にこ「ってかさむっ！」ｶﾞﾀｶﾞﾀ





にこ「辺り一面氷で囲まれてて……」


にこ「遠くには森みたいなのが見える……」


にこ「私はどうしてここに……」


ことり『にこちゃんはシベリア送りね♪』


にこ「！」


にこ「ま、まさかね……ははは」


ﾋｭｰ


にこ「……」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

にこ「寒い！　寒い！」


にこ「こんなとこいたら死んじゃうじゃない！」


にこ「早く、どこか暖かいところへ……！」


にこ「とりあえず森の方へ行きましょう……」


にこ「……」ｺｯｺｯ


にこ「地面が硬い……ていうか地面が凍ってるとか……」


にこ「ざむいぃぃ……」


にこ「暖かいものが欲しい……」


にこ「見るだけで暖かくしてくれるものは……」


にこ「ここには、ないわよね……」

穂乃果「海未ちゃ～ん」ｷﾞｭｰｯ


海未「ほのかっ」ｷﾞｭｰｯ


穂乃果「海未ちゃんはあったかいな～」


海未「穂乃果も……」


穂乃果「えへへ、ありがと～」ｷﾞｭｰｯ


穂乃果「んー」ｽﾘｽﾘ


海未「ほ、頬……暖かい」//


穂乃果「海未ちゃんのほっぺふにふにしてる」


海未「穂乃果の頬も柔らかいです……」


穂乃果「今日は1日こうしてたいなあ……」ｷﾞｭｰｯ

にこ「……」ﾌﾞﾙｯ


にこ「は、早く森に……」


にこ「……」ｺｯｺｯｺｯ


にこ「少し、休憩……」ﾄﾞｻｯ


にこ「ﾊｱ…ﾊｱ……こんなに疲れてるのに」


にこ「汗が全く出ないなんて……」


にこ「ん？　……熊？」


熊「……」


にこ「私より小さいから……子供ね」


にこ「私を襲ってこないってことは……大丈夫よね」

にこ「もしくは、私は襲う価値もない、と……」


にこ「あなたも1人なのね……」


にこ「……」


にこ「（寒くて喋る気力も……）」


にこ「（てか今まで私はずっと独り言を……）」


にこ「（少しでも喋ってないと……）」


ﾄﾞｼﾝ ﾄﾞｼﾝ


にこ「（？　なんの音……？）」


ﾄﾞｼﾝ ﾄﾞｼﾝ


にこ「（どんどん近づいてくる……）」

ﾁｮﾝﾁｮﾝ


にこ「なによ……」ｸﾙｯ


ﾎﾟﾌｯ


にこ「あ、あったかい……！　なにこれ！」ｻﾜｻﾜ


にこ「この暖かいものは……」ﾁﾗｯ


北極熊「……」


にこ「」


北極熊「……」ｼｬｷｰﾝ


にこ「……」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ


にこ「に、にっこにっこにー……」

ﾋｭﾝｯ ﾋﾟｷｯ


にこ「ぎゃあああああああああああああ！　熊あああああああああああああ！！」


ﾄﾞｼﾝﾄﾞｼﾝ


にこ「どうして追いかけてくるのよおおおおおおおおおおおおおおお―――！！」





にこ「ﾊｱ…ﾊｱ……撒いた……！？」


にこ「もう一歩も動けない……！」ﾄﾞｻｯ


にこ「……あ、今汗かいてる」


にこ「急に暑くなってきた……」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ


にこ「服が汗でびしょ濡れじゃない……」


にこ「早く帰りたい……」ｸﾞｽﾝ

穂乃果「いくよ！　そーれっ！」ﾎﾟﾝｯ


海未「はいっ」ﾎﾟｰﾝ


穂乃果「スマーッシュッ！」ｽﾊﾟｰﾝ




穂乃果「少し休憩しよっか」


海未「そうですね」


穂乃果「ビーチバレーって思ったより楽しいね」


海未「はい、いい運動になります」


穂乃果「今度はことりちゃんとかと来たいね」


海未「……」ﾑｽｯ


穂乃果「？　どうしたの？」

海未「穂乃果」


穂乃果「！　な、なんでしょう」ﾋﾞｸｯ


海未「そ、その……あのですね」


穂乃果「？」


海未「私と2人でいるときは……その、他の女性の名を……」


海未「……」ｶｱｱｱ


穂乃果「（なにこのかわいいいきもの）」


穂乃果「うん、わかった」ｷﾞｭｯ


穂乃果「約束するよ―――海未」ﾎﾞｿｯ


海未「ｯ///」

にこ「ま、また寒くなってきた……」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ


にこ「汗が冷たく……」


にこ「あれ、視界が―――」ﾄﾞｻｯ


にこ「も、もう体が動かない……」


にこ「そもそも、シベリアで1時間動けてただけでもすごいじゃない……」


にこ「ほっぺにあたる氷が冷たい……」


にこ「……私、なにか悪いこと、したかなあ……」


にこ「確かに海未の邪魔はしちゃったけどさ……」


にこ「最終的に穂乃果とくっついたんだから、いいじゃない……」


にこ「なんだか眠く……」


にこ「―――」

にこ「んんっ……」ﾑｸｯ


にこ「あれ、ここは……」


にこ「さむ……くはない？」


希「おはよう、にこっち」


にこ「！　希……どうしてここに？」


希「いい夢、見れた？」


にこ「まさか……！　希が……！」


希「さあ、どうでしょう」


にこ「……まあ、いいわ。どうせ夢だったんだし。それに」


にこ「海未には、悪いと思ってるわよ……」

穂乃果「海未ちゃん奴～」ｷﾞｭｰｯ


海未「なんですか、奴～って」


穂乃果「あれ、知らない？　例えば」


穂乃果「海未可愛杉奴～」


海未「？　どういう意味ですか？」


穂乃果「海未ちゃんかわいすぎ」


海未「……」ﾌﾟｲｯ


穂乃果「あれ、もしかして照れちゃった？」


海未「……し奴」ﾎﾞｿｯ


穂乃果「ん？」


海未「ほ、穂乃果天使奴～」///