アルミン「違う世界軸の僕達」 (11)
祖父から聞いた話だけれど
僕等とよく似た人間が
全く異なった世界で生きている、なんて
信じられないような事だけれど
僕は毎日夢を見る。
祖父から聞いた不思議な噂を元にした
なんとも馬鹿らしい、夢を。
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今日も夜が来た。
消灯の時間ではないけれど、
僕はエレン達より少し早めに眠りにつく。
厳しい訓練を耐えた後は、
早く体を休めたいというもの。
きっと今日も夢を見る、
なんともくだらなくて妄想だらけの、
僕の夢。
じょじょに体がほぐれていく感覚、
強烈な睡魔
扉の向こうで、聞こえる程度の小声で喧嘩をしている
ジャンとエレンの声も、段々と・・・。
・・・・・・
・・・
…
……
アルミン「ふわぁ~あ・・・」
エレン「よぅアルミン おそよー、だな」
アルミン「・・・・・・エレン」
ふと気がつけば、黄金色の朝の光が差し込む小屋の中
エプロン姿のエレンが意地悪そうな笑みを浮かべていた
僕は既に、いつもの夢の世界の中にいる様だ。
ベッドの隣に設置された小さな机に、
エレンがコトリと音をたててカップを置き、温かい紅茶を注ぐ
エレン「今日はアールグレイが安かったから・・・良質だったしさ、たまにはいいだろ?」
アルミン「うん、いい香りだね」
エレン「だろ?市場で買うのには苦労したぜ ミカサはまだ市場で買い物中だけどな」
アルミン「あぁ・・・ミカサは買い物に拘るからね・・・」
エレン「全くだ・・・ あぁ、いや それよりよ、アルミン」
エレン「?」
エレンがまた意地悪そうな笑みを浮かべる
夢の世界のエレンはなにかと嫌味な笑顔を浮かべる癖がある、
それも愛嬌というべきなのだろうか・・・。
エレン「昼飯の、な?食材の節約ということでな… よいしょっと!」
『ドサァ…』
アルミン「・・・釣り?」
エレンが用意していたのは、釣具。
アルミン「・・・・・・また?」
エレン「アルミン、今までは負けっぱなしの俺だったが・・・昨晩お前が寝ている間に練習してよ・・・
つまり今日の俺は今までの俺じゃないぜ!今なら魚を一匹残らず駆逐できる!!」
アルミン「その言葉と似た様な事を・・・僕はエレンの口から数え切れないほど聞いてきたんだよね
結局ほとんど僕の勝ちだったけど…。あとエレン、駆逐しちゃだめだよ、逃げられちゃってるからそれ」
エレン「御託はいい!海に行くぞアルミン!」
アルミン「あ・・・っ ちょっとエレン!僕まだパジャマ!!」
思えば夢の世界では海、見放題なんだよね、
まぁ、僕の妄想で夢なんだから、当り前なんだけど・・・。
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