提督「新造船 むつ だ」 (53)
長編ss
艦娘と提督の年の差が大きく離れている為、艦娘は敬語を使用しています
陸奥「おはようございます」
提督「ああ、おはよう 今日も可愛いなぁ」
陸奥「からかうのは止めてください」ムスッ
提督「今日からまた忙しくなる 手伝ってくれるかな?」
陸奥「その為の秘書艦です」
提督「ありがとう 早速で悪いがこれを頼む」
陸奥「わかりました あの、提督」
提督「うん?」
陸奥「提督が真剣にお仕事をされるなんて」
提督「し、失礼だなぁ 私だって仕事をしないで提督になったわけじゃないんだぞ」
陸奥「それにしては…いつもより気迫が」
提督「まぁこれが最後の大仕事だからかもしれんな」
提督「明日は幹部と全の艦娘も朝礼に参加するように伝えておいてくれ」
陸奥「はい」
提督「新造船の発表だからな」
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陸奥「明日は新造船の紹介だ 大講堂に来るように」
天龍「新造船紹介? いつもなら施設案内を兼ねて挨拶回りさせてたのに」
天龍「気に食わねぇ奴だったらちょっと締めとくか」
陸奥「好きにしろ 駆逐艦達にも伝えておいてくれ」
天龍「え?なんでおれが!?」
陸奥「お前のほうが好かれているからだ」
天龍「そ、そりゃぁまあ…」
提督「本日を以てこの横須賀鎮守府に配備された」
提督「原子力船 むつ だ」
ザワザワ
天龍「げ、原子力ぅ? なんだそりゃ一体」
提督「彼女は、我国における原子力船の建造、及び運行の経験を得る事を目的として建造された原子動力装置によって推進される原子動力実験船だ」
提督「現在の技術では、原子力船は在来型の機関を装備する船舶と比べ予算が高く、安全上の見地から様々な規制を受け不利な点が多い。」
提督「しかし今後の技術の発展、進歩を図る事で、性能の安全、価格の低減化により問題点の解決が期待できると思われる」
提督「以上で簡単な紹介を終わらせていただきます」
天龍「おいおい どこが簡単なんだよ」
龍田「ほら静かに」
天龍「ぅぅ」
龍田「駆逐艦たちのほうが静かに聴いてるわよ」
天龍「あれは理解できてないだけだ」
龍田「天龍ちゃんもでしょ~」
天龍「そういう
龍田「しっ」
むつ「はじめまして あの むつ と申します」
むつ「先ほどの説明にも有りましたとおり」
むつ「私は原子力船としての
1. 設計、建造、検査、運行のノウハウを得ること
2. 今後の具体的な問題点の把握
3. 安全性の検討や基準の確立
4. 原子炉の実用性の検討
のために建造されました」
むつ「実験調査船のため私には兵装はありません」
提督(な、なんてわかりやすい自己紹介なんだ)
天龍「なるほど」
むつ「原子力船は軍事目的だけでなく一般商船にも検討されています」
むつ「今後の世界の発展と、平和のため皆さんのご協力をお願いします」
さが忘れてた
また書き溜めたら投下します
陸奥「ここが君の専用宿舎だ」
陸奥「何かあったらこの電話で連絡してくれ」
提督「君は基本的にこの部屋で過ごしてもらうことになる」
提督「この部屋には計測器があって放射線量、温度等が計測されている。監視されて良い気はしないと思うが堪えてくれ すまない」
むつ「いえ、それくらい大丈夫です」
提督「ではまた明日 残りは任せたぞ陸奥」
陸奥「はい」
陸奥「今日はこの部屋は君以外の立ち入りを禁止するから」
むつ「…そうですよね」
陸奥「いや、その荷物の整理とか疲れがあるだろうと思って提督が配慮した事だ」
むつ「え!?」
陸奥「今のところ安全性に問題ないようだから明日からは施設内の案内をする」
陸奥「君の身体に問題がなければ、自由にして良い」
陸奥「何か質問は?」
むつ「そ、それじゃあ誰かをこの部屋に呼んでも?」
陸奥「部外者でなければ構わない 以上か?」
むつ「はい 友達できるかなぁ」
陸奥「ふっ それに関しては問題ない ここの艦娘は皆、好奇心旺盛だ」
陸奥「向こうから話しかけてくれるさ」
むつ「ありがとう」
陸奥「では今日はこれで」スッ
ガチャ
陸奥「…今日は立ち入り禁止のはずだが 話を聞いていなかったのか?」ゴゴゴ
電「い、いや部屋の前までなら良いかなぁと思って」
陸奥「とりあえず報告しておく」
雷(提督が帰ってたから行けると思ったのに…)
響「ワタシ ニホンゴ ワカラナイ」
陸奥「ならば分かるまで教えてやろうか」ゴゴゴゴ
響「すみません」
陸奥「そこに隠れてる潜水艦たちも一緒だ」
ゾロゾロ
陸奥「そんな箱の影に隠れても上から丸見えだぞ」
陸奥「隠密行動が必要とされる潜水艦がそんな事では…」
ゴーヤ「反省してるでち」
陸奥「あと走って逃げた島風…」
陸奥「逃げても変わらんのに…まったく」
陸奥(龍姉妹はおらんのか…珍しい)ツカツカ
天龍「行ったな」
龍田「立ち入り禁止って言われてるのに行くなんて」
天龍「そう言うお前も乗り気じゃねぇか」
龍田「あら、バレちゃった?」
天龍「隠す気も無ぇくせに」
天龍「にしてもすげぇな」
龍田「地下20m位かしら」
天龍「この扉も鋼鉄だ 重っ」
龍田「天龍ちゃんそれ鍵かかってるわよ」
天龍「…まぁお約束ってやつをやっただけだ」
龍田「ふふ 可愛い」
天龍「うっせー」
ピー ガチャン ゴゴゴ
天龍「な、何だ」
龍田「見つかったのかしら」
天龍「戦術的撤退だ」
龍田「戦術?」
天龍「どっちもやる事は同じだ 行くぞっ!」
むつ「あら? 帰っちゃった?」
カツン カツン
むつ「誰かいるの?」
陸奥「今良いか?」
むつ「ええ どうぞ さっきのはあなただったの?」
陸奥「?いくつか伝え忘れていたから」
陸奥「明日から君の特別講義が始まるからその資料と、明日の起床についてだ」
陸奥「講義が始まる前に迎えが来る」
陸奥「起床はこのスピーカーで喇叭がなるからそれで起きてくれ そのあと体操、掃除、朝食となる」
むつ「えぇわかったわ」ニコニコ
陸奥「質問はあるか?」
むつ「素直じゃないのね 貴女」
むつ「その背中に隠した花束は?」
陸奥「こ、これは偶然だ 来る途中に咲いていたのをさっき摘んだだけだ 欲しいならやるよ」
むつ「ありがとう 綺麗ね」
むつ「その袋は?」
陸奥「明日の資料と…ここじゃ暇だろうから小説を何冊か」
むつ「ありがとう いつまでに返せば良いかしら?」
陸奥「いつでも良い 読み終わったら私に返してくれ」
陸奥「じゃあ消灯になるから帰る」
むつ「ありがとう おやすみなさい」
ガチャ ゴゴゴゴ ズーン
艦娘の特徴を把握してないのか
態と口調変えてるのかどっちなんだ……
>>18
陸奥の あらあら とか 火遊び とかは陸奥が酔っ払って
その後打ち解けて戻すつもりだった
すまん 次はきをつける
パパラパパー
赤城「朝ごはん~♪」
むつ「こちら座っても良い?」
赤城「えぇ 別に
加賀「ここは譲れません」ズイっ
むつ「え?」
むつ(私 嫌われてる?)
加賀「隣なら空いていますが、ここは譲れません」
むつ「あ、ありがとう」
むつ(あの席に何かあるのかしら)ジー
加賀「私の顔に何かついていて?」
むつ「い、なんっでもありません」
ツンツン
むつ「ん?」
鳳翔「お食事中すいません 航空母艦 鳳翔と申します」
むつ「初めまして」
鳳翔「赤城さんの周囲は加賀さんの領域なんです」ボソ
むつ「...なるほど つまりあの2人の関係は」
加賀「聞こえていますよ」
むつ鳳翔「ごめんなさい」
ピンポンパンポーン
提督「全艦に達する」
提督「昨日、立ち入りを禁止した場所に全員が立ち入った事が判明した」
提督「好奇心は大切であるが場合によっては命に関わる」
提督「そこで、本日から原子力船むつから非番のものは特別講義を受けてもらう」
提督「講義が終わり次第、横須賀市内を3時間走ってもらうから覚悟しておくように」
提督「立ち入りに関して異議を唱える者は、音紋が記録されているので執務室まで来ること」
提督「以上だ」
ピンポンパンポン
天龍「チッ バレてたのか」
龍田「竜田も今日は遠征だろ?」
天龍「えぇ、いつもの駆逐艦が講義だから」
天龍「なんか難しそうな講義だよな」
天龍「まあいいや それじゃ行こうぜ」
キーンコ-ン
むつ「それでは最初に駆逐艦の皆に講義を受けてもらいます」
むつ「これは時間数で言うと15時間が講義、15時間が自習、課題となります」
電「??」
響「つまり15時間はここで、残りの15時間は自室で宿題って事だな」
雷「宿題、15時間!?」
島風「お、おぅ…」
むつ「ちなみにこれは以前から決まっていることで、講義の概要はこの通り」
むつ「最初の1時間はガイダンス、最後の時間は簡単なテストを行います」
初雪「テストとか私だって本気出せばやれるし …出せば」
むつ「試験範囲は教えますし、復習もするので安心してください」
むつ「では ガイダンスはこのぐらいにして…
キンコン
むつ「はいお疲れ様でした また明日」
島風「この後、横須賀2時間かけっこかぁ」
ピンポンパン
提督「駆逐艦は私の執務室に 1130時に集合すること」
初雪「雨 降って中止になれば」
暁「本日はお日柄もよく…」
コンコン
提督「よし 入れるだけ入ってこい」
ガチャ
皆「失礼します」
島風「~♪」
提督「ご機嫌だな島風」
島風「ふふ だって2時間かけっこなんでしょ?」
提督「? 3時間だぞ」
島風「え? お昼は?」
提督「無しだ」
島風「梨?」
提督「1145から3時間走ってこい」
島風「1205から走らせてください!!」
提督「それじゃあ間宮食堂の営業時間と被るじゃないか」
提督「大人しく3時間行ってこい」
提督「引率は原子力船のむつだ 迷子になるなよ」
むつ「それじゃあ行きま~す」
島風「お腹すいた」グスン
むつ「それじゃあ皆どこ行きたい?」
皆「?」
むつ「私ここ来るの初めてで、ここの事全然知らないの」
ゴハン オナカスイタ ワイワイ
むつ「じゃあお昼食べに行きましょう」
磯波「あの、こんな事して良いんでしょうか」
むつ「提督からお金貰ってるし」
磯波「え?それって」
むつ「このお金は、先週の遠征で駆逐艦の航海日当と危険手当、撃破報酬」
むつ「自由に使えって言ってたわ」
ワーワー エンソク ハラショー
潮「で、できれば走らずに… このまま歩きませんか?」
島風「えー おーそーいー!!」
むつ「ごめんね 私の最高速力は17ノット程度なの」
島風「あなたって遅いのね」
むつ「だからこのまま、ゆっくり遠足に出発しましょ」
数週間後
提督「どうだ? お互いが理解できたか?」
むつ「はい 試験の結果も基本知識は身についているようです」
提督「…君はここの艦むすを信頼できるかね?」
むつ「はい 安心して護衛を任せられます」
提督「わかった 今後は君の実験、操練を行っていく」
提督「編成は決まり次第連絡する 以上だ」
提督「明後日は鎮守府周辺提督「明後日は鎮守府周辺海域にて実験を行う 」
ザワザワ
提督「護衛は 軽空母、 重巡、駆逐艦の5隻」
提督「軽空母は龍驤 哨戒活動を」
提督「重巡は利根 観測機を用いて観測」
提督「駆逐艦は夕雲、巻雲、島風の3隻は前日から、試験海域での掃海、対潜警戒 」
提督「オブザーバーは赤城、伊401の機関の士官と、あとはダメコンチーム」
提督「この周辺海域の半径13海里は潜水艦の進入禁止 発見次第 撃沈せよ」
利根「あの、提督…」
提督「ん?」
ゴニョゴニョ
提督「な、何!? カタパルトが不調!?」
提督「いつもじゃないか 直るのかそれ?」
利根「…不調の理由がさっぱりで、直しようがないのじゃ」グスン
提督「じゃあ筑摩に変わって貰うとするか」
提督「作戦開始までに知れて良かったよ」
提督「じゃあ他に何もなければ解散」
むつ(お世話になる皆に挨拶しとこ)
むつ(まずは赤城さんの士官に…)
ハハハ ワイワイ ガヤガヤ
むつ「? 向こうが騒がしいなぁ」
チラッ
隼鷹「ひゃっはー パーッといこうぜー!」
赤城「とりあえずヱビス 瓶でお願い あとおひつ」
加賀「たこわさ、冷奴 2つずつ」
那珂「っそれではここで一曲 ゴーヤとデュエット!!」
ゴーヤ「轟沈でち」
スッ
むつ「…」
チラッ
ドックマスター「好きなお菓子頼んでいいぞ」
響「サイダー」
電「羊羹 栗」
雷「じゃあ金平糖 2皿それと かりんとう」
スッ
むつ(今日は止めておきましょう)
クルッ
ガシッ
むつ「!?」
陸奥「あらあら~? どこに行くのかしら?」
むつ「あ、あのトイレに」アタフタ
陸奥「食堂の中にもあるわ さぁ入って入って」グイグイ
陸奥「みんな~ お待ちかねのむっちゃんよぉー」
イェー ガヤガヤ
陸奥「ほら、ここ座って」
長門「お、やっと来たか」
むつ「?」
長門「さっきからずっと入口でこっちを見ていたから」
陸奥「私が耐え切れなかったの 何飲む?」
むつ「え?じゃあ …霧島の天然水」
陸奥「お酒飲みなさいよぅ」デレデレ
むつ「…もしかして」
陸奥「まだまだ余裕よ あなたもこれ飲みなさい」グイ
むつ「いやそんな ムグ」
陸奥「どう? 美味しいでしょう?」
むつ「か、辛 いきなりこんなきついの飲めませんよ」
陸奥「とか言うくせに飲めるじゃない」
提督「お、やっとるね」
陸奥「提督もいかがですか?陸奥八仙」
提督「じゃあ1杯」
提督「きゅうりとタコの酢の物、あと鯛の刺身」
長門「こういうのは苦手か?」
むつ「いえ、なんかいつもと性格が違うので」
陸奥「あらあら、それ私に言ってるのかしらぁ~?」
長門「私の妹は君が来るまではこんな感じだったんだよ」
陸奥「日本酒にする?それとも洋酒にする? それとも…」
長門「言いすぎた。名前が同じということもあって頼れるお姉さんのような存在でありたかったらしい」
長門「毎日寝る前に君が可愛い、妹ができたみたいだと遅くまで」
陸奥「ちょ、ちょっとそれは」
むつ「ありがとうございます」
むつ「私、ひとりっ子だから姉妹とか憧れてて」
むつ「良かったらお姉ちゃんって呼んでも良いですか?」
むつ(なんだろうこの気持ち お酒のせいかな)
陸奥「」グァバ!!
むつ「きゃぁ!!」
陸奥「勿論よ!! あと言葉使いももっと砕けていいわ」スリスリスリスリ
提督「…熱いな」スッ
長門「えぇ」
むつ「ちょ、お二方どちらに行かれるんですか!?」
提督「ちょっと1服」
提督「公共の場と陸奥の近くは火気厳禁だからな」
長門「火遊びはほどほどにな」
むつ「待ってぇ~」
赤城「ふふふ 向こうも楽しそうね」
加賀「…うらやゲフンゲフン 微笑ましいですね」
赤城「…して欲しい?」
加賀「!?い、ぁう」
赤城「あ~ん」スッ
加賀「あ、あ~」
間宮「ラストオーダーになりまーす」
ガヤガヤ
むつ「閉店ですって 帰ろ?」
陸奥「…」ギュウ
むつ「そんなにくっつくと歩きにくいよ」
陸奥「ここでいい 少し夜風を感じたい」
むつ「うん じゃあ、また明日」
スタスタ
長門「お、もう解散か」
むつ「はいお姉ちゃんは夜風に当たりたいらしいです」
むつ「まあだいぶ酔ってたからですかね」
長門「…あれからどのぐらい飲んだんだ?」
むつ「あれからは抱きついたままだったんで、ほとんど飲んでないですよ」
長門「そうか」
むつ「長門さんは酔ってるふうには見えませんね」
長門「ビッグ7だからな ベロベロになるまで飲んでいたら食堂にあるだけじゃ足りんよ」
むつ「ビッグ7って凄いですね」
長門「いや、まぁ」
長門「好きな奴に話しかけるために、酔ったフリまでする奴だっているよ」
長門「皆明るい良いやつなんだ 一人も失いたくない」
長門「今回の実験は世界初の事らしいな」
むつ「…はい」
長門「危険だと思ったら止めればいい」
長門「生きていれば次があるんだ 帰ってこいよ」
むつ「はい」
当日
提督「島風からは現場海域の状況報告があった」
提督「いつものように駆逐艦が1隻いたが撃沈したらしい」
提督「天気晴朗、波はそれほど無いらしい」
提督「予定通りだ 出港用意」
皆「はい」
西方海域
イク「通商破壊も終わったし帰るの」
イムヤ「あ、あれ??」
イク「ん?…」
イムヤ(て、敵艦!?)
イク(ま、まだバレて無いっぽいけど …残弾が)
イムヤ(戦艦1、空母が2 駆逐艦2 計4隻)
イク(左右に別れるの?)
イムヤ(…提督に知らせないと)
イク(!? この距離で通信アンテナを上げるなん
イムヤ(囮になっている間に …発艦準備中の今ならまだ間に合うから)
イムヤ「…」チャプ
ヲ級「!!」
イク(発艦準備中の今のうちに!)バシュッ
イク(しまった!発艦し始めた)
イク(イムヤ潜って!)
ダダダダ
イムヤ「きゃぁぁぁぁああ」
通信士「提督!伊168より通信 敵艦観ゆ」
提督「場所は」
通信士「西方海域です 戦艦1 空母2 駆逐艦2」
通信士「敵機、発艦中とのことです 敵空母から大型爆撃機が…」
艦長「どうした 続きは」
通信士「ここで通信が途切れました」
航海長「空母から大型爆撃機?…見間違えじゃねぇのか?」
提督「対空戦闘用意」
提督(計画がバレていたのか…?)
提督「電探に敵機は」
青梅 砲雷科員「対水に映っています 低高度を飛行中のようです」
提督「針路は」
青梅 砲雷科員「まっすぐこちらに向かってきます」
提督「実験中止!」
米倉 砲雷科員「…」
オイ ナニヲシテル ?
提督「? どうした」
砲雷長「無線封鎖中に電波を発射したようです」
ザワザワ
提督「伊168からの無線は横須賀でも聴こえていただろうに…」
提督「まぁ知られてしまっては仕方ない 」
提督「西方海域から敵が来るのなら、目的は佐世保だな」
提督「横須賀でも対空戦闘用意、全艦出港せよと伝えておけ」
提督「むつの電探の出力をあげるとかなりの範囲だな 通常艦より電力が大きいからか」
青梅 砲雷科員「ん? なんか急に電探に輝点が」
青梅「電探に感あり!」
提督「…まさか」
提督「筑摩 索敵機を呼び出せ!」
筑摩「…応答ありません!」
提督「しまった!さっきのは陽動か」
提督「横須賀にいる艦娘はここに集結させろ」
提督「むつ は横須賀に帰投、私は筑摩に移乗し艦隊の指揮を執る むつの護衛は島風以外の駆逐艦だ」
島風「敵機来襲! フロート付き」
提督「偵察機か」
青梅「次々に艦隊が浮上してきます 数40 距離100海里」
龍驤「敵機 撃墜」
青梅「電探に感あり 距離30海里 航空機が発艦したようです」
提督「一番近いのは島風か 島風、何か見えるか?」
島風「お、大型潜水艦浮上 敵機 発艦中」
提督「敵も伊400のような奴を開発したのか 浮上してから水上機の組み立てが早いな」
参謀「か、感心している場合ではありませんよ」
島風「あ、せ潜水艦撃破! さ、3機そちらに向かいました!」
提督「落ち着け島風 対潜警戒を怠るなよ」
提督「走り回ってると潜水艦の音が聴こえんぞ」
島風「は、はい」
龍驤「提督、そろそろ艦載機の皆の燃料が限界や…」
提督「水上機との空戦は無理か」
龍驤「…皆が帰って来れんなります」
提督「わかった」
提督「筑摩への移乗はこの水上機を落としてからだ」
筑摩「敵機撃墜! 残り1機」
観測手「敵機、龍驤直上 急降下!」
ドォン
観測手「至近弾 距離100 続けて、敵機そのまま本船に向けて急降下」
提督(帰る母艦もなくなり、この船を道連れにするつもりか)
提督「水上機なら浮くことくらいできるだろうに」ボソッ
ダダダダ
観測手「機銃掃 ゴハッ
パリン ガンガンガン
龍驤(! むつは軍艦じゃないから装甲も武装も…)
提督「グフッ …」
艦長「原子炉スクラム! 衝撃対応姿勢!」
ドゴォン
龍驤「て、提督 提督!」
龍驤「こちら龍驤、むつ、応答せぇ!」
むつ「…」
筑摩「船橋構造物が破壊されているので無理ですよ!」
島風「提督…嘘でしょ ねぇ」
赤城「こちら一航戦、赤城 提督、艦隊の指揮をお願いします」
赤城「むつ感度ありますか どうぞ」
陸奥「ねぇ、むつ どうしたのよ!答えて」
筑摩「…むつは大破炎上中 船橋に敵機が突っ込みました 巻雲と島風が救援に向かっています」
筑摩「また、敵艦隊が電探に映っています 艦種不明 数 およそ40 東 90海里です」
赤城「…む、むつには私達の応急修理要員がいるはずです すぐに直って」
筑摩「…敵機が衝突する直前に機銃掃射を受けていましたので、わかりません」
筑摩「それにむつは特殊なので」
赤城「そ、そんな」
陸奥「戦艦陸奥 私が艦隊の指揮を執るわ」
長門「…連合艦隊の旗艦が誰だったか忘れたか?」
陸奥「わ、私は提督の秘書官だったのよ 私が仇を!」
長門「尚更無理だ 冷静さを失った奴に指揮は任せられん 下がっていろ」
陸奥「で、でも」
長門「艦隊行動を乱すのならここで沈んでもらうぞ」ギロ
陸奥「…すみません」ギュ
長門「航空機発艦させろ」
赤城「一航戦、艦載機発艦の為変針します!」
長門「了解した 龍驤、付いてこい」
長門「偵察機も全機発艦させろ」
金剛「長門、レーダーピケット艦と言うのを知ってますか?」
長門「あぁ」
金剛「島風が適任かと思いマース」
長門「確かに 島風任せたぞ」
島風「おぅ?」
金剛「艦隊より前に出てレーダーで敵の行動を探るのデス」
金剛「足が早く敵からの攻撃を避けやすい貴女がピッタリね」
島風「ちょ、ちょっと待ってよ」
島風「むつはまだ燃えてるんだよ? それを」
長門「むつ乗組員は夕雲と巻雲に救助してもらう」
島風「…乗組員は 救助」
島風「…むつは?」
陸奥「…」ポロポロ
長門「むつは…鎮火の様子が見られなければ、ここで自沈してもらう」
島風「それじゃ 誰かが自沈の為に船内に取り残されるの?」
長門「…わからん」
島風「そんな…」
陸奥「むつは船殻二重構造を採用しているわ 雷撃処分には時間もかかるし放射能汚染の危険がある」
陸奥「原子炉が停止していなかったら私達全艦娘の命に関わる…」
陸奥「例え生きていても二度と横須賀には入れないわ」
長門「皆にあの苦しみはさせたくない」
長門「わかってくれ」
島風「…」グスン
長門「行け!」
島風「…」ダッ
提督「う、うぐぅ」
軍医「動かないでください」
提督「お、俺の脚は」
軍医「20mmで撃ち抜かれたんでしょう 無くなったのが左脚だけで良かったですな」
提督「す、直ぐに艦隊の指揮を執らねば」
提督「むつはどうなった」
軍医「船橋は血の海、艦長は頭打って意識不明」
軍医「消火活動もしよりますが、退船命令を出す人がおらんから…」
提督「原子炉はどうなった、 敵は、 通信は出来るのか?」
軍医「そんなにたくさん聞かれても困ります」
軍医「原子炉は停止して冷却中です」
軍医「他の事は知りません」
提督「…船内は燃えているのか?」
軍医「電話繋ぎますわ どうぞ」
応急修理要員「どうされました?提督」
提督「船内で燃えているところはどこだ?」
応員「無線室と操舵室、操舵室甲板です」
応員「無線室で炭酸ガスで消火活動をしています」
提督「閉鎖できるか?」
応員「そ、それでは酸欠で」
提督「火災区画を閉鎖、ダメコンチームを退避させろ 立ち入り禁止だ」
応員「放射能漏れも確認されています」
提督「どこでだ?」
応員「原子炉室内で警報がなっています」
提督「原子炉の運転は停止し、冷却は順調か?」
応員「はい」
提督「原子炉室は閉鎖されているなら問題ない」
提督「むつを横須賀に曳航させろ」
提督「近くに駆逐艦か誰かおらんのか?」
応員「巻雲が消火活動をしよりますが通信手段がありません 」
提督「手旗信号があるだろ 消火活動を継続しながら曳航させろ」
提督「私は艦隊の指揮を」
軍医「な、何を言っとるんですか」
提督「モルヒネがあれば良い」
軍医「し、しかし年齢も考えると」
提督「奴等は40を越える大艦隊で我々の拠点を目指し攻めてきた」
提督「敵の残存兵力を考えると、最後の艦隊決戦である可能性が高い」
提督「奴等は一発逆転を狙ってきたのだ」
提督「ここで負けては?」
軍医「わ、わかりましたから、ね、落ち着きなさい」
軍医「直ぐに移乗させます」
赤城「全機発艦!」
加賀「ここは慎重に…」
島風「敵 機動艦隊 発見」
島風「敵機、私達の方へやって来ます」
ザバァン!
島風「おぅ!!」
長門「大丈夫か!?」
島風「戦艦が何隻かいるけど 、誰も私のスピードには」
長門「あまり調子に乗ると殺られるぞ」
島風「はぁい」
島風(たまに減速して)
島風(ここで加速)
島風「ここで止まって …魚雷発射!」
島風「ふふ、皆照準おっそーい」
ザバァン
島風「あぅ」
島風(至近弾…)
長門「陸奥、そろそろ射程圏内だ 」
陸奥「選り取りみどりね」
長門「胸が熱いなビッグ7の力見せつけてやろう」
陸奥「えぇ」
長門「いくぞ てぇー」
ドゴォォォン! ドォォォン!
提督「この音は」
軍医「始まりましたな」
響「皆良く統制がとれています」
響「日々の訓練のお陰です」
提督「そうか 陣形は」
響「相手は複縦陣です」
響「こちらは単縦陣つです」
提督「ふむ… そうか誰が指揮を?」
響「長門さんです」
提督「我々も急ぐぞ」
ドゴォン
長門「クッ 敵艦隊もなかなかやるな」
陸奥「ね、姉さん! 大丈夫?」
長門「私に構うな 測距儀がやら
ドゴォン!
陸奥「ね、姉さん? 」
長門「…」チカチカ
陸奥「は、発光信号」
カ ン タ イ ノ シ キ ヲ ト レ
長門「…」
響「…長門、艦橋に被弾 戦列を離れていくよ」
提督「陸奥、聴こえるか?」
陸奥「て、提督!」
提督「私が合図を出したら左へ舵をとれ」
陸奥「わ、わかりました 」
提督「回頭が終れば先頭艦に向けて砲撃を続けろ」
陸奥「はい」
霧島「おかしい…」
霧島「提督、砲撃が止みました」
陸奥「敵艦隊が減速」
赤城「航空機から入電、敵艦隊の航跡が消えたとのことです」
提督「停船したか…」
提督「攻撃中止! 陸奥旗艦に旗が無いか確認しろ」
陸奥「し、白い 白旗があがってるわ!」
提督「被害を報告し、敵艦の武装解除をさせろ」
提督「横須賀に帰るぞ」
提督「…終わったか」
響「司令官? 司令か
提督「少し、疲れたな」
軍医「これは艦のなかでは無理だ」
軍医「海軍病院につれていった方が良い」
響「 提督の容態が悪化した 付近に艦載機を持っているものは直ちに司令官を内地まで」
利根「吾輩に任せるのじゃ」
皆「え?」
利根「だ、大丈夫 もうカタパルトの心配はないぞ」
金剛「タイムスリップしないか心配デース」
島風「私が早いよ」
軍医「ふざけている場合ではない! 一刻も早く!」
響「利根…任せた」
利根「み、皆心配しすぎじゃ」
ブロロロロ
陸奥「…そういえばむつは?」
響「提督の指示で横須賀に曳航された」
陸奥「まだ生きてるって事ね」
陸奥「じゃあ帰りは私が艦隊の指揮を執るわ」
陸奥「皆付いて来るのよ」
ヲ級「ヲ」グス
イ級「…」ガクガク
天龍「怖いか?そんな心配すんなって」ポンッ
イ級「?????????!」ポロポロ
天龍「え、ちょ」
龍田「あーあ 天龍ちゃんが捕虜を虐待しちゃった」
霧島「…」ギロ
天龍「え、いや違うって」
天龍「俺がそんなジュネーブ条約を」
霧島「…」グイ
天龍「イテテテテ すすすみませんでした」ぺこ
龍田「ふふ 天龍ちゃんが素直に頭下げるなんて」
霧島「…」グググ
天龍「さ、下げさせられてンのがわかんねぇのか 痛たたた」
イ級「…」プルプル
天龍「そ、そんなに震えんなよ」
龍田「天龍ちゃんが怖いのよねぇ~」
イ級「…」ダキッ
ヲ級「…」ギュ
天龍「そ、そんなに怖いか?」
龍田「まぁ兵装も装甲も無くて、敵に囲まれて知らない場所に連れていかれる事を想像すると…」
天龍「…わ、悪かったよ」
陸奥「…精神的に不安定なのよ」
陸奥「こういうときは私達みたいな戦闘艦じゃなくて まるゆ とかに任せたほうが」
木曽「舐められて脱走とかありそうだな」
陸奥「まぁそこは私達が考える事じゃないわね」
陸奥「さぁそろそろ着くわよ」
こうして、深海棲艦の全勢力をあげての作戦は失敗したの
程なく深海棲国は降伏して
第二次海洋戦争は陸上連合国の勝利に終わったわ
と言っても双方共に大きな損害を被ったんだけどね…
この戦争の一番の原因は、大きすぎる軍事力と言われているの
パワーバランスを崩してしまった為に、軍事力増強や仮想敵国を作り出してしまった…
私達が生まれたから戦争が始まったんだって言う人もいるわ
でも殺そう何て思った事なんて1度もないの
国を、皆を、護るために私達は闘ったの
深海棲国の艦娘は、投降したら装甲とか武装を剥がされて…
酷い事を去れるって教えられてたみたいだけど
頭に角がある艦娘は鬼だって
私が鬼に見える?
お姉ちゃんは鬼って言うより柴犬みたいで可愛いと思うんだけど
天龍は…
まぁ良いわ
その教育のせいで、大破した艦娘は自沈してたらしいわ
鎮守府の周辺海域に駆逐艦がよく来るのは、主要な航路に艦娘を沈める事が作戦だったらしいの
水深を浅くして私達みたいな大型艦が通航出来なくする事が目的だったらしいわ
…そのまま亡命したらよかったのに
大きすぎる軍事力は戦争を呼ぶ…
本当かしら
圧倒的な力の前では誰もが平等にひれ伏す
誰にも負けない、最強の浮沈艦がいたとしたら?
きっと戦争をしようとは思わない筈
恐怖によって世界を平和に、秩序をもたらす
そう言う目的で建造する戦艦と空母、潜水艦がいたの
建造にはお金、資材が不足していて延期されてたの
その計画にはね、機関は原子力を用いるってあったの
原子力による航行なんて、世界中
どの海でも燃料の補給無しで良いのよ
しかも実用化できるのは、この国だけ
世界中は恐怖したわ
同盟国や国連は、
建造中止
一時的な海洋実験の禁止
原子力機関の情報公開を求めてきたわ
でも全ては受け入れなかった
情報公開だけはしなかった
その代わり
一人の女の子が犠牲になったの
その女の子は軍艦じゃなかったから艦娘じゃないわ
でも妹みたいに可愛がってた
その娘はね、前の大戦で負傷して病院にいたのよ
その娘に会うと心が落ち着いた
戦場を知らない、どこの誰かもわからない奴が暴言を吐きつけたり、石を投げてきても
その娘の前では笑顔でいれたわ
それで、ある日病院に行ったら急に面会謝絶って言われて
船内で放射能汚染があるから船体を解体したって技師が…
その帰りにまた出てきたの
お前たちは鬼だとか、人殺しとか
誰のために闘ったと思ってんのよって
言いながら照準を合わせようとした
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