響「アイドルを目指して」 (28)
・ 書き溜めありです
・ 処女作なので、多少変なとこがあっても温かい目で見てください
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夢を見た。
にぃにとあんまーと、まだ沖縄で暮らしてた時の夢だ。
ターリーは自分がまだ小さい時に死んだ。顔も良く覚えてない。
ターリーがいないから、寂しかったかと言うと、そんなことはなかった。
友達は多い方だったし、あんまーもにぃにも陽気な人だった。
自分は、友達とは体を動かして遊ぶのが好きだった。
でも、暑いのは嫌だったから、インドアスポーツを好んでやった。
部活では卓球部の部長をしたこともある。
帰りが遅くなって、よくあんまーやにぃにに怒られたりもした。
夜には、編み物や料理もした。
実家が民宿だったから、自分の作った料理がお客さんに褒められると、とっても嬉しかったのを覚えてる。
あの頃は、何も考えず毎日楽しいことだけをしてれば良かった。
ー--------
響「夢か...」
枕は濡れていた
自宅から事務所までは、40分程かかる。
15分で駅まで着いて、15分電車に揺られて、10分で事務所に着く。
その間にも、故郷のことを思い出してしまう。
今朝見ていた、夢のせいだ。
アリサとは大親友だった。
沖縄では、アリサも自分もアイドルを目指してて、二人で切磋琢磨してた。
親友であると同時にライバルだった。
...あんなことになるまでは。
響「はいさーい!」
真「あ、響!おっはよ」
亜美「ひびきんハロハロー!」
響「...何やってんの?」
貴音「せくしぃなぽぉずと言うものを、研究していたのです」
真美「あ、お姫ちん違うよ!もっとここは、こう!」
貴音「こう...ですか...?」
亜美「ちーがーうーよー!ここがこうで、ここがこう!」
貴音「はて、難しいものですね」
真美「あ、そうだ!ひびきんもやってみてよ!お胸おっきいからサマになると思うよ!」
亜美「でも我らが我那覇さん、背がちっこいですからなぁー」
亜美・真美「「んっふっふ→」」
響「うがー!頭に手をのーせーるーなー!」
アリサとは、小学校で知り合った。
小学5年生の時、アリサが本州から自分の住む島へ越してきたんだ。
そこから話し始めて、仲良くなった。
ダンススクールに誘われたのは、それから間も無くだった。
「響ちゃん、一緒にダンスやらない!?」
通学中、出会い頭に開口一番そう言われたのを覚えてる。
なんでも、二人同時に入学すると、トレーニングウェアがタダで貰えるらしかった。
インドアスポーツが好きな自分としても興味は沸いたし、あんまーを説得して、通わせてもらった。
P「響ー、もうすぐ時間だが準備出来てるかー?」
響「もう少しだけ待ってー!」
6年生の夏だったと思う。
テレビで見るアイドルの1人が、自分のスクール出身だと、先生に聞いた。
そこから、自分とアリサはアイドルを目指し始めた。
自分も、先輩みたいにキラキラしたかったから。
明確な、かつ具体的な目標が出来たのは、多分それが始めてだと思う。
夢が、始めて出来た。
アリサと二人で、夢を目指し始めた。
撮影スタジオ
カメラマン「はーい響ちゃん、視線こっちに頂戴~」
カメラマン「そうそう!今日の響ちゃん、憂いのある表情でいいねー!」
カメラマン「いつもより大人っぽいよー!」
今日はグラビアの撮影だ。
もっと笑顔にならないといけないのに、どうしても故郷のことを考えてしまう。
故郷のことを考えると、気分も沈んでしまう。
うぅ...もっと笑顔にならないといけないのに...
アイドルとして本格的な活動を始めるには、本州に行かないといけないことは分かってた。
特に事務所や局が集中してる東京に行かないことには、話にならないと思ってた。
だからいつかは東京に出て、何処かの事務所に所属したいと思ってた。
中学に入ると、アリサと本気で事務所を探し始めた。
いつ何処でどの事務所がオーディションをしてるか。
その事務所ではどのようは人を輩出しているのか。
その事務所では何が出来るのか。
ネットで、先生のつてで、使えるものはなんでも使って調べた。
そんな時、アリサがネットで765プロを見つけてきた。
なんでも、半年前に出来たばかりの事務所で、アイドルはまだ2人しか所属してないらしかった。
当然、実績も何もあったもんじゃない。
でも、そこのオーディションを受けてみようと思った。
まだ何もないなら、何でも出来るということだ。
先輩に縛られず、自分達で作れるということだ。
そう思った。
帰り/車内
P「響、今日はどうしたんだ?撮影でも様子がおかしかったぞ?」
響「なんでもないぞ。ごめんね、ちゃんとお仕事出来なくて」
P「いや、カメラマンさんの反応は良かったから、そこは問題ないんだけどな...」
P「珍しく響に元気がなかったから...」
響「はんとに大丈夫だから。今日はちょっと調子が悪かっただけ。明日には元どうり。なんくるないさ」
P「ならいいんだけど...」
P「...沖縄でのライブ、やめておくか?」
響「ごめん、もう少しだけ考えさせて?」
プロデューサーが、沖縄でのライブの話を持って来てくれたのは、一昨日のことだった。
なんでも、生っすかサンデーの響チャレンジで沖縄ロケをするから、それに合わせてライブも開いたらどうか、という話だった。
プロデューサーがこの話を持って来てくれた時、自分は即答できなかった。
...まだ、沖縄に帰るのは怖かったから。
......まだ、アリサと会うのは怖かったから。
事務所
響「ただいまー」
貴音「おかえりなさい、響。...ぷろでゅうさぁ殿は?」
響「雪歩と春香を迎えに行くってさー」
貴音「そうでしたか」
あんまーは説得した。
にぃにには、トップアイドルになるまで帰ってくんなって言われちゃった。
...でも、あれはにぃになりの励ましだって、自分はちゃんと気付いてる。
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東京では、765プロを始めいろんな事務所のオーディションを受けるつもりだった。
オーディションを受けて、事務所に所属して、バイト代で生活費を稼ぎながらアイドルを目指そうって決めてた。
東京に経つ、1ヶ月前のことだった。
アリサが交通事故にあった。
幸いにも、3ヶ月あれば後遺症もなく回復出来ると言われた。
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東京には、自分一人で発った。
アリサはメールで行ってらっしゃいと送ってくれた。
あんまーもにぃにも、学校の友達も、空港まで見送りにきてくれた。
東京についた半月後、765プロに所属した。
貴音「...響、どうしましたか?今日は元気がありませんよ?」
事務所に帰って、10分くらいたった時、貴音にそう言われた。
響「そ、かな?そんなつもり全然ないよ!自分は元気いっぱいさー」
......嘘。
貴音を心配させないために、
自分にそう思い込ませるために、
そのためについた安直な、嘘。
貴音「響、嘘をつかないで下さい。私の目はそれくらいでは誤魔化せませんよ。」
でも、バレちゃった。
貴音「私で良ければ、話してみてくれませんか?それとも、私では頼りないですか?」
響「そんなこと...!そんなこと、ないぞ...」
貴音と知り合ったのは、オーディションを受けるため765プロを訪れたときだった。
一応、その日は軽い面接だけで、しばらくの後にオーディションとなっていたのだが、「ティンときた」とかいう理由で、その日付で入社した。
アリサには、1番にメールした。
でも、その返信は「ごめん」の、たった一言だった。
訳が分からなかった。何があったのかと思って、色々メールを送ったけど、「もうやめて」っていうメールが届いてからは、もう送るのをやめた。
響「ちょっと、故郷の友達のこと、思い出しちゃって」
貴音「友達...ですか?」
響「うん。自分と夢を追いかけた、大事な大事な友達」
響「だから、沖縄に帰るのが怖いんだ。アリサに会うのが...怖いんだ」
響「ほんとは、謝らないといけないのに」
響「ほんとは、お礼を言わなきゃいけないのに」
貴音「...ありさ殿は、それを許してくれないほど酷い人なのですか?」
貴音「友達の成功を喜べない人なのですか?」
響「っ!そんなことない!アリサはいつまでも最高の友達だぞ!」
貴音「...ならば、やることは決まってるのではないですか?」
貴音「響、あなたは自分が何をすべきか分かっています。なら、後は行動するだけです」
貴音「怖いというのなら、手を握りましょう。震えるのなら、肩を持ちましょう。背を押して欲しいなら、押してあげましょう」
貴音「でも、行動するのはあなた自身です。きっと大丈夫です。それだけ仲の良い友達だったのなら、また話も出来るはずです」
貴音「応援しますよ、響」
響「た、たかねぇ...」
響「ありがとう。やっぱり沖縄、行くよ。それで、ちゃんとアリサと話をしてくる。」
貴音「頑張りなさい、響」
......
貴音「それからの話をしましょう」
貴音「沖縄でのろけは、響が海でさめを捕まえるいうどっきりもありましたが、成功したようです」
貴音「らいぶでは、島中の人が集まり、大盛り上がりだったそうです」
貴音「その後、ありさ殿と話してきたようですが...」
貴音「ふふっ、これについては言うまでもないでしょう」
貴音「響の様子を見れば、何があったのか一目瞭然なのですから」
響「貴音ーっ、アリサからまたメール来たぞ!」
響「これからバックダンサーとしてステージに出るんだって!」
響「声も少しずつ出るようになって来たって言ってたし、自分も負けないように、頑張るさー!!」
響「目指す夢は!トップアイドル!!」
おわり
後半、超絶駆け足ですが終わりです。
ありがとうございました。
HTML化依頼出してくるー
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