勇者「二つの宝玉?」(32)

仙人「・・・宝玉をはめ込むことで、その剣は進化するのだ」

勇者「その宝玉はどこに?」

仙人「・・・赤い門を探せ」

勇者「赤い門?」

仙人「・・・まずそれからだ」シュン

勇者「この剣の穴はただの飾りではなかったのか・・・」

勇者「二つの宝玉・・・」

勇者「とりあえず赤い門を探すか・・・」

女「そんなすごい剣、どこで手に入れたの?」

勇者「兄貴から譲り受けたものだ」

女「兄がいたの?」

勇者「数年前にマグマに滑り落ちて死んだけどな」

女「勇者としては実にカッコ悪い死に方ね」

勇者「ああ。俺もその知らせを聞いたとき笑っちまったよ」

女「じゃあその剣は兄の形見ってことね」

勇者「あんな奴のこんな剣を持たなきゃならないなんて屈辱的だ・・・」

女「でも剣が無いと戦えないものね」

勇者「そうだな。物が切れることにだけは感謝してるよ」

少女「お腹すいた」

勇者「起きたか」

女「私はハムサンドがいいわ。少女は?」

勇者「俺が買ってくるの?」

女「いつものように値切ってちょうだい」

勇者「分かったよ」

少女「たこ焼き」

勇者「はいよ」

勇者「すんませーん」

店主「いらっしゃいませー」

勇者「このハムサンドとたこ焼きを・・・」チャ

店主(ん?)

勇者「・・・よこせぇ!」キィィン

店主「ギャァァァ!」

勇者「ここに入れろ!」ドン

店主「ヒィィィィお金はいりませんので!命だけはーー!」ドサドサ

勇者「じゃあな!」バタン

女「奪って来た?」

勇者「ああ」

女「ありがとう」

少女「あれ?ここの店ソースの量ケチってる!」

勇者「さてと・・・俺は魚でも釣って食うかな」

少女「たこ焼きあげる」

勇者「本当か?あーんさせて最後は自分が食べる気じゃないんだな?」

少女「ほら」パク

勇者「アチチチ!!あっつ!!」

少女「ウケルーッ!」

勇者「でもうまいな」

少女「だよねー」

勇者「たこ焼きを食べたら熱いでもうまい」

女「小学生の俳句か」

少女「ガキかよー」

勇者「お前はガキだろうが」

少女「え、そうだっけ?最近はよく歳を覚えてないなー」

勇者「よし、そろそろ行くか」

女「そうね」

勇者「確かこの北に町があったはずだ。少女、コンパス持ってたよな」

少女「ないよ」

女「えっ、勇者が持ってたんじゃないの?」

勇者「前に敵キャラに壊されてからは、少女に持たせてるんだ」

女「少女、コンパスをどこにやったの?」

少女「だからないってば」

男「ああ・・・自分の歳も忘れちゃうような奴に渡すべきじゃなかったな」

少女「そうだよ!男が悪い!」

>>8

名前違ってた

男=勇者です

女「勇者、どうするのよ」

勇者「今日は曇りか・・・星も影も見えないな」

少女「木を切って年輪を見れば方角が分かるよ」

勇者「それだ」

女「それだ」

勇者「じゃあ手頃な木を・・・何だここ、ぶっとい木しかないな」

少女「いい木がないかなー」

女「コレなんかいいかも」

男「お!それにしよう!」

勇者「えい!」スパン

ドスン

少女「何か落ちてきた!」

魔物「てめえ、よくも・・・」

勇者「まずい!女、少女!離れてろ!」

女(ちゃんと確認してから切りなさいよ!)

魔物「・・・」

勇者「・・・何ですか?」

コロン

勇者「宝玉!お前が隠してたのか!」

魔物「は、はい?どこに宝玉が」ゴクリ

魔物「あるのでしょうか・・・?」

勇者「ふざけんな!早く吐き出せ!」

魔物「俺、知らない」

勇者「逃げるなー!」ドスッ

魔物「痛てぇな・・・血が出たじゃねぇか・・・」

勇者(あっやばい怒ってる・・・)

魔物「おい!やんのかゴラァ!」グイ

勇者(あ・・・あああ・・・)ガクガク

魔物「こんな剣で俺を殺せるとでも思ったか?」ペキ

勇者(剣を折りやがった・・・!唯一の武器を!)

魔物「このエセ勇者が!出直してこい!」ドサ

少女「ダッサー!」

女「あんたと旅するの嫌になってきた」

勇者(どうしよ・・・二人にまで嫌われてる・・・)

少女「あれ?何涙目になってんの?ほら起きて!」

女「あんたが逃がした魔物、ちゃんと写真に撮っておいたから」

勇者「え?」

少女「ウチらいつも勇者のこと心配してるんだよ」

勇者「へ?」

女「あんたがどんなにドジで役立たずでもそれをフォローしてやろうといつも必死なの」

勇者「そうだったのか・・・」

少女(ふー、これでコンパスの件は一件落着だー)

女(フフ・・・私ってなかなかやるわね・・・)

勇者(ありがとう・・・二人とも・・・)

~町~

少女「着いたー」

勇者「俺は武器を買うとするか」

女「じゃあ私達はカジノで資金調達してくるわね」

勇者「あんまり酒飲み過ぎんなよ」

女「行こ、少女」

少女「うん」

勇者「調子いい奴らだなー」

武器商人「武器はいかがでしょうか」

勇者「わっびっくりした!」

武器商人「剣から機関銃、ソードからマシンガンまで幅広く取り揃えております」

勇者「えーと・・・一番安いのは?」

武器商人「今、何円お持ちでしょうか?」

勇者「二万四千・・・」

武器商人「二万四千、何円?」

勇者「三百十五円」

武器商人「二万四千三百十五円、何銭?」

勇者「しつこいな」

武器商人「あなたが物臭なだけですよ」

勇者「(カチン)・・・銭なんて持ってねーよ」

武器商人「ん”-、それでは何も売れませんねー」

勇者「ハ?」

武器商人「ハ?」

勇者「死ねェェェ!」ドグッ

武器商人「グェッ!」バタ

勇者「イエーイ!武器の山だ!」

少女「また強盗やってるー」

勇者「少女!どうしてここに?」

少女「あのね、カジノね、子供は入れないんだって」

勇者「そりゃそうだよな」

少女「でさー暇だからさー、お散歩に行こうよー」

勇者「俺と?」

少女「どうせ勇者も暇でしょー」

勇者「まあ・・・な」

少女「よーし!じゃあ行こう!」

少女「勇者遅いよー」タタタ

勇者「なにが散歩だよ・・・ランニングになってんじゃねえかよ・・・」

少女「あっ!」ベチッ

勇者「大丈夫かー?」

少女「痛ってえ・・・ん?」

男「・・・・・・」

勇者「どうした少女?」

少女「あの人、何してるんだろ」

男「・・・・・・」クルッ

男「!!??」ビクッ

勇者「気づいてなかったのかよ!」

男「・・・・・・!」ピュー

少女「変な人!」

勇者「ん?あれは何だ?」

少女「お墓?」

勇者「そうだな、墓だ」

少女「誰のだろ」

今回はここまで。見て下さった方、ありがとうございます。

勇者「かなり古いな・・・字がかすれて読みとれない」

少女「こっちにもある」

勇者「多分何かあって、死人が大勢出たんだろう」

少女「魔物が来たのかな」

勇者「かもな」

少女「ねえ勇者、さっきから臭わない?」

勇者「腐った大根みたいな臭いがするな」

少女「吐きそう・・・」

老爺「お前ら、今は外に出たらいかん!」

勇者「えっ」

老爺「早く中に入れ!死ぬぞ!」

少女「もう吐いちゃう・・・」

老爺「おい!ゴホッワシの家に隠れゲヘッ・・・」

勇者「じゃあ、失礼します」ガチャ

バタン

老爺「ヒュゥ・・・ヒュゥ・・・」

勇者「一体何なんだ、この悪臭は」

老爺「ちょっと待て・・・先に水を飲ませてくれ・・・」

勇者「言わないと殺すよ」

老爺「待てィ!」ゴッゴッ

勇者「はーやーくー」チン

老爺「よし・・・教えてやろう」

勇者「前置きはいいから早く!」フォン

女の子「ひでぇな、まるで拷問じゃねぇかよ」

勇者「誰だ?」

女の子「それはこっちの台詞だっつぅの・・・こんな剣持ち歩きやがって」ヒョイ

勇者「あ!返せ!」

女の子「これは良く切れそうだな」

勇者「返さないと怒るよ?」

女の子「えっ・・・やだ・・・」

勇者「嫌なら早く返して」

女の子「ああ、そっくりそのまま返してやるよ」ブン

勇者「ちょ・・・!」

シュパッ

女の子「・・・・・・」

勇者「指がぁー!」

女の子「ほんとに切れちゃった・・・」ガクガクブルブル

カシャーン

女の子「なんてね」

勇者「へ?」

女の子「わぁ~血いっぱい出てるねぇ~!」

勇者「ふざけんなよ」

女の子「ふざけてませぇ~ん、マジメに切りまぁしたあああぁぁぁあぁぁあ~!」

勇者「マジメに!?」

女の子「ホントは殺すつもりだったんで~す~!」

老爺「こら、嘘をつくでない」

女の子「あ、バレた?」

老爺「今のお前は、後付けの屁理屈を並べて強がりを言っているだけに過ぎない」

女の子「言い方キツ!」

老爺「戦士とは言えどお前は少々イキりすぎている」

勇者「戦士?」

女の子「こう見えてもね、ここら辺では30本の指に入る名戦士なんだからね」

老爺「この町に戦士は5人しかおらん」

女の子「いちいち口挟まないでくれる?」

勇者「必死だな」

勇者「結局話は聞けなかった・・・」

勇者「そしてあの子は剣を返してはくれなかった・・・」

勇者「そして手元には機銃一丁だけが残った・・・」

少女「・・・ううん」

勇者「やっと起きたか」

少女「うん、なんか眠くなっちゃった」

勇者「まだ吐き気はするか?」

少女「全然」

~勇者はカジノに行き、女から50万円を受け取った~

女「何で省略すんのよ!結構苦労したのに!」

勇者「次行くぞー」

少女「行くよー女ー」

女「しかもなぜ勇者と少女がうち解けてるの!?」

勇者「ババァが何かわめいてるな」

少女「放っといて行こ」

女「ちょっt ~3人は次の町に向けて歩き出した~

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