千早・紅莉栖「私たちの愛が重いという風潮」 (32)

千早「ほんとおかしいわよね。どこからそんな風潮が現れたのかしら」

紅莉栖「そうね。ネットなんかにある千早さんの創作のお話なんかではいつも異常な行動を取る人みたいな扱いよね」

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千早「やれ、プロデューサーの部屋に盗聴器を仕掛けてるとか隣の部屋に住んで私生活をこっそり覗いてるとか……」

紅莉栖「そんなの普通に犯罪じゃない。私は千早さんがそんな人じゃないって知ってるわよ」

千早「ふふ、ありがとう。牧瀬さんとはネットで知り合ったけど、まるで同一人物かのように親近感というか安心できるからこういう愚痴も言えて助かるわ」

紅莉栖「私も同じ気持ちよ。最初は、トップクラスのアイドルと会うだなんて恐れ多かったけど今では大親友だと思ってるわ」

千早「あら、そんなこと言ったら牧瀬さんも脳科学……だったかしら? そっちの分野で有名なんでしょう? 確か、タイムマシンの研究もしてたとか。あら? でも、脳科学とタイムマシンって何か共通点あったかしら」

紅莉栖「ああ、実を言うとね。私も最初はタイムマシンは否定派だったのよ」


千早「そうなの?」

紅莉栖「ええ。タイムマシンの研究をするきっかけになったのが……そのある男が原因なのよ」

千早「ある男……? あ! わかったわ、いつも電話で話してた牧瀬さんの好きな中二病の人ね」

紅莉栖「ぶふっ!? ちょ、ちょっと! そんなはっきり言わないでよ! は、恥ずかしいじゃない……」

千早「ふふ、そんな照れなくてもいいじゃない。誰かを好きになるなんて素敵な事だと思うわ。かくいう私もプロデューサーの事が好きだし」

紅莉栖「ああもう! 千早さんが変なこと言うから汗かいちゃったじゃない」フキフキ

千早「ふふふ、ごめんなさい。ちょっとからかいたくなってね。それにしても……そのハンカチ、素敵な柄ね」

紅莉栖「あら、分かる? 実はこれね、岡部……例の彼のパンツなのよ。岡部の癖に何気に下着のセンス良いのよね。生意気だから私がハンカチとして利用してあげてるってわけ」

千早「いいなぁ……牧瀬さんってその彼と同じ研究所? だっけ。そこで一緒だからいつでも手に入れられるもの」

紅莉栖「千早さんもプロデューサーさんに言って一緒に住めばいいのに」

千早「そんなの恥ずかしくて言えないわよ。それに、私とあの人は、アイドルとプロデューサー……今のままじゃ叶わない恋。好意がばれちゃう事なんて出来ないわ」

千早「だから今は……あの人の温もりを感じられるだけでいいの」

紅莉栖「え?どうやって?抱きしめてもらうとか?」

千早「ふふふ、実はこのワイシャツ、プロデューサーのなの。着方によっては、オシャレになるから意外とばれないのよ」

紅莉栖「あー、そうなんだ。でも、それって結構いいわよね。私も岡部の白衣よく借りるんだけど岡部の残り香で何回昇天したか分からないわ」

千早「私も最初のころは、刺激が強すぎて次の日仕事にならなくて大変だったわ」

紅莉栖「慣れるまでが大変なのよねぇ」

紅莉栖「そういえば、千早さんってプロデューサーさんの何処に惹かれたの?」

千早「うーん、なんていうか基本頼りなさげで放って置けないのよね。ただ、ここぞという時には頼りになってそのギャップが良いのよ。牧瀬さんは?」

紅莉栖「私も同じ感じね。いつもは中二病全開で電源の入ってない携帯に話しかけてたりとか痛い行動が多いけど、ふとした瞬間にドキッっとするような事をするのよね」

千早「へー、どんな人か一度会ってみたいわね」

紅莉栖「私もプロデューサーさんって人一度見てみたいわ」

千早「牧瀬さんなら可愛いから、きっとスカウトされちゃうかもね」

紅莉栖「いやいや!私なんか全然よ。それに千早さんの方がアイドルだけあって数倍も可愛いわ!」

千早「そんな事ないわよ」

紅莉栖「いやいや、そんなことあるって」

千早「……やめましょう。なんだか自分自身を褒めてるような気分になるわ」

紅莉栖「……そうね」

千早「あ、紅茶が無くなっちゃったわ。牧瀬さんはおかわりは?」

紅莉栖「いただくわ」

コポポポポ

千早「はいどうぞ」

紅莉栖「ありがとう。そういえば、さっきから気になってたけどカップに入ってる黒い布みたいなのって何かしら?」

千早「ああこれ?これは、プロデューサーが1週間ほど泊まり込みで働いてた時の靴下よ。染み込んだ汗と紅茶のハーモニーが何とも言えないわ」

紅莉栖「ああ、いいわねそれ。うちの岡部もよく泊まり込みで何か作ってるから手に入れるのは簡単ね」

千早「ただ、問題は癖になっちゃう事ね。おかげで最近は、よく物が無くなるってプロデューサーから相談されちゃうのよね」

紅莉栖「そこはほら、普段のお礼って事で新品をプレゼントすればいいじゃない。そしてその新品を使い込んだ頃に“返して”貰えば需要と供給が成り立つわ。私たちは、好きな人の私物が欲しい。彼らは新品が常にもらえる。ギブ&テイクね」

千早「なるほど、その手があったわね」

紅莉栖「あ、もうこんな時間じゃない。千早さんとお喋りしてるとつい時間が経っちゃうわね」

千早「今日はごめんなさいね?愚痴ってしまって」

紅莉栖「気にしないで良いのよ。私たちの愛は重くないというとても重要なお話が出来て楽しかったわ。これからもお互いに好きな人との時間を過ごしましょう?」

千早「ええ、もちろんよ」

P「うーん、おかしいなぁー」

千早「どうしたんですか、プロデューサー」


岡部「うーぬ」

紅莉栖「どうしたの、岡部」



P「いやな、最近千早から靴下とか結構もらってるじゃん?」

岡部「お前からその……パ、パン いや下着とかを貰ってるだろう?」


千早&紅莉栖「「それがどうかしたの?(ですか?)」」


P「いやな、プレゼント自体は凄い嬉しいんだ。嬉しいんだが……」

岡部「なんというか、プレゼントを貰いはじめた時期から何だが、ある程度使い込むと……」


P&岡部「「物が無くなってしまうんだが、何か知らないか?」」


おしり

くぅ~これにて終了です!


千早と紅莉栖がSSでよく重い人扱いされるので、2人の一途さを全面に押し出してみました。
2人の可愛さがもっと皆に伝わりますように

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