ことり「海未ちゃんが執事!」 (56)


海未「お嬢様、お嬢様」
コンコン



海未「……入りますよ、お嬢様」
ガチャ

ことり「すぅ……すぅ……」

海未「はぁ……やはり……お嬢様、お嬢様、朝ですよ。起きてください」

ことり「ん…、んんっ……海未……?」

海未「はい、海未です。お嬢様がいつまで経っても下に降りてこられないので、起こしに参りました」

ことり「あ……そう…なんだ……すぅすぅ……」

海未「って言ってるそばから二度寝しないでください。早く支度を済ませなくては学校に遅刻してしまいますよ?」

ことり「むにゃ……今日って日曜日じゃなかったっけ……?」

海未「いえ、違います。平日も平日、ド平日の水曜日です」

ことり「う~ん……でも、ことり……眠いから……」

海未「……まったく」
バッ

ことり「あぁんっ…! ことりの枕っ!」

海未「没収です。さぁ早く起きて」

ことり「……いいもん。海未がそんな意地悪するならことり、枕無しでも寝ちゃうもん!」

海未「あ、こらっ」


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ことり「すやすや……えへへ……」

海未「ほ、本当に遅刻してしまいますよ!」

ことり「今日は海未も一緒にお休みにしよ? …ね?」

海未「い、いけません! あぁ…困りました……お嬢様を学校に行かせないと私が奥様にお叱りを…」

ことり「……ねぇ、海未」

海未「お、起きてくださるのですか?」

ことり「どうしよっかなぁ~」

海未「お、お嬢様…」

ことり「…あ、そうだ!」

海未「…?」

ことり「えへへ…海未がチューしてくれたらことり姫は深い眠りから覚めるかも?」

海未「な、ななな何を言ってっ…!?」

ことり「……おやすみなさい」

海未「あぁっ…!?」

ことり「……」
チラッ

海未「だ、駄目ですよ……そんなこと……奥様に知られたら私はクビになってしまいます…」

ことり「ヒミツにしててあげるから♪ それにことりがこのまま起きなくても怒られちゃうんでしょ?」

海未「そ、それは…その通りなのですが……」

ことり「だから……ね?」

海未「うぅ……きょ、今日だけですよ……?」

ことり「うんっ……はい、どうぞ」

海未「ぁ……うぅっ……」

ことり「……」

海未「ぜ、絶対に内緒ですからね…………ちゅ…」

ことり「ぁ…ン……んむ……」



海未「お嬢様、お召し物をお持ち致しました」

ことり「ん、ありがと」

海未「お鞄はあちらに用意しております」

ことり「あれ? お母さんは?」

海未「もうとっくに向かわれましたよ。お嬢様がなかなか起きてきてくださらないので」

ことり「そっか」

海未「髪の毛失礼します」

ことり「んー」

海未「…お嬢様。じっとしていてくださらなくては綺麗にとかせません」

ことり「やぁ~ん、溶かされちゃう~」

海未「はい…?」

ことり「えへへ~」

海未「ふふ…何やらご機嫌ですね、お嬢様」

ことり「そう~? 海未がキスしてくれたからかなぁ?」

海未「そ、そのことは忘れてくださいっ!!」

ことり「痛いっ痛いっ!! 髪の毛痛いっ!!」

海未「す、すみません! つい力が入ってしまい…」


海未「これで、よし……と」

ことり「ありがと、海未。ご褒美にチューしてあげよっか?」

海未「け、結構ですっ! あまりからかわないでください…」


海未「さぁ早く朝食を召し上がってください」

ことり「は~い♪ あ、和食だ! ちょうど和食食べたかったんだぁ~」

海未「ふふ、そう言ってくださると思っていました」

ことり「え~どうして? 何でわかったの~?」

海未「お嬢様のことですから。執事として当然です」

ことり「海未はスゴいんだね」

海未「私のことはいいでしょう。早く召し上がってください」

ことり「うん」



ことり「ごちそうさま。やっぱり海未のご飯は美味しいね」

海未「いえ、そんな…勿体なきお言葉です。紅茶を淹れますので少し寛いでいてください」

ことり「ん」


海未「お待たせ致しました、どうぞ。熱いのでお気をつけを」

ことり「ん…っ、熱いっ!」
カチャッ

海未「お嬢様っ! 大丈夫ですか!? 火傷は」

ことり「えへへ…、大丈夫だよ。海未は心配性なんだから」

海未「しかし、お嬢様にもしものことがあったら私は…」

ことり「そうならない為に海未がいてくれるんでしょ?」

海未「…はい」


海未「ふーふー……このくらいでいかがでしょう?」

ことり「ずずーっ……うん、美味しい♪」



海未「忘れ物はありませんか?」

ことり「うん」

海未「私は戸締まりの確認をしてきますので、少しここで待っていてもらえますか?」

ことり「は~い」




ことり「~♪」

穂乃果「ことりちゃーん! おはよー!」

ことり「あっ、穂乃果ちゃん! どうしたの?」

穂乃果「ふふふ……実はね、穂乃果」

ことり「…?」

穂乃果「今日はなんとなんとっ! いつもより早起きしたからことりちゃんちまで迎えにきちゃった!」

ことり「えぇ~!! すごいっ! 穂乃果ちゃん! ことりなんか今日、お寝坊しちゃったんだ~」


海未「お待たせ致しました、お嬢さ……穂乃果!?」

穂乃果「海未ちゃん、おっはよー」

海未「おはようございます。今朝は随分と早いのですね」

穂乃果「でしょでしょー! 実は穂乃果」

海未「珍しく早起きしたのでしょう?」

穂乃果「えぇー! 何でわかったのー!?」

ことり「海未が知らないことなんてないから、ね?」

海未「それは言い過ぎです…」

ことり「ことりの自慢の執事さんだもん♪」

海未「は、恥ずかしいです……お嬢様…」

穂乃果「二人はホントに仲良しだねー」

海未「その言葉には少々語弊が……あくまで私とお嬢様は主と執事の関係ですので」

ことり「……」

ミスった

海未「その言葉には少々語弊が……あくまで私とお嬢様は主と執事の関係ですので」←×

海未「その言葉には少々語弊が……あくまで私とお嬢様は主と使用人の関係ですので」


穂乃果「ふーん…、穂乃果にはよくわかんないや」

海未「私とお嬢様では立場が全く違うので、軽々しく仲良く…などとは烏滸がまし過ぎるというか」

穂乃果「へぇーー、やっぱりわかんないや」

海未「……もういいです」

ことり「……」

穂乃果「ことりちゃん? どうかした?」

ことり「う、ううんっ! 何でもないよ」

海未「立ち話も良いですが、そろそろ学校へ向かいましょう」

穂乃果「そだねー」

海未「お嬢様、お鞄をお持ち致します」

ことり「ん」

穂乃果「……!」

海未「……何ですか? その私に差し出された鞄は」

穂乃果「いやー、穂乃果のも持ってくれるのかなーなんて」

海未「何故私が穂乃果の鞄を? お断りします」

穂乃果「冗談だよー」

海未「そもそも穂乃果は鞄の中はいつも空っぽではありませんか。持ってくる意味は…」

穂乃果「し、失礼なっ! ちゃんとお弁当入ってるもんっ!」

ことり「海未、時間は?」

海未「はっ…、しまった…! 急ぎましょう!」



穂乃果「ふー、何とか間に合ったねー」

ことり「うんっ」

海未「私が付いていながら遅刻などしてしまったら、奥様に顔を合わせられません…」

穂乃果「まぁ海未ちゃんの長話のせいだし」

海未「そ、それを言うなら穂乃果の方でしょう!?」

穂乃果「穂乃果は早起きしたもーん!」

海未「関係ありません」

穂乃果「あるもんっ!」

ことり「ご、ごめんね……ことりがなかなか起きなかったせいで…」

海未「お、お嬢様は悪くありません! 現にこうして遅刻することなく学校に着いたのですから!」

穂乃果「そうだよ!」

ことり「うん」


海未「では、私は奥様…理事長に挨拶がありますのでお嬢様と穂乃果は先に教室に向かっていてください」

穂乃果「毎日大変だねー、行こ? ことりちゃん」

ことり「うん! じゃあまた後でね、海未」

海未「はい、何かありましたらすぐに連絡してください。飛んで駆け付けます」





コンコン……


理事長「はい」

海未「園田です」

理事長「どうぞ」

海未「失礼します」
ガチャ


理事長「ご苦労だったわね。そこに座って」

海未「いえ、このままで」

理事長「…海未」

海未「は、はい…」

理事長「真面目な所は貴女の一番の利点でもあると思うけど、堅すぎるのはどうかしら? 私達はもう家族同然でしょう?」

海未「し、しかし…私は……」

理事長「海未」

海未「で、ではお言葉に甘えて…」
スッ


理事長「ことりの様子はどう?」

海未「……? いつもと変わらず、毎日楽しそうですが」

理事長「……そう。私が忙しくて構ってあげられない分、貴女がいてくれてとても助かってるわ」

海未「そんな…、私は執事として当たり前のことを」

理事長「これからもよろしくお願いね。海未」

海未「勿論です」

理事長「……」

海未「……奥様?」

理事長「もう行っていいわ。ことりに付いててあげて」

海未「はい……では、失礼致します」



穂乃果「わぁー! いつも思うけど、ことりちゃんのお弁当すごいねー」

ことり「えへへ~、海未が早起きして作ってくれるんだ~♪」

穂乃果「いいなー! ねぇねぇ海未ちゃん」

海未「嫌です」

穂乃果「まだ何も言ってないじゃーん!」

海未「あぁ、そうでしたね…すみません。それで穂乃果の分のお弁当を作ってくるのは嫌ですが、何でしょう?」

穂乃果「うぅ、何でもありません」

ことり「…海未」

海未「お嬢様?」

ことり「食べさせて」

海未「そ、それはいくら何でも……人目もありますし…」

ことり「海未、ことりのお願い聞いてくれないの?」

海未「お、お嬢様……」

穂乃果「それくらいいいじゃん。どうせ皆、海未ちゃんがことりちゃんの執事だってこと知ってるんだし誰も変に思わないよ」

ことり「そうそう、穂乃果ちゃんの言う通り♪」

海未「わ、わかりました…」

ことり「うん、お願い」

海未「い、いきますよ……あーん…」

ことり「あ~ん……はむっ、ん…美味しい♪」

海未「は、はい…」

ことり「もう一回、ね?」

海未「あ、あーん……」

ことり「あ~んっ♪」

穂乃果「おぉ…、見てるこっちが蕩けそうなくらい甘々だね…」



穂乃果「ふぁぁ……やっと授業終わったぁ……」

ことり「お疲れ様、穂乃果ちゃん」

海未「お嬢様もお疲れ様でした。というか穂乃果はずっと寝ていたではありませんか」

穂乃果「だ、だって……今日は早起きしちゃったから…」

海未「仕方ありませんね、穂乃果は……。お嬢様、この後のご予定は何かありますか?」

ことり「ううん、特に考えてないけど」

穂乃果「あっ、だったら久しぶりに三人で何処か遊びに…って思ったんだけど穂乃果、店番頼まれてたんだったよー…」

ことり「そうなんだ…残念…、また今度一緒に遊ぼうね」

穂乃果「うん! じゃあ穂乃果、急いで帰らなきゃ! ばいばーい! また明日ねー」

ことり「ばいばい!」

海未「明日は無理に早起きしなくても結構ですよ。まぁ遅刻されるよりはマシですが」



海未「さて…、私達も帰りましょうか。お嬢様」

ことり「海未、手繋いで」

海未「それは学校を出てから。この前約束しましたよね?」

ことり「そうだったっけ~?」

海未「惚けてもダメです。もう少し我慢してください」

ことり「はいはい、なら早く行こ♪」

海未「お、お嬢様っ、待ってください!」


ことり「海未、早く早くっ!」

海未「お嬢様っ、走っては危ないですよ!」

ことり「平気平気…っ、きゃっ!?」
ドンッ

真姫「痛いわねっ、危ないじゃない!!」

ことり「ご、ごめんなさい……あっ」

真姫「貴女、ここの理事長の…」

ことり「あ、あの…」

海未「お嬢様っ、大丈夫ですか!?」

真姫「生意気にも執事従えていい気になってるの? 理事長の娘だか何だか知らないけど、勘違いしてそうだから教えてあげるわ」

真姫「ここで一番偉いのはこの私よ? いい? 次からは私と顔を合わす時、態度には十分気を付けることね」

ことり「あ、あぅ……」

海未「……っ」

ことり「海未…、行こ…」

海未「……っ!」

真姫「何してるの? さっさと立ち去りなさいよ。私の機嫌が変わらないうちに」

海未「……自分の主を愚弄されて、執事として引き下がれる筈ないでしょうっ」

ことり「う、海未っ…」


真姫「はぁ? 執事の分際で、まさかこの私に意見する気?主が主なら執事も執事ね」

海未「大切なお嬢様を守ることは執事として当然の務めだと思いますが?」

ことり「う、海未っ…もういいからっ…」

海未「良くありませんよ、私は…」

絵里「真姫様」
スッ

真姫「遅いわよ、エリー」

絵里「申し訳ございません」

海未「生徒会長……?」

真姫「あら? もしかして知らなかった? エリーは私の執事よ」

海未「せ、生徒会長が一生徒の執事に……!?」

絵里「真姫様、この者達が何か無礼を?」

真姫「そうね…」

ことり「あ、あのっ…ごめんなさいっ!」

海未「お、お嬢様!? 何を」

ことり「もういいから行くよっ、海未!」

海未「は、はいっ…」



真姫「あの執事、気に入らないわね…」

絵里「南ことりの執事、確か……園田海未、と」

真姫「園田海未……、ふふっ、あーはっはっは!!」



ことり「……っ」

海未「お嬢様っ、どうして…」

ことり「……あの子に逆らっちゃダメなの」

海未「何故ですか……? 生徒会長を従えているのを見れば只者ではないのはわかりますが」

ことり「あの子は西木野真姫…」

海未「西木野……あの西木野ですか……? 知っていますが、しかし」

ことり「……この学校の理事はお母さんが受け持ってるけど、実質資金を援助して学校を動かしているのは西木野さんの家なんだよ」

海未「そ、そんな…!? 私はそんなこと一言も…」

ことり「はっきり言って私とあの子の家じゃ格が違いすぎる……だから、絶対に逆らっちゃダメなの……。じゃなきゃ私もお母さんも、学校も……」

海未「……そうだったのですか……すみませんでした」

ことり「でも今まで通り何にもしなかったら大丈夫だから! もう忘れよ? さっきのことは」

海未「……はい」

ことり「それよりこの後、どうしよっか? そうだ! ことり、お夕飯にハンバーグが食べたいなぁ♪」

海未「ハンバーグ、ですか……なら私は材料の買い出しに」

ことり「ことりも一緒に行く」

海未「え? しかし、お嬢様にそのような…」

ことり「学校出たら手握ってくれるって…、約束だったよね?」

海未「…はい、そうでした。でも、また急に走り出さないでくださいね」

ことり「それは海未次第だよ? ことりの手、離さないでね。うふっ」

海未「かしこまりました。お嬢様、お手を」
サッ

ことり「ん」
ギュッ

なんとなくやらせたい事が纏まってきました! また気が向いたら書くにゃ!
ではではー



ことり「ねぇねぇ、重くない?」

海未「平気ですよ、これくらい」

ことり「でもこんなにいっぱいぶら下げて…、やっぱりことりも一つ持つよ」

海未「そ、そんなっ…、お嬢様の手を煩わせるなど…」

ことり「えぇ~、だってすごく歩きづらそうにしてるよ?」

海未「……お嬢様、お言葉ですが」

ことり「うん?」

海未「私が歩きづらいのは荷物のせいではなく、お嬢様が私の腕にしがみついているからです」

ことり「だってだって! 手繋いでくれる約束なのに海未が」

海未「それは荷物を持っているから…」

ことり「だから、ことりも持つって」

海未「ダメです」

ことり「ね? だからこうするしかないんだよ~♪」

海未「はぁ……」

ことり「えへへ~♪ 海未」
ギュッ

海未「はい」

ことり「うーみっ♪」

海未「何でしょうか?」

ことり「呼んだだけ~♪」

海未「ふふっ。お嬢様、ハンバーグは和風と洋風、どちらがよろしいですか?」

ことり「今朝は和食だったから、洋風で!」

海未「かしこまりました」



海未「……」
ジューッ

ことり「~♪」

海未「……」
ジューッ

ことり「じゅ~」

海未「…あの、お嬢様……リビングでゆっくり寛いでいてください。見ていても面白いものではないでしょう?」

ことり「海未が構ってくれないとつまんないんだもん…」

海未「もうすぐ終わりますから」

ことり「……お母さんは?」

海未「奥様は、今日も仕事で遅くなられると…」

ことり「……そっか」

海未「お嬢様……」

ことり「……」

海未「……お嬢様、恥ずかしながらやはり私一人では手が回りそうにありません。お皿にサラダを盛り付けるのを手伝って頂けないでしょうか?」

ことり「うんっ!」

海未「レタスはあちらにありまして、きゅうりとトマトとパプリカはまだこれから……絶対に手を切らないよう気を付けてくださいね」

ことり「は~いっ♪」


ことり「んしょっ…、んっ…!」
ザクザクッ

海未「お上手です、お嬢様」

ことり「えへへ、ハンバーグももう出来る?」

海未「はい、まもなく」

ことり「くんくん…わぁ~、いい匂い~」



海未「お待たせ致しました。お嬢様に手伝って頂いてとても助かりました、ありがとうございます」

ことり「さ、食べよ?」

海未「……あ、あの」

ことり「もぅ…、またどうせことりと同じ食卓につくのはどうとかって言うんでしょ? ていうか毎日言ってるよね」

海未「は、はい……ですが使用人の分際の私がそんな恐れ多いこと…」

ことり「ふ~ん…、じゃあことりに一人で食べろっていうの?」

海未「そ、それは…そのっ……」

ことり「へぇ、海未はことりに寂しい思いさせても平気なんだ~?」

海未「あ、あぅ……あまり苛めないでください、お嬢様…」

ことり「なら一緒に食べよ? これから毎日」

海未「か、かしこまりました…。お嬢様がそのように仰ってくださるなら」

ことり「それから明日以降も今みたいなこと言うの禁止! ていうかこのくだり飽きちゃったんだもん! 毎日やってるし…」

海未「は、はい…!」

ことり「もし破ったら~…」

海未「え……何かペナルティでも課せられるのですか……?」

ことり「う~ん…そうだなぁ~……あ、よし! 次今みたいなこと少しでも言っちゃったら、ことりにキスしてもらうからそのつもりでね♪」

海未「キ、キスっ!? そ、それはいくらなんでも…」

ことり「約束破んなきゃいいだけだから、出来るよね?」

海未「か、かしこまりました…!」

ことり「……別に破ってくれても全然いいんだけど、うふっ♪」

海未「お嬢様? 何か仰られました?」

ことり「ううんっ、何でもな~い! それより早く食べよ? せっかくのお料理が冷めちゃう!

海未「はい」



ことり「えいっ」

海未「あ……また負けてしまいました。お嬢様はババ抜きがお嬢様なのですね」

ことり「……」
ジーッ

海未「あの……何か……?」

ことり「海未、さっきからわざと負けてるでしょ?」

海未「そ、その様なことは…」

ことり「え~! だってそんなコロコロ表情変える人なんかいないよ!」

海未「表情?」

ことり「ふ~ん、まぁいいや! ふわぁぁ…」

海未「お嬢様、そろそろお休みになられた方がよろしいのでは?」

ことり「ん……そうしようかな」

海未「はい、ごゆっくりお休みください」

ことり「海未はまだ寝ないの?」

海未「そうですね、私はまだ仕事がありますので」

ことり「そっか…、ねぇ海未……ことりが眠るまで傍にいてくれない?」

海未「構いませんが、今日のお嬢様は随分と甘えたがり屋さんですね。ふふっ」

ことり「…ん」


あ……やってしまった……
お嬢様→お上手


海未「電気消しますよ?」

ことり「ん…、ことりが寝るまで何処にも行っちゃやだよ?」

海未「はい、ずっとお嬢様の傍におります。子守唄は唄って差し上げられませんが」

ことり「…海未、手」

海未「はい」

ことり「ん…、海未の手ってすごく安心する」
ギュッ

海未「はい」

ことり「…海未、頭撫でて」

海未「はい」
ナデナデ

ことり「……海未、キスして」

海未「それは出来ません」

ことり「……ケチ」

海未「ほら、あまり話しばっかりしていてはいつまで経っても眠れませんよ? 明日こそ寝坊は許しませんから」

ことり「うん……おやすみ、海未」

海未「はい、お休みなさいませ」

ことり「……」
モソッ

海未「ずっと傍におりますので御安心を」




ことり「すぅ……すぅ……」

海未「ふふ…、可愛い寝顔ですね。……ことり」

ことり「すぅ…、すぅ……うみ……だいすき……」

海未「……さて、そろそろ奥様が戻られるのでお夜食の支度を」


ことり「……何処行くの? 海未」
グイッ

海未「え? お、お嬢様……まだ起きていらっしゃたのですか」

ことり「……」

海未「寝付けないのですか? お嬢様」

ことり「……ことりって呼んでよ、さっきみたいに」

海未「えっ……?」

ことり「うみぃ…」
ギュッ

海未「い、いけませんっ……私とお嬢様はそんな…」

ことり「……海未は、海未はことりの執事さんだよね…?」

海未「はい…そうですよ、ですから…」

ことり「だったら…、ことりのお願い聞いて…」

海未「お、お嬢…さま……」

ことり「…ことり、だよ」

海未「……こ、こと…り……」

ことり「うん、海未…」

海未「…ことり」

ことり「海未……ん、ちゅ……ぁ……ン…」

海未「んっ、ンん……!? ふぁ…ンちゅ……ぁあ……っ」

ことり「ん……っ、ぷぁ……」

海未「お、お嬢さ……ことりっ!?」

ことり「海未…、大好き……大好きっ……だから……ね?」

海未「い、いけませ…っ、駄目……こ、ことりぃぃーっ!!」


──────────
────────
──────
────
──



ことり「──っていうのに憧れちゃうなぁ~」

海未「は、はぁ……」

ことり「というわけで作ってみたの!」

海未「はい…?」

ことり「海未ちゃん専用の執事服! さっそく着てみて♪」

海未「え……」

ことり「あれ? 気に入ってくれなかった? じゃあこっちの膝上80cmのスカートの方が…」

海未「し、執事服でお願いしますっ!」



━━fin━━

途中打ち切り的な……このまま続けたらエロかグロになっちゃいそうだったので
やっぱこういうの向いてないわー

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月13日 (水) 00:20:21   ID: 1q78FfPn

次の日……かと思ったら妄想にしちゃったか

2 :  SS好きの774さん   2014年09月15日 (月) 22:30:15   ID: 5TdHSswE

続けなさいよ!

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