501基地 周辺
リーネ「芳佳ちゃーん。どう?」
芳佳「こんなに採れちゃった。リーネちゃんは?」
リーネ「いっぱい採れたよ。結構あるんだね」
芳佳「うん。これで暫くは大丈夫だね」
リーネ「ルッキーニちゃんはどうしたのかな?」
芳佳「確かこっちに――」
バルクホルン「ふんっ!!」ドゴォ!!!
ルッキーニ「ごっ……!? うぇ……!! おぇ……!!」
芳佳「なっ!?」
リーネ「芳佳ちゃん? ルッキーニちゃん、そっちにいるの?」
芳佳「え!? あ、えと……!! ちょ、ちょっと!! 待ってて!! リーネちゃん!!! 絶対にここを動かないでね!!!」
リーネ「う、うん……」
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数時間前 ミーティングルーム
ミーナ「みんな、集まったわね」
バルクホルン「急を要することらしいが何かあったのか?」
美緒「ああ。事態はかなり逼迫していると言っても良い」
芳佳「まさか、ネウロイ!?」
ミーナ「いえ。ある意味、ネウロイより恐ろしいことが起こっています」
エーリカ「ネウロイより?」
エイラ「なんだろうな、サーニャ?」
サーニャ「すぅ……すぅ……」
美緒「実はな……。3日後には食料が尽きることになるだろう」
ルッキーニ「えー!?」
シャーリー「どうして!?」
ミーナ「最近、ネウロイの動きが活発化してきていて、補給にも時間がかかるようになってきたの」
美緒「次の補給は早くても5日後になる。食料が絶対にもたない」
ペリーヌ「食料ですか。それなら少し節約すれば解決ですわね」
シャーリー「なにいってるんだ!! ペリーヌ!!!」
ルッキーニ「そーだ! そーだ!」
ペリーヌ「な、なんですの? 節約したらいいじゃありませんか」
シャーリー「そういう問題じゃないだろ!!」
バルクホルン「シャーリーの言うとおりだ。節約で済む問題ではない」
シャーリー「おかわりは絶対に3回するって決めているんだ!! それを今更2回になんかできるわけないだろ!!」
ルッキーニ「そーだ! そーだ! ちなみに私は5回だー!!」
美緒「そうではない」ゴンッ
シャーリー「いてっ」
ペリーヌ「で、ですが……」
バルクホルン「補給が不定期になっているということは、これから先も常に食料のことを心配しなければいけない」
芳佳「そっか。5日後に来る補給はいいとして、次がいつ来るかはわからないんですね」
ミーナ「ええ。今のところ、未定になっているわ。少し節約するだけで解決することではありません」
シャーリー「お、おかわり、できないのか……?」
バルクホルン「それどころか1日3食を1食以下にしなければいけなくなる」
ルッキーニ「餓死しゅるー!!」
シャーリー「ふざけるな!! あたしはそんなの認めない!! たとえ少佐や中佐の命令でもそれだけはきけない……!!!」
美緒「シャーリー、死にたいのか?」
エーリカ「トゥルーデも1日3食は絶対に食べるもんね」
バルクホルン「我々は軍人だ。軍人は体が資本。その体をつくるのは――」
エーリカ「規則正しい生活と食事であります」
バルクホルン「その通りだ」
エーリカ「もう耳に穴が開くくらいきいたよ、それ」
エイラ「中尉、耳にはもう穴があいてるだろー。バカだなー」
エーリカ「あ、そうだった。私としたことが」
ミーナ「ハルトマン、エイラさん。真面目にして。本当に命の危険に繋がることなのよ」
エーリカ「でも、補給が完全に途絶えるってことはないんでしょ? なら、あんまり危機って感じでもないんじゃん」
リーネ「そ、そうですか? 食べ物がないって、かなり困ると思うんですけど……」
エーリカ「トゥルーデだって、私と同じ考えでしょ?」
バルクホルン「少佐とミーナも似たことを考えているはずだ」
芳佳「どういうことですか?」
美緒「ハルトマンの言うとおり、補給が不定期になっても完全に途絶えるということはまずありえない。どんなに長くても二週間待てば必ず食料は届く」
シャーリー「その間、おかわりなしなんですか!?」
ルッキーニ「やだー!!! おなかすいてしぬー!!!」
シャーリー「ルッキーニが可哀相だ。どうかルッキーニ少尉とシャーリー大尉はおかわり自由にできないか?」
バルクホルン「お前は……」
美緒「食料が枯渇するかどうかの瀬戸際だ。できれば我慢してほしい。だが、どうして3杯は食べていたいというのなら、私のをくれてやる。安心しろ」
シャーリー「しょ、少佐ぁ……」
ルッキーニ「あ、ありがとう……」
美緒「うむ」
ペリーヌ「で、では!! 減ってしまった少佐の分はわたくしが!!!」
芳佳「それだとペリーヌさんが可哀相!! なら、ペリーヌさん分は私が分けてあげる!!」
ペリーヌ「ほ、施しは必要ありませんわ!!」
リーネ「芳佳ちゃんには私が分けてあげるからね」
芳佳「いいの!? わーい。ありがとー、リーネちゃん」
エイラ「それだとリーネが少なくなるじゃないか。しかたねーなー。リーネは私の分をくれてやる」
リーネ「い、いいんですか!?」
エイラ「あまり食べるほうじゃないしな」
サーニャ「う……なんのはなし……?」
エイラ「サーニャには関係のない話だ」
サーニャ「そうなの?」
エーリカ「そんなことないよ。今ね、食料が足りないからみんなで分けようって話しててさ」
サーニャ「そうなんですか。分かったわ、エイラ。足りなかったら、私に言ってね。分けてあげるから」
エイラ「サ、サーニャ……そういうことじゃ……」
エーリカ「サーにゃんの食べる分が減っちゃうなぁ。そーだ、サーにゃんは私のを食べていいからね」
サーニャ「いいんですか?」
エーリカ「もっちろん。私はミーナとトゥルーデのをもらうから。にひぃ」
バルクホルン「誰が渡すか」
ミーナ「調子に乗らないように」
エーリカ「え……」
シャーリー「心配するな、ハルトマン。ハルトマンはあたしのを食べて良いからさ」
ルッキーニ「あたしのもたべていいよー」
エーリカ「ほ、ほんと?」
ルッキーニ「あい! 少佐からわけてもらえるから、だいじょーぶ!」
エーリカ「さっすが、ルッキーニとシャーリーだ! わかってるぅ!」
ペリーヌ「ちょ、ちょっとお待ちを。みなさんが分け続けたら意味がありませんでしょう」
美緒「いつまでも食料を分け続けるだけになるな」
バルクホルン「そうならないための考えはあるんだろう?」
美緒「一応な。ただ、上手くいくとは限らない」
バルクホルン「だがやってみる価値は十分にある」
芳佳「あの。考えってなんですか?」
エーリカ「自給自足、だよね?」
リーネ「自給自足……!」
ペリーヌ「も、もしかして、サバイバルをしようとか……そういうことですの……」
ミーナ「お腹いっぱい食べたい人はそうしたほうがいいわね」
美緒「基地の周辺には海もある。森もある。幸い、食べ物には困らんはずだ」
ペリーヌ「し、しかし、魚はまだしも、自生している植物の類を食べるのには少々抵抗が……」
リーネ「そうですね。毒とかあるかもしれないですし」
芳佳「魚にも毒はあるもんね」
美緒「そんなことは分かっている。だが、草すらも食わねばならないときもある。そうだな、サーニャ?」
サーニャ「はい?」
美緒「オラーシャ陸軍ではサバイバル訓練もよくやっただろう」
サーニャ「……」
美緒「どうした?」
サーニャ「すみません。殆ど、経験がありません……」
美緒「そ、そうか。シャーリーは?」
シャーリー「あたしも草を食った経験はないですね」
美緒「海軍の私でもそれぐらいの経験はあるぞ……。どうなっている……」
ミーナ「ともかく。しばらくの間、通常任務の他に食料調達もすることになるので、そのつもりで」
エイラ「うぇー。面倒だなー」
バルクホルン「やらないのならそれでもいい。ただし、食事制限は免れないがな」
エイラ「別に私はそんなにガツガツ食わないしなぁ」
サーニャ「でも、お腹がすくと大変よ?」
エイラ「そうだけどさ」
美緒「いいのか、エイラ。もしも補給が届く前に食料が尽きてしまった場合は、自らの手で勝ち取ったものしか口にはできないことになるぞ」
エイラ「うぅ……」
芳佳「大丈夫ですよ! エイラさん!!」
エイラ「え?」
芳佳「足りないときは私の分も食べてください!!」
エイラ「宮藤……」
リーネ「私の分もいいですよ。エイラさんの分も取ってきますから」
エイラ「リ、リーネ……」
サーニャ「エイラ。遠慮しなくていいから。私の分も食べて」
美緒「よかったな、エイラ。どうやら食べるものに困ることはなさそうだな。はっはっはっは」
エイラ「い、いく!! 私もとりにいくってー!!! なんかすっごくかっこわるいじゃないか!!」
芳佳「えー? かっこ悪くなんてないですよー。こういうときこそ、助け合いの精神です」
エイラ「そういうのが嫌だっていってんだよぉ。自分の分ぐらい、自分でなんとかする」
サーニャ「うふふ。エイラ、偉いわ」
エイラ「もー……」
シャーリー「腹いっぱい食べるには自分でなんとかするしかないな」
ルッキーニ「だね!! よぉーし!! がんばるぞー!!!」
エーリカ「おー!! 宮藤ぃ、リーネ。私の分もよろしくぅー!!」
芳佳「はい!! 任せてください!!」
リーネ「がんばりますっ」
エーリカ「うんうん。良い後輩がいて、私は嬉しいよ」
バルクホルン「……エーリカ?」
エーリカ「冗談に決まってるじゃん」
バルクホルン「……」
美緒「では、本日の食料調達班を発表する」
ミーナ「リーダーにはバルクホルン大尉と坂本少佐。他のメンバーはハルトマン中尉、ルッキーニさん、リーネさん、宮藤さんです。リーダーの言うことをよく聞くようにね」
芳佳「がんばろうね、リーネちゃん!!」
リーネ「うん!!」
バルクホルン「いいか。食料調達班とあるが、自分の分だけ確保できればそれでいいからな」
芳佳「え? 私、みなさんも分も取りますよ」
バルクホルン「殆ど食料になるものが取れない場合も考えられる。その場合、最優先するのは自身の分だけでいい」
美緒「まだ備蓄はある。焦ることもないが、自分自身の食料を気にしていれば良い」
エーリカ「えー? いじわるぅ」
ルッキーニ「めぐんでー」
バルクホルン「まずは自分が食べるものだ。他の者への食料などついでで構わない」
芳佳「そんな!! こういうときこそ、力を合わせましょう!!」
美緒「宮藤の言いたいことも分かる。私もできる限りの食料はかき集めるつもりでいる。全員にメシの心配をさせるつもりもない。しかし、最初に言ったとおり必ずしも成功するわけではない」
リーネ「釣果に恵まれなかったり、食べられる植物を採れなかったりしたら……」
バルクホルン「そういうことだ。本当に困窮した場合、自らが取ったものまで他人にやる必要はない」
芳佳「でもぉ……」
美緒「非情ではあるがそういったルールは必要だ。極限状態になってから喧嘩などしたくないからな」
エイラ「別にいいぞー。他が食料調達するんだろー? 私の分は明日、私が集めるからなー」
ペリーヌ「わたくしもですわ。宮藤さんの取ってきたもので飢えを凌ごうなんてこれっぽっちも考えていませんから」
芳佳「いえ!! なんと言われようとも、私はみなさんの分も取ってきます!!」
シャーリー「そこまでいうなら、まかせた。宮藤、あたしを養ってくれ」
芳佳「はい!! シャーリーさんのごはんは私がなんとかします!!! 5回でも6回でもおかわりしてください!!!」
シャーリー「宮藤はかわいいなぁー」ナデナデ
芳佳「えへへ」
バルクホルン「……リベリアン」
シャーリー「ウソに決まってるだろ。そんな怖い顔するなよ」
バルクホルン「どうだか」
ルッキーニ「あたしも芳佳がぜーんぶやってきてくれるならそれでいいんだけどぉ」
美緒「参加したくないのなら、しなくてもいいぞ。だが、絶対におかわりなどさせんがな。大盛りもなしだ」
ルッキーニ「えー!?」
美緒「働かざるもの食うべからず、だ。それが嫌なら宮藤やリーネに頼らず、自力で掴み取れ」
ルッキーニ「うじゅぅ……。りょーかぁーい」
>>14
訂正
エイラ「別にいいぞー。他が食料調達するんだろー? 私の分は明日、私が集めるからなー」
↓
エイラ「私の分は別にいいぞー。他は明日食料調達するんだろー? 私の分は私が集めるからなー」
ミーナ「では、みなさん、よろしくね。解散」
エイラ「んー。サーニャ、とりあえず部屋にいくかー」
サーニャ「ええ。あ、芳佳ちゃん」
芳佳「なに?」
サーニャ「がんばってね」
芳佳「ありがとう。サーニャちゃんのごはんは私が守るからね」
サーニャ「嬉しい。明日は私が食料調達することになるから、芳佳ちゃん分は私ががんばってとってくる」
芳佳「ホントに!? うれしー!! だったら、サーニャちゃんの分、いっぱいとってくるから!!」
サーニャ「そ、それなら私も芳佳ちゃんの分をたくさんとってくるわ」
芳佳「負けないよ!! サーニャちゃん!!」
サーニャ「うんっ」
エイラ「なんの勝負だよ……」
ペリーヌ「リーネさんも気を遣う必要はありませんから」
リーネ「は、はい。だけど、やっぱりペリーヌさんにもお腹いっぱいになってほしいですから。ペリーヌさんの分も必ず取ってきます」
ペリーヌ「ふん……。そんなことされてもお礼はいいませんからっ」
バルクホルン「食料調達班、集合」
芳佳「はーい」テテテッ
ルッキーニ「もういくのー?」
美緒「1日に2回行う。1回目は0900時から1200時、2回目は1500時から1800時だ」
エーリカ「えぇ? その前後に訓練とか哨戒任務とかあるんだけどぉ」
バルクホルン「当たり前だ。任務が増えたからと他の任務まで削るようなことはない」
ルッキーニ「休憩なしぃ?」
美緒「言うなれば調達中が休憩時間だな」
芳佳「そっか。釣りのときは基本的に座ってるだけだもんね」
リーネ「野菜とかを採りにいくときは大変だけどね」
美緒「では、組分けを発表する。海釣り部隊は私とハルトマン。食用植物採取部隊はバルクホルン、ルッキーニ、リーネ、宮藤だ。尚、2回目は組を変更する」
芳佳「よろしくお願いします、バルクホルンさん」
バルクホルン「ああ」
美緒「バルクホルンは植物についてそれなりに知識がある。何か分からないことがあればバルクホルンに訊くと良い」
芳佳「そうなんですか? バルクホルンさん、なんでもできてすごいなぁ」
バルクホルン「軍人として必要な知識だ。覚えておいて損をする事はない」
芳佳「色々、教えてくださいねっ」
リーネ「私もお願いします」
バルクホルン「あ、ああ。お、教えてやる」
芳佳「わーいっ。たのしみぃー」
リーネ「そうだね」
バルクホルン「いいか? 遊びじゃないんだぞ?」
ルッキーニ「よしかー。じゃあ、私は虫のことおしえてあげるー」
芳佳「ホントに? うん。おしえてー」
ルッキーニ「食べられる虫とかもいるんだよ」
芳佳「あ、扶桑でもイナゴは食べるよ」
バルクホルン「ほう。確かに栄養価の高い昆虫もいるからな。良い考えだ。それも採取リストに挙げておこう」
リーネ「む、むしを……たべるのは……あの……できれば……やめてほしいなぁ……なんて……」
美緒「ハルトマン。何故お前に釣りをさせるかわかっているな?」
エーリカ「頑張ってはみるけど期待しないでよ?」
ミーナ「みんな。道具は揃えておいたから、自由に持って行ってね」
芳佳「ありがとうございます! 軍手かりますね!!」
ミーナ「うふふ。それはプレゼントよ」
芳佳「いいんですか!? やったー! 大事にします!!」
ミーナ「あらあら。軍手だけでそんなに喜んでくれるなんて」
シャーリー「宮藤は何もらっても喜びそうだな。拳銃以外は」
ミーナ「まぁ、武器をもらって嬉しがる人もあまり居ないと思うけど」
バルクホルン「新品で最新式の銃器なら欲しいが」
シャーリー「野蛮だなぁ」
バルクホルン「お前も他人のことがいえるのか? 今欲しいものはユニットに使える部品かなにかだろう?」
シャーリー「部品じゃない。冷却装置だ」
バルクホルン「一緒だ」
美緒「準備はできたか? 行くぞ」
ルッキーニ「あにゃ? 釣竿はいいの?」
エーリカ「そんなの素人が使っていればいいよ。私ぐらいのプロになると寧ろ竿なんて邪魔なだけだね」キリッ
基地周辺
美緒「では、ここからは別行動となる。何かあれば無線ですぐに知らせてくれ。バルクホルン、頼むぞ」
バルクホルン「了解」
芳佳「バルクホルンさん!! 行きましょう!!」グイッ
リーネ「色々教えてくださいね!」ギュッ
バルクホルン「お、おい! お前たち!! 引っ張るな!!」
ルッキーニ「大尉ー!! 虫、いっぱいとろー!! むしぃー!!」ギュゥゥ
バルクホルン「抱きつくな!! 暑苦しい!!」
リーネ「やっぱり、虫はとるんですか……」
バルクホルン「居ればな」
リーネ「うぅ……」
ルッキーニ「今日の晩御飯は虫のフルコースだねっ」
リーネ「それだけはいやぁぁ!!!」
美緒「ハルトマン、用意はいいか?」
エーリカ「ちょっと待って、服脱ぐから」スルッ
芳佳「バルクホルンさーん!!」
バルクホルン「どうした?」
芳佳「これは食べられますか?」
バルクホルン「葉の部分は食べられるな。しかし、味はよくない」
芳佳「そうですか……」
バルクホルン「一応、採取しておけ。非常食にはなる」
芳佳「不味いのが分かっているのにいいんですか?」
バルクホルン「それは私が食べる」
芳佳「あ、そうですか」
ルッキーニ「にゃはー!! リーネ!!!」ダダダッ
リーネ「ルッキーニちゃん、どうしたの?」
ルッキーニ「食べられる芋虫みつけたー」
リーネ「ひっ……!?」
ルッキーニ「このままでも美味しいよ? たべるりゅ?」
リーネ「い……い……!」
海岸
「いやぁぁぁああああ!!!!!!」
美緒「……む。はっはっはっは。リーネも楽しんでいるようだな。やはり自然と触れ合うのもいい気分転換になる」
エーリカ「ぷはぁ!!!」バシャッ
美緒「おお。戻ったか」
エーリカ「ふぅー。大物ゲットー」
美緒「流石だな、ハルトマン。素手でこれだけの魚を取ってくるとは」
エーリカ「私にかかればこれぐらいはねー。ちなみにこれは少佐とミーナの分ね」
美緒「お前用ではないのか?」
エーリカ「こんなにおっきな魚はいらないって。じゃ、もう一回行ってくる」
美緒「そうか。次は誰用のを狙うつもりだ?」
エーリカ「んー? トゥルーデとシャーリー用かな。二人とも健啖家だからね。これよりも一回りぐらい大きいのがいるでしょ?」
美緒「となると自分の分は最後か?」
エーリカ「いーじゃん、細かいことはさ。じゃ、いってきまーす! とうっ!!!」ザッパーン
森
ルッキーニ「ぶぅー。そんなに叫ばなくてもいいじゃん」
リーネ「だ、だって……」
芳佳「ルッキーニちゃん。リーネちゃんは虫があまり得意じゃないから」
ルッキーニ「むぅー」
バルクホルン「ルッキーニ、私と一緒にこい。虫の採取は私とやるぞ」
ルッキーニ「はぁーい」ギュッ
リーネ「ご、ごめんなさい、バルクホルンさん……」
バルクホルン「気にするな。私たちは向こうのエリアで採取を続ける。何かあればすぐにこい」
芳佳「了解!」
バルクホルン「あと、遠くに行きたいときは必ず私の許可を得てからだ。いいな?」
リーネ「はい!」
バルクホルン「よし。行くぞ、ルッキーニ」
ルッキーニ「またあとでね、リーネ、よしかぁ」
芳佳「うん!」
ルッキーニ「リーネも酷いよね。こんなに可愛い虫なのに、ぎゃー!なんて」
バルクホルン「ルッキーニ少尉。リーネにとって弱点であるから、それを克服させる意味ではお前の行動は一概に悪いとは言えない」
ルッキーニ「でしょー? これもリーネのためを思って――」
バルクホルン「正しいとも言えないんだぞ?」
ルッキーニ「ひぃ」ビクッ
バルクホルン「駆け寄って急に苦手なものを目視させるのはどうだ。大切な仲間にそんなことをしてもいいと思うか?」
ルッキーニ「そうだけどぉ」
バルクホルン「克服させるならもう少し可愛げのある虫から触れさせるべきだ。虫が苦手なやつに芋虫はハードルが高すぎる」
ルッキーニ「だったら、何がいいのぉ?」
バルクホルン「普通は蝶やてんとう虫が……」
ルッキーニ「あ!! 食べられる虫はっけんだー!!!」
バルクホルン「おい!! 話は最後まできけ!!!」
ルッキーニ「たいいー!! これ!! みてー!! かたつむりー!!」
バルクホルン「ほう? こんなところに生息しているのか」
ルッキーニ「にゃはー。どうやってたべる
バルクホルン「エスカルゴの食べ方は色々あるからな……」
ルッキーニ「にひぃ。今日は豪勢なディナーになるかもー」
バルクホルン「それを望むならとにかく量だな」
ルッキーニ「りょうかい!! がんばろー!!」
バルクホルン「まずは自分が食べる分だ。いいな。余剰分を皆に分ければいいからな」
ルッキーニ「わかってるってー」
バルクホルン「本当か?」
ルッキーニ「かたつむりー葉っぱの裏にいないかなぁー?」ガサガサ
バルクホルン「全く……」
バルクホルン「私も探すか……。こういうところにはキノコがあるはず……」ガサガサ
バルクホルン「む……」
ルッキーニ「いたー!!!」
バルクホルン「また見つけたのか?」
ルッキーニ「ナメクジー!! おっきいから飼うー!!」
バルクホルン「元の場所に戻してこい!!!」
バルクホルン「ふぅー……。もうこんな時間か。そろそろ次の場所に行くか」
ルッキーニ「たいいー!!」テテテッ
バルクホルン「どうした?」
ルッキーニ「カゴいっぱいにナメクジとってきた。24匹いるよ。どう? すごいでしょー?」
バルクホルン「……そうだな。よくやった」
ルッキーニ「にゃはー」
バルクホルン「エスカルゴは見つからなかったか」
ルッキーニ「うんっ。だめだった」
バルクホルン「では、そろそろルッキーニも食用植物を探してくれ」
ルッキーニ「いいよー」
バルクホルン「ああ、そうだ。少しの間、ここにいろ。宮藤とリーネに場所を移動することを伝えてくる」
ルッキーニ「あーい」
バルクホルン「くれぐれもその辺りのものを勝手に採って、食べるな」
ルッキーニ「しないってばぁ」
バルクホルン「ならばいい」
ルッキーニ「大尉、どんなのとったのかなぁ?」
ルッキーニ「おぉー。キノコだぁ」
ルッキーニ「これは草だけど、食べられるのぉ?」
ルッキーニ「うぇー。これはなんだか、まずそー」
ルッキーニ「……」グゥ~
ルッキーニ「あにゃ……。そういえば、もうすぐお昼だもんね……」
ルッキーニ「でも、このあとは訓練あるからすぐにゴハンたべれないもんね……」
ルッキーニ「うじゅぅ……」
ルッキーニ「……」キョロキョロ
ルッキーニ「これだけあるんだし、少しだけならだいじょーぶっ」
ルッキーニ「大尉がとったのなら安全だしぃ。どーれにしようかなぁ」
ルッキーニ「うーん。……これにしよっと」
ルッキーニ「いただきまぁーすっ」パクッ
ルッキーニ「はむっ……はむっ……」
ルッキーニ「おいしい……!! もう一個……」
芳佳「場所を変えるんですか?」
バルクホルン「ああ。自生しているものがあまりよくなくてな。違う場所に賭けてみたい」
芳佳「分かりました。えーと、あっちのほうですね?」
バルクホルン「そうだ。何かあれば」
芳佳「伝えますっ!」
バルクホルン「よし。リーネはどうした? 姿が見えないが」
芳佳「向こうにいるはずです。木に隠れて見えなくなってるだけで。リーネちゃーん!!! そこにいるー!?」
リーネ「はぁーい!! いまぁーす!!!」
バルクホルン「近くにいるならそれでいい。リーネにも伝えておいてくれ。それにしても中々の量だな」
芳佳「これだけあればみんなもお腹いっぱいになれますよね」
バルクホルン「野菜だけでは文句も出そうだがな」
芳佳「大丈夫です。ちゃんと美味しくしますから」
バルクホルン「楽しみだ。そろそろ戻る。ルッキーニがつまみ食いしている可能性もあるからな」
芳佳「まさかぁ。いくらルッキーニちゃんでもそれはないですよぉ」
バルクホルン「冗談だ。私もそこまでルッキーニが愚かでないことは知っている」
バルクホルン「ルッキーニ。待たせたな」
ルッキーニ「……」
バルクホルン「寝ているのか?」
ルッキーニ「うぅ……」
バルクホルン「次の場所に行くぞ。ほら、立て」
ルッキーニ「う……うぅ……」
バルクホルン「ルッキーニ? どうした?」
ルッキーニ「う……うぇ……うぅぅ……!!」
バルクホルン「おい、ルッキーニ。なんだ? 何があった?」
ルッキーニ「うぁぁ……ぃぃ……」
バルクホルン「……まさか。ここにあったキノコを食べたのか?」
ルッキーニ「うぁぁ……ごめ……ん……な……」
バルクホルン「これは生では食べられないキノコなんだぞ!!」
ルッキーニ「うっ……うぅぅ……」
バルクホルン「いや。私にも責任があるか。説明していれば手を出すことも……。そんなことより、早く治療を……!! 待っていろ、ルッキーニ!!」
ルッキーニ「うぅぅ……あぁぁ……」
バルクホルン「まずは吐き出さなくてはならない。いいか、指を突っ込むぞ?」
ルッキーニ「あぁ……いぃ……!!」
バルクホルン「多少苦しいだろうが、我慢しろ!!」
ルッキーニ「あぁぁ……!! ぐぅぅ……!!」
バルクホルン「おい!!」
ルッキーニ「うぅぅ……!!」
バルクホルン(くそ……。抵抗が激しいな。宮藤を呼んでくるほうが早いか……。しかし、このままでは命に……)
ルッキーニ「うぅ……あぁ……」
バルクホルン「……ルッキーニ? 死にはしないからな」
ルッキーニ「うぇ……?」
バルクホルン「ふんっ!!」ドゴォ!!!
ルッキーニ「ごっ……!? うぇ……!! おぇ……!!」
バルクホルン「よし」
芳佳「バルクホルンさぁぁぁん!!!!! ルッキーニちゃんになにやってるんですかぁぁ!!!!」
バルクホルン「宮藤か!! 丁度よかった!!」
ルッキーニ「おぇ……うぇ……」
芳佳「ルッキーニちゃん!! 大丈夫!?」
ルッキーニ「う……ん……」
バルクホルン「聞いてくれ、宮藤」
芳佳「喋らないでください」
バルクホルン「……」
ルッキーニ「よ、しゅか……」
芳佳「今、魔法で治療するから」パァァ
ルッキーニ「うぅ……」
バルクホルン「み、宮藤……あのだな……」
芳佳「……」パァァ
ルッキーニ「うぅ……ぅ……」
バルクホルン「み、宮藤。私の話をきいてくれ」
芳佳「……なんですか?」
バルクホルン「味は確かだが、調理しなければ必ず食中毒になるキノコだ。それをルッキーニが食べてしまった」
芳佳「それでバルクホルンさんは吐かせようとしてルッキーニちゃんのお腹を殴ったんですか?」
バルクホルン「そうだ。指を口に突っ込もうとしたら、ルッキーニの抵抗が激しくてな」
芳佳「……」
バルクホルン「宮藤を呼びにいくか迷ったんだ!! だが、ルッキーニのことも……!!」
芳佳「すみませんでした、バルクホルンさん。ルッキーニちゃんを救うためだったんですね」
バルクホルン「当たり前だ。訳もなくルッキーニを殴るか」
芳佳「いえ……。ルッキーニちゃんがつまみ食いをして、それに怒って殴ってたのかなって……」
バルクホルン「まぁ、つまみ食いはしていたが」
ルッキーニ「ごめんにゃさい……」
芳佳「ルッキーニちゃん。バルクホルンさんに食べるなって言われなかったの? 毒があったりして危ないんだよ?」
ルッキーニ「大尉がとったのなら大丈夫だと思ったの」
バルクホルン「ルッキーニ」
ルッキーニ「は、はい」
バルクホルン「殴って悪かったな。痛みはないか?」
ルッキーニ「平気だよ。ありがと」
バルクホルン「それなら……」
芳佳「でも、バルクホルンさん」
バルクホルン「な、なんだ?」
芳佳「お腹を殴るってすごく危ないんで、もう絶対にしないでください」
バルクホルン「分かっている!! だが、非常時だったから……仕方なくだな……」
芳佳「はぁー。もうびっくりしましたよぉ」
バルクホルン「私もルッキーニが苦しんでいるのをみて、動揺していた」
ルッキーニ「そうなの?」
バルクホルン「……大切な仲間だからな」
ルッキーニ「……」
芳佳「バルクホルンさん。ルッキーニちゃんを医務室に連れていったほうがよくないですか?」
バルクホルン「そうだな。万が一ということもある。――少佐、応答してくれ」
美緒『どうした?』
バルクホルン「トラブルが発生した。ルッキーニを医務室に連れて行く」
医務室
美緒「バカモノ!!! バルクホルン大尉の言うことを聞くようにと言っただろうが!!!」
ルッキーニ「うぇぇ……」
ミーナ「泣いてもダメです。ルッキーニさん」
ルッキーニ「うじゅ……」
シャーリー「大丈夫かよ?」
ルッキーニ「シャーリー、たすけ……」
美緒「こっちを見ろ!!!」グイッ
ルッキーニ「むぐぅ……!?」
美緒「いいか!? 治療に長けた宮藤とバルクホルンが傍にいたからいいものの!!! お前は危うく命を落としかけたのだぞ!!!」
ルッキーニ「あいぃ……」
ミーナ「本当に分かっていますか?」
ルッキーニ「う、うん……」
美緒「いや!! 分かっていない!!! シャーリー!! 口出し手出しはするな!!!」
シャーリー「しませーん」
海岸
エーリカ「ぷはぁ!!!」バシャッ
バルクホルン「大漁だな。こんなに獲ってきてどうするつもりだ」
エーリカ「あれ? 少佐は?」
バルクホルン「医務室だ」
エーリカ「宮藤、じゃないか。それならトゥルーデはここにいないし。リーネが医務室に運ばれる可能性も低いから……。ルッキーニ?」
バルクホルン「正解だ」
エーリカ「怪我はないの?」
バルクホルン「問題ない。腹に痣ができているかもしれないが、それも宮藤が治してくれたはずだ」
エーリカ「なんか悪いものでも食べた?」
バルクホルン「ああ。キノコを勝手にな」
エーリカ「そりゃ殴られても文句いえないね」
バルクホルン「それよりも早く体を拭いて服を着ろ。もう時間だ」
エーリカ「はぁーい。ふいてー」
バルクホルン「自分でふけ!!!」
エーリカ「午後はどうするのさ? 2回目の調達するの?」
バルクホルン「しないわけにもいかないだろう。食料はあって困るものでもないしな」
エーリカ「ありすぎると腐るじゃん」
リーネ「バルクホルンさーん!!」
バルクホルン「どうした?」
リーネ「はぁ……はぁ……。さ、坂本少佐が呼んでます。医務室まで来て欲しいと」
バルクホルン「了解。すぐに向かう。リーネはこれを食堂に運んでくれ」ドサッ
リーネ「こ、これ……魚……!?」
エーリカ「どう? ぜーんぶ私がとったんだぞぉ。ほめろー」
リーネ「す、すごいですけど、こんなにどうするんですか?」
エーリカ「食べるでしょ?」
リーネ「食べられるかなぁ……」
エーリカ「そっちはどうなの?」
リーネ「私たちもたくさん取れました。これだけあれば当分は大丈夫ですね」
エーリカ「そうだね。サーにゃん、喜んでくれるかなぁ」
バルクホルン「少佐、なにかあったか?」
美緒「詳しい話はルッキーニと宮藤から聞いた」
バルクホルン「そうか」
ミーナ「無茶をするわね」
バルクホルン「緊急事態だ」
美緒「ルッキーニの臓器が壊れたらどうするつもりだった?」
バルクホルン「魔法を使えば腹も貫通するだろうが、ただ吐かせるために殴ったんだ。細心の注意は払った。……宮藤には怒られたが」
美緒「まぁ、宮藤が近くにいたからこその決断でもあったのだろうが」
ミーナ「もうしないでね」
バルクホルン「約束する。それで私に何かあるんじゃないのか」
美緒「私ではない。こっちだ」
バルクホルン「ん?」
ルッキーニ「たいい……ごめんね……」
ミーナ「もう一度、謝りたかったそうよ」
バルクホルン「……二度と私の許可なく採ったもの食べるな。いいな?」
ルッキーニ「うん。絶対、たべにゃい」
バルクホルン「ならばいい」
ルッキーニ「おこらないの?」
バルクホルン「怒られたいのか?」
ルッキーニ「めっそうもないです!」
バルクホルン「またあとでな」
美緒「すまなかったな、バルクホルン大尉。ルッキーニには釣りをさせるべきだった」
バルクホルン「そんなことはない。ルッキーニ少尉がいてくれたからこその収穫もあった」
ミーナ「そうなの?」
ルッキーニ「そうだっけ?」
バルクホルン「良質な食材も手に入ったからな。量は少ないが」
美緒「ほう。それは楽しみだな」
ルッキーニ「あれ、たべていいよ。あたし、迷惑かけちゃったし」
バルクホルン「当然だな」
ルッキーニ「にゃははは」
食堂
サーニャ「……」
エイラ「サーニャ、何固まってんだ?」
サーニャ「エイラ。キッチンにカタツムリがいる」
エイラ「うぇ。ホントだ。生きてるぞ」
サーニャ「食材……?」
エイラ「マジかよぉ」
ペリーヌ「ちょっと!! だれなんですの!!! こんなところに大量のナメクジが入ったケースをおいたのはぁ!!!!」
エイラ「そんなのルッキーニ以外にいるかぁ?」
ペリーヌ「これから食事だっていうのに!!! 気分を害しましたわ!!!」
シャーリー「まぁまぁ、落ち着けよ、ペリーヌ。ナメクジは食材じゃないからさ」
ペリーヌ「あんなものを食材にしたらもう一年間はルッキーニさんと口をききませんからぁ!!!」
リーネ「あ、ペリーヌさん。見てください。こんなに採れたんですよ」
ペリーヌ「あら。ありがとう、リーネさん。ご苦労様」
リーネ「いえ」
エーリカ「宮藤って、魚捌けるの?」
芳佳「なんとか。でも、捌くのは坂本さんのほうが上手いと思います」
エーリカ「ふーん。私も手伝いたいけど、私がやると原型なくなっちゃうしなぁ」
芳佳「えぇ!? どうしたら原型がなくなるんですか!?」
エーリカ「なんか力がはいっちゃうじゃん?」
芳佳「そんなことないですよぉ」
バルクホルン「ハルトマン! お前はキッチンに入るな!!」
エーリカ「はいってないよー」
バルクホルン「全く」
芳佳「バルクホルンさん、ルッキーニちゃんはどうでしたか?」
バルクホルン「心配はない。もういつもの調子を取り戻していた」
芳佳「よかったぁ。それじゃあ、早速とれたての食材で料理しましょうか!」
バルクホルン「そうだな。新鮮なものはそれだけで美味いからな」
エーリカ「なんか手伝おうか?」
バルクホルン「何もしないことが1番助かる。座っていろ」
芳佳「できましたよー!! 新鮮な食材でつくりましたー!!」
シャーリー「まってましたぁ!!」
サーニャ「美味しそう。ありがとう、芳佳ちゃん」
芳佳「きにしなくていいよぉ」
サーニャ「明日、もっとたくさんとってくるから。もうペンペン草も残らないぐらいに」
芳佳「サ、サーニャちゃん!! 乱獲はダメだから!!」
美緒「うむ。いつも以上に味が良いのは気のせいではないな」
ペリーヌ「……まぁまぁですわね」
エーリカ「うまいうまい……はむっ……はむっ……」
シャーリー「おかわりアリか?」
リーネ「はいっ! いっぱい食べてくださいね!」
バルクホルン「リーネ。お前の食事だ」
リーネ「え?」
バルクホルン「ルッキーニがくれた食材で作ってみた。お前の弱点が克服できれば幸いだ」
リーネ「弱点……? 一体、どんな料理が……?」
ルッキーニ「カタツムリの姿焼きー」
リーネ「……」
バルクホルン「これならリーネもいけるはずだ。芋虫よりは見た目もいい」
ミーナ「あら、いいわね。可愛い」
美緒「カタツムリは食べられるのか」
シャーリー「おかわり!!!」
芳佳「はぁーい」
エイラ「私もダー」
サーニャ「エイラ、ガツガツ食べないんじゃなかったの?」
エイラ「いっぱいあるならいっぱい食べないとな」
サーニャ「そうね。私もおかわりしようかな」
ペリーヌ「……余っているなら、頂きますわ」
エーリカ「おおもりー!!」
芳佳「ちょっとまってくださーい」
リーネ「いやぁぁぁぁ!!! むしぃぃぃ!!!!!」
午後 海岸
ルッキーニ「でやぁー!!」
芳佳「あとは待つだけだね」
ルッキーニ「たいくちゅー」
リーネ「仕方ないよ。ルッキーニちゃんがキノコ食べちゃったから、森のほうへは連れて行けないっていってたし」
ルッキーニ「もうしないのにぃ」
芳佳「あはは。でも、釣りも楽しいよ?」
ルッキーニ「そうかなぁ?」
リーネ「私もやろう。えーと、芳佳ちゃん。釣り餌はどこかな?」
芳佳「あ、それならこれ使って」
リーネ「え……」
ルッキーニ「好きなナメクジ使っていいよ。迷惑かけちゃったお詫び」
芳佳「でも、ナメクジでつれるものなの?」
ルッキーニ「さぁ? ミミズもいけるからいけるんじゃにゃい?」
リーネ「あ……ぁ……もう……」
森
「いやぁぁぁあああ!!!!!」
エーリカ「リーネだ。はしゃいでるなぁ」
バルクホルン「手を動かせ」
エーリカ「わかってるよー。お? なんだこれ?」
バルクホルン「ふぅー。本当なら私も釣りがしたかった……。宮藤に手取り足取り釣りのイロハを……」
エーリカ「もぉーふぉんふぁふぁふぉふぃっふぇ」
バルクホルン「……エーリカ。何を食べている?」
エーリカ「え?」
バルクホルン「お前!!! そのキノコは!!」
エーリカ「なに? 毒キノコだった?」
バルクホルン「違ーう!!! それは宮藤に食べてもらうために……!!!」
エーリカ「まぁまぁ。自分の分以外はついでなんだし」
バルクホルン「きさまぁぁぁ!!!!」
美緒「はっはっはっは。大自然で用を足すのも悪くないな」
バルクホルン「ふんっ!!」ドゴォ!!!
エーリカ「ぐぇ」
美緒「何をしている!?」
バルクホルン「止めるな!! 少佐!!! 今日と言う今日は絶対に許さん!!!」
エーリカ「やめてよー」
バルクホルン「あのキノコは宝石とも呼ばれるほど珍しいものだったんだぞ!!!」
エーリカ「私が食べてもいーじゃーん」
バルクホルン「黙って食べる奴があるかぁ!!!」
美緒「はぁ……。食料調達はミーナたちに任せるほうがいいかもしれんな。この面子ではどうも問題が多すぎる」
バルクホルン「はけぇ!!! きさまぁ!!!」ギュゥゥ
エーリカ「くすぐったい」
美緒「こいつらに任せていては補給が届く前に全滅しかねんな……。ほら、もうやめろー」
バルクホルン「返せぇ!!! 私の食料をぉ!!!」
おしまい。
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