前スレのようなもの:
穂乃果「いらっしゃいませー!」俺「か、かわいい……」
短めの予定
書き溜めなし
ヤマなしオチなし
俺くん注意
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8月4日、俺は久しぶりに穂乃果に会いに音ノ木坂へ向かっていた。
メールなどでやりとりしていたとはいえ、実際に会うのは数ヶ月ぶりだ。
俺は嬉しさと緊張のせいで新幹線の中で小刻みに震えていた。
しかし数ヶ月経ってもASBのアプデは来なかった。くそう。
もう夏休みに入ったと聞いているが、夏のライブに向けての練習があるらしい。
練習に行ってる間、久しぶりに秋葉でも寄るか……。
という考えが一瞬脳裏をよぎったが、やっぱり真っ直ぐ音ノ木坂へ向かうことにした。
穂乃果に会いたいという気持ちが強いのは確かだが、
それと同じ、いや、それ以上にあの町に行きたいという気持ちも強かった。
誰だって自分の生まれ故郷は恋しいものである。
早く穂むらに行ってクリームあんみつを食べたい……。
そんなことを考えながら震えていたら、隣の人に心配された。
少し落ち着くためにやっぱり秋葉に寄ることにした。
東京駅に着いて、京浜東北線に乗り換えて秋葉原へ向かった。
神田で降りて風情ある町並みを楽しむのも悪くないと思ったが、ぐっと堪えて秋葉原で降りた。
秋葉原で見ておかなきゃいけないものがあったからだ。
あとで神田明神にも行かなくっちゃあな……。
秋葉原に着くと、俺は真っ先にアイドルショップへ向かった。
俺が穂乃果と出会った時からμ'sは有名だったが、
ラブライブで優勝したこともあり、名実共にNo.1スクールアイドルとなった。
チケットが取れなくて中継見てたけど、ラブライブの決勝では思わず泣いちまったなぁ……。
なーんて感慨にふけりながら歩いていると、アイドルショップに着いた。
「な……」
思わず声をあげそうになった。
どこを見てもμ's、μ's、μ's。
これじゃあアイドルショップじゃなくてμ'sショップなんじゃないか?
俺がまだ音ノ木坂に居た頃はA-RISEのグッズが多かったが今ではμ'sばかり……。
あまりの成長ぶりに度肝を抜かれつつ、俺は会計を済ませた。
とりあえず穂乃果のグッズは全部買っておいた。結構な出費になったが気にしない。
そして俺はいよいよ音ノ木坂へ向かった。
「ふぅ……」
音ノ木坂に着いた俺は、思わずため息を漏らした。懐かしい。
この数ヶ月間、俺は殆ど何も変わっていないが、穂乃果はトップスクールアイドルになった。
もしかしたら穂乃果の中で俺の存在はとても小さくなっているんじゃないか。
いや、そもそもそんなに大きな存在じゃなかったような……。
ここに来て不安感が生まれた。中学生か俺は。
一先ず穂むらに向かうことにした。約束通りお茶を渡さないとな。
一番高いやつを買って来たし大丈夫だろう。
穂むらの前まで来た。何もかもが懐かしい。
あの頃の俺はここに通いつめていたせいで大分体重が増えたっけなあ。
あれ以降甘い物がやめられなくなっているのでこの店は恐ろしい。
営業中だったのでそのまま戸を開けて中に入った。
「いらっしゃいま……あら!随分とお久しぶりですね」
穂乃果のお母さんが出迎えてくれた。
「ご無沙汰しております。変わらずお元気なようで何よりです」
緊張して、思わず堅くなってしまった。
「あらあら。そんな堅くならなくてもいいんですよ?さぁ、座敷へどうぞ」
「あ、はい。ありがとうございます」
前と変わらない対応で緊張が一気にほぐれた。
この人も穂乃果と同じで温かい人だなぁ……。
自分でもはっきりとわかるくらい緩んだ顔をしていた。キモチワルイ。
「ご注文は?」
メニューを見る。
お、前まではなかったメニューが色々増えてるな。
このいちご大福とか美味しそうだな……あとはお饅頭とクリームあんみつにしよう。
「ええと。いちご大福と、お饅頭、それからクリームあんみつで」
「かしこまりました~」
少し上機嫌な様子で奥へと引っ込んで行った。
……あっ。増税に合わせてさりげなく値上げしてる。
あのお母さんもなかなかやり手なのかもしれない。
「お待たせしました~。いちご大福と、お饅頭とクリームあんみつです。
ごゆっくりどうぞ」
お客さんが居て忙しい時間帯だからか、そそくさと他のお客さんの所へ行ってしまった。
……いやいやいや。
なぜ俺は俺の所に居てくれると思い込んでいるんだ。自意識過剰だぞ。
顔を真っ赤にしながら饅頭を頬張った。
うますぎる。通信販売とかやらないのかな。
「ふぅ……」
クリームあんみつを食べ終わり、若干休憩。
あんまり長く居座ったら迷惑だが、なかなかヘビーな食事だったので許してくれるはず。
と、言い訳しつつ座敷で寛いでいると、勢い良く入り口の戸が開いた。
「たっだいまー!」
穂乃果が帰って来た。
実物を見るのは本当に数ヶ月振りなので、既に泣きそうになっている。
と、ここで気づいたのだが店中の客が穂乃果の方を見ている。
そしていかにもオタクって感じのやつが結構多い。
なるほど、ここへは穂乃果目当てで来ているのか。
そう思うとちょっと、いやかなり複雑な気分になった。
実家が割れてるというのはアイドルとしてかなり危険なんじゃないだろうか……。
ストーカーとか変な奴が現れるんじゃないだろうか……。
しかしよく考えてみたら俺自身ストーカーのようなものだったので
あまり人のことばかり言えないことに気づいた。くそう。
そう思いつつ穂乃果の方をまじまじと見ていたら、穂乃果も俺に気づいたらしい。
「あ、俺さん!お久しぶり!」
周りのオタクたちの視線が俺に突き刺さる。
無事に音ノ木坂を出られるか心配になってきたが、流石に無視するわけにもいかないので返事をした。
「ああ、久しぶり。元気にしてたか?」
「もっちろん!穂乃果はいつでも元気いっぱいだよ!」
「そうか、何よりだ」
外見も性格もあまり変わってないように見えた。
アイドルとしての高坂穂乃果は変わったかもしれないが、
人間としての高坂穂乃果はあまり変わっていないのかもしれない。俺は少し安心した。
「ところで俺さん!」
「な、なんだ?」
周りの視線に耐えきれなくなりつつも応える。
「俺さんに言いたいことがあるの!こっち来て!」
そう言うと穂乃果は俺を手招きした。視線が痛すぎる。
一刻も早くこの場を立ち去りたいとすら思ったので穂乃果に言った。
「なぁ、それってここじゃなきゃだめか?流石に人がいるところだとちょっと」
「あ、それもそうだね。じゃあ上行こっか」
「あ、ああ」
上に行くのも危険な行為だとは思ったが、
あのまま店で話をするよりはマシだと思い俺は階段を上った。
音ノ木坂から出るときは細心の注意を払わないとな……。
唐突ですが何の面白みもないと思ったのでこのスレは終わりにします。
付き合ってくださった方、お時間を無駄にして申し訳ございませんでした。
出直してまいります。
このSSまとめへのコメント
内容はいいと思うんだけどね
俺系ってだけですごく気持ち悪く感じてしまう
⬆︎の言うとおり