ネウロ「杜王町……?」(52)

ネウロ「杜王町とかいう町から手紙が来たんで来てみれば……」

弥子「地図だとここら辺の筈なんだけど……道間違えたかな?」

ネウロ「やはり貴様に任せるのは間違いだったな」

弥子「アンタ人に任せといて……でもここの筈だよ」

ネウロ「どれ……この道は地図には載ってない様だが?」

弥子「あ、本当だ。こういうのって図書券とか貰えるんだっけ」

ネウロ「そんな事はどうでもいい、依頼主に会いにいくぞ」

後は頼んだ

弥子「『米森』…『小野寺』……うーん見当たらない」

ネウロ「………」

弥子「ネ、ネウロ?」

ネウロ「よもや地上にこのような場所があるとは…地図に乗っていなかった理由もこういう事か…」

弥子「え?」

???「桂木さん……であってるかしら?探偵さんの」スッ

ネウロ「これはこれは!あなたがこの手紙の依頼主様でよろしいでしょうか?
    申し遅れましたこちら探偵の桂木弥子先生、僕はその助手のネウロと言います」

弥子「こ、こんにちは」

こんな感じか?

???「よかった…届いたのね……ええ、私がその手紙を出した杉本鈴美です」

弥子「(若い…私と同い年くらいかな…)それで…今回はどういったご用件で…」

鈴美「それを話す前に……ある場所へ案内したいの、ついて来て」

弥子「?」


――――――――
――――


弥子「……ここは?」

鈴美「あなた達にお願いしたい殺人事件が起こった場所……の1つよ」

弥子「え?ってことは…」

鈴美「えぇ、起こった事件は1つじゃないのよ。何十人も人が殺されて、犯人はまだ明らかになっていないの」

ネウロ「『犯人はまだ明らかになっていない』……しかし貴女の言い草では犯人は単独犯と分かっているのでは?」

弥子「そうですよね……何か特徴的な犯行なんですか?」

鈴美「………ええ。そうよ」

ネウロ「そうか、ならその『特徴』とやらを見せて貰おう」

弥子「………?『見せる』ってどういうこと?それに口調もいつも通りだし」

ネウロ「気付かんのか?このミジンコが」ビタ-ン

弥子「ぶへっっっ!!?なんの事よ!?」

ネウロ「この事件の犠牲者の1人、それがこの女だという事だ」

弥子「!?」

鈴美「………そう。私は殺された。そしてここで『幽霊』になったのよ」

弥子「『幽霊』……ですか」

鈴美「あら、驚かないのね。前に来たコ達は逃げ回ってたのに」

弥子「まあ『魔人』とかに比べたら実害無い分マシですよ」

ネウロ「ふむ、誰がいつ実害を与えたと?」ギギギギギ

弥子「ギャーーッ!!今!今!進行中!!」

鈴美「その能力……露伴ちゃん達とは少し毛色が違うみたいだけど力にはなってくれそうね」

弥子「『能力』?」

鈴美「ええ。私じゃ説明しにくいから実際に会って確かめてみると良いわ。はいこれ」ピッ

弥子「『住所』……この場所に行けば良いんですね」

鈴美「私の名前を言えば協力してくれる……かしら?まあ悪い人じゃないわ」

数分後

弥子「ここだよね、鈴美さんに教えて貰った住所って」

ピンポ-ン……ピンポ-ン……

ガチャッ

露伴「誰だい、人の仕事中に」

弥子「あ、スイマセン………って露伴先生ェーーー!?」

露伴「そうだが……何か用かな?」

ネウロ「ヤコ、何者だコイツは」ヒソヒソ

弥子「漫画家の岸辺露伴先生!!リアリティのある絵で有名なの」ヒソヒソ

露伴「……君はぼくのファンか何かかな?」

弥子「ハイ!毎週欠かさず読んでます!」

ネウロ「貴様が食以外に興味を持つとはな……」

弥子「うっさい!それ位面白い漫画なの!」

露伴「どれ……一応試しとくか」ピッ

弥子「はい?」

露伴「『ヘブンズ・ドアァーーーッ』」ズキュウウン

弥子「!?」バカアッ

ネウロ「ほう……」

露伴「君には『効かな』かったみたいだな。ぼくのセンスを理解出来ないのか?」

ネウロ「ヤコが本になった……貴様の体から出た『ソレ』は何だ?」

露伴「ッ……貴様!『スタンド』が見えるのか!?」

ネウロ「『スタンド』……そういえばSPW財団とやらのデータを拝借した時にそんな言葉があったな」

露伴「新たな『スタンド使い』……お前は『敵』なのか?」

ネウロ「その答えは貴様の対応次第だな。我が輩はただ『杉本鈴美』から依頼を受けただけだ」

露伴「!?」

ネウロ「その反応……貴様は味方とみて間違い無さそうだな」

露伴「ああ。お前を『ヘブンズ・ドアー』で探れない以上完全に信用してはいないがな」

ネウロ「それで良い。我が輩もいきなり人の『所有物』に手を出す奴を信用していないからな」

弥子「」

露伴「この子はちょっと覗いたらすぐに戻すよ……イヤミな奴だな……」

露伴「どれどれ……『桂木弥子』16歳、座右の銘は『まず白米ありき』………ん?『桂木弥子』?」

ネウロ「どうかしたか?」

露伴「何処かで見た顔だと思ったらあの探偵か。全くオーラが無いんで気づかなかったよ………」ペラペラ

露伴「よく見たら結構面白い体験をしているじゃないか。『魔人ネウロ』『脳を揺らす歌』『怪盗X』……まあ後で訊くとするかな」

ネウロ「その前に貴様の持っている情報についてだ。この事件の犯人も貴様らの言う『スタンド使い』なのだろう?」

露伴「そうだろうな。既にぼく達の仲間の『スタンド使い』が1人殺されている」

ネウロ「その犯人の手がかりは何か残って無いのか?」

露伴「犯人の『ボタン』が見つかってるよ。その件の説明に関してはぼくより適任が居る、『杜王グランドホテル』に行くと良い。話は通しておく」

ネウロ「む、了解した。起きろヤコ、行くぞ」ビタ-ンビタ-ン

弥子「ぶべっ!?最悪の目覚めっ!?」

杜王グランドホテル

ネウロ「着いたな」

弥子「………にしても『スタンド』かあ……私には見えなかったけど」

ネウロ「『スタンド』は『スタンド使い』にしか見えんらしい。我が輩は別だがな」

弥子「ぐぬぬ……私だけ置いていかれてる感がスゴイなあ」ハァ

ネウロ「まあ今回の『謎』は我が輩に任せておけ……ム、誰か来たな」

??「『桂木弥子』に『脳噛ネウロ』だな?」

保守感謝です

弥子「は、はい!」

承太郎「俺の名は空条承太郎。海洋学者だ」

弥子「(デッカいなぁ……ネウロと同じくらいだ)」

承太郎「岸辺露伴からは話は聞いている、ついて来い」ザッ

ネウロ「…………」

弥子「どうしたのネウロ?さっさと行こうよ」

ネウロ「(この男全くスキを見せん……完全に我が輩達を信用していないからだろうが………)」

ネウロ「………強いな」

弥子「?」

ホテルの一室

承太郎「さて何から話そうか……」

ネウロ「その前に、だ。貴様にはこの姿を見せねばならんな」ズズズ…

承太郎「……!?」

弥子「ちょっ……!?イキナリすぎるでしょ!?」

ネウロ「警戒を解かない貴様の為に言ってやる。我が輩は『魔人』、『謎』を喰って生きる魔界の生物だ」

承太郎「『魔人』……か」

ネウロ「我が輩の弱点でも晒せば信じる気にもなるか?」

承太郎「いや……その必要は無い、お前の『覚悟』は伝わった。宜しく頼む」ガシッ

ネウロ「フン、面倒な人間だ」ガシッ

承太郎「さて、本題に入ろう」

弥子「例の殺人鬼ですね、何か証拠でも?」

承太郎「ああ、このボタンがそうだ」

ネウロ「それが犯人の物だと?」

承太郎「おそらくな。そして犯人は必ず何処かでボタンを縫い付けるはずだ」

弥子「それなら服屋とかに行くんじゃ……」

承太郎「既に聞き込みはしてある。だが有力な情報は無しだ」

ネウロ「用心深い犯人の事だ、何処か目立たない場所で仕立てているだろうな」

承太郎「そう思って出掛ける準備をしてたんだが……お前達がくると聞いてな」

ネウロ「どうやら考えは一致しているらしい。さっさと出掛けるとしよう」

弥子「あの~……その前に提案なんだけど」

ネウロ「何だ?」

弥子「さっき美味しそうなパン屋さんがあってさ、ちょっとそこに寄りたいんだけどな~って」

ネウロ「……好きにしろ。我が輩達は先に行く」

承太郎「気を付けろよ桂木探偵、犯人は『女』をよく狙うらしいからな」

弥子「うっ……大丈夫、何かあったらすぐ連絡するから」

――――――――
――――


弥子「えーと……確かこの辺だったと思うんだけど……」キョロキョロ

ドンッ

弥子「きゃっ!?」ズテン

??「ああ、すまない。大丈夫かい?」

弥子「こちらこそすいません、よそ見してて……」

吉良「いや良いんだ。ほら手を貸そう」スッ

弥子「あ、ありがとうございます」スッ

ギュッ

吉良「イイ手だ……」ボソッ

弥子「はい?」

吉良「いや何でも無い、では私はこれで」

弥子「あ、一つ良いですか?」

吉良「何だね?」

弥子「『サンジェルマン』って店知ってますか?私ここに来たばっかりで……」

吉良「それならここの通りを真っ直ぐ行ったところだよ。私は仕事があるのでこれで」

弥子「出勤中だったんですか!?ごめんなさい、呼び止めたりして」

吉良「別に良いよ、対した影響は無いからね」スタスタ

弥子「ありがとうございました!」

同時刻『靴のムカデ屋』

承太郎「この『ボタン』と同じモノを見たこと無いか?」

店主「ああこの『ボタン』ねぇ……さっき修理して引き渡したばっかだよ」

承太郎「!!」

ネウロ「確かなのか?」

店主「バカにしてんですか?注文を受けたお客の服くらい全部覚えてますよ」

承太郎「コイツは予想外だ……」

ネウロ「こうも早く『犯人』の手掛かりを掴めるとはな」

店主「そうそう確か名前がねぇ~……え~とえ~と……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

店主「『吉良吉影』……だったかな?」

承太郎「『吉良吉影』……その男の見た目は?」

店主「見た目ねぇ~…何処にでもいる普通のサラリーマンって感じだね」

ネウロ「フム……ソイツが『犯人』である可能性は極めて高いな」

承太郎「早速調べるとしよう。店主、邪魔したな」

店主「あ~はいはい、良く分かんないですけど今度は靴も買ってくださいよ~」

――――――――
――――


ネウロ「さて、これからどうする?」

承太郎「『犯人』はサラリーマンと言っていた、今家に行っても成果は得られないだろうな」

ネウロ「なら『犯人』を叩くのは帰宅後……夜の8時くらいか?」

承太郎「そうなるな。そうと決まれば準備だ、チャンスは1度……必ず仕留める」

仗助「ハイ………ハイ、分かりました承太郎さん。今夜の8時っスね……億泰と康一にも伝えときます。じゃあこれで……」

億泰「ンだぁ~?今の電話はよォ~?」

康一「承太郎さんだよね?今の電話」

仗助「ああ……『犯人』が見つかったらしい」

康一「な、なんだって!?」

億泰「『犯人』……『重ちー』を殺したクソッタレか……!?」

仗助「そうみてぇだなァ~、今夜の8時に『犯人』の家に殴り込みをするらしいぜ……お前らも来るか?」

康一「勿論だよ!『犯人』は怖いけど……ぼくの『エコーズ』だって何かの役に立つかもしれない」

億泰「当然オレも行くぜ……『犯人』の顔面に一発入れねェと気がすまねぇからよォ~!!」

仗助「オレも2人と同じだ、オレ達で『犯人』を倒すぞッ!!」

杜王グランドホテル

PM7:15

承太郎「準備は出来たか?」

ネウロ「うむ、問題無い」

弥子「私は……?」

ネウロ「そこに残っていろ、今回は貴様が着いて来ても役に立たん」

弥子「ぐっ……確かに」

承太郎「俺たちが居ない間は何かあったらジジイに頼め。戦闘力は殆ど無いが……まあ無いよりマシだろう」

弥子「ジジイ?」

ジョセフ「今……わしの事を呼ばんかったかね?」

承太郎「ああ、この子を頼むぜ」

弥子「ど、どうも…(本当にお爺さんだ……大丈夫かな……?)」

ジョセフ「留守は任せておけ、そっちは頼むぞ」

承太郎「ああ……」

PM7:30

ザッ

承太郎「全員揃った様だな」

仗助「えーとオレに承太郎さんに億泰に康一に露伴に……アンタ誰です?」

ネウロ「我が輩か?」

仗助「いやオレも馬鹿じゃねーからアンタが『関係者』ってのは分かる。けどイキナリ何の挨拶も無しに来られると少し不安ってぇーかよぉー」

ネウロ「フン、まあ名乗ってやろう。我が輩の名は脳噛ネウロ、身元はこの男には伝えてある。安心しろ」

承太郎「………という事だそうだ」

仗助「まあ承太郎さんの知り合いなら心配いらないッスけどぉー……まあよろしく頼むぜ」

ネウロ「フン、精々足を引っ張らん事だな」

仗助「なっ………!?ンだとぉ~!?」ピキッ

康一「大丈夫かな……?」

露伴「ま、大丈夫じゃないかな」

康一「あ、露伴先生」

露伴「彼……脳噛ネウロは強い。あのアホの仗助…いやもしかしたら承太郎さんよりもね」

康一「いやぼくが言ってるのはそういう事じゃなくて……」

億泰「ってか何で露伴先生はアイツの事知ってんだよ」

露伴「さっき彼がウチに来てね、ぼくの『ヘブンズドアー』が効かなかったよ」

康一「へぇ~、何でですかね?」

露伴「ただ単にぼくのセンスが理解出来ないダサいヤツか……」

承太郎「さて、そろそろ行くぞ」

康一「あっ、ハイ!……で、なんでしたっけ?」

露伴「いやいいんだ、後でゆっくり話すとしよう」

露伴「(さっき『ヘブンズドアー』で覗いた時にあった『魔人』とかいう言葉……まさかぼくの『能力』が効かない高位の次元の者なのか?)」

承太郎「岸辺露伴、アンタの『ヘブンズドアー』は屋内戦では不利だ。ここで入口を見張っててくれ」

露伴「……是非殺人鬼を見てみたかったが……仕方ない、残らせてもらうよ」

承太郎「それと康一君にも見張りを任せる。1人じゃあ心もとないからな」

康一「わ、分かりました」

承太郎「よし……突撃するぞ。気を引き締めろ」

――――――――
――――


??「吉影……何者かが近づいておるぞ」

吉良「何だとッ!?まさかアイツら……仗助どもかッ!」

??「安心しろ。ワシの『能力』があれば絶対にお前に手出しは出来ん」

吉良「……そうだな、頼むぞ『親父』」

吉良(父)「ああ、絶対にヤツらを血祭りにしてやるわい……!!」

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