ナルト「休暇も明日で終わりか・・・」 (227)

※微グロ注意


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ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ナルト「・・・」キュッ

ナルト「しょ・・・っと」カチャ

ゴォーーー

ナルト(・・・・・・はぁ)ドサッ

ナルト(・・・休みの間、ほとんど何もしなかったな)

ナルト(みんな、任務でいねぇし・・・・・・。つまんねぇな)

ナルト(サクラちゃんも冷たいってばよ)

ナルト(一回くらい、向こうから俺を飯にでも誘ってくれたっていいんじゃねーのか)

ナルト(俺から誘っても全然来てくれねーし・・・)

ナルト(・・・・・・何考えてんだ俺は・・・)

ナルト(サクラちゃんだって忙しいんだってばよ)

ナルト(それに、サクラちゃんには家族がいるんだ・・・休みの日くらいは、家族と過ごすよな・・・)

ナルト「・・・はぁ」

ナルト「こんな時に・・・・・・」









ピーーーーーーーーーーーーーーーーー

ナルト「お、沸いたか」

カチャ

ピイィィ・・・・・

ナルト「・・・あぁ・・・もう夕方か・・・」

ナルト「・・・・・・カップラーメンも、飽きてきたなぁ」

「ナルトくん!!!」ガラガラ!!

ナルト「うわぁ!!」

リー「こんにちは!!」

ナルト「はぁ・・・はぁ・・・びっくりした・・・ゲジマユか、おっす」

リー「お久しぶりです」

ナルト「あれ、明日まで任務なんじゃねーの?」

リー「いえ、今日までですよ」

ナルト「そうだっけ・・・?」

リー「それより、ナルトくん」

ナルト「な、何?」

リー「銭湯にいきましょう!!」

ナルト「え、銭湯?」

リー「はい、銭湯です!」

ナルト「・・・まぁ、大丈夫だけど」

リー「おお!ナルトくんならそういってくれると思ってました」

ナルト「それって、今から?」

リー「いえ、すみません、今日ではないんです」

ナルト「へ、今日じゃねえの?」

リー「はい、明日の話です。明日なら、シカマル君たちやキバ君たちも任務から帰ってきます!」

リー「ですから、その時にみんなで一緒に行こうかと思いまして!」

ナルト「あー、なるほど、そういうこと」

リー「それに、ナルトくんをお祝いしなくてはいけませんからね!」

ナルト「え、お祝い・・・?」

リー「はい!」

ナルト「・・・・・・?」

ナルト(ペインの時のことか・・・?)

リー「じゃあ、そういうことなんで、また明日お会いしましょう!」

ナルト「おう!」

リー「それと、明後日から僕達の任務の引継ぎをお願いします!」

ナルト「了解だってばよ」

リー「では!」ピッ

ピシャ!!

ナルト「・・・嵐のようだったってばよ・・・」

ナルト「・・・ゲジマユのやつ、おれに気使いやがって・・・うれしいってばよ」

ナルト「・・・明日か、楽しみだな」

ナルト「・・・・・・でも、今日行きたかったな」

ナルト「んなこといってもしょうがねぇか」

ナルト「・・・・・・さて、どうしよっかな」

ナルト「カップラーメン食うか・・・」

ギッギッ・・・

ガチャ

ナルト「あ!」

ナルト「もうないじゃん!」

ナルト「あーあ・・・まぁ、まだそんなに腹へってないしな・・・」

ナルト「・・・・・・ちょっと、散歩でもするか」




「キャッキャ」

「キャッキャ」

「もう帰るわよー」

「そろそろ晩御飯の時間よー」

「はーい」

ナルト(・・・・・・)

ザッザッ

ザッザッ

ナルト(・・・ふぅ・・・)ドサッ

ナルト(・・・腹、減ってきたな・・・)

ナルト(今日は、何食べよう)

ナルト(・・・家帰って、ご飯が作ってあったらなあ・・・)

ナルト(・・・・・・)チラ

子供「ワイワイ」

父「ワイワイ」

母「ワイワイ」

ナルト(あの家は・・・今夜はカレーかな・・・)

ナルト(うまそうだな・・・)

ナルト(・・・)グウー

ナルト(今日は、どっかで食うか・・・)

ナルト(・・・・・・・・・)

ナルト(・・・)チラ

ナルト(・・・父ちゃん・・・そんなところで見てるんじゃなくてさ・・・)

ナルト(もっと近くに居てほしかったってばよ・・・)

ナルト(・・・・・・?)

ナルト(今日は月の色が変だな・・・・・・)

ナルト(なんなんだろう・・・)

ナルト(・・・・・・うー・・・)

ナルト(なんか・・・急に・・・頭が重くなってきたってばよ・・・)

ナルト(・・・ねみい・・・)

ナルト(・・・)スゥ・・・












「ナルトくん」ユサユサ

ナルト「・・・ん」

「こんなところで寝ちゃ駄目ですよ」

ナルト「ん・・・」

シズネ「風邪ひきますよ?」

ナルト「・・・シズネのねーちゃん?」

シズネ「・・・なにかあった?」

ナルト「いや、別に・・・」

シズネ「・・・そうですか・・・?」

シズネ「晩御飯は、もう食べましたか?」

ナルト「・・・いや、まだだけど」

シズネ「じゃあ、一緒に食べに行きませんか?」

ナルト「え」

シズネ「もちろん、私の奢りですよ!」

ナルト「んー・・・」

シズネ「嫌ならいいんですが・・・」

ナルト「あ・・・いや・・・」

ナルト(シズネのねーちゃんが俺を誘うなんて珍しいってばよ・・・多分俺、元気なさそうな顔してるんだろうな・・・)

ナルト(・・・・・・この際、シズネのねーちゃんでもいい。誰かと話がしたかったんだ・・・)

シズネ「・・・ナルトくん?」

ナルト「・・・行くってばよ」

シズネ「!うん!いきましょう」


シズネ「最近寒くなってきましたねー」

ナルト「そうだな」

シズネ「何か食べたいものはありますか?」

ナルト「うーん、最近カップラーメン続きでさ・・・」

シズネ「そうなの?」

ナルト「うーん、まあでも、任せるってばよ」

シズネ「そうですか、じゃあ・・・適当にその辺の店に入りましょうか」

ナルト「おーけーだってばよ」

シズネ「と言っても、この時間はどこも混んでるんですよねー。木の葉の人って、自炊するひとが少ないのかしら」

ナルト「ああ・・・そうかも」

シズネ「あ、あのお店にする?」

ナルト「いいってばよ」

シズネ「じゃ、あそこにしましょう」



ガラガラ

店員「いらっしゃいませー!何名様でしょうか?」

シズネ「二人です」

店員「はい!少々お待ちください!すぐ片付けますので」

シズネ「はい」

ナルト「・・・あ」

シズネ「・・・・・・どうしました?」

ナルト(あれは・・・)

サクラ「-----」

サクラ父「----」

サクラ母「----」

ナルト(サクラちゃん・・・・・・家族と、いっしょか・・・)

シズネ「どうかしました?」

ナルト「悪いけど・・・違う店でもいい?」

シズネ「?別にいいですけど・・・」

ナルト「じゃぁ、行くってばよ」

ガラガラ

シズネ「あ、すみません店員さん。私たちの分は・・・」


シズネ「やっぱりどこも混んでますねー」

ナルト「ほんとだってばよ」

シズネ「うーん。そうだ!」

ナルト「?」

シズネ「ナルトくんさえよければ・・・私の家に来ません?」

ナルト「え・・・家?」

シズネ「そう!お料理ごちそうしますよ!といっても、そんなに大したものは用意できないけど・・・」

ナルト「あー・・・・・・じゃあごちそうになろうかな」

シズネ「ふふっ」ニコ

ナルト(・・・・・・!かわいい・・・)

シズネ「じゃあ行きましょう!」








シズネ「どうぞ~」ガチャ

ナルト「お邪魔しますってばよ」

シズネ「すぐに用意するから、そこでくつろいでてね」

ナルト「じゃあ遠慮なく」


ナルト「・・・ふう・・・」

ナルト「もうこたつだしてんのか・・・」

ナルト「・・・あったけえなあ・・・」

ナルト(しかし、女の人の部屋に来るのは初めてだってばよ・・・!)

ナルト(すごい大人の女性って感じがする部屋だってばよ・・・)

ナルト(いい香りがする・・・)

ナルト(女の子ってなんでみんないい香りがするんだろうな・・・)

ナルト(いや、女の子なのか・・・?31だぞ・・・)

シズネ「・・・・・・♪・・・・・・」トントン

ナルト(31にしては若くみえるってばよ・・・)

ナルト(でも、こんなもんなのかな・・・)

ナルト(よく考えたら、カカシ先生より年上だったんだな・・・)

シズネ「・・・・・・しょっと・・・」

ナルト(・・・もし・・・俺に母ちゃんがいたら・・・)

ナルト(こんな感じかな・・・)


シズネ「はい、できました!たくさん食べてね」

ナルト「おお・・・」

シズネ「残り物とかも混じってるけど・・・」

ナルト「全然いいってばよ!いただきます!」

シズネ「どうぞ」ニコニコ

ナルト「・・・」モグモグ

ナルト「おいしい!ってばよ」モグモグ

シズネ「そう、よかった」

ナルト「シズネのねーちゃんは、料理がうまいんだな」モグモグ

シズネ「ふふ、ありがとう」

シズネ「ナルトくんも、カップラーメンだけじゃ体に悪いですよ・・・」

シズネ「お料理もできたほうが、いいですよ?」

ナルト「そりゃ俺もそう思うけど、料理なんてできないってばよ」

シズネ「最初はみんなそうですよ」

ナルト「シズネのねーちゃんは、誰に教わったんだ?」

シズネ「私は・・・」

ナルト「うん」モグモグ

シズネ「綱手様・・・ですね」


ナルト「へえ・・・綱手のばーちゃんも料理うまいんだな」

シズネ「ああ、いや・・・綱手様はそんなに上手じゃないかも・・・」

ナルト「え・・・?」

シズネ「あー、えっとね」

ナルト「うん」

シズネ「私・・・戦争で、両親をなくしちゃって」

ナルト「・・・」

シズネ「それで一人になった私に、よく綱手様がお料理を作りにきてくれたんです」

シズネ「私は綱手様の愛人だったダンさんの姪だったから、お互いよく知ってたし、気にかけてくれたんです」

ナルト「・・・」

シズネ「でも、せっかく作ってくれたんだけど、その、あんまりおいしくなくて・・・」

シズネ「綱手様、お料理なんてしたことなかったみたい。お料理の本とか、見ながら作ってました」

シズネ「私のために、お料理を勉強してくれていたんです」

ナルト「そうなんだ・・・」

シズネ「でもね、あたしもまだ小さかったから、つい言っちゃったんですよ。『まずい』って」

ナルト「・・・」

シズネ「そのときの綱手様、悲しそうな顔してたな」

シズネ「でもそれは一瞬だけ・・・すぐ立ち直って、『文句があるなら自分で作れ!』って!」

シズネ「それで、作り方とか教えてもらったんです」

ナルト「へえ・・・」

シズネ「ほら、綱手様って、なんか適当なイメージあるでしょ?」

ナルト「うん、確かに」

シズネ「料理に対しても、そんな感じみたいで。分量とか適当だと、うまくいきませんよね~」

ナルト「ははは、そうだな」

シズネ「すぐに、私のほうがお料理はうまくなったけど・・・綱手様はお料理作りにきてくれなくなっちゃった」

ナルト「そうか・・・」

シズネ「なんか、寂しかったな・・・でも、おかげでお料理はうまくなりましたけどね」ニコ

ナルト「ふーん・・・」モグモグ

ナルト(そっか・・・シズネのねーちゃんも・・・俺と同じだ・・・)

ナルト(やっぱ・・・独りはさみしいんだよな・・・)

シズネ「あ・・・ごめんね、つまらない話だったかな・・・」

ナルト「そんなことないってばよ」


シズネ「・・・」モグモグ

ナルト「・・・」モグモグ

ナルト「・・・シズネのねーちゃんは、強いな」

シズネ「え?」

ナルト「両親がいなくなっても、独りでちゃんとやっていけてる。それが忍として、当たり前なのかもしれないけど・・・」

ナルト「俺は、そんなに強くねえな・・・」

シズネ「・・・私は、ナルトくん、強いと思うけどな」

ナルト「・・・」

シズネ「ナルトくんは、最初からひとりで、こんなに立派になったんだもの」

シズネ「ペインから里を守って、いまや木の葉の英雄!」

シズネ「そりゃあ、寂しくなることもあったと思うけど、そのたびに乗り越えて今までやってきて・・・」

シズネ「ほんと、すごいと思いますよ、私は」

ナルト「・・・でもさ・・・いつまでたっても、寂しいのは慣れないってばよ・・・」

シズネ「・・・そうですね」

ナルト「モグモグ・・・」

シズネ「モグモグ・・・」



ナルト「ごちそうさま、うまかった!」

シズネ「はい、どうぞ」

ナルト「片付け、手伝うってばよ」

シズネ「あー、いい、いい。おいといてください」

ナルト「そう?」

シズネ「うん」

ナルト「・・・そっか、じゃあおれ、そろそろ・・・」

シズネ「ナルトくん」

ナルト「?」

シズネ「おいで」チョイチョイ

ナルト「・・・?」

シズネ「いいから」

ナルト「ああ・・・」スタスタ

シズネ「ふふふ・・・」

ナルト「・・・?」

シズネ「はいっ」パッ

ナルト「・・・?」

ナルト「な、なに?その手は・・・」

シズネ「抱きしめてあげます」

ナルト「!!」

ナルト(・・・なんだって?)

シズネ「遠慮しないで」

ナルト「え・・・いや、でも・・・俺にはサクラちゃんという人が・・・」


シズネ「ええ?・・・・・・ナルトくんは、真面目ですね」

ナルト「・・・」

シズネ「これは、ノーカンですよノーカン・・・」

ナルト「?」

シズネ「ほら、人肌が恋しくなることってあるでしょ?」

ナルト「・・・まぁ」

シズネ「ナルトくんは、今そういう状態なんですよ」

ナルト「・・・」

シズネ「だから私が、ぬくもりを与えてあげようと・・・」

ナルト「・・・ぬくもり、ね・・・」

シズネ「まあ、そういうことだから、そんなことは気にしなくていいんです」

シズネ「ほら、おいで・・・」

ナルト「い、いや・・・でも・・・」ドキドキ

ナルト(刺激が強すぎるってばよ・・・!)

シズネ「うーん・・・だっこじゃだめ?」

シズネ「じゃあ・・・」

シズネ「はいっ」ポン

ナルト「こ、今度は、何・・・?」

シズネ「膝まくら」

ナルト「・・・うっ・・・」

ナルト(それくらいなら、いいかなって思っちまう・・・!)

ナルト(これはいっても・・・いいのか?)

シズネ「ほら、はやく」ポンポン


ナルト「・・・・・・じゃ、じゃあ・・・」スッ

ナルト「・・・失礼・・・するってば・・・」

ナルト「よっと」ゴロン

シズネ「ふふっ・・・よしよし」ナデナデ

ナルト(・・・!)

ナルト(やわらかい・・・いい感触・・・!)

ナルト(それに、いい匂いがするってばよ)

シズネ「・・・」ナデナデ

ナルト「なあ、シズネのねーちゃん・・・このことは」

シズネ「誰にも言いませんよ。二人だけの秘密です」ナデナデ

ナルト「う、うん・・・頼むってばよ・・・」

シズネ「・・・ナデナデ

ナルト「・・・」ジー

シズネ「・・・」ジー

シズネ「ふふ・・・」ニコ

ナルト「っ・・・」スッ・・・

シズネ「・・・」ナデナデ

ナルト「・・・」

ナルト(・・・なんかわかんねーけど、すげー落ち着く・・・)

シズネ「・・・」ナデナデ

ナルト(・・・そうだ)

ナルト(シズネのねーちゃんの言うとおりだ・・・)

ナルト(最近つまんなくて、さびしかった・・・)

ナルト(だから、やさしくされると・・・すげーほっとすんだ・・・)

ナルト「・・・」

シズネ「・・・」ナデナデ


シズネ「ナ、ナルトくん・・・」チョンチョン

ナルト「・・・」

シズネ「ちょっと・・・起きて・・・」チョンチョン

ナルト「・・・ん」

シズネ「ごめん・・・ちょっとおりて・・・」

ナルト「・・・ああ」スッ

ナルト(気持ちよくてうとうとしちまった・・・)

シズネ「あいたた・・・足、しびれちゃった」

ナルト「あー・・・ごめんってばよ」

シズネ「いいのいいの」

グイーン

シズネ「うーん・・・」ビリビリ

ナルト「・・・・・・」

シズネ「うー・・・・・・?」

ナルト「大丈夫かってばよ?」チョン

シズネ「あ、ちょっといまさわっちゃ!!!」

シズネ「あひぃいいいいいいいい!」ビリビリ

ナルト「あっははは」

シズネ「うぅぅ・・・もう、ナルトくんったら・・・」ビリビリ

ナルト「はは、ごめん」

シズネ「・・・ふぅ~~」

シズネ「あ・・・でも」

ナルト「?」

シズネ「表情がよくなってますよ」

ナルト「そう?」

シズネ「うん!ちょっとは元気出してもらえたみたいで良かったです!」

シズネ「さっきは悲しい顔してましたから」

ナルト「・・・うん。ありがとだってばよ」

シズネ「いいんですよ」

シズネ「あ、帰ろうとしてたんですよね。引き止めてすみません」

シズネ「ナルトくんさえよければ、また遊びに来てくださいね」

ナルト「・・・うん」

ナルト「・・・」ジー

シズネ「・・・?」

シズネ「・・・抱きしめてほしい?」


ナルト「い、いや・・・」

シズネ「ふふっ・・・おいで、ほら」パッ

ナルト「あ・・・」

シズネ「ほぉら」クイクイ

ナルト「く・・・うっ…」

ナルト「お、俺、やっぱ帰るってばよ!」スッ

シズネ「んー・・・そうですか?」

ナルト「うん、ご飯、おいしかった!ありがとだってばよ!」ダッ

シズネ「うんうん」

ナルト「じゃ、お邪魔しました!」

シズネ「うん、またね」

ガチャ

バタン

ナルト(・・・びびっちまった・・・してもらえば、よかったかな・・・)

ナルト(あったかかったな・・・)

ナルト(・・・今度は、やってもらおう)

ナルト(機会があれば・・・)

ナルト(さぶ・・・)

ナルト(早く帰ろ)





ナルト(カップラーメン、もうなかったんだった・・・)

ナルト(明日買いに行かなきゃ)

ナルト(・・・いや、シズネのねーちゃんの言うとおり、一回料理でもしてみるか・・・)

ナルト(・・・・・・)

『おかえり、ナルトくん』

ナルト(・・・・・・なに考えてんだか・・・・・・)

ナルト「ん?」

ナルト「なんだこれ」

"家から出るな"

"疫病神"

ナルト(落書き・・・?)

ナルト(くだらないことするってばよ)

ナルト(どういう意味だってばよ、これ・・・)

ガチャ

ナルト「・・・・・・・・ただいま~」

・・・

・・・

バタン

ナルト「・・・・・・何言ってんだおれは・・・」

ナルト「・・・今日は、もう寝よう・・・」

ギッギッ・・・

ギッギッ・・・

ナルト「ふぅ・・・」ドサッ

ナルト「・・・シズネのねーちゃん・・・」

ナルト「俺は・・・全然強くなんかねえ・・・」

ナルト「・・・やっぱ、一人はむなしいってばよ・・・」





ナルト「銭湯は夕方からだったか・・・それまで、暇だな」

ナルト「まずは昼飯だな!」

ナルト「カップラーメン・・・もいいけど、昨日のシズネのねーちゃんの飯はうまかったなぁ・・・

ナルト「・・・ってことで!おれも料理に挑戦だってばよ!」

ナルト「材料買いにいかねーとな!」

ギッギッ・・・

ギッギッ・・・

ナルト(!・・・)

ナルト(・・・・・・昨日、何で気づかなかったんだ・・・)

"家から出るな"

ナルト(ドアの内側にも・・・?)

ナルト(どうなってる・・・)

ナルト(・・・鍵、閉め忘れたのか?)


ガヤガヤ

ワイワイ

カンカンカンカン

ナルト(おお・・・)

ナルト(ペインが里を襲ってから結構たったけど・・・里もほぼ完全にもとどおりになってきたってばよ)

「・・・あれ、ナルトよ・・・・・・」

「ナルトだ・・・」

ナルト(・・・?)

「行きましょ・・・」

「そうだな・・・」

「いこうぜ・・・」

ヒソヒソ・・・

ヒソヒソ・・・

ナルト(何だ・・・?)

ナルト(なんか、避けられてるような・・・)

ナルト(・・・・・・)

カンカンカンカン

「サクラー、釘取ってくれ」

「はーい!」

ナルト(お、サクラちゃんだ)

サクラ「これでいい?お父さん」

サクラ「・・・あ」

ナルト「おはよう、サクラちゃん」

サクラ「・・・」

ナルト「朝から大変だな」

サクラ「・・・」

ナルト「・・・サクラちゃん?」

サクラ「・・・誰のせいよ・・・」

ナルト「え・・・」


サクラ「ねえ、お父さん、これでいいの?」

サクラ父「ああ」

サクラ父「・・・君は・・・ナルト?」

ナルト「ああ、そうだけど・・・」

サクラ父「・・・娘に近づかないでくれ」

ナルト「な・・・」

サクラ父「サクラ、飲み物持ってきてくれないか?」

サクラ「・・・もう。はいはい」

サクラ「・・・早く行ってよ」

ナルト「え・・・ちょ、ちょっと」

サクラ「・・・」スタスタ

ナルト「・・・」

ナルト(なんだこれ・・・どうなってるんだってばよ・・・)

ナルト(サクラちゃんに嫌われるようなことしたか?)

ナルト(・・・わかんねえ・・・)

ナルト(・・・誰かに聞いてみないと・・・)


イラッシャイマセー

ナルト(さってと、なに買うかな・・・)キョロキョロ

ナルト(あ、あれは)

チョウジ「・・・」ガサガサ

ナルト(チョウジ?)

ナルト(あいつはまたポテチ買いに来てんのか)

ナルト(相変わらずだってばよ・・・)

ナルト(・・・・・・あれ・・・シカマルたちの班は、今日帰ってくるんだったよな・・・)

ナルト(まだお昼だけど・・・もう帰ってきたのか)

ナルト(・・・・・・)

スタスタ

スタスタ

ナルト「よっ、チョウジ!」

チョウジ「・・・ナルト?」

ナルト「またポテチ買いに来てんのか~」

チョウジ「・・・」ガサガサ

ナルト「任務はもう終わったのかってばよ?」

チョウジ「ナルト」

ナルト「え?あ、なに?」

チョウジ「話しかけないでくれない?」

ナルト「・・・え?」

ナルト「な、なんでだってばよ」

チョウジ「迷惑だから」

ナルト「!・・・」

ナルト「ちょ、ちょっと待ってくれっ!」

チョウジ「・・・」スタスタ

ナルト(・・・チョウジまで・・・?)

ナルト(なんだこれ・・・なんなんだってばよ・・・!)

ナルト(みんな、なんかおかしいってばよ・・・)

ナルト(なんでだ・・・・・!)

ナルト(おれがなにしたってんだ・・・!)

ナルト(・・・・・・)




"家から出るな"

"疫病神"

ナルト「・・・なんなんだ、これ・・・・・・」

ガチャ

ナルト「・・・ただいま~」



シーン・・・


ナルト「・・・だから、だれもいねぇって・・・」

ナルト(ふぅ・・・)バサ

ナルト(チャーハンでも、作ってみるか)

ナルト(・・・それっぽい材料は買ってきたけど・・・どうやって作るんだっけ?)

ナルト(ま、適当に作ってみるってばよ)





ナルト「できた!」

ナルト「ちょっと材料買いすぎたけど、まあいいや」

ナルト「それじゃ、いっただきまーす!」

ナルト(・・・)モグモグ

ナルト(・・・)モグモグ

ナルト(なんか足りないってばよ・・・)

ナルト(深みというか、コクというか)

ナルト(これじゃただの醤油辛いご飯だってばよ)モグモグ

ナルト(ハア・・・シズネのねーちゃんの料理、もう一回たべたいってばよ)

ナルト(うまかったなあ・・・)

ナルト(それに、シズネのねーちゃんは美人だし・・・)

『おいで・・・』

ナルト(・・・また、行きたいってばよ・・・)


ナルト(でも、シズネのねーちゃんも忙しいだろうしなぁ)

ナルト(・・・ちょっと時間あけるってばよ)

ナルト(・・・・・・つーかなんで俺ってばサクラちゃんとチョウジに嫌われてんだ?)

ナルト(帰りながら考えたけど、さっぱり検討がつかねえ)

ナルト(それにあの壁の落書き・・・なんか関係あんのか?)

ナルト(身に覚えが無ぇ・・・)

ナルト(それに・・・今日はみんなで銭湯に行く日だったってばよ)

ナルト(どうしようかな・・・なんか憂鬱だな・・・)

『ナルトくんを、お祝いしなくてはいけませんからね!』

ナルト(・・・なんなんだろう・・・おれになにかしてくれるのかな・・・)

ナルト(・・・ペインが木の葉を襲ってからだいぶたったけど、今じゃほとんど元通りになってるし、その復興パーティーってとこかな・・・)

ナルト(そういえばそういうの一回もやってなかったしな)

ナルト(なんか不安だけど・・・きっと俺が里を救ったから、俺をパーティーの主役にしてくれるつもりなんだってばよ)

ナルト(うん、やっぱ今日は行こう)

ナルト(きっと今日のはなんかの間違いだってばよ)

ナルト(今日は嫌なこと続きだけど・・・)

ナルト(・・・でも、みんなと会えば、きっと気が晴れるってばよ)

ナルト(きっと・・・)




ナルト(お、もうみんな集まってるってばよ)

ワイワイ

ワイワイ

ナルト(昨日言ってたメンバーはほぼ集まってるってばよ)

ナルト(・・・)ドキドキ

ナルト(・・・行くってばよ)スタスタ

ナルト「みんな、お待たせだってばよ」スタスタ

テンテン「・・・あ」

シカマル「・・・ナルト」

ナルト「おっす」

キバ「・・・」

ナルト「・・・どうした?」

キバ「・・・お前、何しに来たんだ?」


ナルト「!」

ナルト「え、何って・・・冗談きついってばよ」

ネジ「なにが冗談なんだ?」

ナルト「みんなで銭湯に行くんだろ?」

キバ「・・・お前が、なんでそれを・・・」

テンテン「・・・で?」

ナルト「だからおれも、一緒に・・・」

テンテン「・・・は?」

シカマル「なんだそれ・・・」

キバ「勘弁してくれよ・・・」

ナルト「え・・・」

サクラ「あんたはさそってないわよ。それくらいわかるでしょ?」

ナルト「!サクラちゃん・・・・・・!」

ヒナタ「ナルトくん・・」

イノ「いままであんたを誘ったことなんてないでしょ?」

チョウジ「そうそう、早く帰りなよ」

ナルト「・・・!!」

キバ「・・・帰れって」

ナルト「・・・・・・なんだよ」

ナルト「もうやめてくれよ!これって冗談なんだろ?」

ナルト「いい加減にしてくれってばよ!」

キバ「冗談じゃねーよ」

ネジ「お前が一番よくわかってることだろう」

ナルト「!」

ナルト「でも!昨日確かにおれはゲジマユに誘われて・・・!」

テンテン「なに言ってるの、あんた・・・」

サクラ「そんなこと・・・あるわけないじゃない」

ナルト(!・・・いつものみんなと違うってばよ・・・・・・!)


イノ「つーかあんた、調子に乗ってるわね・・・今日サクラとチョウジに話しかけたそうじゃないの」

チョウジ「え・・・まぁ、うん」

サクラ「ほんとよね・・・いったいどういうつもりなの?」

イノ「あんた、一回痛い目みる?」

ナルト「な、何言って・・・」

イノ「あんたと一緒に居ると厄がうつるのよ!」

サクラ「木の葉の疫病神が、あたし達に近づかないで!」

ナルト「!」

キバ「おいおい、もう帰ってもらおうぜ・・・?」

チョウジ「あんま関わらないほうがいいって・・・・」

テンテン「あんた達は甘いのよ・・・」

ナルト「疫病神・・・?疫病神ってなんだってばよ!」

イノ「うるさい・・・近よんなっていってんの!」

ダダッ!

ナルト「・・・!やめてくれってばよ!」

ビシィッ!!

ナルト(!う、動けねえ・・・!)

シカマル「・・・・・・」スッ・・・

ナルト(くそ・・・シカマルか・・・!油断した!)

イノ「おらぁ!」

バキィ!

ナルト「ぶっ!!」

ナルト「や、やめろ・・・!」

イノ「うっさい!」ヒュッ

ナルト「くっ!」

ヒナタ「ちょっと待って、イノちゃん」

イノ「ん・・・何」

ナルト「!・・・ヒナタ・・・」

ヒナタ「あたしにも・・・」

ナルト「・・・?」

ヒナタ「あたしにも、やらせて?」


ナルト「!!」

イノ「・・・好きにすれば」スッ

ヒナタ「・・・」

ナルト「ヒ、ヒナタ・・・やめてくれ」

ヒナタ「ナルトくん・・・身の程を知ってね?」

パアン!

ナルト「っ!?」

ヒナタ「・・・ナルトくんはいつまでも、孤独に暮らしていればいいの」パン!パン!

ナルト「やめっ!・・ろっ・・・!」パン!パン!

テンテン「・・・ヒナタ、過激ぃ~」

サクラ「普段はおとなしいのにね・・・」

パン!パン!

パン!パン!

パン!パン!


ナルト「・・・」ポタポタ

ヒナタ「ちょっと・・・手に血がついちゃったじゃない」

ヒナタ「どうしてくれるのっ・・・」グッ

ナルト「・・・?」タラタラ

ヒナタ「よっ!!」ドゴォ!

ナルト「がはぁっ!!」

イノ「こんどは膝蹴りぃ?」

ナルト「ぐふっ・・・おえぇ・・・」

ヒナタ「ナルトくん・・・手、なめてよ」

ナルト「はぁはぁ・・・」

ヒナタ「手についた血、ちゃんと綺麗にして?」スッ

ナルト「はぁはぁ・・・やめてくれ、ヒナタ・・・」

ヒナタ「もう一回膝蹴りされたいの?」

ナルト「ぐっ・・・」

ナルト「お願いだ、やめてくれってばよ・・・!」

ヒナタ「・・・」グッ

ナルト「!や、やめて!」

ヒナタ「えいっ!」ドゴォ!

ナルト「うぐぅっ!!ゲボッ、ゲホッ」

ナルト「はあ・・・はぁ・・・!」


ヒナタ「ほら、なめて」スッ

ナルト「うう・・・・・・・」

イノ「いいわよ~!もっとやっちゃえ~!」

テンテン「かわいそ~」

キバ「や、やべえ・・・」

チョウジ「大丈夫かな・・・」

シカマル「おいおい、もういいんじゃねぇのか」

イノ「あんたたちはだまってなさい・・・!」

シカマル「・・・!わ、わりぃ・・・」

ナルト「・・・っ・・・」ポタポタ

ヒナタ「もう一回言うよ・・・なめて?」

ナルト「ヒナタ・・・!お前のことは、信じてたのに・・・!」

ヒナタ「・・・」グッ

ナルト「!!なめる!なめるから!やめてくれ!」

ヒナタ「・・・なめる?・・・なめさせていただきます、でしょ?」

ナルト「!・・・うう・・・なめ・・・ます」

ヒナタ「聞こえないよ」

ナルト「・・・くっ・・・なめさせていただきます・・・!」

ヒナタ「・・・はい」スッ

ペロペロ

ペロペロ

テンテン「てゆーかヒナタばっかりずるい!!」

サクラ「あたしも、一発本気で殴りたいわ」

イノ「あんたが本気で殴ったら、死ぬけどね・・・」

キバ「女子どもは・・・やっぱこええ・・・」

シカマル「ここまでやるのかよ・・・つーかはやくしろよ・・・!」

イノ「チョウジ!あんたも話しかけられたんでしょ?殴りなさいよ!」

チョウジ「ぼくは別に良いよ・・・もう十分だと思うし」

イノ「甘いって!まだ全然足りないわよ」

チョウジ「そ、そうかな・・・」

ナルト「うう・・・・・・」ペロペロ

ヒナタ「もういいよナルトくん・・・交代するね」

イノ「次あたしよあたし!」




ナルト(・・・うう・・・)ボロボロ

ナルト(ぐ・・・体が痛え・・・)ヨタ・・・ヨタ・・・

ナルト(・・・家、帰んなくちゃ・・・・)ヨタ・・・ヨタ・・・

ナルト「うわっ!」ガッ

ドサッ!

ナルト「いってぇ・・・・・・・・・ううう・・・」

ナルト「くっそ・・・痛くて立てねぇよ・・・!」

ナルト「はぁ・・・はぁ・・・・・・」

ナルト「よいっ・・・しょっっと・・・!」

ナルト「うう・・・!はぁ・・・はぁ・・・」

ヨタ・・・ヨタ・・・

「おい・・・ナルトがいるぞ・・・」

「あの人に近寄っちゃだめよ・・・」

「早く行こうぜ・・・」

ヒソヒソ

ナルト「・・・誰も、助けてくれねえ・・・」

ナルト「・・・俺が、何したって言うんだ・・・!」




ナルト「ハァ・・・ハァ・・・!」

ザッ

ナルト「・・・!」

カカシ「・・・大丈夫か?」

ナルト「カカシ・・・先生・・・」

カカシ「あいつらにやられたんだな」

ナルト「見てたのか・・・?」

カカシ「ああ」

ナルト「だったら、なんで・・・」

カカシ「・・・悪いが、手を貸すことはできない。自力で家に帰るんだ」

ナルト「・・・!」

カカシ「家で大人しくしてろって言っただろ・・・」

ナルト「・・・」

カカシ「じゃあな・・・」

ナルト「ま、待ってくれってばよ!」

カカシ「なんだ?」

ナルト「なんで、みんな俺を避けるんだ?教えてくれってばよ!」

カカシ「・・・?」

カカシ「なんでって・・・今さらだな。昔からそうだっただろ」

ナルト「そんな・・・!」

カカシ「じゃあ俺はいくぞ・・・」

ナルト「ま、待って・・・自力で家に帰れねえって・・・!」

ナルト「くそぉ・・・・・・カカシ先生まで・・・」

ナルト「みんな、変わっちまった・・・!」

ナルト「なんで、こうなっちまったんだ・・・!」

ナルト「うう・・・痛てぇ・・・」





ガチャ・・・

ナルト「ハアハア・・・やっと、着いたってばよ・・・」

ナルト「・・・はやく休まなきゃ・・・」

ナルト「・・・・・・」

『お前、何しにきたんだ?』

『木の葉の疫病神が、私達に近づかないで!』

『ナルトくん・・・身の程を知ってね?』

ナルト「うっ・・・」

ナルト「・・・うぷっ・・・!」

ナルト「おえっ・・・!!」

ナルト「おえぇぇえ!!」ビチャビチャビチャ!!

ナルト「うぷ・・・っはぁ・・・!」ピチャ・・・ピチャ・・・

ナルト「はぁ、はぁ・・・・・・・・・畜生・・・!」

ナルト「うっ・・・」

ナルト「ひぐっ・・・うぐうっ・・・!」

ナルト「うううっ・・・・!」ポロポロ

ナルト「うぅ・・・」ポロポロ





チュン・・・チュン・・・

ナルト(・・・まだ、体が痛え)

ナルト(・・・夢じゃ、ねぇ・・・!)

ナルト(・・・おかしいな・・・いつもなら、一晩寝りゃあもっと回復してたのに・・・これじゃ、昨日と変わんないってばよ)

ナルト(・・・昨日から、おかしなことばかりだってばよ・・・)

ナルト(みんな・・・どうしちまったんだ・・・・・・?)

『何でって・・・今更だな。昔からそうだっただろ』

ナルト(・・・・・・昔から?)

ナルト(昔は確かに避けられてたけど・・・俺は木の葉を救って、みんなから認められたはずなんだってばよ)

ナルト(わかんねぇよ・・・)

ナルト(・・・・・・今日、任務だったな)

ナルト(・・・こんな体じゃいけねぇってばよ)

ナルト(任務休む時って、どうすればいいんだっけ・・・?)

ナルト(休んだことねぇから、わかんねえや)

ナルト(・・・・・・まぁ、行かなかったら誰か呼びに来るだろ・・・今日は休も・・・)

バサッ

ナルト(・・・・・・)

ナルト(・・・トイレいきてぇ)

ナルト(起きなきゃ・・・)

ムクッ

ナルト(・・・!)ズキ!!

ナルト(肋骨が痛ぇ・・・!)

ナルト(ヒナタに蹴られたところだ・・・折れてねぇだろうな・・・)

ナルト(くそぉ・・・)ズキズキ

ムクッ

スッ・・・

ナルト「・・・!ううっ!」ズキ!

バターン!!

ナルト「痛ってぇ!!!」

ナルト「くそ・・・!痛てて・・・!一人で満足にトイレにもいけねえよ・・・!」

ナルト「くっそぉ・・・!なんで、一人なんだよ・・・!」

ナルト「こんな時くらい、誰か居てくれても、いいじゃん・・・!」




ナルト(・・・・・・おかしいな・・・結局、誰もこねえまま、夕方になっちまった・・・)

ナルト(どうなってんだ・・・?)

ナルト(・・・俺の代わりに、誰か任務に行ったのかな・・・)

ナルト(まぁ、もういいか・・・)

ナルト(・・・・・・)グゥ~

ナルト(そういえば昨日の夜から何も食ってなかったってばよ・・・・・・どうしよう)

ナルト(こんな時なのに、カップラーメンもうないってばよ)

ナルト(・・・料理は下手だし・・・あれをもう一回食うのは、ごめんだってばよ)

ナルト(・・・仕方ない・・・買いに行こう・・・)

ナルト(昨日よりは、痛みはマシだし、何とか歩けそうだってばよ)

ガタッ

ギッギッ・・・

ナルト(・・・!)ズキ!

ナルト(うっ・・・やっぱいてぇな)

ナルト(ゆっくり行こう・・・)




ナルト(・・・)ザッザッ

ナルト(・・・)ザッザッ

ナルト(視線を、感じる・・・)

「おいおい、まただぜ・・・」

「外出るなっての・・・」

ヒソヒソ・・・

ヒソヒソ・・・

ナルト「・・・うるせぇ・・・」

ヒソヒソ・・・

ヒソヒソ・・・

ナルト「うるせんだってばよ!!!!」

ナルト「・・・!!」ズキ!!!

ナルト「うっ・・・!」

「いこうぜ・・・」

「行きましょ・・・」

ヒソヒソ

ヒソヒソ

ザッザッ・・・

ザッザッ・・・

ナルト「くっ・・・!」

バタッ

ナルト「い、いてぇ・・・!大声出すんじゃなかった・・・!」

ナルト「ハァ・・・ハァ・・・・・・」

ナルト「ちくしょう・・・!」

ナルト「・・・ちょっと、ここで休憩しなくちゃ・・・・・・・・・!」

「おいおい、あいつあんなところに居るぜ・・・」

「近寄っちゃダメよ」

「目を合わるんじゃないぞ」

ヒソヒソ

ヒソヒソ

ヒソヒソ

ナルト「・・・・・・くそぉ・・・うるせえんだよ・・・!」

ナルト「畜生・・・!」

ヒソヒソ

ヒソヒソ




ナルト「・・・はぁ・・・はぁ・・・痛みがおさまらねぇ・・・」

ナルト「・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・・・・」

「あれ・・・ナルトくん・・・どうしたの?」

ナルト「・・・・・・!」

シズネ「怪我してるじゃないですか!?」

ナルト「シズネのねーちゃん・・・」

シズネ「手当をしないと!誰にやられたんですか!?」

ナルト「・・・」ジー

シズネ「な、なんですか・・・?」

ナルト「・・・シズネのねーちゃんは、おれを避けないのか?」

シズネ「避ける・・・?なんで私がナルトくんを避けるんですか」

ナルト「・・・!」

シズネ「どこか座れるところに行きましょう!歩けますか?」

ナルト「・・・」

シズネ「・・・ナルトくん?」

ナルト「シズネのねーちゃん!!」ガシッ

シズネ「・・・!!」ギューッ

ナルト「うぅ・・・」

シズネ「ちょ、ちょっと・・・!」ギューッ

ナルト「・・・」

シズネ「ナルトくん・・・?」

ナルト「・・・あ!わ、悪い・・・」

パッ・・・

ナルト「ごめん・・・」

シズネ「い、いえ・・・」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「とりあえず、どこか座れるところへ・・・」




シズネ「そうですか、そんなことが・・・」

ナルト「・・・」

シズネ「かわいそうに・・・」

シズネ「みんながそんなことするなんて、ちょっと信じられないけど・・・」

ナルト「・・・俺だって、信じられないってばよ」

シズネ「怪我は、そんなにひどくなくてよかったけど・・・しばらくは家で安静にしてくださいね」

ナルト「うん・・・」

シズネ「もう、歩けますか?」

ナルト「いや・・・」

シズネ「・・・私が家まで送りますから、そんな顔しないでください」

ナルト「!・・・」

シズネ「それに、みんなのその態度のほかにも、カカシさんや里の方までというのが気になります・・・家に着いたらもっと詳しく聞かせてください」

ナルト「うん・・・」





シズネ「なに、この落書き・・・ひどい・・・」

ナルト「・・・うぅ・・・」

シズネ「ナルトくん・・・大丈夫ですよ・・・」

ナルト「・・・うん・・・」

シズネ「・・・・・・・・・」

ナルト「・・・・・・・・・」

シズネ「・・・・・・ナルトくんが元気ないと、私まで元気なくなっちゃいますよ」

ナルト「・・・そうなのか」

シズネ「そう!ナルトくんから元気をもらってるんですよ」

ナルト「やめてくれってばよ」

シズネ「あはは・・・」

シズネ「そういえば、ナルトくんの家って初めて入りますね~」

ナルト「あ、家、入るんだ・・・」

シズネ「そりゃそうでしょう・・・それともここで事情を聞きましょうか?」

ナルト「いや、それはないってばよ」

シズネ「そうでしょ?」

ナルト「家は汚いけど・・・」

シズネ「別に構いませんよ」

ナルト「んじゃ、どうぞ、はいって」ガチャ

シズネ「お邪魔します・・・ん?」

"家から出るな"

シズネ「・・・これ、ナルトくんが書いたんですか?」

ナルト「んなわけないってばよ。たちの悪いいたずらだってばよ・・・」

シズネ「・・・そうですよね。ちゃんと鍵しめなくちゃ」

ナルト「・・・うん・・・閉めたと、思うんだけどな・・・」

シズネ「うっかりすることもありますよ。じゃあ、お邪魔しますね」

シズネ「って、うわ!」

グチャーーー!!

シズネ「うわっ・・・汚っ!」

ナルト「はは、だからいったのに」

シズネ「ごみはゴミ箱に捨てなきゃダメじゃないですか!あと洗い物も!」

ナルト「はい・・・」

シズネ「・・・まあ、ナルトくんは安静にしててください」

ナルト「そうさせてもらうってばよ・・・」



シズネ「ふぅ、やっと終わった~」

ナルト「めっちゃ綺麗になったってばよ・・・」

シズネ「これからはちゃんと片付けてくださいね?」

ナルト「気をつけます・・・」

シズネ「・・・ふぅ~。痛みは、どうですか」

ナルト「うん・・・だいぶまし」

シズネ「そう、よかった」

シズネ「・・・それで、一体どうしちゃったのかしら、里のみんなは・・・」

ナルト「わかんねぇってばよ・・・」

シズネ「いつから?」

ナルト「シズネのねーちゃんの家に行った日、帰ったら・・・落書きがあったってばよ」

シズネ「あの日から・・・」

ナルト「みんなから『疫病神』って言われるし・・・訳わかんないってばよ」

シズネ「疫病神・・・確か家の壁にも書いてありましたね・・・。疫病神って・・・一体どういうこと・・・?」

シズネ「ナルトくんは里を救った英雄のはずなのに・・・」

ナルト「おれが近づくと厄がうつるっていうんだってばよ・・・」

シズネ「・・・私の知る限りでは、今までそんなこと言う人はいなかったけど・・・」

ナルト「おれも、そう思うんだけど」

シズネ「正直私には、ナルトくんがそんな風に言われる理由が思いつきません・・・」

シズネ「・・・明日、他の人にも話を聞いてみます」

ナルト「うん・・・頼むってばよ」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「・・・だぁいじょうぶですって!なんとかなりますよ!」ニコッ

シズネ「だから、そんな顔しないで!」

ナルト「うん・・・」


シズネ「そうだ!おなか、すいてるでしょう?」

ナルト「え、ああ・・・うん・・・。みんなと、食ってくるつもりだったんだけどさ・・・」

ナルト「結局、昨日の夜から何も食ってなくて・・・」

シズネ「・・・何かご飯作りますよ!」

ナルト「ほんとに?・・・すまないってばよ・・・何から何まで・・・」

シズネ「いいんですよ!それで材料は何かありますか?」

ナルト「うん、前に適当に買ったのが冷蔵庫にあるってばよ」

シズネ「わかりました・・・中身はっと」パカ

シズネ「ふむふむ・・・へぇ、自分で料理したんですか?」

ナルト「うん・・・大失敗だったけどな」

シズネ「いやいや、最初はみんなそうですよ。だんだんうまくなりますって」

ナルト「そうかな・・・」

シズネ「そうですよ・・・じゃあ、ちょっと待っててくださいね」

ナルト「うん、ありがとだってばよ」




シズネ「はい、どうぞ」ゴトッ

ナルト「おお、うまそう!」

シズネ「どうぞ、召し上がれ」

ナルト「おっす!いただきます!」

ナルト「・・・」モグモグ

シズネ「どう、本職の味は?」

ナルト「・・・うめぇ」

ナルト「めちゃくちゃうめぇってばよ!」

シズネ「ふふっ、そうでしょー」

ナルト「このチャーハンは昨日のやつとは全く別物だってばよ」モグモグ

シズネ「あはは・・・多めに作っておいたから、残ったらまた明日にでも食べてください」

ナルト「わかったってばよ」モグモグ

ナルト「なんで俺の作った奴とこんな違うんだ?」

シズネ「・・・作る時に、なに入れました?」

ナルト「えっと、炊いた米と醤油と焼豚」

シズネ「えー・・・それじゃだめですよ・・・」クスクス

ナルト「え、そうなのか!?」

シズネ「というかあれだけ買った材料の意味は・・・?」

ナルト「いやあ、腹減っててさ」

ナルト「ただの醤油味のご飯だったってばよ」

シズネ「あはは・・ナルトくんらしいというか、なんというか・・・」

シズネ「もしよかったら、この後作り方も教えてあげますけど、どうですか?」

ナルト「おお、マジ!?教えてくれってばよ!!」

シズネ「わかりました!」

シズネ「あ、でも、ゆっくり食べてもらって大丈夫ですよ」

ナルト「おう!」モグモグ

シズネ「・・・」ジー

ナルト「・・・・・・」モグモグ・・・

シズネ「・・・」ジー

ナルト「・・・・・・・・・・」チラ・・・

シズネ「・・・」ジー

ナルト「な、なんでそんな見るんだってばよ・・・・」

シズネ「んー?おいしそうに食べるなーと思って」

ナルト「だってこれマジうまいってばよ」

シズネ「ふふ・・・」ジー

ナルト「つーかあんま見られると食いにくいって・・・」

シズネ「気にしないで」ニコニコ

ナルト「・・・な、なんか照れるってばよ・・・」モグモグ



シズネ「じゃあ、お邪魔しました」

シズネ「また、何かわかったら報告に来ます」

ナルト「うん・・・ありがとう・・・ほんとに」

シズネ「何回も言うようだけど、しばらくは家で安静にしててくださいね?」

シズネ「悪化するといけないから・・・」

ナルト「わかったってばよ」

シズネ「じゃあね、ナルトくん」フリフリ

ナルト「うん、また」フリフリ

ガチャン

ナルト「・・・」フリフリ

ナルト(・・・さて・・・)

ナルト(寝るってばよ・・・)

ギッギッ・・・

ギッギッ・・・

ナルト(・・・・・・綺麗に、片付いてんな・・・)

ナルト(おれの部屋じゃねえみてぇ)

ナルト(・・・まだ少し、痛むな)

ナルト(でも、だいぶマシになったってばよ)

ナルト(シズネのねーちゃんのおかげだな・・・)

ナルト(さすが、医療忍者)

ナルト(・・・・・・あ、作ってもらったチャーハン、まだ冷蔵庫に直してなかったってばよ。直しとかないと・・・)

ギッギッ

ナルト(・・・残ったチャーハン、皿に盛っといてくれたのか)

スッ

ナルト(・・・まだ少し、温かい・・・・・・)

『・・・だぁいじょうぶですって!なんとかなりますよ!』

ナルト(・・・・・・今日が楽しかったからかな)

ナルト(なんだか、部屋が広く感じんな・・・)

ナルト(もっとゆっくりしてきゃよかったのに・・・)

ナルト(もっと話がしたかったな・・・・・・)




ナルト「家でおとなしく・・・か。こんなことしてっとどんどん体がなまっちまうな・・・」

ナルト「まぁ、しゃあねぇか・・・」

ナルト「さて・・・お昼ごはんにするってばよ」

ガチャ

ナルト「・・・今日はこのチャーハンがあるってばよ!」

ナルト「うれしぃな~~~~っと!!」

ナルト「あっはっはっは!」

ナルト「はっはっは・・・」

ナルト「・・・・・・さて、温めなおすってばよ・・・」



ジュージュー

ジュージュー

ナルト「よし・・・皿に盛って・・・」ドサ

ナルト「・・・できた!」

ナルト「それじゃ!いただきま~す!」

モグモグ

ナルト(やっぱうめぇ・・・)

ナルト(・・・)モグモグ

ナルト(・・・)モグモグ

・・・

・・・

ナルト(・・・しまった!全部食っちまった・・・!夜においとこうと思ってたのに!)

ナルト(シズネのねーちゃん、これ美味すぎだってばよ・・・)

ナルト(・・・今日、来るかどうかもわかんねぇのに・・・)

ナルト(・・・いや、来て・・・くれるよな・・・・・・)




ホォー・・・ホォー・・・

ナルト(・・・・・・こねぇ)

ナルト(・・・シズネのねーちゃんだって仕事があるんだ・・・。そりゃ、これねぇこともあるよな・・・)

ナルト(・・・・・・)グゥー

ナルト(くそ・・・なんもしてねぇのに、腹は減りやがる・・・)

ナルト(お昼あんなに食ったのに・・・)

ナルト(・・・もう、大分体もよくなったってばよ)

ナルト(カップラーメン買いにいこう。シズネのねーちゃんに頼ってばっかじゃ、だめだ)

ナルト(ちゃんと、自分のことは自分でしないと・・・)

ギッギッ・・・

ギッギッ・・・

"家から出るな"

ナルト「・・・この字、よく見たら・・・俺の字に似てるってばよ・・・」

ナルト「・・・家から出るな、か。確かに、家から出ねぇほうがいいかもな・・・」

ナルト「・・・でも、食わねえと死んじまうからな・・・。カップラーメン買いだめしとこう」

ガチャ




イラッシャイマセー

ワイワイ

ガヤガヤ

ナルト「カップラーメン、カップラーメンっと・・・あ、あったあった」

ナルト「いっぱい買っとこう・・・」

ガサガサ

ガサガサ

ガサガサ

ナルト「あ」

カカシ「あ」

ナルト「・・・」

カカシ「・・・」

ナルト(・・・カカシ先生)

カカシ「・・・」

ナルト(・・・どうせ、また)

カカシ「・・・独り身には、カップラーメンはちょうどいい飯だよな」

ナルト「・・・!」


カカシ「カップラーメン、切れたのか?」

ナルト「カカシ先生・・・」

カカシ「ん?」

ナルト「俺を避けてたんじゃないのか・・・?」

カカシ「・・・・・・変なこと聞くね。別に好きで避けてるわけじゃないさ」

ナルト「・・・?好きで避けてるわけじゃない?どういうことだってばよ?」

カカシ「・・・別に改めて聞くことでもないだろ」

ナルト「え?」

カカシ「じゃあな・・・あんまり外出歩くなよ」

スタスタ

ナルト「・・・・・・あ、ちょっとまってくれってばよ!」

カカシ「ん?」

ナルト「俺の任務はどうなってんだ?」

カカシ「・・・え」

ナルト「任務だよ、任務!ゲジマユの班の引き継ぎのやつ!」

カカシ「・・・なにそれ」

ナルト「ゲジマユから、聞いてんだろ?」

カカシ「・・・はぁ。やっぱりなんか、今日のお前、変だね」

ナルト「え」

カカシ「お前には任務なんてないよ」

ナルト「え??」

カカシ「・・・はぁ。お前は、家でおとなしくしてるのが任務みたいなもんだよ」

ナルト「・・・どういうことだってばよ・・・」

カカシ「とにかく大人しくしてろってことだ・・・じゃあな」

スタスタ

ナルト(・・・ますます、わかんねぇ!)

ナルト(・・・・・・でもなんか、カカシ先生は俺のこと嫌ってる感じじゃないな・・・)






アリガトウゴザイマシター

ナルト(・・・持って来た金、ほぼ全部使っちまったけど、これだけ買えばしばらく大丈夫だろ・・・)

ナルト(さ・・・早く帰るってばよ)

ザッザッ

ザッザッ

「ちょっと待ちなさいよナルト!!」

ナルト「・・・ん?・・・イノ」

イノ「あんた、あんな目に合わされといてまた外歩いてるわけ?」

ナルト「・・・・・・」

ナルト(何かの間違いであってほしかった・・・やっぱ、この態度なのか・・・)

イノ「つーかあんたいいもの持ってるじゃない」

ナルト「・・・」

イノ「それ全部ここに置いていきなさい」

ナルト「・・・は?」

イノ「おいてったら何もしないであげる」

ナルト「・・・いやだと言ったら?」

イノ「・・・あんた、また痛い目見たいの?」

ナルト「・・・やめろ、お前を殴りたくはねぇ」

イノ「調子に乗るんじゃないわよ・・・」

ナルト「・・・一人で、おれに勝てるのか?」

イノ「ずいぶん強気じゃない・・・!弱いくせに!」ダッ

ナルト(・・・来た・・・!)

ナルト(・・・一人で俺に向かってくるわけがない・・・誰か協力者がいるはずだ)

イノ「えい!やぁ!」ブンブン

ナルト「う・・・!」ヒョイ

ナルト(体が重いってばよ・・・!)ヒョイヒョイ

イノ「どうしたのっ・・・!?遅いわよ!」ブンブン

ナルト「くっ・・・!」


ナルト「なら・・・影分身!」

シュッ

ナルト「・・・!!」

イノ「なにしてんの?」

ナルト「くそ・・・うまくチャクラがねれねぇ・・・!」

イノ「ぷっ、あはは!なんのまね?それ!」

イノ「あんた、忍術なんて何も使えないじゃない!」

ナルト「くそ・・・!馬鹿にしやがって・・・!!」

イノ「そらっ!」ビュッ

ナルト「っ・・・!」ヒュッ

ナルト「はぁっ・・・クソ・・・ジリ貧だ・・・!」



パァー

ナルト「・・・はぁ、はぁ」

イノ「それ!」ビュッ

ナルト「うわっと!!」ヒョイッ

イノ「!いまよ!シカマル!」

ナルト「!!」

ザクッ

ナルト「・・・!」

ナルト(動けねぇ・・・)

シカマル「クナイで影を縛る術だ・・・」

ナルト(街灯のせいで、影が・・・まんまとそこにおびき出されたってわけか・・・)

ナルト(ちくしょう・・・体がついていかねぇ・・・)

イノ「よくも生意気な口聞いてくれたじゃない」

ナルト「・・・」ギロ

パァン!!

ナルト「っ・・・!」


パァン!!

ナルト「やめっ・・・!」

パァン!!

ナルト「っ!・・・・・・」

パァン!!

パァン!!

パァン!!

ナルト「ぐ・・・・・・」

イノ「・・・・・・まぁ、この辺にしといてあげるわ」

ナルト「・・・」

イノ「これはもらっていくわ。そこで反省してなさい」バサ

イノ「バイバーイ」

ザッザッ・・・

ナルト「・・・」

シカマル「・・・お前もわりぃんだぜ。家で大人しくしてりゃいいのによ・・・」

ナルト「・・・」

シカマル「・・・2、3時間したら解ける」

ナルト「・・・」

ザッザッ・・・

ナルト(・・・2、3時間も、このままかよ・・・!)

ナルト(・・・・・・動けないなら・・・仙人モードだ!)

ナルト(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

ナルト(・・・!)ゲコー

ナルト(やべぇ!!)

パッ

ナルト(・・・・・・くそっ・・・!!なんでできねぇんだ・・・!)

ナルト(チャクラコントロールがうまくいかねぇ・・・なんだか、俺の体じゃねえみてぇだ・・・・・・!)

ナルト(・・・影分身も、できねぇ・・・・・・螺旋丸も、できねぇ。仙人モードも・・・)

ナルト(これができなきゃ・・・俺ってば・・・ただの馬鹿じゃねぇか・・・!)

ナルト(くっそぉ・・・!!なんで、こうなっちまうんだ・・!)

ナルト(あいつらも、変わっちまった・・・)

ナルト(味方なんかいねぇ・・・!おれはこの里で、一人だ・・・!)

ナルト(ちくしょう・・・!)




ザッザッ・・・

ナルト「・・・何のために出かけたんだ・・・・・・」

ザッザッ・・・

ザッザッ・・・

ナルト「・・・やっと、ついた・・・。もうすっかり、深夜だってばよ」

ナルト「・・・」ガチャ

ガタン

ナルト(・・・あれ・・・鍵閉め忘れてたな)

ナルト(シズネのねーちゃんに注意されたばっかなのに・・・。気をつけなくちゃ・・・)ガチャ

キィー

ナルト「ただい・・・」

パァー

ナルト(・・・電気が、ついてる・・・?)

ナルト(誰かいるのか・・・?)

チラ

ナルト(この靴は・・・・・・)


ギッギッ・・・

シズネ「・・・あ、ナルトくん」

ナルト「・・・!」

シズネ「すみません、お邪魔してます」ニコッ

ナルト「・・・ああ」

シズネ「ナルトくん・・・どこ行ってたんですか?今日は安静にしてなきゃ、だめじゃないですか」

ナルト「・・・ごめん」

シズネ「何事もなくてよかったですよ・・・」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「・・・私も、今日はちょっと仕事が遅くなっちゃって・・・来るのが送れちゃいました、すみません」

ナルト「いや、そんなの・・・」

ナルト「・・・・・・これは・・・」

『ナルトくん 誕生日おめでとう』

ナルト「・・・!」

ナルト(ケーキ・・・)

ナルト(それに、料理が、いっぱい・・・!)

シズネ「・・・一昨日が、ナルトくんの誕生日だったんですね。ちょっと遅れちゃいましたけど・・・」

ナルト「・・・」

シズネ「ふふっ」ニコ

シズネ「おかえり、ナルトくん」

ナルト「・・・・・・」

ナルト「ぅ・・・」

ナルト「・・・っく!・・・」

ナルト「・・・・・・た」



ナルト「ただいま・・・・・・!」ポロポロ






シズネ「そう、そんなことが・・・」

ナルト「・・・」モグモグ

シズネ「・・・カカシさんは、ナルトくんの味方かもしれませんね」

ナルト「そうだと、いいんだけど・・・」

シズネ「何らかの理由があって、ナルトくんにあまり近づけないのかもしれません」

ナルト「・・・」モグモグ

シズネ「・・・ナルトくん」

ナルト「ん?」モグモグ

シズネ「少し、事実確認をさせてください」

ナルト「・・・?うん」

シズネ「数ヶ月前、暁のペインが里を襲った。その時は、ナルトくんがペインを説得し、私を含めみんなを生き返らせた」

シズネ「私は、そう認識しているんですが、それであってますか?」

ナルト「うん、まぁ・・・あってる」

シズネ「そういう認識なのは、この里ではおそらく私とナルトくんだけです」

ナルト「え・・・?」

シズネ「おそらくこの里のみんなの認識はこうです」

シズネ「暁のペインが九尾の人柱力であるナルトくんを狙って木の葉を襲った」

シズネ「里は被害を受けながらも、里中の忍を総動員してなんとかペインを追い払うことができた・・・という感じです」

ナルト「・・・・・・・・・え?」

シズネ「それと、もうひとつ。なんだかみなさん、雰囲気が少し違うんです」

ナルト「・・・」

シズネ「みなさん、どこか私の知っている人と違うんです・・・」

シズネ「特に、綱手様がまるで別人で・・・なんだか怖くて・・・」

ナルト「別人・・・?」


シズネ「ええ・・・いつもならなかなか終わらない仕事もちゃんとやってくれますし、それは助かるんですけど」

ナルト「うん」

シズネ「なんかこう、上手く言えないけど・・・ひどく冷酷な人に見えたんです・・・」

ナルト「・・・?」

シズネ「よくわかりませんよね・・・とにかく、別人なんです」

ナルト「あいつらだけじゃなかったのか・・・・・・それに、ペインの時の認識の違い・・・」

ナルト「何が、起こってるんだ・・・?」

シズネ「・・・・・・幻術の可能性は、あります」

ナルト「幻術?」

シズネ「そう、ただ単に私が幻術に掛けられてるだけです」

ナルト「・・・・・・・ここに居る俺も、シズネのねーちゃんが見ている幻ってことか?」

シズネ「・・・そうです」

ナルト「それはないってばよ。おれってば、確かにここにいるからな」

シズネ「・・・・・・ええ、可能性としてあるといっただけです」

シズネ「ただ、そう思って一度"解"をしてみたんですが、解けませんでしたし、幻術だとしたら目的が不可解ですね」

ナルト「・・・?」

シズネ「ナルトくんが違和感を感じ始めた時に幻術にかけられたとすると、すでに4日間たっています」

シズネ「4日間、術者がなにもしないということがあるでしょうか?」

ナルト「うーん・・・・・・確かにそれはおかしいな・・・・・・でも」

ナルト「・・・昔カカシ先生が、一秒が何時間、何日間にも感じられる幻術にかけられた事があるって言ってたってばよ」

ナルト「もし、その幻術にかけられたのだとすると・・・」

シズネ「・・・なるほど・・・。現実では、まだ一秒も立っていないかもしれない、ですか」

ナルト「うん・・・」

シズネ「現時点では判断できませんね」

ナルト「二人同じ幻術に掛けられている可能性は無いのか?」

シズネ「・・・たとえ同じ幻術だったとしても、こんな風に幻術に掛けられたもの同士で話したりはできません」

シズネ「幻術世界というのはあくまで、一人一人がみる幻ですから」

ナルト「・・・そうか」

シズネ「だから、幻術は可能性としてはあるかもしれないけど低いです」


ナルト「じゃあ、他に何かあるのか?」

シズネ「ええ・・・私達は、別の世界に来てしまったのかもしれない、ということです」

ナルト「別の世界・・・?」

シズネ「・・・そんなものがあるのかどうか分かりませんけど、そう考えるといろいろ辻褄が合うんです」

ナルト「・・・確かに、そうだってばよ・・・。一日やそこらで、ここまで里のみんなの態度が変わるわけないってばよ」

シズネ「ええ」

ナルト「何で俺達はこの世界に来たんだ?」

シズネ「わかりません」

ナルト「・・・どうすれば、元の世界に戻れるんだ・・・?」

シズネ「わかりません・・・」

シズネ「それがわかるまでは、この里で過ごすしかありません」

ナルト「・・・」

シズネ「・・・ナルトくんには、つらいでしょうけど・・・」

ナルト「・・・・・・いや、俺だって頑張るってばよ。帰る方法、探してみるってばよ」

シズネ「・・・ナルトくんは、あまり家を出ない方がいいです」

シズネ「この里のみんながナルトくんを避けるのはそれなりの理由があるはずですから、それがわかるまでは家を出ない方が」

ナルト「・・・うん」

シズネ「それに、いつも通りの力がでないんですよね?」

ナルト「・・・そうなんだってばよ」

ナルト「なんだか、体が重くて、俺の体じゃないみたいでさ・・・イノにさえ、負けちまう」

シズネ「・・・仙人モードはできますか?」

ナルト「やろうとしたんだけど、チャクラコントロールが上手くいかなくて蛙化しそうだったから、やめたってばよ」

シズネ「・・・そうですか」

シズネ「ナルトくんは、チャクラコントロールの修業をしていてください」

シズネ「もし戦闘になることがあったとしたら、ナルトくんが頼りなんですから・・・」

ナルト「・・・わかったってばよ・・・それよりさ」

シズネ「・・・?」

ナルト「シズネのねーちゃんも食べたら?こんなにいっぱい、食べきれないってばよ」

シズネ「そうですね・・・。それじゃ、私も頂こうかな」

ナルト「うん」

シズネ「いただきます」モグモグ

シズネ「んん・・・自分で言うのもなんだけどおいしい!」

ナルト「っははは、うめぇよ、ほんとに・・・」

シズネ「・・・ありがと。自分の料理を他人に振る舞うことって、今までなくって・・・」

ナルト「そうなの?」


シズネ「そうなんです。自分で作って自分で食べるだけです」

シズネ「だからやっぱり"おいしい"って言ってもらえると、うれしいです!」

ナルト「ほんと、うまいよ・・・。毎日こんな料理だったらなぁ」

シズネ「作りに行けるときは、作りに来ますよ」

ナルト「ほんとか!?」

シズネ「ええ、ナルトくんは家から出ない方がいいですし、情報交換もしないといけませんからね」

ナルト「毎日、これが食えんの?」

シズネ「あはは・・・そんなに、楽しみにされると照れますね・・・」

シズネ「でも、もしかしたら作りに来れないこともあるかもしれませんし、お昼は自分で食べてもらわないといけませんから」

シズネ「だから、何か食料を買いだめておいたほうがいいでしょうね」

ナルト「・・・そうか」

シズネ「カップラーメン、盗られちゃったんでしょう?」

ナルト「うん・・・情けないけどな」

シズネ「明日は、とりあえずカップラーメン大量に買って持ってきます。私が来れないときは、それを食べておいてください」

ナルト「わかったってばよ」モグモグ

ナルト「うまいなぁ、ほんとに・・・」モグモグ

シズネ「ふふっ」

シズネ「ケーキ一切れ、もらっていい?」

ナルト「もちろんだってばよ!」

ナルト「あのさ、このケーキって手作り?」

シズネ「ええ、そうですよ」

ナルト「・・・・・・おれのために、そこまで」

シズネ「あはは・・・そんなにたいした手間じゃないですよ」

ナルト「ほんと、ありがとだってばよ・・・・・・!」

シズネ「いえいえ・・・お味はどうですか?」

ナルト「そりゃもう・・・文句のつけようが無いってばよ」

ナルト「シズネのねーちゃんは、いいお嫁さんになるな」

シズネ「あはは・・・それを私にいいますか・・・」

ナルト「いや、ごめん!他意はないってばよ!」

シズネ「わかってますよ、ちょっといじけてみただけです」ニコ

ナルト「なんだそうか・・・」

シズネ「いえ、ちょっと怒ってますよ?」

ナルト「えええ!」

シズネ「あはは、うそうそ!」

ナルト「・・・どっちなんだってばよ~」






シズネ「ナルトくんは、明日は修業ですよ!」

ナルト「わかってるってばよ・・・。今日は、ほんと、ありがとう・・・」

シズネ「いえいえ・・・」

ナルト「・・・」

シズネ「また、来ますから」

ナルト「うん・・・」

シズネ「じゃあ、今日は失礼しますね」

ナルト「・・・」

ナルト「もう、帰っちまうの・・・?」

シズネ「・・・」

ナルト「・・・もっとゆっくりしていきなよ・・・」

シズネ「・・・・・・ナルトくん・・・・・そんな顔しないでください・・・」

ナルト「だって・・・」

シズネ「・・・ナルトくん」

ナルト「・・・?」

パッ

ナルト「・・・!」

シズネ「・・・・・・おいで」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「もう、一回私に抱きついてるじゃないですか。前みたいに遠慮しなくていいんですよ」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「ほら・・・おいで」

ナルト「・・・・・・じゃあ」

ギッギッ・・・

ギュッ・・・

シズネ「・・・ふふ・・・」

ナルト「・・・」

シズネ「・・・ナルトくんも、ほら・・・背中に手をまわして・・・」

ナルト「あ、ああ・・・」

スッ

ギュッ・・・

シズネ「そうそう・・・」


シズネ「しばらく、こうしていましょう・・・」

ナルト「・・・」

ナルト(・・・暖かい・・・)

トクン・・・トクン・・・

ナルト(・・・シズネのねーちゃんの、心臓の音・・・)

ナルト(呼吸・・・匂い・・・)

ナルト(全部、感じる・・・)

ナルト(・・・・・・)





ナルト「・・・もう、大丈夫だってばよ」

シズネ「・・・そう・・・」

スッ

シズネ「・・・・・・」

ナルト「・・・・・・」

ナルト「・・・・・・ごめん、わがまま言って」

シズネ「・・・いえ」

シズネ「・・・じゃあ、失礼しますね」

ガチャ

シズネ「また、明日ね」フリフリ

ナルト「・・・うん、また」

バタン

ナルト「・・・・・・行っちまった」


パチッ

パチッ

ギッギッ・・・

ギッギッ・・・

ナルト(・・・うわー・・・)

ズラーッ

ナルト(食器、いっぱいあんな・・・。洗い物しなくちゃ)

カチャカチャ

ナルト(・・・シズネのねーちゃんにそこまでさせるわけにはいかねーからな)カチャカチャ

ナルト(・・・・・・ケーキも、冷蔵庫に直しとかないと痛んじまうな・・・・・・)カチャカチャ

『おかえり』

ナルト(・・・・・・)チラ

ナルト(・・・ここに、シズネのねーちゃんが座ってたんだ・・・・・・)

『・・・・・・おいで』

ナルト(・・・・・・まだ、感触が残ってる・・・)

ナルト(やっぱ、誰か居てくれるってのは・・・いいな)

ナルト(・・・また明日も・・・来てくれるんだ・・・・・・・・・)

ナルト(シズネのねーちゃん・・・)

ナルト「・・・・・・早く、会いたいな・・・」




ナルト(・・・だめだ・・・)

ナルト(ちょっとはコツを掴んだけど・・・まだできねぇなあ)

ナルト(・・・チャクラコントロールがうまくいかねぇ・・・・・・もうちょい練習だ・・・)

コンコン

ナルト(・・・!)

コンコン

ナルト(シズネのねーちゃんだ・・・!)

ナルト「はーい!今行くってばよ!!」

ダッダッダッダ

ガチャ

シズネ「こんばんは!」

ナルト「こんばんは・・・いらっしゃい!」

シズネ「おっ・・・なんか声が明るいですね!何かいいことありましたか?」ニコ

ナルト「ああ!シズネのねーちゃんが来たことだってばよ!!」ニカー

シズネ「・・・!も、もう、ナルトくんったら・・・」

ナルト「はは、照れてるー」

シズネ「からかわないでくださいよ~・・・じゃあ、お邪魔してもいいですか?」

ナルト「もちろんだってばよ!」

シズネ「ありがとう」ニコッ

ナルト「その荷物はカップラーメン?」

シズネ「ああ、いえ・・・またお料理お作りしようかと思いまして、その材料です」

ナルト「おお、楽しみにしてるってばよ!」

シズネ「カップラーメンは、荷物が多くて・・・少ししか買えませんでした」

ナルト「そんなのいつでも大丈夫だってばよ!どうぞどうぞ、入って!」

シズネ「ふふ・・・、じゃあ、お邪魔しますね・・・」

ギッギッ・・・

ギッギッ・・・

シズネ「じゃ、準備しますね」

ナルト「うん」

シズネ「確か昨日の材料の残りを冷蔵庫に・・・」

ガチャ

シズネ「あれ」


ナルト「ん?」

シズネ「ナルトくん、このケーキ・・・早く食べたほうがいいですよ?おいとくと固くなってまずいですから・・・」

ナルト「いやぁ、なんかもったいなくて・・・」

シズネ「・・・まあ、お任せしますけどね・・・」





ゴトッ

ナルト「おおー、うまそうだってばよ」

シズネ「ふふ・・・」

ナルト「一品だけじゃねぇんだな・・・いつもこんなに作ってんのか?」

シズネ「ええ・・・食事は栄養バランスを考えて作ってますから」

ナルト「さすが・・・」

シズネ「といっても、自分が食べるだけだとこんなには作りませんけどね・・・」

シズネ「ナルトくんがおいしそうに食べてくれるから、はりきって作っちゃいますよ!」

ナルト「・・・!」

シズネ「ふふふ・・・さっきのお返しです」

ナルト「・・・・・・・」

シズネ「あ、あれ・・・?」

ナルト「・・・・・・・・・・ありがとう」

シズネ「・・・・・・いえいえ」

シズネ「じゃあ早速食べましょう!冷めちゃいますよ!」

ナルト「うん・・・いただきます!」

モグモグ

モグモグ

ナルト「うめぇ!!」

シズネ「そうですか?よかったぁ」モグモグ

シズネ「うん、おいしい!」


ナルト「モグモグ・・・」

シズネ「修行は順調ですか?」

ナルト「うーん・・・まぁまぁ・・・」

シズネ「そうですか・・・」

ナルト「モグモグ・・・あっそうそう!」

シズネ「・・・?」

ナルト「多分だけど・・・本来の力が出ないのはさ」

シズネ「うん」

ナルト「この体が、もともとこの世界に居た俺の体だからなんだってばよ」

シズネ「なるほど」

シズネ「私達が、この世界の私達に乗り移った、と捉えればいいんでしょうかね」

ナルト「ああ・・・そうなるかな」

ナルト「きっとこっちの世界の俺は修行サボってたんだろうなー」

シズネ「そうかもしれませんね・・・・。あっ・・・・・・ということは、私もですよね」

ナルト「うん、多分そうだと思う」

シズネ「ふーん、そっかぁ・・・」

シズネ「あ・・・・」

ナルト「・・・?どうしたってばよ?」

シズネ「いえ・・・・なんでも・・・・・・」

ナルト「何かわかったのか!?」

シズネ「いやいや、なんでもないです!!」

ナルト「・・・そうか・・・?でもなんか気になるな」

シズネ「なんでもないですって・・・」

ナルト「そんなこといわねぇでさ!教えてくれよ!」

シズネ「・・・・・・ほんとに、たいしたことじゃないですよ・・・?」

ナルト「なになに・・・?」

シズネ「・・・・・・最近・・・・・」


ナルト「うん」

シズネ「胸がちょっと大きくなったかなって・・・喜んでたんです・・・」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「・・・・・・はぁ、そういうことだったのかぁ」

ナルト「・・・それ、気にしてたんだな・・・・」

シズネ「・・・・・・」ジト・・・

ナルト「・・・・・・!」

ナルト「・・・そ、それで、シズネのねーちゃんは何か収穫はあったのか?」

シズネ「私は・・・そうですね」

シズネ「ナルトくんのことを聞こうと思ったんですけど、みなさんナルトくんの話を避けますね・・・」

ナルト「・・・へぇ」

シズネ「私がナルトくんのことを聞いても、何か変なものを見るような目で見るんです」

シズネ「みなさん『その話はやめろ』って感じですね」

ナルト「そうか・・・」

シズネ「ま、やめませんけどね!何かつかめるまで、聞き回りますよ」

ナルト「・・・あんま無理しないでくれよな」

シズネ「・・・何言ってるんですか。もとの世界に帰りたくないんですか?」

ナルト「・・・・・帰りたいけど」

シズネ「あ、そうそう、もう一つあった」

ナルト「うん・・・何?」

シズネ「今日はナルトくんの同期の方々とたくさん会いましたよ」

ナルト「・・・へぇ」

シズネ「男子達は元の世界にいた方々と少し違うかもしれないけど、大きくはかわりませんね」

ナルト「うん・・・まぁ、そうかな」

シズネ「ただ、女子達は・・・」

ナルト「・・・」

シズネ「今日は、サクラとイノにいろいろ手伝ってもらおうと思ったんですが・・・この二人は元の世界のサクラとイノとは違いますね」

シズネ「私のこと無視しますし・・・あとで陰口を行ってるのが聞こえてきたんです」

ナルト「・・・・・・」


シズネ「テンテンさんと、ヒナタさんと仲いいみたいで」

シズネ「その4人で・・・うざいとか・・・あとあまり口に出したくないけど、いろんな暴言・・・・・・」

シズネ「そんなこという子達じゃなかったのに・・・」

ナルト「・・・確かに、女子はなんか違うよな・・・。気が強いというか、喧嘩っ早いというか」

ナルト「シズネのねーちゃんも、そんなんじゃ仕事大変だな・・・」

シズネ「ええ・・・困ったものですよ、ほんとに」

ナルト「・・・別にがんばらなくてもいいんじゃねぇの?どうせこの世界とはお別れするんだし・・・」

シズネ「あはは、確かにそうかもしれませんね」

ナルト「そうだってばよ・・・」

シズネ「でも、それだともともとこの世界にいた私が困りません?」

ナルト「う・・・確かに」

シズネ「でしょ?それに、仕事サボるなんて性格的にできませんよ」

ナルト「ああ・・・シズネのねーちゃんらしいな」

シズネ「確かにちょっと、あの子達のことはショックでしたけど・・・元の世界のあの子達とは別人なんだって考えれば、我慢できます」

ナルト「・・・うん、そうだよな・・・。あいつらは、別人なんだよな・・・」

シズネ「そうですよ・・・だからナルトくんも、ひどい扱いうけたからって、気にする必要ありませんよ」

ナルト「うん・・・でもさ・・・」

シズネ「・・・?」

ナルト「俺は元の世界に帰れば大丈夫かも知れねぇけど、こっちの世界の俺はずっとこの扱いなんだよな」

シズネ「・・・そうですね。確かにちょっと、不憫ですね・・・・・・」

ナルト「なんとか、できねぇかな・・・」

シズネ「・・・なんとか、ですか?」

ナルト「うん、へんな言い方だけどさ・・・。このままじゃあまりにこの世界の俺がかわいそうだってばよ」

シズネ「・・・そうですね」

ナルト「うーん・・・」

シズネ「やっぱり、ナルトくんだけは、私の知ってるナルトくんですね」

ナルト「・・・ん?そうか?」

シズネ「そうです。みんなどこか違うのに、ナルトくんだけは変わりません」

ナルト「ふーん・・・」

シズネ「いいじゃないですか、変えちゃいましょう!こんな陰険な世界、私も嫌ですよ」

ナルト「・・・やっぱ、そう思うよなぁ!」

シズネ「ええ」

ナルト「なんとかしてぇけど・・・俺は弱ぇんだよな・・・」

シズネ「だから、修行するんじゃないですか」

ナルト「・・・わかってるけどさ・・・。なかなか、体が覚えてくれないんだってばよ」

シズネ「ナルトくんは、何事も体で覚えるタイプですからね。地道に、修行するしかありませんよ」

ナルト「・・・うん」


シズネ「私もこうやって、応援にこさせてもらいますから。だから、がんばってください!」

ナルト「はは、それはうれしいってばよ」

ナルト「なんとか、してやるんだってばよ・・・!」

シズネ「うん!」ニコ

ナルト「・・・・・・」

ナルト「・・・・・・シズネのねーちゃんはさ」

シズネ「はい」

ナルト「もし元の世界に帰ることができたらさ・・・」

シズネ「・・・ええ」

ナルト「こんな風に・・・」

シズネ「・・・・・・」

ナルト「・・・いや、やっぱなんでもねぇ・・・」

シズネ「・・・・・・そうですか・・・?」

ナルト「・・・・・・うん」

シズネ「・・・さっきから、お箸がすすんでませんよ、ナルトくん」

ナルト「お、そうだった」

シズネ「どんどん、食べてくださいね」

ナルト「うん」モグモグ

シズネ「ふふ・・・」ニコニコ








シズネ「こんばんは」

ナルト「おう!待ってたってばよ!さぁ、上がって上がって!」

シズネ「お邪魔します・・・なんだかゴキゲンですね?」

ギッギッ

ナルト「そりゃぁもう、シズネのねーちゃんに見せたいものが!」

ダダダッ・・・

シズネ「へぇ、なんですか?」

ナルト「まぁ、座って座って・・・」

シズネ「失礼します」ガタッ

ナルト「いくぞ・・・・」

シュッ

ナルト「影分身の術!」

ポン!!

シズネ「お、うまく出来てるじゃないですか!やりましたね!」

ナルト「いやいや、これからだってばよ」

影分身「みてろよ、シズネのねーちゃん!」

シズネ「え?まさか・・・」

ナルト「いくぞ・・・」

シズネ「・・・!」

ナルト「うおぉ・・・」ギュオオオオオ・・・

影分身「・・・・・・」パパパパパ

ナルト「うぉぉ・・・・・・螺旋丸!!」ギュオオオオオオオオオオオ

シズネ「い、一気にそこまで・・・すごいじゃないですか!」


ナルト「はぁ・・・はぁ・・・どうよ!」

ナルト「くっ・・・・・・」

シュゥゥゥ・・・

ポン!!

ナルト「はぁ・・・はぁ・・・」

ナルト「チャクラ量もすくねぇし・・・ハンパない集中力が必要だけど・・・」

ナルト「とりあえず、形だけは出来たってばよ・・・」

シズネ「それでも、すごいですよ!やっと力を取り戻してきましたね!」

ナルト「ははは・・・ありがとう・・・」

ナルト「うっ・・・・・・」クラッ・・・

シズネ「あれっ、ちょ、ちょっと」

シズネ「・・・っ!!」ガタッ

ガシッ

ナルト「くー・・・・・・」スヤァ・・

シズネ「・・・・・・あらら・・・今日は、よっぽど頑張ったんですね」

ナルト「すぅ・・・・・・」

シズネ「・・・私に見せるためかなぁ?」

シズネ「ふふ・・・」ニコッ・・・

スッ

ギッギッ・・・

ナルト「くー・・・」

シズネ「大きく、なったね・・・」

ギッギッ・・・

パフッ

シズネ「・・・ゆっくり、休んでください・・・」




パチ・・・

ナルト「・・・・・・・」ムクッ

シズネ「コク・・・コク・・・」

ナルト「・・・・・・あれ・・・シズネのねーちゃん」

シズネ「あっ・・・・」ピクッ・・・

シズネ「おきたんですね・・・ナルトくん・・・」トローン

ナルト「なんでシズネのねーちゃんが・・・床に座ってんだ・・・?」

シズネ「・・・何寝ぼけてるんですか・・・」

ナルト「・・・・・・?」

ナルト「・・・・・・・・・あ、そっか・・・途中で寝ちまったんだ」

シズネ「ふふっ・・・思い出すの遅いです・・・よ・・・」

ナルト「どれくらい寝てたんだ・・・?」

シズネ「・・・6時間くらいですね」

ナルト「え・・・?シズネのねーちゃんはずっと起きてたのか?」

シズネ「ええ、ナルトくんが起きるまで待ってようと思ったんですけど・・・」

シズネ「ちょっと・・・限界です・・・」ウトウト

ナルト「まじか・・・つーか顔真っ赤だな・・・。かなり酔っ払ってない?」

シズネ「ええ、ちょっとお酒飲みました・・・すみません・・・」ウトウト

ナルト「ん・・・まぁ、いいんだけどさ・・・」

シズネ「お料理作っておきましたから・・・食べておいてくださいね・・・」

ナルト「お・・・まじか。ありがとだってばよ」

シズネ「あと、シャワーと洗面所お借りしました・・・すみません・・・」トロトロ・・・

ナルト「・・・!そ、そっか、別にいいってばよ・・・って、え?」

シズネ「じゃあ、おやすみなさい・・・」ゴロン・・・

ナルト「え・・・ここで寝るの?」

シズネ「・・・」スゥ・・・

ナルト「え、えっと・・・床でいいのかってばよ・・・?」

シズネ「すぅ・・・・・・」

ナルト「あ・・・もう寝ちまってる・・・」

シズネ「すぅ・・・すぅ・・・」


ナルト「・・・・・・」

スッ

ナルト「わりぃ・・・シズネのねーちゃん・・・もちあげるぞ・・・」スッ・・・

シズネ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」

ナルト「よっと」スクッ

ナルト「お、軽い軽い」

シズネ「・・・・・ん・・・・・・っ・・・」

ナルト「あ・・・・・・ごめん・・・・・・」

シズネ「・・・・・・・・・・・」

シズネ「すぅ・・・・・・・・・」

ナルト「・・・・・・寝言か」

ギッギッ・・・

ナルト「ベッドで、寝てくれ・・・・」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」

ナルト「・・・・・・・・・降ろしたくねぇな・・・・・・」

ナルト「いい香りだな・・・」

シズネ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」

ナルト「もうちょっとだけ・・・このままで・・・」

タユン・・・

ナルト「・・・・・・ゴクリ・・・」

ナルト「・・・・・・結構胸あるな・・・」

ナルト「大きくなったって、言ってたもんな・・・

ムニュムニュ

ナルト「・・・右腕に伝わる太ももの感触が・・・」

ナルト「・・・いけねぇいけねぇ・・・」

ナルト「・・・・・・っしょ・・・っと」

パフッ・・・

シズネ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」

ナルト「・・・・・・・・・飯食って・・・風呂はいるか」

ナルト「・・・・・・シズネのねーちゃんが、入った風呂・・・」

ナルト「・・・だーっ、いけねぇいけねぇ!」






ナルト「ふぅ・・・さっぱりした!」

ナルト「・・・・・・・」

シズネ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・・」

ナルト「・・・やべ・・・服がはだけてる・・・!!」

シズネ「くー・・・・・・」

ナルト「・・・・・・やっぱ、こうやって見るとかわいいな・・・」

シズネ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」

ナルト「・・・おれだって、年頃なんだ・・・・・・」

ナルト「・・・そんな無防備だと・・・俺・・・・・」ドクン・・・ドクン・・・

シズネ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」

ナルト「・・・・・・」スッ・・・

シズネ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」

ナルト「・・・・・・」ピタ

ナルト「・・・・・・・・やめとこう・・・」

ナルト「これは、裏切りだ・・・」

ナルト「シズネのねーちゃんには、そういうことしちゃいけねぇ・・・」

パシ!!

シズネ「・・・・・・」

ナルト「あ・・・・・・」

シズネ「・・・・・・・・・・・・」ジトー・・・

ナルト「ちがう・・・・・・これは・・・・・・」

シズネ「・・・・・・・・」

ナルト「なんにもしてねぇってばよ・・・」

シズネ「・・・・・・・・」トローン

ナルト「な、なんで掴みっぱなし・・・?」

シズネ「・・・ぅー・・・んっ・・・・」グイッ!

ナルト「うわっ!!」

バフッ!!

ナルト「・・・!!」

シズネ「・・・うへへ・・・・・・・」


ナルト「え・・・いや・・・・ちょっと・・・!」

シズネ「うーっ・・・」グイグイ

ナルト「うわわ・・・ちょっ・・・ダメだって!!」

シズネ「うー・・・・」ギューーー

ナルト「うぐっ・・・!ちょっ・・・ちょっと・・・!!」

シズネ「はふぅ・・・ん」

ナルト「ち、近い・・・!!」

シズネ「はなさ・・・なぁ・・・い・・・・」ギュウ・・・

ナルト「ちょっ・・・・・・!ねぼけてんのかってばよ!?」

シズネ「むぅ・・・」ギュウ

ナルト「・・・・・・・っ・・・!」

ナルト「・・・シズネのねーちゃんっ・・・・一人で・・・寝るんだっ・・」

シズネ「やだぁ・・・・・・っ!」

ナルト(なんだこれ・・・普段のイメージと全然違う!!)

シズネ「ぎゅーーっ」ギュウ・・・

ナルト「・・・・・!」

シズネ「ぎゅー・・・」ギュウ・・・

ナルト「だめ・・・だめだって・・・!」

ナルト(服が、はだけて・・・見えてる・・・!)

シズネ「・・・・・・・・・・」ギューーーーー

ナルト「うっ・・・・・・・!!」

シズネ「・・・・・・」

ナルト「・・・・・・・・・」

ナルト「・・・・・・落ちついたか・・・・・?」

シズネ「くー・・・・・・」

ナルト「・・・でも、離してくれねぇ・・・・・」

ナルト「・・・いい香りがするな・・・」

ギュウ・・・・・・

ナルト「・・・!」ムニュムニュ

ナルト(お・・・おっぱいが・・・っ・・・!)

シズネ「くー・・・・・・」

ナルト(・・・か・・・顔が・・・近い・・・!!)

シズネ「スゥ・・・・・・・・・・」

ナルト(息が・・・かかる・・・)

ナルト(こんなじっくり見るの初めてだってばよ・・・・・・)


シズネ「すぅ・・・・・・」

プルン・・・

ナルト(この・・・唇・・・すげーやわらかそう・・・)

ナルト(どんな感じなんだろう・・・)

シズネ「うー・・・」ギュウ・・・

ナルト「・・・!」ムニュムニュ

ナルト「はぁっ・・・はぁっ・・・」

ナルト(だめだ・・・シズネのねーちゃんは寝ぼけてるだけなんだ・・・!)

ナルト(その気になるな・・・!)

シズネ「くー・・・・・・」

ナルト「はぁっ・・・・・・」ドクン・・・ドクン・・・」

ナルト「はぁっ・・・・・・・」ドクン・・・ドクン・・・

シズネ「うーん・・・・・・ちゅ・・・」

ナルト(あ、やべ・・・ちょっと唇が触れちまった・・・!!)

ナルト(・・・やわらかい・・・!)

シズネ「ぎゅーっ・・・・・・」

ナルト「うぐ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・・!!」

ナルト(ああっ・・・だめだ・・・!!)

ナルト(理性が・・・もたねぇ・・・・・!!!!)

ナルト(もう・・・!!)

スッ

ナルト「・・・・・・・・あ、あれ・・・急に、抱きしめが弱く・・・」

シズネ「・・・・・・・・・・・・・」グデーン・・・


ナルト「・・・シズネのねーちゃん・・・?」

シズネ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」

ナルト「な・・・・・・・・・・」

シズネ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」

ナルト「寝てんのか・・・・・・」

ナルト「うう・・・どうすんだよ・・・・こいつ・・・」ギンギン

ナルト「ここで終わっちゃ、消化不良すぎだってばよ・・・!」

シズネ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」

ナルト「・・・・・・なぁ・・・マジで、寝ぼけてただけか・・・?」

シズネ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」

ナルト「・・・・・・」

スッ

ナルト「・・・・・・」

シズネ「・・・・・・くー・・・・・・」

ナルト「・・・・・・・服、戻しとかなくちゃ・・・」

シズネ「・・・・・・すぅ・・・」

ナルト「ごめん、触るぜ・・・」

スッ・・・

ナルト「・・・・・・」

ナルト「・・・俺は何も見なかったことにしよう・・・」

ナルト「それにしてもなんだあれは・・・すごい破壊力だってばよ・・・」

ナルト「・・・・・・うー・・・トイレだ・・・」




チュン・・・チュン・・・

ナルト「ふわぁ・・・」

ナルト「うーん・・・・・・ふー・・」グイーン

ナルト「・・・・・・」ムクッ

ナルト「・・・あ・・・」

ナルト「・・・シズネのねーちゃん、もう行っちまったかな・・・」

トントン

カチャカチャ

ナルト「いや、音が聞こえる・・・」

スッ

ナルト「昨日のこと・・・覚えてんのかな・・・」

ギッギッ・・・

ギッギッ・・・

シズネ「おはようございます!」

ナルト「あ・・・おはよ・・・」

シズネ「ベッド取っちゃったみたいで、すみません」

シズネ「今、朝ご飯つくってますから、ちょっと待っててくださいね」

ナルト「う、うん・・・。なぁ・・・シズネのねーちゃん」

シズネ「はい?」トントン

ナルト「夜のこと・・・おぼえてねーのか?」

シズネ「え?夜、何かありましたっけ?」

ナルト「い、いや!覚えてねーんなら、いい・・・」

シズネ「えー?なんか気になりますね!教えてくださいよ!」

ナルト「いや、知らないほうがいい・・・」

シズネ「えー、なんでですか」

ナルト「いやいやそれはいえないって・・・」

シズネ「むー・・・・聞きたいです・・・」

ナルト「・・・・・・寝相が悪いってことだけ・・・教えとくってばよ」

シズネ「・・・えーなんだ、そんなことかぁ」

ナルト「大問題だってばよ」

シズネ「そんなにぃ?」

シズネ「すみません・・・何かご迷惑をおかけしましたか・・・?」

ナルト「い、いや・・・」

シズネ「意識がないので、多目に見てくれるとうれしいんですが・・・」


ナルト「ま、まぁ・・・俺は別にいいけどさ」

シズネ「そうですか?よかった!」

シズネ「・・・さ、できましたよ、サンドイッチです。どうぞ!」ゴトッ

ナルト「おお・・・」

シズネ「さぁ、座って座って!」

ナルト「おっす・・・」スッ

シズネ「さ、いただきまーす」

ナルト「・・・いただきまっす!」」

シズネ「・・・うまくできてるかなー」スッ

ナルト「・・・!」

シズネ「はむっ・・・」

ナルト「・・・」ジー

シズネ「モグモグ・・・」

ナルト(・・・あの唇・・・)

シズネ「・・・はむっ・・・」

ナルト(あの唇と・・・俺は・・・)

シズネ「モグ・・・・・・?」

シズネ「・・・ど、どうしたの?」

ナルト「・・・・・・なんでもねぇ」

ナルト「いやー、おいしいおいしい・・・」モグモグ

シズネ「・・・?」




コンコン

コンコン

ガチャ

シズネ「こんばんは、ナルトくん」

ナルト「おっす、シズネのねーちゃん」

シズネ「どうですか、修行のほうは?」

ナルト「うーん、まだだめだってばよ・・・」

シズネ「そう・・・まぁ、気長にやっていきましょう」

ナルト「そっちは?なんかわかったか?」

シズネ「いえ、なにも・・・」

ナルト「そうか・・・」

シズネ「・・・お邪魔していい?」

ナルト「ああ、入って入って」

バタン

「・・・・・・・・・入っていったわ・・・・・・」

「最近、様子が変だと思ったら・・・・・・」

「正気かしら・・・」

「いいとこ見ちゃったんじゃない?」








ナルト(・・・・・あれから・・・結構たったな)

ナルト(一ヶ月くらいか・・・いや、もっとかな・・・)

ナルト(・・・・・・なかなか、仙人モードは大変だってばよ)

ナルト(でも、確実にチャクラコントロールはうまくなってきてる。地道にがんばろう・・・)

ナルト(・・・・・・こんな生活も・・・悪くないってばよ・・・)

ナルト(シズネのねーちゃんも、なんだか楽しそうだし・・・)

ナルト(・・・元の世界に帰る手がかりは、まだ進展がないけど・・・)

ナルト(つーか・・・今日は、遅いな・・・。もしかして・・・なにかあったのか?)

ナルト(・・・・・・大丈夫かな)

コンコン

コンコン

ナルト(!)

ナルト(よかった・・・)

ナルト「今行くってばよ!」

ギッギッ・・・

ガチャ

ナルト「おっす・・・・・・?」

シズネ「こんばんは・・・」

ナルト「・・・どうしたんだ?」

シズネ「・・・・・・」

ナルト(なんだか元気ないってばよ・・・?)

シズネ「・・・・すん・・・・・・・・」

ナルト「・・・?・・・とりあえず、上がったら・・・」

シズネ「・・・お邪魔・・・します」






ナルト「・・・・・・」

シズネ「・・・・・・」

ナルト(なんだ・・・シズネのねーちゃんが、すげー暗い・・・一体何が・・・)

シズネ「・・・今日ね・・・」

ナルト「・・・ああ」

シズネ「仕事が終わった後・・・」

ナルト「うん」

シズネ「・・・・・・サクラが・・・」

ナルト「・・・サクラちゃんが、何かあったのか?」

シズネ「はい・・・」




サクラ「シズネ先輩・・・」

シズネ「あら、サクラ、お疲れ様。どうしたの?」

サクラ「・・・最近、調子に乗ってませんか?」

シズネ「え・・・?」

サクラ「いつもいつも、あたしとイノに仕事頼んでばかりですよね」

シズネ「・・・最近は頼むこともあったわね。やってくれて感謝してるわ」

サクラ「そんなのいらないんですよ・・・自分の仕事ぐらい、自分でやってくださいよ!」

サクラ「そういうのうっとうしいですよ!」

シズネ「・・・・・・なにそれ・・・言いがかり?」

シズネ「それに、あなたいつもは私のこと無視してるじゃない?」

シズネ「どういうつもりなの?」

サクラ「・・・えらそうにあたし達に命令するのはやめろって言ってんの!」

シズネ「・・・はぁ・・・サクラ、あなた・・・えらくなったものね」

シズネ「お説教が必要かしら・・・?」

サクラ「・・・あれ、私にそんな口聞いていいんですか、シズネ先輩・・・」

サクラ「私・・・知ってるんですよ?」

シズネ「・・・・・・何が?」

サクラ「シズネ先輩が、最近・・・ナルトの家に行ってること・・・」

シズネ「・・・・・・」

サクラ「綱手様に言いつけちゃいますよ・・・?」

シズネ「・・・・・・」

サクラ「ほら・・・シズネ先輩。言いつけられたくなかったら、私の言うこと聞いてよ・・・」

シズネ「・・・・・・」

サクラ「・・・私、のど渇いちゃったなぁ」

シズネ「・・・・・・」

サクラ「ほら・・・はやく飲み物買いにいけよ」


シズネ「・・・はぁ・・・」

コッ・・・コッ・・・

サクラ「!」

コッ・・・コッ・・・

サクラ「・・・な、なによ・・・」

コッ・・・コッ・・・

ザッ!

サクラ「・・・!」

シズネ「・・・」ギロ

サクラ「・・・なに睨んでんのよ・・・!」


パン!!

サクラ「っ!!」

シズネ「いい加減にしなさい・・・・!」

サクラ「・・・・・・」

シズネ「サクラ・・・身の程をわきまえなさい」

サクラ「・・・・・・」

シズネ「私は姉弟子・・・そんな口の聞き方は許さないわ」

サクラ「・・・・ニヤァ・・・」

サクラ「シズネ先輩・・・これからは背中に気をつけたほうがいいですよ・・・」

ダダッ

シズネ「・・・はぁ。綱手様に報告ね・・・」





綱手「お前・・・サクラに何を教えてきたんだ」

シズネ「え・・・?」

綱手「サクラがそんな態度を取るのは、お前が先輩として情けないからだ」

シズネ「・・・!」

綱手「自分に従わないからあたしに相談って・・・お前ガキか?」

シズネ「そんなつもりは・・・ただ、サクラのことを報告しようと・・・!」

綱手「はぁ・・・自分でやれ自分で!!」

シズネ「す、すみません」



ナルト「そうか・・・サクラちゃんが、そんなこと・・・」

シズネ「・・・サクラもそうですけど、綱手様があんなに突き放した言い方するなんて・・・!」

シズネ「それがなんだか、悲しくて、情けなくて・・・」

ナルト「・・・ばーちゃんには、俺のことは言ったのか?」

シズネ「・・・いえ、ナルトくんに会っていることは、伏せておきました」

シズネ「サクラが脅しに使うんだから、それなりの罰則があるんでしょう・・・」

ナルト「・・・これから、大丈夫なのか?」

シズネ「わかりません・・・」

ナルト「それに、サクラちゃんの最後の言葉・・・なんだかやばい匂いがするってばよ」

シズネ「・・・そうですね」

シズネ「・・・・・・・・・はぁ・・・」

ナルト「シズネのねーちゃん・・・大丈夫か?」

シズネ「・・・・・・言ってませんでしたが」

ナルト「・・・うん」

シズネ「・・・なんだかみなさん私に冷たい気がします」

ナルト「え・・・・・・」

シズネ「多分この世界の私は、嫌われてるんだと思います」

ナルト「そうなのか・・・?」

シズネ「ええ・・・それと・・・」

シズネ「このところ・・・綱手様に怒られてばかりなんです」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「ただ怒るといっても、怒鳴り散らすわけじゃなくて」

シズネ「心底私を嫌っているような、人格否定をするような、そんな言い方・・・・」

ナルト「・・・・・」




綱手「おい、シズネ・・・頼んでおいた資料はどうした」

シズネ「あっ・・・すみません、ちょっと他の用事してる間に忘れてました」

シズネ「今すぐに持ってきます!」

綱手「おい!」

シズネ「は、はい」

綱手「なんだ忘れるって・・・ぼけたのか?」

シズネ「!・・・いえ・・・ちょっとうっかりしました」

綱手「はぁ・・・」ヤレヤレ

綱手「お前のせいでなかなか仕事がおわらないな・・・」

綱手「あーあ、もっと敏腕な奴がいればなぁ~」

シズネ「・・・・・・」

綱手「おい、なにやってるんだ、早く行け」

シズネ「・・・・・・いつもはサボってるくせに・・・」

綱手「・・・・あ?」

シズネ「!・・・」

ツカツカ

シズネ「な、なんですか」

パン!!

シズネ「きゃっ!!」

綱手「失敗をはぐらかすなカスが・・・」

シズネ「!・・・・・・」

綱手「早くもってこい」

シズネ「す、すみません・・・」


シズネ「それで、最近はずっと沈んだ気持ちで仕事してました」

ナルト「そうなのか・・・」

シズネ「・・・・・・私の知ってる人が、いないんですよ・・・」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「・・・綱手様だけは、変わらないでほしかったな・・・」

シズネ「・・・それで、今日はサクラにまで・・・」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「一気に環境が変わったからかな・・・なんだか疲れちゃった・・・」

ナルト「そうか・・・」

シズネ「・・・・・・ごめんなさい・・・・・・愚痴を聞かせるつもりじゃなかったんだけど・・・」

ナルト「・・・いや」

シズネ「あ・・・」ツー・・・

ナルト「・・・!」

シズネ「なんだか、泣けてきちゃった・・・」ポロポロ

ナルト「・・・・」

シズネ「ごめんっ・・・ちょっと・・・まってて・・・っ!」ポロポロ

ナルト「・・・ああ」

シズネ「うっ・・・うっ・・・!」ポロポロ




ナルト「・・・・落ち着いたか?」

シズネ「ええ・・・」

ナルト「シズネのねーちゃんが、そんな大変な思いしてるなんて、知らなかった・・・」

ナルト「ごめん、気づけなくて」

シズネ「いえ、そんなの・・・。それに、ナルトくんと会うときは・・・ほんとに心から笑ってましたよ」

ナルト「え・・・」

シズネ「・・・・・・ナルトくんとお話してる時は、仕事の事全部忘れられて・・・」

シズネ「・・・とっても楽しいですよ」

ナルト「っ・・・」

ナルト「おれもだ・・・」

ナルト「おれもすげぇ、楽しいってばよ・・・」

シズネ「・・・よかったぁ・・・私だけかと思ってましたよ・・・」

ナルト「はは・・・」

シズネ「・・・・・・だから私、ナルトくんの家から帰るとき、結構つらいんです」

ナルト「・・・!」

シズネ「楽しい時間が終わって、また明日仕事に行かないといけないと思うと・・・ね」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「・・・あは、なんか恥ずかしいこと言っちゃってますね・・・」

ナルト「・・・・・・シズネのねーちゃん」

シズネ「・・・はい」

ナルト「もう、無理して仕事いくことねーってばよ」

シズネ「・・・・・・」

ナルト「つらいんなら、サボったっていいじゃねーか。ここは俺達がいた世界じゃねーんだから」

シズネ「・・・そういうわけにはいきません。元の世界に帰る方法が、まだ・・・」

ナルト「それに、サクラちゃんの言葉・・・これ以上は、危険かもしれねぇ」

シズネ「・・・・・・」

ナルト「シズネのねーちゃんにもしものことがあったら・・・おれってば・・・いやだ」

シズネ「・・・・・・」

ナルト「だからさ・・・!」

シズネ「ナルトくん」

ナルト「!」

シズネ「ごめんなさい・・・ちょっと弱音を吐きたかっただけなんです」

シズネ「もう大丈夫・・・大丈夫です」


ナルト「大丈夫って・・・」

シズネ「仮にも私は上忍です・・・サクラ程度には出し抜かれませんよ」

ナルト「・・・・・・綱手のばーちゃんは?」

シズネ「綱手様には怒られて、それでおしまいですよ!よく考えたら、そんな落ち込むことじゃなかったです」

シズネ「ナルトくんの言うとおり、こっちの世界は私達のいた世界とは別なんですからね。私が気にしすぎでした」

ナルト「でも・・・」

シズネ「いーんです!もう大丈夫だから」

シズネ「それに、じっとしてても状況は好転しませんから。ナルトくんが動けない以上、私が動かなくては」

ナルト「・・・・・・ほんと、無理しねぇでくれってばよ」

シズネ「わかってますって」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「すみません、愚痴聞いてもらっちゃって」

シズネ「さ、ご飯作りますね!」ガタッ

ナルト「あ、ああ・・・」

ガチャ

シズネ「ちょっと・・・ナルトくん」

ナルト「どうした?」

シズネ「・・・まだこのケーキ食べてなかったんですか!?」

ナルト「ああ・・・うん」

シズネ「もうすっかりまずくなってると思いますよ・・・」

ナルト「いーんだってばよ・・・。それは、見て楽しむもんだから」

シズネ「・・・!!な、なるほど・・・。まあ、お任せします・・・」








ナルト「ズズ・・・」

シズネ「・・・ねぇ、ナルトくん」

ナルト「ぷはー・・・あ、何?」

シズネ「こうやって私がナルトくんの家に来るようになってから・・・もう1ヶ月以上たちますね」

ナルト「ああ・・・そうだな」

シズネ「こんな風に生活してると、なんだか夫婦みたいですね」

ナルト「げほっ!!」

シズネ「な、なんですかそれ・・・」

ナルト「いや・・・そ、そうだな・・・うん」

シズネ「・・・私、今まで一人で晩御飯食べてました」

ナルト「・・・?」

シズネ「でも今、ナルトくんと一緒に食べるようになって、実感します」

シズネ「やっぱり一人で食べるより二人で食べるほうが楽しいです」

ナルト「・・・・・・俺もそう思うってばよ」

シズネ「さっきも言いましたけど、私、この生活とっても楽しいですよ」

シズネ「人間関係が最悪なのを除けば、ですけどね・・・」

ナルト「そうか・・・」

シズネ「そうなんです・・・」

シズネ「・・・・・・」ジー

ナルト「・・・・・・?」

シズネ「・・・・・・」ジー

ナルト「え、な、なに・・・ははっ・・・」

シズネ「・・・ねぇ、ナルトくん・・・」

ナルト「・・・ん?」

シズネ「元の世界に、帰ったら・・・」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「帰ったら・・・あの・・・その・・・」ドギマギ

シズネ「えと・・・・・・」ドキマギ

ナルト「・・・・・・?」

シズネ「・・・やっぱり、今ちょっと言えません・・・」アセアセ

ナルト「・・・・・・」

シズネ「あ・・・な、なんとなく、言いたいことわかっちゃいましたかね、あはは」

ナルト「・・・・・・ああ、多分」

シズネ「・・・・・・・・・・・恥ずかしい・・・」

シズネ「ちゃんと、気持ちの整理がついたら言います・・・」

ナルト「・・・・・・」


シズネ「・・・結構遅くなっちゃいましたね」

ナルト「ああ、ほんとだな・・・」

シズネ「では、お邪魔しました・・・」

ナルト「・・・・・・大丈夫か?」

シズネ「大丈夫です!心配してくれてありがとう」

シズネ「ナルトくんは引き続き、修行がんばってください」

ナルト「ああ」

ナルト「シズネのねーちゃんも・・・」

シズネ「?」

ナルト「つらかったら、休んだっていいだってばよ」

シズネ「・・・・・・だめですよ」

ナルト「・・・どうして」

シズネ「帰る方法を探す・・・っていうのもありますけど、こっちはこっちで、ちゃんとした世界なんです」

シズネ「私がサボったりしちゃうと、その分他の人が困るんですよ」

ナルト「・・・・・・そうか。ほんと、シズネのねーちゃんらしいな」

シズネ「・・・・・・そうでしょうか」

シズネ「じゃあ、私はこれで失礼します」

ナルト「ああ、気をつけて」

シズネ「・・・はい」

ガチャ

シズネ「・・・・・・」

シズネ「・・・・・・」

ナルト「・・・・・・シズネのねーちゃん?」

シズネ「・・・・・・」

シズネ「・・・・・・」ブルブル

ナルト「・・・?」

シズネ「・・・・・・やっぱり、ダメだな、私・・・」

シズネ「・・・・・・ちょっと、つらいよ・・・」

チラ

ナルト「・・・・・・」

シズネ「・・・・・・ナルトくん」ジワ・・・

ナルト「・・・!」

カチャン・・・

ナルト「シズネのねーちゃん・・・?」


シズネ「・・・・・・」ギッギッ

ナルト「・・・・・」

シズネ「ごめんなさい・・・」ギュウ・・・!

ナルト「・・・・・・!!」

シズネ「・・・・・・」

ナルト「・・・・・・」

キュ・・・

シズネ「ダメですね・・・私は」

シズネ「今回はナルトくんを守ろうと思ったのに・・・結局こうなっちゃうんだもんなぁ・・・」

シズネ「情けないなぁ・・・」

ナルト「・・・・・・」

ナルト「・・・・・・いや、シズネのねーちゃんのおかげで、俺はなんとかこの世界で生きていけてるんだ」

ナルト「ありがとだってばよ・・・」

シズネ「・・・ぐす・・・」




シズネ「・・・・・・明日こそ、必ず何か手がかりをつかんできます」

シズネ「必ず、二人で元の世界に帰りましょう・・・!」

ナルト「・・・ああ」

シズネ「では、また・・・」フリフリ

ナルト「また・・・」フリフリ

バタン・・・

ナルト「・・・・・・あんなシズネのねーちゃんは、初めてみたな・・・」

ナルト「シズネのねーちゃんだって、つらいんだ・・・。おれももっと修行して、早くシズネのねーちゃんに協力しなくちゃ」

ナルト「はやく元の世界に戻らなくちゃ・・・」

ナルト「・・・・・・元の世界に戻ったら・・・シズネのねーちゃんは、俺んちにくる必要はねーよな・・・」

ナルト「・・・この生活も・・・終わりなんだよな・・・」

ナルト「・・・・・・いや、さっきシズネのねーちゃんが言いかけてたこと・・・」

ナルト「あれは、きっと・・・」





ナルト(やった・・・!)

ナルト(・・・仙人モード、できるようになったぞ・・・)

ナルト(これで、多少体が重くても、カバーできるってばよ!)

ナルト(・・・螺旋丸!)

ギュオオオオオオオ

ナルト(よし・・・)

ナルト(完璧だ!)

ナルト(・・・・・・でも・・・これをみんなに使う機会がないことを願うってばよ・・・)

ナルト(・・・ふぅ)

ナルト(休憩しよう・・・)

ナルト(・・・・・・今日は、すげー静かだな・・・)

ナルト(人がいねぇ・・・・・・なんか、あんのかな?)

ナルト(・・・・・今日は修業で疲れたってばよ)

ナルト(もう夕方だけど、すこし寝るかな・・・。シズネのねーちゃんが来るまで・・・)

ギッギッ・・・

ギッギッ・・・

ナルト(ふぅ・・・)ドサッ

ナルト(・・・)チラ

ナルト(・・・ん)

ナルト(ベッドの壁の間に、なにか落ちてる・・・?)

ナルト「よいしょっと・・・」

ナルト「・・・なになに・・・日記帳・・・?」

ナルト「おれ、こんなの買ったっけ?」

パラパラ

ナルト「!」




シズネ「・・・んーっ・・・んーっ・・・!」

コッ・・・コッ・・・コッ・・・

コッ・・・コッ・・・コッ・・・

シズネ「・・・んーっ!」

綱手「・・・」

シズネ「・・・」

ガシャン

綱手「・・・」コッコッ

ベリッ

シズネ「ぷはあっ・・・はぁっ・・・」

綱手「なぁ・・・シズネ」

シズネ「・・・綱手様・・・!」

綱手「お前、どういうつもりなんだ・・・?」

綱手「ナルトに関わるなんて・・・気でも狂ったのか」

シズネ「・・・おかしいですよ・・・そんなの」

シズネ「なぜナルトくんに、関わってはいけないんですか・・・!」

綱手「里の掟だ」

シズネ「・・・・・・そんな掟知りません!」

シズネ「納得がいきません・・・!」

綱手「納得がいくとか、そんなことは関係ない」

綱手「お前は掟を破った・・・残念だよシズネ」

シズネ「説明を・・・!」

綱手「おい」

綱手「処刑場につれていけ」


シズネ「!!」

シズネ「・・・処刑?」

綱手「お前は、死刑だ」

シズネ「!!何をばかなことを・・・・!!」

暗部「黙れ」チャキ

シズネ「くっ・・・!」

暗部「連れて行くぞ・・・」

シズネ「・・・ほ、本気なんですか・・・?綱手様」

綱手「本気だが?」

シズネ「う、うそ・・・!狂ってる・・・こんなの・・・!」

綱手「狂ってるのはお前だよ、シズネ」

シズネ「そんな・・・」

ズリズリ・・・・

コッ・・・コッ・・・

コッ・・・コッ・・・








『ナルトヘ

今この文章を読んでいるお前は、「なぜこんなものが置いてあるのだろう」と

思っていることだろう。

この文章を書いたのはこの俺、うずまきナルトだ。

何を言っているのかわからないかもしれないが、どうか最後まで読んでほしい・・・・


ナルト「元々、この世界にいた俺が書いた日記か・・・」


この世界は、お前のいた木の葉隠れとは違う。

ここは、お前にとって違う世界の木の葉隠れだ。


ナルト「・・・やっぱな」


なぜお前がこの世界に来てしまったのかはわからない。

だが、この世界の俺は、なぜか他の世界の俺と入れ替わることがある。

今からお前に、これからすべきことについてここに記す。


ナルト「・・・」


お前は、絶対に家から出てはいけない。

誰も家に入れてはいけない。

誰かと親しくしてはいけない。

この世界の木の葉隠れには奇妙な掟がある。

それは・・・


ナルト「・・・」


俺と親しくなった奴は全員死刑にされる、という掟だ。


ナルト「!!!」


しかも、公開処刑で、ありったけの拷問付きだ。


ナルト「なんだって・・・こんなの狂ってるってばよ」

ナルト「・・・そうか・・・だからみんな、俺を避けてたのか・・・」

ナルト「・・・あ・・・」

ナルト「・・・シズネのねーちゃんは、どうなる・・・?」

ナルト「やべぇんじゃねーのか・・・!?」



コンコン

ナルト(!)

ナルト(シズネのねーちゃんだ!)

ナルト(よかった・・・無事だったんだ!)


ギッギッ・・・

ナルト(・・・)ジー

ナルト(・・・)

ナルト(カカシ先生?)

ガチャ

ナルト「どうしたんだってばよ」

カカシ「・・・」バサー

ナルト「それ、なんだ・・・?野菜か・・・?」

ナルト「カカシ先生が、どうしてそれを?」

カカシ「・・・シズネが、持ってたんだ。多分お前の家に持って行く途中だったんだろう」

カカシ「シズネは、連れて行かれた」

ナルト「そ、それじゃあシズネのねーちゃんは・・・!」

カカシ「・・・まだ、処刑されてないけどね」

ナルト「・・・!!処刑されちまうのか!?いつ、処刑されるんだってばよ!?」

カカシ「・・・もうすぐだが、まだ少し時間がある」

ナルト「そ、そんな・・・!はやく助けに行かないと!!」

カカシ「・・・・・・お前な・・・!こうなることはわかってただろ・・・!」

カカシ「なんで・・・なんでシズネを受け入れた・・・!」

ナルト「・・・・・・だって、そんなこと、俺知らなかった・・・!」

カカシ「知らなかっただって・・・?」

カカシ「・・・もうこうなってしまったんだ・・・ここでお前にどうこういっても仕方ない」

ナルト「・・・早く行かないと!」

カカシ「・・・おれは何も出来ない」

ナルト「なんで!」」

カカシ「おれは、あんな拷問を受けたくはない・・・」

ナルト「そんなに、ひでぇのか?」

カカシ「ああ、見れたもんじゃないよ」

カカシ「・・・おれだって、この狂った里を変えたいさ。もう、仲間が死ぬのを見るのは御免だからな」

カカシ「なぁ・・・シズネを助けてやってくれよ・・・!」

ナルト「カカシ先生・・・!」


カカシ「里はお前を死刑にしたりはできない。お前は里にとって重要な存在だからな」

ナルト「・・・・・・・・カカシ先生は、俺と話してて、大丈夫なのか?」

カカシ「・・・本当は、やばいんだけどな・・・。今は、誰も見ているやつは居ない・・・」

ナルト「監視、されてたのか」

カカシ「・・・いや、別に監視されてるわけじゃないが、密告されるとやばい・・・・・・というかそんなことも、忘れたのか」

カカシ「お前は本当に、俺の知ってるナルトか・・・?」

ナルト「・・・おれは・・・もしかしたら、違うかもな」

カカシ「・・・何?」

ナルト「でも、よかった。カカシ先生が、まともで・・・」

カカシ「・・・・・・おれが、まともか・・・」

ナルト「・・・?」

カカシ「本当は、お前には処刑のことは絶対に伝えちゃいけないことになってる」

カカシ「でも、おれはもうたくさんだ、こんな掟は・・・」

カカシ「まだ、処刑まで少し時間がある。助けるなら、早く行ったほうがいい」

ナルト「ああ・・・おれ、いってくるってばよ」

カカシ「・・・ここまで言っといてなんだが、何か策があるのか?」

ナルト「ねえってばよ!」

カカシ「じゃあ、どうするんだ」

ナルト「正面から突っ込んで、シズネのねーちゃんを取り返す!」

カカシ「・・・お前にそんなことができるのか・・・?」

ナルト「わかんねぇけど・・・このまま、何もしないわけにはいかないってばよ!!」

カカシ「・・・確かに、おれの知ってるナルトとは全然違うな・・・」

カカシ「俺の知ってるナルトは、もっと保守的というか・・」

ナルト「・・・」

カカシ「・・・公開処刑場の場所は、知ってるか?」

ナルト「いや」

カカシ「だろうな・・・お前は知らされていないからな」

ナルト「はやく教えてくれってばよ!」

カカシ「火影の屋敷の地下だよ。みんなそこに集まってる」

ナルト「そんなとこ、あったのか・・・わかったってばよ」

ナルト「シズネのねーちゃんは・・・絶対殺させねえ・・・」

ナルト「準備してくるってばよ!」バタン!

カカシ(・・・・・・ナルト・・・お前はどうするつもりなんだ・・・!)

カカシ(・・・・・・わかってるんだ・・・お前じゃ無理だってことは・・・)






ナルト「よし、準備OKだってばよ」

ナルト「・・・・・・仙人モードで、いくってばよ」

ナルト「・・・シズネのねーちゃん・・・無事で居てくれ・・・」

ナルト(・・・おれが今からやろうとしていることは、ここが幻術の世界とはいえ、木の葉を裏切ること・・・)

ナルト(・・・木の葉を裏切る・・・)

ナルト(火影になるのが夢だったのにな・・・)

ナルト(・・・いや、こんな狂った里は木の葉じゃねぇ)

ナルト(・・・おれは今から里全員の忍を敵に回すことになるんだ・・・)

ナルト(大丈夫か・・・?)

ナルト(・・・大丈夫だってばよ・・・・・・いや・・・)

シュイン・・・!

ナルト(大丈夫じゃなくても、いくしかねえんだってばよ!!)

ガチャ!

カカシ「来たか・・・・・・・っ!?」

カカシ「お前、その顔、その目・・・!仙人モードか!?」

ナルト「ああ」

カカシ(・・・4代目の師匠の自来也様でも、完璧には扱えなかったという、あの仙人モード・・・)

カカシ(・・・俺には完璧にできているように見える・・・!)

カカシ(もしかしたら本当に・・・)

カカシ「ついて来い・・・案内する。なかなか見つけにくい場所にあるからな」

ナルト「・・・頼むってばよ!」

シュダッ!






ザワザワ

ザワザワ

「今回は誰が処刑されるんだ?」

「シズネさんだよ・・・あの綱手様の付き人の」

「へぇ・・・あの人がねぇ」

「綱手様も、部下に裏切られてさぞかし落胆しているだろう・・・」

「処刑者が出るのは久しぶりだな」

「ちょくちょく出るよね・・・何考えてるんだろな」

「ほんとだよな・・・」

ザワザワ

ザワザワ・・・

「うっ・・・ひぐっ・・・・」グスグス

ザッザッザッザッザッ

「運ばれてきたぞ・・・」

「エロイ体・・・」

「楽しみだ・・・!」

ザワザワ

ザワザワ

ザッザッザッザッザッ

ザッザッザッザッザッ

ドサッ!

シズネ「うっ・・・・うっ・・・」ポロポロ

暗部1「・・・」

暗部2「・・・」

シズネ「助けて・・・!お願い・・・!」

暗部3「じゃあな」

ザッザッ

シズネ「待って・・・!!待ってください!!」

暗部2「・・・」ジーッ

シズネ「助けて・・・!」

暗部1「・・・いくぞ」

暗部2「・・・」

スッ・・・

ザッザッザッザッザッ

ザッザッザッザッザッ

シズネ「っ・・・そんな・・・!」


ザワザワ

ザワザワ

「エロイ体だな・・・」

「やっぱくの一の体っていいな・・・」


ザワザワ・・・

ザワザワ・・・

シズネ「み、見ないで・・・!」

ザワザワ・・・

ザワザワ・・・

シズネ「見ないで・・・!!!」ポロポロ

ザワザワ・・・

ザワザワ・・・

シズネ「誰か・・・!誰か助けて!!」

「静粛に!!!」

ピタッ

シーン・・・

綱手「これより処刑を開始する」

シズネ「・・・綱手様・・・気を確かに・・・!こんなのは間違ってますよ・・・!!」

綱手「こいつは里の掟を破り、うずまきナルトとの交友を図ろうとした!」

シズネ「綱手様・・・!」

綱手「これは重罪である!!」

・・・

ワーーーーーーーーーーーッ!!

「ぶっころせーーーー!!!」

「裏切り者がーーーー!!!」

「死んじまえーーーー!!!」

ワーーーーーーッ!!

綱手「静粛に!!!」

ピタッ・・・

綱手「死刑執行役はいつもどおり・・・私が勤める」


キバ「・・・あれ絶対自分がやりたいだけだよな・・・」

シカマル「・・・悪趣味すぎるぜ・・・」

チョウジ「帰りたい・・・」

暗部「おい」

シカマル「!」

暗部「お前らもあそこに行きたいのか?」

シカマル「い、いえ!なんでもありません・・・」


シーン・・・・

綱手「さて、シズネ・・・」

シズネ「綱手様・・・お願いですから・・・やめてください・・・・!」

バキッ!!!!!!!

シズネ「ぶっ!!!」

綱手「黙れ」

シズネ「・・・・・・っ!!!」

シズネ「いっ・・・!痛いっ・・・!!」ポタポタ

綱手「たっぷりいじめたあと、殺してやるよ」

シズネ「・・・!!」

綱手「・・・まずは手足を杭で固定するか・・・縄だと抜けられかねんからな」

シズネ「ううっ・・・!!」ポタポタ

綱手「杭は、これにするか・・・」ゴトッ

シズネ「うう・・・いやぁ・・・!いやぁ・・・!!!!」ジタバタ




ダッダッダッダ

カカシ「・・・悪い、ナルト」

ナルト「どうした、カカシ先生!」

カカシ「ここから先は見張りが居る・・・」

カカシ「見つかったら俺まで処刑されちまうからな・・・あとは、一人で行ってくれ」

ナルト「・・・わかったってばよ!」

ワーーーーーーーーーーーー

ワーーーーーーーーーーーー

ナルト「すごい歓声だってばよ・・・」

ナルト「シズネのねーちゃん・・・今助けるからな!」

ダッダッダッダ

ナルト「!」

「ここは通さないよ」

ナルト「・・・ヤマト隊長」

ヤマト「隊長・・・?僕は君の隊長じゃあないよ」

ヤマト「・・・それに、なんかいつもと雰囲気が違うね・・・一体何があった?」

ナルト「細かい話は後・・・どいてくれ・・・シズネのねーちゃんを助けるんだ」

ヤマト「・・・誰から処刑のこと聞いたのか知らないけど・・・君を通すことは出来ない」

ナルト「・・・」

ヤマト「・・・君は話がわかると聞いている」

ヤマト「君を通すと、僕が処刑場の真ん中に立つことになってしまう・・・どうか引き上げてくれないか?」

ナルト「・・・やっぱつくづく狂ってるってばよ。だれだってばよ、こんな掟考えたのは」

ヤマト「誰が決めたとかじゃない・・・昔からの里の掟なんだよ」

ヤマト「人柱力と親しくしてはいけない」

ヤマト「親しいものを失った時、もっとも尾獣の封印が弱まるらしい」

ナルト(・・・ヒナタのときも、そうだったか)

ヤマト「尾獣が暴れだせば、またたくさんの人が死ぬ」

ヤマト「だからそういう危険因子を摘み取ってしまおうってわけだよ」

ナルト「・・・悪い、ヤマト隊長」

ワーーーーー

「やっちまえーーーー!」

「ぶっ殺せーーーー!」

ナルト「俺はシズネのねーちゃんを助ける!!!」

シュン!!!

ヤマト「な・・・!早・・・」トン

ヤマト「うぐっ・・・!」ドサッ


ナルト(よし・・・いくぞ)

ヤマト「や、やめてくれ!!!」

ヤマト「その扉を開けないでくれ!!!!!」

ナルト「今行くってばよ!!」ガチャ

シュイン・・・

ナルト「!!!!」

ナルト(しまった・・・!トラップだ!!!)

バリバリバリバリ!!!

ナルト「うわああああああああああああああ!!」

ヤマト「はぁ・・・はぁ・・・助かった」

ヤマト「拘束させてもらうよ・・・・・・・・・木遁!」

シュルシュルシュルシュル

ナルト「・・・」プスプス

シュルシュルシュルシュル

ナルト「くっそ・・・!!」

ナルト「こんな拘束・・・・!」グッ!!!

ヤマト「くっ!!!」

ヤマト「なんて力だ・・・!!」

ヤマト「でも、離さないよ・・・!」

ナルト(くそ、だめだ・・・!このヤマト隊長・・・つええ・・・!!!)

ナルト(あとちょっと、力がたりねぇ!!!)

ナルト(もう少しで抜け出せるのに・・・!)

ヤマト「はぁ・・・はぁ・・・!」

ナルト(この体じゃ修行不足だってばよ!!)

ヤマト「大人しくしててもらうよ・・・はぁ・・・はぁ・・!!」グググッ

ナルト「ぐぅっ・・・!ち、ちくしょう・・・!!!!」








シズネ「・・・やめて・・・っ!!」

綱手「もうちょっとで貫いちまうぞ」グリグリ

シズネ「痛い・・・痛い!!!」

ポタポタ

綱手「ぎゃははははははははは!」

綱手「いい声だすねぇ・・・シズネ!」

シズネ「やめてください・・・!!!!」

シズネ「ぐぅうううっ・・・!」ジタバタ

綱手「おっと・・・抜けられてしまっては困るな」

綱手「はやく右腕を固定しないと・・・」

ヒュッ・・・・・

綱手「な!!!!」

グチャアッ!!

シズネ「っ!!!!!」

シズネ「きゃああああああああああああああああああああ!!!!」

綱手「ん~!いいねぇ」

シズネ「あああああ!あううううう・・・!!!」

「ぎゃはははははははははは!!」

「いいぞ~~~!!!」

「裏切り者の豚が叫んでるぜ!!!」

「ざまぁみろだ、バーカ!!!」

シズネ「あうううううう・・・」ポタポタ

ポタ・・・ポタ・・・

綱手「血が・・・」

スッ

綱手「・・・」ポチャ・・・ポチャ

シズネ「痛いっ・・・!!痛いよぉお・・・!!」

綱手「ん~~!」ヌリヌリ

シズネ「・・・!!!」

綱手「やっぱり血は良いねぇ・・・興奮するよ・・・」

シズネ「・・・!」ガタガタ

綱手「さ、次は左腕だな」

シズネ「!!!!」

シズネ「もう・・・やめて、お願い!!」


綱手「よいしょ」スッ

シズネ「お願いします!!!!」

綱手「せぇのっ」ヒュッ

シズネ「もう、ナルトくんとも関わりませんから・・・!!!」

綱手「・・・」

シズネ「だから、助けてください!!!!」

綱手「・・・そら!!!!」

グチャァッ!!!!!

シズネ「きゃあああああああああああ!!!!」

綱手「・・・」ブルブル

シズネ「あう・・・あう・・ううう!!!」クネクネ

綱手「なにやってんだ?」

シズネ「うう・・・ううう!!!!」ジタバタ

綱手「ははは、逃げられるわけ無いだろ!」

シズネ「ううう!!!!」ジタバタ

綱手「次は右足だな」

シズネ「!!!!」

シズネ「やめてっ・・・やめてぇ!!!!!!!」

綱手「そういうこと言われると興奮するんだよ・・・」スッ

シズネ「やだ!!!やだぁ!!!!」

綱手「・・・」グリグリ

シズネ「痛っ!!!やめてぇ!!!」

シズネ「助けてーーーーーーーー!!!!!!!」

ギャハハハハハハハ

ワーーーーーーーーーー




キャアアアアアアアアアアアアアア

ナルト「!!!!!」

ヤマト「はぁっ・・・はぁっ・・・始まったみたいだね・・・」

ナルト「くそぉっ!!!!はなせぇ!!!!!!」

ヤマト「くっ・・・!!」

ナルト「やめろ!!!やめてくれ!!!!!!!」

ヤマト「ぼくの命もかかってるんだよ、ナルト・・・!」

キャアアアアアアアアアアアアアア

ナルト「あああああああああああああああああ!!!やめろ!!!!!」

「無様ですねぇ!!シズネ先パァイ!!!」

「やっばーーーい!傑作ぅ!」

ナルト「!!!!この声・・・あいつら!!!!」

「もっと叫んでくださいよぉ!シズネさーーーん!!」

ナルト「何言ってやがる!!!!!!」

「無様ですね・・・!シズネさん・・・!!」

ナルト「あああああ!!!」グググ

ヤマト「!!・・・」

ヤマト「あきらめるんだ、ナルト・・・!!」

ナルト「がああああああああああ!!!」




シズネ「痛いっ!!!!痛いよぉ!!!!助けて!!!!!!」

綱手「よし、これで全部手足固定したな・・・」

シズネ「うわぁあああん!!!うわぁぁああああああん!!」ポロポロ

綱手「じゃあ次は・・・」

シズネ「綱手様ぁっ!!!!」

綱手「・・・」

シズネ「やめてっ!!!くださいっ!!!!」ポロポロ

綱手「・・・」

シズネ「お願いですっ!!!お願いですからぁ!!!!」ポロポロ

綱手「ふふ」ニコ

シズネ「!!」

綱手「もっとたっぷりいじめてやるからな」

綱手「楽しみにしてろよ」ニコッ

シズネ「そんなぁ・・・・!!」ポロポロ

シズネ「もう嫌ぁ!!!!!」ポロポロ

綱手「さー、次はどうするか・・・」

綱手「爪を全部はがすか・・・?それとも、骨を全部折ろうか・・・?」

シズネ「ひっ・・・!!!」

綱手「まあ、最終的には手足を切り落とすんだけどな・・・」

シズネ「えぐっ・・・!!うわあぁぁぁぁぁああああん!!!」








ナルト「・・・・・・」

ヤマト「だいぶ落ち着いてきたみたいだね・・・拷問も、そろそろ終盤かな」

ナルト「・・・!!」

ヤマト「・・・もうわかっただろう。君は家で大人しくしてるのが一番なんだ」

ヤマト「つらいだろうけど、それが僕らにとって一番助かるんだ」

ナルト「・・・」ポロポロ

ヤマト「もう家に帰るんだ・・・僕が送っていくよ」

ナルト「・・・」ポロポロ

ヤマト(おかしい・・・さっきから、やけに大人しいぞ・・・)

ヤマト(全然動かないし・・・・・・もう仙人モードもとっくに切れてしまっている)

ヤマト(抵抗する気をなくしたんだろうか)

ナルト「・・・」

ヤマト「いくよ、ナルト」

「まて」

ヤマト「ん・・・カカシ先輩!おそいですよ!」

ヤマト「見張り交代っていって、ずっとどこ行ってたんですか!」

カカシ「テンゾウ・・・」

ヤマト「なんです・・・?」

カカシ「すまない」

ヤマト「え、」

ドス!!

ヤマト「うぐっ!!」

ドサ・・・

ナルト「・・・カカシ先生!」

カカシ「遅くなってすまない・・・俺もいろいろ迷いがあったが、お前を助けることにした」

ナルト「・・・!」


カカシ「・・・仙人モードは、長くはもたないんだな」

カカシ「チャクラは、大丈夫なのか?」

ナルト「ああ・・・」

カカシ「・・・このドア、トラップがあるって言っただろ・・・」

ナルト「・・・」

カカシ「俺がドアごと吹っ飛ばす・・・お前はその勢いで飛び込め」

ナルト「・・・」

カカシ「おい、しっかりしろ!シズネを助けるんだろ!!」

ナルト「・・・シズネのねーちゃんは、もう・・・!」

ナルト「最初は大きな声で叫んでたけど、段々・・・」

カカシ「あの人はなかなか殺さない。シズネもまだ生きてるはずだ」

ナルト「!!」

カカシ「シズネを、早くあの拷問から開放してやるんだ・・・!」

ナルト「・・・・・・」

シュイン・・・!!

カカシ「仙人モードか・・・いけるんだな?」

ナルト「・・・ああ!」

ナルト「・・・カカシ先生は、いいのか?こんなことしたら、処刑されるんだろ?」

カカシ「俺は特殊な時空間忍術が使えるんだ・・・それでいつでも逃げてやるさ」

カカシ「テンゾウ・・・ヤマトのことも心配するな。俺が責任をもって連れて行く」

ナルト「そうか、わかった!!」

カカシ「・・・行く前に一つ言っておきたいことがある・・・」

ナルト「なんだってばよ!!」

カカシ「決して・・・怒りに任せて行動するんじゃない。シズネを助けることだけを考えるんだ・・・」





シズネ「ぶくぶく・・・」

シズネ「ぶくぶく・・・」

バシャ

シズネ「!!!げほっ!!!」

シズネ「はぁっ・・・!はぁっ・・・・・!」

シズネ「熱い・・・!痛いよぉ・・・・・・!」

綱手「はははは」

綱手「手足が無くなってかわいくなったじゃないか・・・シズネ」

シズネ「・・・殺して・・・!!」

綱手「なんで、ここからが面白いのに」

綱手「まだまだ殺さないよ、シズネ」ニコ

シズネ「はぁっ・・・!!はぁっ・・・」

シズネ「いや・・・!!もう殺して・・・殺してください・・・!!!」

綱手「ははは、舌まで噛んじゃって痛いねぇ」

シズネ「なんで・・・!!!!」

綱手「舌を噛み切っても死なないようにしてあるのさ・・・それに、切り口からの出血ももう止まってるだろ?」

シズネ「えぐっ!!!ひぐっ!!!」

綱手「もっともっといじめてやるからな」

シズネ「うわあああああああぁああああああああああああああん!!!!」

綱手「おーおー、久しぶりにいい声だしたね」

綱手「もういっかい水浴びしようか!」

シズネ「嫌!!もう嫌!!!!嫌あぁぁああ!!!」

綱手「せーの」


バキイイイイ!!!!!

綱手「!?」

ドアアアアアアアアア



バシャアアアアアアアアア!!!



「な、なんだ!!!」

「一体何が起こった!!」

「きゃああああ!!!」



バシャアアアアアアアアアア!!


ナルト「うおおおおおお!!!」

ダダダダダダダダダダ!!



「こいつ、ナルトだ!!!」

「捕まえろ!!!」


ナルト「どけ!!!!」バキィ!!


「ぐはああ!!」

バキィ!

「がはぁ!!」


ナルト「大玉螺旋丸!!」

ギュアアアアアアアアアアアア!!!

「ぐわああああああああああ!」

「うわあああああああ!!」

「やめろおおおおおおお!!!!」

シュウウウウウウウ・・・・

オォォォォォォォォォ・・・・


綱手「ナルト・・・!!」

ナルト「シ、シズ・・・・・・!!」

シズネ「・・・がぼっ・・・」

ナルト「・・・!!」

ナルト「あ、あ・・・・・!!」

ナルト「綱手のばーちゃん・・・・・・・!!あんたがやったのか!!!」

綱手「・・・ばーちゃんだって・・・?」

ナルト「許せねぇ・・・・!!!!」

綱手「ナルト、口を慎め・・・お前もこうなりたいのか?」

ナルト「うあああああああああ!!!!」ダッダッダッダッダ

綱手「・・・それは・・・仙人モードかっ・・・!」


ナルト「うおあああ!!」ブン

綱手「・・・くっ!!!」ガシィ!!!

ナルト(・・・!蛙組手を受け止めるなんて・・・!!!)

ナルト(やっぱこの世界の奴らは、つえぇ・・・!!!)

シュシュシュシュシュ!!

ナルト(クナイか・・・!やっぱ、多勢に無勢だってばよ))

ナルト「!!!くそ、雑魚がうっとおしいってばよ!!」ヒョイ

ナルト「おらぁあああああああああああああ!!!」

「ぐはあっ!!!!」

「ぎゃあああ!!」

ドーン!!!ドーン!!

ナルト「ふぅ・・・・・」

ナルト「・・・っ!!」

綱手「甘いんだよ!!!」

ナルト「し、しまっ・・・」

ドス!!!!

ナルト「ぐはあぁっ!!!!!」

ズザアアアアアアアア!!

綱手「・・・」

ポン!!

綱手「・・・影分身・・・」チラ



シーン・・・

綱手「くそ、シズネがいない・・・・・・やられたか」


綱手「・・・・おい、全員でナルトを追え!!絶対に逃がすな!!」

「は、はい!!」

綱手「でお前はちょっと待て」

暗部「はい」

綱手「お前は・・・会場の見張りのやつを探して牢屋に入れておけ」






シズネ「・・・はぁ・・・はぁ・・・」

ナルト「もう大丈夫だってばよ!!」ダダダダ

シズネ「・・・・・・うぅ」

ナルト「いま、安全なところに避難してるってばよ!」

シズネ「・・・ううう」

シズネ「・・・痛い・・・痛いよ・・・」

シズネ「・・・やめて・・・・」

ナルト「シズネのねーちゃん!!俺だってばよ!」

シズネ「・・・はぁ・・・はぁ・・・」

ナルト(・・・ひどい・・・人間のすることじゃねぇよ・・・)

ナルト(なんでシズネのねーちゃんがこんな目に・・・!!)

シズネ「・・・はぁ・・・はぁ・・・」

ナルト(怪我は相当ひどい・・・もう、これじゃシズネのねーちゃんは・・・)

ナルト(・・・何考えてんだ・・・!)

ナルト(シズネのねーちゃんには、生きててもらいたいんだってばよ・・・!!)

シズネ「・・・はぁ・・・はぁ・・・」

ナルト(シズネのねーちゃんは・・・おれにとって、大事な・・・!)

シズネ「・・・・・・」パクパク

ナルト「!」

シズネ「ナ・・・・・・ルト・・・・・・くん・・・・・?」パクパク


ナルト「そう!おれだってばよ!!」

シズネ「!・・・・・・・・・・・・」

ナルト「大丈夫だってばよ!シズネのねーちゃんは、助かるってばよ!」

シズネ「・・・・・・・・・・・・・」ポロポロ

ナルト「・・・だからさ・・・!」

シズネ「・・・・・・・・・・・・・・・・」ポロポロ

ナルト「前みたいに、また二人で・・・飯でも、食おうぜ・・・!」

シズネ「・・・・・・・・・・・・・・・」ポロポロ

ナルト「俺、また・・・シズネのねーちゃんの、料理が・・・!」











シズネ「・・・・・・殺して・・・・・・」






ナルト「・・・!」

シズネ「・・・・・・・・・」ポロポロ

ナルト「・・・・・・・いやだ・・・」

シズネ「・・・はぁ・・・はぁ・・・」

ナルト「いやだ・・・!」

ナルト「いやだってばよ!!!!!!!!!!!」

ナルト「シズネのねーちゃんがいなくなったら、俺・・・!どうやって、生きてったらいいんだ・・・!」

シズネ「はぁ・・・はぁ・・・」

ナルト「・・・いやだ・・・・・・そんなこと、言わないでくれよ・・・!」

シズネ「・・・・・・・・うう・・・」

ナルト「・・・また、一人ぼっちになっちまうじゃねぇか・・・」ポロポロ

ナルト「・・・生きててくれるだけでいいんだ・・・!」

ナルト「・・・おれが面倒みるから!・・・おれが全部なんとかするから・・・!!」

ナルト「だから、そんなこと言わないで・・・!!」

シズネ「痛いよぉ・・・・!!!!」ポロポロ

シズネ「早く・・・殺して・・・!!」

ナルト「・・・・・・うう・・・!!」

ナルト「・・・いや・・だ・・・!・・・いやだってばよ・・!!」ポロポロ

シズネ「痛い・・・痛いよぉ・・・!殺してよぉ・・・・・・!!!」

ナルト「!!!!シズネのねーちゃん」

シズネ「いやあああ!!もういやあああ!!!」

ナルト「落ち着いて!!もう助かったんだってばよ!!」



「ナルト!!!」


ナルト「!!・・・・・・カカシ先生・・・!」

カカシ「助け出せたんだな・・・」

ナルト「ああ、でもシズネのねーちゃんは・・・!!」

シズネ「もうやめて!!痛いよおぉ!!」」

カカシ「錯乱しているな・・・」

ナルト「落ち着けってばよ!!」

シズネ「あああああああ!!」

カカシ「シズネ!!!俺の目を見ろ!!!」

シズネ「ああああ!!ああああ・・・???・・・」

シズネ「あ・・・・・・・・」

シズネ「・・・・・・」スゥ・・・・

ナルト「なにしたんだってばよ!?」

カカシ「・・・眠らせただけさ」

カカシ「それより、シズネをどうするんだ?」

ナルト「・・・」

カカシ「シズネはもう、忍者としては生きていけない・・・それどころか、人間として生きていくことも難しいだろう・・・」

ナルト「そんなの・・・関係ないってばよ」

カカシ「・・・お前が一生面倒をみるのか?」

ナルト「・・・そうだってばよ」

カカシ「そうだとしたら、お前はもう木の葉には居られない」

カカシ「お前はなんとかなるかもしれんが、シズネは木の葉にとっては重罪人だからな」

ナルト「・・・」

カカシ「もう、シズネは一人でトイレにも行けないし、一人ではご飯も食べられない」

カカシ「そしてお前は木の葉以外に住む場所を見つけなければならない」

ナルト「全部、やれば済む話だってばよ・・・!」

カカシ「・・・それに、見ろ。全身、ひどい暴行と火傷だ」

カカシ「舌も噛み切ってるし・・・手足の切り口も長く痛むだろう・・・」

カカシ「シズネにとっては、地獄の痛みだろうな」

ナルト「何が、言いたいんだってばよ・・・」

カカシ「・・・・・・もう、楽にしてやれ」


ナルト「・・・・・・・・・なんで・・・なんでだよ・・・!」

ナルト「なんで、シズネのねーちゃんばかりがこんな目にあう・・・!」

ナルト「・・・おれは、結局、シズネのねーちゃんを救えなかった・・・・!!」

カカシ「いや、救ったよ・・・。お前が助けてなきゃ、まだあの拷問が続いてた」

ナルト「そんなの・・・!もっと早く、助けられたはずなのに・・・!!」

カカシ「・・・反省会は後だ。こうしている間にもシズネは痛みで苦しんでいる」

ナルト「うう・・・うううう・・・!!」ポロポロ

カカシ「・・・泣くのも、あとだ!」

ナルト「うう・・・・・・」グスッ

ナルト「わかったよ・・・」

シズネ「・・・・・・・・・」

ナルト「・・・」グッ

ナルト「シズネのねーちゃん・・・・・・一緒に元の世界に帰るんじゃなかったのか・・・?」

シズネ「・・・・・・・・・」

ナルト「もう、料理・・・作ってくれねぇのか・・・?」

シズネ「・・・・・・・・・」

ナルト「あの時・・・もっと止めておけばよかったんだ・・・」

ナルト「ううう・・・」ポロポロ

ナルト「ごめんなぁ・・・!おれのせいで・・・!」

シズネ「・・・・・・・・・」

ナルト「・・・さようなら・・・・・・」

ナルト「シズネのねーちゃん・・・・・・」

ザシュッ

ブシューーーーッ

シズネ「・・・」ビクビク

シズネ「・・・」クタ・・・

ナルト「・・・」

ナルト「・・・うっ」ポロポロ

ナルト「・・・ぐっ・・・!」ポロポロ

ナルト「うわああぁぁぁあああああああ!!」ポロポロ





ザクッ・・・ザクッ・・・

ザクッ・・・ザクッ・・・

ザクッ・・・ザクッ・・・

ナルト「・・・・・・」

ナルト「・・・・・・」

ザクッ・・・ザクッ・・・

ザクッ・・・ザクッ・・・

ザクッ・・・ザクッ・・・

カカシ「手伝おうか・・・」

ナルト「・・・・・・いい・・・・・・」

ザクッ・・・ザクッ・・・

ザクッ・・・ザクッ・・・




カカシ「落ち着いたか?」

ナルト「・・・うん」

カカシ「お前は、どうするんだ」

ナルト「カカシ先生こそ・・・」

カカシ「俺は、このまま里を抜けるさ」

ナルト「抜ける・・・」

カカシ「お前に手を貸した以上、俺は裏切り者だ・・・つかまればシズネと同じ目にあう」

ナルト「・・・おれは、どうすればいい」

カカシ「・・・それは自分で決めることだ」

カカシ「ここは木の葉からだいぶ離れている。戻るも、抜けるも、自由さ」

ナルト「・・・あの、処刑の最中・・・みんな・・・笑ってた・・・!」

ナルト「おかしい・・・狂ってるってばよ!」

カカシ「・・・違う」

ナルト「え?」

カカシ「それが正しいものとして、昔から認知されてきた・・・。木の葉に居るやつらからみれば、俺達が異常なんだよ」

ナルト「そうなのか・・・?」

カカシ「・・・そういえば、お前は別の世界から来たナルトということでいいのか?」

ナルト「そうだってばよ」

カカシ「そんなものがあるとはにわかに信じがたいがな・・・。しかしそうだとしたら、通りで何も知らないわけだ」

ナルト「・・・・・・」

カカシ「木の葉では、掟を守らなかった罪人には徹底的な制裁を与える・・・そしてお前と親しくすることは重罪だ」

カカシ「そういう奴は、ああやって公開処刑される」

カカシ「あの処刑を見るのを楽しみにしている奴までいる」

ナルト「・・・・・・」

カカシ「しかし、公開処刑にする必要があるか?あんなにえぐい拷問を与える必要があるか?」

ナルト「・・・・・・ねぇよ、絶対」

カカシ「そうだよな・・・やっぱり、異常なのはあいつらだ」

カカシ「それに、お前と親しくしてはいけない理由を知ってるか?」

ナルト「ああ・・・なんだっけ・・・。親しい者を失った時、尾獣の封印が弱まって暴れる可能性があるんだろ?」

カカシ「そうだ・・・一応そういうことになってる。だが今は強い封印術も開発されて、そんな心配は無い」

ナルト「・・・なんだって?」


カカシ「実際、お前はあの状態のシズネを見ても尾獣化しなかった」

ナルト「・・・!」

カカシ「いいか・・・こんな掟も、公開処刑も、全部上層部の自己満足だ。もっと言えば、これはただの趣味だ」

カカシ「本当はクーデターが起きても良いくらいのはずなんだが・・・木の葉の奴らは洗脳されている」

ナルト「・・・シズネのねーちゃんもか?」

カカシ「・・・シズネは、俺から見ればまともだったよ。だから、結構周りから嫌われてた」

カカシ「ここ最近も、ナルトのことをいろんな人に聞いて回ってたんだ。俺のところにも来たよ」

カカシ「なぜそんな大胆な行動に出たのかはわからんが・・・」

ナルト「・・・そうか・・・」

ナルト「・・・・・・うう・・・!」

ナルト「・・・・許せねぇ・・・!こんな目にあわせやがって・・・!!」

ナルト「ううううううう!!!!」ガタガタ

カカシ「・・・」

ナルト「・・・・・・俺は木の葉に戻る」

カカシ「復讐か?」

ナルト「ああ・・・・・皆殺しにしてやるんだ・・・!」

カカシ「・・・やめとけ・・・、お前はヤマト一人の木遁にすら勝てなかったじゃないか」

ナルト「あれは油断しただけだってばよ」

カカシ「暁のペインでも落とせなかったんだぞ・・・仙人モードだからって、無理だ」

カカシ「それに、捕まればお前だってただではすまないぞ・・・仙人モードだって、もう使えないように封印されてしまうに決まってる!」

ナルト「・・・・・・わかってるよ・・・」

カカシ「考え直すんだ」

ナルト「・・・いい、もう決めた」

カカシ「わざわざ危険な目に会いに行くことはないんだ!」

ナルト「決めたんだ!!」

カカシ「・・・・・・!」

ナルト「・・・バイバイ、カカシ先生。協力してくれてありがとう」

カカシ「お、おい!本気か!!」

ナルト「じゃ!!」

ダッ

カカシ「・・・なんでだよ・・・。せっかく里を抜けられたってのに・・・」






「もう、変な気を起こすんじゃないぞ」

ナルト「・・・」

「もう帰っていいぞ・・・」

ナルト「・・・」

ガチャ

ザッザッ・・・

ナルト「くそっ・・・わかっちゃいたけど・・・・・・」

ナルト「木の葉は、つええ・・・」

ナルト「・・・・・・チャクラが、うまく練れねえな・・・。カカシ先生の言うとおり、変な封印を施されちまった」

ナルト「・・・また、体が重い・・・」

ナルト「・・・・・・シズネのねーちゃん・・・・・・」

「きゃはは!!」

「もっと見たかったわね!!」

ナルト「・・・・!!・・・お前ら!!!」

ヒナタ「・・・あ、あれ」

サクラ「ナルト・・・」

ナルト「・・・!!!」ガクガク


イノ「・・・処刑場ではびっくりしたわよ」

サクラ「あんた、あんな能力使えたのね」

テンテン「でも、もう封印されちゃったんでしょ?」

ヒナタ「ナルトくん、かっこよかったよ・・・でも、シズネさん死んじゃったね!」

ナルト「・・・・・・ぶっ殺してやる!!!!!!」ダッ!!

イノ「・・・おっそ」ヒョイ

イノ「えい!」ドス!

ナルト「うぐっ!!」

ドス!!

バキ!!

ゲシ!!

ナルト「ぐふ!!」ドサッ

ナルト「ちくしょう・・・!!ちくしょう・・・!!」ポロポロ

テンテン「ぎゃはは、泣いてるよ~」

サクラ「4人相手に勝てると思った?」

ヒナタ「あはは・・・残念でした~。ほら、私の足なめなよ?」

ナルト「うぐぅ~!うう~!!」ギュムギュム

イノ「待ってヒナタ、ここじゃ目立つわ・・・」

ヒナタ「え?・・・どうするの?」

イノ「今からみんなで、ナルトの家行っていじめない?」

サクラ「え、大丈夫かな?」

テンテン「きゃは、面白いかも!」

イノ「だいじょぶだいじょぶ!親しくしない分にはいけるって!綱手様は私達には甘いし!」

ヒナタ「そうだね・・・シズネさんは度を越してたもんね」

イノ「そうそう・・・それに、なんか今日の処刑は消化不良だったし、ナルトをたっぷりいじめてあげましょ!」

テンテン「おー!」

サクラ「ふふふ・・・楽しみね、ナルト」

イノ「そうと決まれば早速いきましょ!」

ズリズリ

ズリズリ

ナルト「く、くそ・・・」

ズリズリ

ズリズリ


ナルト「やめろ・・・!ぐぅ!!やめろ!!」ギュムギュム

ヒナタ「暴れるとクナイ刺しちゃうよ?」グリグリ

ナルト「痛い!!やめろ・・・」

ヒナタ「ほらほら」ギュムギュム

ナルト「うう~~・・・」

サクラ「全裸でこんなに縛られちゃって・・・椅子にされちゃって。恥ずかしいわね、ナルト」

テンテン「はぁ~、のど乾いたぁ~」

イノ「なんか冷蔵庫にでもあるんじゃないの?」

ガチャ

テンテン「飲み物飲み物・・・って・・・。これ、ケーキ?」

ナルト「!!・・・やめろ!!」

イノ「え、なになに!?『ナルトくん、誕生日おめでとう』・・・だって。なにこれ、自分で作ったのぉ?」

ナルト「きたねぇ手でさわんな!!!!!」

ヒナタ「うるさい・・・」グリグリ

ナルト「ああ!!痛い!!やめて!!」

テンテン「こんなの作っちゃうなんて、寂しい奴ね・・・」

イノ「・・・いいこと思いついちゃった」

サクラ「え、何々?」

イノ「これを、靴でね・・・・」

スッ

ナルト「うう・・・やめてくれ!!!そのケーキだけは!!」

イノ「そんなに大事なものなの~?」

ナルト「やめろ!!やめてくれ!!!!」

イノ「そんなこといわれると・・・」

ナルト「やめろォ!!!」

イノ「こうしたくなっちゃうな!!」

グチャ!!


ナルト「・・・・・・・っ!!」

グチャ!!

ナルト「や、やめろ!!」

グチャ!!

グチャ!!

グチャ!!

テンテン「あは、きったないケーキになっちゃったね」

ナルト「・・・!!」ポロポロ

サクラ「あはは!!なに泣いてるの?」

ヒナタ「えいえい・・・」ギュムギュム

ナルト「ううう!!!むぐぐ!!」

イノ「それで、このケーキを・・・よいしょっと」

イノ「ヒナタ、ちょっとお尻どけて」

ヒナタ「・・・うん」スッ

イノ「いくわよ~」

ナルト「はぁっ・・・!?」

ベチャ!!

ナルト「むぐぅ・・・!!」

イノ「あっはは!!どう、おいしい?」

ナルト「むぐっぐ!!」

サクラ「あはは・・・よかったじゃない、ケーキ食べさせてもらえて」

テンテン「ほらー、もっとおいしそうに食べなよ」

ヒナタ「おいしい?ナルトくん」

ナルト「むぐ・・・はぁっ・・・!はぁっ・・・!」

ナルト「ぢぐじょう・・・!!!ぶっ殺してやる・・・・!!!」

ヒナタ「えい」ドス!!

ナルト「ぶっ!!」

バキ!!

ガス!!

ドス!!

ナルト「うう!!うううう!!!」ポタポタ

イノ「おいしいよね?」

ナルト「がはぁっ・・・くそが・・・!!」


サクラ「ナルト・・・今どういう状況かわかる?」グリグリ

ナルト「あああ・・・!!ああ!!!」ジタバタ

テンテン「あんた、動けないのよ・・・?」

イノ「生意気な口利いたら、ひどい目にあうってわからないのかしら」

サクラ「ねぇ・・・ナルト・・・そのケーキおいしい?」

ナルト「ふざけんな・・・!!この・・・・ぐえっ!!」

ドス!!バキ!!

ナルト「ううう・・・」

ヒナタ「えい・・・」

ギュムギュム

ナルト「むぐぐ・・・!!」

グリグリ

ナルト「あああ!!!やめろぉ!!!」

テンテン「ねぇ・・・おいしいよねぇ!!」

ナルト「はぁ・・・はぁ・・・」

ナルト「うう、おいしい・・・・!」

イノ「もっとおいしそうにいいなさいよぉ」

グリグリ

ナルト「あああ!!!おいしいです!!!!」

イノ「へぇ?じゃあ全部食べなよ!!」

ベチョ!!

ナルト「むぐぐ!!」

ナルト「もぐ・・・もぐ・・・」

ヒナタ「なかなか飲み込まないね・・・えいっ!」

ドスン!!

ナルト「ぐえっ!!!!もぐ・・・!!」

サクラ「それ逆効果じゃない?」

ヒナタ「あはは!そうだね!」

ナルト「ゴクン・・・・むぐぐ・・・」

イノ「おいしかった?」

ナルト「ぐすっ・・・・・・!!」

ヒナタ「ねぇ?」スッ

ナルト「!!おいしい・・・ですっ・・・!!」

イノ「あは、私が踏んだケーキおいしいんだって!!」

テンテン「ちょー受けるね!!」

サクラ「きゃははは!!」

ナルト「く、くそっ・・・・」


イノ「あれ・・・またそんな口聞くの?」

ナルト「ぐぅ・・・!!!」

ヒナタ「ほら、ナルトくん、ごめんなさいは?」

ナルト「・・・殺す・・・!!」

バキッ!

ナルト「ぶっ」

ドス!!

ナルト「ぐええ!!」

パーン!!

ナルト「ぶっ!!」

グリグリ

チクチク・・・

ナルト「痛い!!痛い!!」

サクラ「ごめんなさいはー?」グリグリ

ナルト「あああ!!イタイ!!イタイ!!

ドス!!

ナルト「ぐえ!!はぁっ・・・!!はぁっ・・・!!」

ナルト「も・・・やめて・・・」

グリグリ

グリグリ

ナルト「痛い!!!痛いってばよ!!!!」

ナルト「やめて・・・!!やめて・・・!」

ヒナタ「さっきまでの勢いはどうしたの・・・?」

テンテン「ごめんなさいは?」

ナルト「・・・・・・ううう」

イノ「ほら、はやく」グリグリ

ナルト「痛い・・・!!やめて・・・」

ナルト「・・・ごめんなさ・・・ムグ!」

ヒナタ「え?聞こえな~い」ギュムギュム

イノ「あはは!傑作!!」

サクラ「えいえい」グリグリ

テンテン「あっはは!!」グリグリ

ナルト「もがっ・・・ぶふっ・・・ごめ・・・!!」

ヒナタ「言わせないよ~~」

ナルト「ぐふっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

ナルト「ごめんなさい・・・!!」


イノ「・・・」

ナルト「もう・・・ゆるして・・・・」

サクラ「・・・」

テンテン「・・・」

ヒナタ「許さないよ?」ニコ

イノ「もっともっといじめてあげる!!」

サクラ「許してもらえると思った?」

テンテン「覚悟してね!!」

ナルト「ううう・・・!!ううう・・・くそぉ!!!!!」ポロポロ

アハハハハハ・・・

アハハハハハ・・・






ナルト「・・・」ボロボロ

ナルト「・・・」

ナルト「ケーキが・・・うぅっ・・・」

ナルト「シズネのねーちゃんが、俺のために作ってくれたんだ・・・!!」

ナルト「そのケーキを・・・あいつらは・・・!!!」

ナルト「・・・・・・シズネのねーちゃん」

ナルト「ぜってぇ、仇はとる・・・!」

ナルト「笑いやがった奴らを全員ぶっ殺す・・・!!」ガクガク

ナルト「ううう・・・!!ううううううう・・・・!!!!!!!」ガクガク

ナルト「・・・・・うう・・・・・・」

ナルト「・・・・・・・・・・・・

ナルト「・・・・・・冷静になろう・・・」

ナルト「まずは縄抜けの術だ・・・」

ナルト「うぐぐ・・・」

ナルト「ぬうう」

ポキポキ

ナルト「うう・・・いてぇ・・・」

ポキポキ

ナルト「縄抜けの術だけは嫌いだってばよ・・・」

スッ・・・

ナルト「・・・ふぅ・・・」

ナルト「・・・」スッ

ナルト「・・・あの日記の続き、まだ読んでなかった・・・」

ギッギッ・・・

ナルト「・・・あった」

ペラペラ・・・

ペラペラ・・・


『 

この世界の木の葉隠れには奇妙な掟がある。

それは・・・

俺と仲良くなった奴は全員死刑にされる、という掟だ。

しかも、公開処刑で、ありったけの拷問付きだ。

もちろん、里のみんなもそのことは知っている。

だから俺には誰も近寄ろうとはしない。だが、例外もいる。

お前のように、他の世界から来たやつだ。

過去に何度か、他の世界の俺と、他の世界の誰かが仲良くなり、そいつは処刑されてしまった。

だから、絶対に家から出てはいけない。

ひたすら待ち続けろ。

この世界は、お前にとって幻術のようなものだ。

この幻術を自分で解く方法はない。

知っていると思うが、幻術の世界で死ぬと、現実の世界でも死んでしまう可能性がある。

ひたすら待ち続けろ。

お前が元の世界に帰る方法は、誰かが現実世界のお前に気付き、幻術を解いてくれるのを待つか、

もしくは、また別の世界のナルトと入れ替わるのを待ち続けるかのどちらかだ。

最後に。

今まで入れ替わってきた俺は正義感が強い奴が多かったから、この狂った木の葉を変えようとする奴もいた。

だがお前の世界ではどうかしらないが、この世界の俺の強さは下忍レベルしかない。

俺から言えるのは、現状を変えることはできない、ということだ。

俺は、弱い。この世界を変えることはできない。

入れ替わっている間、俺はお前の中でお前を見ている。

どうか誰も処刑されることのないように頼む…




ナルト「おせぇよ・・・」

ナルト「・・・もう、おせぇんだってばよ・・・!」

ナルト「うぐっ・・・」ポロポロ

ナルト「俺は、結局・・・・・・助けられてねぇじゃねぇか・・・・」ポロポロ

ナルト「・・・・・・・・・あ」

ギッギッ・・・

ナルト「チョコのプレート・・・無事だったのか・・・」

"ナルトくん、誕生日おめでとう"

ナルト「・・・・・・あいつらが、全部ぐちゃぐちゃにしていきやがった・・・・・・」

『おいで・・・』

ナルト「・・・・・・」

『おかえり、ナルトくん』

ナルト「・・・・・・」

『元の世界に帰ったら・・・あの・・・その・・・』

ナルト「・・・・・・」

『必ず、二人で元の世界に帰りましょう・・・』

ナルト「・・・・・・」

『・・・・・・殺して・・・・・・』

ナルト「・・・・・・うっ・・・・!」ポロポロ

ナルト「うわぁあああああああああああああああ!!」ポロポロ






ナルト「・・・・・・」

ナルト「・・・」ガタガタ

ナルト「・・・」プルプル

ナルト「・・・許せねぇ・・・!!!絶対に、許せねぇ・・・!!!!」

ナルト「あいつら、笑いやがったんだ・・・!ふざけやがって・・・!!!」

ガタガタガタガタ

ギリギリギリギリ

ナルト「ううううううううううううううううぅううううううう!!!」

プルプルプルプル

ナルト「・・・・・・サクラ、イノ、テンテン、ヒナタ・・・」

ナルト「・・・・・・こいつらだけは・・・!」

ナルト「・・・・・・でも・・・・・・どうすればいい・・・」

ナルト「・・・・・・・・・・・・修行だ・・・・・・!」

ナルト「修行して・・・あいつらを・・・ぜってぇ・・・ぶっ殺してやる・・・!」




リーン・・・・リーン・・・

「・・・・・・くそっ!!!うまくいかねぇ・・!!」

「もう一回だ!!!!」







ワイワイ

ガヤガヤ

「・・・・・・・・殺す・・・!!」










ザァーーーーーーーーー

「・・・・・・・・・殺す・・・」」










チラチラ・・・

チラチラ・・・

「・・・・・・くそっ!!!!」

ドン!!!

「なんでできねぇんだよ!!!ちくしょうがあああ!!!!!」








キャハハハハハ

ワイワイ

「・・・・・・!!!」

「いま、もう少しだった・・・!!!」

「もう一回だ・・・!!!」

「待ってろ・・・ぜってぇ・・・・・・!!」












ビューーーーーーーーー

「・・・できねぇ・・ちくしょう・・・!」







ザーーーーーーーー

「くそ・・・・・・・・・・・・」








ナルト「だめだ・・・後一歩なのに・・・」

ナルト「・・・・くそぉ・・・・・・」

ナルト「・・・・・・・・・」

ナルト「・・・・・・この世界にきてどれくらいたったかな」

ナルト「おれはもう、帰ることはできないのかもな・・・」

ナルト「・・・・・・おれ、何やってんだろ・・・」

ナルト「殺すことができたとしても・・・シズネのねーちゃんは、戻ってこねぇ・・・・」

ナルト「戻ってこねぇんだ・・・・!!」

ナルト「・・・うっ・・・」

コンコン

ナルト「!」

コンコン

ナルト「誰か来るなんて・・・久しぶりだな・・・」

コンコン

ナルト「今行くってばよ」

ギッギッ

ガチャ

イノ「はぁ~い、ナルト!」フリフリ


ナルト「・・・!!」

テンテン「遊びに来たわよ~」

ナルト「・・・・・・・!!」ドクン!!!

サクラ「最近ずっと、あんた大人しいじゃない?」

サクラ「だから、誰も処刑されなくてつまらないのよ」

ヒナタ「そうそう、ちょっとストレスたまっちゃって・・・」

イノ「だからさ!またいじめさせてよ!!」

ナルト「なんだと・・・!!!」

ヒナタ「そうそう、ナルトくん、いいこと教えてあげる」

ナルト「何だ・・・!」

ヒナタ「実は、シズネさんのこと密告したの・・・あたし達なんだ!」

ナルト「!!!!」

ナルト「お・・・お前らか・・・!!!!!!」

サクラ「シズネ先輩、うざかったもんね~」

イノ「ほんとほんと、いなくなって清々したわ」

テンテン「豚みたいな声だして苦しんでたね!!!思い出しても笑えてくるぅ!!」

ナルト「シズネのねーちゃんを・・・!!!侮辱するんじゃねえええええ!!!!!!!」

ダダッ

サクラ「おっと」ヒョイ

サクラ「地面に寝てなさい!!」

バキッ!!!

ナルト「ぐっ!!!」

ドゴオオオオオオン!!!!

ナルト「あ、あがが・・・・!!!」

イノ「やっぱサクラって馬鹿力ね・・・」

テンテン「じゃ、ナルト!!」

ヒナタ「またあたし達を、楽しませてね?」

ナルト「ち、ちくしょう!!!!!!!」












ナルト「・・・やっぱ・・・殺すしかねぇ・・・」

ナルト「・・・あいつらに生きる資格はねぇ・・・・・・・・・!!!」

















シュイン・・・・・

「・・・・・・」

「・・・できた・・・」

「・・・できた!!できた!!!!できたあああああああああああああああ!!!」

「ぎゃはああああああああははっはああはははあああ!!!!!!!!!!!!!!」

「長かった!!長すぎたってばよ!!!!!!!!!!!」

「これで、やっとあいつらを・・・!!!!!」

「ウヒ・・・・・・」

「ウヒヒヒヒヒヒヒヒ・・・・・・!!」

「ウヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!」









コンコン

コンコン

テンテン「出るかな~・・・あいつ」

ヒナタ「警戒してるかもね・・・」

サクラ「出てこなかったらドアぶち破ってやればいいのよ」

イノ「今度はどうやっていじめてやろうかしら・・・」

テンテン「あいつ一気に大人しくなったから、つまんないね」

ヒナタ「ほんとほんと・・・ちょっとは外出してもいいのに」

ヒナタ「あ・・・きたよ」

ガチャ・・・

ナルト「・・・・・・」

イノ「ひっさしぶりじゃなーい!ナルト!!」

ナルト「・・・・・・」

サクラ「あんたずいぶんやせたわね・・・大丈夫かしら?」

ヒナタ「私達が食べ物全部持ってっちゃったからじゃないの?」

テンテン「きゃはは!!あははは!!」

ヒナタ「じゃ、ナルトくん・・・パーティー初めよっか♪」

テンテン「おっそろしいわー・・・ほんとあんたナルト相手だとキャラ変わるわね・・・」

ナルト「・・・ニヤァ・・・」

イノ「あ?あんた何笑ってんの?」

サクラ「ちょっと、何ニヤニヤしてんのよ!気持ち悪い」

イノ「痛い目にあいたくなかったら今すぐ土下座しなさい!」

ナルト「・・・・・・くく」

テンテン「はぁ?」

ヒナタ「ふざけてんの?」

イノ「痛い目みたいようね・・・・・・。サクラ、やっちゃって!」

サクラ「ええ・・・また、地面に這い蹲りなさい!」

サクラ「そら!」ヒュッ

パシッ!!

サクラ「!?」


ナルト「ふん・・・」トン

サクラ「うっ・・・」

ドサッ・・・

イノ「えっ・・・サクラ?」

ヒナタ「えっ・・・?」

テンテン「あ・・・」

ナルト「くっく・・・うひゃひゃ・・・」

テンテン「このぉっ!!!」ヒュ

ドゴォ!!

テンテン「うぐっ・・・!!」

ドサ・・・

イノ「あ・・・え・・・?」

ドガッ!!

イノ「ぎゃっ!!」

ドサ・・・

ヒナタ「・・・!」スッ

ナルト「おい」

ヒナタ「くっ・・・」

ナルト「何逃げようとしてんだ・・・仲間を見捨てんのか?」

ヒナタ「・・・・・・そうよ!」ダッ

ナルト「クズが・・・」

パシッ

ヒナタ「っ・・・!!」

ナルト「逃がさねぇよ・・・」

ヒナタ「は、離して!!」

ナルト「離さない」

ヒナタ「ううっ・・・やめてよ!!」

ナルト「そら」ドゴォ!!

ヒナタ「うぐっ・・・!!」

ドサッ・・・

ナルト「・・・・・・・・・・・・」

ナルト「・・・・・・あひゃひゃ・・・ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」




ナルト「いいざまだな、お前ら」

ナルト「どうだってばよ、やられる側に回った気分は?」

イノ「・・・あんた・・・!どうやってそんな力を・・・!」

サクラ「・・・ナルト、やめて」

テンテン「・・・やめなさいよ!こんなことしてどうなると・・・」

ヒナタ「・・・」ガタガタ

ナルト「どうなるんだってばよ・・・?」

テンテン「・・・!許さないんだから・・・!」

ナルト「なっさけねぇ格好だなぁ・・・?全裸にされて、十字架に張り付けだなんて・・・」

テンテン「・・・」

イノ「・・・くっ・・・あんた、覚悟しなさいよ・・・!」

ナルト「・・・お前ら、なんか勘違いしてるんじゃねぇか」

サクラ「何?」

ナルト「お前らは、これから死ぬんだよ。シズネのねーちゃんと同じ目にあってな」

「!!!!」

ヒナタ「・・・!!やめて!!」

ナルト「ヒナタ・・・お前にはたくさんいじめられたよな?痛かったってばよ」

ヒナタ「!・・・ごめんなさい・・・!!ごめんなさい!!!」

ナルト「まずは、お前らの手足に、でっかい穴をあけてやるってばよ」

「!!!!」

ナルト「最初は、だれにしようかな・・・」

イノ「ああ・・・あああ」

ナルト「じゃあ、まずはイノから」

イノ「!!!・・・やめて・・・ごめんなさい」


ナルト「この杭にするか・・・」スッ

イノ「ごめんなさい!!!許して!!」

ナルト「・・・」

イノ「許して下さい!!!」

ナルト「・・・」ヒュッ

イノ「いやぁ・・・怖いよ!!」ポロポロ

ナルト「・・・」

イノ「怖い!!やめてよぉ!!!」ポロポロ

ナルト「・・・ぷっ」

ナルト「ぎゃははははははは!!情けねぇ顔!!」

イノ「ううう・・・!」

ナルト「・・・そら」グリグリ

イノ「いたっ!!痛い!!!」

ナルト「・・・」グリグリ

イノ「あああ!!!イタイ!!イタイ!!!

グチュグチュ・・・

ポタポタ・・・

イノ「いやああああああぁあああ!!!」




パアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

ナルト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!」


イノ「な、なに・・・?」

ナルト「くそ・・・!!こんなときに・・・!!」

ナルト「ちくしょう・・・・・・!!ちくしょう・・・・・・!!」

ナルト「やっと殺せると思ったのに・・・・・・!!!!!!」



パアアアアアアアアアアアアアア・・・・

イノ「・・・・・・?」

サクラ「あ、た、助かったの・・・?」



パアアアアァァァ・・・・・・

ナルト「・・・・・・」

ナルト「・・・・・・」

ヒナタ「ど、どうなってるの・・・?」

ナルト「・・・・・・やっと、帰ったか・・・」

イノ「何、言ってるの・・・?」

ナルト「さて、お前ら」

テンテン「!」

ナルト「続きをやろうか・・・」ニヤ

サクラ「助かってない・・・!!」

イノ「い・・・!」

イノ「いやああああぁああああ!!」








シズネ「ナルトくん」ユサユサ

ナルト「・・・ん」

シズネ「こんなところで寝ちゃ駄目ですよ」

ナルト「・・・」

シズネ「風邪ひきますよ?」

ナルト「・・・」

シズネ「あれ・・・」

ナルト「・・・・・・」

シズネ「おーい・・・・・・?」

ナルト「・・・・・・・・・・・・シズネのねーちゃん?」

シズネ「・・・よかった、大丈夫そうですね」

ナルト「・・・」ジー

シズネ「なにかあったんですか?」

ナルト「・・・」ジー

シズネ「ナルトくん・・・?」

ナルト「・・・」ジー

シズネ「そ、そんなに見つめられても・・・」

ナルト「・・・!」ポロポロ

シズネ「え・・・?」

シズネ「なんで泣いちゃうの?」

ナルト「シズネのねーちゃん!!!!!!」ガシッ

シズネ「わっ・・・!」

ナルト「生きててよかった・・・!!」ギューーッ

シズネ「・・・ちょ、ちょっと」

シズネ「落ち着いて、ナルトくん・・・」

ナルト「・・・ほんとに・・・よかった・・・・!!」

シズネ「・・・く、苦しいです・・・」

ナルト「・・・もう、ぜってぇ、はなさねぇ・・・!!」ギューッ

シズネ「・・・ほんとに、苦しいですって・・・!」パシパシ








ナルト「・・・」

シズネ「・・・・・・あ、あの・・・?どうしたんですか・・・?」

ナルト「・・・ごめん」

シズネ「私が死ぬ夢でも見たんですか?」

ナルト「・・・・・・わかんねぇけど、多分そう・・・だってばよ」

シズネ「縁起でもない夢みないでくださいよ~・・・。ちなみに、どんな夢だったんですか?」

ナルト「えっと・・・・・・あれ?」

ナルト「・・・まったく、覚えてねぇ」

ナルト「でも、なんかシズネのねーちゃんを見たとたん、安心というか、安堵というか・・・」

シズネ「・・・・・・ま、ただの夢ですよ!」

シズネ「この通り私は、ピンピンしてますから!」

ナルト「・・・はは・・・ほんとに、よかった・・・!」ポロポロ

シズネ「あはは、大げさな・・・」

ナルト「・・・」

シズネ「ナルトくん、明後日から任務でしょう?」

シズネ「家でしっかり体を休めておいてくださいね?」

ナルト「明後日から任務・・・と、いうことは・・・」

シズネ「あ、そうそう。明日、みんなで銭湯にいくんでしょう?」

ナルト「・・・!どうしてそれを?」

シズネ「リー君がはしゃいでましたから」

ナルト「ああ・・・」

シズネ「いいじゃないですか、銭湯。楽しんできて下さいね!」

シズネ「じゃ、私はこれで!」

ナルト「うん・・・また」

ザッザッ

ナルト「・・・・・・あ・・・」

ナルト「・・・あ・・・あ・・・・・・!!」

ナルト「ま、まってくれっ!」



シズネ「?」チラ

ナルト「・・・・・・あ・・・えと・・・」

シズネ「・・・どうかしました?」

ナルト「・・・・・・気をつけて」

シズネ「・・・・・・はい、ありがとう」

ザッザッ・・・

ナルト「シズネのねーちゃんが行っちまうと・・・・・・すげー不安になってくる・・・」

ナルト「・・・・・・でも、よかった・・・生きてて・・・・・・・・・」

ナルト「・・・所詮、夢だってばよ・・・。心配しすぎだよな・・・」

ナルト「・・・なんかすげぇ楽しいことしてる最中に起こされたような・・・」

ナルト「・・・思い出せない・・・」

ナルト「・・・まぁ、いいか・・・」

ナルト「帰るか・・・」








リー「お!ナルトくんが来ました!」

ナルト「おっす、みんな久しぶり!」

キバ「おーっす、ナルトか」

チョウジ「久しぶりだね~」

シカマル「久しぶりか?」

イノ「一週間ぶりくらいじゃない?」

テンテン「おっす~!」

ナルト「おっす!」

ネジ「テンテン・・・その挨拶はどうかと思うが」

テンテン「細かいことはいいのよ!」

ナルト「よっ!ヒナタ!」ビシッ!

ヒナタ「あっ・・・ど、どうも!」チョコン!

キバ「何だその返事は・・・・」

シノ「もっとはっきり返事をするべきだ、なぜなら」

ナルト「だぁ~!もういいもういい!」

ヒナタ「あぅうう・・・」カァァァァ

サクラ「遅れてごめ~ん!」タタタ

ナルト「あれ、サクラちゃんもか」

サクラ「なによ、私が来ちゃ悪いの?」

ナルト「いやいや、そういうわけじゃねぇって」

リー「おお、これで皆さんそろいましたね!」

リー「では早速いきましょう!!


ザッザッ

ザッザッ

ワイワイ

ワイワイ

ナルト(・・・・・・みんなと会う前、なんであんなに緊張してたんだろ・・・)

ナルト(緊張することなんて無いはずなのに・・・俺を受け入れてくれるかどうか、すげー心配だった)

ナルト(なんでだ・・・?)

アハハハハハハハ!!

ナルト「・・・!」ビクッ

サクラ「!・・・」

アハハハ・・・

ナルト「くっ・・・」ピクピク

サクラ「・・・どうしたの、ナルト?」

ナルト「・・・」ピクピク

サクラ「・・・?」

サクラ「あんた、なんか怒ってる・・・?」

ナルト「・・・」ピクピク

サクラ「ナルト?」

ナルト「・・・なんでもねえってばよ」

サクラ「・・・?そう・・・?」

サクラ「こめかみの血管が浮き出てるけど・・・」

ナルト「ごめん・・・ほんとになんでもない」

サクラ「そう・・・?」

サクラ「じゃあ、早く行きましょ」

ナルト「ああ」

ナルト(・・・・・・・・・なんだ・・・?)

ナルト(・・・いまの気持ちは・・・)

ナルト(・・・・・・)






ナルト「ちょ、冷たい冷たい!!」シャー

キバ「あー?どうしたナルト」シャカシャカ

ナルト「かかってるって!シャワー!!」シャー

キバ「ああ、わりぃわりぃ」シャカシャカ

ナルト「わりぃと思うんならやめろ!」

キバ「はっははは」

シノ「やめろキバ・・・なぜなら俺にもかかっているからだ」

キバ「ぷっ!」

リー「僕にもかかってますよ!!」

キバ「くくく、あっはっは!!」

シノ「やめろ」

キバ「わかったわかった、・・・つーかお前そのキャラ全然崩壊しないな」

シノ「なんのことだ」

ナルト「ぷっ、くくく」

シノ「何を笑っている」

ナルト「はは・・・つーかリー」

リー「なんです?」

ナルト「お前、ムキムキだな・・・!」

ナルト「男として、あこがれるってばよ」

リー「毎日、修行してますからね!」

リー「ナルトくんも、これから毎日僕と修行しますか!」

ナルト「いや、それはいいってばよ・・・」

リー「むー、残念です・・・」

ナルト「さて、そろそろ湯につかるか・・・」

シタシタ


シカマル「・・・任務後の風呂は極楽だぜ~」

ナルト「ぷっ・・・おっさんだな」

シカマル「うっせぇ・・・」

ナルト「さて・・・」

カポーン

ナルト「ふぅ・・・」

キャハハハハ

キャハハハハ

チョウジ「女子達の笑い声が聞こえるね・・・」

ナルト「・・・!」ピク

シカマル「はは、楽しそうだな・・・・・・ん?」

ナルト「・・・」ブルブル

シカマル「おい・・・大丈夫か、ナルト?」

ナルト「えっ?・・・ああ、大丈夫大丈夫・・・」

シカマル「ほんとか・・・?」

ナルト「ああ、平気だってばよ・・・」

シカマル「ならいいけどよ・・・」

ナルト「・・・」

ナルト(・・・なんだ・・・)

ナルト(また、変な気分に・・・)

ネジ「おい、ナルト」

ナルト「・・・ん?」


ネジ「なんだ、その何かたくらんでそうな顔は?」

ナルト「俺は別に・・・」

ネジ「何か良からぬことを考えていたのではあるまいな・・・」

ナルト「え、何?」

ネジ「・・・覗きだ!」

ナルト「・・・」

ナルト「・・・」

ナルト「そんなんじゃ、ねぇよ・・・」

ネジ「む、そうか・・・」

ナルト「・・・なんかわかんねぇけど、変な気分なんだってばよ」

ネジ「変な気分・・・?」

ナルト「なんなんだろう・・・これ」

ネジ「そんなこといわれてもな・・・俺にはわからん」

キャハハハハハハ

ナルト「・・・!」

ナルト「くっ・・・・・・・・・・!!」ピクピク

ネジ「・・・おい・・・本当に大丈夫か・・・?」

ナルト「・・・・・・大丈夫」

ネジ「・・・のぼせたんなら、早く上がったほうが良いぞ」

ナルト「ああ・・・わかってる・・・」

ナルト(なんだ・・・くそっ・・)

ナルト(せっかくみんなとの楽しい時間だってのに・・・)

ナルト(変な気分にさせるんじゃねぇってばよ・・・!)








キバ「ふぅ~、いい湯だった」

リー「気持ちよかったですね!!」

シノ「いい水だった」

キバ「お前まだ怒ってんのかよ・・・」

ネジ「風呂上りの牛乳は最高だな・・・」グビグビ

キバ「おお!うまそう!おれも買おっと!!」

テンテン「おっ!男子たちはもう全員上がったの?」

シカマル「ああ、上がった・・・って」

チョウジ「ナルトがまだだね」

サクラ「えー、何してんのよあいつ」

ネジ「・・・それが、さっきから様子が変なんだ・・・」

イノ「え・・・どういうこと?」

ネジ「よくわからんが・・・何か怒りを抑えているように見えたが」

サクラ「そういえば、さっきもそんな様子だったわ」

ヒナタ「大丈夫かな、ナルトくん・・・」

リー「だいじょうぶですよ!このまま計画通り進めましょう!」

サクラ「・・・これ、私達が渡すんでしょ・・・?」

イノ「なんだか照れくさいわね・・・」

キバ「うれしいと思うぜ~?何せ女の子4人の手作りなんだからな!」

テンテン「あはは・・・がんばったわ、あたし達」

ヒナタ「うん、がんばった・・・」

テンテン「リーが急に私達にケーキ作ってほしいなんて言い出すから、何事かと思ったわよ」

チョウジ「僕がほしいくらいだよ、そのケーキ」

リー「だめですよチョウジくん!だって今日は」



リー「ナルトくんの誕生日なんですから!」


サクラ「うん・・・まぁ、そうよね」

イノ「誕生日くらいは、サービスよサービス」

シカマル「良くそんな情報知ってたな・・・」

リー「綱手様に教えてもらったんですよ!!」

リー「綱手様も、しっかり祝ってやってくれとおっしゃってました!」

テンテン「へぇ~、綱手様がね」

ガラガラ

ナルト「おーす、おそくなってわりぃ」

サクラ「おっそい!!なにしてんのよ!」

ナルト「わりぃわりぃ・・・」

リー「では早速行きましょう!」

ナルト「次は、どこ行くんだ?」

シカマル「それは、お楽しみだな」

ネジ「うむ」

ナルト「え・・・何々?」

キバ「まぁあせんなって!」

イノ「今からいい所にいくのよ!」

ナルト「いい所・・・?」

テンテン「まぁ、黙ってついてきなって」








ナルト「なぁ・・・このあたりに食い物屋なんかねぇぞ」

サクラ「いいからいいから・・・」

ナルト「まさか、俺の家向かってない?」

リー「ギク!!」

テンテン「リー!そんな声出したらばればれじゃない!!」

ナルト「なんだ、そうなのか・・・?」

ナルト「それに、さっきからテンテンが持ってる箱・・・」

テンテン「ギク!」

リー「テンテンも言ってるじゃないですか!!」

ナルト「気になるな~」

テンテン「だめよ・・・家についてからのお楽しみよ」

イノ「そうよ・・・ちょっと我慢しなさい」

ネジ「そうだぞナルト!!あせる男はダメ男だ!!」

キバ「なんだそれ・・・聞いたこと無いぞ」

シノ「同感だ」

シカマル「あせってもいいことないぞ・・・家に着くまでの辛抱だ」

ナルト「へー・・・・・・」

ナルト「みんなそこまでとめるとなると・・・すげーいいものが入ってるんだってばよ・・・?」

ヒナタ「だめだよ、ナルトくん!」

ナルト「へいへい・・・」

ナルト「いや、でもやっぱ気になるから・・・」

テンテン「ちょっと、だめだって!」

ナルト「・・・・・・見ちゃうってばよ!!」

パカッ!!

テンテン「あ!!!」







『ナルトくん、誕生日おめでとう』





ナルト「・・・・・・!!!!」

ネジ「おいおい・・・」

キバ「我慢しろっていったのに・・・」

リー「まぁいいじゃないですか!どうせナルトくんの家で開けるんですし!」

サクラ「もう、ナルトったら・・・」

イノ「ちょっとは我慢しなさいよ・・・!」

テンテン「まあ、もういいじゃない!開けちゃったんだし」

サクラ「そうね・・・ナルト、今からあんたの家で誕生日パーティーするのよ」

イノ「そうそう、他にもいろいろ料理買ってあるから!」

テンテン「それに、このケーキあたし達が作ったのよ!」

イノ「字の部分は、ヒナタ担当よね!」

ヒナタ「う、うん・・・、どうかな、ナルトくん」

テンテン「そうそう、ヒナタったら、つい『くん』までつけちゃったのよ」

ヒナタ「あうぅううう・・・」カァアア

キバ「よかったなぁ、ナルト!」

シカマル「よかったじゃねぇか」

サクラ「ナルト!」

サクラ「誕生日おめでとう!!」

イノ「おめでとう、ナルト!」

「おめでとう!」「おめでとう・・・」「おめでと!」「おめでとうございます!!」



ナルト(あ・・・あ・・・)



『ナルトくん、誕生日おめでとう』



ナルト(なんだこれ・・・)



『おいで・・・』



ナルト(なに思い出してんだ・・・・・・?)



『おかえり、ナルトくん』



ナルト(・・・・・・なんだ、この記憶?)



『元の世界に帰ったら・・・あの・・・その・・・』



ナルト(・・・シズネのねーちゃん・・・・・・!!)



『必ず二人で元の世界に帰りましょう・・・!』



ナルト(ああああああ・・・)



『痛いよぉ!!!助けてぇ!!!』



ナルト(ああああああああああ・・・)



『きゃははははははははは!』



ナルト(あああああああああああああ・・・・・)



『・・・・・・・殺して・・・・・・』



ナルト(ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!)


グチャ!!!!!!

テンテン「・・・・・・!」

ヒナタ「えっ・・・・?」

イノ「・・・・!!」

サクラ「・・・・!!」



・・・・・・・・シーン・・・・・・・・



キバ「お、おい・・・」

イノ「う、うそ・・・?」

テンテン「ふ、踏み潰し・・・ちゃったの・・・?」

サクラ「な、ナルト・・・あんた何してんのよ・・・!?」

ヒナタ「ひ、ひどいっ・・・!!」

テンテン「ちょっと・・・それあんたのために作ったのよ!!!」

シカマル「お・・・おい・・・どういうつもりなんだ・・・?」

リー「ナルトくん・・・?」

ナルト「・・・」

イノ「ちょっと!どういうつもりなのよナルト!!」





ナルト「ああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




サクラ「!!?」ビクッ

イノ「!!?」

ネジ「!!?」

リー「どうしたんですか!ナルトくん!」

ナルト「・・・」

ネジ「お、おい・・・・・?」

ネジ「大丈夫か、ナル・・・」

バキィ!!!!!!!!!!!!!!!

ネジ「ぶふぅっ!!!!」

ビューーーーーーーーーーー

ドーーーン!!!

リー「あ・・・」

サクラ「え・・・?」

シカマル「な・・・」





シカマル「なにやってんだナルト!!!!!!!!!!!!」


テンテン「ネジ!!!」

ヒナタ「ネジ兄さん!!!!」

ダッ!!!

ネジ「・・・・・・・・・・」

ヒナタ「ひ、ひどい・・・!!」

ヒナタ「これじゃ、もう・・・!!」

キバ「お、おい・・・あの顔・・・!仙人モードだ・・・!!!」

シカマル「正気かナルト!!!」

チョウジ「冗談はやめてくれよ!!!!」

ナルト「・・・」ギロ

キバ「!・・・くるぞ!!」

ナルト「ガアアアアアアアアアアア!!!」ダダッ!!

チョウジ「!!!!」



ビシィ!!!

ナルト「!!!!!」

シカマル「か、影真似の術・・・!!」

テンテン「・・・やった・・・!!」


ナルト「ああああああああああああああ!!!!」

シカマル「だめだ!!!すげぇ力だ!!!」

シカマル「こいつ、マジに俺達を殺す気だ!!!!」

イノ「な・・・なんでよ・・・!!!」

サクラ「どうしちゃったのよ・・・!ナルト!!」

シカマル「はやく・・・はやくナルトをとめてくれーーー!!!!」

ナルト「ガァアアアアアアアアアアア!!!!」

シカマル「もうだめだ!!!!」



バキィ!!!!!!!!!!!!!

シカマル「!!!!!!」



ドゴォ!!!!!!!!!!

チョウジ「ぐえ!!!!!!!!!!」


ドドーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!


イノ「う・・・うそ・・・・」ガクガク

サクラ「イノ!!しっかりして!!」

ヒナタ「そんな・・・どうして・・・!」

キバ「・・・おい!!女子は早く逃げろ!!!!!」

イノ「!!!」

シノ「早く逃げてこのことを伝えるんだ!!!」

ヒナタ「・・・!!!」

ヒナタ「キバくん!!シノくん!!危ない!!!!」


バキィ!!!!!!!!!!!!!

キバ「ぶごっ!!!!!!」



バキィ!!!!!!!

シノ「うぐっ!!!!!!!!!」



ズザアアアァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・

サクラ「だ、だめ・・・速すぎる・・・!」

テンテン「こんなの、誰にも止められるわけない・・・!!」

ヒナタ「そ、そんな・・・・」

ナルト「・・・・・・・・・・」ギロ

イノ「ひっ!!!」

ナルト「くくく・・・・・・」

サクラ「・・・!!!」

ナルト「今度は・・・お前らの番だ・・・」

ヒナタ「うっ・・・!!」

リー「・・・待ってください」ズザッ

テンテン「リー!!!!」

リー「・・・ナルトくん・・・どうして・・・」

ナルト「うるせぇ・・・ぶっ殺されたくなかったらどいてろ」

リー「どきません・・・」

ナルト「・・・殺すぞ」

リー「ナルトくん・・・!!!」

リー「サクラさん達に手を出すのは、僕を倒してからです!!」

ナルト「・・・」

ポンポン!

リー「・・・?」

シュイン・・・

シュインシュインシュインシュインシュインシュインシュインシュインシュインシュインシュインシュイン

ナルト「・・・・・・」

ヒナタ「あ・・・あれは・・・」

サクラ「風遁・螺旋手裏剣・・・!?」


リー「・・・ナルトくん・・・それを、仲間に使うんですか・・・!」

ガシッ

影分身「・・・・・・」

リー「・・・!!いつの間に・・・!影分身を!!くそっ・・・」

サクラ「あ・・・リ、リーさん!!!」

ナルト「くらえ・・・!」

リー「あなたは・・・僕の知ってるナルトくんではない・・・!!」


ドゴォオオオオオオオオオン!!!

リー「・・・・・・・・・・・・」

テンテン「リ、リー・・・」

ナルト「・・・・・・・・・・さて」

ナルト「・・・邪魔者は消えたな」ギロ

サクラ「・・・ま、まってよ・・・どうしてこんなことするの・・・!?」

ナルト「・・・」

イノ「うそ・・・うそでしょ・・・ナルト・・・!?」

ヒナタ「ナルトくん・・・もうやめて!!」

ナルト「お前ら4人は、特に苦しめて殺す・・・」

テンテン「!!!!!!!!!」

サクラ「やめてよ・・・!!いつものナルトに戻ってよ!!」

イノ「あうう・・・」ガクガク

ナルト「じゃあ、イノ」

イノ「!!!」

ナルト「まずお前からだ」

イノ「あ、あああ・・・!!!」

イノ「わあああああああ!!!!!」ダッ!!!

ナルト「・・・」ズザッ!

イノ「ひっ!!!」

ナルト「逃げられると思ったのか?」

イノ「あ・・・あああ!!!」


イノ「ご、ごめんなさいぃ!!!」ズザ

ナルト「・・・」

イノ「ごめんなさい!!ごめんなさい!!」ポロポロ



バキッ!!

イノ「ぶっ!!!」

ナルト「ぎゃっはははは!!」



バキ!!

バキ!!

バキ!!

イノ「い・・・」ポタポタ

イノ「痛いよおおおおおおおお!!!!」ポタポタ

ナルト「・・・もっと痛くしてやるよ・・・」

ナルト「全身の骨を折ってやる・・・!!!」

イノ「ひ、ひぃいい!!!!!」

ナルト「まずは腕からだ・・・」スッ

イノ「やめて・・・!!やめてぇ・・・!!」

ナルト「ぎゃはははは!!なさけねぇ顔!!!」

イノ「お願い・・・やめて・・・」

ナルト「やめねぇよ」

イノ「どうして・・・私達を殺すの・・・!?」

ナルト「・・・」

イノ「ケーキなの・・・?ケーキが気に入らなかったの・・・!?」

ナルト「そうだ・・・!!」

ナルト「お前らのせいだ!!!!」

イノ「じゃ、じゃあ作り直す・・!作り直しますから・・・!!!」

ナルト「今更遅いんだってばよ!!!!」

イノ「ひっ・・・!!」

ナルト「・・・全身折ってやるよ」スッ

イノ「や・・・やめてぇ・・・!!」

イノ「やめてください・・・!!やめてください!!!」ポロポロ

ナルト「・・・せーの」

バキィ!!!!

ナルト「ぶっ!!!!!!!!」

ビューーーーーーー・・・・・・・

ドーーーーーン!!!!


サクラ「しゃーんなろー!!!」

ヒナタ「・・・す、すごい・・・」

イノ「・・・・・サクラ・・・・」

サクラ「イノ・・・ほら、つかまって!」

サクラ「はやく、今のうちに逃げるわよ!!」

イノ「い、いまので・・・やった・・・?」

サクラ「手ごたえはあった・・・でもあれくらいじゃナルトは止まらない」

サクラ「テンテンさんも、ヒナタも、今のうちに!!」

テンテン「あ・・・あ・・・」

ヒナタ「うん・・・テンテンさん、捕まって」

テンテン「う、うん」

テンテン「男子達は・・・?」

サクラ「今は助けを呼ぶのが先よ・・・!!」

サクラ「さぁ、はや・・・・」

サクラ「く・・・・・・!!!!!」

ナルト「いってぇ・・・・」ズザッ

イノ「あ・・・あ・・・」ガクガク

ナルト「サクラちゃん・・・・・・痛いってばよ・・・?」

サクラ「そんな・・・もう戻ってきたの!?」

ナルト「なぁ・・・痛いんだけど??!!!」

サクラ「・・・!」

ナルト「そんな悪いサクラちゃんには・・・」

サクラ「!!」

ズザッ

ナルト「螺旋丸」

トン・・・

サクラ「・・・!!!!!!」

ギュアアアアアアアアアアア!!

サクラ「キャアアアアアアアアアアアア!!!」

ズザアアアアァァァァアアアアアア・・・・・

サクラ「・・・・・・」ピクピク

ヒナタ「サクラ・・・ちゃん・・・」


ナルト「サクラちゃんは後のお楽しみにとっておくか・・・」

ヒナタ「・・・!!」ギロ

ナルト「なんだ・・・次はヒナタか?」

ナルト「まずはイノからやるつもりだったんだけどな・・・」

ヒナタ「ナルトくん・・・あなたを止めます」

ナルト「とめるだって・・・?お前が俺を・・・・?」

ナルト「ぎゃははははははははは!!!」

ヒナタ「・・・!!!」

ヒナタ「みんなは・・・ナルトくんのために・・・誕生日パーティーを計画してくれたんだよ・・・?」

ヒナタ「それに、あのケーキは私達4人でナルトくんのために作ったのに・・・!」

ヒナタ「それなのに・・・どうして・・・!!!」

ナルト「あーあ・・・知らねぇよそんなこと」

ヒナタ「・・・あなたは・・・断じてナルトくんなんかじゃない!!」

ヒナタ「やあああああああああ!!!!」

ボキ!!!!!!

ヒナタ「・・・・・・!!!!!!!!」

ナルト「うるせぇ・・・」

ヒナタ「いやあああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

ヒナタ「ああ・・・!!足のっ・・・骨がぁ・・・!!痛いよぉ!!!!」


ナルト「うるせぇんだよ・・・!!」

ガシッ!!

ヒナタ「ぐえっ・・・!!」

ギュウウウ!!

ヒナタ「ル・・・・・ト・・・く・・・」

バタバタ

バタバタ

ナルト「そんなんじゃ外れねぇよ・・・」

ヒナタ「・・・く!!・・・きゅ・・・」

バタバタ・・・

ナルト「ひゃはは・・・!!」

ヒナタ「・・・・・・!・・・・・・」

グタ・・・

イノ「・・・あ・・・や・・・やばい・・・!!」

イノ「やめてナルト!!!!」ダダッ!!

ナルト「・・・!」

ポイッ

ヒナタ「ぐえっ・・・!!!!」ドサッ

イノ「!!」

ナルト「そら」

バキッ!!

イノ「きゃっ!!!」

ドサッ

イノ「う・・・・うう・・・!」

ナルト「さて・・・」チラ

テンテン「あ・・・あ・・・」ガクガク

イノ「ひぃ・・・・・・!」ガクガク

ナルト「テンテンは、放っておいてもよさそうか・・・」

ナルト「じゃあ、イノ」

イノ「!!!」

ナルト「続きを楽しもうか・・・」

イノ「やめて・・・!!お願い・・・!!!」


ナルト「・・・・」スッ

イノ「いや・・・!!やめて!!折らないで!!!」

ナルト「・・・」グググ・・・

イノ「怖いよ・・・!!!やめてぇ!!!!!!!ごめんなさいぃいい!!!!!!」

ナルト「・・・」グググ・・・・!!

イノ「痛い!!イタイ!!助けてぇええ!!!!!!」

ボキッ!!!!

イノ「キャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

ナルト「・・・」

ナルト「・・・」スッ

イノ「もうやめてぇ!!!お願い!!」

ナルト「今度は一気に」

ボキッ!!!

イノ「ああああああああああああああ!!!!!!!」

ナルト「次は足」

イノ「やめて!!!ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!!!!」ポロポロ

ナルト「・・・」グググ

イノ「やめてください!!!!!やめてください!!!!!!」ポロポロ

ナルト「・・・足の骨は、ちょい硬いな・・・」ググググ・・・!!!

イノ「あああ!!!あああああ!!!イタイ!!イタイィイイイイ!!!!!!!!」

ボキッ!!!!!

イノ「キャアアアアアアアアアアアアア!!!!」

イノ「はあっ・・・ああっ・・・はあっ・・はぁっ・・・!!!!!」

イノ「えぐっ・・・えぐっ・・・!!!!」

ナルト「じゃ、最後右足」

イノ「もうっ!!!!やめ・・・っ!!!!!!!」

ナルト「・・・」グググ・・・!!

イノ「いや!いやぁ!!!いやあああああ!!!!!」

ボキッ!!!!!

イノ「---------------------っ!!!!!!!!!!!」

イノ「うわああああああああぁぁぁぁぁああああああああああああん!!!!!!!!」ポロポロ

イノ「うわああぁあぁああ!!ああああああぁぁぁぁあああああん!!あぁぁぁああん!!!」ポロポロ

ナルト「うるせぇんだよ!!!!!」

バキィ!!!

イノ「ぶっ!!!!うわぁぁあああああああん!!!!」

バキッ!!!

バキッ!!!

バキッ!!!

イノ「ぶっ・・・げぼっ・・・!!ひぐっ・・・!!!!」


ナルト「おいおい・・・そんなに噛み締めたら歯が折れちまうってばよ?」

イノ「ひぐっ・・・!!もう、やめて・・・!!ひぐっ・・・!!!」

ナルト「なぁ・・・イノ」

ナルト「このケーキ、お前ら4人で作ったんだって?」

イノ「うう・・・!!ひぐっ!!やめてください・・・!!!」

ナルト「作ったのかって聞いてんだろうが!!!!」

イノ「えぐっ・・・!!!つ、作りました・・・!」

ナルト「なぁ・・・この土だらけの汚いケーキ、食いたいだろ?」

イノ「・・・・・・・・!!」

ナルト「食いたいだろ?」

イノ「・・・・・もう、やめて・・・お願いナルトォ・・・!!」

ナルト「だったら食わしてやるよ」

ベチョ!!!!!

イノ「むぐぐ・・・・」

ナルト「なぁ・・・うまいだろ?」

イノ「モガモガ゙・・・!!!」

ナルト「よかったなぁケーキ食えて」

イノ「モガモガ・・・・!!はぁ・・・!!はぁ・・・!!」

ナルト「どうだよ・・・味は」

イノ「はぁ・・・!!はぁ・・・!ひどい・・・!!ひどいよナルトォ・・・!!」

ナルト「まずかったのか?」

イノ「・・・!!!」

ナルト「なぁ!!」

イノ「・・・!・・・おいしい・・・ですっ・・・!!・・・うぅうっ・・・!!」ポロポロ

ナルト「じゃあもっと食えよ」ベチョ

イノ「むぐぐ・・・!!!」

ナルト「・・・」

イノ「もぐ・・・・・もぐ・・・!!」

ナルト「・・・どうなんだよ」

イノ「ううう・・・!おいしいです・・・!!おいしいですっ・・・!!!」ポロポロ

ナルト「・・・ふーん・・・」

イノ「ひぐっ・・・!!うわぁあああん!!」ポロポロ


ナルト「イノは、ちょっと休憩」

イノ「うわぁぁああん・・・あぁぁぁあん・・・!」ポロポロ

ナルト「安心してんじゃねぇぞ?」

イノ「!!!」

ナルト「一週回ってきたらまた、お前の番だ」

イノ「あああ・・・やだ・・・!!」ガクガク

ナルト「次は、ヒナタ」

ナルト「・・・あれ」

テンテン「ひっ・・!」

ナルト「テンテン、ヒナタはどこいった・・・?」

テンテン「ひぃ・・・!!」ガクガク

ナルト「どこいったって聞いてんだろうが!!」

テンテン「ひっ!!あ、あっちにいきました!!」








ヒナタ「うう・・・」ズリズリ

ヒナタ「はやく、助けを呼ばなきゃ・・・!!」ズリズリ

ヒナタ「・・・ナルトくん・・・・・・・!うぅっ・・・・!!」ポタポタ

ヒナタ「どうして・・・!!」

ズザッ


ヒナタ「・・・!!」

ナルト「よ、ヒナタ」

ヒナタ「ううう・・・な、ナルトくん・・・!」

バキッ!!

ヒナタ「へぶっ!!!」

ヒナタ「・・・・・・」ポタポタ

ナルト「可愛い子ぶってんじゃねぇぞクソ豚野郎が」

ヒナタ「・・・!!ひどい・・・!!!」

ナルト「覚悟しろよ・・・」

ヒナタ「・・・!」キッ

ナルト「へぇ・・・意外と強気なんだな」

ヒナタ「今にほんとのナルトくんが助けに来てくれるんだから・・・!!」

ナルト「ぷっ!!ぎゃはははははあ!!なに夢見てんだってばよ!!!」

ナルト「本物以外に仙人モードを使いこなせる奴がいるのか??」

ヒナタ「私の・・・!!」

ナルト「・・・?」

ヒナタ「私の大好きなナルトくんは、絶対こんなことしないもん!!!」

ナルト「・・・・・・・・・」

ヒナタ「あなたはナルトくんなんかじゃあない!!!!!!!」

ナルト「・・・・・・・・・」

ヒナタ「・・・・・・はやく・・・助けに来て・・・!!」ポロポロ

ヒナタ「早く来てよぉ・・・!!」ポロポロ


グチャアッ!!!!!!!!!

ヒナタ「!!!!!!!!!!!!」

ヒナタ「きゃああああああああああ!!!!腕が!!!!!!!!!」

ナルト「そうやって相手の油断をつくつもりか?」

グリグリ・・・・

ヒナタ「痛い!!イタイ!!!やめて!!!!」

ナルト「甘いんだよコラァ!!!!!!」

ドゴォ!!!

ヒナタ「ぐえっ!!!!!」

ナルト「散々俺をあんな目に合わせて、何が大好きだ!!!!!」

ドゴォ!!!

バキィ!!!

ヒナタ「うぐっ!!!げぼぉ!!!」

ナルト「ふざけてんじゃねぇ!!!!」

バキィ!!!!!!!!!

ヒナタ「ーーーっ!!!!!!!」

ナルト「はぁ・・・はぁ・・・」

ヒナタ「・・・・げほっ・・・・・げほっ・・・」ポタポタ

ナルト「いけねぇいけねぇ・・・殺しちまうとこだった・・・」

ナルト「ゆっくり、いたぶってやらねぇとな・・・」

ヒナタ「・・・げほ・・・うぎゅっ・・・」

ヒナタ「げほっ・・・げほっ・・・」ポタポタ

ナルト「あーあ、内臓破裂しちまったか」

ヒナタ「・・・げほっ・・・・・・お、おええ!!」ポタポタ

ナルト「めちゃくちゃ苦しいだろ・・・?」

ヒナタ「ぐ・・・ぐるぢ・・・・・・げぼっ」ポタポタ

ナルト「ざまぁみろ・・・!!」

ヒナタ「・・・げほ・・・・・」ポタポタ

ナルト「さて、次は・・・テンテンだな」

ダッ




ヒナタ「・・・ぐえっ・・・」バサッ!

テンテン「ひ、ヒナタ・・・」

イノ「う・・・ううう・・・」ポロポロ

ナルト「じゃ、テンテン」

テンテン「ひっ・・・」

ナルト「お前の番だ・・・・」

テンテン「あ・・・あ・・・」ガクガク

ヒナタ「・・・テンテンさん・・・逃げ・・・て・・・」

ナルト「・・・そうだ、逃げてみろ」

テンテン「うう・・・」ガクガク

テンテン「無理・・・無理だよぉ・・・!!」

テンテン「立てないよぉ・・・!!」

ナルト「逃げないと、お前は四肢切断にする」

テンテン「い、嫌・・・!なんで・・・?」

テンテン「どうしてこんなひどいことするの・・・!?」

ナルト「自分に聞いてみろ・・・!」

テンテン「何も・・・してないよぉ!!!」

テンテン「どうしてよぉ・・・!!」ポロポロ

ナルト「・・・・・・」チャキ

テンテン「ひっ・・・!嫌ぁ!!」

サクラ「おらぁ!!!!」ブン!!

ナルト「・・・おっと」ヒョイ

サクラ「・・・・・・!!」

ザッ!!

サクラ「くっ!!」

ナルト「二度も同じ手に引っかかるかよ」

サクラ「はぁ・・・!はぁ・・・!」

テンテン「サクラ・・・ひ、ひどい怪我・・・!」


ナルト「よく無事だったなぁサクラちゃん・・・さすが医療忍者・・・」

サクラ「う・・・!」クラクラ

ナルト「でも、終わりだってばよ」

サクラ「・・・!テンテンさん・・・立って・・・!!」

テンテン「・・・!!」

サクラ「立って・・・逃げて・・・私が時間を稼ぐから・・・!」

テンテン「あああ・・・」ガクガク

サクラ「お願い・・・はやく・・・・!!!」

サクラ「早く助けを呼んで!!!」



ザシュッ・・・

サクラ「・・・っ・・・!!」



ボトッ・・・

サクラ「・・・え・・・」


テンテン「あ・・・・・・・腕が・・・・・・一瞬で・・・」

サクラ「・・・・・・!」

サクラ「きゃあああああああああああああああああああ!!!」

ドクドク・・・

サクラ「あああああああ!!痛いいいいいいいいいい!!!」



ナルト「・・・・・まずはお前から四肢切断だ・・・」

サクラ「はぁっ・・・!!はぁあっうぅぅぅうう!!」ポロポロ

サクラ「うああああああ!!!」ダッ!!

ナルト「おっと」パシ!!

サクラ「くっ・・・ううう!!!」

ナルト「やっぱサクラちゃんは強気だな・・・」スッ

サクラ「うう・・・!!やめて・・・!!!」

ナルト「そら」

ボキ!!

サクラ「っああああああああああ!!!!」

サクラ「あああ!!ああああ!!!痛いよぉおおおおおお!!」

ナルト「もう、終わりか?」


サクラ「あああ・・・!!ナルトォ・・・!!!!!」

サクラ「あんたを絶対許さない・・・!!!!!!!」

ナルト「おーおー強気強気」

サクラ「くぅぅ・・・止血っ・・・!!・・・!!」

パアアアァァ・・・

ナルト「まだ、戦う気なのか?」

サクラ「はぁっ・・・はぁっ・・・!!」

サクラ「このぉおおおおおおおお!!!」

ザッ

バキィ!!!!!


サクラ「・・・!!」

ナルト「今度は、蹴りか・・・」

ナルト「でも、サクラちゃん・・・チャクラコントロールできてねぇってばよ」

ナルト「全然痛くねぇよ・・・」

サクラ「くっ!!!」

バキィ!!

バキィ!!

サクラ「くっ・・・なんでよぉ!!!」

パシィ!!


サクラ「!!」

ナルト「終わりだ・・・・」

ボキ!!!!!!!

サクラ「!!」

サクラ「ぐぅ・・・!!!!!!!」

ドサ・・・

サクラ「うう!!!!」

サクラ「許さない・・・許さない!!」ギロ

ナルト「・・・・・・もう片方の足は、指から順番に折っていってやるよ」

ナルト「太ももの骨折られると、すげぇ痛いらしいぜ?」


サクラ「・・・・・・!!」ギロッ

ナルト「・・・・・・」

ナルト「・・・しょっと」スッ

サクラ「っ・・・・・」ギリ・・・

ボキ・・・

サクラ「ぐっ!!!うっうううううぅう!!」ギリギリ

ボキ・・・

サクラ「ああああああああああああああああ!!!!!」

ナルト「ははは・・・ん?」

ナルト「テンテンが・・・逃げたか」

サクラ「はぁ・・・はぁ・・・・・・」

サクラ「ざまぁ・・・みなさい・・・!」

サクラ「今に助けを・・・呼んできて・・・くれるわ・・・」

ナルト「んん?おれが気付かないとでも?」

サクラ「な・・・なに・・・!」

ナルト「すでに分身に追わせてるってばよ」

サクラ「う・・・ううっ・・・!!」








ダダダ

テンテン「はぁっ・・・はぁっ・・・」

テンテン「綱手様ーーーーーーーーー!!!!」

テンテン「はぁっ・・・!!」

テンテン「誰も、いない・・・・・!!!」

テンテン「もう、帰っちゃったんだ・・・!」

ダッダッダ

テンテン「・・・!!」

ナルト「運が悪いな・・・誰も助けに来てくれねぇなんてよ」

テンテン「なんで、あんたが・・・!」

ナルト「俺は影分身だ・・・一発でも当てればお前の勝ちだってばよ・・・」

テンテン「くっ・・・!!」

ボン!!

テンテン「やぁあああ!!!!」ビュンビュン

ナルト「・・・っと」ダッ

テンテン「っ!上っ!!」

テンテン「やあああ!」

ビュンビュンビュン!!!

ナルト「おらぁああ!!!」

キキキキキキキン!!

テンテン「っ・・・そんなっ・・・!」

テンテン「全部弾かれた!!」

バキィ!!!!

テンテン「ぶっ!!!!!!!!!!」

ドゴォォォォン!!!

テンテン「あ、が・・・・」ポタポタ

ナルト「あっけねえな・・・」

ナルト「もうちょっと痛めつけとくか」

ドゴォ!!

バキィ!!

テンテン「うぐっ!!!げほっ!!!」

ナルト「・・・歩けないように、足も折っとくか・・・」

テンテン「や、やめ・・・!!」

ボキ!!

テンテン「いやあああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!」


テンテン「痛い・・・痛いぃ!!!」ポロポロ

ナルト「さぁ、行こうぜ・・・本体のところへ」

ズイッ

テンテン「・・・・・・・・・」ポタポタ




グサ・・・

ナルト「・・・・・・!」


テンテン「はぁっ・・・はあっ・・・」

ナルト「油断したぞ・・・」

テンテン「・・・・・・」ポタポタ

ナルト「・・・意外と、根性あるじゃねぇか・・・」


ポン!!

テンテン「・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」ポタポタ

テンテン「・・・・・・・・頭が・・・」クラクラ

テンテン「ダメ・・・私が助けを、呼ばなきゃ・・・」

ズリズリ









サクラ「ああ!!・・・あああ!・・・」

ナルト「・・・・・・」

サクラ「ああ!!・・・許さない・・・!!ナルト!!」

サクラ「一生許さない・・・!!」

ナルト「いつまで強気が続くかな・・・」

ボキッ!!

サクラ「っ!!!!きゃああああああああああああああああ!!!!!!」

サクラ「っぐぅううううううう!!!!」ギリギリ・・・

ナルト「・・・・・・やるなぁ・・・」

ナルト「サクラちゃんも・・・このケーキ・・・食えよ」スッ

サクラ「・・・!!」

サクラ「・・・そのケーキは・・・あんたのために・・・作ったのに・・・!!」

ナルト「いや、んなのいらねぇから・・・サクラちゃんが食えって」

サクラ「・・・・・・!ナルト・・・・!!」

サクラ「・・・・・・うぅう・・・!」ポロポロ

サクラ「いらない・・・そんなの・・・!!」ポロポロ

ナルト「・・・・・・」

ナルト「そうか・・・じゃあ無理やり食わせるか・・・」

サクラ「・・・・・・嫌!!」ギリギリ

ナルト「そんなにかみ締めちゃって・・・その歯、邪魔だな」

ナルト「クナイで一本ずつ抜いていくか・・・・・・」

キラッ・・・

サクラ「・・・・・・!」

サクラ「・・・もう・・・やめてっ・・・!」

ナルト「・・・さっきまでの勢いはどうしたんだってばよ」

サクラ「・・・うぅっ・・・!」ポロポロ


サクラ「・・・ごめんなさい・・・やめてください・・・!!」ポロポロ

ナルト「・・・・・・じゃあケーキ食えよ」

サクラ「・・・・・・うぅ・・・ぐっ!!」

ナルト「ほらっ」ベチョ

サクラ「むぐ・・・・!!」

サクラ「もが・・・・・もが・・・・!!」

ナルト「どうだよ・・・」

サクラ「うう・・・ううう・・・」

ナルト「どうだって聞いてんだよ!!!!!!」

サクラ「うう・・・砂だらけ・・・おぇ・・・」

サクラ「おえぇ・・・!!」ポロポロ

ナルト「まぁ、感想とかどうでもいいんだけどな」ベチョ

サクラ「むぐぐ・・・・」

ナルト「---------------------っ!!」

サクラ「はぁっ・・・はぁっ・・・!?」

ナルト「くっ・・・逃げられた・・・!!」

サクラ「・・・・・・・・」

ナルト「ちくしょうが!!!」

ダッ!!!!

サクラ「はぁ・・・はぁ・・・いっちゃった・・・」

サクラ「はぁ・・・はぁ・・・今のうちに」

サクラ「・・・ぐぅうううっ!!!!」

サクラ「痛い・・・動けない・・・・・・」

サクラ「イノ・・・ヒナタ・・・!!」

イノ「はぁっ・・・・はぁっ・・・!!」

イノ「ヒナタが・・・ヒナタが・・・動かないよ・・・!」

ヒナタ「・・・・・・」

サクラ「ヒナタ・・・・・・!」

サクラ「・・・うぅ・・・大丈夫・・・」

サクラ「きっとテンテンさんが、助けを呼んでくれる・・・!!」








ガイ「ゴクゴク」

カカシ「・・・お前が飲みに誘うなんてな」

ガイ「プハー!おい、カカシ」

ガイ「あいつら、めきめきと成長しているぞ!ははは!!」

カカシ「・・・緊張感ないねお前・・・もうすぐ戦争が始まるってのに・・・」

ガイ「それとこれとは別だろ、カカシ」

ガイ「楽しめる時には楽しむ、苦しむ時には苦しむ!先のことばかり考えて悩んでいてもしょうがないだろ!」

カカシ「まあ・・・そうだな・・・」

ガイ「・・・確かに、また戦争があるんだよな・・・・・・はぁ」

カカシ「・・・いつの時代も戦争はいやなもんだよ、ほんと」

ガラ・・・

ガイ「んん・・・?」

「いらっしゃいま・・・!!大丈夫ですか・・・!!!」

テンテン「はぁ・・・はぁ・・・」

ガイ「テンテン!?どうしたんだ・・・!!」

カカシ「ひどい怪我だ・・・!」

ダダッ

ダダッ

カカシ「誰にやられた!?」

テンテン「はぁ・・・はぁ・・・よかった・・・!!」

テンテン「ナルトが・・・!!ナルトがぁ・・・・・・!!」ポロポロ

カカシ「ナルトが、どうした・・・?」

テンテン「みんな・・・ナルトに殺されちゃう!!」

ガイ「・・・ナルトだと・・・?」

テンテン「ヒナタが・・・サクラが・・・イノが!」

テンテン「早く助けに行かないとナルトに殺されちゃう・・・!!」

カカシ「なぜ、ナルトが・・・?」

ガイ「わからん・・・だがこの怪我、本当のようだぞ」

ガイ「大丈夫か!しっかりしろテンテン!!」

カカシ「場所は、どこだ!?」

テンテン「場所は・・・」



「おれの家の前だってばよ」


カカシ「!!!!!」

ガイ「な、ナルト・・・お前、その顔・・・・!!」

カカシ「どうやら、本当のようだな・・・」

テンテン「ああ・・・あああ」ビクビク

ナルト「じゃあな・・・」

ダダッ!!

テンテン「あっ・・・助けてぇぇぇぇl!!!!」

ダダッ

テンテン「助けて!・・・すけて・・・・けて・・・・・」

ガイ「て、テンテン・・・!」

カカシ「く、はやい・・・!連れて行かれてしまった・・・!!」

ガイ「く、くそ!!!!」ダッ

カカシ「まて!ガイ!!」

カカシ「あのナルトには、木の葉の忍全員でかからないとまず勝てないぞ!!」

ガイ「うっ!!」

カカシ「まずは綱手様に報告だ・・・!!」

ガイ「わかった・・・急ごう!!!」








ナルト「・・・・・・」

グチャグチャ・・・

グチャグチャ・・・

グチャグチャ・・・

ナルト「もう、しゃべれなくなったのか・・?つまんねぇな・・・」

「そこまでだ!!!!!!!!!!!」

ナルト「・・・ん?」

ザザザザザッッ!

忍者達「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

カカシ「やめろナルト・・・!!」

ガイ「やめるんだ・・・!」

ナルト「・・・」

サクラ「・・・あ・・・あ・・・」

ヒナタ「・・・・・・」

テンテン「・・・・・・」

イノ「・・・・・・」ピクピク

ガイ「・・・ぐ・・・ひどい・・・」

綱手「・・・お前がやったのか・・・!!」

ナルト「・・・!!!」

ナルト「綱手・・・!!!」


カカシ「もうやめるんだナルト!!!!」

ナルト「なんでだ・・・カカシ先生!!!」

ナルト「カカシ先生だって木の葉が憎いんじゃなかったのかってばよ!!」

カカシ「・・・なんだって・・・?俺はそんなことは思っていない・・・!」

ナルト「・・・・・・・・・カカシ先生は、木の葉に寝返ったわけだ・・・」

カカシ「正気に戻れナルト・・・!」

ナルト「別にいいってばよ・・・俺一人で木の葉に復讐するだけだ」

綱手「何があった・・・!お前達・・・!!」

カカシ「何もありませんよ・・・あいつの戯言です」

カカシ「それよりもあいつ、木の葉を潰す気ですよ・・・!!」

綱手「・・・あいつに暴れられたら、木の葉は終わりだ・・・!!」

カカシ「・・・」

綱手「ナルト!!!」

綱手「お前はもう包囲されている!!大人しく捕まれ!!」

綱手「それとも、私達全員を殺す気なのか!?」

ナルト「そうだ・・・!!皆殺しにしてやる・・・!!」

綱手「!!」

ナルト「でも、まず綱手・・・お前からだ!!!!!!!!!」

ダダッ!!!

カカシ「は、速い!!!」

綱手「く、しまった!!」

ナルト「死ね・・・!!」

グッ



「やめてください!!!」


ナルト「・・・!!!!!」

ズザァアアア・・・・

綱手「シズネ・・・!」

ナルト「シズネのねーちゃん・・・!何で・・・生きて・・・」

シズネ「・・・もう、やめてください・・・!!」

シズネ「綱手様を殺すというのなら・・・私を殺してからです!!」

ナルト「っ・・・なんで・・・!・・・なんでだよ・・・!!」

ナルト「こいつにシズネのねーちゃんはひどい目に合わされたんだ!!!」

ナルト「そんな奴をかばうのか!!!」

シズネ「・・・?何わけのわからないこと言ってるんですか・・・!」

ナルト「・・・!シズネのねーちゃんまで、俺を裏切るのか・・・?」

シズネ「・・・お願い・・・もう・・・やめて・・・!」

ナルト「・・・ううう・・・」

ナルト「ううううぅぅぅうう!!」ポロポロ



シュイン・・・



シズネ「・・・!」



「いまだ!!!」

「仙人モードが切れたぞ!!!」


シュ!!!!!!

ナルト「うぐっ!!!!」グサ!!!

「投げろ!!!!」

綱手「なに・・・!!!やめろ!!!!」



シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!!!!

ナルト「ぎゃああああああああああああ!!!!」グササササササササ!!!



シズネ「な、やめて!!!」」

ナルト「・・・がはっ・・・・」



バタ・・・

綱手「な、ナルト・・・!!」

暗部「綱手様・・・下がっていてください」

暗部「あいつはもう仲間を殺した重罪人です・・・」

暗部「それに、ナルトは普通の力では抑えておくことは出来ません・・・殺すしかない!」

綱手「・・・くそっ!!」

ナルト「あ・・・・・あ・・・・」

シズネ「ナ、ナルトくん・・・・」

ナルト「シズネの・・・・・ねーちゃん・・・・」

暗部「シズネさんも、下がっていてください」

暗部「止めを、刺します」

シズネ「ま、まって!!」

暗部「ダメです!!」

シズネ「ナルトくんが、何か・・・!」


ナルト「・・・・げほっ・・・シズネの・・・・・ねーちゃん・・・・」

シズネ「・・・・うん・・・!」

ナルト「また・・・」

シズネ「・・・・・・」

ナルト「シズネのねーちゃんの・・・料理が・・・・・・」

ナルト「・・・食べたい・・・・な・・・」

シズネ「・・・!!!」


ザク!!!

ブシューーーーーーーーーーー

ナルト「うっ・・・」ピクピク

ナルト「・・・」ドサッ・・・



暗部「・・・・・・」



シズネ「ナ・・・ナルト・・・くん・・・」


綱手「・・・・・・・」

シズネ「・・・・・」

綱手「・・・シズネ・・・はやくナルトにやられた奴らを助けるぞ・・!!!」

シズネ「は、はい!!!」

ダダダッ!!

シズネ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シズネ「・・・何なの・・・・・・?」

綱手「シズネ!!!!はやくしろ!!!!!!!!!」

シズネ「は、はい!!いまいきます!!」








シズネ「はい、サクラ・・・」

サクラ「・・・・」

シズネ「だめよ、ちゃんと食べないと・・・」

サクラ「・・・モグモグ・・・」

シズネ「そう・・・いい子ね・・・」

シズネ「・・・はい・・・」スッ

サクラ「モグモグ・・・」

シズネ「・・・」スッ

サクラ「・・・」ソワソワ

シズネ「ん・・・?」

サクラ「・・・」ソワソワ

シズネ「トイレ・・・?」

サクラ「・・・」ブンブン

シズネ「違う・・・?」

サクラ「・・・」コクコク

シズネ「・・・寝心地が悪いの?」

サクラ「・・・」コクコク

シズネ「わかったわ・・・・」

シズネ「いま、寝返り打たせるわ・・・」

サクラ「・・・」

シズネ「よいしょ・・・っと」ゴロン

シズネ「これでいい?」

サクラ「・・・」コクコク

シズネ「・・・」

シズネ「・・・あ」

サクラ母「こんにちは・・・」


シズネ「サクラさんのお母様と、お父様ですね、こんにちは」

サクラ父「どうですか、サクラは」

シズネ「ええ、今のところ変わりありません」

シズネ「ですが、やはりショックが原因で、しゃべることは出来ないようです・・・」

シズネ「気長に様子を見ましょう・・・」

サクラ母「うぅ・・・サクラ・・・なんでこんな目に・・・」

サクラ父「わかりました・・・ありがとうございます」

サクラ父「いま食事中ですか?」

シズネ「そうですね」

サクラ父「私達が、食べさせます・・・いいですか?」

シズネ「・・・では、お願いします」

サクラ母「うっ・・・うっ・・・」ポロポロ

シズネ「・・・失礼します」



コツ・・・コツ・・・

ガチャ

バタン



シズネ「・・・・・・ふぅ・・・」

シズネ「・・・・・・なんで・・・こうなったのかな・・・」

シズネ「・・・・・・あの時・・・もっとナルトくんの話を、聞いてあげていれば・・・」


シカマル「シズネさん、こんちわっす」

シズネ「あ・・・シカマルくん、こんにちは」

シカマル「なに思い悩んでるんすか?」

シズネ「ええ・・・もうちょっと何とかできなかったのかなって、思うんです」

シカマル「・・・ナルトのことですか」

シズネ「・・・はい」

シカマル「もう、悩んでもしょうがないと思いますよ・・・」

シズネ「・・・そうですよね」

シズネ「シカマルくんは、怪我のリハビリのほうは順調?」

シカマル「ええ・・・まぁ、なんとか」

シズネ「よかったぁ・・・シカマルくんの怪我も結構深刻だったんですよ」

シカマル「知ってます・・・よく助かったと思います」

シカマル「そういや、聞きたい事あるんすけど・・・」

シズネ「・・・なんでしょう?」

シカマル「俺の他の奴は、どうなったんですか」

シズネ「・・・他の方、ですか」

シカマル「なんか姿を見ないんで・・・なかなか怖くて聞けなかったんすけど・・・」

シズネ「・・・ほんとに、教えていいんですね」

シカマル「・・・」

シズネ「正直、いい報告はできませんよ」

シカマル「・・・それでも、教えてください・・・」

シズネ「・・・・・・わかりました」

シカマル「・・・・・」


シズネ「・・・リーくんと、ネジくんは即死でした」

シカマル「・・・!」

シズネ「キバくん、シノくん、チョウジくんはまだ意識が戻りません」

シズネ「頭を強く打ったようです・・・」

シカマル「・・・そうですか・・・」

シズネ「サクラは、なんとか一命をとりとめましたが」

シズネ「テンテンさん、イノ、ヒナタさんは・・・病院に運ばれてまもなく亡くなりました」

シカマル「・・・・・・・・・イノも・・・・」

シズネ「・・・」

シカマル「ちくしょう・・・」

シズネ「・・・やっぱり、教えないほうがよかったですか」

シカマル「・・・いや、いいんすよ・・・ありがとうシズネさん・・・」

シズネ「・・・いえいえ・・・では、お大事に」

シカマル「・・・はい」

コッコッコッ・・・・

シカマル「・・・くっ・・・」

シカマル「くっ・・・!!ううっ・・・!!!」ポロポロ





綱手「どうだ、サクラの様子は」

シズネ「・・・変わりありません」

綱手「そうか・・・まぁ、気長に見ないとな・・・」

シズネ「はい・・・」

シズネ「・・・綱手様」

綱手「なんだ?」

シズネ「だいぶお疲れのようですね」

綱手「・・・ああ・・・」

シズネ「昨日もだいぶ泣きはらしたようですね」

シズネ「目がはれぼったいですよ・・・」

綱手「いやいや・・・いや、まぁ、うん・・・隠すことも無いか・・・」

綱手「そうだな・・・泣いたよ」

綱手「というか、お前のほうがひどいんじゃないのか?」

シズネ「・・・・・・そうですかね」

シズネ「・・・どうして、あんなことに・・・」

綱手「・・・お前・・・そればかり聞いている気がするぞ」

シズネ「・・・あの日の前日、ナルトくんが少し変だったんです」

シズネ「その時にもっと、話を聞いてあげていればと・・・後悔してるんです・・・」

綱手「まあ、そんなこと言ってもしょうがないだろ・・・」

シズネ「・・・まぁそうなんですが」

綱手「それと、ちょっと気になるんだが、いいか?」

シズネ「はい・・・なんでしょうか」

綱手「ナルトが最後に言ってたことなんだが・・・」

シズネ「ええ」

綱手「お前、ナルトに料理を振舞ったことがあるのか?」

シズネ「・・・ないです」

綱手「なんだ、そうなのか」

綱手「いや、お前もずいぶん積極的なことするようになったもんだと思ってな」

綱手「ナルトにアタック掛けてたのかと・・・」

シズネ「・・・別にそういうわけじゃあ、ないです」

綱手「え?」

シズネ「そういうのじゃなくて・・・なんか・・・」

綱手「ど、どうした・・・?料理振舞ったことないんだろ・・・?」

シズネ「・・・そうでしたね・・・なんでもありません」

綱手「は、はぁ・・・」


シズネ「・・・」

綱手「ところで、シズネ」

シズネ「・・・なんでしょう」

綱手「さっきから気になってるんだが」

シズネ「はい」

綱手「いや、さっきからじゃないな・・・ここ最近ずっと気になってるんだが」

シズネ「・・・もったいぶらないでください」

綱手「お前・・・・・・なんかいらいらしてないか?」

シズネ「・・・してませんよ」

綱手「いや、してるな。こめかみの血管が浮き出るほどいらいらしている」

綱手「なにがあった?言ってみろ」

シズネ「・・・してません」

綱手「してるだろ、どうみても」

シズネ「・・・してないっていってるじゃないですか!!!!!」

ドン!!!!!!!!!!!!!

綱手「・・・!!」

シズネ「あ・・・・・・」

綱手「・・・・・・」

シズネ「・・・・・・」

綱手「・・・・・・シズネ。お前、少し休暇を取れ」

綱手「あの日以降、働きづめだ・・・疲れも溜まってるだろう」

シズネ「・・・・・・はい」

綱手「・・・今日はもう帰っていいぞ」

シズネ「はい」

コッコッコッ・・・

ガチャ

バタン

シズネ「・・・・・・」

「ううっ・・・馬鹿野郎・・・!」

「うっ・・・うっ・・・!!」

シズネ(・・・・・・)


シズネ(あれから、結構時間がたった・・・)

シズネ(綱手様はいまだに情緒不安定・・・)

シズネ(どっちかっていうと私のほうが情緒不安定だけど・・・)

コッコッコッ・・・

コッコッコッ・・・






「キャッキャ」

「キャッキャ」

「もうそろそろ帰るわよー」

「晩御飯の時間よー」

「はーい」

ザッザッザッ

シズネ「・・・・・・」

シズネ「ふぅ・・・」ドサ

シズネ「・・・・・・・・・ここで、ナルトくんは・・・何を見たんだろう・・・」

シズネ「・・・ナルトくん・・・・・・どうして・・・」

シズネ「・・・・・・」ツー・・・

シズネ「うー・・・・・・」ポロポロ

シズネ「・・・・・・・・・・・・」ポロポロ








ザッザッザッ・・・

シズネ「・・・・・・!」

綱手「シズネ・・・奇遇だな」

シズネ「・・・・・・綱手様・・・どうしてこんなところに?」

綱手「・・・いや、お前がここで最後にナルトにあったって言ってただろ・・・」

綱手「それでちょっと、気になってな・・・」

シズネ「・・・・・・そうですか。私もそんな感じです・・・」

綱手「そういや詳しく聞かなかったが、どんな様子だったんだ?」

シズネ「・・・・・・あの日、私は・・・偶然公園のベンチで寝ているナルトくんを見つけました」

シズネ「起こそうと思ったら・・・急にめまいがして・・・」

シズネ「・・・少し座り込んでたら・・・回復したんだっけ」

シズネ「そのあたりは、よく覚えてません・・・」

シズネ「それから、ナルトくんを起こしました・・・」

綱手「・・・そうか」

シズネ「ナルトくん、私が死ぬ夢をみたらしいですよ・・・。急に私に抱きついてきたんです」

綱手「・・・・・・夢ねぇ」

シズネ「・・・・・・それからすぐにお別れしました」

シズネ「ろくに話も聞かずに・・・」

シズネ「・・・・・・っ」ツー・・・

綱手「・・・・・・悪い・・・もう思い出さなくていい・・・疲れるだけだ・・・」

シズネ「・・・・・・」


綱手「・・・帰ってゆっくり休めよ」

シズネ「・・・・・・はい」

綱手「あたしはもう帰るぞ」

シズネ「お疲れ様です・・・」

綱手「・・・・・・」

シズネ「・・・・・」ボー

綱手「・・・・・・はぁ」

コッコッコッ・・・

シズネ「・・・・・・?」



綱手「しょっと」ドサッ

シズネ「・・・!」

綱手「あたしはともかく・・・お前がそこまで落ち込むなんてな・・・」

シズネ「・・・・・・」

綱手「あいつらが死んでも・・・木の葉は続いていくんだ」

綱手「あたしたちがいつまでも悲しんではいられないだろ」

シズネ「・・・・・・・・・」

綱手「・・・まぁ、悲しいのはわかる・・・しばらくは仕方ないな・・・」

シズネ「・・・・・・」

綱手「・・・・・・・・・今から飲みに行くか?」

シズネ「・・・!!!」


綱手「・・・どうだ?」

シズネ「・・・・・・行きます」

綱手「お、やっと返事をしたな!じゃあ、いくぞ」ギッ

シズネ「はい・・・・・・・・」ボー

綱手「どうした・・・?先に、いってるぞ・・・?」

シズネ「・・・・・・はい」

コッコッコッ・・・

シズネ「・・・・・・綱手様と飲みに行くの、久しぶりだなー・・・」

シズネ「・・・」スッ

シズネ「・・・なに、考えてるんだろう」

シズネ「・・・・・・こんな薬まで作っちゃって・・・」

シズネ「私は、何がしたいの・・・」

シズネ「・・・・・・・でも、なんでだろう」

シズネ「・・・あの日以来私は、綱手様の顔を見ると、ぶっ殺してやりたくなる・・・」

シズネ「・・・・・・頭がおかしくなったんだわ・・・私」

シズネ「でも、今日は・・・チャンス・・・」

シズネ「この計画を・・・実行するチャンス」

シズネ「飲みに誘われるのをずっと待ってた・・・」

シズネ「・・・・・綱手様・・・・・」

シズネ「たっぷり仕返ししてあげますから・・・・・・」



綱手「おーい!早くこいよーー!」

シズネ「・・・はーい、今行きます!!」









シズネ「・・・覚悟してくださいね?」

(終)

呼んでくださってありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月26日 (日) 20:42:29   ID: losGwpP5

こんなナルト嫌だよぉぉぉ!!

2 :  名無しの木の葉丸さん   2015年12月20日 (日) 22:56:14   ID: ZkZI2DNF

面白いゾ、コレ!

3 :  SS好きの774さん   2016年05月24日 (火) 22:58:25   ID: tiijH3Vq

ドえすな展開にマゾい自分が目覚めそう

4 :  SS好きの774さん   2016年06月03日 (金) 07:10:36   ID: Lc_A7ZgP

これは面白い

5 :  SS好きの774さん   2017年04月17日 (月) 04:43:59   ID: xXLZG_Gs

単純に怖いわ!
面白かった。

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