モバP「鷺沢文香の微笑」 (81)
アイドルマスターシンデレラガールズ 鷺沢文香のSSです
アイドルそれぞれに担当Pがいる複数P設定ですのでご了承ください。
やっぱりいつも通りのまったり進行ですので気長にお付き合いいただければ幸いです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406835995
文香「……」ペラ
鷺沢P(以下P)「……」ペラ
文香「……」ペラ…
P「……」ペラ
文香「……」チラ
P「……」ペラ
文香(…読んでる)
P「……ふむ」ペラ
文香(私の勧めた本…どうやら、お気に召していただけたみたいです…)
P「……」ペラ
文香「……ふふ」
P「ん?どうした文香」
文香「あ……いえ、その…」
P「そうか?」パタン
文香「あ…」
P「ん…?ああ、これか」
文香「……その」
P「ああ、面白いよこの本。
さすが文香だな」
文香「……///」カァァァ
P「…何か、まずいことでも言ったかな俺は」
文香「いえ……Pさんは、その、悪くない、です……」マッカ
P「…そっか」
文香「あ、あの…」
P「ん?」
文香「その、本は」
P「ああ、悪いけどもう少し貸しておいてくれるとありがたいんだが…」
文香「はい……」
P「すまんな、どうも本を読むのは遅くて…」
文香「……いえ、そうではなく…」
P「ん?すぐ返したほうが良かったか?確か文香の私物だろう、この本」
文香「さ、差し上げます…」
P「…いや、それは悪いよ」
文香「いえ……」
P「いやいや」
文香「その、えっと…」
P「いやいやいやいや」
文香「あの、ですから…」
P「いやいやいやいや」
文香「……ひょっとして、からかってませんか…?」
P「…いや、いやいや…」
文香「……」ムッ
P「そんなことないって」
文香「……」ポカ
P「あいた」
文香「……Pさんは、いじわるです…」ポカポカ
P「あ、謝る、謝るから」
文香「…謝ると言う事は、やっぱりからかっていたんですね……」
P「いや、文香の反応が可愛いから、つい」
文香「……っ」
P「…文香?」
文香「……ず…」
P「ず?」
文香「……ずるい、です…急に、そんな…」
P「ずるい?」
文香「そ、その…可愛い、とか…」
P「これに関しては嘘を言ってるつもりはないんだが…」
文香「そんな、私なんか……」
P「『私なんか』は禁止だ、って言ったよな?」
文香「……はい」
P「文香には文香にしかない魅力がちゃんとある、だから俺だってスカウトしたんだぞ?」
文香「…そう、でしょうか……」
P「もちろん、そうに決まってる」
文香「…この間の、お仕事も…」
P「なんだ、水着のことまだ根に持ってるのか?」
文香「いえ、そういうことでは…」
P「…二度目はないって、あの時の文香は言ったよな」
文香「…はい、やっぱり私、ああいった事はあまり…」
P「……そうか、じゃあ」スッ
文香「…?それは…」
P「招待状だ、櫻井Pさんから貰った」
文香「招待…ですか?」
P「ああ、正確には電車の切符なんだけどな」ヒラヒラ
文香「…あの、お話がよく」
P「櫻井さんがプライベートビーチを開放してくれるそうでな」
文香「…はあ」
P「都合のつくなら来てもらいたいそうだ、アイドル同士の交流も兼ねて」
文香「…それは」
P「流石に、ウチのアイドルとプロデューサー全員をいっぺんにってワケには行かないみたいだけどな」
文香「…人数が、多いですからね」
P「ああ、既に何人か行ってきた後で、俺達の番が回ってきたんだが」
文香「あの、それで…」
P「文香が行きたくないというなら、これは櫻井さんに返さないとなー」
文香「……」
文香(お仕事以外で…また、水着…?)
文香(いえ、私服でも…けどビーチとなると…)
文香(また、Pさんに見られ…)
文香「…あうう」プシュウ
P「ふ、文香!?」
文香「…か」
P「お?」
文香「少し…考えさせていただけませんか…」
P「…ああ、わかった」
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ザザーン…
ザザーン…
P「…暑い」グデー
一ノ瀬P「ああ…」グデー
姉ヶ崎P「…ぬわー」グデー
P「…お二人さんは、担当の子は?」
一ノ瀬P「…」クイッ
姉ヶ割きP「あっち」
…キャッキャ
~海~
美嘉「ほーら文香さん、そっち行ったよー!」
文香「は、はい…ああっ」ポヨン
ミス 姉ヶ割き→姉ヶ崎で脳内変換オナシャス
志希「おおっ」
文香「あ、ボールが…あうっ」ズシャッ
志希「ほほう」
美嘉「…志希さん、どこ見てんの?」
志希「にゃふふ~眼福ですにゃあ~」
~砂浜~
P「…元気ですねえ」
一ノ瀬P「若いっていいねえ」
姉ヶ崎P「お二人ともオッサンくさいっすよ…あうあう」
P「うるせえ」
一ノ瀬P「埋めるぞ」
姉ヶ崎P「いやーカンベンっす…あっ!」
~海~
文香「あ、あ、波が、ああーーー」ザバーン
美嘉「あっ、文香さん流されてる…!?」
ザッ
志希「おお?」
ザブーン
P「文香ー!」ザバザバ
美嘉「おおー」
志希「真っ先に走る…愛だにゃあ…」
~砂浜~
一ノ瀬P「愛だねえ…」
姉ヶ崎P「言ってる場合っすか、あれマズいでしょ」
一ノ瀬P「ああ、大丈夫大丈夫、なんかこの辺流れの関係で沖には出れないみたいだし」
姉ヶ崎P「いやそれでも溺れたらマズくないっすか?」
一ノ瀬P「…いや、だって浅いよ?あそこ」
姉ヶ崎P「へ?」
~海~
文香「わぷ…た、たすけ…」バシャバシャ
P「落ち着け文香ー!そこは浅いぞー!」ザブザブ
文香「へ…!?」
P「だからー!その辺はまだ足がつくぞー!」
文香「……」バシャ…
文香「……」スクッ
ザザーン…
美嘉「…あちゃー」
志希「…しょぼーんだねえ」
文香「……うう」ブクブクブク…
P「文香!?文香ーーーっ!」
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文香「……」ズーン
P「大丈夫だったか?」
文香「…お見苦しい所を」
P「ま、まあ仕方ないさ、いきなり波にさらわれたら誰だって…」
文香「…私、こういう運動には疎くて」
P「…ほら」ピトッ
文香「ひゃんっ!?」
P「はは、冷たかったか」
文香「も、もう…」
P「ごめんごめん、ほら」
文香「あ、お水…ありがとうございます…」
P「暑いし、のども乾くだろう?水分はしっかり取っとかないとな」
文香「…その、できれば普通に渡していただければ…」
P「悪い悪い、ついな」
文香「……」ゴク
P「文香みたいに可愛い子はついつい困らせたくなるんだよ、男ってのは」
文香「んっ…!?」
P「だ、大丈夫か!?」
文香「こほ、けほ…い、いきなり何を…」
ひとまずここで、今日はちょっと更新できないかもなのでまた明日の同じ時間にでも・・・
美嘉Pでもよかったんですがアイドル名+Pだとセリフが続いた時に読みにくいかなーと思って苗字にしました・・・
城ヶ崎姉Pだとちょっと長いしとりあえず姉ヶ崎でいいかという安直な発想です・・・誤解させてしまってごめんなさい
P「…なあ、文香」
文香「けほ…はい?」
P「今日は、どうして来る気になったんだ?」
文香「ここに来た理由…ですか」
P「ああ、どうもこの間はあまり乗り気じゃないみたいだったし…」
文香「それは…はい」
P「心境の変化ってやつか?」
文香「…ええと」
P「……」
文香(…言えません)
文香(Pさんが行きたそうにしていたからだなんて、とても…)
文香(今の私には…それを言う勇気はありません)
文香(ああ、でもPさんの目が…)
文香(私の言葉をじっと待って…うう)
文香(なんとかごまかすには…)
文香(…そうです、確か以前に事務所で…)
~回想~
???「…大人っぽくなるには?そうねえ…」
???「はい、私早く大人になりたくて…」
???「私は別に自分を子供っぽいとは思っていませんけど、その、参考までに」
???「そうね…強いて言うなら、秘密かしらね」
???「秘密…ですか?」
???「そうよ、オンナは秘密の数ほど綺麗になれるって言うじゃない?」
???「なるほど…」
???「ナイショをつくる…わるい子になればいいんですね」
???「まあ、一概にそうとは言えないけれど…」
文香(秘密……)
~回想終了~
文香「…な……」
P「な?」
文香「な、ないしょ…です…」
P「…お、おう」
文香「…今はまだ、何と言って良いか…その、よく分からないので…」
P「だから内緒、か」
文香「……おかしかったですか…?」
P「い、いやいや、内緒ならまあしょうがないな、うん!」
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ザザーン…
文香「……あの」
P「…ん?」
文香「…Pさんは、遊んだりされないのですか?」
P「あー…」
文香「あ、その…別に、何か咎めたりというわけでは…ないのですが」
P「いや、そのな…」
文香「…ただ、その…今日ここに来ることを随分楽しみにされていたようですので…」
P(…言えない)
P(文香の水着が見たかっただけなんて、とても言えない)
P(そういうのに疎そうな文香にこんな事言おうものなら…)
文香『…Pさんは、そういう目で私を見ていたのですか…』
文香『失望しました…Pさんのアイドルやめて、本屋の店員になります…』
P(…うわああああああ!)
P(何か!なにか良い言い訳は…)
P「え、えーと…」
文香「…もしかして、体調が優れない、とか……」
P「…そ、そうそう!どうも調子が悪くてさ!いやー日に当たりでもしたのかなー」
文香「……」ジーッ
P(うっ…さ、さすがにわざとらしかったか…?)
文香「……あの、Pさん」
P「な、なんだ?」
文香「…その、よろしかったら…どうぞ」
P「へ…?」
文香「…で、ですから、どうぞ…」ポンポン
P(ふとももを叩いて…はっ!?)
P「い、いやそんな…いいのか?膝枕なんて…」
文香「…子供の頃、私が日に当たって体調を崩した時には、母がよくこうしてくれました…」
P「……じゃあ、お言葉に甘えて…」スッ
ふにっ
文香「んっ…」
P「おお…」
文香「……どう、ですか…?何か、おかしな所は…」
P(最高です)
P(…なんとも言えない柔らかさが、こう…)
P「わ、悪くないよ」
文香「…でしたら、しばらくこのままで…」
P「ああ…」
ザザァ…
文香「……」
P「……」
もぞ…
文香「ひゃ…」
P「あ、すまん…」
文香「い、いえ…少し、くすぐったかっただけですから…」
P「気をつけるよ」
文香「……はい」
サァァァ…
文香「……」ナデ
P「ん…?」
文香「…!」パッ
P「なんだ、やめるのか?」
文香「い、いえ、すみませんその、つい手が…」
P「…厚かましいかもしれないけど、続けて貰ってもいいか?」
文香「…で、では、その…失礼します……」スッ
P「……」
文香「……」ナデ…ナデ…
P「……」
P(……ああ)
ザァ…ザザァ…
P(こんなにのんびりした時間を過ごすのは、いつぶりだろう…)
P(…まあ、いいか…今は、何も考えられ…な…い…)
P「……すぅ」
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文香「…Pさん…?」
P「……」スゥ…スゥ
文香「よほどお疲れだったみたい、ですね…」
文香(…いつもは凛々しい顔ですが…こうしているとまるで子供のようですね…)
文香「…ふふ」
P「ん……」
文香「……っ!?」ビク
P「……ふみかぁ…むにゃ」
文香「ね、寝言……?」
P「…がんばれ…ふみかなら…できるさ…」
文香「…夢の中でも私の事、ですか……」クス
P「……」スゥ
文香「…ありがとうございます、Pさん…」
P「……おう…」
文香「……起きてませんよね…?」
P「……」スゥ
文香「……」ゴソ
P「ん……」
文香「……失礼します」
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P「んぉ…?」パチ
ザザァ…
P「なんだ、寝てたのか…うわ、もう日が暮れ始めてるじゃないか」
P「戻らないと…おっ?」
文香「……すぅ」
P「……文香?」
文香「……ん」
P(おかしいな、俺は確か文香の膝枕で寝てたはずが)
P(起きたら文香に腕枕をしていた…な、なにを言ってるのかわからねーと思うが)
P「しかし参ったな…これじゃあ動くに動けない」
P「…まあ、膝枕のお礼ということでもうしばらくこうして…」
文香「……くぅ」
P「…あ、顔に砂が」ソッ
文香「ぁ……」ピク
P「……」ゴクリ
P「……」ソーッ…
さわ…
文香「ん……」
P(……すべすべだ)
なで
文香「んぅ……」モゾ
P(肌、白いな…)
さわさわ
文香「ん…ぁ…っ…?」
P(うわ、耳小さい)
文香「んん…ぴ、P…さん…?」
P「のわ!?」
文香「あの…何を…?」ボーッ
P「お、起きたのか?」
文香「はい…はい?」ボーッ
P(寝ぼけてるのか…?)
文香「…Pさん……」
P「な、なんだ…?」
P(目、目が…)
文香「…Pさん」
P「ちょ、文香、近い…」
文香「……」ジーッ
P(その、その目はなんなんだ)
P(海とも空とも違う…吸い込まれるどころか、飲み込まれそうな青色が…)
文香「……さむい、です」ギュ
P「!?」
文香「ん……」
P(うわ、体つめた…)
P(上着もいつの間にか脱いで…寝相悪いのか文香)
P「ふ、文香?風邪ひくぞ、日も暮れてきたし…」
文香「……」ギュ
P「……はぁ」
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文香(……これは、夢、そう、夢です)
P「……はぁ」
文香(そんな、Pさんに抱きついてなんて)
文香(私に、そんな勇気は…)
文香(だから、そうこれはきっと夢なんです)
文香(私を優しく抱き寄せてくれる手も、このぬくもりも…)
文香(全部、夢……)
ズキ
P「文香」
文香(いつもより優しい声色も)
ズキ
文香(慰めるように撫でられる感触も)
ズキ
文香(慈しむような、視線も)
ズキ
文香(全部、全部……)
ズキン
文香「……いや、です」
P「文香……?」
文香(この人のお陰で、一度は変われた)
文香(新しい一歩を、踏み出せた)
文香(なら、今……)
文香(もう一歩だけ)
文香(勇気を、出さなきゃ)
P「文香……んっ!?」
文香「ん……」
文香(Pさんの…味)
文香(あまくて…熱い)
文香(Pさんの、香り)
文香(体じゅうに、痛いほど染み付いて)
文香(くらくら、します…)
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P(…どれだけ、こうしているだろう)
P(文香からのキスの後、ただ抱き合っているだけ)
P「文香?」
文香「……はい」
P「…帰らないか」
文香「……もう少し、このまま…」
P「…そうか」
P(まるで夢のような、ふわふわとした感覚の中にいる)
文香「…あの、Pさん」
P「…ん?」
文香「その…すみません、いきなり……」
P「……ああ、キス」
文香「……はい」
P「…ちょっと、馬鹿みたいなことを言うんだけどさ」
文香「…?はい…」
P「夢、みたいだ」
文香「夢…ですか」
P「そう、夢」
文香「……Pさんは」スッ
P「文香…?」
ザッ
文香「夢のほうが、よかったですか?」
P(そう言って立ち上がり、振り向いた文香の目はいつもと違って)
文香「私は……」
文香「私は、嫌です」
これにて完結です!
いつもどおりちょっと後半駆け足気味な感じも否めませんが・・・。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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