不良「ゲーム好き」 (68)


【学校】

HR:


ざわざわ


ざわざわ


チャラ男「はっはっは! まじ?それ!」


ナヨ男「まじまじっ! それでさ~、昨日ソイツがメールで急に――」


ガラッ


不良「……ふぁ~」


男「あ……」







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男=×

ナヨ男=○



しん……


不良「……」


ナヨ男「……」


不良「……何?」


ナヨ男「っぇ!?」


不良「……何見てんのって」


ナヨ男「え、あ、ご、ごめん。 あははっ、べ,別になんでも!」


不良「……ふ~ん」スタスタ


ストン


不良「……」


ナヨ男「(……あっぶねー)」


チャラ男「(お前、面倒くさい事すんなよ!)」


ナヨ男「(わ、わりぃ……。 今日は『サボる日』だと思ってたから)」


チャラ男「(たしかに、時間ギリギリだったから俺も焦ったけど)」


不良「……チッ」


チャラ男「!!」ササッ


ナヨ男「!!」ササッ


不良「……(……ねみぃ)」





不良「……」


不良「(あー……)」


不良「(学校つまんねー……)」ボーッ


先生「不良くん。 ここの答え、わかるかな?」


不良「……2b-x」


先生「よくできました! そうです。 この公式は――」


ナヨ男「(なんでアイツ答えられんだよ……)」




休み時間:


不良「……ぐぅ」


ナヨ男「寝出したよ……」


チャラ男「授業中はしっかり起きてんだよな。 ずっと窓見てるけど」


ナヨ男「しかもどんな問題が来ても答えてるよな」


チャラ男「いちおー、教師の声をラジオ代わりに聴いてんじゃね?」


ナヨ男「はっは、なんだよそりゃ! ……笑えねえええ」


不良「(……聴いてりゃ十分理解出来るだろ、アホ共)」


【裏庭 ベンチ】


昼休み:



ぐっちょり…


不良「……うわ」


不良「(……きったねえ)」


不良「(昨日、雨振ったからな……)」


不良「(……まっ、一応新聞紙持って来てるから、敷けばいいか)」


不良「……」ゴシゴシ







不良「……よしっ」


不良「(……こんなもんでいいだろ)」


不良「~♪」


不良「んじゃ、今日は……」


不良「……FF10でもやるかぁ」


「……」


不良「……?」






不良「……?」


「あ……」


不良「……誰だ、お前」


「…………」


不良「……もう、ここ俺使ってるんだけど」


「……それ」


不良「……?」


不良「!」ババッ


「……」


不良「……見たのか」


「……」コクリ


不良「何だった」


「……PS VITA」


不良「……」ガクンッ


「……」



不良「……誰にも言うなよ、お前」


「……? 何で」


不良「……なんでもいいんだよ」


「……恥ずかしいの?」


不良「……!」


「……私、女」


不良「誰も聞いてねえよ」


女「……あなたは?」


不良「……不良」


女「あぁ……」


不良「……なんだよ」


女「聞いたことある」


不良「俺はお前なんか聞いたこと無いね」


女「『なんか』って失礼だよ」


不良「はあ?」


女「それ」


不良「あん?」


女「PS VITA」


不良「それが何だよ」


女「……私も持ってる」ヒョイ


不良「……」


不良「…………マジか」


40分後…


不良「あ、てめっ! あぁ!!!」


女「……よわっ」


不良「う、うるせえ! 今のは偶然だろボケ!」


女「口の聞き方が汚い」


不良「だぁってろ! もう一戦だ!」


女「お願いします、は?」


不良「はあ!?」


女「人に頼む時は、それ相応の口の聞き方がある」


不良「なんだと!?」


女「『お願いします』は」


不良「……」


不良「……ぉ、おねがいしま……」


女「……」


不良「…………って言えるかよバーカ!」



キーンコーンカーンコーン


女「……はい、終わり」


不良「はあ!? 勝ち逃げかよ!」


女「ぎゃーぎゃーうるさい」


女「授業始まるから。 次は言えたらやる」


不良「てめぇー……」


女「……じゃっ」



【学校】


翌日 休み時間:


不良「……」ボーッ


不良「あー……」


不良「(ねんみぃ……。 LoLやり過ぎた)」


不良「(あそこでガレンが来なけりゃ3キルいけたのに……クソッ!)」


不良「(そもそも味方がワード置かな過ぎなんだよ! 何が『:D』だ!)」


不良「くそ!」ドンッ


周り「;(」ビクッ



チャラ男「(何か今日はイラついてんなー……)」


ナヨ男「(腕に青筋浮いとるし……)」


チャラ男「(関わらんとこ……)」


ナヨ男「(まぁ、いつも絡んでるわけじゃないけどな……)」


不良「あー……」イライラ




昼休み ベンチ:



不良「……」ピコピコ


不良「っしゃ! 逆鱗ゲット!!」


「君、校内でゲーム機を持ち込むのはやめなさい」


不良「(やっべ! 先公か!?)」ササッ


女「……騙された」プッ


不良「……殺すぞ」イラッ



女「不良くんはいつも汚い言葉を使うんだね」


不良「いちいち汚いって表現を使うな。 ってか慣れ慣れしいなお前」


女「いつもここでゲームやってるの?」


不良「シカトかよ。 ……あぁ。 教室にいてもつまんねーし」


女「ふーん……」


不良「んだよ、聞いておきがらそのシラけた反応」イラッ


女「なに、私に説教してほしいの?」


不良「ぶっ飛ばしたくなるからやめろ」


女「出た、汚い言葉」


不良「うるせえ」




不良「大体、お前だって俺と似た様なもんだろ」


女「どういうこと?」


不良「昼休みにわざわざこんな所来やがるし、何よりゲーム機持って来てっからな」


女「何をしようと私の勝手じゃない」


不良「俺も同じ事だろ。 それわかってるならイチイチ構ってくるんじゃねえよ」


女「……」


不良「……」


不良「(……ちょっと強く言い過ぎたか?)」


女「…………」


不良「(ま、こんくらい言っときゃナメた口きかなくなんだろ)」


女「……ゲームよわっちぃくせに」ボソッ


不良「はぁ!? なんつったテメェ!!」グワッ



女「不良君と同じにしないでほしいな。 私、ゲーム強いし」


不良「んだと!?」


女「ゲームの世界は弱肉強食でしょ。 ゲームセンターのゲームだって、負け交代制じゃない」


不良「ちょっとばかし勝たしてやったからってナメた口を……」フルフル


不良「そんじゃあもう1回勝負しやがれコラ!! 今度こそその鼻っ柱へし折ってやるからよ!」


女「言葉が汚いってば。 それに、昨日言ったでしょ」


不良「あ? 何をだよ!」


女「『お願いします』は?」


不良「!?」


女「……言わないならやらない。 やらなかったら、不良君はずーっと負けたままだね。 ぷぷっ」


不良「んだとぉ~……」プルプル




不良「な、なら! 『よわっちぃ』って言うのは汚い言葉じゃないのかよ!」


女「!」


不良「ほれ見ろ、図星だな」


女「……いいよ。 確かに汚い言葉、私も使ったし。 これでお相子」


不良「よしっ! じゃあ今すぐ……」サッ


女「でも!」


不良「!?」


女「もし、これでそっちが負けたら、汚い言葉使わないって約束してくれる?」


不良「あぁ?! 何で俺がお前なんかとそんな約束……」


女「……じゃあやらない」プイッ


不良「!? 逃げんのかよ!?」


女「別にそう捉えても良いよ。 私は実際に勝ったし、不戦敗なんて怖くないもん」


不良「……わぁーった、わぁーった! お前といる時だけな! ほら、これでいいだろ!」


女「! ほんと? 約束だよ?」


不良「本当だよ! ほら、さっさとvita出せ!」


女「うんっ!」ニコッ


不良「」ドキッ






不良「」バキッ


女「い、いきなりどうしたの?」


不良「いや、なんでもねぇ。 さっさとケリつけるぞ」


女「う、うん……?」


不良「(可愛くねえよこんなクソ女。 面倒くせえだけだろ、バカ)」


女「じゃ、昨日と同じステージでいい?」


不良「おう。 何でもいい。 何処でも俺は勝てるからな」


女「わーすごいー」


不良「……vitaを二度と触りたくなくなるようにしてやる」ギロッ



帰り HR:


不良「……」イライラ


ナヨ男「(おいおい……。 さっきよりもイラついてね?)」


チャラ男「(……。 腕どころか眉間にも青筋たってるな)」


ナヨ男「(半径5m以内には近づきたくねえ……)」


チャラ男「(触らぬ神に祟り無しだな……)」


不良「……」


不良「……おいオメーら」


チャラ男「!?」


ナヨ男「!?」


不良「なに驚いてんだよ」イラッ





ナヨ男「いいいいい、いや別に急に話しかけられたからさ」アセアセ


チャラ男「ど、どうしたん?(焦り過ぎだよナヨ男!)」


不良「ま、別にいいけどよ。 ……その、なんだ」


チャラ男「(『金貸してくんね?』来ちゃいます?)」


ナヨ男「(校舎裏に来いとか言われたら終わる……)」


不良「……その、なんだ」


不良「……普段、ゲームやってるか?」


ナヨ男「……」


ナヨ男「……はい?」







不良「ゲーム持ってるかって聞いてんだよ」


ナヨ男「え、あ、その」アセアセ


チャラ男「まぁ、普通に64とかなら持ってっけど」


不良「64かぁ……。 vita持ってねえの?」


チャラ男「いや、それは持ってねーな……。 中学生ン時にゲームは卒業しちまったし」


不良「そっか……」


ナヨ男「あ、俺持ってる」


不良「マジか!」


ナヨ男「(あ、ヤバ!!)」


チャラ男「(vita、カツアゲけってーい)」








不良「じゃあ……!」


不良「……」


不良「……いや」


ナヨ男「?」


不良「……やっぱいーわ。 わりいな」


チャラ男「……?」


ナヨ男「は、はぁ……」


ナヨ男「(何かよく分からないけど……助かった?)」





【不良宅】


ベッド:


不良「……はぁ」


不良「……」


不良「」イラッ


不良「あー!」ガバッ


不良「……あのクソ女が……!!」




不良「(何で負けるんだ!? 総合プレイ時間1500時間超えだぞ!?)」


不良「(そりゃ、全国区のレートに比べたら弱いが、それなりに激選したし、ルス育もした!)」


不良「……意味わかんねー……。 くそ……」ポテッ


不良「(あー……うぜ。 俺がやってるどんなゲームでも、アイツに勝てる気が……)」


不良「……」


不良「」イラッ


不良「……認めねぇ」


不良「……」


不良「……とりあえず、育てるか」ムクッ


不良「……」ピコピコ




今日の分は以上です。
ゆったり更新して行きます。



【学校】


お昼休み:



不良「……」ピコピコ


不良「…………」ピコピコ


不良「……」チラッ


不良「……」


不良「……」ピコピコ


不良「…………」ピコピコ


不良「……」



午後 授業:



不良「(……勝ち逃げかよ)」


不良「(……ま、そんなもんか)」


不良「(……)」


先生2「……であるからして、この作者は……」


不良「……」


不良「(……このクッソつまんねえ授業よりか、マシだった、かもな)」


数日後…


【昼休み】



不良「(……)」ピコピコ


不良「……!!」


不良「(はぁああああ!??!?)」


不良「(今のでタックル来るか? 判定避けすら無理だろ!?)」


不良「(クリアできねえゲーム作ってんじゃねぇぞクソ会社コラ!!)」


不良「(『難しくしておけば喜ぶんだろ』みてぇな魂胆が見え見えなんだよ!!!)」


女「それはね、フレーム回避出来ない攻撃だから」


女「それを放つ5秒前に少し相手が震えるでしょ? そのときを狙ってバックステップしなきゃいけない」


不良「……あぁ!? うるせえぞカス! ひっこんで――」


不良「……ん?」クルッ


女「……こんにちは」


不良「!?」ビグッ


女「あ、跳ねた」











不良「て、テメェ俺の後ろに立つんじゃねえよ!」


女「うわ、すごい臭いセリフだね」


不良「うるっせえクソおん――」


女「汚い言葉……」


不良「うぐ……!」


女「使わないって、約束したよね」


不良「……そ、それは……」


女「もう、使わないでね」


不良「……うっせ」


女「……へへっ」ニコッ


不良「……何笑ってんだ、気色わりぃ」


女「相変わらず、PSは変わってないね」


不良「PS?」


女「うん。 プレイヤースキルのこと」


不良「あぁ、なるほど……。 っておいコラ!! それどういう意味だよ!?」


女「多分、想像した通りだと思うよ」


不良「この野郎……」ギロッ



女「今日も勝負する?」スッ


不良「ああ、あったりま――」


不良「……」


不良「いや、やんねぇ」


女「なぜ?」


不良「お前が俺を暇つぶしに使ってるのが気に食わねえ」


女「そんなことに使ってないよ」


不良「気が向いた時に来て、俺を負かして、あとは終わりとか……」


不良「そういう風に都合良く扱われるのがムカつく」


女「……」


不良「暇つぶしなら教室にいる奴らとやってろよ」



女「……」


不良「……」


女「……」


不良「……はぁー。 何だその顔」


女「……だって」ジワッ


不良「!?」


女「だって……。 そんなこと、無いのに」


不良「何で泣くんだよ!?」


女「一緒に遊んだ方が楽しいゲームだって、あるよ」


不良「……」


女「私は楽しいから来てるんだよ……。 そんなこと言われたら悲しいよ……」


不良「(こいつ……)」


不良「……あー……。 調子狂う」


女「それが作戦ですから」ケロッ


不良「うわ!? 急に泣き止むなよ!」


女「『涙は女の武器ですから』」


不良「……お前の方がよほどクセぇセリフ吐いてんぞ……」


女「まぁまぁ、別にいいじゃない。 気にするような年でもないし」


不良「自分の時だけ流してんじゃねえ!」クワッ





女「でも、本当ですよ」


不良「あぁ?! 何がだよ」イライラ


女「別に不良くんを都合の良い存在として見てるわけじゃないし」


女「不良くんはゲーム上手じゃないけど……」


女「一緒にやってて、楽しいよ」ニコッ


不良「!」カァァ


女「お~っ。 ……赤くなった」スッ


不良「うっせえ! 触んな!」バシッ


女「あ、暴力」


不良「大げさな言い方すんな!」


女「まあ、とりあえずゲームをやりましょう」


不良「とりあえず、じゃねえよ!」


女「……やらないんですか?」


不良「……」


女「……」


不良「……一戦だけだ」ボソッ


女「!」


女「……うん!」



今日はココまでにします。
読んで下さってる方ありがとうございます。



1週間後…


【学校】


授業:



不良「ふぁ~あ……」


ナヨ男「……おい」ボソッ


チャラ男「ん?」


ナヨ男「何で最近毎日来てんだ?」


チャラ男「さあ。 本人に聞けば?」


ナヨ男「アホか!聞けるか!」


先生「そこ、静かに!」


不良「……?」


チャラ男「声でけーよ……」


ナヨ男「すまん……」





【裏庭 ベンチ】


昼休み:


女「こんにちは」ペコリ


不良「……」ピコピコ


女「……」


不良「……」ピコピコ


女「……ほいっと」プチッ


不良「はあああああ!?」


女「こ・ん・に・ち・は」


不良「うっせえ!! お前何勝手に電源消してんだよ!!!」


女「挨拶は礼儀の基本だよ。 知らなかった?」


不良「礼儀なんか守ってられっかボケ!」


女「あ、汚い言葉だ」


不良「何でもかんでも『汚い言葉』扱いすんじゃねえよ!」


不良「あ~……。 1時間分のデータが……」




女「一時間くら大丈夫だよ」


不良「何が大丈夫だよ! どこも大丈夫じゃねえよ!」


女「いつも暇そうにしてるじゃない」


不良「忙しいわバーカ!!」


女「学ばないなあ」


不良「ふん。 俺にとっては汚い言葉じゃないからいいんだよ」


女「あ、開き直った」


不良「うっせえ! どっか行け!」シッシ


女「……そんなこと言ってるともう再戦してあげないよ?」


不良「……」ピクッ


女「……いいの?」


不良「……ったりまえだろ! だ~れがお前となんか……」


女「ふぅ~ん」




女「……これ」


不良「……あん? ……!!!」


女「……このリプレイ動画。 ネットに流しちゃおうかなー」


不良「はぁ!? お、お前!!」


女「盛大に負けてるなー。 私が1位なのに……、4位?」


不良「……てめー、脅す気か! 卑怯だぞ!」


女「どうとでも。 私は『偶然保存していた』動画を『誤ってネットにアップ』しちゃうから」


不良「……あーーー!! どうもしーませんでした! これでいいんだろ!」


女「心がこもってないけど、まあ今回だけは許してあげる」


不良「偉そうに……」ボソッ


女「おぉっと手が滑りそうだ」ズルッ


不良「!?」ガバッ


女「ウソです」


不良「……」


女「……」ニヤニヤ


不良「(ぜってーいつか殺す)」

短いですがこんな感じで。
おやすみなさい。


数日後…


【裏庭 ベンチ】


不良「……」ピコピコ


女「……」ピコピコ


不良「……」ピコピコ


女「……また勝った」


不良「……」


女「もう一戦やる?」


不良「お前、チート使ってるだろ」


女「冗談言わないで」


不良「じゃあ何で勝てねえ!?」グワッ


女「不良くんが弱いからだけど」


不良「ウソつけ!! 俺がどれだけやり込んでると思ってんだ!」


女「どのくらい?」


不良「2000時間は余裕で超えてる!」


女「2000かぁ。 中級者だね」


不良「何を――!?」


女「……ん」スッ


不良「…………5000時間……!?」




女「不良くんは、まだまだ中級者だよ」


不良「……ぎにに……!!」


不良「……ぜってーお前に勝つからな! 首洗って待ってろよ!!」


女「別に、いつでもやるけど」


不良「俺が完璧に勝てると踏んだ時にやる! もう負けねえ!」


女「え……」


不良「それまで特訓だよ! お前がやりたいって言ってもやってやんねえからな!」


女「……」ポカーン


女「……。 ……何それ」クスッ


不良「……!」ドキッ


女「あは、あははは。 何それ。 子どもみたい」ケラケラ


不良「……ッ」カァァ


不良「……うっせえ! 馬鹿にすんな!! 俺は負けるのもナメられるのも大嫌いなんだよ!!」


女「バカにしてないよ。 ……凄いよ」


女「そういうの、尊敬する」ニコッ








不良「お、お前なんかに尊敬されても嬉しくねえよぶわぁーか!!」


女「はいはい。 楽しみに待ってるから、早くしてね」


不良「はん。 調子に乗っていられるのも今だけだかんな!」


女「わかったってば……。 …………あ」


不良「な、何だよ」


女「他のゲームは、一緒にやってね」


不良「……はあ?」


女「特訓するのはこのゲームだけでしょ?」


女「別のゲームは、一緒に遊ぼうよ」


女「……ね?」


不良「……ふ、ふーん? ま、まぁお前がどうしてもって頼むんなら――」


女「『どうしても』」


不良「!?」





キーンコーンカーンコーン




女「……あ、お昼休み終わっちゃったね」


女「それじゃ、また!」タタッ


不良「……」


不良「…………チッ」




【不良宅】


不良「……」カチカチ


不良「……」カチカチ


不良「よっし……! いけ……いけ……!!」カチカチ


不良「やっべ、ポーション!」カチッ


不良「……」


不良「はあああああああああ!?」


不良「青赤持った状態でやられるか普通!? クソgankerがよ!!」


不良「Ahriの紙装甲なめんじゃねえぞクソボケカスこら」




不良「うわー……プッシュできてたのに巻き返されたぞ……」


不良「マジ死ねコイツ」


不良「(ほんと自分からganker得意だとか言う奴は地雷だな)」


不良「(North Americaサーバーの奴らは特に)」


不良「……はぁ……負けた」


不良「くそ……」



不良「(最近勝てねえなー)」


不良「(家庭用でも、オンゲでも)」


不良「(Pay to winのソシャゲじゃ、金ジャブするオッサン共に勝てるわけがねーし……)」


不良「あー……だり」


不良「明日サボっかな……」


ヴーッ  ヴーッ


不良「……?」スッ


不良「……」


不良「あ”!?」



翌日…


【秋葉原】


不良「……」


不良「(……ラジオ会館って、どこだ)」


不良「(東京、人多過ぎだろ)」


不良「(「吐いて捨てるほど」って感じだな)」


不良「……」キョロキョロ


不良「(……どこだ、ここ)」


不良「……とりあえず進むか)」



不良「(……限定先行発売イベントって何で東京でしかやらねえんだよクソが)」


不良「(交通費バカにならねえし、何より面倒くせぇんだよ)」


不良「(都会ばかり優遇しやがって)」


不良「(ゲーム会社の奴、1回ぶっ飛ばして周りてぇ)」


不良「……」キョロキョロ


不良「(……多分、ここらへんのは――)」


ドンッ


「きゃっ」


不良「!」




「いっつつ……」


不良「……すんません」フイッ


「あ、いえ。 別に……って、あれ?」


不良「(……)」


不良「(……おいおい、この声……まさか――)」


女「不良くんですか?」


不良「違います」スタスタ


女「……」







女「違わないよね」スタスタ


不良「並んで歩くな」スタスタ


女「じゃあウソつかないで」


不良「ウソじゃねーよ」


女「不良くんでしょ」


不良「違います」


女「強情だなぁ」


不良「……何でお前がいるんだよ」ピタッ


女「あれ? 諦めた」


不良「バカバカしくなっただけだ」


女「ようやく気付けたんだね」


不良「んだと!?」グワッ



女「あはは、やっぱり不良くんだね」


不良「笑ってんじゃねぇよぶっ飛ばすぞ」


女「きゃー、ここに変態がいます」


不良「待て。 それはシャレにならん」


女「じゃあ汚い言葉使わないでね」ニコッ


不良「(もはや脅しじゃねえか……)」


女「さー、閃の奇跡Ⅱの発売記念サイン会行こっか」




【秋葉原駅前】


不良「(……はぁ……)」


女「ラウラちゃん、やっぱり可愛いなぁ」


女「フィーちゃんとかエマちゃんもいいけど、やっぱりラウラちゃんだよね」


不良「女キャラなんてどうでもいいだろ」


女「え?」


不良「戦闘システムがコマンド式だったら別にいいんだよ」


女「え~……。 英雄伝説はキャラとストーリーを楽しむゲームだよ……」


不良「なんとなく言いたいことはわかるがな」


不良「スカイリムやらダークソウルやらやってると、コマンド式のRPGもやりたくなるんだよ」


女「あ~、なるほど」




不良「ほいじゃな」


女「え!?」


不良「……なんだよ」ピタッ


女「え、あの、お昼ご飯食べないの?」


不良「食べねえ。 少なくともお前とは」


女「何でそんなこと言えるのかなぁ……」ハァ


不良「テンションが無駄に高くて面倒くせえ」


女「その年でおじいちゃんみたいな堪え性の無さだね」


不良「誰がジジイだこら!」


女「すぐ怒る」


不良「ふんっ。 うるせえバー……」


女「」


不良「わかった。 悪かったから叫ぼうとするな。 駅前はやばい」


女「許す」




【サイゼリア】


不良「(何でこんなことに……)」ハァ


女「トレーダーの近くにあるから、ここよく来るんだ」


不良「誰も聞いてねえよ」


女「秋葉原の中古ゲームショップって、トレーダーとブックオフくらいしか知らないから」


不良「(こいつも俺の話聞いてねえ……)」




女「美味しい」モグ


不良「……」モグモグ


女「……。 無言だね」


不良「……話すことねえし」


女「やっぱり迷惑だった……?」


不良「今更かよ」


女「……」


不良「いちいち泣きそうな顔すんな」バシッ


女「いたっ。 パワハラだ」


不良「生意気な口はまだ叩けるんだな」イラッ


女「ふんだ。 別にいいもん。 ひどいこと言うなら、私にだって切り札があるし」スゥ


不良「脅すな!」



女「お腹一杯」


女「不良くんは?」


不良「普通」


女「普通ってなに」


不良「普通は普通」


女「コミュニケーション下手だなあ」


不良「うるせ」


女「もぉ。 少しくらいまともに口きいてくれてもいいのに」


不良「話すことねーし」


女「じゃあ、ゲームする?」


不良「やらねえ」


女「どうして」


不良「閃の奇跡Ⅱ買ったばかりだろうが……」


女「もー。 友達といるときくらい、友達と遊べるゲームしようよ」


不良「(……)」


不良「……いつから俺とお前友達になったんだよ」


女「え? 違うの?」



【秋葉原駅前】


女「……ねえ」


不良「……」


女「何でさっきよりも無言になったの?」


不良「……」


女「私、何か変なこと言ったかな」


不良「……」


女「……言わないと、わからないよ……」


不良「……」


不良「なぁ……」


女「!」


女「……どうしたの?」


不良「……前から言おうと思ってたんだけどさ」



不良「……お前、俺なんかとツルんでていいのか」


女「どういうこと?」


不良「……俺のこと知ってるって、前に言ってたよな」


女「うん」


不良「……じゃあ、俺の評判とか、知ってるだろ」


女「……評判……」


不良「『知らない』とは言わせねえぞ」


女「…………少し、くらいは」


不良「……なら、何で俺と」


女「……うーん」


女「別に気にしてないから、かなあ」


不良「……」


不良「……は?」


女「だって、不良くんがどういう評判であれ」


女「私が不良くんと友達になることには関係なくないかな」


不良「そりゃそうだが……」


不良「お前だって体面っつーものがあんだろが」




女「体面かあ」


女「それも別に関係ないかなあ」


不良「……どうして」


女「だって」


女「無理して相手に合わせてつまらない毎日を送るより」


女「同じ趣味を持ってる人と、楽しく過ごしたいから」


不良「……」


不良「……んだよ。 それ」


女「あー。 でも」


女「……今言ったのって、全部『私の都合』だから」


女「不良くんが嫌だったら、成立しない理論かも」


不良「……」


女「……不良くん。 確認させて」


不良「……」


女「私と不良くんって、……友達、でいいのかな」


不良「……」



不良「……勝手にしろ。 バーカ」


女「きゃーー!!! ここに変態が!!――もが」


不良「のわーー!!! バカやろう!! 今はそれやるタイミングじゃなかっただろ!!!!」アセアセ


今日はこんな物で。
読んで下さりありがとうございます。

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