フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト(299)

これは『ゼロの使い魔 星の戦士伝説』の外伝です。

では、スタート!

東京

才人「ふぁ~~~あ。学校が終わったら次は塾か~~~。かったるいな。」

才人「毎日が平凡な高校生活にも飽きちゃったなぁ。何か『あっ!』と驚くようなことが起きないかな―――。」

ヴィン

才人「あっ!?」
才人が音のした方を振り向くと、ゲートが目の前に立っていた。

才人「な・・・、何だコレー!?突然、道の真ん中に・・・!」

才人「おもしれー!何だ何だ~~~~!?」タタタタ
才人はゲートに近づき、確認し始めた。

才人「これ・・・、中に入れそうだな。特に危険はなさそうだし、入ってみるか。」

ドドドドド

才人「ん?」

オコリザル「勝手に入るなバッキャロ―――――!!」ボガッ

才人「うわあああああああああ!!」ヒュルルルル

ヴィン

サーナイト「あっ!別のゲートが!」

スポッ

リザードン「そのまま入って・・・。」

フッ

ルカリオ「消えてしまったか。」

オコリザル「あ・・・。」

ポケモン達「」ジトーッ

オコリザル「まあ、結果オーライという事で。」

ポケモン達「いい訳ないだろ!!」

オコリザル「すいません・・・。」シュン

ワープホール

才人「うわあああああああ!!」ヒュルルルルルル

ピカアアアアア

才人「な、何だ!?」

フワッ

才人「あ、あれ?体が軽くなった・・・。いったいどうなっているんだ・・・?」

「君、見ない顔だネ。」

才人「だ、誰だ!?」

フワッ

「おっと。ボクの事見えてル?」

才人「み、見えてるけど・・・。」

「初めましテ!生と死の狭間、幽界へようこソ!」

才人「ゆ、幽界!?俺、死んだのか!?」

「ンー、ノリ悪いなァ・・・。まあ、いいけド。」

才人「おい・・・。」

「ボクの名前はアリエス・M。で・・・、君の名前ハ?」

才人「俺は平賀才人だ。」

アリエス「ふうん・・・、いい名前ネ!ルックスもまあまあだシ?」

才人「そ、そうかな?」

アリエス「僕が見えるってことハ・・・。キミに成すべきことがあるという事と、不治の呪いを掛けられたって事だネ。」

才人「成すすべき事と不治の呪い?どういう事だ!?」

アリエス「左手をよく見てみなヨ。」
才人は言われた通り左手を見ると、見た事のないルーンが刻まれていた。

アリエス「そのルーンはデビルバーストという不治の呪イ。発動すれば身体的な能力が大幅に上昇し、闇の波動を発動する事ができル。」

才人「へえ・・・。なかなかいい呪いじゃないか。」

アリエス「けど、そのルーンの力が全て消え去ったその時、最終的に死んでしまうんダ。」

才人「マジかよ・・・。となると、下手に発動しない方がいいという事だな。」

アリエス「そう言うコト。あと成すべきことについてだけど、キミならできるかも知れないネ。」

才人「どういう事だ?」

アリエス「この戦いを終わらせる事ガ。この地上に『変革』をもたらす事ガ。戦いに苦しむ人たちを救う事ガ・・・。」

才人「・・・!!」

アリエス「まあ・・・全てはキミ次第なんだけド。」

アリエス「あともう一ツ。いずれ『彼女』がキミの前に現れるノ。その時は・・・、彼女を助けてあげてネ。」

アリエス「それがキミにとっての『変革』の・・・、第一歩になるかラ。」

才人「・・・。」

アリエス「フフッ・・・、また会いましょ、じゃあネ。」

ピカアアアアアア

荒地

ヒュウウウウ

才人「ん・・・。」ムクリ

才人「変な夢を見たな・・・。それにしてもここはいったい何処だ?」

ズシーンズシーン

才人「何の音だ!?」
才人は後ろを振り返ると、目の前に大きなアブダクターが姿を現した。

才人「うわあああああああ!!」ドドドドド

ズシンズシンズシンズシン

才人「く、来るな!来るなぁぁぁぁぁぁ!!」

「ふん!」ドガッ

ズシーン

才人「へ?」

「大丈夫か?」

才人「あ、ああ。アンタは?」

「俺の名はウーヴェ。東京PTに所属している咎人だ。」

才人「と、咎人って犯罪者じゃないか!なぜこんな所に!?」

ウーヴェ「俺達はボランティアのためにここに来ている。ちなみに倒したのは敵PTのアブダクターだ。」

才人「アブダクター・・・、俺達の世界にはなかったはず・・・。という事は・・・、俺は異世界に来てしまったという事なのかあああああああ!?」

ウーヴェ「異世界?どういう事か説明してくれないか?」

才人「ああ。今から説明するぜ・・・。」

事情説明中

ウーヴェ「なるほど。お前は豚猿に殴られた後、そのままこの世界に来てしまったという事なのか。とんだ災難だったな。」

才人「ああ。殴られた痛みは何時の間にか消えていたけどな。」

ウーヴェ「で、お前はこれからどうするつもりだ?」

才人「どうするって言われても・・・、この世界にどこにも居場所なんてないからな・・・。」

「だったら東京PTに行ってみたらどうだ?」

ウーヴェ「カルロス!聞いていたのか!?」

カルロス「ああ。最初から聞いていたけど、豚猿に殴られるなんて傑作だな。ハハハ。」

才人「」ムカッ

カルロス「おっと。言い過ぎた。俺の名はカルロス。ウーヴェとは別のPTに所属しているが、共に戦っている。よろしくな。」

才人「あ、ああ・・・。俺は平賀才人だ。」

ウーヴェ「なるほど。サイト・ヒラガか・・・。よし。とりあえずボランティアも完了したし、車に向かうとするか。お前もついて来い。」

才人「分かった。」

ここで主題歌紹介(1~13話)

OP:FIRE!!
ED:マリオネット

東京PT

コツコツ

才人(ここが東京PTか・・・。まるで要塞みたいだな・・・。)

ウーヴェ「ナタリア、連れて来たぞ。」

ナタリア「ご苦労。下がって良い。」

コツコツ

ナタリア「貴様が豚猿に殴られてこの世界に来た少年か。」

才人「ああ、そうだが。」

ナタリア「私の名はナタリア・“9”・ウー。このPTの安全保障局第35社会防衛群社会調査会隊長を務めている。」

才人「なるほど。俺は平賀才人だ。」

ナタリア「そうか。では、身体チェックを行う。」

数分後

ナタリア「ふむ。結果が出た。どうやらお前の左手にはデビルバーストのルーンが刻まれているそうだな。」

才人「ああ。いつの間にか刻まれていたからな。どうやらゲートに入ったと同時に刻まれていたのかもしれない。」

ナタリア「そうか・・・。とりあえずは市民ではないという事は確かだな。こいつを第1階層まで連行しろ。」

アクセサリ「はっ!」

才人「お、おい。ちょっと待て!何処に連れて行くんだよ!離せ――――――!!」

ゾロゾロゾロゾロ

第1階層のとある部屋

ドシャッ

才人「いたた・・・。乱暴すぎるぜ・・・。」

ウィーン

「サイトさんですね。僕の名はプロパくんです。」

プロパくん「あなたは豚猿によって殴られ、この世界に来たそうですね。」

プロパくん「これは大傑作ですね。」

才人「#######」

プロパくん「おっと失礼。では、本題に入ります。先程身体チェックを受けた結果、市民ではない事が分かったそうですね。」

プロパくん「よってあなたは生きる罪として、100万年の懲役を受けてもらいます。」

才人「ひゃ、100万年!?」

プロパくん「はい。この世界では生きる事は罪とされており、生物が生存できる環境ではない状態なのです。」

才人「つまりこの世界は荒廃しているという事か。」

プロパくん「そう言うことです。では、受理してください。」

才人「あ、ああ・・・。」

ヴィーン

プロパくん「よくできました!恭順的な態度を示す事は社会適合の第一歩です!」

プロパくん「では、アクセサリを提供します。」

才人「アクセサリ?」

プロパくん「この世界ではあなたの監視者でありよきパートナーでもあります。」

プロパくん「パノプティコンから咎人のために配給される「携帯端末」や「携行兵器」であると同時に「看守」でもある存在なのです。」

才人「なるほど。」

プロパくん「では、初期設定の申請を。」

才人「オーライ。」

ピコピコピコウィーン

プロパくん「初期設定申請が受理されました。以降はこのアクセサリの指示に従ってください。」

プロパくん「なお、アクセサリは共有財産であり、社会貢献をするための大切なパートナーです。命令を遵守し、大切に扱ってください。」

才人「分かった。」

プロパくん「さあ、我がパノプティコンの安寧の為に、今日もボランティアに勤しみましょう。レッツ貢献!」

ウィーン

才人「ふう・・・。とんでもない世界に来ちまったぜ・・・。」

コツコツ、ウィーン

才人「おっ、やっと来たか。」

ピコピコピコ

アクセサリ「スキャン対象者とユートペディア登録情報の一致を確認。」

アクセサリ「アクセサリのユーザー認証を完了しました。」

アクセサリ「私は協働汎用管理者、アクセサリ。あなたのパートナーです。どうぞよろしくお願いします。」

才人「あ、ああ・・・。よろしく頼む。」

アクセサリ「只今より、咎人の為の基本訓練プログラムを開始します。」

才人「どういう事だ?」

アクセサリ「あなたに課せられた刑罰は懲役100万年。懲役を終えるまで自由を得る事はできません。」

才人「先程から気になっていたが、ユートペディアってどういう事だ?」

アクセサリ「本パノプティコンの全ての情報を統合管理しているデータベースです。」

アクセサリ「あなたに関する全ての情報は、常に私の目を通じてユートペディアへ記録、更新され続けます。あなたが生きている限り。」

才人「うわ・・・。さすがにきついな・・・。まあ、先ほどプロパくんから聞いた通り、ただ存在しているだけの人間は生きる事は重罪だからな。」

アクセサリ「その通りです。」

才人「ところでパノプティコンってなんだ?」

アクセサリ「パノプティコンとは、人類史上最善最良のシステムで、人間の幸福を追求する都市国家です。」

アクセサリ「人間が生きていくために必要な諸資源は既に枯渇し、人類が存続するには圧倒的に不足しています。」

アクセサリ「この過酷な環境下で生きる為、人類がその叡智を結集して選択したのが、資源と技術を集約する事で、絶対的秩序の構築と徹底した安全保障、全体幸福の最大化とその適正な分配を現実にするパノプティコン型都市国家です。」

才人「なるほど。ここでは何も生み出せず、資源を消費するだけの人間は、その存在自体が罪となる訳か。」

アクセサリ「その通りです。それによって、あなたは自分の罪を贖わなければなりません。」

アクセサリ「贖罪がなされるまで、あなたに自由はありません。逃亡、自殺、労働拒否、横になっての睡眠、未来を語る事などは全て禁じられています。」

才人「となると、そうするしかないようだな。よし!パノプティコンの為にもやるとするか!」

アクセサリ「なら決定ですね。ようこそ、幸福の牢獄都市パノプティコンへ。」

第1話 異世界からの咎人 完

次回予告

異世界で咎人となった平賀才人。基本プログラムを終えた彼は初の任務に赴いた。

そこで彼が見た物は、最初に見たアブダクターその物だった!

才人はウーヴェ、新人の咎人マティアスと共に、そのアブダクターに立ち向かう。

果たして任務を成功する事ができるのか!?

次回、『初めてのボランティア』。咎人達よ、自由を求めて戦え!

第2話 初めてのボランティア

才人「なるほど。ボランティアという戦いに貢献するたびに、刑期が減るという事か。」

アクセサリ「その通りです。他に質問はありますか?」

才人「ああ。大丈夫だ。」

アクセサリ「そうですか。では、基本プログラムを行いますので、受理してください。」

ピコーンウィーン

アクセサリ「基本プログラムを受理しました。では、案内します。」

コツコツコツコツ

アクセサリ「着きました。ここが訓練場です。」

才人「へえ・・・。すごいところだな・・・・。」

才人「ところで気になっていたけど、手首に巻きつけてあるのは茨だよな?」

アクセサリ「はい。ですが、とても痛みはないので安全です。しかもその茨には特殊能力があります。」

才人「特殊能力?」

アクセサリ「今、あなたが身に着けている茨は捕縛性の能力を持っています。」

才人「つまり敵の身動きを封じたりすることができるのか。なかなかいいじゃないか。」

アクセサリ「あとドラッグダウンという攻撃もしやすくなるというメリットもあります。」

アクセサリ「それでは、訓練に移りますので、すぐに準備してください。」

才人「ああ。行くぜ!」

ダッ

才人「えーっと、武器は小剣と携帯銃か。やってみるとするか!」

ザシュ、バシュ、ドガガガガ

アクセサリ「見事な腕前ですね。それと同時にデビルバーストのルーンも光っているのが見えました。」

才人「ルーンが光っていたのか?」

アクセサリ「はい。この目で確認しました。」

才人「そうか。もしかするとこのルーンは、刻まれた者の身体能力を大幅に上げる能力も加わっているようだな。」

アクセサリ「そうかも知れませんね。では、訓練を終了したので、正規ボランティアを発行します。」

才人「次は実践か。早いな。」

アクセサリ「準備ができたら申請してください。」

才人「分かった。」

才人は正規ボランティアを申請した後、護送車の中に入った。
ウーヴェ「おっ。やっと外に出てきたか。」

マティアス「よう、ウーヴェ。こいつがさっき言ってたshazな奴か?」

才人「誰だ?」

ウーヴェ「お前と同じく咎人の新人だ。」

マティアス「お前、豚猿に殴られてこの世界に来たんだって?だっせえ。」

才人「」ムカッ

マティアス「あ、わりぃ。俺の名前はマティアスってんだ。ま、よろしくな。」

才人「マティアスか。俺は平賀才人だ。」

ウーヴェ「今から俺はお前達とボランティアに同行する。それと同時にお前達の教育指導を任されたんだ。改めてよろしく頼む。」

才人「ああ。」

マティアス「しかしPT上層部もこんなおっさんじゃなくて、綺麗なお姉さんをつけてくれればよかったのになあ。」

才人「もちろん俺もそう思うぜ。あの豚猿さえいなければな・・・。」

ウーヴェ「それはお互い様だ。まあ、他にも何人か優秀な奴はいる。無事に第2情報位階権限(コード)に上がれれば、その内会えるかもな。」

マティアス「今回の任務は市民(シヴィリアン)の奪還だ。奴等は俺達と違ってすっげー頭いい連中で、ここにあるもん全部作ってんだよ。」

才人「その分、敵PTに狙われやすいという事だな。」

ウーヴェ「そう言う事だ。ボランティアを始めるぞ。」

才人・マティアス「了解!」

放置市街区域1

ウーヴェ「あの中に市民がいる。サイトは持っている小剣で、溶断を中心に市民を救出してくれ。」

才人「分かった。」

マティアス「援護は俺達に任せてくれ。んじゃ、行くぜ!」

タタタタタ

ウーヴェ「来たぞ!小型アブダクターだ!」

マティアス「よっしゃ!行くぜ!」

ドゴーンドゴーン

才人「俺も負ける訳にはいかないな。行くぜ!」

カッ

ウーヴェ(あれはデビルバーストのルーン・・・。お手並み拝見といくか。)

ドゴーンドガーン

マティアス「すげえ・・・。一気に5つの小型アブダクターを倒しやがった・・・。」

ウーヴェ「なるほど。これがデビルバーストの力か。」

グオオオオオオ

ウーヴェ「どうやらアブダクターが来たようだな。サイト、茨で奴をドラッグダウンさせろ!」

才人「分かった!」ビュッ

ギリギリギリドスーン

ウーヴェ「よし!すぐに溶断を!」

才人「おう!!」

キュイイイイイイイイン

マティアス「おっ、もう少しだ!」

ガシャーン

才人「市民を救出したぞ!」

ウーヴェ「よし!すぐに市民護送機へ運べ!」

ドドドドド

マティアス「もう少しで護送機だ!無理するなよ!」

才人「そのくらい分かってる!」

スタッ

才人「よし!任務完了!」

マティアス「楽勝だぜ!」

ウーヴェ「よくやったな二人とも。」

才人「んじゃ、護送車に向かうとするか!」

ゾロゾロゾロゾロ

「ほう。あいつがデビルバーストの戦士か。奴と戦いたいところだが、しばらくは様子を見るとするか。」

ザッ

牢獄

アクセサリ「バイタルに極度の低下が見られます。」

才人「そうか。だったら休息を取らないとな。」

アクセサリ「分かりました。」

才人「だが、横になる権利は取得してないから、座りながら寝るしかないよな・・・。」

アクセサリ「その通りです。」

才人「んじゃ、お休み・・・。」

ギュイーン

才人「アリエス・・・。」

アリエス「また会えたネ。ボクが前に言った事、覚えてル?」

才人「もちろん覚えている。」

アリエス「ありがと、じゃあ話が早いネ。」

アリエス「きっともうすぐ『彼女』に会えるヨ。でも彼女は今、助けを必要としてル。」

才人「だったら早く見つけてあげないといけないな。」

アリエス「そうだネ。『彼女』は、『変革』に必要な存在だかラ。」

アリエス「じゃあ、またネ。」

ギュイーン

翌日

ウーヴェ「今回は武装したアブダクターの討伐だ。これまでとは戦い方も変わってくる。十分注意しろ。」

才人「アブダクターって天然物なのか?」

ウーヴェ「まあ、PTで作られる物は人工的だが、天然物は天罰が来る時に姿を現すだろう。」

ウーヴェ「あとアブダクターは戦場や目的に合わせて、武器の換装が可能だ。瞬時に特徴を判断しつつ、的確な戦術を導き出さないとな。」

マティアス「しかし、ボランティアってたりぃよな。早くのし上がって、楽な生活したいぜ。」

才人「俺もそのつもりだが、今はボランティアを続けるしかないからな。それしか道はないだろうし。」

マティアス「ま、まあ、言われてみればそうだよな・・・。んじゃ、行くとするか!」

才人「ああ!」

砂漠

ドゴーンドガーン

才人「よし!武装を全て溶断したぞ!」

マティアス「おっしゃ!ここからは俺のステージだ!」

ドガッ、バシュッ

ウーヴェ「おっ、いい動きだ。」

ズシーン

マティアス「おっし。物資回収っと。」

才人「集めた物はPTに貢献しないとな。」

マティアス「分かってるよ。刑期を増やすのだけは勘弁してほしいからな。」

才人「そうだな。でも、集めた物はいったい誰に渡せばいいんだ?」

ナタリア「そう言う事なら私が引き取ろう。」

才人「あっ、ナタリア!」

ウーヴェ「しかし、なぜこんなところに?」

ナタリア「まっ、敵がいないかの確認をしていたところだ。」

マティアス「マジかよ・・・。神出鬼没だな・・・。」

ナタリア「では、素材の方を。」

才人「ああ。」サッ

ナタリア「よろしい。護送機に戻れ。」

ゾロゾロ

才人「逆らったら後が怖いからな・・・。」

マティアス「俺もそう思うぜ・・・。」

護送機の中

才人(デビルバーストのルーンは戦う度に発動するみたいだな・・・。)

才人(休憩するたびにルーンの力が回復するが、ルーンの力を大幅に消費したら死ぬ可能性もある・・・。)

才人(あまり無理しない方がいいのだろうか・・・。)ギュッ

マティアス「・・・。」

次回予告

才人はマティアスと共に第2情報位階権限(コード)の試験を兼ねたボランティアに向かい始めた。

そこで2人が見た物は、市民を捕えている巨大なアブダクターの姿だった!

巨大アブダクターの猛攻に苦戦する中、デビルバーストのルーンが強烈に輝き始めた。

そしてそれと同時に、才人の体から闇の波動が発動し始めた・・・!

次回、『覚醒、デビルバースト!』。咎人達よ、自由を求めて戦え!

前回のあらすじ

異世界から来た才人は咎人となり、基本プログラムを受けて正規ボランティアに赴いた。

デビルバーストのルーンの力もあり、ボランティアは無事成功した。

だが、才人はデビルバーストのルーンに不安を感じていた。無理をしたら死んでしまうと・・・。

第3話 覚醒、デビルバースト!

才人「第2情報位階権限(コード)の試験?」

アクセサリ「はい。上層部からの命令ですぐに受けてくれと。」

才人「ああ。俺がデビルバーストの力で活躍していたからな。きっと多分その関係じゃ・・・。」

アクセサリ「確かにそうですね。」

才人「やっぱり。」

アクセサリ「で、どうしますか?」

才人「もちろん受けるに決まっているだろ。」

アクセサリ「では、申請してください。」

才人「へいへい。」ポチッ

ウィーン

マティアス「おぉ、お前も受けるのか?上位情報位階権限(コード)取得考試!」

才人「ああ。マティアスも?」

マティアス「当然!これくらいさっさと終わらせて、早く第2情報位階権限(コード)に上がろうぜ!」

才人「もちろんだ!」

マティアス「よっし!行くとするか!」

放置市街区域1

マティアス「そう言えばサイト。前の任務の帰り、何か考え事をしていたんだよな。」

才人「ああ。デビルバーストの事について考えていたんだ。」

マティアス「なるほど。噂には聞いたことがあるな。で、何か悩みでもあるのか?」

才人「うん・・・。デビルバーストのルーンは戦う度に発動するけど、その行為がルーンの力を減らせてしまうのが不安なんだ。」

マティアス「そう言う事か。その事についてなら心配ないぜ。」

才人「どういう事だ?」

マティアス「デビルバーストのルーンについて調べた事を思い出したんだ。デビルバーストのルーンが戦う度に発動する事は、ルーンの力が減る事に影響はないみたいだぜ。」

才人「そう言う事だったのか。とりあえずは助かったぜ・・・。」

マティアス「いいって事よ。」

ズシンズシン

マティアス「どうやらこの音・・・、来たようだな。」

才人「ああ。一気に倒しに行くぜ!!」ダッ

グオオオオオオ

才人「どうやらシールドジェネレーターが付いているようだな。」

マティアス「ああ。あれは銃弾などを防ぐ厄介な物だからな。すぐに溶断してくれ。」

才人「もちろんそのつもりだ!」ビュン

ギュイーン

才人「もう少しだ!」

パリーン

マティアス「おっしゃ!あと一つだ!」

才人「このまま一気に行くぞ!」ビュン

パリーン

才人「よし!残るは市民を救出するのみだ!」

グオオオオオオ

才人「な、何だ!?」

アクセサリ「敵の攻撃性が増大。注意してください。」

マティアス「ま、マジかよ・・・。」

ブンブン

マティアス「うおっ!攻撃してきやがった!」

才人「こうなったらドラッグダウンを仕掛けてやる!」

ガシッ

才人「な!?」

ビュン

才人「うげっ!」ドガッ

マティアス「な、なんという強さだ・・・。このままだとヤバいぜ・・・。」

ブンブン

マティアス「おっと!」ヒョイ

アクセサリ「サイトさん、大丈夫でしょうか?」

才人「あ、ああ・・・。俺はこんなところであきらめる訳にはいかないんだ・・・。」

アクセサリ「それでもまだやるのですか?」

才人「当たり前だ!仲間がピンチになっているのに、俺が倒れちゃ意味がない。俺は・・・、こんなところで倒れる訳にはいかないんだ!!」

ギュオオオオオ

アクセサリ「ルーンが光り出しました。」

マティアス「どうやら始まったようだな。デビルバーストの真の力が!!」

ルーンが光り出したと同時に、才人の体から闇の波動が発せられた。
才人「これがデビルバーストの真の力か・・・。行くぜ!」

ビュンビュン

マティアス「すげぇ!次々と攻撃をかわして、アブダクターの上に乗ったぞ!」

才人「そしてそのまま溶断してやる!」ギュオオオオオ

ガッシャーン

マティアス「おっしゃ!市民を救出したぜ!!」

才人「そのまま護送機に向かうぞ!」

マティアス「オーライ!援護は任せな!!」

ドドドドド

才人「ふう・・・。護送機に辿り着いたぜ・・・。」

マティアス「これで任務完了だな!」

シュウウウウウ

アクセサリ「ルーンの光が収まりました。それと同時に闇の波動も消えました。」

アクセサリ「ですが、ルーンの力が残り半分となりました。帰ったらすぐに休息をしてください。」

才人「そうだな。よし!帰るとするか!」

マティアス「ああ!」

独房

アクセサリ「市民(シヴィリアン)からあなたへの面会申請が提出、受理されています。これより面会を開始します。」

才人「ああ。」

ウィーン

才人「お、お前は・・・。」

「やあ、僕はユリアン・サダート#e。さっきは本当にありがとう。どうしてもお礼が言いたくて、会いに来たんだ。」

ユリアン「迷惑だったかな?」

才人「いや、構わないぜ。」

ユリアン「そうか。ありがとう。」

才人「ところでユリアンは何故お礼をしに来たんだ?」

ユリアン「さっきのボランティアで君達に助けてもらった市民だよ。」

ユリアン「あのまま別のPTに連れ去られていたら、二度と妻に会えなくなると思った。」

ユリアン「もしそうなっていたらと考えると、ぞっとするよ。」

才人「『ぞっとするよ。』って・・・、もしかしてユリアンの妻は恐ろしいのか!?」

ユリアン「そうかも知れないけど、実は家族思いのいい人だよ。」

才人「そ、そうか・・・。」ホッ

ユリアン「何かあったらいつでも僕に声を掛けてくれ。僕はよくモザイク街のザッカーにいるから。じゃ、また。」

ウィーン

その後、才人は第2情報位階権限(コード)取得試験をクリアし、第2階層へ上がった。
だがそれは、真の戦いへの序章にしか過ぎなかったのだ・・・。

次回予告

無事第2階層に上がった才人は、マティアスの案内でモザイク街に辿り着いた。

そこでウーヴェと出会った後、市民から依頼が受けられた。

依頼である任務を成功した才人達が宴会をしている途中、同じ咎人であるニーナからある提案を持ってきた。

それは、才人とマティアスの歓迎会を開く事だった・・・。

才人「次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト。『歓迎会と新たな誓い。』。」

咎人達よ、自由を求めて戦え!

前回のあらすじ

才人とマティアスは上位情報位階権限(コード)取得考試で、巨大アブダクターの猛攻に苦戦していた。

だが、才人がデビルバーストの真の力を発動したおかげで、巨大アブダクターから市民を救出する事に成功した。

そして2人は第2情報位階権限(コード)取得試験をクリアし、無事第2階層へ上がった。

それと同時に、真の戦いも動きだそうとしていたのだ・・・。

第4話 歓迎会と新たな誓い

ロウストリート

ウィーン

才人「おおっ!ここが独房の外の風景か。それにしてもすごいところだな・・・。」

マティアス「おっ。サイトも昇格したのか。」

才人「ああ。デビルバーストの力がなかったら、どうなるかと思ったぜ。」

マティアス「そうだな。そう言えば、お前はモザイク街に行った事がないのか?」

才人「ああ。確かユリアンが言ってたな。まだ一回も行った事がないしな・・・。」

マティアス「んじゃ、せっかくだから案内してやるぜ。着いてきな。」

才人「分かった。」

モザイク街

ウーヴェ「おっ、やっと来たか。サイトはここに来るのが初めてのようだな。」

才人「ああ。それにしてもすごい賑わいだな。」

マティアス「そりゃそうさ。なんせここは咎人や市民の憩いの場として有名だからな。PTからは認めていないけど。」

ウーヴェ「で、あっちの上にある方が武器などが買えるザッカー。下の方は飲食店のガソリンだ。覚えて置け。」

才人「へー。この世界ではそう呼ばれているのか・・・。」

ルイ「ちょっといいかい?」

才人「ん?」

ルイ「アンタ、ウーヴェだろ?ちょっと困ってる事があってね。ボランティアを出してもいいよ。」

ウーヴェ「こういうのは習うより慣れろだ。早速相談に乗ってやるといい。」

才人「あ、ああ・・・。」

ルイ「僕はウーヴェに用事があったんだけど・・・、ボランティアを受けてくれるなら別にいいよ。」

才人「で、どの様な内容だ?」

ルイ「最近、新市街の方でメガラニカPTがプラントを破壊しているんだ。」

ウーヴェ「ホウライPTの犬共か。」

才人「ホウライPT?」

ルイ「最強の咎人アーベル率いる最強PTさ。そのため規模自体は強大だが、個人個人の戦闘能力は低い。また、貢献以外のことを考えられなくするため服装の自由すら奪っており、咎人たち全員が同じ服装を強いられているんだ。」

ウーヴェ「奴等の侵略行為はアーベルだけが原因ではなく、上層部がタカ派のため積極的に攻めて来ていることによるそうだ。」

才人「だとしたら、黙っているわけにはいかないな。早速行くとするか!」

ルイ「おっ。いい心がけだね。じゃ、よろしく頼むよ。」

才人「ああ、任せておけ!」グッ

マティアス「サイトの奴、張り切ってるな・・・。んじゃ、俺も行くとするか!」

ウーヴェ「決定だな。すぐに行くぞ!」

放置市街区域1

ウーヴェ「今回の任務で救出する市民の数は3人だ。敵よりも早く救出するぞ。」

マティアス「おう!!」

才人「行くぜ!!」ダッ

ビュンビュンビュンビュン

才人「よし!一人目ゲット!」

ドガガガガ

才人「うおっ!撃ってきやがったか!」

マティアス「ここは俺に任せな!」ドガーン

ウーヴェ「よし!今のうちに市民を護送機へ!」

才人「おう!!」ダッ

ヴィーン

才人「残るはあと2人。本気(マジ)で行くぜ!!」

マティアス「もちろんだ!!」

ドゴーンドガーン

才人「残るはあと一人。敵はどうなっている?」

マティアス「まだ市民を奪っていない。どうやら俺達がリードしているぜ。」

才人「そうか。だったら・・・・、高速ダッシュで行くっきゃない!!」

ドギューン

マティアス「は、速いな・・・・。」

ヴィーン

才人「おっしゃ!任務完了!」

マティアス「やったなサイト!」

ウーヴェ「うむ。お見事だった。すぐに帰還するぞ!」

才人・マティアス「おう!!」

ガソリン

マティアス「ふう・・・。それにしても今回の任務は楽勝だったな。」

ウーヴェ「ああ。これもサイトのデビルバーストがあったからこそだ。」

才人「いや、俺は別に・・・。」

マティアス「何言ってんだよ。お前の力があったからこそ、この任務に成功する事ができたんだ。自分に自信を持ちな。」

才人「ありがとう。」

ニーナ「おっ、アンタ達が新人の咎人か。」

才人「あれ?あなたは?」

ニーナ「私はニーナ。アンタ達と同じ咎人さ。よろしくな。」

才人「ああ。こちらこそ。」

ニーナ「そうだ。いいこと思いついたんだけど、歓迎会をやるというのはどうだ?」

ウーヴェ「おっ。いい提案だな。」

ニーナ「なかなかみんなで集まれる機会も少ないからね。」

ウーヴェ「それに皆の結束力を深めるいい機会にもなるからな。俺の方で準備を進めておこう。」

マティアス「さてと、今日はこれでお開きにして、独房へ戻るとするか!」

才人「そうだな。」

翌日、ロウストリート

ドカッ

「きゃっ!」

「おっと。」

才人「いつつ・・・。」

「すみません、前を見てなくて!あの、大丈夫ですか?」

才人「な、なんとかね・・・。」ニガワライ

「そうか。なら大丈夫だな。」

才人「ところで、その子は?」

「ふふっ、可愛いだろ?私の自慢の妹なんだ。」

アン「兄さん、そう言うのは止めてって言ってるでしょ。」

「別にいいじゃないか。嘘はついてないだろ?」

才人「で、あなたは?」

ハル「ハルだ。独房から出てきたという事は、君も第2情報位階権限(コード)の人かな?」

才人「ああ。俺は平賀才人だ。」

ハル「サイトか。私達もここに来たばかりなんだ。同じ情報位階権限(コード)同士、仲良くしてくれるとありがたい。」

才人「兄妹で咎人になったのか?」

ハル「そんなに珍しい事じゃないよ。私達はこのPTで生まれ育ってきたからね。」

ハル「生まれた時から、二人ともこのPTの咎人だったと言う訳さ。」

才人「なるほどね・・・。おっと歓迎会でガソリンが開かれるんだったな。すぐに行かないと。」

ハル「そうだね。私達も急ごう。」

ガソリン

ウーヴェ「よう、来たな。」

才人「うわ・・・。すごい人たちだな。」

ウーヴェ「これから協力して戦う事になる仲間達だ。何人か来れなかった奴もいるが、まぁそのうち会えるだろう。」

ウーヴェ「初めて顔を合わせる奴もいるはずだ。しっかり挨拶しておけよ。」

才人「ああ。」

ウーヴェ「俺達咎人がPTの監視から逃れられるのは、このモザイク街の中だけだ。存分に楽しむといい。」

才人「分かった。ありがとう。」

ニーナ「おぅ、よく来たじゃないか!待ってたよ。」

才人「おっ、ニーナか。」

才人「歓迎会を開いてくれてありがとな。」

ニーナ「勘違いするんじゃないよ!ただあたしがバカ騒ぎしたかっただけさ。」

ニーナ「たまにはこうやって発散しないとねぇ。息苦しくて嫌になっちゃうよ。」

才人「その言葉には同感だな。」

ニーナ「まぁ、今日はあんたの歓迎会でもあるんだ。思いっきり発散するんだね!」

才人「んじゃ、遠慮なく発散するか!で、ここのお勧めは?」

ニーナ「そんなもん決まってるじゃないか!こうやって仲間同士でバカやれることだ。ざっくばらんにできるのはここくらいだからね。」

才人「なるほど。じゃあ、情報位階権限(コード)を上げる秘訣は?」

ニーナ「そんなの簡単じゃないか。強力な武器を大量に用意して、一気に攻撃する。それだけで大抵はなんとかなるのさ。」

才人「確かにそうだな。だが、それだけ資源も必要となるから、そこは自分で集めないとな。」

ニーナ「おっ、分かってるね。」

才人「へへん。まあな。」

アン「あっ、こんにちは!あなたも間に合ったみたいで良かったです。」

才人「おっ、アンか。楽しんでるかい?」

アン「はい、とっても!何よりもいろんな人にこうやって、お会いできたのがすごく嬉しいです!」

才人「それは良かった。」

アン「こうやって同じPTの咎人同士、分け隔てなく、PT貢献に協力していけるといいなぁって思っています。」

才人「俺も同じだ。」

アン「でもなぜか、PT貢献の話題になると、皆さん一気にテンションが下がってしまうんですよね・・・。」

才人「あれ?ハルは?」

アン「兄さんなら、ほら。」ユビサシ

アン「兄さん、また人工炭酸水に塩ナト入れて飲んでるんじゃ・・・。体に悪いから止めてってあれ程言ってるのに・・・。」

才人「何か飲む?」

アン「あ、いえ、私は大丈夫です。この後にボランティアが控えてますから。」

アン「こうやって消費させてもらった資源くらいは、自分で取り返さないといけませんもんね。」

才人「ふーん。しっかりしてるじゃないか。」

アン「いえいえ、そんな・・・。」

マリー「こ、こんにちは・・・。」

才人「ああ、初めまして。」

マリー「は、初めまして・・・。あの、ごめんなさい。こういうの、あまり慣れてなくて・・・。」

才人「そ、そうなのか・・・。」

マリー「はあぁ・・・、やっぱり来ない方が良かったのかなぁ・・・。友達・・・できるかなぁって思ったんだけど・・・。」

才人「だったら友達になるよ。」

マリー「えっ・・・?また、からかわないでくださいよ・・・。そんな冗談・・・笑えないですよ。」

才人「冗談なんかじゃない。本当の話だ。」

マリー「本当・・・ですか?」

才人「ああ。」

マリー「あ、ありがとうございます・・・へへっ、嬉しいな。ずっとひとりで寂しかったから・・・。」

マリー「私、マリーっていいます。若輩者ですけど・・・よろしくお願いしますね。」

才人「ああ。俺は平賀才人。で、楽しんでいる?」

マリー「ま、まだ・・・、あまり勝手が分からないですけど・・・、楽しもうと思います。」

セルジオ「貴様だな?異世界から来た咎人というのは?」

才人「はい。平賀才人です。」

セルジオ「おっ。いい心がけだ。ウーヴェと同じく新人の教育指導をしているセルジオだ。よろしくな。」

才人「よろしくお願いします。」

セルジオ「貴様の話はウーヴェから聞いてるよ。期待の新人だそうじゃないか。」

才人「いえ、そんなに大したことじゃないんですけど・・・。」

セルジオ「だが調子づくんじゃないぞ。大事なのはこれからだ!自らの才に溺れて地に堕ちるか、才を開花させて栄光の階段を登るか・・・。」

セルジオ「全ては貴様の意志の力にかかっている!それをゆめゆめ、忘れるんじゃないぞ。」

才人「はい!」

セルジオ「うむ。いい返事だ。あとウーヴェとは一緒に戦った事がある。仲間思いのいい奴だが、あまり気苦労をかけるなよ。」

マティアス「よっ。楽しんでいるかい?」

才人「ああ。楽しんでいるぜ。」

マティアス「まあ、とりあえずこれでも飲んでくれ。」

才人「おっ。コーラか。サンキュー。」

マティアス「いいって事よ。そうそう。ここではソフトクリームが有名なんだぜ。」

マティアス「俺はここのフレーバーをすべて制覇したからな。お前もやってみようぜ。」

才人「そうだな。挑戦するか!」

ハル「おっ、どうやら間に合ったみたいだね。」

才人「楽しんでいるかい?」

ハル「なんだか不思議な気分だよ。ただ集まって騒いでるだけなのにさ。自然と楽しい気持ちになるんだ。」

ハル「どんなに辛くても、また頑張ろうって思える・・・。そんな不思議な力がここにはあるんだと思うよ。」

才人「俺もそう思うぜ。で、何か飲んでるの?」

ハル「人工炭酸水に塩ナトを混ぜると、味が引き締まっておいしくなるんだよ。情報位階権限(コード)を上げればもっとおいしい物が飲めるそうだ。」

才人「へー。」

ハル「正直、私はこれさえあれば充分なんだよね。君も試してごらんよ。きっと病みつきになるよ。」

才人「そうだな・・・。試してみるとするか。」

カイ「よぅ・・・、また会ったな。」

才人「ああ。ここに飛ばされたときにボランティアにいた・・・。」

カイ「カイだ。よろしくな。」

才人「咎人になってどのくらい経つんだ?」

カイ「そうだな・・・。いろんな奴に会ったのは覚えてる。その分、ロストしていった奴も多く見てきたが・・・。」

才人「・・・。」

カイ「あぁ、悪い。しんみりさせてしまったな。まぁ、よろしく頼む。」

才人「ああ。よろしくな。」
その後、才人は独房に戻り、自らのルーンを眺めながら眠りに着いたのだった。

次回予告

マティアスから幽霊の話を聞いた才人は、彼と共に第2階層のセルガーデンに向かった。

だが、立ち入り禁止の為、なかなか入る事はできなかった。

2人はガソリンから出る途中、カルロスからいい情報を教えてもらい、再び向かい始めた。

するとそこには、ナタリアとアクセサリの集団が待ち構えていた・・・。

才人「次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト。『捕らわれの少女を救出せよ!』。」

咎人達よ、自由を求めて戦え!

前回のあらすじ

第2階層に上がった才人は、マティアスの案内でモザイク街に向かった。

モザイク街に辿り着いた途端、市民のルイから依頼を頼まれた。

その任務をクリアした才人達が宴会をしている中、同じ咎人であるニーナが歓迎会を提案した。

そして歓迎会が開かれ、才人は楽しみながら、新たな決意を胸に秘めた。

第5話 捕らわれの少女を救出せよ!

モザイク街

マティアス「おい、お前聞いたか!?出るんだってよ!?」

才人「何が?」

マティアス「幽霊だよ、ユ・ウ・レ・イ!第2階層のセルガーデンに、美女の幽霊が出るらしいぜ!超shazじゃねーか!」

ウーヴェ「さっきからずっとこんな調子なんだ。お前からも何か言ってやってくれないか?」

才人「その噂は本当なのか?」

マティアス「それを確かめに行くんだよ。しかもその正体を確かめれば、いい資源がもらえるらしいぞ。」

才人「そうだな。とりあえずは行くとするか。俺もその美女には興味あるし。」

マティアス「さっすが相棒!話の分かる奴だぜ!」

ウーヴェ「まっ、俺はガソリンでゆっくりしてるさ。そうそう、セルガーデンに行くには情報屋のエンツォに会いに行くといい。資源と引き換えに情報を手渡してくれるはずだ。」

才人「分かった。会いに行くとするか。」

ロウストリート

才人「ほい。資源だ。」

エンツォ「まいどあり!これがそのセルガーデン区画のパスコードだ。」

才人「サンキュ。」

エンツォ「セルガーデンは常に動き続ける変動区画だ。入口は、場合によっていろんな区画に繋がる。」

エンツォ「だが特定の区画に入るにはパスコードがいるんだ。」

エンツォ「このパスコードを持っていれば、入口をお前達が行きたがっている区画に繋げられるぜ。」

才人「分かった。感謝する。」

エンツォ「いいって事よ。」

セルガーデン入口

マティアス「よっしゃ!早速美女探しに向かおうぜ!」

ピピピピピ

アクセサリ「このセルガーデンへの立ち入りは一切禁じられています。」

マティアス「えっ!権利は解放したはずなのに、なんでだ?」

アクセサリ「これ以上警告を無視した場合は、安全保障局に通報します。」

才人「仕方がない。他の方法を探すか。」

マティアス「あ、ああ・・・。」

ガソリン

ウーヴェ「そのような事があったのか。必要以上に深入りしない方がいいだろうな。」

才人「どういう事だ?」

ウーヴェ「例の噂も、真実を探らせるためにフラタニティあたりがばら撒いた嘘かもしれん。」

才人「フラタニティ?」

ウーヴェ「ああ。フラタニティってのは、はぐれ者の集まりみたいなものだ。」

ウーヴェ「なんでもやる連中で、PTの監視の目をかいくぐって、裏ルートで武器や資源を取り扱っている。」

マティアス「ま、マジかよ・・・。」

ウーヴェ「とりあえず、美女の幽霊の事はすっぱりとあきらめるんだな。」

才人「あ、ああ・・・。」

ガソリンの外

マティアス「ハァ・・・。ウーヴェはああ言ったけど、絶対にあきらめる訳にはいかないからな・・・。」

才人「俺もそう思うけど・・・。」

カルロス「おいおい、ちょっと待てよ。」

才人「ん?」

カルロス「俺のメガネを何処に隠しやがったんだ?お前達がやったって事くらい、わかってんだぜ?」

才人「か、カルロス!」

カルロス「おっ、豚猿に殴られた少年か。」

才人「その話は勘弁してくれよ・・・。」

マティアス「知り合いなのか?」

才人「ああ。ウーヴェと共に任務に行ってた仲間さ。」

カルロス「そう言うこった。ここでいい情報だ。アクセサリを騙してセルガーデンに入る方法を教えてやるぜ。」

才人「何故そんな事を?」

カルロス「あんなバカでかい声で話してりゃ、聞いてくれって言ってるようなもんだぜ。」

カルロス「では本題だ。その方法についてだが、市民と仲良くなることだ。市民だったら誰だっていい。そいつにアクセサリを改造してもらうんだ。」

マティアス「アクセサリを改造!?そんなことして本当に大丈夫かよ!」

カルロス「大丈夫も何も、大抵の奴等はそうしてるぜ?まともに貢献活動なんて言ってるやつの気がしれねぇよ。」

才人「市民か・・・。そう言えばユリアンがいたな。確かザッカーにいるって。」

マティアス「ああ。確かボランティアで助けてもらった市民か。アイツに相談してみるのもありだな。」

才人「よし!ザッカーに行くとするか!」

マティアス「ああ!」

カルロス「俺はここのPTじゃないからな。まっ、頑張れよ。」

ザッカー

才人「ユリアン、久しぶりだな。」

ユリアン「おっ。君達か。いったい何の様だい?」

才人「実は・・・。」

事情説明中

ユリアン「なるほど。つまり君達は美女の幽霊の正体を暴くために、アクセサリから立ち入りを禁じられるセルガーデンに入りたいという事か。」

才人「ああ。」

ユリアン「わかった。君達には命を助けてもらった恩があるからね。引き受けるよ。」

マティアス「よっしゃ!やったな!」

ユリアン「ただし条件があるんだ。アクセサリの改造に必要な資源を集めて来てくれないかな?」

マティアス「お安い御用だぜ!行くぞ、相棒!」

才人「ああ!」

数分後

ユリアン「おっ、早いね。集めて来た素材は?」

才人「はい。」

ユリアン「よし!改造開始!」

改造中

ユリアン「お待たせ!新たに追加させた機能だけど、静かにさせるポーズを取れば、記憶改竄シーケンスが起動されるのさ。」

才人「つまり『お口にチャック』システムという事だな。」

マティアス「さすがユリアンだぜ!ありがとな!よし、早くさっきのセルガーデンに向かおうぜ!」

ロウストリート

コツコツ

才人「ん?セルガーデン入口前に誰かいるぞ?」

マティアス「あれってもしや・・・。」

才人・マティアス「ナタリア!!??」

ナタリア「ほう。お前達もセルガーデンに向かうのか。」

才人「そ、そうだけど・・・。」

ナタリア「丁度良かった。実は私もあの少女が気になってな。」

ナタリア「アクセサリ達と共に彼女を起こさせようとしたが、なかなか起きる事ができなくてな。」

才人「は、はあ・・・。」

ナタリア「そこでだ。お前の持っているデビルバーストの力を使えば、彼女を目覚めさせることが可能だ。やってくれるか?」

才人「別にいいですが・・・。」

ナタリア「なら話は早い。行くぞ!」

セルガーデン

才人「うわぁ・・・。セルガーデンの中ってこうなっていたのか。」

ナタリア「まあ、お前は異世界から来たから、見るのは初めてだろう。」

アクセサリ「目標地点に到達しました。」

ナタリア「よし。扉を開けろ。」

ウィーン
才人達が扉の中に入ると、そこには捕われの少女が眠っていた。

マティアス「これが・・・、捕らわれの美女・・・。すっげー・・・。」

ナタリア「サイト、デビルバーストを。」

才人「分かった。」

カッ

バリバリバリバリ

才人「よっし。救出完了。」

マティアス「うひょー・・・。すげぇ美人だな・・・。」

「あ、あなたは・・・。」

才人「俺は平賀才人。このPTの咎人だけど、異世界から来た。」

「サイトね。助けてくれてありがとう。私はベアトリーチェ。」

ギュオオオ

ナタリア「ん?なんだあの音は?」

ベアトリーチェ「このウィルオーエンジンの駆動音・・・。まさか、あの子の・・・。」

ナタリア「あの子?いったいどういう事だ?」

ベアトリーチェ「はい。実は・・・。」

ビービー

アクセサリ「天獄の兵達がこちらに向かっています。すぐに排除してください。」

ナタリア「くっ!こんな時に天罰が起こるとは!」

才人「天罰?」

ナタリア「天罰というのは、天獄の兵士達が地上に降りてきて、各PTに被害を与える事だ。」

才人「なるほど。確かあの子って言ってたよな。もしかして天獄に友人がいるのか?」

ベアトリーチェ「ううん。違うの。あの子と言うのは・・・、私の妹なの。」

才人・マティアス「い、妹!!??」

ナタリア「妹が天獄出身という事は、お前も天獄出身という事だな。」

ベアトリーチェ「はい。その通りです。」

ナタリア「分かった。他にもいろいろ聞きたいことがあるが、今は天罰をどうにかしなければならない。すぐに準備をしろ!」

才人・マティアス「了解!」

ロウストリート

ナタリア「この扉の奥にはウーヴェ達が戦っている。すぐに向かってくれ。」

才人「でも、ベアトリーチェは?」

ユリアン「それなら心配ないよ。僕とナタリアで保護しておくから。」

マティアス「ユリアン!いつの間にいたのかよ・・・。」

才人「なら安心だな。行くぞマティアス!」

マティアス「おう!そう来ないとな!」

タタタタタ

ユリアン「天獄勢力にデビルバーストの力が通用するのだろうか・・・。」

ナタリア「いや。彼なら通用するかもしれない。あきらめない心がある限りは・・・。」

バタン

マティアス「着いたぞ!今、ウーヴェとカルロスがコウシンと戦っている。」

才人「そう言う事か。だったら・・・、デビルバースト発動!」

カッ
才人がデビルバーストを発動した途端、左腕が変形し始め、怪物のような腕になってしまったのだ。

ウーヴェ「サイト!その腕はいったいどういう事だ!?」

才人「分からない。前はこんな能力はなかったのに・・・。」

カルロス「まっ、とりあえずはやってみたらどうだ?」

才人「それもそうだな。行くぜ!」ビュン

グオオオオオ

才人「オラッ!」ドゴッ

ズシン

マティアス「すっげー・・・。コウシンを気絶させちゃったよ・・・。」

才人「こいつはすごい能力だな。じゃあ・・・、レールガンモード!」

パアアア

マティアス「おお!今度は銃形態になった!!」

バシュバシュバシュ

ウーヴェ「しかも全て当たってるぞ!たいしたものだ!」

才人「よし!最後の一発、喰らいやがれ――――――!!」バシュッ

ドッカーン

才人「おっし!」ガッ

マティアス「すげーよ相棒!さすがだぜ!」

カルロス「あーあ。いいとこ持っていかれちゃったな。」

パアアア

才人「ふう・・・。やっと元の腕に戻ったぜ。それにしてもなんで変形したのだろうか・・・。」

カルロス「天獄の他の連中はほとんどそらに帰っていったみたいだな。」

ウーヴェ「俺が思っていたよりもずっと、お前達は成長していたらしい。よく戦ってくれた。助かったよ。」

マティアス「まあな。」

ウーヴェ「お前はよく戦ってくれた。それにしても、デビルバーストは身体を変形させる能力まで持っていたのか?」

才人「分からない。けど戦いが終わった後、元に戻る事は確かだ。」

ウーヴェ「そうか。今日は独房に戻ってしっかり休んでくれ。」

才人「ああ。」

独房

ヒュン

アリエス「ようやく一歩、『変革』に近づいタ。これからは彼女を失わないように注意する事ネ。」

アリエス「一歩間違えれば、世界が壊れてしまうことだって有り得るかも知れないかラ。」

才人「まあ、全ては俺次第という事だな。」

アリエス「そう言う事だネ。」

才人「あと一つ質問したいんだが、デビルバーストを発動した時、俺の腕が怪物のような腕に変化したのだが・・・。」

アリエス「なるほどネ。それはどうやらデビルバーストが進化している証拠だヨ。これから戦うにつれて、デビルバーストに新たな能力が刻み込まれるんダ。」

才人「デビルバーストにもいろんな力があるのか?」

アリエス「そウ。武器の能力を大幅に上げたり、戦闘不能になった仲間を回復したりする事だってできル。」

アリエス「最初はルーンの力で身体能力を上げるだけだったけど、君が闇の波動を発動したことによって、デビルバーストが進化し始めたんダ。」

才人「そう言う事だったのか・・・。それにしても便利な物だな・・・。」

アリエス「けど、これだけは言っておくよ。デビルバーストに過信しなイ。あまりルーンの力を大幅に消費しなイ。場合によっては死ぬ事もあるからネ。」

才人「ああ。気をつけておく。」

アリエス「それじゃ、頑張ってネ。」

ヒュン

翌日

プロパくん「サイトさん。おはようございます。今回の、あなたの第3情報位階権限(コード)取得考試の結果は・・・・。」

プロパくん「合格です!」

才人「ご、合格!?」

プロパくん「おめでとうございます!これでまたいっぱい貢献できますね!」

才人「お、おい。ちょっと待て。いきなり合格ってどういう事だ!?考試なんか受けてないぞ!」

プロパくん「あなたは先の天罰において、我がパノプティコン内へ侵入した天獄アブダクターを倒すという、見事な貢献を挙げました。」

プロパくん「低下層の社会不適合者にしては、いい働きでしたよ。」

才人「そ、そうだったのか・・・。」

プロパくん「この調子で貢献を続けてください。我がパノプティコンはあなたをいつも見ていますよ。」

プロパくん「それでは我がパノプティコンの繁栄のために、今日もボランティアに勤しみましょう。」

プロパくん「レッツ貢献!」

ウィーン

その後、才人は第3階層に上がった後、マティアス、ユリアン、ナタリアと出会った。

ナタリア「第3情報位階権限(コード)の昇格、よくやった。」

才人「ありがとう。で、ベアトリーチェは?」

ナタリア「彼女について調べてみたのだが、天罰によって登録情報がいくつか消滅していた。」

ナタリア「結局、彼女は咎人として登録しておく事にしたからな。」

才人「そうだったんだ・・・。」

ベアトリーチェ「あ、あの・・・、さっきは助けてくれてありがとう・・・。」

才人「おっ、ベアトリーチェか。なかなかいい服装じゃないか。」

ベアトリーチェ「いい服装だなんて・・・、そんな・・・。」

ベアトリーチェ「/////」カアアアア

ユリアン「あっ、赤くなった。」

ナタリア「ここでは恋愛禁止だぞ。」

ベアトリーチェ「は、はい!」ビシッ

才人「でも、ベアトリーチェは何故ここに来たんだ?」

ベアトリーチェ「父さんを探すためにここに来ました。」

ナタリア「お前の父親がこのPTにいるのか?」

ベアトリーチェ「はい。私の両親は天獄の中でも穏健派で、地上からの収奪にはずっと反対していたの。」

ナタリア「そのおかげで、何度か怖い目に遭ったりもしていたそうだな。」

ベアトリーチェ「そして母さんは亡くなって、そのすぐ後の11年前には、父さんは天獄を出て地上に降りたの。」

ベアトリーチェ「私達には何も言わずに。本当に突然の事だった・・・。」

才人「そうなるといろいろ噂が出ていただろうな。妻を亡くしておかしくなったりとかさ。」

ベアトリーチェ「うん・・・。それからいろいろあったけど、父さんが降りたのがこのあたりだってことが最近分かって、それで私も降りてきたんだ。」

ナタリア「で、結局捕まってしまい、閉じ込められたという事だな。」

才人「でも、なんで閉じ込められていたんだ?」

ベアトリーチェ「それが私にもよくわからないの。研究者みたいな人達に、ずっと体を調べられていた。」

ユリアン「それは妙だね。ここだけの話、結構いるんだよ。天獄から来た人って。」

ナタリア「その情報は確かなのか?」

ユリアン「うん。だから天獄の人の体をあえて今調べるには、きっと何か理由があるはずさ。」

ナタリア「なるほど。まあ、とりあえずこのくらいにしておこう。復興ボランティアが発行されたからな。」

才人「そうだな。よし、行くとするか!」

マティアス「けど、ベアトリーチェは大丈夫なのか?」

ベアトリーチェ「大丈夫。向こうにいた頃に、戦闘訓練は受けた事があるから。」

才人「なら大丈夫だな。早速行こうぜ!」

タタタタタ

ナタリア「ユリアン。お前はベアトリーチェとデビルバーストについて調べてくれ。私も出来る限りの援助をする。」

ユリアン「了解!」

タタタタタ

ナタリア(マティアスから聞いた話によれば、サイトの腕が怪物の腕に変化したという事だったな。)

ナタリア(今までデビルバーストのルーンが刻まれている人たちを見たが、アイツみたいな人は誰一人いなかった。)

ナタリア(サイト・ヒラガ。異世界から来たという事は確かだが、お前はいったい何者なんだろうか・・・。)

アクセサリ「ナタリア様、咎人達にボランティアの伝達を。」

ナタリア「そうだったな。すぐに行くとしよう。」

コツコツ

ナタリア(今は考えても仕方がない。自分からできる事をやっておかないとな。)

次回予告

ベアトリーチェとの任務を終えた後、彼女をモザイク街へと案内した才人達。

それが終わった直後、カルロスから依頼を受けられた。

その依頼を受けた才人とベアトリーチェは中に入った後、とあるデータを見つけた。

そのデータを見てみると、驚くべき事実が記されてあった・・・。

才人「次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト。『セルガーデンでの隠された事実』。」

マティアス「咎人達よ、自由を求めて戦え!」

才人「って、お前も咎人だろ!」

前回のあらすじ

マティアスから幽霊の話を聞いた才人は、彼と共に第2階層のセルガーデンに向かったが、立ち入り禁止の為、なかなか入る事はできなかった。

どうするか迷っていたその時、カルロスからいい情報を教えてもらい、再び向かい始めた。

セルガーデンの入口でナタリアと合流した後、中に入って捕らわれの美女を救出する事に成功した。

ところがその直後に天罰が発生し、天獄の軍団が東京PTに襲い掛かってきた!

新しく力を手に入れた才人の協力もあって撃退する事に成功したが、才人はデビルバーストの力に不安を感じていた。

だがアリエスと話した事で自信を取り戻し、マティアスと救出された少女、ベアトリーチェと共に復興ボランティアに向かい始めたのだった。

第6話 セルガーデンでの隠された事実

護送車の中

ベアトリーチェ「これからボランティアが始まるのね・・・。」

才人「大丈夫か?」

ベアトリーチェ「フフッ。優しいんだね。大丈夫だよ。少し緊張してるだけだから。」

才人「ベアトリーチェの趣味は?」

ベアトリーチェ「少し前までエンジニアとして働いていたの。アブダクター関係をメインに携わっていたんだけどね。ウィルオー技術を扱う物なら何でも好きなの。」

ベアトリーチェ「アクセサリにウィルオー技術が転用されてるって知った時は、本当に驚いたよ。」

才人「知らなかったな。アクセサリにもウィルオー技術が転用されていたなんて。」

マティアス「俺も同じさ。よし、行くとするか!」

砂漠

才人「こいつが汎用四脚か。一気に行くぞ!」

パアアア

ベアトリーチェ「サイトの腕が変化した!?」

マティアス「ああ。彼はデビルバーストのルーンを刻んでいるからな。身体強化だけじゃなく、闇の力も持っている。」

マティアス「俺もこういう力があったら楽に戦えるんだけどな・・・。」

ベアトリーチェ「私は遠慮するよ・・・。」

ドガッボガッ

マティアス「よし!そのまま一気に片づけようぜ!」

才人「おう!」

ドガガガガ

才人「これで終わりだ!メガトンナックル!」ドガッ

ズドーン

才人「よっしゃ!任務完了!」

マティアス「やったな、相棒!」

ベアトリーチェ「・・・戦いのない世界で、君達の活躍が見られるようになるといいね。」

才人「ベアトリーチェ・・・。」

マティアス「そうだな。そう言えば才人の世界でも戦いが続いているのか?」

才人「ああ。中東やアフリカで起こっているけど、俺の故郷では平和だからな。」

ベアトリーチェ「じゃあ、君の故郷にアブダクターを投入してもらおうかな?」

才人「そんな事したら大パニックになるだろ!」

ベアトリーチェ「冗談よ。冗談。」

才人「ハァ・・・。」

独房

ウィーン

才人「ナタリア。」

ナタリア「デビルバーストのルーンについて分かったことがある。これを見てくれ。」

才人「デビルバーストのルーンがたくさん載っている!あれ?俺のルーンの絵がないぞ?」

ナタリア「そうだ。発見されたルーンはそれぞれ一つの能力を持っていた。蘇生・回復能力、身体強化、背中に翼が生える能力などがある。」

ナタリア「だが、お前のルーンはそれ等のルーンの全能力を持っている。このようなルーンは今まで発見されていなかったからな。」

才人「そうだったのか。ところで、ホウライPTにもデビルバーストのルーンを刻んでいる者がいたのか?」

ナタリア「ああ。そのうち会えば分るだろう。失礼する。」

ウィーン

才人「ホウライPTか・・・。いずれは戦う宿命かもな・・・。」

ロウストリート

ハル「やあ、君も昇格していたんだね。おめでとう。」

才人「あ、ああ。」

ハル「過去の分析から、咎人のロスト率は昇格直後が一番高いらしいんだ。お互い、気を引き締めていかないとね。」

アン「兄さんは人一倍気を引き締めないとね。予想外の事が起きるとすぐにテンパるんだから。」

ハル「心配するな、それも想定の内さ。」

才人「ということは、2人も合格したのか?」

アン「はい!・・・といっても、上位情報位階権限(コード)に合格したばかりですけど。」

ハル「まったく困ったもんだよ。いくらアンが可愛いからって、よってたかってアンばかり標的にするなんてね。」

アン「兄さん、だからあれはそういう作戦で――――――。」

ハル「だから言ってやったんだよ。『狙うならこの私を狙え!』ってね。あの時の全員から狙われる感じ・・・何とも言えなかったよ。」

才人「結構妹思いだな・・・。」

アン「それだけ苦労しているんですよ・・・。」

コツコツ

ベアトリーチェ「あの・・・、聞きたいことがあるんだけど・・・?」

才人「ん?」

ベアトリーチェ「チェーザレって名前、聞いた事ないかな?」

才人「チェーザレか・・・。あまり聞いたことないが・・・、何か関係あるのか?」

ベアトリーチェ「うん。父さんの名前なの。」

ナタリア「なるほど。それがお前の父親の名前か。」

才人「うおっ!いつの間に!」

ナタリア「新たなボランティアが追加された。参加してくれ。」

才人「分かった。ベアトリーチェ、行くぞ!」

ベアトリーチェ「うん!」

タタタタタ

ナタリア(これはユリアンに調べてもらう必要があるな。)

ジオフロント4

才人「今回は市民の奪還だ。気を引き締めていくぞ!」

マティアス「オーライ!」

ビュンビュン

ベアトリーチェ「いた!あの中に市民がいる!」

才人「よし!ここは溶断モードだ!」

ギュオオオ

マティアス「おお!左手が溶断ナイフになった!」

才人「うおおおおおお!!」ギュイーン

パリーン

ベアトリーチェ「救出完了!」

才人「このまま一気に行くぜ!」

ヒュンヒュンヒュンヒュン

才人「そしてそのまま・・・オラァ!」バキッ

ドッカーン

才人「俺達は敵を倒しに行く。ベアトリーチェは救出を!」

ベアトリーチェ「了解!」ダッ

ドゴーンドガーン

ベアトリーチェ(皆が頑張っている・・・。私もしっかりしないと!)

ウィーン

ベアトリーチェ「全員を救出したよ!」

才人「よし!帰還するぞ!」

ロウストリート

ウーヴェ「なるほど。この子が美女の幽霊の正体か。」

ベアトリーチェ「はい。ベアトリーチェです。」

ウーヴェ「俺はウーヴェ。隣にいるのがカルロスだ。分からない事があったら気楽に聞いてくれ。」

ウーヴェ「それと、そうかしこまるな。余計な気苦労は市民や中央の連中だけで充分だからな。」

才人「復興の様子は?」

ウーヴェ「まだまだこれからだな。天罰が来る度にこんな調子だ。」

カルロス「そんな事よりもよ。俺はそっちの女の方が気になってるんだよな。」

カルロス「そいつ、セルガーデンに監禁されてたんだろ?やたら厳重な監視までつけられてよ。」

カルロス「一見大人しそうな顔をしているが、本当はどんな極悪人なんだ?」

ベアトリーチェ「そんな、極悪人だなんて・・・、私はただ・・・。」

才人「いや、無理に言う必要はないと思うが・・・。」

ベアトリーチェ「こういう事は、自分から伝えた方がいいと思うから。」

才人「そ、そうか。」

ベアトリーチェ「私・・・実は天獄を抜けて来たんです。」

ウーヴェ「ほう・・・。なるほど、そう言う事か。」

カルロス「それで?」

才人「へ?なぜ驚かないんだ?」

カルロス「元天兵の連中なんて、そこ等中にいるんだよ。誰がそうとは、分からない連中ばっかりだけどな。」

マティアス「なるほど・・・。」

ウーヴェ「まぁ、そう言う事だ。わざわざ素性を明かす奴は珍しいからな。」

カルロス「体制側も監視するもんが膨大すぎて、いちいち見てらんねえって事だ。アクセサリだけで分かることなんてたかが知れてるしな。」

ベアトリーチェ「私、父さんを探すために来たんです。このPTのあたりに降りたという情報があって。」

ウーヴェ「それで降りてきて調べたら捕まったと言う訳か。で、親父さんの名前は?」

ベアトリ―チェ「チェーザレと言うんですけど、ご存知ありませんか?」

ウーヴェ「聞いたことがないな。」

カルロス「俺もだ。興味のねぇ事は忘れちまう性格だからな。」

ベアトリーチェ「そうですか・・・。」

才人「だったら手伝うぜ。出来る限りの事は協力するよ。」

マティアス「そうだな。俺も手伝うぜ!」

ウーヴェ「こっちでも少し調べておこう。何人か過去の情報に詳しい奴をしっているからな。」

カルロス「ま、気が向いたらな。」

ベアトリーチェ「よろしくお願いします!」

独房

アリエス「チェーザレねェ・・・。聞いたことがある名前・・・。」

才人「知ってるのか!?」

アリエス「彼は『変革』を目指して、そしテ・・・。」

才人「」ゴクリ

アリエス「まァ、キミの頑張り次第では、いつ会えるかも知れないネ。」

才人「」ガクッ

アリエス「そうそウ。あとベアトリーチェという彼女にもあったかラ。明日、話しかけてごらン?」

才人「べ、ベアトリーチェと会ったのか!?」

アリエス「まあネ。じゃ、この辺デ。」

ギュン

翌日、ロウストリート

才人「ベアトリーチェ、モザイク街に案内して欲しいのかい?」

ベアトリーチェ「うん。私、まだまだ分からないことだらけだから。今のうちから少しでも勉強しておきたいなって思って。」

ウーヴェ「その心意気を褒めてやりたいところだが、すまんな。新しいボランティアが発行された。」

マティアス「ウーヴェ!」

ルイ「久しぶりだね。新しいボランティアを持ってきてあげたよ。」

才人「今度のボランティアは?」

ルイ「偵察部隊の撃退だ。ホウライ勢力の動きが活発になっている。」

マティアス「天罰被害に乗じて、こちらを攻め落とすという事か。」

才人「だったら黙っちゃいられないな。すぐに行くとするか!」

ルイ「んじゃ、頼んだよ。」

マティアス「任せときな!」グッ

護送車の中

才人「前から気になったけど、なんでPT同士でいつも争っているんだ?」

マティアス「そりゃ生きてくためさ。俺達が生きるには、資源が必要なんだ。だけど今の地上には限られた資源しか残っていない。だから奪い合いになるんだ。」

ベアトリーチェ「そっか。でも私は戦い以外で機械達が活躍するのが見たいな・・・。」

才人「俺の世界では戦い以外で機械が活躍しているぜ。」

ベアトリーチェ「本当!?私、あなたの世界に行ってみたいな。」

マティアス「俺もだぜ。平和な世界に行ってみたいからな。」

才人「ああ。俺も早くあそこに戻りたいぜ。皆も心配しているからな。」

マティアス「なぁ。前から気になったけど、サイトは何の為に戦っているんだ?」

才人「目的は2つある。仲間を守る事と、元の世界へ帰る事だ。」

ベアトリーチェ「サイトは異世界から来たんだったよね。あなたの世界では待っている人がいるの?」

才人「ああ、両親やクラスの皆さ。けど、体育の先生だけは勘弁してほしいな・・・。」

マティアス「相棒も苦手な奴がいるんだな。よし!ボランティアに行くとするか!」

ジオフロント3

偵察兵A「あいつがデビルバーストの少年か。」

偵察兵B「ああ。アイツを倒せば俺達は・・・、グヒヒヒヒ・・・。」

偵察兵達「くたばれえええええええ!!」

ドカバキボカスカドカ

才人「ったく、少しは相手を考えるんだな。」

マティアス「話にも何にもならなかったな。」

ベアトリーチェ「んじゃ、戻りましょう。」

偵察兵達「」チーン

モザイク街

マティアス「よし!やっとそろったし、案内するか!」

ベアトリーチェ「フフッ。なんかこういうのって、何だかワクワクするね。」

マティアス「とりあえず順繰りに紹介してあげよう。まずは俺の行きつけ、ガソリンからだ!」

ガソリン

マティアス「ここが憩いのオアシス、ガソリンだ。ここの飯がまた最高に美味くて―――――。」

ジロー「おう、新入りか?咎人にしちゃ、やけにキレイな顔してるじゃないか。」

ベアトリーチェ「ベアトリーチェです。よろしくお願いします。」ペコリ

ジロー「こいつはたまげた!まともに挨拶までできるたぁな!気に入ったぜ!」

才人「えーと、ここのオススメは?」

ジロー「そりゃあオメェ、俺が丹精こめて作ったソフトクリームに決まってんだろうが!」

ベアトリーチェ「ソフトクリームですか?」

ジロー「新人祝いで今度タダで食わせてやるよ!楽しみにしてな!」

才人「じゃあ、ここのモットーは?」

ジロー「そりゃあオメェ、心のこもった手厚いサービスを惜しまねぇ事だろうが!」

ジロー「ここにはいろんな悩みを抱えた奴等が大勢集まって来る。そんな奴等の背中をバシッと叩いてやるのが俺の役目だ。」

ジロー「オメェも何か辛い事があったらここに来な!いつでもぶん殴ってやるからよ!」

ベアトリーチェ「は、はい!楽しみにしています!」

ザッカー

マティアス「ここはザッカーだ。装備品に関してはここに来れば大抵あるぜ。店主のおっちゃんが怖いのだけが難点だけど・・・。」

ゲラーシー「聞こえてるぞマティアス!テメェ、とんだご挨拶じゃねぇか!」

ベアトリーチェ「あ、あの・・・よ、よろしくお願いします・・・。」

ゲラーシー「おぅ、よろしくな!けど、可愛いからってサービスするつもりはねぇからな!」

才人「お勧めは?」

ゲラーシー「この店に置いてある商品全部だ!オススメできねぇ商品を誰が置くかよ!」

ベアトリーチェ「職人魂というやつですね!よーく分かります!」

ゲラーシー「おぉ!よく分かってるじゃねーか!咎人にしとくには勿体ねーぜ!」

才人「じゃあ、モットーは?」

ゲラーシー「上質な武器や携行品を提供する事だ!これからもザッカーをごひいきに頼んだぜ!」

モザイク街

マティアス「まぁ、モザイク街についてはこんな感じだな。」

ベアトリーチェ「ありがとう!おかげで色々と勉強になったよ。」

カルロス「おい、お前等。モザイク街案内もいいが、一箇所忘れてる場所があるんじゃないか?」

才人「もしかしてセルガーデンの事?」

カルロス「正解だ。実はセルガーデンは怖い場所だけじゃないんだぜ。」

カルロス「資源が落ちてることもあるし、区画によってはPTの監視の目を逃れる事もできる。廃棄されたアクセサリやアブダクターがある場所だって―――――。」

ガシッ

ベアトリーチェ「興味あります。」

カルロス「だろ?」

ズンガラガッシャーン←才人とマティアスがずっこけた音

才人「機械には目がないんだよな・・・。」

マティアス「ああ・・・。」

カルロス「では本題に入ろう。実はセルガーデン絡みでいい情報がある。」

才人「どんな情報だ?」

カルロス「実はセルガーデン絡みで呼んで来て欲しい人がいるんだ。ダンさんっていう爺さんなんだがな。」

才人「その爺さんがセルガーデンの中にいるという事か。面白そうだし行くとするか!」

カルロス「よし。それでこそ俺のみ込んだ男だ。頼んだぜ。」

才人「ああ、任せてくれ!」

第3階層セルガーデン

ガコン

才人「ついた!けど、ダンさんはいないようだな。」

ベアトリーチェ「でも何かあるよ?」

才人「本当だ。どれどれ?」

ピコピコピコピコ

ベアトリーチェ「何が記されているの?」

才人「ああ。『大消失』というキーワードがあった。詳しく見てみよう。」

ピッ

才人「12年前、ニライカナイというPTで、7分13秒間に350万人がロストする事件が発生した・・・。」

ベアトリーチェ「その事件が『大消失』って呼ばれてるみたい・・・。一体何があったんだろう?」

才人「天罰とは違うのか?」

ベアトリーチェ「うん。天罰じゃない。そもそも天罰の目的は人間を収穫する事なの。」

才人「PT同士が市民を奪い合ってるのと同じだな。人間は天獄にとっても必要なのか?」

ベアトリーチェ「まあね。父さんも母さんも私も、地上からの収奪には反対していたんだけど・・・。」

ベアトリーチェ「とにかく天獄は、こんなにたくさんの人達を天獄へ連れて行かずに、ロストさせたりはしない。」

才人「つまり天獄が起こしたのではないという事か・・・。とりあえずはカルロスのところに戻るとしよう。」

ベアトリーチェ「ええ。」

ガソリン

才人「ごめん。見つからなくて。」

カルロス「気にするな。あの爺さんはどっか別のセルガーデンをうろついてるんだろう。」

才人「ダンさんはセルガーデンで何を?」

カルロス「ああ。あの爺さん、『大消失』で家族を亡くしたらしくってな。あちこちのセルガーデンに潜っては、事件の真相を探ってるんだ。」

カルロス「俺も『大消失』にはちょっと興味があるんだよ。実際何があったのか、気になるだろ?」

才人「確かにそうだけど、いなかったのなら仕方がないよな。」

カルロス「そうだな。とりあえずは独房に戻って、しっかり休みな。」

才人「あ、ああ。」

独房

アリエス「へェ・・・。『大消失』ネ。」

アリエス「あそこで起こったコトは、これからのキミの戦いに大きく関わってくることになるヨ。」

才人「それについては気になるな。」

アリエス「そうだよネ。このコトについてはいずれ分かるヨ。そのうちネ・・・。」

ギュン

才人「『大消失』が俺の戦いに大きく関わるという事か・・・。当分元の世界には帰れないかもな・・・。」

次回予告

才人がモザイク街に辿り着くと、マティアスからビッグニュースが伝えられた。

それはモザイク街に見慣れない美女が目撃された事だった。

その真相を探るため、3人は事情聴取をしたが、まったく成果は得られなかった。

だがナタリアから発行されたボランティアの後、謎の美女が不良たちに絡まれてるのを目撃した・・・。

才人「次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト。『謎の美女を探せ!』。」

ベアトリーチェ「咎人達よ、自由を求めて戦え!」

才人「ベアトリーチェも咎人だろ・・・。まぁ、いいけど・・・。」

前回のあらすじ

才人は様々なボランティアを次々とクリアした後、ベアトリーチェをモザイク街へと案内した。

彼女を案内させた後、カルロスからセルガーデンにいるダン爺さんを探して欲しいと頼まれた。

才人とベアトリーチェはセルガーデンの中に入ったが、ダン爺さんを見つけることはできなかった。

その代り、コンピューターのデータに『大消失』というキーワードを見つけたのだ。

そしてその出来事は、才人を新たな戦いへと導きだそうとしていた・・・。

第7話 謎の美女を探せ!

モザイク街

才人「モザイク街で見慣れない美女?」

マティアス「ああ。しかも幽霊なんかじゃない、正真正銘の美女なんだぜ!」

ベアトリーチェ「マティアスって、ものすごーく女好き・・・?」

マティアス「バ、バカ!も、もしかしたら新しく入って来た咎人かも知れないじゃんか!」

マティアス「だったらさ、俺達で手厚く歓迎しようと思ってよ!」

ベアトリーチェ「なるほど。私も皆にはお世話になったし、本当に新人の女の子なら今度は私が歓迎してあげないとね。」

才人「そうだな。」

ベアトリーチェ「どんな子かな?機械好きの子だったらいいな~モフュフュ・・・。」

マティアス「と、ともかく、まずは聞き込み調査だ。ウーヴェに話を聞いてみよう。」

才人「その事を彼に話してみたけど、フラタニティの連中が血眼になって探しているって。」

ベアトリーチェ「関係あるかどうかは分からないね。」

マティアス「そうだな。んじゃ、手分けして事情聴取するか!」

才人達は3手に別れて事情聴取をしたが、まったく成果は得られなかった。

マティアス「ハァ・・・。やっぱりそう簡単には見つからないよな。」

才人「仕方がない。ボランティアを受けるとするか。」

ナタリア「丁度いい。新しいボランティアを発行した処だ。」

才人「ナタリア。今回もホウライ勢力が関係してあるのか?」

ナタリア「ああ。今回の任務はアガルタPT勢力から市民を護衛する事だ。」

ベアトリーチェ「今までは市民奪還や排除だったけど、今回は意外ですね。」

ナタリア「お前等にとってはそうかも知れないな。すぐに申請してくれ。」

才人「分かった。」

放置市街区域1

才人「うひゃあー・・・。アブダクターの中に市民が入ってる・・・。」

ベアトリーチェ「きゃー、カワイイ!」

マティアス「どこがだよ・・・。」

アクセサリ「今回の目的は友軍アブダクターの護衛です。ビーコンを使用して誘導してください。」

才人「分かった。行くぜ!」

ビュンビュンビュンビュン

マティアス「敵は俺達に任せろ!サイトは誘導を!」

才人「分かった!ほーれ、こっちだこっち!」

ズンズンズンズン

マティアス「おっ!なかなかやるじゃねえか!」

ウーヴェ「残りはあと少し。気を引き締めていって来い!」

ズンズンズンズン

才人「もう少しだ・・・。もう少し・・・。」

ズシン

才人「おっしゃ!クリアしたぞ!」

マティアス「やったぜ!」

アクセサリ「ナタリアから連絡が入りました。」

ナタリア『聞こえるかサイト?お前のデビルバーストに新たな能力が追加された。帰ったらすぐに私のところに来てくれ。』

才人「分かった。」

ベアトリーチェ「どんな能力なんだろうね?」

才人「うーん・・・。とりあえずは報告を待つのみだな。」

マティアス「終わったらロウストリートで合流しようぜ!」

才人「ああ!」

それから数時間後―――

マティアス「そうか。仲間をパワーアップさせる能力が追加されたのか。」

ベアトリーチェ「次から受けるボランティアが少し楽になるね。」

才人「ああ。だがルーンの力が減少するかもしれないからな。その辺は気をつけないと。」

マティアス「それもそうだな。よっし!謎の美女を探しに行くとするか!」

ベアトリーチェ「私は市民から頼まれたボランティアに向かうから、後でガソリンに顔を出すね。」

才人「分かった。早速行くとするか!」

マティアス「おう!!」

モザイク街

マティアス「さーてと、謎の美女は・・・。」

フラタニティA「おい、お嬢さん!」

マティアス「ん?」

フラタニティB「あんた、何処から来たんだ?」

フラタニティC「何が目的だ?」

マティアス「待った待った!スト――――プ!」ドン

フラタニティA「何だ、貴様は!?」

マティアス「まあまあ、喧嘩は良くないよぉ?ほら、ここは自由と博愛の町、モザイク街・・・。」

ドシッ

マティアス「うげ!」

ドカバキボカスカ

才人「オイィィィィ!!いきなり暴力を振りかざしてどうするんだよ!」

マティアス「こうなるとヤバいぜ・・・。逃げるぞ!」ダッ

才人「お、おい!待ってくれよ!」ダッ

ガソリン

マティアス「ハァ・・・。どうすんだ、アレ・・・。」

マティアス「アンタ、今のうちに逃げた方がいいんじゃないの?」

マティアス「つーかよ、人が話しているのにフードぐらい取れよなー。」

マティアス「アンタ、親からどんな教育受けてきたわけー?」

バサッ

マティアス「うわっ、かわいい・・・。」グラッ

才人「マティアス、危ない!」

マティアス「おわっ!」ズシャッ

才人「あちゃー・・・。」

マティアス「まあ、それは置いといて・・・アンタ、いったい何者?何しにここに来たわけ?」

シルヴィア「・・・。」

マティアス「ハァ・・・、女の子の沈黙って超辛いわ・・・。」

サッ

マティアス「ん?」

才人「とりあえずはこれを食べなよ。」

マティアス「お、おい、相棒。今は違うだろ・・・。」

ペロペロ

シルヴィア「ありがとう・・・。」

マティアス「お前、なかなかやるな・・・。」

才人「まあな。」

才人「で、君の名前は?」

シルヴィア「シルヴィア。人探しでここに来たの。」

才人「その人がここにいるのか?」

シルヴィア「教えてもらったから・・・。」

エイブラム「この女、ようやく見つけたぜ!」

才人「な、何だ!?」

エイブラム「随分と仲間を可愛がってくれたそうじゃねぇか。この落とし前、どうしてくれるんだ、ああ?」

才人「おい!いい加減に彼女をいじめるのは止めろよ!」

エイブラム「んだテメェ、いい度胸してるじゃねぇか!」

エイブラム「てめぇら第3情報位階権限(コード)かぁ?それにしちゃあ、良いモンもってるじゃねぇか!」

エイブラム「そーだなぁー。面倒なシマをブンどってくりゃぁ、考えてやってもいいぜ。」

エイブラム「ただし!失敗したらテメェらの持ちモンは全部没収だ!」

才人「いいだろう・・・受けてやる!」

エイブラム「これで決定だな。では、ボランティアスタートだ!」

セルガーデン4

才人「悪いな。厄介な事に巻き込んじゃって。」

シズカ「いいのよ。丁度退屈だったからね。」

ビリー「それに女の子にモテるためだったら、どんな戦いでもかっこよく決めないとな!」

才人「なら大丈夫そうだな。」

マティアス「相棒、早速始めようぜ!」

才人「そうだな・・・行くか!」

カッ

ビリー「おっ!いきなりデビルバースト発動か!」

才人「さあ、行くぜ!」ビュン

ドカバキボカスカ

シズカ「大したことなかったわね。」

才人「ああ。さっさと報告をしに行くか!」

ガソリン

マティアス「終わらせてきたぞ。これで文句ないだろうな?」

エイブラム「いいや、まだだ。次はこのボランティアをやってもらおうか。」

才人「ふざけるな!話が違うだろ!」

エイブラム「うるせーんだよボケ!」

ジロー「なにくだらないことしてんだオメェは!」

エイブラム「ゲ!ジローさん!で、ですがこれは・・・。」

ジロー「男に二言はねぇだろうが!この件はこれで終いだ、いいな!?」

エイブラム「は、はいぃっ!し、失礼しました!」

ビュン

才人「助かったぜ。ありがとな。」

ジロー「まぁ許してやってくれや。あいつらにも事情ってもんがあるからよ。それにそこのベッピンさんが暴れさえしなきゃ、向こうもこれ以上突っかかっちゃこねぇよ。」

才人「あ、ああ・・。」

ジロー「それにしても、まだ若ぇのに感心したぜ!咎人たるもの、やっぱそうでなくっちゃなぁ!」

才人「もちろんそのつもりだぜ!」ニカッ

数分後

シルヴィア「あなたのデビルバーストのルーンについてだけど、どうやらこれは希少度の高いルーンだという事が分かったわ。」

マティアス「どういう事だ?」

シルヴィア「このルーンは『シャインソウル』。デビルバーストの中では光属性を持っている。」

才人「俺のルーンが光属性・・・。」

ベアトリーチェ「皆、おまた・・・シルヴィア?」

シルヴィア「ね、姉さん・・・!?」

才人・マティアス「な、なんだって―――――!!??」

シルヴィア「良かった。姉さんが無事で・・・って、その格好は?」

ベアトリーチェ「それは・・・。」

事情説明中

シルヴィア「なるほど。そのような事があったのですね。」

ベアトリーチェ「全て事実よ。」

シルヴィア「分かりました。私は天獄でやるべきことがありますが、できる限りサポートをします。」

ベアトリーチェ「分かったわ。これからもよろしくね。」

シルヴィア「ええ。」

才人「姉妹の再会も果たしたし、これでひとまずは一件落着だな。」

ナタリア「ああ。そうだな。」

マティアス「って、ナタリア!いつの間にいたのかよ!」

ナタリア「最初からベアトリーチェと共に入っていたからな。」

才人「そ、そうだったんだ・・・。」

翌日

才人「オッス。ユリアン。ん?この人は?」

ユリアン「ああ。この人は僕の上司のジーン・スミスさんだよ。」

マティアス「ああ。ベアトリーチェを咎人登録するときに手伝ってもらった人か!」

ジーン「その通りだ。君達の話はユリアンからいつも聞いてるよ。」

ベアトリーチェ「私の件でご迷惑をおかけしたみたいで・・・。本当にありがとうございます。」

ジーン「迷惑だなんてとんでもない!あれくらい大したことないよ。」

才人「で、間に合ったとは?」

ユリアン「ジーンさんは君達が見慣れない女性と歩いていくのを見ていたんだ。」

ジーン「美女の噂は私も聞いていてね。もしやと思って後をつけさせてもらったが、まさか天獄のアブダクターが飛んできたのは予想外だったな。」

才人「そ、そうですか・・・。」

ジーン「しかし驚いたよ。彼女が君の妹だったとはね。」

ベアトリーチェ「ええ。彼女は出来る限りサポートをしてくれると言いました。」

ジーン「なら安心だね。だけど、ベアトリーチェが天兵だと気付かれたら大変だったかもしれないな。」

才人「言われてみればそうだね。」

ジーン「あとデビルバーストの事についてだけど、どうやら希少度の高い『シャインソウル』のようだね。」

才人「ああ。シルヴィアから言われたからな。」

ジーン「そうか。あと噂によれば、闇の強大な力を持つルーンを刻まれた者がいるそうだ。」

才人「その人の名は分かっているのか!?」

ジーン「分からない。後で詳しく調べてみるよ。」

才人「あ、ああ・・・。」

独房

アリエス「『シャインソウル』・・・。どうやら君は光の救世主に選ばれたみたいだネ。」

才人「まあ、そんなところかな。」

アリエス「となると・・・、闇の戦士が出るのも遠くないみたいだネ。」

才人「闇の戦士?」

アリエス「そウ。『ファントムソウル』というルーンが刻まれている者だヨ。」

才人「『ファントムソウル』?」

アリエス「闇の強大な力を持っており、その能力は普通のルーンの倍以上の能力を持っていル。」

アリエス「それに対抗できるのは『シャインソウル』のみだケ。」

才人「となると、俺はそいつと戦わなければいけないという事か。」

アリエス「そう言う事。彼とはいずれ出会うから、覚悟してネ。」

ヴィン

才人「『ファントムソウル』か・・・。こうなった以上は免れないだろうな。」

次回予告

第4情報位階権限(コード)に昇格した才人。ナタリアから発行された任務を受けようとしたその時、小さな子供を発見した。

しかもその子供は、ウーヴェの娘であるエルフリーデだった!

ボランティアでの彼女の実力はとても凄く、圧倒的な力に驚かされた才人。

しかし彼女には隠された秘密があったのだ・・・。

才人「次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト 。『小さな戦士、エルフリーデ』。」

ウーヴェ「咎人達よ、自由を求めて戦え!」

才人「おお!さすがは歴戦の勇士!」

前回のあらすじ

マティアスから美女の噂を聞いた才人は、彼と共に聞き込みを開始した。

そしてボランティアから帰った後、謎の美女が不良たちに絡まれているところを発見した。

彼女の名はシルヴィア。人探しをするため、このPTに来たのだ。

さらにベアトリーチェが合流した事によって、彼女の妹だという事が分かったのだ。

そして才人のデビルバーストが『シャインソウル』だという事が分かり、アリエスから『ファントムソウル』というルーンが刻まれている者の事を聞いた。

才人は自分のルーンを見つめながら、新たな決意を胸に秘めたのだった。

第8話 小さな戦士、エルフリーデ

ロウストリート

才人(第4情報位階権限(コード)に昇格してからいきなりボランティアか。今回もまたホウライ勢力なのかな・・・?)

ナタリア「全員そろったようだな。では今からボランティアの内容を説明する。」

マティアス「その前に一つ気になる事があるんだけど。」

ナタリア「何だ?」

マティアス「小さい子供が混じって・・・うおっ!?」

マティアス「す、スンマセン!」

エルフリーデ「甘く見ると痛い目に遭うぞ。」

ナタリア「彼女はエルフリーデ・カブレラ。貴様等の先輩でもあり、ウーヴェの娘でもある。」

才人・マティアス・ベアトリーチェ「む、娘さん!?」

ウーヴェ「もちろんそうだ。」

エルフリーデ「お前の話は親父から聞いている。デビルバーストの使い手だそうだな。」

才人「あ、ああ・・・。」

エルフリーデ「お前も見た目で判断しない事だな。戦場ではそれが命取りだ。」

才人「」ゴクッ

エルフリーデ「困ったことがあったら、何でもあたしに聞いてくれ。いつでも弟子にしてやるぞ。」

才人「あ、ああ・・・。」

ナタリア「挨拶は済んだようだな。では内容を説明する。」

ナタリア「今回の任務はレムリアPTの侵攻を防ぐことだ。」

才人「そのPTもホウライ勢力なのか?」

ナタリア「ああ。あのPTもホウライPTの傘下に入ってるからな。」

才人「だったら黙ってる訳にはいかないよな。」

ナタリア「もちろんその通りだ。今回は2手に別れる。マティアスとベアトリーチェは私が。ウーヴェはエルフリーデとサイトを頼む。」

ウーヴェ「任せてくれ。」

ナタリア「では、行動開始!」

砂漠

ヒュオオオオオ

才人「ここを突破すれば防衛線が崩壊するようだな。」

エルフリーデ「ああ。でも他の場所は大部隊で守っているのに、どうしてここはあたし達だけなんだ?」

才人「分からない。でもエルフリーデは大丈夫なのか?」

エルフリーデ「心配するな。こう見えても十分戦い慣れているからな。」

才人「なら安心だな。」

ウーヴェ「よし、行くぞ!」

才人「了解!」ダッ

グオオオオ

才人「何だあれは?」

エルフリーデ「あいつはヴァーミリオン。蜘蛛の人工アブダクターだ。」

ウーヴェ「奴が放つ蜘蛛の巣は身動きを封じる。十分に注意してくれ。」

才人「分かった。アドバイスサンキューな。」ビュン

ギュオオオオオオ

才人「デビルバースト発動!」カッ

パアアア

エルフリーデ「おっ。両手の爪が刃に変化したな。」

才人「これで蜘蛛の巣対策はバッチリだ。行くぜ!」

ザシュザシュザシュザシュ

ウーヴェ「おお!いい動きだ!」

才人「そしてそのまま、ケージブレイク!」ドガッ

ドゴーン

ウーヴェ「今がチャンスだ!一気に攻めるぞ!」

ドゴーンドガーンドッゴーン

才人「おっし。楽勝だな!」

エルフリーデ「ああ。それにしてもお前、なかなかやるな。」

才人「まあな。けど余程のことがない限り、あまり無理をするなって言われているからな。」

エルフリーデ「そうか。ルーンの力を全て失った後、そのまま死んでしまうからな。」

ウーヴェ「今、ナタリアから連絡があった。どうやら防衛に成功したそうだ。」

才人「そうか。それは良かった。」

エルフリーデ「となると、奴は姿を現さなかったそうだな。」

才人「あいつって?」

エルフリーデ「アーベル・“シュトラーフェ”・バルト。ホウライPTが誇る現代最強の咎人だ。たった一人で小さなPTを崩壊させたなんて噂もある。」

ウーヴェ「さらに奴が従える人工アブダクターが厄介だ。あらゆる人工アブダクターの原型となった『原初の三機』の内の一体であり、現在では再現できない技術により、あらゆる攻撃を無効化する能力を備えた最古のアブダクター。『赤の戦慄』、憤怒の烈火(レッドレイジ)だ。」

才人「レッドレイジ!?」

ウーヴェ「出くわした連中のほとんどがロストしている。だから、詳しい事だけは分かっていない。」

才人「そうか・・・。」

翌日

ナタリア「今回のボランティアについて説明する。ホウライ勢力であるアガルタPTが攻め込もうとしている。何としてでも進軍を止めて欲しい。」

才人「今回の同行者は?」

ナタリア「今回はウーヴェ、カルロス、エルフリーデの3人だ。」

才人「分かった。必ず成功してみせる。」

ナタリア「頼んだぞ。」

プラント区域3

カルロス「エルフリーデ。お前、あれから少しは強くなったか?」

才人「あれから?」

カルロス「ん、言ってもいいのか?初めての戦闘でビビったこいつが腰を抜かして―――――。」

エルフリーデ「うあああっ!やめろバカぁー!なんてこと言い出すんだ!」

カルロス「ハハハッ。」

才人「へー。やっぱり子供じゃないか。」

ドガッ

才人「うげっ!?」

エルフリーデ「さっさと戦闘の準備をしろ。###」

才人「分かってるよ・・・デビルバースト発動!」

ゴオッ

エルフリーデ「パワーアップ完了!さあ、行くぞ!」

才人「おう!」ダッ

ビュンビュンビュンビュン

エルフリーデ「おっ。動きが素早くなってる。前と比べて楽だな。」

才人「仲間をパワーアップさせる能力を発動したからね。」

エルフリーデ「そう言う事なら期待に答えないとな。行くぞ!」ダッ

ドカバキボカスカ

才人「やるな。だったら俺も本気を出すぜ!」ダッ

ドガッ

才人「よし!アブダクターの動きが止まったぞ!」

カルロス「止めの一発、喰らいやがれ!」ザシュッ

ドゴーン

ウーヴェ「今回の任務は楽勝だったな。」

エルフリーデ「ああ。サイトが私達をパワーアップしてくれたからな。感謝する。」

才人「それはどうも。んじゃ、戻るとするか!」

ロウストリート

才人「今回も全員無事で良かったぜ・・・。」

カルロス「ああ。エルフリーデがウーヴェにパパーって泣きついてる以外は問題なかったな。」

エルフリーデ「あ?」

ウーヴェ「おい、あんまりエルをからかうなよ?」

カルロス「分かってるって。それにしても、いい親子って感じだよな。」

ウーヴェ「まあ、最初はエルが戦う事には戸惑っていたからな。」

エルフリーデ「それでも私は親父の力になりたいって言って、押し切ったんだ。」

ウーヴェ「エルが強くなっていくのは嬉しいが、内心は複雑かもな。」

才人「誰かの力になりたい・・・か・・・。」

エルフリーデ「ん?どうした?」

才人「いや、何でもないよ。」

エルフリーデ「?」

次の日

ハル「いや~妹が迷惑を掛けたね。申し訳ない。」

ベアトリーチェ「いえ、別に迷惑だなんて。」

アン「す、すみませんでした。」

才人「ん?何かあったのか?」

ハル「おっ、サイトか。いやね、うちのアンが―――。」

アン「ちょ、ちょっと兄さん!」

ハル「ロウストリートで迷子になっちゃったらしくてさ、ベアトリーチェにここまで送ってもらったんだよ。」

アン「ま、迷子とかじゃないです!そ、そうですよね、ベアトリーチェさん!?」

ベアトリーチェ「え、ええっと・・・?」

ハル「まぁきっかけはどうあれ、アンと話せる友達が増えて嬉しいよ。」

ハル「こいつ、私についてきてばかりで、なかなか友達が出来なくて心配だったん――――ギャアア!」

アン「余計な事は言わなくていいの!」

ベアトリーチェ「まあ、大事にならなくて良かったです。」

アン「本当にありがとうございました。また、色々話せたら嬉しいです。」

ベアトリーチェ「うん。こちらこそよろしくね。」

エルフリーデ「こんなところに揃いも揃って、何かあったのか?」

才人「あっ、エルフリーデ。」

ハル「エルフリーデ・・・?そうか!ロイヤルラウンドのチャンプの!」

才人「ロイヤルラウンド?」

ハル「非合法の格闘大会だよ。彼女は前人未到の63連勝を誇っている。しかし、こんな子供だったとは・・・。」

ドガッ

ハル「うぐぅ!?」ドサッ

エルフリーデ「見た目で判断するなと伝えておけ。」

アン「はじめまして、アンです。こちらが兄のハルです。先程は兄が大変失礼しました。兄に代わってお詫びします。」

エルフリーデ「あまり気にするな。よくある事だ。」

アン「エルフリーデさんとお知り合いだったんですね。さすがです。」

エルフリーデ「そう言えばサイト。昨日、誰かの力になるとかで悩んでたんだろ?大丈夫なのか?」

才人「もう大丈夫だよ。俺はこのPTを守ると昨日の夜に決意したから。」

エルフリーデ「そうか。なら大丈夫だな。お前もあたしの対戦相手に早くなれるように、日々の訓練を怠るなよ。」

才人「分かってるよ。訓練は基本だからな。」

エルフリーデ「その通りだ。それじゃあな。」

コツコツ

ハル「・・・あれが63連勝のパンチか・・・。」

才人「駄目だこりゃ。」

次回予告

ベアトリーチェからチェーザレの捜索を頼んだ才人はモザイク街へ向かい始めた。

だが探しても成果は出ず、2人は気晴らしにボランティアを申請した。

そのボランティアから帰還した直後、ユリアンからいい情報を教えてもらった。

それはチェーザレと関係ある2人の名前があったのだ・・・。

才人「次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト。『チェーザレの秘密』。」

カルロス「お前等、もっと気楽に行こうぜ。」

才人「気楽に行ったらまずいだろ!」

第9話 チェーザレの秘密

モザイク街

才人「チェーザレを探し始めてからいろいろあったけど、なかなか見つからないな。」

ベアトリーチェ「ええ。どこに行ったんだろう・・・。」

レミージョ「うおう!・・・知ってるぞ!!チェーザレ!!!」

才人「へ?知ってるのか!?」

レミージョ「もちろんだぁ・・・。俺はチェーザレとよく貢献活動をしていたからな。」

レミージョ「だが彼はその後どうなったかは分からねぇ・・・。」

才人「そうか。やっぱり彼はどうなったのか分からないのか。」

ベアトリーチェ「これ以上聞いても仕方がないし、ボランティアに行こうか。」

才人「それもそうだな。」

護送車

カルロス「よう、オネーチャン!あんまり魅力的だからって、俺ばっかり見つめないでくれよ、な!」

才人「カルロス・・・、今の状況を分かっているのか・・・?」

カルロス「そう固い事を言うなよ。今回はうちとの協同ボランティアだしさ。もっと気楽に行こうぜ。」

ナタリア「無駄口を叩くな!ボランティアに集中しろ!」

カルロス「随分嫌われたもんだな。せっかく協力して戦うんだ。友好的に行こうぜ。」

ナタリア「確かにノーグPTとは今後とも友好的な関係を築くつもりだ。だが、お前個人とは友好的な関係を築くつもりはない!」

才人「だろうな・・・。さてと、行くとするか!」

ジオフロント2

ナタリア「サイト、デビルバーストの発動を頼む。」

才人「オーライ!」

パアアッ

カルロス「これで準備万端だな。んじゃ、行きますか!」ダッ

アクセサリ「敵発見。速やかに排除してください。」

才人「了解!レールガン、発射!」ドゴーン

ドッカーン

カルロス「相変わらずすごい威力だぜ。」

才人「そしてそのまま・・・、オラァ!」ブン

ドッゴーン

ベアトリーチェ「よし!今のうちに市民を救出しましょう!」

才人「ああ。カルロスたちは敵の討伐を頼む!」

カルロス「了解!」

アクセサリ「見事な貢献でした。帰還して休息を取ってください。」

才人「ふう・・・。今回も無事に終わったな。」

ナタリア「ああ。お前のデビルバーストに新たな能力が加わってから、ボランティアが楽になったからな。」

ベアトリーチェ「んじゃ、そろそろ戻ろうか。」

才人「ああ。」

ガソリン

才人「そうか。ベアトリーチェを捕まえた奴等の事はまだ何もわからないのか。」

ユリアン「うん。いろいろ探してみたけど何処にも見当たらなかったんだ。」

ユリアン「それに動機もないという事は、明らかに異常な事だね。ベアトリーチェは心当たりがないのかい?」

ベアトリーチェ「うん。全然・・・。」

ユリアン「そうか。なら引き続き調べておくよ。あともう一つ、実は面白い情報があるんだ。」

才人「面白い情報?」

ユリアン「君達咎人の行動は常に記録されて、中央に送られているのは知ってるよね?」

才人「ああ。」

ユリアン「その内の古くて必要性が低い物は、第4階層のセルガーデンにある、秘密区画に保管されてるんだ。」

才人「つまり、そのセルガーデンに古い咎人の記録が眠っているのか・・・。」

ユリアン「その通り。ベアトリーチェを前に咎人として登録しておいたのを覚えているよね?」

才人「ま、まあ・・・。」

ユリアン「とっさのアイデアなんだけど、もしかしたら前にも同じことをした人がいたんじゃないかなと思って。」

ユリアン「その古い記録にベアトリーチェのお父さんの記録も残ってるかも知れないよ。」

才人「分かった。早速調べてみるとするか!」

ベアトリーチェ「ええ!」

セルガーデン

才人「ふう・・・。チェーザレと言う名前は見つからなかったが、ボランティア中の通信記録が見つかった。」

ベアトリーチェ「偽名で登録してても、お互いに呼び合う時は本名を使っていたからね。」

才人「さっそくユリアンに報告しよう。」

ベアトリーチェ「ええ!」

ガソリン

ユリアン「じゃあ、早速解析してみるね。」

ピコピコピコウィーン

才人「どうだった?」

ユリアン「チェーザレって呼ばれてた咎人の記録は、ある時でぷっつり切れてるね。」

ユリアン「でもロストじゃない。単に記録がなくなっただけなんだ。」

才人「なるほど。」

ユリアン「それとこの咎人をチェーザレって呼んでるのは同じ咎人だね。大体いつも同じボランティアに行ってたみたいだよ。」」

才人「そんな事があったのか・・・。」

ユリアン「そして面白い事に、この二人が申請したボランティア、半分くらいが同じ市民からの依頼なんだ。」

才人「こんなに同じ市民から依頼があるなんて・・・この3人には何かあったに違いないな。」

ユリアン「同感だね。」

ユリアン「男の名はレミージョ・キルアージ。ロストした記録がないからまだ生きてると思うけど・・・。」

ユリアン「最近貢献した記録が無いんだよね・・・。」

才人「じゃあ、市民は?」

ユリアン「カスミ・サトー#dって名前の女の人だよ。今は咎人として登録されている。」

ユリアン「今は第6情報位階権限(コード)だから、彼女に会うのは当分先だろうね。」

才人「分かった。情報提供してくれてありがとう。」

ユリアン「どういたしまして。」

モザイク街

才人「えっ!?レムリアPTが攻めて来るのか!?」

ナタリア「ああ。奴等は2手に別れて攻めて来るだろう。それと同時に、このボランティアを第5情報位階権限(コード)とする。」

才人「こうなった以上は限界を超えて戦うのみだ!」

ナタリア「よく言った!すぐに出動するぞ!」

才人「おう!!」

砂漠

才人「今回の敵はあいつか。デビルバースト発動!」

パアアッ

才人「これでよし。行くぜ!」ダッ

ドガッバキッドゴッ

ナタリア「残るはあと1機。速攻で決めて来い!」

才人「ならば、クローモード!」

ヴィーン

ベアトリーチェ「爪が刃に変化した!これならいける!」

才人「行くぜ!ブラッド・レイヴン!!」ズシャアアアア

ドッゴーン

ナタリア「相変わらずすごい威力だな。見事だったぞ。」

才人「へへっ、それ程でもないさ。」

その夜

アリエス「ホント、君達って飽きもせずによく争い続けてるよネ。まぁボクも同類なんだろうけド。」

才人「まぁ、この世界はそんなところだからな。」

アリエス「そうだネ。けど、そろそろ心の準備を進めた方がいいヨ。サイモンはもう準備できてるっテ。」

才人「そうか。こうなった以上はやりきるしか方法はないな。」

アリエス「その通リ。キミの選択が他人の未来を握っているんだという事を忘れないデ。」

才人「俺の選択が他人の未来を握っている?どういう事だ?」

アリエス「それはいつか分かるはずだヨ。もうすぐ動き始めル。運命の歯車が動き始めるかラ――――――。」

パアアアッ

才人「自分の選択が他人の未来を決めてしまうなんて・・・、訳が分からないぜ・・・。」

次回予告

第5情報位階権限(コード)を取得した才人だが、ホウライ勢力の攻撃で東京PTでは多数の犠牲者が発生した。

さらに追い打ちを掛けるように、またしてもホウライ勢力が攻め込んで来たのだ。

そこで才人はとある作戦でマティアス達と共に出動した。

だがその作戦の内容はとんでもない内容だった・・・。

才人「次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト。『史上最大のとんでも作戦!』。」

エルフリーデ「咎人達よ、自由を求めて戦え!」

才人「子供が言うセリフじゃ――――。」

ドガッ

才人「うげっ!」バターン

訂正

変更前:このボランティアを第5情報位階権限(コード)とする。

変更後:このボランティアを第5情報位階権限(コード)取得考試とする。

第10話 史上最大のとんでも作戦!

ロウストリート

才人「エリス、ホウライ勢力の侵攻はどうなっている?」

エリス「はい。ものすごく活発になっています。このままだとこのPTが落ちてしまうのも時間の問題でしょう。」

才人「そうか。ところで第5情報位階権限(コード)から君の名称を変えたけど、違和感はないか?」

エリス「ええ。大丈夫です。」

才人「なら心配ないな。」

ナタリア「確かにホウライ勢力は活発になっているな。」

才人「ナタリア。」

ナタリア「彼女の言う通り、このままだといずれは陥落してしまうだろう。何とかしてこの状況を打破する必要があるな。」

才人「この状況を打破するか・・・。待てよ。いい方法がある。」

ナタリア「いい方法?」

モザイク街

マティアス「何!?中の人ネタコスプレ大作戦!?」

才人「ああ。ホウライ勢力の戦力を大幅に下げるにはこうするしか方法はない。奴等が俺達の方を向いている隙に、他の咎人達が一気に攻める作戦だ。」

ウーヴェ「なるほど。だが、俺達はどの様なコスプレをすればいいんだ?」

才人「それは既に決めてある。まずベアトリーチェは『アイマス』の天海春香だ。衣装はアイドル衣装を着てくれ。」

ベアトリーチェ「分かったけど、なんだか恥ずかしいな・・・。」

才人「マティアスは?」

マティアス「俺は『ガンダムSEED』のアスランに決めている。俺はこの方がピッタリだからな。」

ウーヴェ「俺は『Fate』の言峰綺礼の衣装にするか。」

カルロス「似合わないと思うけどな・・・。俺は『エウレカセブンAO』のレントンにするぜ。」

ナタリア「私は『真剣で私に恋しなさい!』の川神百代にしよう。」

才人「あとエルフリーデは『ニセコイ』の千棘の衣装を着てくれ。抵抗してもダメだぞ。」

エルフリーデ「後で覚えてろ・・・。」ワナワナ

ナタリア「話は済んだか?すぐに出動するぞ!」

ジオフロント

カルロス「おっ。どうやら敵がたくさんいるな。人気者は辛いねー。」

才人「どうやらあいつ等は罠にかかったようだな。それじゃ、デビルバースト発動!」

ゴオッ

ウーヴェ「準備万端だ!行くぞ!」ダッ

ドガーンドゴーン

カルロス「よっし!これで20人撃破したぜ!」

マティアス「おっと!こっちは30人だ!」

エルフリーデ「こっちなんか70人だぞ。多くの敵が私の方に向っていたからな・・・。###」

マティアス(どうやらスカートを履かされた事を怒っているようだな・・・。)

エリス「ハルから通信が入りました。」

ハル『こちらの方は潜入する事に成功した。君達は与えられた任務をしっかりこなしてくれ。』

才人「おう!任せときな!」

ウーヴェ「残りはあと100人ぐらいだ。このまま一気に攻めるぞ!」

スッ

ウーヴェ「ん?」

エルフリーデ「ここは私が行く。」

ウーヴェ「お、おい!エル!」

エルフリーデ「サイト、こっちに来い。」

才人「ん?なんだ?」

ドガッ

才人「あがっ!?」

全員「!?」

エルフリーデ「お前のおかげで赤っ恥をかいてしまった。その責任は取ってもらうぞ!」

グイッ

才人「お、おい!ちょっと待て!俺は味方だぞ!」

エルフリーデ「恥をかかせたことに味方もクソもあるか!一回死んでこーい!!」ギュオーン

才人「ギャアアアアアアア!!」ヒュルルルル

ドッカーン

エリス「敵、全滅。」

ウーヴェ「よっぽど恥ずかしかったようだな・・・。」

ベアトリーチェ「でも私は気に入ってるけど?」

ナタリア「好き嫌いに個人差があるようだな。」

独房

エリス「全治3日間、当分ボランティアには出撃できませんね。」

才人「うう・・・。提案しなきゃ良かった・・・。」

ロウストリート

ウーヴェ「作戦は成功したが、サイトは全治3日間の重傷を負ってしまった。」

カルロス「エルフリーデ、そんなにあの衣装が嫌だったのか?」

エルフリーデ「二度と絶対に着たくない!!」

マティアス「だろうな・・・。」

次回予告

ホウライ勢力の戦力を大幅に下げることに成功した才人達。だがそれは最大の戦いの序章にしか過ぎなかった。

その戦いから1週間後、ナタリアから重要なボランティアが発行された。

それは、『棺』をホウライ勢力から奪われない様にするための護衛だった。

だがそのボランティアの最中、巨大なアブダクターと一人の男が姿を現した・・・。

才人「次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト。『最凶の咎人、アーベル』。」

ナタリア「咎人達よ、自由を求めて戦え!」

才人「このセリフはナタリアが一番似合うな。」

第11話 最凶の咎人、アーベル

ロウストリート

ナタリア「もう傷の歩合は大丈夫なのか?」

才人「まあな。休んでいた分はしっかり働かないとな!」

ナタリア「その意気だ。だが一つだけ気になったことがある。」

才人「気になった事?」

ナタリア「ああ。お前が不在の時に発行したボランティアの事だ。あの戦いで一部隊が全員ロストしたそうだ。」

才人「くっ!ホウライ勢力の仕業か!」

ナタリア「確かにその通りだ。それにそのボランティアはどうも怪しいと思う。」

才人「どういう事だ?」

ナタリア「いくら少人数とはいえ、一部隊が救援の甲斐なく全滅だ。まるで陽動作戦だと分かっていたような戦力の集中具合だった。」

才人「もしかしたら、向こうに筒抜けだったのかも知れないな。噂をすれば・・・・ってね。」

ナタリア「だろうな。となると、この中にホウライ勢力のスパイがいる可能性が高いな。調べておくとしよう。」

才人「ああ。よろしく頼む。」

3日後

才人「やれやれ・・・。ボランティアも終わったし、そろそろガソリンに行くとしよう。」

ナタリア「今回のボランティアもお見事だった。次もこの調子で頼むぞ。」

才人「ああ。」

ザワザワ

才人「ん?何だか騒がしいな。」

ナタリア「どうやら何か揉めているだろう。サイト、奴等は何の話をしていると思う?」

才人「上の者のやり方に耐え切れなくなって、反乱を起こそうとしているんじゃ・・・。」

ナタリア「私もそう思った。これは刑を科す必要があるな。」コツコツ

マティアス「おっ、相棒・・・、な、ナタリアも!」

ナタリア「貴様等はPT法違反により、500年の刑罰を科す。この3人を連行しろ!」

アクセサリ「了解しました。」

ザッザッ

才人「あの3人がこれに懲りればいいんだけどな・・・。」

ナタリア「ああ。そうなるためにも私達が動かなければならないからな。」

マティアス「そ、そうだな・・・。」

才人「んじゃ、ガソリンに行くとするか!」

ガソリン

才人「新しいボランティア?」

ナタリア「ああ。明日、我々はある物を輸送する。そこでお前達は輸送ルートにいる敵を排除してくれ。」

マティアス「要するに護衛という事だな。」

才人「もちろん引き受けるのは引き受けるが、ある物とはいったい・・・・。」

ナタリア「それはボランティアで話しておく。」

砂漠

ヒュウウウウ

才人「えっ!?大消失の原因となった棺!?」

ナタリア「ああ。大消失の原因を探ってみた結果、この棺を無理やり開けたという事が判明された。」

才人「そうだったのか・・・。で、これを何処に運べばいいんだ?」

ナタリア「ホウライ勢力に見つからない安全な場所へ移動させる。あそこならそう簡単に見つからないだろう。」

才人「ああ。あそこは確か迷宮となっている場所だからな。」

マティアス「来た!ホウライ勢力だ!」

才人「よし!一気に叩きのめしてやる!」

ギュオオオオ

ウーヴェ「おお!一発で半数以上を倒すとは!」

エルフリーデ「あたし達も負けちゃいられないな!」

ドゴーンドガーン

才人「よっし!これで終わりだな。」

ザッザッザッザッ

マティアス「ん?向こうから誰か来るぜ?」

ナタリア「あ、あれは・・・、アーベルとレッドレイジ!」

才人「あいつが最凶の咎人か。だったら戦わなきゃいけないな!」

ドガガガガ

ナタリア「くっ!棺を守れ!」

ビュン

才人「来たぞ!かわせ!」

ズシン

マティアス「あっぶねー・・・。もう少しでやられるところだったぜ。」

エルフリーデ「気を抜くな!次の攻撃が来るぞ!」

才人「分かってる!こうなった以上は一気に攻めるのみだ!」

エルフリーデ「こうなったらレッドレイジを止めるのみだ!」

才人「ああ!やってくれ!」

エルフリーデ「うおおおおおおお!!」

ガキン

エルフリーデ「な!?」

アーベル「軽いな。」

ドガッ

エルフリーデ「がはっ・・・・。」

才人「馬鹿な!エルフリーデがやられただと!?」

ギュイーン

ウーヴェ「気をつけろ!全体攻撃だ!」

ギュオオオオオ、ドッカーン

ナタリア「しまった!棺が・・・。」

アーベル「フッ。この程度か・・・。ならば、これはお前達が持っていても、何の価値のない物だぞ?」

才人「価値のない物だと・・・?ふざけんなあああああああ!!」

バキッ

アーベル「ぐっ!」

ドサッ

才人「大丈夫かナタリア!?」

ナタリア「ああ。何とかな・・・。」

アーベル「ほう。俺に一発当てるとはいい度胸だな。」

才人「さっさと棺を返せ。」

アーベル「嫌だと言ったら?」

才人「全力で倒すのみだ!第2段階、解除!」

ゴオオオオ

アーベル「デビルバーストか。しかも左手に刻まれてある印はシャインソウルだな。」

才人「その通りだ。」

アーベル「貴様がシャインソウルだという事は、俺の宿命の相手という事か。」

才人「宿命の相手!?まさかお前がファントムソウルのルーンを持つ者なのか!?」

アーベル「その通りだ。見せてやろう。ファントムソウルの力を!」

ゴオオオオ

才人「体中から闇の波動が発せられた・・・。どうやらこいつは只者じゃないな。」

アーベル「では、行くぞ!」

才人「おう!」

ガキンガキンガキンガキン

アーベル「これなら、『変革』の試練に打ち勝つ事ができるだろう・・・。」

ブン

アーベル「今日は満足した。お前達の事は覚えておく。また刃を交えよう。」

才人「ああ。だが一つだけ気になる事がある。お前は棺の中身を知っているのか?それに理解したうえで弄ぶつもりなのか!?」

アーベル「ああ。俺は・・・この棺で人間を導く。人の、あるべき所へとな。」

アーベル「いずれ来る。その時を待つがいい。」

ズンズン

才人「・・・。」

ナタリア「どうやらお前は彼と戦う運命が決まったようだな。」

才人「ああ。だが今のままでは駄目だ。俺がもっと強くならなければ・・・。」

ギュオン

アリエス「あーあ、惜しかったネ。」

ナタリア「アリエス!」

アリエス「あの棺はとても大切なもノ。あの棺こそ、キミ達とサイモンを繋げてくれる大切なもノ。でもね、アレだけではまだ使い物にならないノ。」

才人「どういう事だ!?」

アリエス「必要なの、選ばれた系譜の魂・・・特別なウィルオーの力がネ。」

ギュオン

ナタリア「特別なウィルオーの力か・・・。するとアーベルはそれを狙いに行くだろうな。」

才人「ああ。何としてでも彼に渡す訳にはいかない。絶対に!」

それから数日後

ナタリア「何!?そんなシステムがあったのか!?」

ユリアン「ああ。無意識領域下まで含めた意識共有によって、レッドレイジは使用者の思い通りに動くのさ。」

才人「つまり咎人との鉄壁の連携が可能になる。だが、そのフィードバックノイズに耐えられる人間は少ないという事だな。」

ユリアン「そう言う事さ。」

マティアス「マジかよ、どうりで強い訳だぜ・・・。」

ベアトリーチェ「すごい・・・。たぶんウィルオーで伝送してるね・・・。どんな情報処理してるんだろう・・・。」

ユリアン「他の二体の事についてだけど、三機と言うのは名前だけで、実は四機だけかも知れないし、合体して強化されるような部品の事も指しているのかもしれない。」

ナタリア「要するに、まだ何も分かってないという事か・・・。」

才人(レッドレイジとアーベル・・・。あいつ等の野望は俺達が打ち砕く!必ず!)

次回予告

第6情報位階権限(コード)を取得した才人は、モザイク街でベアトリーチェと出会った。

そしてチェーザレと関係がある咎人のカスミと出会い、彼女から新たな事実を聞かされた。

さらに大消失の謎も解明されたその時、ユリアンから『』の専用データベースがある事を教えてくれた。

しかし中に入った途端、『』の警備員たちが待ち構えていたのだ・・・。

才人「次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト。『解明される3つの謎』。」

咎人達よ、自由を求めて戦え!

第12話 解明される3つの謎

ロウストリート

才人「へ?お願い?」

ベアトリーチェ「うん。前にユリアンが話していた、父さんにボランティアを依頼してた女の人の事なんだけど・・・。」

才人「ああ。カスミさんに会いに行くのか。俺も一緒に行くよ。」

ベアトリ―チェ「本当!?」

才人「ああ。チェーザレの事についてはもちろん、カスミさんがどのような人なのか気になるからな。」

ベアトリーチェ「それってマティアスと同じ女好きじゃないのかな?」シラーッ

才人「な!?そんな訳ないだろ!」

ベアトリーチェ「まあ、とりあえずは一緒に行こうか。」

才人「無視しないでくれよ・・・。」

第6階層 ロウストリート

ベアトリーチェ「あなたがカスミさんですね。チェーザレの娘であるベアトリーチェです。」

カスミ「ああ。貴女の事はチェーザレから聞いてるわ。いつかこんな来る日と思っていたしね。」

才人「どういう関係なのですか?」

カスミ「私が若い頃、一緒に行動していたの。でも、もう長い事会っていないわ。」

ベアトリーチェ「そうですか・・・。」

カスミ「それに私達は同じ夢を実現するために集まった仲間だったの。あの人は・・・、その夢の為に娘さんも残さざるを得なかったようね。」

才人「そうでしたか。」

カスミ「そうそう。見せたい物があるわ。第6階層のセルガーデンに来て頂戴。」

才人「はい。」

第6階層 セルガーデン

カスミ「来たわね。」

才人「見せたい物って何ですか?」

カスミ「少し待ってて。」

ウィーン

数分後

ウィーン

ベアトリーチェ「父さん!!」

才人(この人がベアトリーチェの父さんなのか・・・。)

ベアトリーチェ「父さん!父さんなの!?」

アクセサリ「私は・・・父さんでは・・・ありません・・・。私は・・・チェーザレ様の・・・アクセサリ・・・。」

ベアトリーチェ「えっ!?」

カスミ「驚いたでしょ?ふふふ。」

才人「なぜチェーザレの姿をしているのですか?」

カスミ「私がそうしたわけじゃないわ。彼が囮(デコイ)としてそう設定したの。」

カスミ「でもある日突然、チェーザレがいなくなって・・・。しばらくしてこのアクセサリが帰って来た。」

カスミ「上層部に見つかったら解体処分にされてしまうから、彼のアクセサリをここに隠していたのよ。役割を果たす時が来るまでね。」

才人「役割って・・・、チェーザレはこのアクセサリにメッセージを残したのか!?」

カスミ「正解よ。今から流すわね。」

ギュイーン

アクセサリ:チェーザレ「ベアトリーチェ・・・。」

ベアトリーチェ「父さんの声!?」

アクセサリ:チェーザレ「ベアトリーチェ、お前がこれを聞いているという事は、お前は地上に降りてきたという事だな。」

ベアトリーチェ「父さん・・・。」

アクセサリ:チェーザレ「すまない。私は自分の夢の為に、お前とシルヴィアを置き去りにしてしまった。悪い父親だ。」

アクセサリ:チェーザレ「私はこれから『種』の探索に向かう。もう戻ってはこられないだろう。」

アクセサリ:チェーザレ「だから一つだけ事実を伝えさせてくれ。こんな結果になったが、私はお前達を愛している。心の底から―――――。」

ギュイーン、ドサッ

ベアトリーチェ「父さん!?」

才人「もう寿命だったようだな・・・。」

ベアトリーチェ「父さんの声が聞けただけでも良かったけど、父さんの夢って何でしょうか?」

カスミ「『変革』・・・終わらない戦いを終わらせるための『変革』、チェーザレはそう言っていた。」

カスミ「あの人はこの世界に平和と安定をもたらすために動いていた。まだあの人は何処かで頑張っているんじゃないかって、私は思っているわ。」

カスミ「今、伝えられるのはこれだけよ・・・。あとレミージョについてだけど、もう飲んだくれとなって別人になっているわ。」

才人「その人って・・・、まさか!?」

カスミ「あら、話ができたの?運が良かったわね。」

ベアトリーチェ「行こう、サイト!」

カスミ「チェーザレの事、何か分かったら私にも教えてね。私も、改めてあの人との会話を思い出してみるわ。」

才人「ああ!」

モザイク街

才人「レミージョさん。貴方の事はカスミさんから聞いた。何かチェーザレの事で覚えている事はないのか?」

レミージョ「カスミか・・・。久しい名だな。だが諦めるんだな・・・。奴はもういない。」

ベアトリーチェ「そんな・・・。」

レミージョ「俺もチェーザレと共に天獄から降りてきた。俺もチェーザレも争いの終焉を望んだんだ・・・。」

才人「そのために必死で戦って、『種』を探していたという事か。」

レミージョ「その通りだ。だがデビルバーストの力を持つお前なら、彼の意志を引き継ぐ事ができるはずだ。やってくれるか?」

才人「ああ。彼の意志は俺が引き継ぐ!」

レミージョ「なら決定だな。頼んだぜ。」

ベアトリーチェ「『変革』と『種』・・・。父さんは何をしようとしていたのだろう・・・。」

才人「チェーザレはきっと戦いを終わらせようとしていた。多分その事に関係があると思うぜ。」

ベアトリーチェ「そうね。じゃあ、先に自室に戻るね。」

タタタタ

才人「レミージョの前でチェーザレの意志を受け継いだからな。これからが大変だぜ。」

翌日、ガソリン

才人「えっ!?『柩』についての情報!?」

カスミ「そうなの。あの人が最後に調べていたものについて、思い出してね。」

カスミ「私も調べてみたんだ。あの人は『柩』って呼んでたわ。」

ベアトリーチェ「ねえ・・・。前にアーベルが奪っていたのも、『柩』って呼んでいたわね。」

カスミ「その関連する情報が第6階層のセルガーデンの中にあるわ。けど別の区画に情報端末があるから気をつけてね。」

才人「分かった。教えてくれてありがとな。」

第6階層セルガーデン

ピピピッ

ベアトリーチェ「えーっと、ニライカナイPTは、突如どこからか出現した『柩』と呼ばれる特異体を入手し、その研究を行っていた。」

ベアトリーチェ「研究の結果、『柩』には、時空間を歪める特殊なウィルオー力場を発生させる特質がある事が確認されたという。」

ベアトリーチェ「その力は、ひとつのPTをまるごと消滅させることすら可能である事が明らかになったらしい。」

才人「マジかよ・・・。」

ベアトリーチェ「ニライカナイ上層部は、それを大量破壊兵器として転用し、PT間戦争の切り札にしようと考えた。」

ベアトリーチェ「実験は極秘裏に進められ、遂に行われた実用実験で、しかし、『柩』は制御不能の状態に陥った。」

才人「その結果、ニライカナイPTは消滅したという事だな。」

ベアトリーチェ「そうだね。ここで考えても仕方がないし、とりあえずは部屋に戻ろうか。」

才人「ああ・・・。」

数日後、ザッカー

才人「えっ!?『 』(ブランク)について新たな情報が分かった!?」

ユリアン「ああ。『 』(ブランク)の専用データベースがあるのだが、ユートペディアとは切り離されてアクセスできない状態となっている。」

才人「つまり厳重になっているという事か。で、その場所は?」

ユリアン「第6階層のセルガーデンの奥だ。だが、警備は厳重になっているから気をつけて。」

才人「分かってるって。んじゃ、行って来るぜ!」

第6セルガーデン秘密区画

ビュンビュン

才人「チッ!数が多すぎるぜ!ならば・・・、風神弾!」

ドッゴーン

才人「よっし!これで全員だな。早速向かうとするか!」

端末のある場所

ユリアン「さすがの大活躍だったね。んじゃ、早速データを解析してみるね。」

カタカタカタカタッ

ユリアン「データが暗号化されているな。解除するのには時間がかかるね。」

才人「そうか・・・・。」

ユリアン「とりあえず、このデータは持ち帰って調べてみるよ。何か分かったら連絡するね。」

才人「ああ。よろしく頼む。」

ロウストリート

ウィーン

ベアトリーチェ「あっ、いた!」

才人「ん?」

エルフリーデ「お前に話がある。ホウライ勢力が動き始めた。」

才人「奴等の動きは?」

エルフリーデ「ノーグPTだ。今、こちらに救援要請が来ている。」

才人「こうしちゃいられない!すぐに急ぐぞ!」

エルフリーデ「もちろんそのつもりだ!」

タタタタタ

才人(早く急がないとやられてしまう・・・。急がなければ・・・。)

次回予告

才人達はノーグPTの救援に向かったが、ノーグPTはホウライ勢力によって陥落してしまったのだ。

それから数日後、ホウライ勢力が東京PTに向かって来たのだ。

ホウライ勢力の猛攻に次々と倒されてしまう咎人達。

そして才人がピンチになったその時、彼の新たな能力が目覚めだしたのだ!

才人「次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト。『デビルバースト、完全進化!』。」

咎人達よ、自由を求めて戦え!

第13話 デビルバースト、完全進化!

護送車

カルロス「なんだ~?お前等、葬式みたいじゃないか。」

才人「ノーグPTが心配じゃないのか?」

カルロス「全然。むしろ戦えて俺は楽しいね。」

才人「そうか・・・。」

カルロス「お前等も気楽に行けよ。緊張すると逆にロストするぜ?」

才人「お前が羨ましいよ・・・。」

ドゴーン

エルフリーデ「あの爆発音・・・。どうやら始まったようだな。」

カルロス「こうなりゃ行くしかないな。人気者には寝る暇も無いみたいだな。」

才人「そう言う事だな。んじゃ、行くとするか!」

放置市街区域3

才人「雨が降っている・・・。どうやら一筋縄ではいかないみたいだな。」

ベアトリーチェ「言われてみればそうみたいね。それに敵もたくさんいるみたいだし。」

カルロス「んじゃ、いつものあれをやってくれ。」

才人「オーライ!デビルバースト発動!」

ゴオッ

カルロス「これでよし。始めるとするか!」

才人「ああ!これよりノーグPTを奪還する!」

ドゴーンドガーン

エルフリーデ「いくら倒しても次々と出てくる。これではキリがないぞ。」

才人「だったら倒しまくるのみだ!」

カルロス「そう言う事。」

才人「うおおおおおおおお!!」ダダダダダ

それから数十分後

ザアアアアアッ

カルロス「結局、ノーグPTが陥落したと言う訳か。残念だったな。」

才人「くっ!もう少し早く間に合えば・・・。」

エルフリーデ「悔やんでも仕方がない。早く戻って報告しておこう。」

才人「ああ・・・。」

ベアトリーチェ「サイト、大丈夫?」

才人「なんとかね・・・。とりあえず護送車に戻るとするか・・・。」

翌日、ガソリン

才人「えっ!?何者かに動きを読まれていた!?」

ウーヴェ「ああ。お前達が今回利用したという救援ルートは極秘のルートだったらしいんだ。」

エルフリーデ「ホウライPTからの妨害を避けるためだったという事か。」

才人「だが、実際には待ち伏せされ、ノーグPTは陥落してしまった。となるとスパイがいるという事か!」

ウーヴェ「そうかも知れない。だがこれだけ言って置く。皆を不安にさせるような行動はとるなよ。」

才人「分かってるって。」

独房

ナタリア「なるほど。何者かに動きを読まれていたという事か。」

才人「ああ。どうやらスパイがいる事は間違いなさそうだな。」

ナタリア「確かにそうかも知れない。なら引き続き調べてみる必要があるな。」

才人「ああ。厳重に頼むぜ。」

ナタリア「もちろんそのつもりだ。」

翌日

才人「あっ、ジーンさん。」

ジーン「久しぶりだね。いろいろフォーローしてくれて助かるよ。ありがとう。」

才人「いや、それほどでも・・・。」

ジーン「問題はナタリアだな・・・。」

才人「ナタリアがどうかしたのか?」

ジーン「ああ。今回のスパイ疑惑の担当をしているからね。我々技術者は皆、このPTに忠誠を誓っている。裏切ろうと考える者などいない。」

才人「そう言う事か。昨日、ナタリアと話したんだ。彼女は技術者たちを疑うような事はしないそうだぜ。」

ジーン「本当なのかい?」

才人「ああ。」

ジーン「よかった。これでユリアン達が無用な疑いを掛けられなくて済んだな。ありがとう。」

才人「いえ、どういたしまして。」

ジーン「そうだ。お礼にいい情報を教えてあげるよ。」

才人「いい情報?」

ジーン「ベアトリーチェの為に手に入れた『 』(ブランク)のデータ、まだ解読できずにいるんだろ?」

才人「そうだけど・・・。」

ジーン「そのデータを複合化する場所を知っているんだ。」

才人「本当なのか!?」

ジーン「ああ。だがあそこはとてつもない『 』(ブランク)の戦闘員たちがいる。そう簡単に行くのは難しいだろう。」

才人「まぁ、そう言う事なら仕方がないな。で、その場所はどこにあるんだ?」

ジーン「第7階層のセルガーデンの入口だ。だが君は第6階層だろ?まずは第7階層に上がらないとね。」

才人「そうだよな・・・。まずは第7階層に上がる事から始めるとするか。」

ジーン「そうだね。応援してるよ。」

2日後

ジーン「おっ、合格したそうだね。」

才人「まあな。早速セルガーデンに入るとするか。」

ジーン「んじゃ、気をつけてね。」

才人「ああ。行って来るぜ!」

才人は『 』(ブランク)の戦闘員を蹴散らした後、ジーン、ユリアンと合流した。

カタカタカタ

ユリアン「結果が出たよ。ベアトリーチェのデータを解析する事ができた。」

才人「そうか。それは良かった!」

ジーン「だがここで話すとまずいだろう。とりあえずは移動しよう。」

才人「そうだな。」

ザッカー

才人「ええっ!?ベアトリーチェが『柩』を見つけ出すための『鍵』!?」

ユリアン「そう。ニライカナイを消滅させた『大消失』は『柩』によって引き起こされたらしいんだ。」

ユリアン「凄まじい規模の破壊を可能にする出自不明の特異体として、各PTは秘密裏に『柩』を捜索し続けていたらしい。」

才人「つまり特定のウィルオーにのみ反応するという事であり、予め決められた人物に自分の居場所を知らせるかのようだという事か。」

ユリアン「そう。まさに『柩』を見つけ出す『鍵』だね。」

才人「待てよ?特定のウィルオーという事は・・・、ベアトリーチェの体に流れるウィルオーの事なのか!?」

ユリアン「その通り。ベアトリーチェが監禁されていたのは、彼女のウィルオーを利用して、『柩』の出現時期や場所を特定する為だったらしい。」

ジーン「そう言う事だ。この事はベアトリーチェには黙った方がいいかも知れないな。」

才人「そうだね。それじゃ、俺はこの辺で失礼するよ。」

ユリアン「ああ。また明日。」

翌日

才人「えっ!?スパイが見つかった!?」

ナタリア「ああ。偽情報を使って罠を仕掛けた結果、それに見事釣られたそうだ。」

ナタリア「だが奴は、捕縛に向かっていた私のアクセサリ達を仲間の咎人を使って倒し、逃走した。」

才人「だったら捕まえるしか方法はないようだな。すぐに行って・・・。」

ウーウー

才人「こんな時に警報!?」

ナタリア「まさかホウライ勢力の奇襲か!?」

才人「ともかく急がないと!」

ドゴーンドガーン

才人「くっ!攻撃が激し過ぎるぜ!」

ナタリア「無理もないだろう。ホウライ勢力の攻撃はこんな物だ。」

才人「ん?あの倒れているのって・・・、え、エイブラム!?」

ナタリア「知ってるのか?」

才人「俺達にボランティアを依頼したフラタニティの連中だ。エリス、彼等の状態は?」

エリス「残念ながら既に事切れています。」

才人「そうか。けどいったい誰がこのような事を・・・。」

ズシーンズシーン

才人「この足音・・・。巨大アブダクターだ!」

ナタリア「となると、彼等を殺したのもこいつの仕業のようだな。」

才人「出会った以上は戦うしか方法はない!行くぞ!」

エリス「はい!」

ドガーンドゴーンドガーンドゴーン

才人「ちっ!デビルバーストでいくら攻撃しても、なかなか倒れないぞ!どうなっているんだ!?」

ナタリア「恐らくホウライ勢力がデビルバーストの対策を考えていたに違いない。このままだと倒れてしまうのも時間の問題だな・・・。」

才人「くっ!どうすればいいんだ!」

ドガッ

才人「うわぁっ!」

ナタリア「サイト!」

ゴロゴロゴロ

才人「クソ・・・。今の衝撃でやられてしまった・・・。どうすればいいんだ・・・。」

ズシーンズシーン

エリス「大変です!アブダクターがサイトに接近しています!」

ナタリア「いかん!このままだと潰されてしまうぞ!」

才人「皆・・・、先に逝くぜ・・・。・・・じゃあな。」

ピカアアアアアっ

才人「ん?何だこの光は?」

エリス「あっ!サイトの体から翼が生えてきました!」

ナタリア「馬鹿な!いくらシャインソウルでもこのような効果はなかったはずだぞ!」

才人「いったい何が起きているのかは分からないけど、その力を試す価値はあるそうだな。反撃開始だ!」

ヒュルルルル

才人「おっと!」ビュン

ナタリア「と、飛んだ!?」

才人「お、俺、空を飛んでいるのか?夢じゃないんだろうな・・・。」

エリス「夢ではありません。それよりも早くアブダクターを!」

才人「おっと!そうだったな!」

パアアアアッ

才人「強化した腕も光り輝くエメラルドになっているな。これで一気に決めてやるぜ!」

ビュンビュンビュンビュン

ナタリア「おお!一気にアブダクターに近づいたぞ!」

エリス「今がチャンスです!」

才人「うおおおおおおおおお!!」

ドッガーーーーーーーーン

エリス「やりました!アブダクターは機能停止したそうです!」

ナタリア「よくやった、サイト!」

ピピピピピ

アクセサリ『こちら第1部隊、スパイを確保しました。』

ナタリア「よし!すぐに連行しろ!」

才人「どうやらスパイが見つかったそうだな。で、いったい誰がスパイなんだ?」

ナタリア「あそこだ。」ユビサシ

ジーン「クソ!こんなところで捕まるなんて!」

才人「じ、ジーン!?」

ジーン「もう少しでアーベル様の理想の世界が実現するというのに・・・!」

才人「・・・。」

ジーン「いいか、愚民共!今こそ目覚めろ!アーベル様こそが、この世界の覇者だ!」

コツコツ

ナタリア「サイト?」

バシーン

ナタリア「な!?」

エリス「・・・。」

ジーン「・・・。」

才人「愚民はお前の方だ。おとなしく処刑でもされてろ。」

コツコツ

ジーン「ち、ち、ちくしょうぉぉっ!」

ザッザッ

才人「・・・。」

ナタリア「サイト、これで良かったのか?」

才人「ああ・・・。」

コツコツ

才人「ユリアン・・・。」

ユリアン「ジーンさんが捕まったって言うから来たんだけど・・・。まさかジーンさんがホウライPTのスパイだったなんて・・・。」

ユリアン「いつも近くで仕事をしていたはずなのに、まったく気が付かなかったよ・・・。」

才人「気が付かなかった俺達も悪いけどな・・・。それよりも彼の研究室に行ってみよう。彼が何かを探っていたのか分かるかも知れない。」

ナタリア「そうだな。行くぞ!」

ジーンの研究室

才人「なるほど。どうやらジーンは『柩』のデータ、作戦内容を送信していたようだな。」

ナタリア「しかもベアトリーチェのデータまで送信されている・・・。となると、ベアトリーチェは『柩』を開ける『鍵』だという事なのか・・・。」

ユリアン「それに『柩』がウィルオーを放射してたのは、自分の居場所を知らせるためだけじゃない。自分の扉を開けてくれる唯一の人物を探すためだったんだ!」

才人「それをアーベルに知らせたという事は・・・、ベアトリーチェが危ない!」

ナタリア「すぐに急ぐぞ!アーベルの魔の手が彼女に触れない内に!」

タタタタタ

才人(頼む・・・。間に合ってくれ、ベアトリーチェ・・・。)

次回予告

アーベルが姿を現し、ベアトリーチェを連れ去ろうとした。

だがそこに才人が姿を現し、アーベルの前に立ちはだかった!

その姿を見たアーベルは才人に宣戦布告した後、その場を立ち去った。

そして数日後、才人は仲間達と共にホウライPTに潜入し、アーベルとの決戦に挑む。

果たして勝つのはどちらなのか!?

才人「次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト。『才人VSアーベル、ホウライPTとの最終決戦!』!」

咎人達よ、自由を求めて戦え!

ここで主題歌紹介(14~最終話)

OP:ヒトリノ夜
ED:笑顔を忘れない

第14話 才人VSアーベル、ホウライPTとの最終決戦!

ロウストリート

ドゴーンドガーン

咎人A「うぐ・・・。」

アーベル「その程度か。普通の咎人としてはこんな物だろう。」

ザッ

アーベル「ここにベアトリーチェと言う女を連れて来い。3分だけ待つ。願わくば、さっき相手をした連中の中に居なければいいのだが・・・。」

チャキ

ベアトリーチェ「私に何かご用件でも?」

アーベル「ああ、そうだ・・・。お前にしかいない簡単なボランティアを頼みに来た。」

ベアトリーチェ「私にしかできないボランティア?」

ガキン

アーベル「な!?」

才人「やっぱり来ると思ったぜ・・・。アーベル!」

ベアトリーチェ「サイト!」

アーベル「まさかお前が来るとは予想外だったな。」

才人「ベアトリーチェには指一本触れさせない!命に代えても!」

アーベル「そうか・・・。ならここで宣戦布告をしよう。」

才人「宣戦布告だと!?」

アーベル「5日後、ホウライPTの最上階で全ての決着を着ける。勝った方がベアトリーチェを自分の好きにさせる。これでどうだ?」

才人「そうだな・・・。ベアトリーチェはどうする?」

ベアトリーチェ「私もそれでいいわ。」

アーベル「なら決定だな。5日後にまた会おう。」

ビュン

ナタリア「ベアトリーチェは無事か!?」

才人「ああ。あとアーベルから宣戦布告された。5日後にホウライPTの最上階で決着を着けるって。」

ナタリア「そうか・・・。それまではレッドレイジの対策を考えないといけないな。すぐに研究室に行くぞ。」

才人「分かった。」

研究室

ユリアン「レッドレイジの対策についてだが、まずは攻撃を無効化する装甲を何とかしなくてはならない。」

才人「いくら攻撃しても全然効果がなかったからな。」

ベアトリーチェ「そこで、ウィルオーは虚数の固有時を持つエネルギーとして振る舞い、負の圧力密度場を形成する。つまり、場の外部の相互作用を全て遮断する事なの。」

才人「ここまでは分かるけど、その兵器はどんな物なんだ?」

ベアトリーチェ「これよ。」サッ

ナタリア「なるほど。モジュラーか。」

ベアトリーチェ「そう。場の演算子の時間発展に関する天獄の理論を応用して作ったの。このモジュラーを付ける事で、レッドレイジを倒せる事ができるわ。」

才人「それなら安心だな。で、数は足りているのか?」

ユリアン「まだ足りてないよ。あと一部の素材が必要なんだ。」

ナタリア「サイト、ここはお前の出番だ。」

才人「了解!」ダッ

10分後

才人「集めた素材を持ってきたぜ。」

ユリアン「助かるよ。思い返せば、君には助けてばかりだね。僕が迷惑を掛けてばかりだ・・・。僕がジーンさんにベアトリーチェの事を話していなければ・・・。」

才人「そんな事はない。ユリアンがいたから彼女を助ける事ができたじゃないか。」

ユリアン「ああ、あの時、彼女は捕まっていたからね。何だか気が楽になってきたよ。ありがとう。」

才人「どういたしまして。」

ユリアン「じゃ、早速作っておくね。すぐに終わるから。」

独房

ボウッ

アリエス「ようやく運命の歯車が動き始めたネ。キミとアーベルの戦いも迫っていル。」

才人「ああ・・・。」

アリエス「でも、一つだけ覚えておいテ。『大消失』は『柩』を開けたから起きたわけじゃないノ。『柩』の開け方を『間違えた』から起きたんダ。」

才人「『柩』の開け方を間違えた・・・。」

アリエス「でも、キミなら大丈夫。ボクが見えてるキミならネ。」

ギュオン

翌日、ロウストリート

才人「ついにモジュラーが完成したそうだな。」

ナタリア「ああ。これは既存規格に収まらない特別なモジュラーだ。」

マティアス「特別なモジュラーか・・・。こういうのはなかなかないからな。」

ナタリア「貴様等はこのモジュラーについて何も知らなくていい。いつも通りに兵装を整え、戦いへ向え。」

才人「ああ。ユリアンに感謝しないとな。」

ウーヴェ「アーベルを倒し、奴等が『柩』を大量破壊兵器として使用する前に、それを阻止する。それが俺達の新たな使命だな。」

エルフリーデ「ああ。アーベルに対抗できるのはサイトしかいない。彼はお前に任せて、あたし達はレッドレイジを倒しに行く。」

カルロス「毎回毎回おいしいところを持ってかれてるからな。少しは俺にも楽しませてくれよ?」

マティアス「お前と一緒なら本当に何でもできちまうような気がするよ。相棒、アーベルの野望を終わらせようぜ!」

ベアトリーチェ「大丈夫。サイトならきっとできるよ!だってあなたは私のヒーローなんだから!」

才人「皆・・・。」

ポン

ナタリア「こんなにも多くの仲間がいる。レッドレイジは我々に任せて、お前はアーベルを倒してこい。我々はお前を信じているからな。」

才人「・・・ああ!」

ナタリア「これが最終決戦だ。この戦いを、貴様等の上位情報位階権限(コード)取得考試とする。出撃するのは3日後だ。では、解散!」

3日後、運命の戦いの日がやって来た。

エリス「いよいよ最終決戦ですね。覚悟はできていますか?」

才人「もちろんできている。アイツの野望は俺達が阻止しなきゃいけないからな。」

ニーナ「もちろんあたし達も同じだよ。全員が生きて帰らないとね。」

セルジオ「もちろんそのつもりだ。この戦いこそ正念場だ。気を緩めるなよ!」

マリー「はい!」

シズカ「やるからには本気で撃ち殺さないとね・・・。」

カイ「ああ。だが無理はするなよ。」

ビリー「サイト、そろそろ中に入るぞ。準備はいいか?」

才人「ああ。全軍突撃開始だ!」

ビリー「よっしゃ!派手に行くとするか!」

ドドドドド

ドガーンドゴーン

ハル「よし!これで30人撃破!アン、そっちの方はどうだい?」

アン「こっちも小型アブダクターを撃破したよ!」

ハル「そうか。なら安心だな。このまま一気に行くぞ!」

アン「はい!」

マティアス「ビリー!向こうを頼む!」

ビリー「任せてください!」ブン

ウーヴェ「目的地までもう少しだ!気を抜くなよ!」

エルフリーデ「ああ。ここからはあたし達のステージだ!行くぞ!」ドギュン

ドゴーンドガーン

才人「成長しているのは俺だけじゃなかったようだな・・・。皆、頼りにしてるぜ。」

タタタタタ

カルロス「おっ、いよいよ最上階だな。入るとするか!」

バタン

才人「着いた・・・って、何だよこの光景は・・・。」

ベアトリーチェ「自分の仲間を殺すなんて・・・。いくら何でも酷すぎるわ!」

エリス「どうやら彼は元から狂っていますね。」

アーベル「やっと来たか。待ちくたびれたぜ。」

才人「アーベル!何故自分の仲間を殺した!?」

アーベル「俺の野望を達成するためには、こいつ等を倒すしかなかったんだよ。」

才人「いくら何でも酷すぎるぞ!」

アーベル「何を言っても無駄だ。俺は自らの信念を貫き通す主義だからな。」

才人「そうかよ。なら決着を着けようぜ。光と闇のデビルバーストの戦いで!」

アーベル「もちろんそのつもりだ。レッドレイジ、俺達の戦いには手を出すなよ。」

レッドレイジ「」コクッ

マティアス「レッドレイジは俺達に任せて、お前はアーベルを倒してきな!」

才人「分かった。じゃ、始めるとするか!」

才人・アーベル「デビルバースト、最大限解放!」

ゴオオオオオオオオ

カルロス「両者のデビルバーストが発動したようだな。俺達も行くぞ!」

ナタリア「ああ。戦闘開始だ!」

ドドドドド

才人(アーベルにも黒い翼が生えているのは想定済みだ。こうなった以上は全力でぶつかり合うしかないだろう。)

ビュン

才人「フェザーカッター!」ビュン

アーベル「おっと!その程度か!」ヒョイ

才人「それはどうかな?」

アーベル「何!?」

グサッ

アーベル「ぐあっ!」

才人「フェザーカッターはブーメランの能力も加えている。それに気付かなかったお前が悪い。」

アーベル「ほーう。そっちがその気なら、裂空斬!」ビュン

才人「ガーディアンシールド!」

バリーン

才人「な!?シールドが壊れた!?」

アーベル「この斬撃はシールドさえ打ち砕く。いくらガードしようとしても無駄だ!」ズシャッ

才人「うあああああああ!!」

ドサッ

アーベル「どうした?お前の力はその程度か?」

才人「まだだ・・・。俺はこの程度で倒れるほど馬鹿じゃない!」

アーベル「なら徹底的に痛めつけるのみだ!」ビュン

才人「負けるか!」ビュン

ドゴーンドゴーン

マティアス「ちっ!いくら溶断しても容赦なく襲い掛かってくるぜ!」

ウーヴェ「どうやら一筋縄ではいかない事は間違いないが、このままだと大変な事になるぞ。」

ナタリア「ああ。何としてでも・・・ん?」

ユラッ

ナタリア「ベアトリーチェ!危ない!」

ベアトリーチェ「!?」

ガキン

ベアトリーチェ「へ?」

シルヴィア「姉さんに手を出す輩は、私が許さない!」

ベアトリーチェ「シルヴィア!」

シルヴィア「間一髪でしたね。」ニコッ

ベアトリーチェ「でもどうしてここに?」

カルロス「俺が彼女に連絡したのさ。」

ウーヴェ「連絡したって、まさか!?」

カルロス「そう。実は俺、天獄のスパイとして活動していたのさ。」

ウーヴェ達「な、なんだとォォォォォォ!?」

ナタリア「その話は本当なのか!?」

カルロス「全て事実さ。それよりも今はあいつを倒そうぜ。話はそれからだ。」

ナタリア「そうだったな。戦闘再開だ!」

カルロス「そうこなくっちゃ!」

才人「まさかカルロスにそんな事があったとは驚いたぜ。」

カルロス「それだけじゃない。実は俺とシルヴィアもアリエスに会った事があるからな。」

才人「マジかよ・・・。」

カルロス「おっ、そろそろ攻撃が来る頃だぜ。」

才人「そっちがその気なら・・・、ウィザードカウンター!」ガン

ドドーン

カルロス「サイト!思いっきり全力でぶつかって来い!そして皆で生きて帰ろうぜ!」

才人「もちろんそのつもりだ!あいつの野望を終わらせるためにも、俺がやらなきゃ意味がないからな!ここからは全力で行くぜ!」

ゴオオオオオ

カルロス「こりゃ面白くなってきたぜ!俺も本気を出すとするか!」

アーベル「こうなった以上は俺も全力で戦おう。バーストフルドライブ!」

ゴオオオオオ

シルヴィア「漆黒の翼が輝きだした!」

ベアトリーチェ「サイト!逃げて!」

アーベル「これで終わりだ!ファイナルファントム!!」ギュオオオオオ

才人「見切った!ブライトストリーム!」ゴオオオオオ

ギュイーン

アーベル「馬鹿な!俺の最大奥義が破られただと!?」

才人「お前のやっている事は我儘な子供と一緒だ!そんな奴に、人類を導かせる権利はない!」

ナタリア「サイト!最大奥義で決着を着けろ!」

才人「分かってる!これで終わりにしてやるぜ!」

ピカアアアアア

ベアトリーチェ「サイトの翼が輝きだした!しかも拳も光り輝いている!」

才人「これで終わりだ!天空羅王拳!」

ドガァァァァァ

アーベル「ぐわあああああああ!!」

ドッゴーン

マティアス「よっしゃ!サイトが勝ったぞ!」

ナタリア「今度は我々の番だ!全力で行くぞ!」

マティアス「分かってるぜ!ビリー、アレをやるぞ!」

ビリー「ウッス!」

ビュンビュンビュンビュン

マティアス「合体奥義―――。」

マティアス・ビリー「ギガント・ロワイアル!」

ドッゴーン

才人「おお!レッドレイジに大ダメージを与えたぞ!」

ナタリア「これは効いたようだな!」

カルロス「最後は俺が決めてやるぜ!覚悟!」ドスッ

ズシーン

ナタリア「レッドレイジ、戦闘不能。我々の勝利だ!」

マティアス「やったぜ相棒!任務完了だ!」

才人「ああ!俺達は勝ったんだ!」

アーベル「フッ・・・。まさかこの俺が負けるとは思わなかったな・・・。」

才人「どうやら自分の負けを認めたようだな。」

アーベル「サイト、お前は何故こんなに強いんだ・・・?」

才人「仲間がいたからここまで来れたんだ。仲間との絆がある限り、俺は倒れないぜ。」

アーベル「そうか・・・。俺の野望が叶わぬまま死んでしまうとは・・・、本当に残念だな・・・。」

アーベル「けど、アンタと戦えた事は・・・、とても嬉しかったぜ。」

パアアアアアア

才人「アーベル・・・、光の粒となって消えてしまったか・・・。」

ナタリア「思えば奴は哀れな男だったな。」

ベアトリーチェ「サイト。次の準備はできている?」

才人「ああ。すぐに始めるぞ。」

パアアア

アリエス「『柩』の前で会う約束、守ってくれてありがとウ。」

才人「アリエス・・・。」

アリエス「これが、本当の『柩』の入口だヨ。サイモンに会うための、本当の扉・・・。」

才人「・・・。」

ナタリア「サイト、ここはお前1人で行って来い。お前にはこの扉の向こうに行く義務がある。」

才人「分かった。行って来るぜ。」

アリエス「なら決定だネ。じゃ、行こうカ。」

ギュオオオオオオ

ゴオオオオオ

才人「うおっ!いきなり熱いところだな!」

アリエス「ここは、煉獄・・・。未だ知られざるモノ達が、目覚めの時を待っている場所・・・。」

才人「だ、大丈夫なのか?」

アリエス「心配はいらないヨ。ここでは、地上とは時間の流れ方が違うかラ。」

才人「そ、そうか・・・。」

アリエス「さァ、ついて来テ。サイモンに会わせてあげル。」

ギュオオオオ

パアアア

アリエス「サイモンは、ずっと待ってたんだヨ。『変革』を与えるべき人間が現れる事、自分の力を与えるに足る人間が現れる事ヲ。」

アリエス「それが『変革』・・・。サイモンの希望・・・。今はまっすぐ前に進んデ。またいずれ、ここには来ることになるかラ。」

ギュオオオオオ

アリエス「サイモンの『変革』に必要な人間のひとりとして選ばれたのはキミ、ベアトリーチェ、ナタリア、カルロス、シルヴィアの5人。」

アリエス「それがどういう事かは・・・、いずれわかる時が来ル。それまでは・・・、ひたすら前に進むことだネ。人間らしク、君らしク・・・。」

ザッザッザッ

アリエス「君なら来てくれるって信じてタ。君は何を望むかナ?ここから先は、何を見ても驚かない事だネ。」

ギュオオオオオ

サイモンの部屋

ザッザッ

サイモン「よく来たな、人間。」

才人(この人がサイモン・・・。)

サイモン「お前の持つ夢を歓迎しよう。お前に一つ贈り物を授ける。チェーザレ。」

チェーザレ「かしこまりました。ご主人様。」

才人(チェーザレ・・・、まさかこの人が!?)

サイモン「『柩』の種。ここと地上を繋ぐ扉を作ることができる。」

才人「あ、ありがとう・・・。」

サイモン「人間、落ち着いたら、また会いに来い。その時は、もっとゆっくり話をしよう。」

才人「ああ。約束するぜ。」

ギュイーン

マティアス「戻って来たようだな。で、何だそれは?」

才人「ああ。『柩』の種だ。未知の世界と地上を繋ぐ扉を作ることができるんだ。」

カルロス「だったら俺達も彼に会わないといけないな。」

ギャオオオオオオ

シルヴィア「どうやらここに天獄の勢力が来るようね。逃げるわよ!」

才人「ああ!」

上空

ギュオオオオオ

ベアトリーチェ「これでホウライ勢力との戦いは終わったわね。」

才人「ああ。だけど他のPT勢力がまだ残っている。そいつ等を叩きのめさない限り、真の平和は訪れないからな。」

シルヴィア「そうね。私も天獄勢力の行動を監視する必要があるわ。また地上に被害を起こさないためにも。」

才人「そうだな。」

ギュオオオオオオ

宇宙空間

ギュオン

アリエス「これでフリーダムウォーズの戦いは幕を閉じタ。けど、この小説はまだまだ続くノ。」

アリエス「そウ、天獄が最大兵器を使って地上に集中攻撃を仕掛けてくる事になっタ。」

アリエス「それを阻止する為、サイトは新たな戦いに挑む事になル。」

アリエス「けど、今の彼はまだ知らなイ。彼の選択でその戦いの結末が決まるという事ヲ・・・!」

次回予告

ホウライ勢力との戦いから3日後、才人達は『柩』の扉を使ってサイモン達と再会した。

さらにベアトリーチェとシルヴィアも父親との再会を果たしたのだ。

だがサイモンから衝撃の事実が伝えられた。それは、天獄が最大兵器を使って地上に集中攻撃を仕掛けてくる事だった。

それを阻止する為、才人達は新たな戦いに挑む。果たして彼等は天獄の野望を打ち砕く事ができるのか!?

才人「次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト。『新たな戦いと天獄の最大兵器』。」

シルヴィア「咎人達よ、自由を求めて戦え!」

才人(天獄のお前が言うセリフじゃないだろ・・・。)

第15話 新たな戦いと天獄の最大兵器

ホウライとの戦いから翌日、プロパくんから通知が来た。

プロパくん「サイトさん。あなたの活躍はお見事です!よって、我がPTは第8情報位階権限(コード)を授けます!」

才人「よっしゃ!ついに最上階に上がったぜ!」

プロパくん「さらに刑期も0。こんなに素晴らしい事はありません!よってあなたに市民2級の資格を授けます。」

才人「ついに俺も自由を手に入れたのか・・・。けど、貢献はまだ続くんだよな。」

プロパくん「その通りです。ホウライ勢力は滅びましたが、まだ多くの敵PTが存在しています。そのためにはあなたの力が必要なのです。」

才人「それが俺に出来る事なら、喜んで引き受けるよ。」

プロパくん「ありがとうございます!これからも貢献をよろしくお願いします!」

才人「ああ!任せてくれ!」

それから3日後

才人「へ?ウィルオーが特別に濃い部屋が見つかったのか?」

ナタリア「そうだ。しかも誰にも見つからない場所だ。確か場所は第1階層のセルガーデンだ。」

才人「じゃあ、そこに『種』を植えとけば、サイモンに再び会えるという事か!」

ナタリア「そう言う事になるな。集合したらすぐに目的の場所に行くぞ!」

才人「ああ!」

第1階層セルガーデン

ゴゴゴゴゴ

ベアトリーチェ「すごい・・・。これが『柩』・・・。」

才人「出現したし、そろそろ入るとするか!」

ナタリア「ああ!全員入るぞ!」

ゾロゾロ

ベアトリーチェ(いよいよ会えるんだ・・・。父さんに・・・。)

サイモンの部屋

コツコツ

サイモン「ついに来たようだな。人間たちよ。」

チェーザレ「ベアトリーチェ!?シルヴィア!?」

ベアトリーチェ・シルヴィア「父さん!」ダッ

ギュッ

ベアトリーチェ「父さん・・・、会いたかったよ・・・。」ポロポロ

シルヴィア「心配していたんだから・・・。」ポロポロ

チェーザレ「済まなかった、2人共。」

レミージョ「チェーザレ、そんなところにいたのか。」

カスミ「心配していたんだから。」

チェーザレ「レミージョ、カスミ、久しぶりだな。」

才人「親子の再会か・・・。」

カルロス「会えてよかったな。2人共。」

サイモン「さて、そろそろ本題に入ろう。お前は今、俺に会うまで、数多の困難と犠牲、そして痛みを乗り越えてきた。それは一体・・・何のためだ?」

才人「仲間を守るためだ。」

サイモン「では、聞こう。本当に仲間を守る事ができるとでも?幾度となく繰り返される戦禍を前に、仲間を守り続けることなど、本当にできると思っているのか?」

才人「そのために俺は強くなったんだ。」

サイモン「ほう・・・。なかなかいい目をしているな。では、お前に伝えたいことがある。」

才人「伝えたい事?」

サイモン「天獄が最大規模の天罰を起こそうとしている。新しく作られた最大兵器を使って。」

才人「最大兵器?」

シルヴィア「そう。天獄は最凶のアブダクターを完成させたの。今まで誰も見たことがないアブダクターを・・・。」

ナタリア「いったいどのようなアブダクターなのだ?」

シルヴィア「虎型のコウシン、蜘蛛型のパラドクサ、竜型のディオーネ、そして最大の強さを誇るペルタトゥルム。それ等を融合して作られたアブダクターなの。」

カルロス「そしてその融合した姿は、背中に翼が生え、長い尻尾と3本の角を持った魔物だそうだ。」

サイモン「そのアブダクターの名前は・・・、スカルΩ!」

才人「スカルΩ・・・。」

アリエス「しかもその強さはレッドレイジやアーベルよりもはるかに越えていル。いくらデビルバーストの君でも勝ち目はなイ。」

才人「そんな・・・。」

ナタリア「何か対策はあるのか!?」

サイモン「一つだけ方法がある。デビルバーストの最大奥義、ファイナルエデンだ。」

才人「ファイナルエデン?」

サイモン「地上にいる敵全員に大ダメージを与えるだけでなく、全てのアブダクターを破壊する最大の威力を持っている。」

カルロス「これならスカルΩもイチコロだな。」

サイモン「だが、この技を出すには条件がある。デビルバーストの力を持つお前が究極モードにならない限り、その技を出す事は不可能だ。」

才人「究極モード?」

サイモン「背中に白き翼、黄金の鎧を装着した姿だ。」

才人「今の俺は白き翼が生えただけだから、もう少し進化しないとダメだな。」

アリエス「でも君なら大丈夫。ルーンを見てごらン。」
才人は言われたまま左手のルーンを見ると、見た事のないルーンが刻まれていた。

アリエス「そのルーンは聖邪のルーン。光と闇のデビルバーストが一つになったルーンなノ。」

才人「じゃあ、アーベルを倒したと同時に、そのルーンに変わったという事か・・・。」

アリエス「そういう事。しかもそのルーンは究極モードになる事ができるノ。発動してみてごらン?」

才人「それじゃ・・・、発動!」

ゴオッ

ナタリア「おおっ!羽だけでなく黄金の鎧まで装着しているぞ!」

チェーザレ「どうやら究極モードに変身したみたいだね。」

才人「これが究極モード・・・。すご過ぎるぜ・・・!」

サイモン「どうやら究極モードに変身したようだな。これで最大奥義を出す事ができるだろう。」

才人「ああ。この姿ならどんな敵でも倒す事ができるぜ。ありがとな!」

サイモン「だが、その最大奥義には重大なリスクがある。」

才人「重大なリスク?」

サイモン「そう・・・。その技はルーンの力を全て消費してしまい、発動を終えた直後にルーンは消滅してしまう。」

才人「ルーンが消えるという事は・・・、まさか!?」

アリエス「つまり死んでしまうという事だヨ。」

才人達「!!!!????」

才人「う、嘘だろ・・・。その話は本当なのか・・・?」

サイモン「残念ながら本当の話だ。」

ベアトリーチェ「そんな・・・。」

才人「冗談じゃない!俺は元の世界に帰りたいんだ!こんなところで死ぬなんて嫌だ!」

サイモン「だが、スカルΩの攻撃で仲間が死んだらどうするつもりだ?」

才人「・・・!!そ、それは・・・。」

サイモン「まだ心の不安が残っているな。今日はそれくらいにしておこう。帰っていいぞ。」

才人「・・・はい。」

コツコツ

ベアトリーチェ「サイト・・・、大丈夫かな・・・?」

チェーザレ「あの様子だと無理もないだろう。死ぬ事をよほど怖がっているからな。」

シルヴィア「ええ・・・。スカルΩが奇襲してくるまで決心してくれればいいんだけど・・・。」

独房

才人「俺はまだ死にたくない・・・。けど、スカルΩによって仲間が死ぬのは絶対に嫌だ!どうすればいいんだ・・・!」

エリス「・・・。」

ウイーン

ナタリア「サイト!緊急事態が発生した!すぐにモニターを見てくれ!」

才人「緊急事態?」

ウィーン

才人「な、なんだ!?このひどい有様は!?」

ナタリア「崩壊されたレムリアPTの有様だ。これによって多くの咎人が犠牲となってしまった。」

才人「という事は・・・!」

ナタリア「つまり最大規模の天罰が始まったという事だ。」

アクセサリ「さらに情報を追加。他のPTでも天罰が発生。既にほとんどが陥落してしまいました。」

ナタリア「なんだと!?」

アクセサリ「そして全てのPTを攻め落とした後、最後は我々のいる東京PTへ向かうそうです。」

才人「マジかよ・・・。」

ナタリア「サイトが考え込んでいるにも関わらず、いきなり攻めてくるとは予想外だったな・・・。」

エリス「ええ。このままだと攻め落とされるのも時間の問題です。」

才人「・・・ナタリア、エリス。俺、決意したよ。」

ナタリア「サイト?」

才人「俺はこのPTを守りきる!たとえ命が消えようとしても、このPTは絶対に守り切りたいんだ!」

ナタリア「正気なのか!?」

才人「ああ。確かに俺は死ぬのが怖いが、仲間が死ぬのはそれ以上に怖いんだ!」

才人「だって東京PTは・・・、俺のもう一つの故郷だから!」

ナタリア「・・・サイト。まさかここまで成長していたとは・・・。」

才人「すぐに急ごう!東京PTを守りきるためにも!」

ナタリア「そうだったな。行くぞ!」

ロウストリート

ナタリア「全員そろったな。先程、天獄の連中が最大規模の天罰を開始した。」

マティアス「マジかよ!いきなり過ぎるぜ!」

ベアトリーチェ「それだけじゃない。天獄は最凶のアブダクターを完成させたの。そのアブダクターの名はスカルΩ!」

ウーヴェ「スカルΩだと・・・!?」

カルロス「虎型のコウシン、蜘蛛型のパラドクサ、竜型のディオーネ、そして最大の強さを誇るペルタトゥルム。それ等を融合して作られたアブダクターだ。」

ナタリア「しかも強さはアーベルとレッドレイジをはるかに越えている。この戦いに苦戦するのは間違いないだろう。」

エルフリーデ「対策方法はないのか!?」

才人「俺のデビルバーストの最大奥義で倒すことが可能だ。だが、この奥義はルーンの力を全て使い切った後、そのまま死んでしまう。」

エルフリーデ「その話は本当なのか!?」

才人「ああ。東京PTは俺のもう一つの故郷だからな。それだけは何としてでも守りたい。」

マティアス「けど、その技を使ったら死んじゃうんだろ!?死ぬのが怖くないのか!?」

才人「確かに怖いかも知れないけど、仲間が死ぬのがそれ以上に怖いんだ。大切な仲間を守るためなら、命を投げ出してもおかしくない!」

マティアス「相棒・・・。」

ウーウー

プロパくん「天罰発生。すぐに出動してください!」

才人「どうやら全てのPTが攻め落とされたようだな。」

ナタリア「ああ。お前達、これが最後の戦いだ。必ずPTを守りきるぞ!」

咎人達「おう!!!」

才人(天獄の思い通りにはさせない・・・。俺があいつ等の野望を全て終わらせてやる!)

宇宙空間

アリエス「いよいよ始まった最後の戦い。彼の選択によってこの世界の運命が決まル。」

アリエス「果たしてその先にあるのは滅びの道カ。復興の道カ。」

アリエス「その答えは次回の最終回で明らかになル。運命の瞬間を・・・、見逃すナ。」

次回予告

ついに始まった天獄との最終決戦。才人は究極モードで戦いに挑んだ。

迫りくる敵を蹴散らした後、突如現れたスカルΩとの戦いに挑んだ。

だがスカルΩの猛攻によって才人は負傷してしまい、地面に墜落してしまった。

それでも才人は最後の力を振り絞って、スカルΩに立ち向かった。

果たして、才人は天獄の野望を打ち砕く事ができるのか!?そしてフリーダムウォーズの世界の運命はどうなるのか!?

次回、フリーダムウォーズ ザ・デビルバースト、最終回!戦いの終わりと涙の別れ。

最大の戦いの結末を・・・、見逃すな!

次回は最終回です。ご期待ください!

最終回 戦いの終わりと涙の別れ

ドゴーンドガーン

マティアス「チッ!いくら倒しても次々に出てきやがる!これじゃあキリがないぜ!」

ナタリア「サイト!究極モードだ!」

才人「了解!デビルバースト、究極モード!」

パアアアッ

マティアス「すっげー!これが究極モードか!なかなかshazだぜ!」

ナタリア「変身できたようだな。そのまま敵を蹴散らせ!」

才人「言われなくてもそのつもりだ!行くぜ!」

ギュオーン

才人「敵の数は7万ぐらいか・・・。なら、オーラドライブ!!」

ギュオオオオオ

才人「よし!全員蹴散らしたようだな!」

エリス「敵アブダクターが出現しました。すぐに攻撃を。」

才人「敵アブダクターにはこの技が有効だな。ファントムブレイド!」

ズシャアアアア

エリス「敵アブダクター、全て破壊しました。」

才人「おっし!残るはスカルΩだけだな!」

ベアトリーチェ「・・・。」

エルフリーデ「どうしたベアトリーチェ?」

ベアトリーチェ「ううん、何でもないよ。」

ズシーンズシーン

シルヴィア『スカルΩがあなた達の元に来るわ。戦う覚悟はできている?』

才人「もちろん覚悟はできている。天獄の野望は俺達が終わらせないとな!」

シルヴィア『その様子だと覚悟はできているみたいね。一緒に戦えないのは残念だけど、あなたが勝つことを祈っているわ。』

才人「ありがとうシルヴィア。アンタと話せて楽しかったぜ。」

シルヴィア『私もよ。さようなら、サイト。』

ピッ

才人「さてと、通信も終わったし・・・、ここからは本気(マジ)で行くぜ!」

ギャオオオオオオオ

ナタリア「ついに始まったか。この世界の未来を決める最大の戦いが・・・。」

ベアトリーチェ「サイト・・・。」

才人「まずは背中に付いている羽を溶断しないとな。ランスキャノン!」

ズガガガガ

才人「よし!命中だ!」

ドッゴーン

ウーヴェ「おお!羽が地面に落ちたぞ!」

カルロス「これで奴は空を飛ぶことが不可能になったな。」

ベアトリーチェ「いや、スカルΩには爪の攻撃、蜘蛛の巣攻撃、鎖攻撃も含まれているわ。油断してはダメ。」

カルロス「確かにそうだが、あとは才人がどう動くかだな。」

才人(奴はまだ3つの技を持っている・・・。となると、次は鎖を攻撃した方がいいな。)

ヒュンヒュンヒュンヒュン

才人「チェーンウィップ!」ビシバシビシバシ

ガシャーン

才人「さらに鋼鉄連撃打!」ドガガガガ

ガシャーン

才人「そして最後に、溶断刃!」ヒュンヒュン

ガシャシャーン

才人「これで装備は全て破壊した。とどめを刺してもらうぜ!」

<デストロイプログラム起動>

ガシャガシャガシャガシャーン

ナタリア「何!?そのようなプログラムがあっただと!?」

才人「そんな事ってありかよ!」

ベアトリーチェ「サイト!逃げて!」

才人「くっ!一旦その場を離れないと!」ビュン

ガシッ

才人「な!?」

ドガシャーン

才人「あが・・・。」

マティアス「大丈夫か、相棒!?」

才人「な、なんとか・・・。」

ガシッ

才人「くっ!捕まってしまったか・・・。」

マティアス「待ってろ!すぐ助けに行く!」ビュン

ドガッ

マティアス「ぐわっ!」ズシャッ

才人「マティアス!」

ドガッドゴッバキッ

ウーヴェ・ナタリア・エルフリーデ「うわあああああ!!」

ズシャアアア

才人「ウーヴェ!ナタリア!エルフリーデ!」

ドガシャアアア

才人「うわああああああ!!」

ベアトリーチェ「サイト!」

カルロス「あの攻撃を喰らったら大ダメージは当然だ。あの様子だと次の攻撃で死んでしまうな・・・。」

ベアトリーチェ「すぐに回復させないと!」

才人「まだだ・・・。まだこんなところであきらめない・・・。」

ベアトリーチェ「サイト!?」

才人「俺は決めたんだ!大切な仲間を守るためなら、命を投げ出しても構わない!」

才人「それに東京PTは・・・、俺のもう一つの故郷だ!」

ベアトリーチェ「サイト・・・。」

才人「ルーンの力もあと僅か。最後の奥義で決着を着ける!はあああああ・・・・。」ゴゴゴゴゴ

カルロス「どうやら最大奥義で決着を着けるようだな。サイト、後悔はしていないのか?」

才人「もちろん後悔はしていない。東京PTを守るためなら、命を投げ出してもおかしくないからな。」

カルロス「そうか。今のお前、いい目をしてたぜ。」

才人「あ、ありがとう・・・。」

カルロス「お前の思いを全てぶつけろ!そしたらスカルΩを倒せるはずだ!」

才人「カルロス・・・。」

ウーヴェ「アーベルを倒したお前の力ならきっと倒せる。自分を信じろ!」

才人「ウーヴェ・・・。」

エルフリーデ「お前と一緒に戦った事は忘れない。最後はバッチリ決めてくれよ!」

才人「エルフリーデ・・・。」

マティアス「相棒ならきっとできる!俺は信じてるぜ!」

才人「マティアス・・・。」

ナタリア「皆がお前の事を信じている。お前は東京PTの最後の希望だからな。」

才人「ナタリア・・・。」

エリス「エネルギーが100%に突破しました。今です!」

才人「OK,エリス!最大奥義発動!」ビュン

マティアス「いっけー、相棒――――!!」

才人「ファイナルエデン!!」ゴオオオオ

ドッカーーーーーーーーーン

ガシャーンドゴーン

ナタリア「おお!スカルΩが戦闘不能になった!」

ウーヴェ「しかも天獄の兵士達も次々と倒れていくぞ!」

パアアア

ナタリア「な、何だ?この黄金の風は?」

カルロス「俺達には影響ないみたいだけど、地面から草木が生え始めてきたぞ。」

マティアス「マジかよ!これってもしかして奇跡じゃないのか!?」

ナタリア「確かにそうかも知れないが、この技によって新しい生命が誕生するとは予想外だな。」

パアアアア

エルフリーデ「金色の雪まで降り始めるとは・・・。これは見事だ。」

マティアス「あれ?そう言えばベアトリーチェの姿が見えないけど・・・。」

ナタリア「まさかサイトの元に向かったのでは!?」

サイモンの部屋

サイモン「どうやらサイトがファイナルエデンを使ったそうだな。」

チェーザレ「ええ。彼は後悔していない表情をしていました。」

サイモン「そうか・・・。アリエス。彼を宇宙空間へ送ってくれ。」

アリエス「了解。」

ゴオオオオオオ

才人「もう少しでルーンの力が切れそうだな。最後くらいはド派手に行くとするか!」

才人「うおおおおおおおお!!」

タタタタタ

才人「これで、終わりだ―――――――!!」

ベアトリーチェ「サイト―――――――!」

ギュオオオオオオオオオ

宇宙空間

パアアアア

ベアトリーチェ「あれ?ここは・・・。」

アリエス「サイト。ルーンの力を使い切った事で、キミの人生は幕を閉じタ。それと同時にこの世界から姿を消すことになル。」

アリエス「もう、この世界には戻る事ができなイ。」

ベアトリーチェ「なんで?どうしてこのような道を選んだの!?自分の命を投げ出してまでなぜこのような事を!?」

スッ

ベアトリーチェ「!?」

才人「俺は後悔なんかしていない。これは自分で選んだことなんだ。」

ベアトリーチェ「でも、元の世界に帰れないまま死んでしまうんだよ!」

才人「もちろん元の世界に帰りたいと思っている。けど、デビルバーストの力を手に入れたおかげで、自分の目的が変わったんだ。」

才人「どうせなら元の世界に帰るより、ここの人達の役に立ちたいってね。」

ベアトリーチェ「サイト・・・。」

アリエス「んじゃ、そろそろ君が消える時間だヨ。心の準備はできていル?」

才人「ああ。始めてくれ。」

アリエス「では、行くネ。」

パアアアア

ベアトリーチェ「サイト・・・。私、あなたがいなくなっても絶対に忘れない!」

ベアトリーチェ「だってサイトは・・・、才人は・・・、私の大切な人だから!」

才人「ベアトリーチェ・・・。」

ベアトリーチェ「だから・・・、だから・・・。」ポロポロ

才人「俺も同じ気持ちさ。」

ベアトリーチェ「え?」

才人「だって、ベアトリーチェは・・・、俺の大切な人だから。」パアアアア

パーン

ベアトリーチェ「サイト―――――――――!!」ヒュルルルルル

草原

ナタリア「おい!大丈夫か!しっかりしろ!」

ベアトリーチェ「ん・・・。ここはいったい・・・。」

ナタリア「さっき私達が戦っていた場所だ。サイトのおかげで今は草原となっている。」

マティアス「それだけでなく、木や生き物たちも出現したんだぜ。あいつの技は新たな生命を誕生させたんだ。」

ベアトリーチェ「そうだったんだ・・・。」

エルフリーデ「ところでベアトリーチェ。涙が流れているが、いったい何があったんだ?」

ベアトリーチェ「夢の中でサイトが私に語りかけたの・・・。」

カルロス「なんて言ったんだ?」

ベアトリーチェ「俺の大切な人だって・・・。」

それから1週間後、天獄

ベアトリーチェ「あの戦いから1週間・・・。天獄と地上も少しずつ変わったみたいだね。」

シルヴィア「ええ。地上では東京PTを中心にした国づくりが始まっているし、天獄も天罰を廃止してから地上の人達と協力し合っているからね。」

ベアトリーチェ「父さんが願っていたことはそう言う事だったのね。」

シルヴィア「ええ。で、これからどうするの?」

ベアトリーチェ「私は天獄でアブダクターの製造に取り掛かるわ。戦い以外の場所でアブダクターが活躍しているのを見るのが私の夢だから。」

シルヴィア「姉さんは機械好きだからね。私は天獄で政治家を目指すわ。二度と地上に悲劇をもたらさないためにも・・・。」

ベアトリーチェ「ええ・・・。父さんのためにも、才人のためにも・・・。私達が頑張らないと!」

シルヴィア「そうね。それじゃ、皆のところに戻りましょう。」

ベアトリーチェ「うん!」

アリエス「こうして、天獄の兵士達が降伏した事によりフリーダムウォーズの戦いは幕を閉じタ。」

アリエス「それと同時に、天獄の最高長官と幹部は処刑され、穏健派の人が最高長官となっタ。」

アリエス「それから3日後、地上では東京PTを中心にした国づくりが始まり、天獄も地上の人達と協力し合い始めタ。」

アリエス「フリーダムウォーズの戦いが終わっても、地上の人々と天獄での穏健派の人々は彼の事を忘れないだろウ。」

アリエス「異世界から来たデビルバーストの戦士、平賀才人の事ヲ・・・・。」

最終回ED:手の中の宇宙

~完~

上でこの物語は幕を閉じます。最後までご覧いただき、ありがとうございました!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom