モバPさんが聞いている。 (60)


モバP「……」カリカリ

ガチャ

島村卯月「お疲れ様ですっ」

十時愛梨「ただいま戻りました~」

モバP「……」カリカリ

卯月「プロデューサーさん!お疲れ様です」

モバP「……」カタカタ

愛梨「プロデューサーさん」トントン

モバP「ん?おぉ!卯月と愛梨か、ゴメンゴメン。お疲れ様」

卯月「お疲れ様です!プロデューサーさんこそ気合い入ってますね!」

モバP「まぁな。これ終わったら2人共送るから、ちょっと待っててくれるか?」

愛梨「は~い」



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卯月「プロデューサーさんってたまにヘッドホン付けてお仕事してるよね」

愛梨「忙しい時なんか多いです~。何聴いてるのかな?」

モバP「……」カタカタ


モバP( 何 も 聴 い て ま せ ん ! ! !)



モバP(最初は『今忙しいからあんま話し掛けないでね』アピールの為に曲を聴きながらやってました)

モバP(でもある日、忙しいのに音楽プレイヤーを忘れてしまいましてね)

モバP(仕方なく曲を聴かずにヘッドホンだけ付けたんですよ)

モバP(…そしたらね、聞こえてくるんですよ)

モバP(アイドル達の、無防備な会話が)



モバP(いや別にね?普段の俺に壁を感じるとかは無いですよ?良い子ばっかりですし)

モバP(でも女の子同士だと変わってくるじゃないですか)

モバP(それがね、滅茶苦茶面白いんですよ)


モバP(あぁもちろん、明らかに俺が聞くのは良くない内容の話は聞きませんよ?その時は音楽かけますから)

モバP(……誰に説明してるんだか。さぁ、今日も始まった)


ROUND 1

モバP(卯月と愛梨……いきなり強コンビだな……)

愛梨「卯月ちゃん。今朝持ってきたシフォンが丁度二つ残ってたから、食べますか~?」

モバP(二人共結構天然な所がある。ツッコミ不在のタブルスアタック……これは、強い!)

卯月「わぁ!いただいて良いのっ?私お茶入れてくるー……あ、でも、プロデューサーさんの分は……」

モバP(お昼過ぎに頂きました。お二人でどうぞ)

愛梨「プロデューサーさん、今朝『今日のお昼はししゃもだからみくの前で食べてやろう』って言ってたから、多分大丈夫だよ~」

モバP(大丈夫の基準が分かんねぇよ。愛梨の中ではシフォンケーキとししゃもの天ぷらは同レベルなの?)

卯月「そっかぁ」

モバP(卯月も納得しちゃうんだね。このコンビの怖い所だね)



卯月「わぁ!美味しそう!チョコなんだね!」

愛梨「ココア粉入れただけだから、あんまりチョコの味はしないんだけどね」

卯月「ううん!大人っぽい味!とっても美味しいよ!」

愛梨「ねぇ卯月ちゃん、なんでシフォンケーキには穴が空いてるか知ってますか?」

卯月「え?」

モバP(始まった。愛梨は思い付いた事をすぐ口に出しちゃう)

卯月「穴……?穴が空いてるの?」ジーッ

モバP(本体にだよ。切り分けた状態には空いてねぇよ)


卯月「あ、このスポンジみたいな穴のこと?」

愛梨「あぁ、それも穴ですね!」

卯月「これは生地が膨らむ時のヤツでしょ?」

愛梨「はい!卵が空気を取り込んで、小麦粉とか他の材料がそれを固めるんです~」

卯月「へぇ~」

モバP「……」カタカタ カチッ

モバP(え、ケーキ本体の穴は説明しないの?)



モバP(いや知ってるけどね、真ん中は火が通りにくいとかそういう話は知ってるけどね?)

卯月「へぇ~」

愛梨「だからフンワリ焼き上げたい時は~…」

モバP(愛梨もノリノリでケーキの焼き方話し出しちゃったよ。なんかこう、モヤーっとするわぁ…)

愛梨「それで……あれっ?何の話でしたっけ?」

卯月「え?スポンジの話じゃ……」

モバP(よーし良いぞ。そのまま進路調整だ…)


愛梨「そういえば、スポンジって名前はそもそも海綿動物から取ってるんですよ」

モバP(逸れたー!話メッチャ逸れたー!!)


卯月「あ!知ってる!あのちっちゃい穴から水とか食べ物を取り入れるんだよね!」

愛梨「そうそう!それで上の方にある大孔って所から水を吐き出すんですよ!」

卯月「水溝系って言って、内側に生えた鞭毛が水を出し入れしてるんだって!」

モバP(そして何でお前らはそんなに海綿動物に詳しいんだよ!聞いたことねぇよ海綿に明るいアイドルなんて!!)


prrrr

卯月「あっ……ちょっとゴメンなさいっ」

pi

卯月「もしもし……ど、どうしたの!?うん、私は事務所だけど…」

モバP(どうしたんだろう…)

卯月「え?マシュマロ?さぁ……ちくわ?え?ちょ、ちょっと!マシュマロかちくわかハッキリしてよ!」

モバP(なんの会話だよ!!!)


卯月「マシュマロなの?ちくわなの?……うん、うん。分かった。見ておくね。うん、じゃあね」ピッ

モバP(マシュマロとちくわのどちらかで迷うに至った背景がまるで分かんねぇよ……誰からの電話だよ……)

愛梨「誰からですか?」

卯月「えっ?あぁ、凛ちゃん!」

モバP(凛か…すごく気になるな……)

卯月「ハナコのおやつを二種類買ったのに、麗奈ちゃんがどっちか食べちゃったらしいから、どっちが残ってるのか確認して欲しいんだって」

モバP(普段犬に何食べさせてんだアイツは!?)


愛梨「ちょっと見てきますね~」

モバP(そして麗奈も人のマシュマロ盗むなよ…)

愛梨「あっ!マシュマロありますよ~」

モバP(盗んだのちくわの方かよ!!)


卯月「うん、うん、マシュマロあったよ。うん。はーい。また明日ねっ」pi

愛梨「あれ?卯月ちゃん、携帯変えました?」

モバP(何事も無かったかのように会話を続けられるのが凄いよなぁ)

卯月「え?変えてないけど…」

モバP(変えてないのかよ!!)

愛梨「あれぇ?いつもより持ってる手の人差し指と中指の間隔が広い気がしたんですけど~」

モバP(判断材料がキモい!!他人の携帯持つ手なんてそんな観察しねぇよ!名探偵かよ!!!)

卯月「あぁ、丁度このへんにご飯粒付けちゃって。触るの嫌だから避けてたの」

モバP(拭けよ!!!!!)

愛梨「それなら私のベンジン使います?」

モバP(ティッシュで充分だよ米粒なんて!!ていうか何でベンジン持ち歩いてんだよ!!!)

モバP「……」カタカタ ッターン!

愛梨「あっ」

卯月「プロデューサーさんっ、お疲れ様でした!」

モバP「おう。帰るか…あと卯月、これ」

卯月「へ?ティッシュ?」

モバP「……使いたくなったら使ってくれ」


ROUND 2

モバP「……」カタカタ

ガチャ

三船美優「お疲れ様です」

片桐早苗「はー疲れたー」

高垣楓「プロデューサーさん。皆で飲みに行く約束、忘れてませんよね」ユサユサ

美優「ヘッドホンしてるから聞こえないんじゃ……」

モバP「あ、お疲れ様です。もうちょっとで片付くんで、それまで待ってて貰えますか?」

楓「はーい」トタタタ

早苗「私もちょっと休憩したかったし、丁度良いやー」

美優「あの、コーヒーいれましょうか?」

モバP「お構いなく。美優さんも座ってて下さい」

美優「はい。失礼します」


早苗「美優ちゃーん、早くお座んなさいな」

楓「……スワン…座んないスワン……」

美優「皆さんもコーヒーか何か…」

早苗「良いから良いからー」


モバP(今日の面子はこの3人か……)

モバP(イジり役の似合う早苗さん。イジられ役の似合って欲しい美優さん。前代未聞の自由人、二十五才児……)

モバP(どう考えても楓さんが鬼門だよな……どんなネタをブッ込んでくる事やら)


美優「Pさんも入れて四人…これくらいの人数で飲みに行くのは珍しいですね」

楓「二人だけとかなら……ふふ、先週も行きました」

早苗「ん?二人っきりでお酒とか私もよくあるし。週8だし」

モバP(いきなり何に対抗意識燃やしてんだ。飲みに行く回数が出勤日超えてんじゃねぇか)


美優「お二人ともお酒強いですよね。私すぐ酔っちゃうから」

早苗「私は強いって言うか、ある程度酔ったらそれ以上飲んでも効果が変わらないーって感じのタイプかな」

楓「…私は…」

モバP(あんたはザルだろ。酔ってんの見た事無いぞ)

楓「飲んだお酒が……体の中でポカリ〇エットに変わるタイプです」

モバP(人間やめてるだろそれ。錬金術師か)


早苗「ポ〇リじゃなくて、ホントは何に変わるんだっけ?」

美優「アルコールがですか?えーっと…」

モバP(アセトアルデヒド。その後に酢酸に二段階変化……だったっけ)

美優「ア、アシュトンカッチャー?」

モバP(それバタフライエフェクトとか出てるイケメン俳優だから!)

早苗「それだ!」

モバP(違ぇよ!?)

楓「正解は…エタナールでしたー、ふふ」

モバP(もっと違……いや合ってるじゃん!何で別名の方言ったんだよ!)


早苗「聞きなれない英語とかって全然分からないよねー」

美優「響きが面白かったりすると覚えやすいんですけどね…」

楓「あの…何でしたっけ…」

早苗「ん?」

楓「あの、緑の、ブサイクなヌイグルミ」

美優「あぁ、あのブサイクな、緑色の…」

早苗「あぁ、みどりでブッサイクなやつね」

モバP(情報が緑とブサイクしか出てこない!お前ら穂乃香に謝れ!)


早苗「思い出した。ピニャコラ太だ」

楓「あれも、ピニャコラーダをモジってるんですよね…」

美優「ピニャコラーダって、面白い響きですね…」

早苗「美優ちゃんがこないだ飲んでたワインの名前は何だっけ?ジュースみたいな果実酒」

美優「あぁ……マルチビタミンです」

モバP(それもうただのサプリメントじゃん!!バーのカウンターでお薬飲むなよ!!店の雰囲気が凄い事になるよ!!!)


早苗「あれ?そこまで直球だったかな?なんか『マルチビタミンみたいな名前だー』って笑ったのは覚えてるんだけど」

モバP(マルチヴィタヴィーノな)

早苗「何だったかなー……」

モバP(後で教えてあげよう)


楓「……響きが面白い外国語、といえば……」

早苗「ん?」

楓「人名なんですけど」

モバP(何を言うつもりだ)

楓「ガーナの、サッカー協会の会長さん……」

モバP「!!」

モバP(そ、それは言っちゃ駄目だ!!!)


楓「…ニャホニャホタマクローって言うらしいんです」


モバP(駄目だwwwwwwwwwwwwwwwwwww)

モバP「ング……っ」

美優「?Pさん?」

モバP「……」カタカタ

美優「…?なんだか苦しそうな声が聞こえたけど…」

モバP(…あ、危なかった……ニャホニャホタマクローは卑怯だろ……)


楓「美優さん……素敵なポーチですね」ツンツン

モバP(出た。唐突な話題提供)

美優「ふふ、ありがとうございます」

楓「可愛い……小さい花柄が…ぽーちぽちと…ふふっ」

モバP(それ言いたかっただけだろ)


早苗「…所持品検査よ!」

美優「えぇ!?な、何ですか?」

早苗「お姉さん、ちょっとお荷物見せてもらって良いかな?」

モバP(あんたもう警察やめただろ)

美優「何も悪い物は入ってませんけど……」

楓「犯人は……貴女です」

モバP(雰囲気だけで発言してるけど、探偵は警察と関係ないからな)


早苗「手帳に予定がビッシリ!高垣隊長!こやつリア充です!」

楓「空いてる日の全てに『アヤハディオ』って書きましょう 」

美優「やめてください!」

モバP(ホントやめてやれよ!ホームセンター通いのアイドルなんて流石に需要皆無だよ!!!)


早苗「お~、見て楓ちゃん。ピンクのヴィトンよ」

モバP(サイフまで弄ってやるなよ……)

楓「革ですね。ツヤッツヤ……あれ?」

美優「……やってしまったんですよ」

モバP「?」

早苗「あっはは!何コレ!裏にお菓子のゴミ張り付いてる!」

楓「……ハリボーとコラボしたお財布ですか?」

モバP(コラボのしかたが直接的すぎるわ)


美優「仁奈ちゃんに貰ったグミをポーチに入れたら…パッケージが溶けちゃったみたいで…」

早苗「コレ無理矢理剥がしたらサイフもボロボロになるでしょーねー」

楓「ハリボーは?」

美優「泣きながら食べました」

モバP(可哀想!)


早苗「プラスチックって相性悪いと酷い事になるよねぇ…私もさぁ」

モバP「……」カタカタ

早苗「一人暮らし始めた時、東急ハンズでウンコ買ったんだけどさぁ」

モバP(ウンコ!!!???)

美優「え?ウン……え?」

楓「売ってるんですか?」

早苗「あぁ違うわよ!ウンコの置き物!ゴムで出来たやつ!」

モバP(何の言い訳にもなってねぇよ!)


モバP(その心情自体は分かるけどさすがに成人女性がウンコ購入するなよ!)

早苗「そんでその置き物、引越し祝いでもらった小さいテレビの上に置いてたんだけど」


早苗「何ヶ月か後に大掃除してたらさ、置き物のゴムとテレビのボディが相性悪かったみたいで…テレビにウンコ張り付いてたのよね」

楓「……」プルプル

美優「あ、はい……」

モバP(美優さん困ってんじゃねぇか。そして楓さんはスゲェつぼってんじゃねぇか)

早苗「無理矢理剥がしたら何故かテレビの方が負けてねー……未だにウチのテレビの上には、ウンコ型の穴が空いてるのよ……」

モバP(メッチャ面白い話だけどアイドルがする内容じゃないよね。アイドル以前に女性同士の会話でする話じゃないよね)


楓「………」プルプルプル

モバP(まだツボってたのかよ)

楓「……」プルプル

楓「…」プル……


楓「…ウンコで思い出したんですけど」

モバP(思い出さなくて良いよ!!どうせロクな話じゃないんだから!!!)

モバP「……」カタカタ ッターン

早苗「お」

美優「あ」

楓「プロデューサーさん。終わりですか。行きましょう」グイグイ

モバP「はいはい分かりましたから押さないで……どこ行きます?俺は洋酒の気分なんですけど…マルチヴィタヴィーノとか」

早苗「あぁ、それそれ」

美優「すみません、先にちょっとトイレに…」

モバP「ウンコですか?」

美優「!?」

モバP(あ!しまった!)

早苗「Pくん女性に向かってウンコは無いでしょウンコは」

モバP(アンタに言われたくねぇよ!)


お疲れ様っす
急にお休みになったので書いてみました
実はまだあの漫画読んでないんだよね ノリと内容が違ったらごめんなさい

じゃあアイプロ走ってくる

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