男「あ、レジ袋に割り箸入ってねぇや」(237)
男「何か最近やたら多いなー。あの新しい店員が入った以来かなー…?」
幼「どうした青年。浮かない顔をしているではないか!」
男「何だ幼か…。部活帰りか?」
幼「おうよ!そうゆう君は買物帰りかい?」
男「見ての通りコンビニ弁当だよ」
幼「またそんなものを食べているのかい?私の手料理でも御馳走してあげると言うのに」
男「お前のは料理じゃねぇよ。あれは毒物だ」
幼「ほう…。この私の料理を愚弄するか…」パキポキ
男「ちょ、指鳴らすな…。お前のビンタはシャレにならねぇんだよ…」
幼「わかればよろしい」
男「お前もそんなに鍛えてどうするんだよ…?」
幼「護身術を学んでいるのさ!」
男「安心しろ、お前を襲う奴何ていないぜ」
幼「それはどーゆう意味かな?男くーん?」パキポキ
男「だから指鳴らすなって…。ったく……。お前が空手を始めてから逆らえなくなったよ…」
幼「そうほめるなって」
男「褒めてねぇよ…。つかもう家の前だぞ。さっさと帰れ」
幼「はいはい、わかったわかった。そんじゃまた明日ねー」
男「へいへい。またなー」
男家―
男「ふー…。えっと箸箸っと……」
男「あ、あった。ってかこれ何回目だよ…。何でいっつも割り箸入ってないんだろうなー…」
男「まぁいいや。さっさと食って課題やらんとなー」ガサガサ
男「今日のメニューはからあげ弁当なり!」
シーン
男「やめた。実況するだけ虚しいしな……」
男「……………………………………」パクパク
男(器洗って寝るか…。課題面倒だわ……)
翌日―
幼「よぅ男ぉ!おっはよ!」バン
男「ぶべらぁ!おい…、急に背中叩くんじゃねぇよ……」イテテ…
幼「あっはは!目を覚ましてあげたんよ!」バンバン
男「痛っ、痛いからまじ痛いって…。もう目覚めたから叩くのやめろ!」
幼「はいはい。全く君がノリが悪いねー」
男「一方的に叩かれてノリもくそもねぇよ…」
幼「さて………。男、何か悩んでいる事はないかい?」
男「何だ?急に真剣な顔して」
幼「嫌、何か表情が暗いからな」
男「そんなに気を遣うなって。俺は平気だからさ」
幼「そ、そうか…?本当に何も悩んでる事ないか…?」
男「大丈夫だって。あ、でも一つ気がかりな事はあるかな…」
幼「何だ?何でも言ってみろ」
男「嫌、本当に些細な事なんだけど俺がよく行くコンビニあるだろ?」
幼「あぁ、あそこ家からかなり近いからな。私も結構お世話になってる」
男「俺あそこでよく弁当買うんだけどさ、店員に『お箸おつけしますか?』って聞かれる割に帰ってレジ袋の中見て見ると何故か割り箸入ってないんだよ」
幼「うわ…。しょうもない……」
男「だから些細な事って言っただろ」
幼「君も地味な悩み抱えてるねー」
男「うるさいな…」
幼「それで君は何か言ったの?」
男「何かって?」
幼「嫌、入ってないんならその店員に割り箸入れろって言えばいいだけだろ?」
男「そうだけどさ……。割り箸程度にわざわざ言ってやるのってあれじゃね…?」
幼「割り箸程度に悩んでる君に言われたくないね」
男「くぅ……………」
幼「とにかく今日もまたそこで弁当を買うんだろ?一回その店員の様子を見たらどうだ?」
男「そうだな…。確かに毎回入ってないのは不自然だからな…。ありがとな」
幼「お礼は良いって。私が好きでやってる事だからさ」
男「嫌、幼にはお世話になってるからな…。ありがと」
幼「急にそんな畏まるな。恥ずかしいだろ……」
男「まぁ、この話は置いといてさ。幼、課題見せてくれねぇか?」
幼「はぁ?またやってないの?」
男「嫌、昨日は急に眠くなっちまってよ……。なぁ、いいだろ?」
幼「全く……。仕方無いな………。次からは気を付けろよ?」
男「わーってるわーってる」
幼「そうやってまた忘れるんだろうな…」
男「あはははー」
幼「ったく……」
男(さて……、幼に言われた通り今日は店員の行動をよく見て見るか…)
イラッシャイマセー
男(よし、あの店員は今日もいるな…。うーん…………。今日はチキン南蛮弁当にしようかな……。あと適当に飲み物飲み物……。やっぱカフェオレだよな)
男(店員さんはレジに入っているようだな…。よし、今の内だ)
男「これお願いします」
女店員「はい、ありがとうございます…」
ピッピッ
女店員「お弁当は温めいたしますか…?」
男「お願いします…」
レンジ「ジジジ…………」
会計済ませ中…
女店員「お箸おつけいたしますか…?」
男「(きた…!)は、はい…」
男(ふむ、今日はちゃんと割り箸を出してるようだな。レジ袋の傍らに置いて、と。あとはレンジを待つだけだな)
レンジ「チーン」
女店員「………………」ガサガサ
男(よし、弁当をレジ袋にいれてっと…。あとは割り箸をレジ袋に入れるだけだな…)
女店員「お待たせいたしました」グッ
男「え?あ、ありがとうございます…」
男「…………………」ピロンピロン
女店員「ありがとうございましたー」
男「…………おかしい…。今確実に用意してた。何故入れなかった?手元にあったのに気付かなかった訳ないよな…?どうゆう事だ…?」
幼「おーい男!」タタタ
男「あ、幼か。今帰りか?」
幼「おうよ!む?それはいつものコンビニ弁当か?」
男「あぁ、そうなんだけどさ……」
幼「まさか、また割り箸が入ってないと…?」
男「そうなんだよ…。今日はしっかりと動きを確認したんだけどさ…。それがまた不自然なんだよ」
幼「不自然…?」
男「あぁ。割り箸はちゃんと袋の隣に置いてあったのに何故かレジ袋には入れなかった。おかしくないか?」
幼「男………。もしかして君いじめられてるんじゃ…?」
男「な、なんでだよ!俺がいじめられる義理なんてないだろ!それに俺あの店員の事一切知らないぞ…?」
幼「男、君が言ってる店員ってあの最近入った可愛らしい子の事…?」
男「え?そうだけど」
幼「男、幾ら病んでるからってあんな可愛らしい子に手何か出しちゃ…」
男「出してねぇって!」
幼「ふーん、君の言う事は信用できないんだよねー」
男「17年間一緒なのに信用無いって俺…」
幼「あっはっは、冗談だってば!男、家着いたぞ」
男「おう、そうだな」
幼「男、そろそろ決断はできたか…?」
男「すまんな…。俺もまだできてない…。でもちゃんと答えは出すからさ…。もうちょっと待っててくれないか…?」
幼「あぁ…。良い答えを待ってるからな…。それじゃまた明日」
男「あぁ、またな」
翌日―
幼「よぅ男ぉ!」
男「そうはさせるか!」サッ
幼「どうしたよ男?急に身構えて」
男「毎朝お前が身構えるような事をしてくるからだろ」
幼「あっはは!さすがに玄関口でそんな事はしないさ!」
男「通学路ではする癖にな……」
幼「あれは挨拶って奴だからな」
男「ったく……。ん…?何か下駄箱に……」
幼「ラブレターか!?」グッ
男「おい、急に食い付いたくんな」
幼「いいからいいから。ほら、早く中身を見せろよ」
男「ちょっと待て…。嫌、これ手紙じゃねぇぞ………」
男「割り箸だ…………………」
幼「は…?何言ってるの…?」
男「嫌、本当だって。ほら」
幼「うわー、何これ…。パーティー用の奴?でも何でこんなものが…?」
男「そんな事言われてもわからねぇよ…」
幼「何か書いてない?」
男「そんな斬新なラブレター無いだろ…。うーん…。見たところ何も書いてないかな…」
幼「じゃぁこれは嫌がらせだな」
男「地味な嫌がらせだな…。ってか何で割り箸なんだよ……」
幼「さぁ?趣味?」
男「どんな性癖だよ…。まぁいいや。割り箸は結構便利だしな。それに箸洗うの面倒だし」
幼「箸くらいで面倒くさがるんじゃないよ」
男「うるせーうるせー」
幼「それはそうと。男、今日こそはその店員に言ってやったらどうだ?」
男「何を?」
幼「いつも割り箸入れてもらって無いんだろ?だったら今日こそは言ってやるといい。割り箸入ってないんですけど?ってな」
男「うーん……。確かに俺が悪い訳じゃないんだけどな……。何かそれを言うって俺なんかかなり神経質に思われそうじゃん…」
幼「神経質も何も明らかにあの行為はわざとにしか見えないんだろ?だったら言うべきだ。それが意図的に行われているのなら尚」
男「わーったよ。今日こそは言う」
幼「決心したな?絶対やれよ?曲げるんじゃないぞ?」
男「くどいな…。わかったって!」
幼「君はしっかり言ってやらないと聞かないからな…」
男「俺は餓鬼かよ…」
幼「君は十分餓鬼沙」
男「はいはい、幼様にはお世話になってますよー」
幼「わかればよろしい」
コンビニ中―
イラッシャイマセー
男(よし、今日もあの店員はいるな…!今日こそ言ってやるぞ…!)
男(と、その前に弁当弁当…………。うーん……、今日は海苔弁かな)
男(店員はレジでスタンバイっと…。よし、行くぞ…!)
女店員「ありがとうございます…。お弁当は温めいたしますか…?」
男「はい、お願いします」
レジ「ジジジ…」
お会計中……
女店員「お箸おつけいたしますか…?」
男「は、はひ!」
女店員「……………………」ガサガサ
男(声が裏返ってしまった…。別に言おうって思ってるだけなのに何でこんな無駄に緊張してるんだよ俺…)
レンジ「チーン」
女店員「……………………」ガサガサ
男(ふむ…。いつも通りレジ袋に弁当入れてっと…。そして案の定割り箸は入れないと…)
女店員「ありがとうございました…」グッ
男(うっ……。いつもここで押しつけるようにレジ袋渡してくるから……)
女店員「ありがとうございましたー」
男(またしても外へ出てしまった。レジ袋の中には当然割り箸が入ってない…。言わなきゃ……。い、言いにいくぞ…!)
男(く、くそぅ…。何でこんなに緊張するんだよ…)ピロンピロン
男(あ、店員がこの人また何しに来たんだ?って顔してるぞ…。さっきの店員のレジは…。空いてるようだな…)
男(言わなきゃ駄目だ…。よ、よし…!言うぞ…!)
男「あ、あの…!」
女店員「えっと、どうか致しましたか…?」
男「その、さっきの弁当に……。割り箸がその……。入っていなくてですね……」
女店員「あら、そうでしたか…。やっと気付いてくれたみたいですね…」
男「え…?」
女店員「私がレジを務める時、あなた限定にいつも割り箸を入れていなかったんです。気付いていましたか…?」
男「嫌…。君の時にいつも無いのは知ってたけど…。俺限定だって事は…」
女店員「そうでしたか…。やっと気付いてもらえて嬉しいです…」
男「んー…。俺に何か用があるのかな…?」
女店員「用、と言うか…」
男「うーん………。えっと、バイトって何時終わるのかな…?」
女店員「え?」
男「あ、嫌…。その何か話があるのかなーって思ってさ…。俺ここから家近いからさ…。その、終わる時刻にちょっとここまで来るからさ…」
女店員「あ、そうなんですか…。それじゃ頼まれてくれますか…?」
男「あ、うんいいよ。それで何時に終わるのかな?」
女店員「あと一時間程で終わります。一時間後にコンビニの前でいいですか…?」
男「うん。あ、それと割り箸…」
女店員「あ、そうでしたね。それではありがとうございました」
男「う、うん……」
男(何か待ち合わせする事になってしまった…)
一時間後―
男(そろそろかな…?うーん、丁度来たと思うんだがな…。早かったか…?それとも遅すぎて帰ってしまったのか…?寒いな…)
男(デートとか言った事ないからわからないけど待ち合わせ相手を待つ気持ちってこんな感じなのかな…?やべ、ちょっと泣きそう…)
男(しかし寒いな…。早く来ないかな―…。ちょっと中覗いてみようかな…)
??「あの…」
男「わわ!ってあ、女店員さんか」
女店員「すみません、待たせてしまったようですね…」
男「あ、いえ。今来たところですから…(デートかよ…)」
女店員「ふふふ…。何かデートみたいですね…」
男(あ、笑った顔可愛いな…)
男「あ、それより俺にどんな用事だったの?何か地味な事してたけど…」
女店員「気にしてましたか?」
男「地味に…」
女店員「何かすみませんね…。私の我がままで…」
男「嫌々、別に気にしなくていいって!」
女店員「そ、そうですか…?」
男「うん、大丈夫だって。あ、それで君何て名前なの?」
女店員「私は女って言います」
男「女さんか。よろしくね」
女「はい、よろしくお願いします」
男「それはそうと用事って…?」
女「あ、それなんですけど……。実はちょっと男さんと話すきっかけが欲しくて…」
男「俺と?ってかどうして俺の名前知ってるの…?」
女「あ、嫌男さん私の事コンビニで会う以前から知らないでしょうか…?」アタフタ
男「え?ごめん…。何処かで会ってた…?覚えてないや…」
女「そうですよね…。本当に些細な出会いでしたしね…」
男「ごめんね…」
女「そんなに気にしないでください…。私もそんなに気にしていないんですから…」
男「それでも何か悪くてさ…。ところで俺達何処で会ったの…?」
女「学校の食堂ですよ」
男「え?食堂…?ひょっとして高校同じ…?」
女「そうですよ。だから男さんの名前を知っていたんですよ」
男「そうだったのか…。えっと学年は…?」
女「一年生です」
男「後輩か…」
男(確かに身長結構ちっちゃいからな…)
女「今納得したような顔しませんでしたか?」
男「え?そ、そんな事ないよ…」
女「いいんですよ…。私自身身長が低いのは知っていますから…。それと…」ペタペタ
女「べ、別に気にしてなんか………」ペタペタ…
男「わわわ!な、泣かないでって!別に貧乳は悪くないよ!寧ろいいよ!だから泣かないで!」
女「本当ですか!」パァア
男「う、うん!(やっぱり笑った顔可愛いな…)」
女「ふふふ…。男さんとこんなに長話できる何て嬉しいな…」
男「そう?俺は別にそんなに面白い人間じゃないと思うけど…」
女「そんな事無いですよ」
男「そうかな……」
女「そうですって。あの…それで…」
男「ん?」
女「そろそろ時間があれなんですよ…」
男「あ、ごめんね。こんな時間に呼んじゃって」
女「あ、いえ。また学校でも話しかけます。男さんとはもっとお話しがしたいので」
男「そう?あ、じゃぁ俺の連絡先教えよっか?お互い連絡取り合えないと不便だろうしさ」
女「いいんですか!?」
男「う、うん…。(何か急に迫ってきたな…)」
女「えへへ…。嬉しいな…。あ、赤外線でいいですか?」
男「うん。こっちから送るよ」
女「あ、はい。今受信しますね」パカッ
男「届いた?」ピ
女「はい、届きました。それでは帰ったらメールしますね」
男「わかった。一用名前つけといてね」
女「了解しました。それではおやすみです」
男「うん、おやすみ」
男「…………………………」ブル
男(寒いな…。帰るかな…)
幼(うわ…。何か変なもの見ちゃった…)
もう寝ます。
見てる人いるかわかんないですけど
残ってたら明日また続きを投稿しようと思います。
一用×
一応な。
>>29
誤字は見逃してくれやい
翌日、学校にて―
幼「おっはよ!」バン
男「げふぅ!だからその挨拶はやめろって!」
幼「あっはは!恒例のお目覚めタイムだよ!」
男「幼俺で遊んでるだろ…?」
幼「そんな事ないさ。弄んでいるのさ」
男「尚性質悪いよ…」イテテ…
幼「そんな事より男よ」キリ
男「どうした?急に真剣な顔をして」
幼「昨日コンビニで会ってた女の子ってあのコンビニの店員だよな?」
男「あ、見てたんだ。そうだよ」
幼「ほう…。ちょっと詳しく話しを聞かせていただきましょうかね…」
説明中…
幼「ふーん。君もいつの間にかフラグをたてていたんだねー」
男「フラグ?何の話しだよ」
幼「鈍感に死を」
女「あ、男さんじゃないですか!」
男「ん?え?あ、女さん。本当に同じ高校に通ってたんだ…」
女「昨日言ったじゃないですか…。私の事信じて無かったですか?」
男「嫌、そうゆう訳じゃないんだけどさ…。ただこうやって見るまでは確信できなかっただけだよ。女さんも学食?」
女「はい、そうですよ。男さんは………。何も無いようですが…?」
男「あぁ、うん。友達に列に並んでもらって俺は席取りをまかせられてたんだ」
女「そうだったんですか」
男「良かったら女さんもどう?」
女「え?いいんですか…?」
男「どうせこの席四人席だし。それに幼の奴も君事気にしてたようだし」
女「そうですか…。ではお言葉に甘えて…。あ、私ちょっと列に並んできますね」
男「うん。行ってらっしゃい」
男(また一人で待つ事になったな…。まぁ、しばらくしたら幼くるか…)
幼「よーっす。男、おばちゃんに頼んだらカツ一つ増やしてもらったぞー」
男「何やってるんだよお前…」
幼「お、中々良い席を選んだようだな。ただ二人で座るには贅沢と言うか…」
男「あ、その事だけどさ。さっきあの女店員の人と会ってさ、一緒に食べる事になったけど良い?」
幼「君ねぇ…。私が許可する前に誘うんじゃないよ…。まぁ、別にいいけどさ。ちょっと興味もあるしね」
男「そっか。………で、幼?何で俺の隣座るの…?」
幼「え?だってその人来るんでしょ?席は空けとかないと」
男「女の子同士で隣に座ればいいじゃん」
幼「私は人見知りなの。それに男もその人とまだそんなに仲良い訳じゃないんだろ?だったらここでいいじゃん」
男「はいはいわかったよ。あ、親子丼いくらだった?」
幼「280円。良いお値段だね」
男「俺の心の言葉の代弁どうも。はいよ」チャリン
幼「はいどうも。あれ?食べないの?」
男「うん。女さんが来るまで待つつもりだよ」
幼「律儀だねぇ…。その人女って名前なのか」
男「あ、うん。まぁ後ほど紹介するよ」
幼「おうよ」
女「おまたせしましたー」
幼「おっと、噂をすれば」
女「あ、この人が男さんが言ってた友達ですか」
幼「そうだよー。男のと・も・だ・ちだよ」
男「何か棘があるような言い方だな…。まぁ、いいや」
男「女さん。こちら俺の友達の幼馴染だよ。そんで幼、こちらが話してた女さん」
幼「よろしくねー」
女「よろしくお願いします…」
男「あ、女さんはカレーか」
女「はい。ここのカレー結構おいしいんですよ?」
男「へー。俺あんま学食行かないからよくわからないんだよね」
幼「昼は作る癖に晩飯は作らないからねー」
男「うるせーよ。朝はともかく晩御飯は作るの面倒くさいんだよ」
幼「嫌、その理屈はわからん」
女「二人は仲が良いんですね」
幼「まー、幼馴染だからねー」
男「腐り縁だよ」
幼「なんだとー!」グリグリ
男「痛い!まじで痛いからやめて!」
幼「全く…。私を怒らせるから悪いんだよ…」
男「へいへい。ごめんなさいー」
幼「反省してないようだな…」パキポキ
男「指鳴らさないでください…」
女「あの………。お二人はその…。つきあってたりするんですか…?」
男「え?付き合ってないよ。さっきも言ったけど腐れ縁だって」
幼「まだ言うか…!だけどまぁ…。うん、付き合ってはないぞ」
女「そうなんですか。そりゃ幼馴染なら仲良くて当り前ですよね…」
男「そうでもないと思うぞ。と言うより俺達が特別仲が良いだけだよ」
幼「そーそ。幼馴染何て実際何人もいるでしょ?そんな中でこの年まで仲良くできる奴何て実際そうはいない」
男「特別っちゃ特別だけどつきあったりはしてないしたぶん今後もしないと思う」
幼「え…?そうなん…?」
女「ふふ…。何となくお二人の関係が見えてきました」
女(少し安心です…)
幼「あ、それで女ちゃん。男に地味な嫌がらせしてたんしょ?」
女「嫌がらせと言うか…。そうなんですけど…」
男「あ、そいえば俺の下駄箱に割り箸入れたのも女さん?」
女「あ、はいそうですよ」
幼「何だってそんな事…?」
女「いえ…。割り箸で私の事を思い出してくれたらなーって思って…」
幼「割り箸で思い出すってどんな状況だよ…」
男「結構シュールだな…。まぁ、でも犯人わかって何となく安心したわ」
幼「女ちゃん、私ともアドレス交換しよー」
女「あ、はい。良いですよ」
幼「んふんふー。女ちゃんとアドレス交換しちゃったー」
男「気持ち悪い笑い方すんなよ…」
幼「うっさいなー。こんな可愛い子とのアドレスを独占しようたってそうはいかないんだからなー!」
男「別に独占しようなんてしてないよ…」
女「その……。別に私は独占されても構いませんけど…」モジモジ
幼「あーもう!何この子!超可愛いよ!」ナデナデ
女「あ、嫌、そんな事…」アセアセ
男「ほら幼。女さん焦ってるからその辺にしとけよ。それに学食食う時間なくなるぞ」
幼「おっと忘れてた!エネルギー供給に集中するぞ!」モグモグ
女「凄い人ですね……」
男「俺はもう慣れたけどな」
食後―
幼「なぁなぁ女ちゃん」
女「はい?」
幼「今度一緒に遊ばないかい?男も一緒にさ」
女「え?いいんですか?」
幼「別に遠慮何てしなくていいさー。な、いいだろ?」
男「俺の意見は無いんだな…。まぁ、別に断らないけどさ…」
女「男さんは来るって言うなら私は行きますよ…」
幼「おぅふ…。男、中々やるようになったな…」
男「何の話しだよ…」
幼「まぁ、そうと決まればメールで予定を決めようさ!善は急げと言うし今週の休日にでも行こう!」
女「あ、はい。土曜なら暇なので大丈夫です」
男「土曜日な。じゃ行くところとか時間は追々メールで。そんじゃ一旦教室に帰ろうか」
幼「女ちゃんまたねー」
女「あ、はい。また」
to:男
件名:無題
本文:
男さん?起きているでしょうか?
土曜日の件ですが私には一切計画性がございません。
ですので行き先、集合時刻等々は男さんと幼さんお任せてしても構いませんでしょうか?
私の事はあまり気を遣わなくても大丈夫です。
大抵何処でも楽しむ事はできますので(笑)
from:女
幼「私達で決める?」
男「うん。女さんからメールがきてさ。全部こっちに委ねるってさ」
幼「ふーん。女ちゃんの好みよくわからないんだけどなー」
男「大抵何処でも楽しむそうだ。それでもある程度女さんの趣味には合わせたいな…」
幼「女ちゃんの趣味って何かわかる?」
男「えーっと………。割り箸…?」
幼「その趣味はわからん。ってかそれ趣味じゃないし君と話すきっかけでしょうが」
男「そうだった。何と言うか印象が強くてさ………」
幼「その話しはいいから…。じゃ男はどっか行きたいところないか?」
男「えーっと………。俺は久しぶりに買物に行きたいかな…。色々と買い揃えたいものがあるしな」
幼「あぁ、君まだ趣味続けてたの……」
男「仕方無いだろ。家にいると結構暇なんだ…。あんま金がかからなくて且つ楽しめそうな趣味って言ったらそれぐらいしか無いだろ?」
幼「嫌、探せばもっとあるだろ」
男「まぁいいだろ?デパートとかなら個人の趣味とかにも対応できるし。それに隣町のデパートなら映画もあるしな」
幼「そうだな。無難ってところ」
男「お前は大丈夫なのか?部活とか」
幼「問題ないさ。と言うと一番暇なのは君のようだな」
男「うるせーよ。勉強はできるんだから良いだろ?」
幼「割に私に課題を見せてもらうという」
男「面倒くさい時だってあるの」
幼「あっはは。わかったわかったって。そんじゃ女ちゃんには君から連絡を入れておいてくれ」
男「はいよ。そんじゃ部活頑張れよ」
幼「おうよ」
to:男
件名:土曜日について
本文:
土曜日は隣町のデパートに行く事になりました。
時刻ですが10時頃に○○駅のホームで集合になりました。
デパートでは軽い買物と映画を見る予定ですのでよろしくお願いします。
from:男
女「男さんからメールきた…!えっと、内容内容…」
女「………………………」
女「デパートか…。映画…」
女(映画って何やってるのかな…。ちょっと調べてみようかな…)
女(何か恋愛物とか無いかな……。折角の男さんとのでデートだし…)
女(あ、でも幼さんもいるのか…。あの二人仲良いからな………)
女(寧ろあの二人で良いムードになりそうだな…。でもそんな関係には見えなかったけど…)
女(10時頃って事は昼食もあっちで食べるのかな…?ならお金もちょっと多めに持って行かないとね…)
女(土曜が楽しみだなー……。やっと男さんと話せて…、遊べるようになったんだから…)
女(うん!頑張ろう!)
土曜日―
幼「男ー。早く行くぞー」
男「わかってるって。ちょっと待ってくれ」
幼「女性を待たせる男、これはいかんな」
男「何か言ったか?」
幼「今度調教してやるよ」
男「お前は何を言ってるんだ」
幼「良いから。早く行くぞ」
男「わかったよ。そんじゃいってきます」
幼「いってきます」
女(ちょっと早く着いちゃったかな…。うん…。さすがに30分前は早かったかも…。でもこうゆう時って早めに来ないといけないっぽいし…)
女(うぅぅ…。寒いなぁ…。早く男さん来ないかな…。あ、幼さんも一緒だよね…)
女(本当に早く来ないかな…)
幼「おっはよ!」トン
女「ひゃっ!」クルッ
幼「あっはは!可愛い声出しちゃって!可愛いな女ちゃんはー!」ウリウリ
女「ら、らめてくらさぃ……」フルフル
男「………………(どうすべきなんだ…、俺…)」
幼「ふぅ……。ごちそうさま」
男「やっと終わったか」
女「止めてくださいよぉ……」
男「無理だ。俺の力じゃ幼は止められない」
幼「あっはは!私は誰にも止められないのさ!」
男「とりあえずまだ早いけど電車乗るか。10時から開店だけどまぁ、何処かで時間つぶせばいいだろ」
幼「はいよー。私切符買ってくるよー」
男「はいよ」
女「ありがとうございます」ペコ
男・女「…………………………………」
男(何か急に気まずくなった。まぁ、でも幼はすぐ帰ってくるだろうしいっか)
女(何か話さなきゃ…。何か…、何か…)
女「あ、あの!」
男「ん?ど、どうかした…?」
女「えっと…、その………。男さんて彼女とかいたりしますか…?」
男「彼女?あはは、いないよ。ってかいる訳無いでしょ」
女「へぇ…。そんな風には見えないんですけどね…」
男「正直俺も彼女を作ってる場合では無いんだけどね…」
女「え…?」
幼「おーい、二人共ー。切符買ってきたぞ。はいよ」
男「おう。はい、女さん」
女「ありがとうございます…」
男「電車が来るまでしばらく時間あるけどホームで待つ?」
幼「まぁそれでいいでしょ」
女「問題無いです」
一旦休憩。
また夜にでも書きに来ると思われる
ふむ、続けたまえ('-ω-)
今日は早めに寝たいからあんまり遅くまでは
書けないけどできるだけねばる
隣町―
男「割と時間かかったな。でもそのおかげで開店時間丁度くらいだな」
幼「君も中々の策略家だねぇ」
男「別に狙ってねぇよ」
女「それでお二人は何を買うのですか?」
男「あー、それだけどさ。買物はとりあえず後回しにしよう。先映画見にいこう。さすがに買物袋ぶら下げて映画館は入りたくないしさ」
女「それもそうですね。何かお勧めの映画とかあるのですか?」
男「嫌、無い」
幼「何と言う計画性の無さ…」
男「現地調査。これ基本な」
幼「遊びにあるまじき行為…」
男「うるせー。良いから見に行くぞ」
映画館前―
男「何と言うかさ…。俺最近の傾向わからんわ……」
幼「私も基本部活等で忙しいからねー。正直映画とかその辺の情報はてんでさっぱりだ」
女「私は昨日少し調べてみましたよ。これが中々面白いらしいですよ」ユビサシ
男「ん…?パンフないか?」
幼「これ?」
男「あ、おう。ふーん」ピラ
幼「恋愛物かー。女ちゃんこうゆうの好きなん?」
女「好きって言うか……。何か面白いって聞いたから…」モジモジ
男「いいんじゃないかな?中々面白そうだし」
女「そうですか!…よかった…」
男「そんじゃ俺チケット買ってくるわ。幼、悪いけど適当に飲み物買っといて」
幼「はいはい、わかったよ」
幼「女ちゃんは何飲む?」
女「あ、えとコーラでいいです。ちょっと待ってくださいね、今お金出しますから」
幼「あー、いーよ後で。女ちゃんは待ってて」
女「え。でも…」
幼「いーのいーの。私達はね、効率を重視するんだよ」
女「そ、そうですか…?それではちょっと座って待っています」
幼「うん、じゃ行ってくるね」
女(何かまた待つ事になっちゃったな…)
飯ってきます。
帰ったらまた書くと思われ
色々やってて遅れてしまった。
今日のところは書き溜め分だけ消化しておちる事にしますよ
男「あれ?女さんだけ?」
女「あ、男さん。幼さんは飲み物買ってきてます」
男「あ、そっか。はいこれ、チケット」
女「ありがとうございます」
男「俺なりに良い席選んどいたから」
女「そうですか」
幼「おーい、二人共」
男「あ、帰って来たか」
幼「そんな事より中入ろうじゃないか」
男「はいよ。器持ったままで大丈夫か?」
幼「君より力はあるから安心しな」
男「そりゃそうだ」
女「席ってこの辺りですか?」
男「うん。ここからこの三席」
幼「じゃ男は真ん中だね」
男「え?別にいいけど」
幼「女ちゃんはどっちがいい?右?左?」
女「じゃ右で」
幼「よいしょ。そう言えばさ、この映画の登場キャラってさ」
男「うん」
幼「何となく男に似てない?」
女「え?そうですか?」
男「そうか…?俺はこんなちゃらちゃらしてないぞ?」
幼「そうじゃなくて……。まぁいいや…」
男「ったく…」
女「…………………………………」
映画―
『ごめんね…。私我がままなの…。だからあなたが近くにいないと生きていけないの…』
男(うわ…。安っぽい台詞だな…)
『何を言ってるんだ。俺は君を思って決断したんだ。今更その決断を揺らがさないでくれ…』
『嘘よ。だって…、だって…!本当に私の事を思ってるならあなたは私から離れる何て事はない!』
男(このヒロインしつこいな…。ってかどんだけこんな男の事信用してるんだよ…。正直こいつクズだろ…。訳わかんねぇ)
『だって…!仮に今それで俺達が幸せになれたとしてもそれはいつまでも続かない!俺はこれからの事を考えてさ…』
『これからって何!?私達がわかれてそれで幸せだって言うの!?』
『ち、違う…!そう言ってる訳じゃ…!』
『わかった…。あなたはもう私の事何てどうでもいいんだね…』
『そ、そんな事言ってない!』
『もういいの…。私はどうやらあなたを縛ってたみたいね…。大丈夫…。私は誰よりあなたの幸せを願ってるから…。私があなたの重みになるならいっそ…………』
『いっそ…………?』
男(うわ…。何か不穏な空気が……)
『私は死んでやる!』
『ちょ、ちょっと待て!わかった!一緒にいてやる!だからやめろ!死ぬだけは…!』
『もう遅いよ………。さよなら……………』
幼・女「…………………………………」
男(え…?え…?ちょ、ちょこれでおしまい…?ちょっと待て…?)
男(何この鬱な幕切れ…?何でこんな暗い終わり方するの…?)
男(うわ、どうしよう…。幼も女さんも泣いてないか…?)ギュ
男(ん…?幼が俺の手を握ってる…?)
男「幼…?」ボソ
幼「ごめん……。しばらくこうしておいて…」ボソ
男(女さんは大丈夫かな…?)
男「女さん、大丈夫?」
女「あ、はい…。実は内容は見る前からちょっと知っていたんですよ…。でもこうやっていざ見てみると…………」
女「何かやるせない気分がして……。何か寂しい…」
男「女さん……………」
男(二人の調子が戻るまで待つか…。俺はそんなに応えなかったけど女性にはきつかったんだな…)
男(時刻的に丁度昼時だ。食欲あるかわからないけど行くだけ行かなくちゃな)
食堂―
男「二人共食欲ある…?無理して食べなくても大丈夫だぞ…?」
幼「な、何を言ってるんだ男は。私は君より強いんだぞ…?へ平気に決まっているだろう…?」
男(絶対気にしてる…。吐かなきゃいいけど…)
女「わ、私はちょっと厳しいです…。ごめんなさい……、折角誘われたのに…」
男「大丈夫だよ。今は落ち付いてさ?その後ゆっくりと買物すればいいからさ」
女「ありがとうございます……………」
男(まぁ、午後から気を取り直せばいいさ…。俺も久々の外出だからな…)
ショッピングモール―
女「そう言えば映画の方へ行く前聞きそびれてしまいましたがお二人は何を買いに来たんですか…?」
男「あー、俺は画材だよ」
女「画材…、ですか…?」
男「うん…。まぁ、そんなに本格的じゃないんだけどね。それこそ画用紙とか鉛筆とかつけペン、インクとかそんなところ」
幼「トーンはいらんの?」
男「とりあえずは大丈夫」
女「マンガカ?」
男「なんでカタゴト?ってか俺は別に漫画を描いてる訳じゃないよ。本当に個人的な趣味で絵を描いてるだけ。まじでそれだけ」
女「そう……なんですか…」
幼「その趣味を始めて早5年だけどなー」
女「それで幼さんは…?」
幼「あ、私はタオルとか下着だよ。最近また大きくなってねー」モミモミ
男「異性がいる前でそうゆう事すんな…………」
女「幼さん良い体してますからね……。羨ましい………」ペタペタ
幼「何か今の表現はおっさんくさいよ?」
男「それに幼の体は女性的な意味での良い体ではないぞ?」
幼「もー男ったらー。こんな公然の場で恥ずかしいー」
男「うるせー。お前が俺に腹筋割れたって見せてきたんだろ……」
女「え!?」
幼「あははー、女ちゃん驚いた?私10年くらい前から空手やってるんだよねー」
男「毎日毎日精魂込めて鍛錬してるからな…。そりゃそうなるわ…」
幼「そんで女ちゃんは何が欲しいん?今なら男が奢ってやるとの事」
男「誰がそんな事を言ったかい!んで、女さんは何が欲しいの?」
女「えっと……、私は……。その、こんなところに来てあれですが文房具が…」
幼「ありゃ、意外な買物ですな」
男「寧ろ意外な買物しかない気がするがな」
男「まぁ、文房具なら画材が置いてあるところ辺りに置いてあるだろ。その後幼の欲しいってところに行ってと。それでも時間余りそうだけど女ちゃんて何時まで大丈夫?」
女「私は門限とかそうゆうの無いですよ?」
男「え?」
女「私一人暮らししてるんですよ」
男「あー、だからバイトしてたんだ」
女「それもありますが別の理由もあります…」
男「へー」
消化終了。
あんまり書き溜めて無いけど明日また
書き足すんで今日はこの辺で。
明日はあんま書けないと思われます
ふむ('-ω-)乙
ただいま帰宅
今日足ひねったから痛い…。
今から書いていきます
画材コーナー―
女「男さん、これですか?」
男「ん?あ、これは違う。これはスクールペンだよ。gペンはちゃんとgって浮かんでる感じになってるよ」
女「そうなんですか?この細いペンは何ですか?」
男「これは丸ペンだよ。まさに細い線を描く時に使うんだよ」
男「何か少女漫画とかだと髪の毛を繊細且つ詳細に描きたい時によく用いられるって聞いた事はある。あとは大抵背景かな」
女「へー…。漫画ってそんなに色んなペンを使ってるんですね」
男「て言っても背景はこのペンだけじゃなくて他のペンも使うんだよ」
女「どんなペンですか?」
男「この何か平たい感じのペン。カブラペンって言って線の太さを均一にしやすいんだ。線が均一だといかにも人工物らしさが表現しやすいんだ」
女(男さん凄い夢中で話してる…。それにちょっと近いな…)ジー
男「女さん?どうかした?」
女「あ、嫌…!なななんでもないですぅ…」カァア
男「………………?」
幼「男―!見てこれ!」
男「あ、原稿用紙。でもサイズがちょっと小さいな」
幼「そう言えばいつも男が使ってる原稿用紙はもう少し大きかった気がする」
男「別に投稿するつもりもないし自己満足だから大きさ何て関係無いんだけどね」
幼「それに男の漫画って全然漫画って気がしないしね!ただ絵が並んでるって感じだしね!背景下手だしね!ストーリーくそだしね!」
男「おい………、や、やめてくれ…」グサグサ
女「でも男さんがどんな絵を描くか見てみたいです」
男「俺の絵…?嫌、俺は別に芸術的な絵を描く訳じゃないぞ?ほら、漫画の絵とかそうゆうの」
女「それでも描ける何て凄いと思いますけど」
男「絵に関してもそうだし基本的な事柄に関して慢心はしないようにしてる。そうしなくちゃ成長って途絶えるでしょ?」
女「男さんて結構理屈っぽいんですね」
幼「理系だからな」
男「理系だからね」
女(そこまで関係無いんじゃ……………)
男「それと俺は絵を描く時黒歴史を作ろうって考えてるんだー」
女「どうゆう事ですか?」
男「その時自分の絵がうまく見れても未来、自分が今よりも絵がうまくなった時、その時の絵を見ると下手だなーって見れるじゃん?それを堂々と人に見せてたって考えると恥ずかしいじゃん?でもそれってつまり自分がちゃんと成長ができているって証拠だから」
男「だから俺は自分の絵を早く黒歴史になれって考えて描いてる」
お前絵描きだな
この思想は本当に絵を書く奴のそれに近い
>>78
絵は描くがそんなにうまくないんですよ
うまくなりたいとは思っているけど
女「男さんって色んな考え持ってるんですね」
幼「全くだ。男が自信満々に見せた人間ともわからない絵を見せてきた時は反応に困ったもんだよ」
男「それはやめろ……。できれば思い出さないでくれ…」
幼「嫌なこった」
男「くぅ………。そ、それはそうと女さんは欲しい文房具見つかった?」
女「はい。ちょっと色ペンとシャー芯が欲しかっただけですから」
幼「本当何でデパート来たんだろうね」
男「別にいいだろ?どうせ皆暇だったんだ。暇な時は好きに時間を過ごすのが良いんだ」
幼「まぁ、そっちの方がリラックスできるからねー」
幼「さぁ!二人共!さっさと勘定を済ませて次は私の番だぞ!早くしたまえ!」
男「はいはい。女さん、行くよ」
女「あ、はい」
衣類コーナー―
幼「男―。早くー」
男「無茶言うな。男が女性の下着コーナーなんて入れる訳ないだろ」
幼「全くわがままだなー。もう、女ちゃん?男何て放っておいて二人で行こ」
女「あ、私は足りてますから良いですよ……」
幼「良いから良いから。ね?」
女「あ、はい………」
男「俺あっこのベンチで待ってるぞ?」
幼「あいよー」
下着コーナー
幼「最近運動するにもこいつが邪魔で仕方ないんよね。あんまりぶるんぶるん動かれると邪魔で仕方無いから丁度良い奴が欲しかったんよ」ボインボイン
女「幼さん…………。こんな事言うのあれですが嫌がらせですか…?」ペタペタ
幼「そんな事無いよー。全く女ちゃんは…………」
幼「言っておくけど男は貧乳の方が好きだよ?」
女「えっ!?」パァ
幼「あっはは!嘘だって!」
女「そ、そうですよね……」シュン
幼「あっはははは!女ちゃん反応わかりやす過ぎ!もう可愛い!」ギュ
女「あひ!?や、やめてくださいよぉ!」フルフル
幼「あー……、可愛いなぁ…」
幼「ところでまだ聞いて無かったけど女ちゃんは男をどうして好きになったん?」
女「え!?す…、好きだなんて…」カァア
幼「別に誤魔化さなくていいんだよー。て言うかばれてないと思った?バレバレだぞ?」
女「うぅぅ………」
幼「女ちゃん、聞かせてくれない?」
女「わかりました…………」
女「ただ男さんには黙ってもらえないでしょうか…?」
幼「別にいいけどどして?」
女「これは本当に個人的な事なんですが……。男さんにはできれば自分から思いだして欲しいので…」
幼「あぁ。でも正直あの男がそんな簡単に思い出すとは思えないぞ?」
女「それでもいいんです…。これは私の意地ですから…」
幼「そっか…」
女「私はその、声に出すと恥ずかしいのですが………。親しい人間、また青春の1ページを共に埋める人間、また時に相談にも乗り、喜びをわかちあ「要するに友達ね」
女「あ、はい…。その…、友達と言う人間がいないのでこうやってやってるのは楽しいんですが…。あ、話それました」
幼「まぁ、言いたい事はわかるから落ち付いてくれ」
女「はい…」
女「それで私その、前に一度だけある人にその………、友達っぽい感じの事してくれた人がいたんですよ…」
幼「へー。つまりそれが男って?」
女「はい、そうです。あの頃私入学してすぐだったので髪の毛短かったんです。今は結構伸ばしっぱなしだから男さん気付かなかったのかもしれないけど……」
女「それでもあの時、私が落とした食券を一緒に探してくれた。一緒に食事をしてくれた。それだけでも私は嬉しかったんですよ…」
女「男さんにとっては些細な事だと思います…。それでも私にとっては大事な思い出で…。それで……、気になった、と言うか…」
幼「ふーん。確かに私にとっては些細な事だねー。まぁ、私にとってはね」
女「どうゆう事ですか?」
幼「女ちゃんが言うその気持ちってね、案外男にも当てはまる所があるって話しだよ」
女「え?」
幼「女ちゃんはさ、男の事どんな風のイメージ持ってた?」
幼「優しい?かっこいい?頼りになる?色んなイメージがあると思うけどね」
幼「女ちゃんがイメージする男って言う像はあくまでイメージの内でしかないんよ?」
女「え…?」
幼「長年一緒にいたからわかるんだよ。男はね、女ちゃんと同じように友達何ていて私くらい」
幼「優しさ何て配る人がいないからあり余ってるんだよ」
幼「顔はかっこいいかどうか何てわからない。私はかっこいいって思うけど」
幼「それに男は貧弱だし全然頼りにならないし、できる事と言えば勉強と絵を描く事くらい」
幼「女ちゃんが抱くイメージを壊したいって訳じゃないけどね、私は男を守らなくちゃいけないの」
幼「こんな言い方したくないけど女ちゃんの抱くイメージを男に押し付ける事だけはやめて欲しい。うん、それだけ」
何か区切り悪いけど飯ってきます。
今日はすぐに帰ってくると思われ
ちょっとジャンプ読んでた
今から投下します
女「やはり幼さんは伊達に男さんと過ごして無いんですね……」
幼「あ、そんなにしょげないでね。私は別に女ちゃんに文句が言いたかった訳じゃないから」
幼「ただね、どうしても忠告はしておきたかった。それが私の役目だって思ってるから」
女「二人は特別な関係なんですか…?」
幼「そうでもない。ただ他の誰より私は男の近くにいた、それだけだよ」
幼「実はこれが言いたくて女ちゃんの気持ちを探っちゃったんだ…。ごめんね…」
女「そ、そんな謝らないでくださいよ…!もし幼さんが忠告してくれなかったらもしかしたらそんなイメージを男さんに押し付けていたかもしれないんですから……」
幼「ふふ…。女ちゃんは優しいんだね…」
女「私も男さんみたいに優しさを配る相手がいなかっただけですよ………」
幼「じゃこれからはどんどん配っていいんだよ?もう私達は友達なんだからね!」
女「はい…!」
女「でも、幼さんって…?」
幼「あぁ、当然だよ。だからね?友達でもありライバルってことで」
女「はい…!私は絶対に負けないです…!」
幼「ふふふ…。私には17年のリードがあるんよ?それを埋められるだけの技量が女ちゃんにはあるのかな…?」
女「うっ…!で、でも!あんまり近くにいると異性だって言う認識が薄まるって言うじゃないですか…!だったら私の方が有利ですよ!」
幼「うっ…!痛いところを…」グサ
女「でも幼さんよく初日からわかりましたね…。私が…………、男さんが好きな事…」
幼「だってわかりやすいもん」
女「…!?」
幼「バイト先で男と会った時驚いた?」
女「はい…。でも…、それ以上に嬉しかったです……」
女「どうやって話しかけようとか何度も考えました……」
女「バイトを抜け出して後を追いかけようとか、レジに来た時に軽く挨拶しようとか…」
女「色々な事を考えましたが結局行動に移す事はできませんでした……」
幼「なるほどねぇ。だから割り箸か…」
女「すぐに気付いてもらえると思ったんですが……」
幼「まぁ、男は鈍感だからねー」
女「でもねばり強くやって良かったです!」
幼「あっはは!良かったね…!」
幼(私が促したとは言えない………)
幼「まぁ、私もさっさと買物済ませて男のところへ行くぞ!」
女「はい!」ニコ
女「男さん、お待たせしました」
男「あ、やっと帰ってきたか…。何か妙に時間かかってないか…?」
幼「サイズが変わったんよ」モミモミ
男「ふーん。まぁ、終わったんならいいけど」
幼「スルーかい……」ボソ
男「それより次はタオルとか欲しいんだろ?」
幼「そうだった。さっさと買いに行くぞー!」
男「はいはい…」
今日はこれから勉強しなきゃなので一気に投下しておちます。
男「これで皆買物はできたなー。今からどうする?」
幼「ちょっとデパート回っていくというのは?」
男「それは買物前にしたかったな……。まぁ、そこまで困らないけど」
女「あそこでアイスクリーム売ってますよ?」
幼「あ、本当だ。男っ!」
男「わかってるよ。女さんは何がいい?」
女「えっと、バニラで」
男「了解。買ってくるよ」タタタ
女(幼さんには聞かないんだ…。聞かなくてもわかるんだよね……)
女(さっきはあんな事言ったけどやっぱり幼さんとは大きなリードがあるんだよね…)
女「…………………………」
幼「女ちゃん?どうかした?」
女「あ、嫌…。なんでもないですよ…!」
幼「そっか」
女「甘いですね…」ペロ
男「甘いな…」ペロ
幼「美味しいね!って二人共どうした?」
男「お前は知ってるだろ?」
幼「うん。男甘い物苦手な割に食べるんだね!あっはは!女ちゃんもその口だと甘い物は苦手なようだね!」
男「幼は甘党だからな………」
女「私もある程度いけるんですけどね……。これはちょっと甘すぎるかもです……」
男「幼は尋常な甘党じゃない。甘い物にさらに砂糖を入れると言う行為はさすがに有り得ない。あーゆうのはある程度調整されて作られているんだよ。それをさらに甘くするのは邪道だ」
幼「そんな事言われてもねー。私は甘ければいいからねー」
男「じゃぁ砂糖だけ食えよ………」
幼「氷砂糖は好きだけどね」
女「本当に甘党何ですね………………」
男「まぁ、幼の場合過剰なカロリー摂取も対して気にならないくらいエネルギー消費が激しいからな」
女「幼さんって空手やってるんですよね…?」
幼「おうよ。と言っても部活の大会には出てないんだけどね」
女「何でですか?」
幼「私はね、別に大会に出て活躍したいから体を鍛えてる訳じゃないんだよ。顧問にはしつこく出ろ出ろ言われてるけどねー」
女「うーん………。どうゆう事かわかんないです……」
幼「えっとね…。私は確かに空手は好きだよ?最初は別にそんな気持ちがあってやってた訳じゃないんだけどね…。でもいつのまにか私の楽しみの一つになってたってのは事実」
幼「それでも何となく軽はずみな気持ちで始めたものだからどうにも罪悪感を覚えちゃうんよね」
幼「こんな私が本当に大会に出ていいのかなってね」
女「そんな事無いと思いますけど……」
男「全くもってそうだ」
男「お前も来年受験なんだからさ。折角好きになったものだしせめて最後の大会くらい出ろよ」
幼「え?でも………」
男「別にいいんだろ?それくらい良いって」
幼「そっか…。まぁ、男がそう言うなら次の大会くらい出てもいいかねー」
男「さらっと次の大会って言ったけどそれ最後の大会じゃねぇか?」
幼「あっはは!私には大きな舞台が似合うんだよ!」
女「やっぱり果てしない人ですね……」
男「そうゆう奴だからな」
男「さて、今からどうする?」
女「16時ですか…。中途半端な時間帯ですね…」
幼「買物だけで随分と時間使ったもんだな」
男「本当だな…。嫌、別に買物だけじゃなかったけど…」
女「折角隣町に来たんですし外歩かないですか?」
男「外…?」
女「はい。私は結構散歩が好きなんですよ。それにこの町って結構綺麗なスポットがたくさんあると思うんですよ」
幼「確かに隣町って綺麗な町だよねー。何度か冬の夜に来てイルミネーションに彩ったところを見たことがあるよ」
男「へぇ。まぁ、時間もあるし残り時間は適当に散歩して帰るか」
女「はい!」
幼「おk!」
男(結局日が暮れるまで隣町を散策する事になった)
男(俺自身散歩はそこまで嫌いでは無いためそれなりに楽しむ事はできた)
男(俺は幼以外の相手とはほとんど会話しない。だが今日は違った)
男(女さんと言う新しい友達と一緒に会話をする事ができた)
男(何となく暖かな気分になった。こんな気持ちはとても久しぶりだ)
男(女さんと知り合って間もない頃だった初めての三人での遊び)
男(これをきっかけに俺はちょっとだけ明るくなれたのかもしれない)
男(女さんとも大分馴染む事ができ、幼と女さんは二人でよく遊ぶそうだ)
男(もうすぐ春が来る)
男(春になれば俺も受験生で幼や女さんと遊ぶ機会が減るだろう)
男(それでも何となく、これからも一緒にいられるだろうなって思える)
男(幼は最後の大会に向けて部活へ打ち込んでいた冬の終わりの事だ)
これで前半的なのは終わりです。
やっとこれから山場が書けるので楽しみなんですが
今日はもうおちて勉強するであります。
また明日続き書くんでよろしくです
色々やってて遅れました。
明日もテスト何で今日も早めにおちます。
とりあえず今から投下していきます
女「男さーん!」
男「あ、女さん。テストどうだった?」
女「聞かないでくださいよ…………」ウルウル
男「あ…。ど、どんまい…」
女「学年末も終わりましたしね…。いよいよ春休みって感じですよね」
男「そうだな…。幼もいよいよって感じだ」
女「幼さん凄いですよね…。今まで大会に出なかったのがおかしいくらい実力がずば抜けてますよ」
男「そりゃそうだろ。大会には出てないけど練習とかそうゆうのは他の誰よりも頑張ってたんだからさ…」
女「楽しみですよね、大会。幼さんが何処まで行くのか…」
男「そうだな」
男「そう言えば今日は女さんバイトあるの?」
女「はい。一旦帰ってまたいつものコンビニで」
男「そっか。まぁ、俺も後で行くしな」
女「男さんいつも同じ時間帯に来ますよね」
男「まぁ、幼にその時間に行くように言われてるんだよ」
女「どうしてですか?」
男「その時間帯が丁度幼も部活が終わって帰宅中の時間なんだよ」
女「そうなんですか…」
男「まぁ、正確に言うと若干違うんだけどね。ただ幼が強調してこの時間に帰る、って言ってるからさ。まぁ、俺も一応幼に合わせてるんだよね」
女「………………………」
男「女さん?早く帰ろう」
女「あ、はい……」
男(日は暮れ、俺はいつもの通りコンビニ弁当を買った帰りだった)
男(いつもならこの辺りに幼がいるんだけどな……)
男(珍しいもんだな…。一応待つかな…)
数十分後―
男(あ、やっと来たか)
男「幼?」
幼「あ、男か。どうしたこんな時間に?」
男「嫌、ちょっと幼を待ってたんだよ」
幼「何何ー?もしかして愛の告白―?」
男「違うって。まぁ、あれだな。幼ももう大会近いからな。そりゃいつも通りの帰宅時間って訳にはいかんよな」
幼「あー、その事か……」
男「え?」
幼「言っておくけどね、私がいつも帰っている時間帯はうちの学校の最終下校時刻だよ?知らんかった?」
男「あー…。そういえばそうだったな…。なら尚更だ。今日は何かあったのか?」
幼「うんまぁね……。嫌ぁねぇ………、ちょっと呼び出されちゃってさ…」
男「呼び出し?」
幼「おうよ。まぁ、つまり愛の告白って奴ださ」
男「告白…!?」
幼「あ、ちょっとショック?あっはは!」
男「い、嫌…。驚いたっちゃ驚いたけど……。えと…、返事は…?」
幼「即刻振ったさ」
男「そ、そっか…………」
幼「でもねぇー、そいつがまたしつこくてねー。もううるさいったらありゃしなかったよ」
男「そ、それは災難だったな…………」
幼「まぁとりあえず優しく言い聞かせておいたから問題ないぜ!」
男「うーん…。しんぱいだ…(幼に告白した人が)」
幼「私の心配をしてくれるの!?嫌―、男もたまには良い事あるねー」
男「お、おう……」
幼「まぁ、それよか明日は珍しく部活休みでねー。久々に一緒に帰ろうではないか!」
男「別にいいけど。女さんにも連絡入れとくわ」
幼「あいよ。そんじゃ男、また明日」
男「おう、またな」
学校―
幼「男ー。昼飯ー」
男「俺はお前の母かよ…。そんじゃ食堂行くか」
幼「学食なのに弁当を持つと言う」
男「女さんは学食だからなー。仕方無い」
幼「あっはは。今日は何頼もうかなー」
男「最近お前よく食うよな……」
幼「エネルギーはたくさん溜めないと動けないからね」
男「そんで食ったもんが筋肉に変わるというマジックだな…」
幼「私の成長は止まらないんよ!」
男「へいへい…」
食堂―
女「男さーん。幼さんもこんにちわです」
男「おう」
幼「やっほー。早速だけど私は列に並んでくるよー」
男「女さん本当にカレー好きだね」ヨイショ
女「お気に入りですからね」
男「そっか。そんなにおいしいなら今度食べてみようかな…」
女「そんな事言うなら男さんの弁当だって美味しそうじゃないですか。手作りですよね?」
男「うん、まぁ。とは言え俺は朝と昼しか作らないんだけど」
女「前言ってましたよね。でも晩御飯作るのも昼御飯作るのもそんなに変わらないと思うんですが…」
男「うーん…。何て言うかね、昼食ってのはどれだけ手抜きができるかって感じなんだよ。だから晩御飯とは少し手間のかけ方が異なっちゃうんだよね」
女「あー、大体わかりました」
幼「やっふー」
男「からあげとはまた重たい物を持ってきたものだな…」
幼「エネルギーを貯蔵するでありますよ」ピシッ
男「座りなさい」
幼「はいはい」
女「幼さん最近よく食べますよね…。割に全然太らないですが」
幼「鍛えてるからね。女ちゃんも鍛えてみたらどう?」
女「私は………。えと、男さんって筋肉質な女の子ってどう思いますか?」
男「怖い」
女「と言う事で私は鍛えるのはあまり興味無いです」
幼「怖いとはどうゆう事だ…!」ブンブン
男「腕を回すな!危ないっての!」
モブ男(騒がしいな……。ん?)
モブ男「幼さんじゃないですか!」
幼「げ…」
男「げ?」
モブ男「食事中ですか?俺も一緒していいですか?」
幼「駄目に決まっているだろ…。ったく…。本当に懲りないねぇ……」
男「えっと…?」
幼「ほいほい」クイクイ
男「お、おう…」サッ
幼「ほら、例の私に告白してきたって奴」ボソボソ
男「あぁ…。それがこの人か…」ボソ
モブ男「……………………………」ジー
そろそろおちるので一気に投下します
モブ男「その、二人はどうゆう関係ですか?」
幼「ん?そんなの決まってるじゃないかー!」
男「えっと…、幼馴染です…」
幼「そうゆう時は嘘でも彼女と言って欲しいものだがな……」
モブ男「そうなんですか。嫌、随分と仲が良いのでもしかしたらと勘違いしていたのですが良かったです」
幼「君が安心しても私は君と付き合うつもりなんてないよ」
女「つ、付き合う…!?」
男「昨日幼に告白したんだって」ボソボソ
女「へ…、へぇー……。そうなんですか…」ボソ
モブ男「なら別にいいんじゃないんですか?試しでいいんで俺と付き合ってくださいよ」
幼「本当にしつこい奴だね……。だから君とは付き合わないと言ってるだろうがい」
モブ男「どうしてですか?別にいいじゃないですか」
幼「君は何もわかっていないようだね。と言うより私は誰でも良いと言うビッチじゃないんよ」
モブ男「それぐらい承知していますよ」
幼「わかってるならいい加減口を閉じるんやね」
モブ男「それでも諦めないんですよ!」
幼「あーもう、うるさいなー!静かに食事もできないじゃないか!」
モブ男「なら俺と付き合ってくださいよ」
幼「意味がわからん。もういい。さっさと御飯食べようよ二人共」
男「もう食ってる」モグモグ
女「私もです」モグモグ
幼「き、君達ね………」
男「久々に幼で遊べると思ったけどこの辺にしておくかな……。えっと……、何とかさん」
モブ男「モブ男だ」
男「あ、じゃぁモブ男さん。幼はこう言ってますし。引くのも手だと思うんですよ」
モブ男「ふーん。あんたは要するに俺に邪魔だって言いたいんだな?」
男「えっと……(どうあがいたらそんな解釈になるんだよ…)」
男「だから…………、ちょっとは相手の気持ちも考えたらどうですか?って言ってるんですよ…」
モブ男「相手の気持ちね。俺は十分考えてるぞ」
男(どの口が言う……)
女(あ…。駄目な人だ………)
幼(うわ……。本当に嫌な奴に付きまとわれたもんだな……)
男「えっと……。モブ男さんは今現在幼に嫌がられてるの気付いてない…?」
モブ男「俺はそう思わないね。何度か経験したからわかるけど、こうゆう人には押すのが一番の手だってわかるんだよ」
幼「勝手に私を考察しないで欲しいねー。私は君のマニュアルに載るような女じゃないよ」
モブ男「ならなんですか?」
幼「あんま深い事は言わん。特に君みたいな奴にはね。ただ一つ言うなら私には好きな人がいるって話し」
モブ男「好きな人ですか……」チラ
男「?」
女(男さん本気で気付いてないよ………)
モブ男「俺にはわからないです。どうしてですか?こんな奴より俺の方がよっぽどいけてると思うんですが?」
幼「残念だけど君にそんな事言う資格無いよ。それに君は知らないからそんな事言えるんだよ」
モブ男「全然わかりませんね」
男(あ、これ俺の事か………)
モブ男「幼さんはもっと良い趣味してると思ったんですがね」
幼「幻滅した?ならもう近づかないでくれるとありがたいんだけどね」
モブ男「いえ、俺が幼さんの感性を修復してあげます」ガシ
幼「おい、ちょ、離せよ」キッ
モブ男「駄目です。幼さんはこんな奴と一緒にいてはいけない」
幼「アンタさ………、自己中って言われない?」
モブ男「え…?」
幼「アンタに説明しても無駄だよね、悪かった。とにかくその手を早く離せ」
モブ男「嫌です。絶対に離さないです」
幼「私はさ、別に人に貶されようが構わないんよ、強いから。でもな、男を貶すのは許さん」
男(あ、まずい…!)
幼「さっきの失言は絶対に許さない。もし、今私の腕を掴んでる手を離さないなら………」
幼「その右腕を二度と使いものにならないようにする」ギロ
モブ男「ひっ」パッ
男(はぁ…………)
モブ男「ぜ、絶対におかしいですよ……。どうして俺が……」
幼「まだいたん?早く立ち去ってくれないかな…?本当に腕折るよ?」
モブ男「っち……」テクテク
幼「はぁ……。全く面倒だったなー…」
女「え…?え……?」ポカーン
男「幼、わかってるよな…?」
幼「わかってるって。今日だってちゃんと約束守った、文句は無いっしょ?」
男「はぁ……。わかったよ……」
女「…………………」
幼「嫌ぁ、女ちゃん、ごめんね?何か御飯をまずくしちゃって…」
女「い、いえ…。もう食べ終わったので…」
幼「ちゃっかり完食してるよ!」
男「俺もな。てか幼、時間」
幼「え!?やばっ!早く食べないと…!」モグパク
女(幼さんのさっきのなんだったんだろうな……)
女(何か凄く怖かった………)
男「女さん…」
女「え?」
男「今のはさ…、その気にしないでほしい……」ボソ
女「べ、別に気にしないですよ…!幼さんは私の友達なんですから…」ボソ
男「そっか…。ありがと」ニコ
女「はぅ…」カァア
幼「おひょきょ、おみゅじゅちょって」モグモグ
男「はぁ?食べながら喋るな」
幼「モグモグ……、パクパク……。ごくん…」
幼「男、お水取って」
男「はい」チャプン
幼「ふぬ!」ゴキュゴキュ…
幼「ぷはー!さ、授業始まるぞ!」
男「さっきまで食ってたお前には言われたくない……」
女「と言うか本当に時間無いですよ!早く!」
幼「あ、待って。もう一杯」
男「駄目だ!」
幼「いじわるー」
男(ったく……。どうしてこんなに切り替えが早いんだ………)
今日はこんなところです。
明日もテスト何でおちて勉強してきます。
また明日です
どうもです。
今から投下していく、のですが今日も勉強したいので
今日書き溜めた分を一気に消化する事にします
帰宅路―
女「男さん……。あの…」
男「どうかした?」
女「あ、いえ……。実はずっと気になってた事があるんですよ」
男「ん?俺の事?」
女「はい…。あと幼さんの事にもなりますが……」
男「あぁ……。まぁ、別に隠していた訳じゃないんだけどね。幼も今日言ってただろ?
幼はたぶん俺が気にするからって理由で教えないんだと思うけど俺はそこまで気にしてない」
男「俺はさ、そこまで親しいって奴がいなかったしこちらから話す内容でも無いから言わなかっただけなんだけど……。気になるんだよね?俺達の事」
女「はい…。何かすみません……」
男「いいよ。別に隠すつもりも無いし公にされたってかまわないとも思ってる」
女「そんな…!公になんてしませんよ!」
男「わかってるって。ただそうされても困らないって言いたいだけ」
女「そうですか…」
男「まぁ、話を戻すとぶっちゃけ俺に友達と呼べるような人が幼しかいなかった事と関係してるんだよ。無論今は女ちゃんも友達だけど」
女「やはりどうゆう事かわかりません…。何度か二人の事を考えた事あるのですが私はとても男さんに友達がいなかったというのが気がかりで仕方無かったです」
女「男さんの性格なら少なくとも幼さん以外に友達がいてもおかしくないと思います」
男「それを言うなら女さんもそうじゃないのか?」
女「私は自業自得なんですよ……」
男「ふーん。そっか。じゃさ、ただ教えるじゃつまらないから女さんの事も教えてくれたら教えてあげるよ」
女「別にいいですけどそんなので構わないんですか?」
男「いいよ。俺も女さんの事気になるし」
女「そ、そんな気になるだなんて…」カァア
男「友達の事は知りたいでしょ?」
女「そ、そうですよね……」ハァ・・・
女「私って普段バイトしているじゃないですか?」
男「うん。生活費って言ってたね」
女「それもあるのですが…。実際は仕送りがあるのでそれで生活費は十分賄えるんですよ」
男「そっか……。と、すると…」
女「はい。うちの学校進学校ですからね…」
男「一年生から進学を視野に入れるのは珍しいけどね。俺も最近になって真剣に考え始めたし幼に関してはたぶん何も考えてないぞ?」
女「幼さんらしいですね」アハハ
男「まぁ、内心心配ではあるんだがな」
女「幼さんって学校での成績ってどうなんですか?」
男「中の下ってところ。普段部活ばっかりやってるからな」
女「そ、そうなんですか……」
男「それでさ、進学用に貯金を溜めているとしてどうして友達がいない事につながるの?」
女「えっと、私も入学当初辺りはそれなりにクラスに馴染もうとしていました」
女「中学時代もそこまで友好関係が広かった訳でもなし、深かった訳でもなかったので人との接し方はそこまで弁えていなかったんですよ」
女「それでもさすがに一人っきりって事は無かったんですが、私は入学をして間もなくバイトを始めました」
女「そうなれば必然的に交友も疎遠がちになります」
女「私は現代の女子高生と言うジャンルにそぐわない部類だったのでそうゆう頻繁な交友を疎かにする事に対してそこまでの罪悪感がありませんでした」
女「ですが感性にしろ何にしろお互いに相違を発見されれば自然と摩擦し衝突するものです」
女「私の考えは彼女たちとは合わなかったのだと思います。いつの間にか私から彼女たちを避けて一人になるようにしていました」
女「それが一番正しい対処なのだと判断したんですよ…」
男「つまり女さんは自分から一人になった?」
女「率直に言うとそうゆう事になります……」
男「そっか。それなら俺にも若干似てるね」
女「そうなんですか…。…若干?」
男「あぁ。俺は俺のため、俺の意見で一人になってる訳じゃない。幼のために一人になってるんだよ」
女「……?…益々わからないです……。幼さんなら寧ろ男さんに友達ができたら凄く喜ぶと思いますよ?私の時も喜んでくれていましたし」
男「あ、女性に関してはそこまでとやかく言わないんだよ。まして幼も女さんの事気に言ってるみたいだしね」
女「そうですか…。でも普通逆なんじゃないんですかね…?寧ろ女性との交友の方が避けて欲しいって私なら思うのですが…」
男「うーん………。正直この事については俺の口から言うのはひけるな…」
女「交換条件はどうしたんですか?」
男「わかったよ…」
男「でも一つ言っておくけどさ、これを聞いても幼を怖がらないで欲しい」
女「え…?」
男「今日さ、食堂でモブ男がしつこく幼に言い寄ってる時さ、幼がちょっとだけ鋭い目線でモブ男の事睨んでたじゃん?あの時女さんもちょっと怖かったって印象覚えなかった?」
女「ちょっとだけ……。ただいつもの幼さんと違った雰囲気に驚いた方が大きかったです…」
男「そっか……。嫌ね、俺が友達がいないってのは丁度10年くらい前の話なんだよ」
女「え…?」
男「女さん不思議に思わなかった?弁当を自分で作るのは普通だとして何で晩御飯はわざわざ買ってくるのって」
女「え?でもそれって男さんが面倒くさいからって……」
男「うん、確かにそう言った。でもさ、今俺が言ってるのはそうじゃなくてさ」
男「弁当作るなら違和感は無い。でもそこらのコンビニで弁当を毎日のように買ってるっておかしいって思わない?」
女「どうしてですか…?」
男「まぁ、普通そうゆう事は気付かないか…。ようするにさ、何で一人分だけなのって話」
女「あ…。じゃ男さんって一人暮らしだったんですか?」
男「うん、そうゆう事。一軒家でね」
女「一軒家!?男さんってもしかしてお金持ちなんですか!?」
男「ある意味ではそうかも。でもさすがに高校通うために一軒家をとるような馬鹿な事はしない。元々俺も幼も家から近い学校を選んだんだよ」
女「え…?それだと益々………」
男「つまりな、俺の両親はもう他界してるって事」
女「……!!…本当に、ごめんなさい……。男さんのそんな気持ちも知らないで聞いてしまって…」
男「別にそんな風に気にする必要はないよ。もう10年も前の事だからさ」
女「10年って事はその………」
男「そうだよ。どうにもあの年頃の餓鬼は両親がいないって事に対して隔絶を覚えるらしくてさ、それが発端でいじめもおきるくらいだ」
女「そんな……。男さんが悪い訳じゃないのに……」
男「あの年頃はそうゆう事もわからないんだ。今はもう仕方の無かった事として納得するしかないんだよ」
女「そんな…………」
男「日に日にいじめは激しくなってくる。そんな中、幼は俺の事を庇ってくれた」
男「俺は両親のおかげで幼とは赤ん坊の頃から知り合えていた。その頃俺の両親はまだ結婚をしてなかった。出来婚って奴だな」
男「10年前、俺の両親は結婚し、二人の新婚旅行だった」
男「俺は二人が旅行の間幼の家にお世話になっていた。しばらくしてたら二人共帰ってくるって、そうやって言い聞かされていた」
男「旅行の二日目だったかな。両親は事故で死亡した…」
男「その報告はしばらくされなかったさ。幼の両親も俺に気を遣ってたんだろう。でもいずれ言わなくちゃいけない」
男「結果、俺はその重圧に耐えられなかった」
男「学校で泣くわ、叫ぶわ…。両親がいなくなったって知っていじめてくる奴がいるわ…」
男「俺にとっちゃあの時が最悪な頃だったよ」
男「幼は毎回毎回そいつらと衝突してた。女の子だったのに殴り合い何かしてさ。そら確かに子供の喧嘩だったがな」
男「でも当然幼が勝てる訳もない。一対多何て勝てる訳がない。まして幼は女の子だ。そんな子が勝てるはず何て無かった」
男「それからだ。幼が空手を始めたのは」
女「そうゆう事ですか……。幼さんが言ってたきっかけ……。でも、それでも幼さんが大会に出ないって言うのはおかしいのでは?」
男「だから俺は幼に言ってあげたんだよ。幼も今は真剣のようだしね」
女「そうですか……。でも今の話だとその頃の男さんに友達がいないってだけで今現在男性の友達を作りたがらないって理由にはならないと…」
男「うん、今から話すよ」
男「幼が空手を始め、時間が過ぎると俺のいじめは勝手に消えていった。勝手ってのは語弊があるけどさ、幼が強くなるのと比例して減っていったんだよ」
男「とはいえそんな事もあれば俺に友達ができるはずもない。小学生は一人で過ごしていた」
男「そんな俺にも転機がきた。それが中学校の入学だ」
男「そりゃ前の小学校の奴もその中学にはいた。それでも俺と初めて会う奴もたくさんだ。俺にも友達はできた。それが物凄く嬉しくて仕方なかった」
男「とは言えそれもそんなには長続きしなかった。小学校時代の奴が俺の事を言いふらしたんだ」
男「それから俺の友達だった奴は人が変わったように俺へのいじめに加わった」
男「庇えば今度は自分が。そんな風に考えたんだろう。そしてその事を幼が放っておく訳がなかった」
男「幼は中学時代も部活をやってた。とは言え空手は無かったから柔道だったんだけど」
男「幼は見た目こそ普通の女の子だったけど実際はそこいらの奴が勝てるような相手じゃなかった」
男「翌日、俺のクラスの男子は皆出席しなかった。幼は教師に呼び出し、部活はやめさせられ一カ月程学校にも来なかった…」
男「それから俺は同性で友達は作らないようにした。とは言っても異性で友達ができるかって言うと無理だったけどな」
男「それで今に至る、そんなところ」
男「俺の父親は何をやってたか知らんが相当お金を持ってたらしくてね。両親が最後、俺に残したのは大量の遺産だったよ」
女「…………………………………………」
女「何か……、本当にごめんなさい…」
男「だからどうして女さん謝るの?そうゆうのは本当に気にしないからいいって」
女「でも………」
男「いいんだ。過ぎた事をいつまでも気にしちゃいけない。今が楽しいんだから俺はそれで良いと思ってるんだ」
女「男さん…………」
男「この話さ、幼には内緒にしておいて欲しい」
女「はい。わかりました」
女「無理して聞いて本当にごめんなさい…」
男「もういいって。さ、俺はこっちだからさ」
男「またね」
女「はい、またです」
男(話には続きがあった)
男(でもそれは今言うべきな事では無いし、何よりこれは自分で解決しなければならない問題だ)
男(だが今まで誰にも話した事が無かったこの事…。俺は未だに気にしていたんだろう)
男(でも今日こうやって話してみると思いの外心は晴れた)
男(女さんには悪い事をしてしまったが………………)
男(たぶん、黙っていた方が女さんに悪いんだと思う)
男(春は近づき、桜は花をチラつかせる)
男(春休みが目の前まで来ていた)
今日はこんなところです。
予定では明後日に完結させるつもりです。
明日もテスト何で勉強をするです。
ではまた明日です
今日も一気に投下しておちます
男「そろそろかな………」
女「…?どうかしましたか?」
男「あ、嫌。こっちの話だよ」
女「そうですか…?それで…」
男「うん、春休みでしょ?別に俺は良いけど女さんは大丈夫なの?何より幼がどうか…」
女「幼さんは良いって言ってました。私も一応貯金はあるので」
男「そか…。俺はやっぱり温泉が良いな」
女「私も温泉は好きですね。幼さんはどうなんでしょうかね?」
男「たぶん反対するだろうな…」
女「でしょうね……」
男「それはそうとさ、明日ちょっと用事があって一緒に帰れないと思うんだけど大丈夫?」
女「はい、大丈夫ですよ」
男「あ、幼も明日はすぐに帰れるらしいよ。久々に三人で帰れるかもだったけどごめんね」
女「いいですよ、用事があるんですから」
男「ごめんね…」
女「別に構わないですよ」
男「あと一つだけ言っておくと明日は絶対幼と一緒に帰ってね」
女「?わかりましたけど……」
男「んぅ。嫌、特別な理由はないよ」
女「そうですか…」
翌日
幼「女ちゃーん!待った?」
女「あ、幼さん、久しぶりですね。今来たところですよ」サッ
幼「あっはは。ん?今何か隠した?」
女「嫌、な、なんでもないですよ…」アセアセ
幼「ふーん…。ひょっとしてラブレター?」ニヤ
女「そ、そんなんじゃないですって!ただ明日ちょっと会いたいって…」
幼「あっはは、女ちゃんは可愛いからねー。もてて当然だよ」
女「そんな事無いですって…」
幼「そんな事あるのさ」
女「それに私男さん以外の男性に好意を寄せられても困りますし…」
幼「私もねー」
幼「正直あの野郎早くどうにかなってくれないかって困ってる次第だよー。今日はいないみたいだけどさー」
幼「ってか男も今日用事だってね。珍しいもんだよ」
女「そうですよね…」
女「男さん何か隠して無いですか…?」
幼「私の誕生日は5カ月先だよ」
女「あ、そうゆう意味では無いと思います…」
幼「まぁ、男はなんだかんだ言って毎回誕生日祝ってくれるからねー。考えすぎだと思うよ?」
女「そう……、ですよね…。そうですね、たぶん」
幼「そんなに気がかりなら明日男に聞いてみたらどうだい?もう明後日から春休みなんだしさ」
女「そうですね…。それはそうと幼さん、今日は折角久しぶりに一緒に帰れたんですから」
幼「ん?あぁ…」
幼「もしかしてだけど女ちゃんはもう男に告白したりなんか?」
女「してないですよ。だってそれだと卑怯なような気もしますし…。それにまだ2カ月くらいですしね」
幼「二カ月を長く感じるかどうかって人それぞれだけどそれだけの期間アプローチされてたら世の男性は勘違いしてその女の子の事好きになってると思うよ?」
幼「女ちゃんは結構純情なんだね」
女「幼さんこそ…」
幼「んや、私は私でアプローチはしてたんけどさ。男は超がつく純情だからねー」
女「何となくわかります……」
幼「それに高校生になってから部活が忙しくなってねー。毎回帰り道にちょっと話すくらいだったよ」
女「そうなんですか…。じゃぁ実質私は結構チャンスをもらってるって事なんですか」
幼「そうだねー。本当なら今の内に男を射止めるのが頭良いと思うけど…」
幼「それがしたくないんだよね?」
女「はい…」
幼「私に気を遣ってるんなら別に必要無いんだけどねー…。男の事だからたぶん告白されてもすぐには答えは出さないと思うよ」
幼「そして女ちゃんはたぶん告白したら私にその事教えてくると思う」
幼「それに乗じて私が告白すればいい、だから私は気にしないんよ」
女「そんな風にポジティブに考えれる何て凄いですね…。私は寧ろ男さんが幼さんに告白するのではないかとばかり考えてますよ…」
幼「あっはは!それは望むところだけど…、男に限ってそれは無いよ」
女「よくよく考えると私もそう思います」
幼「そう言えば今日女ちゃんバイトある?」
女「え?ないですけど…?」
幼「ならこれから私の家に来なよ。折角私も暇なんだしねー」
女「え…?いいんですか…?」
幼「無論。いつか女ちゃんをあげたいなーって考えてたからね」
女「それじゃお言葉に甘えて上がらせていただきますね」
幼「おうよ!」
学校屋上―
男(寒いな………)
ガチャ
男「あ、来てくれましたか……」
モブ男「…………………」
男「あ、嫌…。そんな構えなくてもいいですよ…。正直俺、全く喧嘩とかできないですから」
モブ男「じゃ俺に何のようだ…?しかもこんなところに呼び出して…」
男「自分で言うのもあれなんですが、俺学校のイベント等には積極的に参加し裏で行事を支援、成績は上々で教師ともかなり交流があるんですよ」
モブ男「それがどうかしたか……?」
男「問題です。何故屋上の扉が開いているのでしょうか?」
モブ男「は…?」
男「屋上は基本立ち入り禁止。仮に入ろうと思っても南京錠でかけられた鎖を解かなければこの扉を開ける事はできない」
男「それが現状、この通り開いてる訳ですよ」
男「わかります?」
モブ男「教師にも信頼されてわざわざ屋上を開けてもらったんだろ…」
男「違いますよ?」
モブ男「は…?」
男「一時期俺はちょっとだけぐれていましてね…。無論外見的にそれは出しませんでしたが多少いたずらのような事をしたんですよ」
男「これです」チャ
モブ男「何だその鍵…?」
男「南京錠の鍵のスペアです」
男「余程開けてなかったんでしょうね。この屋上は随分と汚れてますしね」
男「何よりこの屋上は校内からちょっと目を凝らすと見えてしまう」
男「何とも素晴らしい場所じゃないですか?」
モブ男「は…?わざわざこんなところに呼び出したんならもっと内密な話だと思ったが…」
男「実際内密な話ですよ。ですがこれは保険ですよ」
モブ男「さっきから何を言ってるのかわからねぇな…」
男「ようするにこんなところで暴力沙汰を起こせばただじゃ済まないって話ですよ」
モブ男「あぁ……。つまりお前は今から俺に暴力をふるわせるようなマネをするのか?」
男「そうです。単刀直入に言うと幼は諦めてください」
モブ男「は…?何故俺がお前にそんな事を言われなくちゃ…」
男「幼のためですよ」
モブ男「は…?」
男「今幼は最後の大会に向けて毎日必死に練習をしているんです。そんな頃にあなたは幼に近付いたんですよ…。これはとても危険な事です」
モブ男「ちょっと待て……。お前の言い分はわかったが何故諦めなくちゃならない?多少接触を減らせばいいだけで済む話だろ…」
男「それじゃ駄目なんですよ……。それにこちらも困るんです」
男「あなたの態度は正直危なすぎる。いつもひやひやしているんです」
男「これ以上あんなアプローチしていれば本当に幼は暴れます」
男「だからやめてください」
モブ男「訳がわからない……。お前は俺をおちょくってんのか?」
男「まぁ、これだけじゃ確かに何もわからないでしょうね。でもあなたは実際に何度か経験してると思うのですが…」
男「幼の豹変ぶりを」
モブ男「…!」
男「あの幼はもう俺にも止められないんですよ…。止めたいとは思ってるのですが…」
男「何より厄介なのがあれの原因が俺にある事なんですよね…」
モブ男「…?」
男「幼は昔の事件以来俺の事を守ろうとしてくれてます。幼は俺の事で本気で怒ってくれます」
男「だからあなたが言う軽率な言葉一つ一つが幼の癇に障っていたのですよ」
男「わかります?幼は平気な顔していますがもう爆発寸前なんです」
男「わかってくれますよね…?」
モブ男「お前の事情はわかった…。だがそれで俺が諦めるってのは拒否する」
男「なっ…!まだわからないんですか!?」
モブ男「言っておくが―
モブ男「俺は自己中だ」
男「はぁ…?」
モブ男「幼さんに何度も言われたし今まで付き合ってきた女の子にもそうやって言われて振られてきたさ」
モブ男「でも俺は結局この性格を直せないでいるんだ。と言うよりこれは俺の特徴だからな、なおすつもりなんてねぇ」
男「これじゃただの駄々子じゃないですか…」
モブ男「うっせーな。だがお前の言い方だと俺が幼さんの前でお前の悪口を言わなければいいだけなんだろ?」
モブ男「それくらい俺にもできるって話だ」
男「………………はぁ……」
男「じゃもうぶっちゃけ言っちゃいますよ…?」
男「幼はあんたのアプローチが凄く鬱陶しくて仕方ないの」
男「昼食をまともに食べる時間もないし、ストレスはたまるし…」
男「もう別の意味でもあんたの事殴りそうで怖いんだよ」
男「たまに俺が話しかけると、はぁ!?って怒鳴るし…」
男「友達とも最近時間を作ってやれないでいる上部活が忙しくて何もかも放置したまま」
男「時間が解決してくれるだろう問題もかける時間すらなければ解決に導かない」
男「あんたは何処までも何処までも幼の事を縛ってるんだ。わからないのか!?」
モブ男「ようするにお前は幼さんの事が心配って…?」
男「そうだよ!」
モブ男「はぁ……。重…」
男「は…?」
モブ男「わり、急に萎えた。たぶん俺が幼さんを射止めるのは無理だって今日思ったわ…」
モブ男「お前には勝てんわ…」
モブ男「お前、幼さんの事………」
男「好きじゃないぞ」
モブ男「はぁ!?」
男「人間とかそうゆう意味では好きだ。でも女性としてと言われればそうゆう認識はできない」
モブ男「じゃ、じゃぁ今までのはなんだったんだよ…」
男「幼は俺にとって家族のような関係なんだ。家族が困ってたら解決してやりたい、そんな風に感じないのか?」
モブ男「感じない」
男「お前の感性どうかしてる……」
モブ男「し、しらねぇよ…」
男「それに俺は別に好きな人がいる。でもお前は幼の事諦めろ。ただそう言いたいだけ」
モブ男「それじゃお前のエゴじゃねぇか…」
男「嫌、これは幼のためだ」
モブ男「そうかよ………。なら俺は良い事を思いついた……」
男「………?」
モブ男「ようは俺がお前と友達になればいいんだよ!」
男「え…?ちょ、やめてください…」ササ
モブ男「何で引くんだよ!」
男「だってあなたのような人と友達になるなんて死んでも嫌ですから…」
モブ男「うわ、急に敬語になりやがって…。むかつく、俺は絶対お前の友達になってやるよ!」
男「何か趣旨ずれてないか…?」
モブ男「だって俺がお前と仲良くやっていいれば幼さんも自然と俺の事を信用してくれるだろ?そしてら俺にもチャンスがあるって事だ!」
男「その解釈はおかしいような気がするんだが……。と言うより…」
男「こんな平和的に納まるとは……」
モブ男「まぁとにかくだ。これから俺の事を友と呼べ。いいな?一回言ってみろ」
男「友……」
友「よろしい。よろしくな」
男「断りたい……」
友「今更おせぇ、もう拒否できない」
男「友達の概念とは一体……」
友「知らん。それより今から一緒に帰ろうぜ」
男「おえ…」
友「うわっ!って吐いてねぇじゃねぇか!」
男「嫌、お前の言葉に吐き気がな……」
友「くそったれ………」
友「そう言えばもしかしてお前が好きって言ってた奴って…」
男「んぅ……?あぁ、そりゃさすがに予想がつくわな」
友「最近よぉ、ちょっと変な話を聞いたんだ」
男「急に話題変更かよ…。一貫性無い奴…」
友「嫌、一応その子に関連の話だ」
友「不良って男知ってるか?」
男「ん?あぁ、あのちゃらちゃらした奴か……」
友「ま、噂だけどよ、よく女の子を呼びだしてまわしてるって…」
男「あぁ、俺も一応盗み聞きで聞いた事はあるな」
友「盗み聞きって……」
友「俺も伊達にしつこくアプローチしてねぇからな。ぶっちゃけお前ら二人の下駄箱の位置も把握してるんだよ」
男「うわ…、キモ」
友「お前急に遠慮無くなったな……。まぁいい。実はここに来る前不良が何か紙切れをその子の下駄箱に入れてるのを見たんだ」
男「え………?」サー
友「おい、大丈夫かよ…?」サ
男「気安く触んな」
友「お前なぁ……。だがな、これは事実だぞ」
友「お前が俺の言葉を信じるも信じないも勝手なんだがな」
男「一応信じておく。第一だましてもなんの意味も無いからな。ただ一応女さんにはその事を聞いておく。ただな……」
友「ん?」
男「俺も来年から受験なんだよ。毎日一緒にいられるかどうか……」
男「だから解決するなら明日だ。それに女さんに危険があったら……」
男「きっと幼はそいつらをただじゃすまさない…」
友「…!?」
男「女さんにも協力してもらってそいつらを潰す。そうでもしないと心配で仕方ないからな…」
友「なぁ、おい…。それさ…」
男「ん?これから早く帰って準備したいんだが…」
友「嫌、あのさ…。俺にも協力させてくれないか…?」
男「はぁ?何言ってる?仮にお前がグルだったら「うっせぇ!」
友「俺はな、その女って奴が心配なんじゃねぇよ!もちろんお前の事もどうでもいい、ただ幼さんがどうにかなるのが心配だって言ってるんだ!」
男「はぁ……。付き合う女性を点々と変えてたような言い草なのにどうしてそんなに必死になるのか…」
友「俺は惚れた女は本気でおとす。その後付き合って振られたんならきっぱりと諦める。そうゆう生き方なんだ」
男「はは…、まさに自己中だな…」
友「悪いか?」
男「嫌、今はその性格に救われているのかもな…」
男「わかった、協力させてやる」
男「ただしお前にやるのは地味な作業ばかり」
男「あった方がいいけど実際無くても困らないくらいの役しかやらせない」
男「それだけは約束してもらうぞ」
友「わかったよ。それとお前のアドレスを教えろ」
男「あ、おう……」
男(別に友達になるつもりは無かったのに……)
男(変な奴に絡まれたものだな……)
明日もテストなので今日はもうおちます。
明日は一応完結予定です
では
テストも終わって一息って感じです。
書き溜めたものをざーっと流した後、一旦落ちて
夜また書きます
幼家―
女「幼さんの部屋って意外と片付いているんですね」
幼「私はそんな風に見られてたのか。あっはは!」
女「あ、嫌…。その、ごめんなさい…」
幼「別に気にしないでくれよ。それより女ちゃん何かしたい事ある?」
女「えと…。特に無いですけど…………。その、ちょっと話が聞きたいのですが…」
幼「んぅ?別にいいけど何何?」
女「えと、男さんについて…」
幼「男?なんだい、私の事じゃないのかい」
女「あ、いえ。幼さんにも関連の事です…」
幼「ふーん…。つまり、私達の関係って事ね…」
女「はい…」
幼「実は言うとあんまり話したく内容も含まれてるんだよねー…。と言うか女ちゃんが知ったらもしかしたら怖がるかもだよ…?」
女「幼さんが言うその内容って男さんを守るためにやったって言う行為の事ですか?」
幼「え…?女ちゃん知ってるの…?」
女「実はその辺りの話は男さんから聞いたんですよ」
幼「あ、そうゆう…。男も黙って言うなんてねー」
女「私が無理矢理聞いたので男さんは責めないで欲しいです…」
幼「別に咎めるつもり何てないよ。友達に秘密話はできるだけ無くしたいしね」
女「幼さん……」
幼「それにライバルでもあるんだからね」
女「私は幼さんの事……、唯一の女友達なんですよ…」
幼「あぁ、私も女ちゃん以上に信用できる女友達はいないよ。元々私自身そんなに友達いないしねー」
女(過去の事があるからかな…………)
幼「それで女ちゃんが聞きたいって事何?」
女「男さんが先日幼さんとの事を話してくれたんですが…。一応幼さんの口からも聞きたいなって思いまして……」
幼「ふーん。まぁ、大体男が言った内容と被ると思うけどねー」
女「はい。でも何か他の事もわかるのではないかって…」
幼「おっけ。そんじゃちょっと長くなるけど話すよー」
―
幼「まぁ、そんなとこ」
女「男さんと内容はほとんど同じでしたね…」
幼「そりゃそうだ。ってか今の女ちゃん何か探偵みたいだね」
女「嫌、そうゆう訳じゃないですよ。でもちょっとだけ気になった事があります」
幼「ん?何何?」
女「男さんって丁度10年前、つまり小学1年生か2年生くらいに親を失った訳ですよね?」
幼「うん、そうなるね」
女「その間幼さんの家にお世話になってたと言ってましたが今男さんは何で一人暮らしなんですか?」
女「と言うより何故まだ家が残っているのか…」
女「確かに男さん自身が家を残したいと考えているのかもしれませんがそんな判断を小学生ができるとも思えないです…」
幼「あぁ……、うん……。それね、ちょっとね…」
女「言いにくい事ですか…?」
幼「あ、いや。言うよ…」
幼「男はさ、小学校に通っている間はずっと私の家で暮らしてたんよ」
女「え?」
幼「さすがに小学生一人を一軒家に住まわせる訳にはいかなかったからね」
幼「それに男は両親が死んだって事を受け入れられなかったからね。一人にさせる訳にはいかなかったんだよ」
女「確かに小学生には重い話ですよね…」
幼「全くだ」
幼「それで男が小学校の卒業間際、私の両親は男に言ったんだよ」
幼「うちの養子にならないか、ってね」
女「え……?」
幼「その時からなんだよ。男があの一軒家で一人暮らしを始めたのは…」
女「あ…。じゃぁ養子の件は…」
幼「あやふやにされてるよ。男も悩んでたからね」
幼「でもいつかちゃんとした返事をするって男も言ってた。だから私も含め私の家族は男の事を待ってるんだよ、5年間」
女「5年間…?何処かで聞いたような…」
幼「それ以前は男は毎日私と遊んでたからね。急な一人暮らし、やる事はたくさんあるけどその点縛ってる物はなくなったらから自由の時間もできたんだろうね」
幼「男はその時間を勉強と趣味にあてがったんだよ」
女「あ……。絵を描くってのは……」
幼「まぁ、そうゆう事だよ…」
幼「でもこのことに関しては私がとやかく言える問題じゃないんだよね…」
幼「男は自分で答えを出すって言ったからね」
女「その、わざわざ教えてくれてありがとうございます…」
幼「いいんよ。さっきも言った通り私達は友達だからね」
女「ありがとうございます……」
ピピピ…
幼「ん?」
女「あ、私みたいです…。あ、男さんだ…」
幼「へー。どんな内容?」
女「ちょっと待ってくださいね」
女「……………………………」
女「幼さん………」
幼「ん?」
女「春休みの旅行の事前話しましたよね?」
幼「うん」
女「男さんの提案は温泉だそうですよ」
幼「うわ、さすが男だな……。普通もっと盛り上がるところ選ぶだろー」
女「でも私は良いんじゃないのかって思いますよ」
幼「うーん…、1対2か…。こりゃ敵わんな…」
女「ありがとうございます…」
幼「それで宿とか云々って何処にするの?」
女「私達にまかせるとの事です」
幼「行き先決めておいてその辺りはまかせるとは何とも適当な奴だな…。まぁ、男らしいけど」
女「幼さんは何処がいいですか?」
幼「うーん…。正直私はどの辺りが良いのかってわからないからね…」
女「それじゃ今から調べてみましょうよ」
幼「そうだな!」
女(これでいいんですよね……………)
女(私は男さんの事信じてますから……)
今から仮眠とって色々したらまた夜に書きに来ます。
ではまたあとで
どうもです。
今からどんどん投下していきます
翌日―
女(視聴覚室…………)
女(学校には管理棟と生徒棟にわかれている)
女(その中でも管理棟の四階隅に属するこの視聴覚室にはほとんどの生徒及び教師が近寄らない)
女(一応掃除はされているが近くに部活もない。学校一目立たない所と言っても過言ではない)
女(そんな中、こんなところに女の子を呼びだすのは明らかにおかしい…)
女(わかってはいるけどいざここまで来ると怖くて仕方がない…)
女(でも幼さんのためなら…………)
ガチャ
女「ん゛―っ!」ガタガタ
不良「口を塞いでんだから叫ぼうたって無駄だぜ?安心しろよ、まだやらねぇから」
取り巻き1「えー、早くやりましょうよー」
不良「うっせぇ…。まだ全員集まってないんだよ…。先に始めたらわりいだろ?」
取り巻き2「わぉ、不良さんマジ仲間思い!」
不良「だろ?」
女(何が仲間思いだよ……。こんな最低な行為しておいて………)
女(でもとりあえずすぐに始まらないって事は知れてよかった…。証拠も十分だしね…)
女(早く来てよ、男さん……)
管理棟3階―
男(本来管理棟は文化部を多くつめた棟でもある。実際2階までは文化部でほとんどがうまってる)
男(職員室も近くにあって確かに危険な棟ではある。だが視聴覚室及びこの棟の四階はほとんど物置きになっている)
男(そして3階はその4階の影響を少なからず受けていて、何より北端に属す視聴覚室に対し3階に設置された部活は主に南端寄りだ)
男(だからこそ北端寄りの3階は本来人がほとんど訪れない…。それが―)
??「………………………」
男(明らかにおかしな動きをしている生徒が4名程。おそらくは見回りをまかされているんだろう)
男(4階を集中的に見守らせると明らかにおかしい。だからわざと2階と3階を回り、そしてたまに4階の様子を見るようにしているようだな…)
男(だが隙はかなりある。まともに仕事をする事もままならないようだな…)
男(チャンスを窺えばすぐにでも4階に上がる事が可能だ)
男(先程不良が別の仲間が来ると言っていた。狙うなら今しかない)
管理棟4階―
男(予想以上に見張りは無能だな…。まぁ、そもそもこんなところに人が立ち寄る事自体予想してないのだろうな…)
男(中がどうなってるのか気になるけどもしもの場合は無いだろう…)
男「あった…!」
男(管理棟4階北端。当時この視聴覚室はどうゆう意図で作られたのかは不明だが少なくともこいつの設置はこちらとしてはありがたいものだ)
男(警報ベル…………)
男(本来緊急時のみしか押す事は許されていない。万が一事故で押したとしたら瞬く間に教師がその場に駆け寄ってくる)
男(そうなれば必然的にあの中の奴らも手を止めざる得ない)
男(さて、意を決して押すかな……)
ポチッ
視聴覚室機器倉庫―
友(おいおい……、拘束されてるじゃねぇかよ…。そろそろ俺の出番か…?)
友(嫌、待て…。本当に手を出されるまでは絶対に出るなと言われてる…)
友(い、今は我慢だ…。ゆっくりと待たないと…)
友(仲間……?まだ来るのかよ………)
友(ってかこの女って奴もこの件知ってるんだよな…?)
友(あれ?でも全然こっちの方見ないな…。まぁ、作戦ばれるかもだから普通見ないよな…)
友(しかしあいつは何をやってるんだ……。早く来ないとまじで危ないぞ…)
友(早くしろよ………。まじで早くしてくれよ……)
ガチャ
友(…!?)
取り巻き3「嫌―、すみませんね遅れてしまって」
不良「馬鹿、おせぇよ」
取り巻き1「何してたんだ?」
取り巻き3「嫌ぁなぁ、ちょっと禿げにつかまってなぁ…」
取り巻き2「またあいつかよ…。本当しつけぇ奴だよな」
不良「お前らが普段真面目に生活しねぇからだよ」
取り巻き3「ははは。まさか不良さんに言われるとは」
不良「うっるせぇよ、この野郎」グイグイ
取り巻き3「あはは、やめてくださいっすよ」
友(これが残り一人か……。と言う事は……、そろそろ…)
不良「まぁいい。さ、おっぱじめようぜ!」
取り巻き3「中々良い子を連れてきたもんですね」
取り巻き1「そんじゃまず脱がしましょうよ」
友「まっ―
ビリリリリリリリリリリリリリリ!!!!
視聴覚室―
女(嫌、三人目来ちゃったよ…。早くして、早くしてよ男さん…)
女(やだ、脱がされる…。やだ、やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ…!)
ビリリリリリリリリリリリリリリ!!!
女「―!?」
不良「な、何だ!?何の音だ!?」
取り巻き1「ちょ、なんすかこれ!?」
取り巻き2「おい、お前じゃねぇのか!」
取り巻き3「お、俺じゃねぇよ!つぅかやばいだろ!早くここから―
ガチャ―
管理棟4階―
ビリリリリリリリリリリリリリリ!!!
男「うわ、うっせ…。ちょっと下の様子見るか…」
男(見回りの奴は逃げたかな?そりゃこんな爆音がなってりゃ逃げるよな…)
男(万が一ばれた場合の事考えて逃げたんだな。情けねぇ奴…)
男(さて、今日職員室でくすねた視聴覚室の鍵をっと…)
男(しっかし随分と簡単に盗み出せたな…。まぁ、それ程使ってない事だ。もっともスペアだが)
男(さて、さっさと扉を開けて終わらせるか…)
ガチャ― キィ―
男(奴らから見たら唐突に開いた扉)
男(轟音が鳴り響く中、静かに開いたその扉は彼らにとっては絶望しかなかったのだろう)
男(それだけに彼らが見た俺の姿は余程拍子抜けだったのか、あるいは彼らを嘲笑する刺客であり、彼らの怒りを買ったのか)
男(どちらにせよ彼らは正常では無かった)
男「こんにちは」
不良「…は………?何だよ、お前…」
男「そっか、自己紹介しておいた方がいいよね。俺は男って名前。今後ともよろしく―」
男「―お願いしません」
不良「はぁ!?ちょっと待て!何だこの音は!お前がやったのか!」
男「お前とは失礼な…。さっき男って名乗っただろう?」
不良「そんな事どうでもいい!良いから答えろ!」
男「全く、視聴覚室の近くには警報ベルがついているのを知らなかったの?」
男「ったく…。そうゆう事やるんなら立地くらい把握しときなよ…」
男「と言うより俺からしたらまず何故学校でやろうかって言う風に思うね」
男「まぁ、確かに街中で拉致でもしようものなら人目が気になって仕方無いだろうからな」
男「その点学校は確かに便利かもだけどその分ばれやすさもあるんだよ?」
男「もっともそれを覚悟でやったんだよね?」
不良「ははは…。ふざけてんのかお前?」
男「ふざけてない。寧ろお前らはこの状況を気にするべき。それと女さんから離れてくれないか?気色悪い手で女さんに触れるな」
不良「ははは!なら尚更返してやらねぇよ!どうせ終わるんなら…!」
男「友っ!」
友「やーっと俺の仕事かいっ!」バッ
取り巻き1「うわ!何だこいつ!?」
女(あ、この人いつも幼さんに言い寄ってる…)
友「失礼するぜ!」バッ
不良「あっ!てめっ!」
男「終わりだって。もうどうにもならないって」
不良「ふふ…。ははは!」
幼「ならこっちも3人だね」
男「な、何で幼がここに…!?」チラ
女「―!」フルフル
友「………………」プイ
男「そうゆう事かよ………。はぁ……」
取り巻き3「なんだよ、女が一人増えただけだろ…?」
取り巻き1「待て…。こいつ相手は洒落にならん………」
取り巻き2「誰なんだよ…」
幼「んぅ?君私の事知ってるようだね。もっとも私は君の事知らないけど」
幼「だって何人殴ったのか知らないしね」ニヤ
取り巻き2,3「え?」ゾッ
不良「くそぅ!ふざけんな!」バッ
幼「男、あんたの意図はわかってる。だから今回私は自重するよ」
幼「時間稼ぎを務めさせてもらう」
男「まぁ、そんなに必要無いんだけどね…」
タタタ
男(足音が聞こえた。階段を上る何人かの足音が)
男(友の奴は本当に余計な事をした。何も知られず事を修めたかったのに…)
男(だが幼の様子から昔のような事はしないとわかる事ができた)
男(ここに居合わせた全員は職員室へと呼びだされた)
男(そして事件の全ては教師へと公表された)
男(後日、不良達は学校を退学させられた)
男(あの顔を二度と見る事は無いだろう―)
後日―
友「しかしお前何で録音機と言い小型カメラまで持ってたんだよ…」
男「言っただろ?一時期俺はぐれてたってさ」
友「あぁ…。たぶんそれぐれたの使い方間違ってるわ…。つか実際に使ったのか?」
男「まさか。犯罪だろ?」
友「それを証拠品として提出したんだからな……。お前を敵に回さなくて良かったよ…」
男「ははは」
男(俺もいつまでも昔みたいに幼に助けられてばかりの俺では無い、それを幼に証明したかったのも今回の件には含まれていた)
男(女さんには本当に迷惑をかけた。それでも今回は幼のためでもあり、女さんのためでもあるから…)
友「しっかし春休みってのはやる事ないよなー」
男「まだ二日目だろ。あ、俺明日は遊べんから」
友「なんだよ、つまらねぇな…」
男「てかお前は他の友達いねぇのかよ?」
友「いるにはいるが今一番仲良くしてぇのはお前なんだよ」
男「おえ」
友「そうゆう意味で言ったんじゃねぇよ!俺は幼さんに近付くためにだ!」
男「はいはい、わかったっての…」
友「お前なぁ…!」
男「でもな」
男「俺さ、同性の友達何か中学生以来だったからな。しかもそいつらもとても友達って呼べるような奴らじゃなかったしな」
男「正直のところ、こうやって休日にあって会話して遊んでって……、凄い嬉しいんだぞ?」
友「男………。はっ!馬鹿だな、そうゆんのはもっと仲が深まってから言うもんだろ」
男「嫌な、逆に仲が深まってからこうゆう事言うのって恥ずかしいだろ?」
友「確かにな…。まぁ、俺もお前の事勘違いしてたからな。予想以上に黒い奴だぜ」
男「あん?」
友「だが良い奴ではあるな」
男「うわ、キモ」
友「お前さっきから!」ググ
男「いた、痛いからやめろって!」ギギ
友「うっせぇ!この野郎!」
男(何となく悪い気がしてならない…。折角同性の友達ができた、だが明日からそいつをほっておいての旅行だ)
男(だがタイミングが悪かったんだ)
男(それにたぶん二人はちょっと微妙な顔をするだろうしな)
男(旅行から帰ったらたっぷりあいつに自慢話をしてやろう)
男(たぶんあいつは辛辣な物言いで俺を罵倒するんだろうな…)
男(それが今の俺には楽しくて仕方無い)
男(明日が楽しみで仕方ない。そして帰るのが楽しみで仕方無い)
男(俺の居場所はいつの間にか二つも増えていたんだ…)
旅館―
幼「ふぅ……。いやー、気持ち良かったなぁ…」
女「本当ですね…。もう、サイコーでした!」
男「おい、あんま勘違いされるような言い方するな。“温泉”が気持ち良かったんだろう?」
幼「何を言ってる?当り前の事だろう」
男「お前なぁ……」
幼「んな事より卓球だ、卓球!ほら、さっさ行くぞ!」
男「おい、待てよ…」
女「そうですよ。温泉から上がったらまず牛乳ですよ」
男(そうゆう意味じゃないでしょ……)
男「ふぃいいい!!ぐはぁあああ!!」グ
幼「なんちゅう呻き声上げてんだい」
男「嫌、伸びてるだけだ」
女「疲れが溜まってるんですか?」
男「うん。主に幼のせいでね」
幼「もう、男だって激しかったじゃない!」ポッ
男「そうだな……。お前本気でスマッシュ打つから腹がいてぇよ……」
幼「あっはは!腹に当たった瞬間男その場でふさぎこんじゃったからねー」ププ
女「幼さん笑っちゃ駄目ですよ…。男さん大丈夫ですか?」
男「うん、ありがと…」
女「いいえ」ニコ
男「てか本当に共同部屋で良かったの?」
幼「男に襲う勇気何てないっしょ?」
男「と言うよりお前が怖くて襲う気なんておきねぇよ」
幼「幼流セコム!」
女「どっちかって言うとspって感じですよね」
男「あぁ、確かに」
幼「じゃ私は女ちゃんのspだねー。男から女ちゃんを守るよ!」
女「別に守らなくていいですよ」
女「寧ろ襲って欲しいですし…」ボソ
男「とにかく腹減った。まだかなー、晩御飯」
女「そろそろだと思いますよ?」
幼「うひゃー、楽しみだなー」
食後―
幼「はぁ…、はぁ……。しあわしぇ……」バタ
男「幼、食後すぐに寝ると太るぞー」
幼「大丈夫だ。見ろ、この磨き上げられた筋肉美を!」グイ
男「…………………………………」プィ
女「やっぱ腹筋すごいでよね、幼さん。引き締まり方が全然違う」
男「と言うか割れてるし…」
幼「あっはは!私にとっちゃこんなのはすぐにエネルギーとして放出されるんよ!」
男「確かにお前の体系だと基礎代謝物凄いだろうな…」
女「羨ましいです…」
男「女の子は多少ふっくらした方が可愛いよ」
女「そ、そうですか…?」
男「当然さ」
幼「その口だと私には興味が無いのかな」グィグィ
男「痛い!もげる!首もげる!頭と体が分裂する!やめて!」バタバタ
幼「ふん、口ほどにもない…」パサ
男「本当に痛いんだっての。ったく、幼の絞めは本当に洒落にならん…」
女「男さん大丈夫ですか?」
男「うん、大丈夫じゃない」
幼「大丈夫じゃないんかい」
男「そりゃそうだろ」
女「ふふ…。やっぱり楽しいなぁ……」ボソ
男「女さん?」
女「はい?」
男「これからもたくさん楽しい思い出増えていくよ!」
女「はい!」
夜中―
男(部屋を明るく照らした照明も現在は暗い部屋を見つめるだけ。部屋を照らすのは一筋の月光のみだ)
男(静まり返った部屋には俺の両隣で薄い寝息を立てる二人がいた)
男(眠れる訳がないだろ…。幼ならともかく女さんが隣にいて眠れる訳がないだろ…)
男(くそ……。早く寝なくちゃいけないのに…。眠れねぇ…)
幼「男…」ボソ
男(え?)
幼「男…。まだ起きてる…?」ボソ
男「幼…。何…?」ボソ
幼「ちょっと外行かない?どうにも寝付けなくてさ」ボソ
男「あぁうん。俺も寝付けないしな、少し疲れた方が寝やすいだろうしな」ボソ
幼「うん。じゃちょっと外に行こ」ボソ
男「おう」
旅館外―
男(旅館は軽い林に囲われ、整地された一本道と旅館の周りの庭だけが唯一まともに歩けるスペースだった)
男(光源は月光のみに絞られ、若干枯れ葉を混ぜた青緑色をした庭の草は月光と混じって光沢を浮かべていた)
男(神妙な空気に紛れるように俺と幼はその庭を歩いていた)
幼「まさかこんなに綺麗だとはね」
男「あぁ、何と言うか幻想的だよな」
幼「あっはは、男がそんな事言うの何となくおかしいな」
男「うるせぇ。普段言わないだけだ」
幼「ははは、わかってるよ」
男「…………………………………」
幼「…………………………………」
幼「もうすぐ私達も三年生だな…」
男「あぁ…。四月からもう受験生だ…」
幼「私さ、男に言われたのもあるんだけどさ、最後の大会本気で頑張りたいんだよ」
幼「悔いは残したくない、本当は男に言われる前からそんな気持ちはあったんだ」
幼「でもいま一歩、それに踏み出す事ができなくて…」
幼「だからさ、男に背中を押してもらえて私嬉しかったんだ」
幼「これでやっと何も後悔しないで前に進めるってさ」
幼「本当に感謝してる」ペコ
男「幼…………………」
男「俺は何もしてないよ。それに幼は確かに俺のために空手を始めたかもしれないけどさ、結局空手を始めたのは幼の意志な訳だし」
男「大会に出るのだって幼の自由だし俺の許可何て一切いらない」
男「と言うより俺の方が感謝してる。わざわざこんな俺を守るために気を遣ってくれてさ…」
男「本当にありがと」ペコ
幼「男…。こんな気恥かしい事言ってると明日から顔合わせ難くなるぞ?」
男「それは幼だってそうだろ」
幼「あっはは、そうだな……」
男「……………………………」
幼「……………………………」
男「……………………………」
幼「……………………………男…」
幼「好きだ」
男「………………え…?」
幼「…だから…………、好きだ」
男「え…?え…?ちょ、ちょっと待て…」
幼「待たん。私はずっとずっと前から男の事が好きなんだ。この気持ちはもう抑えきれない。今も昔も私は男の事しか考えてなかった。ずっとずっと男の事しか思ってなかった。だからさ、男」
幼「私と付き合ってください」
男「………………………………」
男「………………ごめん………」
幼「……………………だよね…」
幼「男が女ちゃんの事見てるの気付いてた。もうとっくに男は女ちゃんの事好きなんだとわかってたけど…、この気持ちはどうしても伝えなくちゃいけないって思った…」
幼「女ちゃんに内緒で告白しちゃったのは悪かったと思うけど……、何かもう耐えられなかった…」
男「幼…………」
幼「そんな表情しなくていいよ、男。私はさ、強いんだからさ」
幼「だからさ、女ちゃんのところに、行って、あげて」
幼「私は、まだ、ちょっとだけ、この月を、一人で見ていたいから」
幼「たぶんね、女ちゃん、起きてたと、思う。だからさ、男、行ってあげて」
男「幼…、ごめん…。ありがと」タタタ
幼「はは…。男は行ったようだな……」ポロ
幼「あっはは、男の前では泣かなかったぞ、私偉い…!」ポロポロ
幼「あはははははは、振られちゃったな…、私…」ポロポロ
幼「女ちゃん、男、幸せにね…」ポロポロ
部屋―
女「…うっ……。…ヒック………」ポロポロ
女「うっ…、ぅぅ……。男さん……、うぅ……」ポロポロ
女(何で泣いてるんだろう…、私…)
女(だってあの二人の関係見れば誰だって一目瞭然なのにね…)
女(私は何を期待してたんだろう………)
女(前だって私が危険になったのも幼さんのためだって……、わかってたけど……)
女(わかってたけど……。うぅ………)ポロポロ
ガサ―
女「-!?」ポロ
男「………………女さん……」
女「あっ……、お、男さん……。お、幼さんは…、どう、したんですか…?」ポロ
男「外でちょっと一人でなりたいって…。それで、女さんどうしたの…?」
女「う、うぅ……ん…。な、何でも無いよ……」ポロ
男「何でも無くて泣くのはおかしいだろ?」
女「ぅぅ……。だ、だって………」ポロポロ
女「悲しかったんだもん……。男さんが…、男さん……。幼さんにとられちゃうんだって考えたら……、悲しくて…」ポロポロ
女「元々…、私は男さんとは他人だったし…、それに、それに男さんは幼さんの事……。だから、だから私はこんな気持ちを抱いちゃ駄目なんだって……」ポロポロ
女「でも、耐えられなくて……。涙が出てきちゃって……、どうしようもなくて……」ポロ
男「女さん―」ダキ
女「え?」
男「女さん、好きだ」
女「え?」
男「俺は女さんの事が好きなんだ」
女「え…?え…?」
男「確かにさ、俺は幼の事は好きだ。でもそれは一人の女性として好きなんじゃない」
男「幼は昔から俺と一緒にいた。当り前のように俺の隣にいた。だから俺にとって幼は家族同然なんだ」
男「幼には悪いけど…、俺は幼が家族として好きだったんだ…。女性として好きだった訳じゃない…」
男「俺は、女さんが女性として大好きなんだ」
男「女さん、俺と付き合ってください」
女「………………はい…」
男「荷物は大体まとめた?」
女「うん、もういつでも引っ越しの準備はできてるよ!」
男「とはいえ超短距離の引っ越しなんだけどな…」
女「うふふ、男の家私のアパートから近いからね」
男「あぁ。幼に頼めば荷物を運ぶの手伝ってくれてただろうに」
女「でもさ、これは私達で決めた事なんだから。私達でやらないと」
男「あぁ…、そうだな…」
男「しかし女の両親も納得してくれて良かったな」
女「だって男って貯金が億単位であるし勉強はできて一流の大学通ってるし」
女「そんなの逃すのが惜しいって普通考えるよ」
男「俺はそんな立派な人間じゃないけどなー」
女「うふふ、そんな事ないよ」
女「それにしてもこの部屋も片付けるとこんなに広いんだなー」
男「三年間過ごした部屋だからな、心残りはあるか?」
女「ちょっとね…」
男「でもこれでやっと女も大学生だ。心機一転って事でな」
女「男の家には何度も上がったんだけどね」
男「あぁ、そうだな…。……ん?」
女「どうかした?」
男「嫌、割り箸の束を見つけた」
女「あ……。これね、バイトやめる時に店長からもらったの」
男「何で割り箸なんだ…………」
女「私も最初はそう思ったけどなんだかんだで気に入ってるんだよね」
男「へー。あ、そうゆう事ね」
女「うん」
男「俺達のきっかけって割り箸だったな…」
女「そうだね。しかもこのコンビニの割り箸」
男「あの頃が懐かしいな……。今更考えても変わったきっかけだよなー」
女「うふふ、確かにね」
男「なぁ、女」
女「ん?」
男「女はこれから大学生でさ、通う大学も俺とは違うところだ」
女「うん…。私男みたいに頭良くないから……」
男「それでさ、たぶんサークルとかそうゆうので女もたぶん色んな奴と友好関係を持つんだと思う」
女「うん」
男「もしかしたらさ、女に言い寄るような男も出てくるかもしれない」
女「うん」
男「だからさ、その時はこれを見せつけてやれ」パカ
女「これって……………」
男「女、大学を卒業したら結婚しよう。これは、予約だ」
女「指輪………。男…!」ダキッ
男「うわっと…!お、おい…」
女「はい………」
男「女……。女……!」ダキ
女「ねぇ……、男…………。……キス、して…」
男「あぁ……、女………」
女「男………………」
ちゅ
終わり
これにて完結です。
あとでちょっとした余談を話したいと思います
とりま、今回建てたssは初でした。
かなり適当に書いてたんで誤字もちょくちょくあったと思われ
あと題材になっている割り箸がレジ袋に入ってないってのは
実体験です。
まぁ、そこより先の展開は現実では発生してないんですがね
男が理系だったり絵を描いたりってのは完全に俺の事です。
初回ですしできるだけ実体験を織り交ぜて書きたいって思っていましたから
ついでに今日無事テストも終わり、数学の成績に喜んでいる次第です。
それと個人的な趣味ですが、俺は妹物が大好きです
と言う事で次建てる時はおそらく妹物だと思われます。
そんなこんなでこれはこれで終わりとさせていただきます。
では、眠いんで寝るとします。
ちょっとだけ後日談を書きたいと思います
ガチャ
幼「ふいーっす、おまたせー」
女「あ、幼さん!久しぶりですね!」
男「何か前より筋肉ついたんじゃねぇか…?」
幼「あっはは、わかる?」
ガチャ
友「おーっす、ってうわ。外から見てもでけぇって思ったけど中もすげぇな…」
男「よ」
女「友さんどうも」
幼「あれ?何であんたがいるの?」
友「酷いですよ幼さん…。俺も男に呼ばれたんですよ」
男「皆大学生になってから中々会ってなかったからな」
女「私達は毎日あってるけどね」
幼「そりゃ同棲だからな」
幼「それよか女ちゃん、見ない間に随分なものを指につけてるじゃないか」
女「あ、これですか?うふふ……、男との約束ですよ」
友「何だよお前、遂にプロポーズしたのかよ」
男「あぁ。お互い大学を卒業したら結婚する予定だよ」
友「羨ましい奴だなぁ。そだ、幼さん、俺達も結婚しましょうよ」
幼「あ?嫌に決まってるだろ。つか付き合ってすらいねぇだろ」
男「相変わらず友には毒抜けねぇな…」
幼「そうゆう関係なんだよ」
友「でも幼さんだって可愛いのに何で彼氏作らないんですか?」
幼「私は男以外あり得ないからねー」
男「お……、おぅ……」
女「幼さんでも男はあげないよー」ギュ
幼「あっはは!わかってる!」
幼「それにねー、私はあの時男に振られた以来から決意した事があったんよ」
男「決意…?」
幼「あぁ。私はさ、男の前では強がったけど男に振られた時結局悲しさには勝てなかったからねー。だから私はもっと強くなりたかったんだー」
女「大会もあと一歩だったのに全国いけなかったですしね…」
幼「そう。だから私の目標はズバリ最強!最強を目指すんよ!」
男「何か果てしない目標だな……。でも、何か幼らしいっちゃ幼らしいな」
幼「だろ?惚れたか?」
男「俺には女以外の女性は見れねぇよ」
女「男………」
友「イチャつくんじゃねぇ!むかつくな!」
男「てか友もなんだかんだ言って一途な奴だよな…」
友「言っただろ?俺は付き合うまでは絶対に諦めないってな。まぁ、付き合って振られたら諦めるけど」
幼「あ、じゃ友私と付き合おう」
友「え!?マジですか!?いいんですか!?」
幼「そんで私とすぐに別れよう。ほら、これで解決っしょ?」
友「ですよねー……。幼さんが何と言おうと俺は諦めないですからね…!」
男「もはやストーカーだな…」
女「幼さんをストーカーするなら命をかけてやらないとね」
男「全くだ」
友「それより腹減ったぞ。男、何か作れ」
男「わかったっての。女、手伝ってくれ」
女「うん、もちろん」
幼「何かな……、本当に夫婦みたいだな…」ジー
友「幼さん…………。まだ男の事好きなんですね…」
幼「そりゃそうだ。私が男の事忘れる訳無い。一生好きでいられる自信あるよ?」
友「本当にそれでいいんですか…?」
幼「いいんよ。私は決めたんだから。最強になるってね」
友「あは、あははは…………」
幼「私の想いは捨てない。でもそれを持ちながらも私は最強になる。元々私がこう思うようになったきっかけも男なんだからさ」
幼「絶対に忘れたくないんよ」
友「はぁ……、本当に敵わないな………。男には…」
幼「あんたもいい加減私何か諦めて別の恋を始めるんね」
友「いいえ、幼さんが何と言おうと俺は意志を曲げません。だってほら、俺自己中ですしね」
幼「はぁ…………。本当に困った自己中野郎だよ……」
本当に終わり
このSSまとめへのコメント
あそこの雰囲気は幼馴染と くっつけないと