ハンジ「安価で楽しい鬼ごっこ」 (19)
ハンジ「と、言うわけで訓練兵の上位10人に集まってもらったよ。
もちろん訓練兵にはまだ何も伝えていない」
モブリット「はぁ…鬼ごっこすることに何か意味があるのですか?」
ハンジ「まぁまぁ。とりあえず訓練兵に趣旨を伝えるからさ。
訓練生達に集まってもらった森へ行こうよ」
モブリット(嫌な予感しかしない)
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エレン「調査兵団直々の実践訓練だってよ!
もしかして巨人の討伐訓練とかじゃねぇの!?」
アルミン「…落ち着きなよ。僕は何故か胃が痛くてしょうがないんだ」
ミカサ「シッ。調査兵団の人が来た」
ハンジ「やぁ!私は調査兵団分隊長のハンジ・ゾエだ。
こっちは補佐のモブリットだよ」
モブリット「よろしくお願いします」
ライナー「おお。あれが分隊長か」
ベルトルト「うん。なんか緊張するね」
ハンジ「時間も押してるし手短に訓練内容を話させてもらうね。
訓練内容は『遠征中に立体機動が壊れた時の対処法』だよ」
アルミン「なるほど…そういう状況にいきなり陥ったらどうしようもないね」
ハンジ「ルールはいたって簡単。
この森で巨人から3日間逃げ切るだけさ。
まぁ言ってみれば鬼ごっこだね」
ジャン「は?3日間は長過ぎるんじゃ…」
コニー「鬼ごっこじゃなくて巨人ごっこじゃん」
マルコ「コニー、静かにしてて」
ハンジ「そんなことは無いさ。
隊から離れて孤立してから助けが来るまでにはもっと時間がかかることもある。
3日という期間はあくまで君らの事を考えての時間だ」
エレン「なんだジャン。ヒビってんのか?」
ジャン「あ?
お前はこの訓練必要無いだろ?
真っ先に死んでそうだしな」
エレン「んだとコラァ!」
ハンジ「あはは。元気がいいね。
3日間の物資は人数分用意してある。
各自リュックサックを用意してあるから受け取ってね」
サシャ「食べ物は入ってますか!?」
ハンジ「当然だけどあのうまくもねぇし不味くもねえいつも通りの奴だよ。
3日分しか入ってないから計画的に食べてね。
後は水、信号弾が入ってる。
信号弾は各自一発しか入ってないから良く考えて使った方がいいよ」
クリスタ「結構重いですね。他に何か入ってるんですか?」
ハンジ「それは開けてのお楽しみさ。
強いていうならお助けアイテムってとこだね。
各自違うものが入ってるから有効な使い道を考えるんだ。
よし、あらかた説明したしそろそろ始めようか。
じゃあ鬼の人を紹介しよう。
ソニーとビーン!出てきていいよ!」
モブリット「!?」
エレン「調査兵団の人か?」
アルミン「優しい人だといい…んだけ…ど…」
ソニー「あー」
ビーン「うー」
ハンジ「紹介しよう。
こちらは私の友達のソニーとビーンだ」
ミカサ「随分大きい人…ですよね」
コニー「んん?あの人達、裸だしチンコ着いてないぞ?」
マルコ「み、見えない位小さいんだよ!
まさか本物の巨人なわけが…」
アニ「…どう見ても巨人だろ」
ライナー「おい!冗談じゃねぇぞ!!」
ベルトルト「に、逃げよう!」
ハンジ「大丈夫だよ。
この子達はしっかり調教してあるから人を食べたりはしない。
なんでもう捕獲されているのかは聞かないでくれ」
クリスタ「で、でも握り潰されたりとかしますよね!?」
ハンジ「大丈夫だよ。多分」
ジャン「多分って何だよ!
くそっ!俺は帰らせてもらうぞ!」
アルミン「ジャン!それは死亡フラグって奴だ!」
ハンジ「逃げようとしてもダメだよ。
この森は既に金網で包囲してあるから」
ジャン「知るかよ!乗り越えるまでだ!」ガシャガシャ
ハンジ「あ、その金網触ると…」
ビリビリビリビリ!
ジャン「ぎゃああああっ!!」
ハンジ「電流が流れてるから危ないよ…って遅かったね」
ハンジ「ルールは鬼ごっこと一緒で鬼に捕まったらアウト。
少しのタッチ位だったらアウトにはならないからね。
あ、それともう一つ。
3日間生き延びたら素晴らしいご褒美があるから頑張ってね」
マルコ「ご褒美…?」
ハンジ「配属先の兵団での昇格とか推薦を予定しているよ。
後は内地のグルメツアーにご招待とか」
サシャ「グルメツアー!?」
コニー「昇格ってすげえことなんだろ!?
やるしかねぇじゃん!」
ライナー(昇格だと…?)
ベルトルト(昇格したら計画も進めやすいね…)
アニ(グルメツアー…)
エレン「こんな訓練滅多にできねえ。
俺はやるぞ!」
ミカサ「エレンがやるなら私も」
アルミン「どうせ拒否権なさそうだし…」
マルコ「お、王に少しでも近づけるなら…」
クリスタ「皆がやるなら…(それに事故で誤って[ピーーー]るかも…)」
ハンジ「うん。皆参加の意思が固まったようだね。
それじゃ始めよう!
10秒経ったらソニーとビーン解き放つからね!
…ってもう皆逃げちゃったよ」
モブリット「分隊長はどうするんですか?」
ハンジ「モニター室で待機しながらソニーとビーンに指示を出すよ」
モブリット「分隊長!あなたはいつから巨人を操れるようになったんですか!?」
ハンジ「はっはっは。私に不可能は無いよ。
ちなみにモニターは音声までは拾えないからね」
モブリット「そうですか…」
ハンジ「森は結構ひろいから直ぐに捕まることは無いだろう。
指示を出すと言っても細かい指示は出せないからね」
モブリット「じゃあずっと隠れていたらどうするんです?」
ハンジ「一応訓練だからね。
隠れていて見つからないようだったらそれも選択肢の一つだと思うよ。
さて、どんな結果になるかなぁ…」
エレン「どうするアルミン!」
アルミン「うーん…とりあえず固まっているのはマズイ。
ばらけた方がいいね」
マルコ「個体差はあると思うけど、あの巨人達がそんなに速いとは思えないよ。
かと言って僕達より体力はあるだろうし、見つかったら走って逃げるだけじゃ捕まるだろう」
サシャ「じゃあ木の上に登って逃げましょうよ!」
アルミン「無理だよ。
一時は時間が稼げるだろうけど、そんなに高い木も無さそうだし、へし折られる可能性もあるよ」
ライナー「戦うって選択肢は考えられねぇしな。
理想的なのはあくまで遭遇せずに身を隠すってとこだろ」
アルミン「そうだね。
でもこの人数の身を隠せるような場所があるかどうか分からない。
だからとりあえず別れよう。
それから…」
ズシンズシン…
コニー「おい!もう来やがったぞ!」
アルミン「とにかく皆、何人かに別れて逃げよう!
後は自分で考えるしかない!」
エレン「よし!アルミン行くぞ!」
ミカサ「私もエレンと」
ベルトルト「ラ、ライナー!」
ライナー「おお!」
アニ「…」タッタッタ
サシャ「コニー!一緒に行きましょう!」
コニー「ああ!」
マルコ「ちょっ!ジャンはどうするの!?」
ジャン「 」ピクピク
アルミン「マルコに任せるよ。
ちょうど担いでるし」
マルコ「ええっ…」
アルミン「それじゃ皆!ご武運を!」
ハンジ「お、どうやら四方に分かれたみたいだね。
エレンとアルミンとミカサ、ライナーとベルトルトとアニ、コニーとサシャ、マルコとジャンのグループになったみたいだ」
モブリット「あれ?ソニーとビーン喧嘩してません?」
ハンジ「あっ!ダメだろ!
ちゃんと追いかけないと!
ほら、どんどん離されていくよ!
ソニーは>>11をビーンは>>12を追いかけるんだ!」
モブリット「分隊長。一つ気付いたんですけど、アルミンは成績上位じゃありませんよね?」
ハンジ「ああ、その事なんだけど、彼はどうやら相当頭がいいみたいなんだ。
参加させたら面白いんじゃないかと思ってね」
モブリット「なるほど…。
あ、クリスタはどうやらマルコとジャンに着いていったみたいですよ」
ハンジ「彼女は超がつくほどのお人好しらしいよ。
ジャンの事が心配なんだろうね」
モブリット「彼女にはぜひ生き残ってもらいたいですね。
お、ソニーとビーンも動き出したみたいですよ」
マルコ
ジャン
モブリット「分隊長!あなたに人の心はありますか!?」
ハンジ「モブリット。世界は残酷なんだ。
情けをかけたら訓練にならないだろう」
モブリット「速攻でアウトになりますよ!?」
ハンジ「さぁ行けソニーとビーン!
ゆとり世代に地獄をみせてやるんだ!」
モブリット「分隊長おおおお!?」
マルコ「ジャン!いい加減目を覚ませよ!」
ジャン「…うっ。ここは…」
クリスタ「大丈夫?もう訓練は始まってるよ!」
ジャン「マジかよ…まだ体が動かねぇぞ」
マルコ「っ!?
足音が近付いて来てない!?」
クリスタ「ほ、ほんとだ…!」
ジャン「やべぇぞ…しかも2匹とも来てる…」
クリスタ「巨人確認…距離はえっと…200くらいかな」
ジャン「くそっ!もう捕まっちまうぞ!」
クリスタ「…わ、私が囮になるからその隙に2人は逃げて!」
マルコ「馬鹿なこと言うな!
だいたい2匹共引きつけられなかった終わりだぞ!
な、何かいい案は…」
ジャン「お助けアイテムってのは使えねぇのか!?」
マルコ「そうだ!慌ててたから忘れてたけどそんなものがあったんだった!
ジャン!僕のリュックを見てくれ!」
ジャン「ああ!
これは…>>16…?」
対戦車地雷
ジャン「何だこれ…やけに重々しいな」
マルコ「うわー!!触るなジャン!!」
クリスタ「そ、それ小型だけど対戦車用地雷じゃない!?」
マルコ「ヤケに重いわけだよ!
っていうか何でこんなものが…」
ジャン「考えんのは後にしろ!
とりあえず使えんのかこれ!」
マルコ「ああ!これは使える!
上手く使えれば相当時間が稼げるぞ!」
クリスタ「でも一個しか入ってないみたいだよ…」
マルコ「規模が大きい物じゃなさそうだし、2匹同時は厳しいな…。
そうだ、ジャンとクリスタのお助けアイテムを見てみるんだ!」
ジャン「俺のは…>>18か…」
クリスタ「私のは>>19みたいだね」
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