【ラブライブ】雨のちビー玉時々しゃぼん玉 ーエピローグー (75)

当たり障りのない内容のつもり。

設定はアニメ、SIDごちゃまぜ。

都合のいい自己解釈、多少の改変あり。

性格がちょっと違ったりしているかも。

文章力がないので見るに耐えない出来かもしれません。

それでも構わないと言うお暇な方だけどうぞ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406247963


※初めに

今回のお話のメインはμ´sの9人ではありません

9人以外のお話が見たくない方は

閉じた方がいいかもしれません


一応アニメ本編にもちらっと登場した人物です

私自身が何となく気になったので妄想を垂れ流していきたいと思います

読まなくてもなんともなるようにはしてるつもりですが多分出来てない気がするので、
一応↓の既読推奨です

【ラブライブ】 雨のちビー玉時々しゃぼん玉
【ラブライブ】 雨のちビー玉時々しゃぼん玉 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405960009/)

では、それでもと言う方だけ
暇潰しにお使いください


―――Epilogue to side ―――



「主人公(その他)」


―――――――――――――――――――――――


「…ねぇ…」

「ん、何?」

「何もあんな言い方…、なかったと思うんだけど…
何かもっと他に優しく伝える方法なかったのかなぁ…って」


「じゃあ言ってみて?何かあった?
他に上手く伝えられる方法」

「それは…」


「まあ…、私も言い方は悪かったと思ってるよ。
不器用なりに色々考えたんだけど、その度に自分の中でもやもやしてさ。
でも、結果的にだけどあれで良かったと思ってる」

「矢澤さん…、怒らせちゃったのに…?」


「ほんの数ヵ月一緒に居ただけだけどさ、わかったんだ。
矢澤さん、スッゴい意地っ張りで負けず嫌い。
妙に自信家で見栄っ張りだしプライドも決して低いわけじゃあなかった。
それでいて皆よりちょっと身長低いからなんだか生意気に見えちゃって。
初めは、私達のリーダーこんなで大丈夫なのかなって疑問にも思ったわ」


「でもね、そんな疑問はあっという間に吹き飛んでいった。」


「私ね、一月前位に部室に教科書忘れて帰ってたのよ。帰ってから気付いたんだけど、すぐに必要な物でもないから明日、朝少しだけ早めに家を出てパッと部室に取りに行こうと思ったわけ。
んで、次の日、学校について職員室に部室の鍵取りに行ったら鍵がないのよ。」


「先生に聞いたら今日は二人で掃除かー?
なんて茶化してくるの。最初は意味がわからなかったけど、もしかしてと思って部室を窓から覗いたら居たのよ、矢澤さん。」


「すっごく嬉しそうに掃除してた。
それでね、なんだか分かんないけど入り辛くてずーっと眺めてたら流石に目が合っちゃってね。
矢澤さん、凄く驚いてたわ。
私達に言わずに掃除なんかしてるんだもん、見つかりっこないと思ってたんでしょうね。
でも、見つけちゃったし見つかった。
別にお互い悪いことしてる訳じゃないのにすっごく変な気分。」


「でも、ここで目を逸らして逃げる理由もないし、部室に入ったの。教科書もあるしね。
で、私から声を掛けたわ、おはようって。
多分、恥ずかしいとこ見ちゃったお詫びにとでも思ってたのかしらね。
そしたら勿論、矢澤さんも返事をくれた。
でもその後面白い位会話が続かないの」


「同じ学年だけど違うクラス。
同じ部活の部長と部員だけど、
特別仲がいい訳でもない、ただそれだけ。
私がそんな風に思っちゃってたからでしょうね。
妙な空気の部室にから早く抜け出したいから、教科書だけど持ってさっさと教室に行こうと思った。
でも、ほんの少し気になったから聞いてみたの


「いつも朝早く来て部室掃除してるの?って。
そしたら恥ずかしそうに目を逸らして矢澤さん、皆が集まる大事な場所だからいつでも綺麗にしときたいのよ。って」


「その時は素直に凄いなって思ったの。
好きなことの為にそこまでなれるものなんだって。
それで、なんだかこっちも恥ずかしくなって、また放課後に、って言って部室を出たわ」

「そんなこと…あったんだ…」


「そんな事があったからその後気になってね、放課後、矢澤さんを尾行してみたの」

「?…なんで?」


「私達、矢澤さんとはクラスも違うし、放課後部室に行くのもいつも放課のチャイム鳴った3、40分後でしょ?
帰るのもガッコの指定時間だし」

「朝、あんなことしてるんだから放課後もなんかしてるんじゃないかなーって思ってね」


「それ、別に隠れなくてもよかったんじゃないかな…?」

「…、なんか…、恥ずかしいだろ…」


「見つかったときのこと考えたら、そっちの方が方がよっぽど恥ずかしいよ…」

「っさい!結果、見つかんなかったからいいんだよ!」

「ならいいんだけど…」


「話、戻すよ?」

「うん」


「でね、なんと言うか、やっぱりと言うか、
色々準備してた。
何回か活動の前後をつけてみたんだけど、
部室で何かする時は色んなアイドルの雑誌だとかDVD、
体育館使える時は使用前後の清掃、
アイドルには休暇も必要なの、今日はリラックスする為に活動はお休み!
なんて言った日は、私達が帰ったのを見計らって、一人で振り付けやステップの練習をやってたわ」

「…矢澤さん、やっぱり凄いね…」


「うん、凄い。
…凄い意地っ張り。
妙に自信家で見栄っ張りだしプライドだって人一倍。おまけにめちゃくちゃ負けず嫌い」


「…でも、
そのくせ何倍も、何十倍も努力家で。
好きなことに物怖じせず、真っ直ぐ進んでいけて。
それで、何だかんだで結構回りが見えてて、優しくて。
自分の為にも、私達の為にも頑張れちゃうくらい意思が強くて。
ちょっと生意気だけど、そんなとこも格好よく見えてきて」


「…だから…、辞めなきゃって思った」


「このまま本気の矢澤さんと一緒にいて、
中途半端で適当な気持ちの、飯事気分の私達が一緒にいたらこの人が輝けないと思った。
同じ舞台に立っちゃいけないと思った。
この人の輝きがくすんでしまう、そんな気がしたの」

「…―――ちゃん…」


「…って、なんてのは建前の綺麗事で…。
きっと、嫉妬しちゃってたんだと思う。
何事にも本気になれない、これといって大切なものなんてのもパッと思い付かない。
皆から竹を割ったような性格だとか、クールだとか言われてるけど、要するに執着がない、諦めが早い、拘りのひとつも持てないだけなんだよね。
そんなんだから、いつまでたっても全てがごっこ遊びみたいな」


「そんな私の前にみたいに現れた矢澤さん。
今までこんな人に出会えたことなんてなかった。太陽みたいに眩しくって、熱い人だと思った。
この人の近くなら、こんな私も少しは変われるかと思った」


「…こんな私って自分でも分かってた筈なのに。
その時きっと、目の前の輝きに目が眩んで、自分が光ってるって錯覚しちゃったんでしょうね。
太陽に近付きすぎればどうなるかなんて、小学生でも知ってるのにね」


「端から見聞きすりゃあ、まだ高校生なりたての糞ガキがなにぶってんだ、なんて嘲笑されるかもしんないけど、多分この先も、私はこのままな気がする」

「…あのっ」


「だからさっ、こんなこと考える前のちっさい頃からの付き合いの――には感謝してんだよ?
今でも一緒にこうやって腹割って話せんの――位だしね」

「ごめんね…さっきは…。
…―――ちゃんの方がいっぱい、
矢澤さんからは悪者に見えてたと思う。
なのに、…全然、フォロー出来なかった…」


「終わったことは気にしないの。
それに、人生ってのには嫌われ役や引き立て役が必要なのよ。
じゃないと、正義の味方や凄い人が格好つかなくなっちゃうでしょ?」


「誰しも自分が舞台の主人公って思い込みたい。
だけど主演を担えるのは世界中の人の中でもほんの、ほんの一握り。
残りの9割9分の人間は自分に嘘ついてでも、
脇役人生終わらせなきゃなんないのさ。
そんなもんだよ、人生ってきっと」


「…さっ、また天気悪くなりそうだし、
走って帰るか、駅まで競争な?
勿論、負けたら明日はジュース奢りっ」

「ええー!?んもう!
―――ちゃん!フライングだよ~!
私が足遅いの知ってる癖にぃ!」


ほんの少しだけ遅れた分を取り戻すように走り出す

噛み締める奥歯位じゃあ隠しきれない感情は

私の心にどんより滲み

心臓から全身に送り出されて

巡りめぐって涙腺から溶けだした


久し振りに転んで靴紐がほどけて

忘れていた想いがぶり返す


私は私を守るため

今夜も想いを忘れます

今夜も嘘を創ります

嘘を身体に染み込ませる為の窮屈な夜

少しだけ馴染んだ頃に目を覚ます鬱陶しい朝


私のベッドのまわりには

ずっとずっとずっと前から

いくつもいくつもはみ出した

嘘や想いが転がり回っている

何の役にもたちはしないただのガラクタの山

棄てられないから駄目なのか

棄てたその日から駄目になったのか

いつになったらこの嘘にまみれた身体は

本当を纏って目覚められるのだろうか

――

これでもう何度目になるのかな

そんなこともう覚えてられないよ

繋がって初めて温もりをもらったあの日から

私はずっと弱いまま


あなたはこれから後何度

私に触れてくれるのかな?

私はこれから後何度

あなたの傷と涙を癒せるんだろう?


あなたが眠る前に零した

何処にも響かないメロディを

紡いで終えられる場所があれば

それは決してここじゃなくても

きっと私は笑っていられるよ


限られた温もりを数えたい弱い私に

届かない日のあなたと私の距離は

どれだけ経っても戻らないけど

これからは二人手が触れる位置で

それが当たり前だって位に

嘘みたいに笑っていられたらいいのにな



――――――――――――――――――――――――


珍しく朝から雪が降った東京 秋葉原

こんな公共交通機関も麻痺してしまうような日に

うちの学校も入学生説明会なんて運が悪い


そして

こんな日に今巷で大人気らしいスクールアイドルの甲子園とか言われてる大会の最終予選があるなんて本当に運が悪い
神様もなかなか酷なことをするもんだ


コートを着込んでても震えてくる寒い日に外で歌って踊ってパフォーマンスなんて馬鹿みたいでやってらんないわね

こんな日にそのアイドルを見に行くなんてもっとバカなことやる人も居るけど


でも、きっと

そのアイドルの中の一人と2年前関わった事があって
ずっと気になってて
素直な気持ちでごめんも言えずに
別れてしまったことを後悔してる私は


ここにいる誰よりもバカなことは間違いない


9人のメンバーの想いが繋がってできたっていう
うちの学校のスクールアイドル
最初に名前を聴けば誰もが石鹸?だなんて聞き返すこと受け合いな名前
本当は北欧神話の9人の歌の女神からとったらしい
中々どうしてハイカラな考えをする人がうちの学校にもいたもんだ


でも今はそれがしっくりくるくらい
舞台の彼女たちは眩しくて


灰色の空の下 粉雪が降ってきた
ステージの青白い証明に
雪が透き通ってぼやけて光って見える


ライブ前の微妙なざわつき
アーティストやバンドのライブで何度か体感したことがあるアレとは
何だか心地が違って感じるのは私の今の気持ちのせいだろう


もう少しで始まるのだろう
メンバーが手を繋いだ
客席は静まり返る


メンバーのリーダーの妹さんがお姉ちゃんと、お母さんがリーダーの名前を呼ぶ
それに呼応するように他のメンバーの名前が呼ばれていく


静かな所為か 冬の所為か ステージの所為か
声が思ったよりも通る
そんな中で
私は奇しくも2年前に関わったあの子の名前を呼ぶことになった


ほんの30分ほど前
ちょうど近くにいた妹さんたちと話してたウチの生徒が居てこんなことになったらしい
その時私の友人も近くにいて話しに食い付いて
なんというか、半ば巻き添えのような感じで参加している

じゃんけんで言う順番を決めたから完全に運任せだったのだけど
神様のいたずらと言うか
偶然と言う名の必然と言うか
だけど思ったより嫌な気分はしなかった


4人、5人と名前が呼ばれて
私の番が近付いてくる
そして私は最後に
普段の何倍もの声で
彼女の名前を大声で叫んだ

「―――!」


つもりだったのに
彼女自身から聞いたちょっとへんてこなアダ名の方を呼んでいた


時その子が自信満々でやってみせたパフォーマンスと一緒に呼んでたアダ名とフレーズ
初めてみた時は
正直バカっぽいしなんかちょっと痛いし
なによりあの子がやると何だかあざとく見えちゃって


だけど何でかな、その時私達3人は
への字眉毛の困り顔にちょっと小馬鹿にしたような顔
そして真ん中の太陽みたいな眩しい笑顔
みんなちょっとずつ気持ちは違った筈なのに
みんな笑顔になってた


言葉の響きというか雰囲気というか
ちっちゃい子供のおまじないみたいだったからなのかは
未だによくわからないけど


そのアダ名に反応したのか
私の声を覚えていてそれに反応したのかは分からないが
その子がキョロキョロと客席を見回しだす
左右アシンメトリーの前髪が左右に揺られツインテールが軽く跳ねる


私は見付かりたくなかった筈だったのに
ステージに背を向け客席の後ろ側に下がった
誰もがステージの彼女達のこれからのパフォーマンスを心待ちにし、視線を、期待を向けている最中
誰も見ているはずがない
客席の一番後ろの真ん中辺りにやって来た


今私が見えるのは舞台上の9人だけ

私は後ろを向いたまま片手を真っ直ぐ空に上げ

開いた手の指の中指と薬指だけを折り曲げた

そのまま少し目を瞑ったら

誰にも聞こえない声で小さく

あのフレーズを呟いた


「…なんだ、やっぱりバカっぽいし
なによりめちゃくちゃ恥ずかしいじゃんか…
誰も見てないのにさ」


その時私は

「やっぱりあの時、辞めて正解だったわね。
私、こんなのみんなの前で出来っこないもの。」

自分勝手に救われた



優しいピアノの旋律が聞こえてきた
ステージを背に振り向かずに歩く


私がもし
あの日からあの子と一緒にいたなら
こんな今日も無かったんだろう
あの子がステージに立つことも許されなかっただろう


だから、私はここでいい
スポットライトなんて浴びない
平々凡々な毎日を愛し続ける


あの子はあそこで輝ける
スポットライトなんて目じゃないくらい
あの子自身が眩しくて
沢山の人に愛され続ける
沢山の人を笑顔にできる


そんな奇跡みたいなことを実現できる
必然の様に集まった9人
端から見てる私でもわかる
あの9人じゃなきゃ駄目なんだって
あの9人だからここまで来たんだって
あの9人だから
あんなに笑顔になれるんだって







「…ありがと、…矢澤さん」





どこからか知らぬ間に溢れた言葉は
誰にも気付かれないまま
真っ白な雪に混ざって溶けていった

終。

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