p「どういう事ですか!?」
律子「事務所入口のドアノブを見てみて」
やよい「うっうー、助けてくださーい!」
p「うーむ、今のままじゃ助けようがないな」
律子「鍵穴が小さすぎて、私達じゃ手が入りませんからね……」
貴音「面妖な……」
雪歩「ど、どうしましょう」オロオロ
p「とりあえずやよい、みんなを呼んできてくれ」
やよい「はーい!」とてとて
律子「それにしても、どうしてそんなところに?」
p「それもそうだ。やよい、どうして鍵穴なんかに入っちゃったんだ?」
やよい「あ、えーっと、事務所の鍵を落としちゃって」
やよい「それで、手を伸ばしたら届くかなーって」
p「やよいは可愛いなあ」
あずさ「あらあらぁ~」
真「雪歩、スコップでなんとかならないかな?」
雪歩「うっ……うん、やってみるね!」ガィンガィンガィン
やよい「はわっ!?な、何してるんですかー!?」
美希「今、雪歩がスコップで鍵穴を掘ってるの」
やよい「あ、頭に響きますうぅうううぅぅぅぅうっうー!」
p「やよいは可愛いなあ」
p「どうだ雪歩?」
雪歩「え、えっとガィンっこのドアノガィンガィンは材質が特殊モリブデガィンので」
雪歩「私のタングステガィンガィンガィンリウムスコップでもガインガィンガィンガィン」
雪歩「」ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
伊織「ちょっと!やり方が強引すぎよ、やよいがびっくりしてるじゃない!」
やよい「はわわわわわわわゎゎゎゎゎぅぅぅぅうううっうー!」
雪歩「あ……ご、ごめんね……うぅ、私なんか穴掘って埋まってますぅ!」ザックザック
美希「でも確かにうるさいの。美希は終わるまで向こうでおにぎりを食べてるの」
貴音「私は向こうでらぁめんを食してますね」
響「ちょwww二人とも他人事すぎるぞwwwwwwwwwwww」
p「やよいは可愛いなあ」
p「だが実際問題、雪歩のスコップでも無理となると……」
亜美「センズリもいいとこですな→!」
千早「……手詰まり……かしら?」
亜美「そうともいう」
真「よーし、じゃあ今度はボクが!」シュッシュッ
雪歩(うわあああああああああああ真ちゃんに腹パンされたいよおおおおおおおおおおおんほおおおおおおおおおおおおお!!)
伊織「ちょっと、何する気よ!?」
真「ボク、こないだ出たクイズ番組で覚えた諺があるんだ」シュッシュッ
伊織「あぁジュピリーグね、クッソ汚い」
p「あの収録で出たことわざの問題って確か……」
律子「風が吹けば桶屋が儲かる。ある事象の発生により、一見すると全く関係が無いと思われる所・物事に影響が及ぶことの喩えね」
真「そう。風が吹けば桶屋が儲かる……つまり!」シュシュシュッ
p「そ、そうか!」
千早「なるほどね」
響「なwんwwでwwwこっちを見るんだゾwwww」
真「響……ごめんよ、でもこれしか方法がないんだ」ビュオンッ
響「やめてww風を切る音がwww冗談じゃないぞwwww」
――この後、菊地真が動くまでの時間、1秒以下
正統派アイドルの天海春香氏はこの時の様子を後にこう語っている
春香「言葉で説明すると長くなるが……あの一瞬に多くを感じたのです」
春香「『なるほど』と。世紀末の時代、真はこうしていたのだと」
春香「ある時は脚の力を。ある時は拳の力で。だから砕けたのだ。超超超強固な特殊モリブデン製のドアノブを」
春香「対して……拳の先にいた響ちゃんの体重は41kg」
春香「45kgを超える私が一瞬も踏みとどまれなかったあの正拳突きを止められるのか?しかも条件は私の時よりも遥かに厳しい」
春香「この試合、ここで決着を見る……と」
春香「え?なぜ1秒に満たない一瞬でそこまで考えられたか?例えるなら――」
春香「私が作った極上のクッキーをあなたが一口だけ食べたとします」
春香「辛い、しょっぱい、甘い、少しすっぱい、香り、コク、具材の食感、ゆきわたるバター、スパイス」
春香「丁寧に語るなら10分はかかるでしょう」
春香「しかしそれらは全て一瞬の感覚です……とでも言えば解るでしょうか」
春香「つまりですね」
春香「やよいは可愛いなあ」
真「――噴ッッッッッ!!」
公蔵「ヂュ」バキィッ
響「ハ……公蔵ぅぅぅぅぅぅっ!?」
雪歩(あああああああああああああああああああ!?あのネズミ埋める!私の真ちゃんの腹パンを畜生の分際で受けるなんて埋める!)
小鳥「なるほどピヨ。風が吹けば桶屋が儲かる……ならネズミを殴ってやよいちゃんが助かるのも道理だピヨ」
やよい「うっうー!出られましたぁ!」
伊織「もう……心配させて!」
p「ははは、次からは気をつけるんだぞ?」
やよい「はーい!あ、鍵忘れてきちゃいました、取ってきますね!」
p「やよいは可愛いなあ」
やよい「うっうー!持ってきましたぁ!」
みんな「やよいは可愛いなあ」
美希「ハ、ハニー!大変なの!」
p「どうした美希、今はやよいが可愛くて大変なんだが」
美希「それがね、貴音がカップ焼きそばの湯切り口に閉じ込められちゃったの!」
p「どういうことだ!?」
美希「給湯室のカップ焼きそばを見てみてなの」
貴音「麺妖な」
おわり
やよいは可愛いなあ
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