魔王「攻略wikiだと……?」 (10)

―魔王城

魔王「……ふ、ふはは、とうとう成功したぞ!」

魔王「不思議な古文書を見つけてから苦節10年……ついに異世界より召喚せしめたぞ!」

魔王「『ぱそこん』……世界を監視する箱! これさえあれば!」

魔王「おおっ、なんと美しき黒曜石の石版……」サスサス

魔王「古代言語の刻まれた仕掛け……なんと不思議なものなのだ……」カタカタ

魔王「そしてこの箇所を触ると、この黒曜石が七色に光るという……ああ、心が踊る……」ドキドキ

魔王「すーっ、はぁー……えいっ!」ポチー

デーン

魔王「お……おおっ!なんと美しい花畑っ!手が届きそうだっ!」

魔王「これさえあれば私が知らぬ事を全て知る事が出来るのだな……」ジーン

魔王「……しかし、まず私には魔王としてやらなければいけないことがあるっ!」

魔王「えっと…確か…ここを押して……」カチカチ

魔王「ふうむ……恐らく、この画面で呪文を打ち込めば良いのだな」

魔王「ようし……では、まずこの世界の名を、古代言語で打ち込み……」

魔王「次に、世界の全てを露わにする呪文を……」

魔王「……攻、略……wikiっと!」カタカタッターン!

魔王「おおっ、出た出た!ようし、これで勇者の足跡、勇者の行動が全て丸裸というもの!」

魔王「えっと……魔王城攻略チャート?」

魔王「ふふん、バカめ!我が魔王城は鉄壁!攻略の余地など無いわ!」カチカチ

魔王「ふむふむ……えっ?」

魔王「……なんということだ」

魔王「我が魔王城は……穴だらけではないか……!」

魔王「そうだ、よくよく考えればなぜ通路中に宝箱を置いているのだ……!奴らが攻めてきた時に略奪し放題ではないか!」

魔王「し、しかも、魔王城の至るところに生命の泉が湧いているっ!これでは奴らは回復し放題……!」

魔王「ううむ、これはすぐにでも宝箱を回収し泉を潰さねば!」

あのね
ごはんたべたらねむたくなったの

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