男「変な格好してるねー」
死神「失礼な人ですねー。これは死神の正式な制服なんですよ?」
男「あ、死神さんだったの?」
死神「はい!」
男「ふーん。見えちゃったら何かマズイの?見えちゃったが故に俺死ぬの?」
死神「いえあなたが死ぬのは確定してることなんですけど」
男「あ、そうなんだ」
死神「私の仕事が面倒になったと言うかなんと言うか」
男「……」
死神「たまにいるんですよねー、見えちゃう人」
死神「まー見えちゃったもんは仕方がない!あなたは今日中に殺しますね!」
男「へー……」
死神「あ、もしかして信じてないです?」
男「いや信じてるよ。実際他の人には見えてないみたいだし」
死神「その割りには冷静ですねー」
男「まぁ別にいいよ。その鎌で斬られるの?」
死神「お望みの方法でいいですよ。見られた以上はいろいろ融通きかせますから!」
男「あ、そうなの?それで斬られるのって痛そうだなぁ……」
死神「別に実際に身体を斬るわけじゃないから痛くないですよー」
男「そうなの?」
死神「この世に不自然な死体は遺せませんから……あ、じゃああの鳩見ててください」
男「?」
死神「えいっ!」ブンッ
男「……倒れた」
死神「こうやって殺します」
男「へぇー……」
男「じゃあまぁさっさとやってくれよ」
死神「その前に何かやりたい事とかありません?」
男「やりたい事?」
死神「死ぬ前に良い思いをしてあの世に行きましょう!」
男「最近の死神って親切なんだね」
死神「うちは割りと良い死神サービスやってるんですよ」
男「サービス?」
死神「その分高いですけどねー」
男「高いってお金?」
死神「はい、うちは割りとお金がかかるお店です」
男「誰が払うのさ」
死神「あなたのお祖父さんだった人ですよ」
男「爺ちゃん?3年前に死んだあの?」
死神「はい!良いお祖父さんですねー!」
男「はぁ……爺ちゃんが俺んとこに死神寄越したの?何か恨まれてんの?」
死神「いえいえ!とっても愛されてますよ!!」
男「……?」
死神「えーとですね」
男「うん」
死神「あの世では毎月政府が一定の人間をランダムに選出するんですよ」
男「ふんふん」
死神「その人間たちは死神達に依ってその月のうちに殺されます。政府が死神法人に委託するんですよ」
男「はぁ」
死神「殺される予定の人たちは国民に告知されるんです。大体の人は国選の死神に殺されるんですが、稀に近しい人や恨みを持つ人が民間の死神に依頼したりするんですよ」
男「……」
死神「今回私はあなたのお祖父さんだった人に依頼されてあなたを殺しに来たってわけです!」
男「……へーえ」
死神「私たちの会社の特色は、死にゆく人に良い思いをさせることです!これって結構手間がかかることなんでその分たくさんお代金頂くんですよー」
男「ふーん……」
死神「国選の死神の仕事は荒っぽいですよー!」
男「……もしかして全ての死って全部死神がやってるの?」
死神「いいえー。そうですねー、殺人事件はまず違います」
男「あ、そうなんだ」
死神「人を操ったりは出来ませんから……あと一ヶ月以上の入院、通院を経ての病死も違いますね」
男「あぁなるほど」
死神「ただ進行に一ヶ月以上かかる病気での突然死は大部分死神の仕事ですね」
男「そうなの?」
死神「死神が病気の痕跡だけ残してサクッと殺っちゃったパターンですね」
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作者死ねや