ほのママ「穂乃果と同い年よ」


穂乃果「同い年、ね」


ほのママ「あと、穂乃果と同じ学校に通ってるのよ」


穂乃果「うん、ちょっと待って」


ほのママ「？」


穂乃果「あのね、私は女子校に通ってるの。言いたいこと、分かる？」


ほのママ「『相手はどんな子なんだろう、可愛い子かな？』」


穂乃果「違うから！ 私の許嫁って女の子なの！？」


ほのママ「さっきからそう言ってるじゃない」


穂乃果「いや言ってないから！」

穂乃果「ここ日本だから！ 同性婚は認められてないからね！？」


ほのママ「気持ちで捻じ曲げなさい」


穂乃果「法律なんて捻じ曲げられないよ！」


ほのママ「まったく、いい加減認めなさいよ」


穂乃果「ぐぬぬ……」


ほのママ「まあまあ、その子と会ってみて。決めるのは穂乃果だから」


穂乃果「………分かったよ」


ほのママ「そういえば明日から2年生ね、おめでとう」


穂乃果「ありがとう」


ほのママ「その子と同じクラスになれたらいいわね」

穂乃果「あ、聞いてなかったけど許嫁さんの名前は？」


ほのママ「秘密」


穂乃果「それくらい教えてくれてもいいじゃない！ 今、会ってみてって言ったじゃん！」


ほのママ「そのうち分かるわよ」


穂乃果「………疲れたからもう寝る。おやすみ」



穂乃果「……」ﾎﾟﾌｯ


穂乃果「穂乃果に許嫁、かあ……」ｺﾞﾛｺﾞﾛ


穂乃果「しかも、相手は女の子」ｺﾞﾛｺﾞﾛ


穂乃果「はあ～……」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

次の日


穂乃果「それじゃあ行ってくるね」


ほのママ「その子によろしくね」


穂乃果「まだ誰か分からないんだけど……行ってきます」


ほのママ「いってらっしゃ～い」


ほのママ「さて、どうなるかな」




海未「おはようございます、穂乃果」


ことり「おはよう、穂乃果ちゃん！」


穂乃果「2人ともおはよ～」


海未「それじゃあ行きましょう」

海未「新学期そうそう、穂乃果が寝坊しなくてよかったです」


穂乃果「もう、さすがに寝坊はしないよー」


ことり「あっ、新学期ってことはクラス変えがあるんだよね」


穂乃果「また海未ちゃんとことりちゃんと同じクラスだったらいいな」


ことり「うん、私も」


海未「どうなるんでしょうか」


穂乃果（クラス変え……もしかしたら許嫁さんと同じクラスに）


穂乃果（そもそも相手も、許嫁がいるって知ってるのかな）


海未「穂乃果……？」


穂乃果「ほえ？ なに？」

海未「いえ、何回呼びかけても上の空でしたから」


穂乃果「ご、ごめんね。少しぼーっとしてた」


海未「………悩み事でもあるんですか？」


穂乃果「えっ」


海未「何年穂乃果といると思ってるんですか、すぐ分かりましたよ」


穂乃果「あはは、海未ちゃんには敵わないなー」


海未「私たちには話せないことですか？」


穂乃果「うーん、そういう訳じゃないんだけど」


穂乃果（言っても、いいよね？）


穂乃果「実は……」

ことり「許嫁……！？」


海未「穂乃果に！？」


穂乃果「うん」


海未「穂乃果！」ｶﾞｼｯ


穂乃果「な、なに」ﾋﾞｸｯ


海未「もしかして、その方と結婚するんですか！」


穂乃果「結婚！？ まだ相手の子と会ったことないよ！」


海未「もし相手が穂乃果を気に入ったらどうするんですか！」


ことり「海未ちゃん落ち着いて！」

海未「はっ、私としたことが……穂乃果」


穂乃果「は、はいっ」


海未「相手に気に入られても、絶対に結婚なんてしてはダメです」


穂乃果「？ ど、どうして？」


海未「えっ、い、いやそれは」///


海未（ことりっ！）ﾁﾗ


ことり「」ﾆｺﾆｺ


海未（なんで笑顔なんですか！）


穂乃果「まあ多分、そんなことないと思うけど……」


海未「よ、よかった」ﾎｯ


ことり「よかったね海未ちゃん」


海未「な、なんのことですか！」


ことり「」ﾆｺﾆｺ

海未（穂乃果が許嫁との婚約を断る……今なら！）


海未「実は私も悩み事があるんです」


穂乃果「なになに？」


海未「私も許嫁がいるんです」


穂乃果「………へ？」


ことり「ええっ、海未ちゃんにもいるの！？」


海未「黙っててすみません」


穂乃果「海未ちゃんにも許嫁がいたんだ……」


海未「ええ。数日間悩んでいたのですが、私も許嫁との婚約を断ることにしました」

穂乃果「う、海未ちゃんはその子と会ったことあるの？」


海未「いえ、ないです」


穂乃果「穂乃果と全く一緒だ……」


ことり「2人会ったことないんだよね」


穂乃果「うん、分かってるのは同い年で音ノ木坂の生徒」


海未「奇遇ですね、私の相手も音ノ木坂の生徒で、今年から2年生だそうです」


穂乃果「へえ～………あ、あれ」


ことり「2人とも同じ条件……」


穂乃果「………」


海未「………」

?穂乃果「す、凄い偶然だね！」


海未「ええ、そうですね！」


穂乃果「も、もうこんな時間だ！ 早く学校行こ！」


海未「はい！」


穂乃果（………いや、まさかね）


海未（そんな訳、ないですよね……）

穂乃果「ただいまー」


ほのママ「おかえり、会えた？」


穂乃果「会えたか分からないよー」


ほのママ「やっぱり分からなかったかー」


穂乃果「だったら名前教えてよ」


ほのママ「だーめ」


穂乃果「もうっ」


ほのママ「穂乃果」


穂乃果「なに？」

ほのママ「海未ちゃんと同じクラスになれた？」


穂乃果「海未ちゃん？ 同じクラスだよ！ ことりちゃんも！」


ほのママ「そうなの、よかっわね～」


穂乃果「うん！」


ほのママ（海未ちゃんと同じクラスかあ～、だったら少しだけ教えちゃお）


ほのママ「因みに許嫁の子は弓道部です」


穂乃果「急にどうしたの………弓道部？」


ほのママ「ええ」


穂乃果（えっと、相手の子は同い年で弓道部……ちょっと待って）

穂乃果「もしかして、許嫁って海未ちゃ ────」


ほのママ「さあ、どうでしょう」

さらに次の日


穂乃果「おはよー」


ことり「おはよっ、穂乃果ちゃん」


海未「」ﾓｼﾞﾓｼﾞ


穂乃果「海未ちゃん？」


海未「お、おはようございます、穂乃果」///


穂乃果「おはよう」


海未「その……手を、繋いでもいいですか」ｶｱ


穂乃果「？ いいよ」ｷﾞｭｯ


海未「」///

続きは近い日に

学校


ｶﾞﾔｶﾞﾔ


穂乃果「う、海未ちゃん。そろそろ学校に着くし……」


海未「嫌です」ｷﾞｭｰｯ


穂乃果「あはは……」


穂乃果（今日の海未ちゃん、どうしたんだろう。いつもは自分から手を繋いできたりしないのに）


穂乃果（しかも今日に限っては恋人繋ぎだし）


穂乃果「う～ん……」


ヒデコ「お、穂乃果だ。おはよう」


穂乃果「おはよー」

ヒデコ「いつも以上にラブラブだね」


穂乃果「もう、からかわないでよ」


ヒデコ「でも園田さんは満更じゃないみたいだよ」


海未「そんな……ラブラブだなんて」///


穂乃果「あー、うん」


ヒデコ「じゃあ、お邪魔したらあれだし先行くね。それと穂乃果、凄く目立ってるからね」


穂乃果「目立ってる？」


穂乃果「ねえ、ことりちゃん。私たちってそんなに……ことりちゃん？」


穂乃果「ことりちゃん……先行っちゃったのかな」

昼


穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん、一緒にご飯食べよー」


ことり「わ、私先生に呼ばれてるから」ﾁﾗ


海未「！」


ことり「先に食べてて！」ﾀｯ


穂乃果「あ、ことりちゃん……！」


海未「穂乃果、よかったら屋上に行きませんか」


穂乃果「……そうしよっか」

屋上


海未「ほ、穂乃果」


穂乃果「なーに、海未ちゃん？」


海未「その、今日は穂乃果のために……お弁当を作ってきました」ｽｯ


穂乃果「唐揚げに玉子焼き……これ全部海未ちゃんが作ったの……！？」


海未「はい、よかったら食べてほしいです」///


穂乃果「えっ、いいの……！？それじゃあ、唐揚げ貰うね！」ﾊﾟｸｯ


海未「……お味は」


穂乃果「美味しい！ 凄くおいしいよ海未ちゃん！」


海未「ありがとうこざいます」///

ことり「」ｼﾞｰｯ


にこ「ねえ、なんでにこ達が呼ばれたの」


真姫「さあ？」


にこ「ことり、そろそろ教えてくれても――」


絵里「にこ、静かに」


希「にこっち、お口チャック」


にこ「はい」


ことり「も～う、穂乃果ちゃんの鈍感。海未ちゃんがあんなに頑張ってるのに」


真姫「まあ、穂乃果だし」


絵里「でも、このままだと進展がなさそうね」


ことり「どうしたらいいんだろう……」

?
絵里「ことり、どうして穂乃果と海未をくっつけようとするの？ 海未が穂乃果のことを好いてるのは、機からみて分かるけど」


ことり「穂乃果ちゃんと海未ちゃんは―――」

穂乃果「♪」ﾊﾟｸｯﾊﾟｸｯ


海未「………穂乃果」


穂乃果「んー、なに？」


海未「将来について、話しませんか」


穂乃果「将来……？」


海未「はい……私たちは、許嫁ですから」///


穂乃果「……………」


穂乃果（やっぱり、海未ちゃんだったんだ）


海未「私は穂乃果のことが好きです。許嫁関係と聞く前から、ずっと」

海未「私は穂乃果と一緒にいたいです」



穂乃果「………私も海未ちゃんのこと、好き。でもそれは親友として、1人の友達として好きなの」


海未「やっぱり、そうですよね……」


穂乃果「でもね、海未ちゃんと許嫁の関係で居たいと思う」


海未「……え」


穂乃果「いきなり結婚とかは出来ないからまずは、恋人からで」


海未「穂乃果っ！」ﾀﾞｷｯ


穂乃果「海未ちゃん」ｷﾞｭｰｯ



海未（穂乃果は、やっぱり優しいです）


海未（絶対に私のこと、好きにさせてみせます！）