火神「ぐあっ!?」バッ
黒子「火神君!」
緑間「火神!」
黄瀬「火神っち!」
青峰「赤司お前何やってんだ!」
紫原「今のモロに刺さってたね」
赤司「……(マズい……避けると思ってて、天帝の眼使ってなかった)」
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黒子「火神君!目は!目は無事ですか!?」
火神「目は何ともねえつっ」
黄瀬「ちょっ右手に!」
緑間「見せるのだよ!なっ!?」
火神「こっこんなの何ともねえよ!」
緑間「……火神、悪いことは言わん……今すぐ病院に行け」
火神「大丈夫だって「愚か者!」」
緑間「こんな手でバスケが出来ると思うのか!ドリブルどころかパスを受けるのすらままならんぞ!」
火神「いっ今なら左手の方が上手く」
黄瀬「左手だけでプレイするつもりっスか?青峰っち相手に」
火神「っ!……くそっ」
黒子「火神君、今はまず医務室に行きましょう、傷の手当てが最優先です」
火神「……くそっ……くそっ……」
青峰「……ちっつまんねー事しやがって」
紫原「うわーいたそー」
赤司「……(マズいな……まさかこんな事になるとは……)」
緑間「おい赤司、いくらお前でも今回ばかりは見過ごせないのだよ」
黄瀬「先生達に報告させてもらうっスよ」
黒子「さあ火神君行きましょう」
火神「くそっ……すまねぇ黒子」
黒子「火神君は何も悪くないですよ、悪いのは……」キッ
青峰「……一回戦……ちったあ楽しめるかと思ったんだがな」
紫原「残念だったね黒ちん」
赤司「……(報告だと?マズいな……傷害事件→警察沙汰→出場停止→退学→人生において負けが確定する→僕が負ける……マズい!)」
緑間「おい赤司、何とか言ったらどうなのだよ?」
黄瀬「もっとも言い訳なんて聞きたくないっスけどね」
赤司「……(えっと……ハサミ……そうだ、とりあえずまず邪魔な髪を切って)」ジョキジョキ
青峰「こんな時に何やってんだよ」
紫原「何で赤ちんには貸して俺にはいやなんだろ?」
黒子「赤司君?」
火神「……」
赤司「……僕に逆らう奴は親でも殺す」
緑・黄・青・黒「「「「……」」」」ブチッ
黄瀬「こんな時にふざけるんじゃないっスよ!」
緑間「完全に見損なったのだよ!」
青峰「何が親でも殺すだ!?お前馬鹿か!?」
黒子「赤司君……最低です」
紫原「いくら赤ちんでも、今のはさすがにどうかと思ったな」
火神「何なんだよコイツ……何でこんな奴に俺達が……くそっ」
赤司「……(マズい……益々空気が、何とかしなければ!)」
赤司(一つずつ整理していこう、まず僕は火神に向かってハサミを突き出した、あいつなら確実に避けると思ったからだ)
赤司(だがあいつは避けなかった、むしろ直前で目を閉じていた、そしてそこに出してきた手にハサミが刺さった、これが概要だ)
赤司(今までの試合のデータから、あいつが確実に避けるレベルで刺していたが、まさか目を閉じるとは思っていなかった)
赤司(そもそも何故あいつは目を閉じた?あの状況で瞬き以外の理由で、自分から閉じるとは思いにくい、しかも手をそこに持ってきている)
赤司(……半ば強制的に目を閉じ、手で何かをしようとしていた、この情報から導き出される答えは……そう!)
赤司(火神は目にゴミが入った!)
赤司(そうだ!それがあいつが避けなかった理由!もし目にゴミが入っていなければこんな事にはなっていない筈!)
赤司「今のは……事故だ」
緑・黄・青・黒「「「「は?」」」」
火神「事故だと?」
紫原「んー?あれ?もしかしてこれって、赤ちんヤバいのかな?」
赤司「確かに僕は火神に向かってハサミを突き出した、だがそれは彼なら確実に避けると思ったからだ」
緑間「……」
赤司「何もなければ彼はハサミを避けていた、そう……少しばかり脅かすつもりだったんだよ」
黄瀬「……」
赤司「だが実際には彼は避けなかった、あるトラブルによって避けられなかったんだ」
青峰「……」
赤司「彼は僕がハサミを突き出す直前、突如として目を閉じていた」
黒子「……」
赤司「恐らく彼は目にゴミが入ってしまったんだろう、思わず目を閉じ手で擦ろうとした」
火神「……」
赤司「そしてその結果……ハサミが右手に刺さってしまったんだ、つまりこれは偶然起きた事故なんだ」
紫原「……あっそうなの?」
赤司「分かってくれたかな?僕がわざと彼の手を刺した訳じゃないと」
緑・黄・青・黒「「「「……はぁ!?」」」」
緑間「ふざけるな!そんな言い訳が通じる訳が無いのだよ!」
黄瀬「火神っちが絶対避けるなんて、分かる訳ないっスよ!」
青峰「それが仮に本当でも刺したのは事実だろうが!」
黒子「言うに事欠いて事故だなんて、最低ですね」
火神「本当にこんなのが奇跡の世代のキャプテンなのかよ」
紫原「さすがに今回ばかりは、赤ちんの肩はもてないかな?」
赤司「……(……やっぱりダメだったか……)」
赤司「こうして僕の高校でのバスケは……いや、高校生活は終わりを告げた」
赤司「傷害事件を起こしたとして洛山バスケ部は出場停止、僕自身も退部そして退学を余儀なくされた」
赤司「家に帰れば当然のように父が落胆していた、そしてゴミを見るような目で僕を一瞥し、それからは顔を合わせる事すらない」
赤司「そんな僕にはもう、未来なんてなかった……」
赤司「父は僕を見限り、事件の揉み消しなどせずに僕を赤司家から追い出した」
赤司「周りからも奇跡の世代として、半ばヒーローのような扱いだったのが、手のひらを返したように冷たくなっていった」
赤司「元チームメイト達も、インタビューで『あいつにはこういう事をやりかねない、そんな危険な雰囲気があった』などと言い出す始末だ」
赤司「はっきり言ってもう僕に味方なんていない……そうだな、僕は負けた……もう僕の存在意義なんて無い」
赤司「さあ……もう僕は消えるよ、後は君に任せるよ……さようなら本当の僕」
本当の赤司『だが断る』
赤司「……やっぱりダメだったか……」
赤司「どこで間違えたんだろう?」
完
以上です、思ったよりも短かった。
どうも1です。
あまり必要ないかもですが、いくつか補足しておきます。
火神の右手 親指の下の柔らかい所に2センチ位ハサミの先端が刺さってました。
試合の結果 洛山の出場停止により、優勝は下馬評通り桐皇でした。
荻原君 事件の事を知り、さすがに黒子の下へ行き仲直り。
真冬のプール 一説では赤司が放り込まれたとか何とか。
こんな所でしょうか?他にありましたら答えられる範囲で答えます。
決勝は桐皇対秀徳でした。
結果として青峰は「俺に勝てるのは俺だけだ」と最後まで言ってました。
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