女々の奇妙な冒険 黄金の風(69)
康一「やぁ、僕は広瀬康一!どこにでもいる17歳の高校生さ!」
康一「S市杜王町に住む僕だが、今はとある理由からイタリアを訪れてる。」
康一「知り合いの海洋学者にバイトを頼まれたのさ!しかしそれは実に奇妙な内容だった。」
康一「『とある少女の皮膚をちょっぴり採取してこい』...何する気なんだろうね?」
康一「少女の名は『潮華初流乃』。イギリスと日本のハーフらしい」
康一「この黒髪の少女が何者なのか検討もつかない。海洋学者と因縁のある相手なのかもしれない」
康一「ともかくさっさと用事を済ませて、ディズニーランドでも行って遊ぼう。さぁ行くぞ!」
ジョルノ「ねぇ...ねぇちょっと!そこのボク!」
康一「...?」
ジョルノ「ねぇ!タクシー?タクシー探してんの?」
康一「...僕ですか?」
ジョルノ「街まで?私も帰るとこだから安くしとくよ。乗ってきなよ」
康一「えっと...君が運転するの?随分若いみたいだけど」
ジョルノ「8千円でいいよ」
康一「8千円?」ププッ
ジョルノ「乗ってかない?」
康一「ぼったくりでしょ...笑っちゃうよ」スタスタ
ジョルノ「ちょ...待ってよボク!」
康一「それと!」クルッ
康一「さっきからボク、ボクって年下扱いしてるようだけど...僕はこれでも17歳だぞ」
康一「君は見たとこ15歳ぐらい?」
ジョルノ「うっそマジ?年上?信じらんなーい」
康一「じゃそういうことで」クルッ
ジョルノ「待った待った!悪かったよ、私が悪かった!」
ジョルノ「お詫びに...そうだな、1000円でどう?1000円ピッタリ。チップもなし」
康一「1000円!?」パァァッ
康一「...いややっぱり他当たるよ。どうしていきなり1000円になるのかなぁー?」
ジョルノ「発着場の混み様をみなよ...あんたの番が来るのは何時間後かな」
康一「...」ポカーン
康一「...本当に1000円でいいの?」
康一「トランクを積み込んだところ車が発進してしまった!やっぱりあの子泥棒するつもりだったのか!」
ジョルノ「きちんと届けるよ...ただし空になったトランクをね...」ブロロロ...
康一「act3ッ!!」ズギュン
ジョルノ「...ん?」プシュー...
ジョルノ「な...なにッ!バカなッ!こんな時にパンク!?」
康一「逃げたければ逃げてもいいよ...荷物が戻ればそれでいいんだもん」
ジョルノ「」バタン
康一「うろたえない...」
ジョルノ「...」ニヤッ
康一「あぁいう時、泥棒は普通焦ったりするもんだと思うんだけどなぁ...」
康一「爽やかに去っていってしまった。まぁ荷物さえ戻れば...あれ?」ガチャッ
康一「無い..無いぞッ!ぼ、僕の鞄はどこだッ!?」ガサガサ
康一「バカな!確かにここに乗せたはずで、あの子は持って逃げたりはしてなくて...」
康一「......はっ!」
ドクン...ドクン...
康一「な...なんだこれ...?」
ドクン...ドクン...ズズッ
ズルゥッ...ズルン
康一「か....かえる...?」
ピョンッ!
康一「うわっ!?」ビクッ
ピョコッピョコッ
康一「い...行っちゃった...」
ジョルノ「...」ヒュウウウ
ルカ「よぉ...ジョルノくん」ザッ
ルカ「俺のこと知ってるか...?」グスッ
ジョルノ「...涙目のルカ。数々の武勇伝を持ってたりもする..ここらを取り仕切る『ギャング』」
ルカ「そう...よく知ってるな。ここいい?」グスッ
ルカ「ところでジョルノくん...いい友情関係には3つのUが必要だ」ドサッ
ジョルノ「...はい」
ルカ「とかなんとかの話は省いて...単刀直入。今夜俺の部屋に来い」グスッ
ジョルノ「上納金代わり...ってワケですか」
ジョルノ「拒否します」
ルカ「な...なに?なんて言った?」
ジョルノ「......」
ルカ「そ...そりゃどういう意味だ?つまり...その言葉の意味はよォ?」ワナワナ
ジョルノ「同じことを何度も言わせないでください...無駄なことは嫌いなんだ」
ルカ「俺はお前のこと信頼して円満に終わらせようとしてるってのに...」
ルカ「お前はその心を無視して?俺を裏切ろうってのか?これはそういうことか?」
ルカ「二人の関係はおしまいなのかァーッ!!答えろォォォォーッ!!」
ピョコッ
ルカ「お...おい?なんだそのカエルは?空気読めねぇな、叩き落とせ」グスッ
ジョルノ「拒否します」
ルカ「てめェ終わりだァァァァーッ!!!」ガオンッ
ドガァン
ルカ「...」グスッ
ジョルノ「嫌いなんだ。同じことを繰り返すのは...無駄無駄」
ルカ「」ガボォッ
ジョルノ「あっあ~...♪ロープウェイって快適だよね」
ジョルノ「坂道の多いネアポリスには欠かせないよ...」
ベロン
ジョルノ「うぎゃ!?」ビクン
ブチャラティ「これは...『涙目のルカ』を殺したヤツの汗の味だぜ!」
ジョルノ「お姉さん誰っすか...涙目のルカなんて知りませんよ」
ブチャラティ「」ペロペロ
ジョルノ「ひゃうっ」
ブチャラティ「」シパパパパーッ
ジョルノ「こ...これはジッパー!体が分割されてしまう!」
ブチャラティ「そのまま首を落としてやるぜ!」ズアッ
ジョルノ「『ゴールド・エクスペリエンスッ』!!!」ズギューン
ブチャラティ「はうあっ!?」ドゴォッ
ジョルノ「........」ドドドドドド
ブチャラティ「い...痛みが...ゆっくり....」ドドドドド
ズドォォーン
観客「どうせならキャットファイトにしてくれよ」
ジョルノ「見せもんじゃねェーぞ」コラ
ブチャラティ「どうやら貴様の能力...よっぽどあなどってはいかんらしい」
ズルゥゥーッ
ジョルノ「逃げたかッ!」ドドドドド
ブチャラティ「どちらが先に拳を叩き込むかの勝負だ...」
ジョルノ「逃げたかッ!と言ったな...スマンありゃ嘘だった」
ドドドドドドド
ブチャラティ「...............」
ジョルノ「.............」
ブチャラティ「..............」スッ
ジョルノ「無駄ァッ!」ドゴォッ
ジョルノ「『ゴールド・エクスペリエンス』」キラキラ
バリバリバリバリ
ブチャラティ「................」ニヤッ
ジョルノ「!?」
ブチャラティ「残念、これはあたしの腕では」
ジョルノ「このままッ!殴りぬけるッ!」ズドォッ
ブチャラティ「スゴ味があるッ!」ズドォォーン
ドザァァーッ
バリバリバリバリ
ブチャラティ「あたしはあと一回殴られただけで死ぬぞォ!」
ジョルノ「........」
ブチャラティ「........」
ジョルノ「...........」
シーン
ブチャラティ「.......あれ?」
ブチャラティ「なんで攻撃をやめる!?」
ジョルノ「舐められた時グッときた」
ブチャラティ「あんたが攻撃をやめたからと言って、あたしがあんたを殺すってことに変わりはないんだぜーッ!」ビシッ
ジョルノ「いいえ、あんたはもう私を攻撃したりはしませんね」
ブチャラティ「.........?」
ジョルノ「何故ならあんたは私の仲間になるからだ」
ブチャラティ「はぁ?」
ジョルノ「麻薬とかさぁ...よくないでしょ、そういうの。」
ジョルノ「この町から撲滅させたい。ので、町を取り仕切るギャングのボスになります」
ブチャラティ「マジに言ってんの?」
ジョルノ「私ギャングスターになります!ギャングスターになります!」
ブチャラティ「いいだろう...あんたのその黄金のような夢とマジな汗にかけよう」
ブチャラティが仲間になった!
ポルポ「よく来たね...この町を仕切るギャング団『パッショーネ』の面接へ...」ブフゥー
ジョルノ「まさか面接官が監獄にいるなんて...」
ポルポ「それでジョルノ君。人を選ぶにあたって....一番重要なことはなんだと思うね?」
ジョルノ「『信用』です」
ポルポ「すごいよく分かってるね。もう採用しちゃおうか」
ジョルノ「マジ?やったー!」キャッキャッ
ポルポ「冗談だよ...はい、このライター」ガシャーン
シュボォォォォ.....
ポルポ「この火を24時間消さないように。そして明日また持ってきなさい」
ジョルノ「楽勝です」
看守「.....この花は没収です」
ジョルノ「そんなあんまりです...」
ジョルノ(身体検査とは参った...とっさにライターを花に変えたんだが)
看守「囚人との物のやりとりは絶対禁止。分かりますね?」
ジョルノ「...........」グスン
看守「ちょっと....?」
ジョルノ「恋人からの....贈り物なんです......」ポロッ
看守「恋人って.....あ、あれが?」
ジョルノ「」コクン
看守「......えー、おほん」
看守「まぁ....その。今回だけよ」ヒソッ
ジョルノ「...........ッ!!」パァァァッ
看守(色々犯罪だろ....)
康一「あの泥棒少女....ジョルノ・ジョバァーナというらしい....彼女は気になるけど....」
康一「どこにいるのか分からないしな....はぁ」
康一「とにかく、任せられた役目は果たさねばならない。」
康一「『潮華初流乃』の住所....学校寮に来てみた。」
康一「えー....部屋番号は....」ガサガサ
....ヒュオオオ
康一「.......................ん?」
ジョルノ「................」バァアアア-ッ
康一「あ、あれはッ!ぼくの荷物を盗んだッ!」ドドドドド
............カチッカチッ
康一「な....なんだ?何をしているんだ?」
............シュボォォォ-ッ!!
康一「火....かな....?なんなんだ?」
康一「あの『辺りになんの障害物もない日当たりのいい広場の真ん中』で何をやっているんだッ!!??」ドドドドド
ジョルノ「マズいな....早々に火を消しちまった」
ジョルノ「どーするどーする....」オロオロ
シュ-------
ジョルノ「....ん?」
シュ-------
ジョルノ「これ....まさか」
ジョルノ「このライター!ガスが止まってないのか!?」
ジョルノ「....いやまさか無理だよね」
ジョルノ「『再点火』なんて....」カチッカチッ....
ジョルノ「できるわけがないッ!」シュボォォォ-ッ
ボォォォォォォ
ジョルノ「できちゃったよこれ......」
ジョルノ「これ試験の意味なくない?」
ズギュ-ン
サバス「オロロオォーーーッ!!!」バァ-ン
サンサン
サバス「『再点火』したなッ!」ピカッ
サバス「............」キョロキョロ
サバス「............あり?」
ビッカァァァァア
サバス「『影』がァァァァアアアッ!」ドロドロ
サバス「ギャアアァアァァアアアァアアッ!!!」スゥゥウウウッ
シュウウウゥゥウ....
ジョルノ「....今誰かなんか言った?」ポリポリ
ダダダダダダダダ
康一「ジョルノ・ジョバァーナぁぁぁあッ!!」ダダダダダ
ジョルノ「あ....あれは....」ギクッ
ジョルノ「あの時の日本人!名前は確か『コーイチ・ヒロセ』ッ!」ドドドドド
康一「逃がさないぞ....」ゴゴゴゴ
ジョルノ「な....何故この場所が....」
康一「僕の荷物を返せッ!」ビシィッ
ジョルノ「ごめーんもう売っぱらっちゃってさ....」
康一「えぇっ!?」ガビ-ン
ジョルノ「このパスポートだけは返すからさ....これで帰るのには問題ないってことでさ....」
康一「済むかバカぁっ!」グスン
康一「話を聞いてみると、なんとあの泥棒が僕の探す少女だった。」
康一「初流乃....しょ....るの....ジョルノ....?いや無理あるって」
康一「ともかく目的は達成できた。荷物の分は働いて返してもらったし」
康一「なんかこう....なんとなく....」
康一「あの子の中に『黄金の精神』的なものが....見えた....ような....?」
康一「そんな感じのイタリア旅行でした。まる」
承太郎「............................」
康一「どうです?報告書」
承太郎「............日記じゃねーか」
刑務所
ジョルノ「................」
ガシャア-ン
ポルポ「確かに。」ブフゥ-ッ
シュボォォオオオ
ポルポ「この『火』を....二十四時間守りきったね。」
ポルポ「よろしい!ジョルノ・ジョバァーナ、君の入団を認めよう!」バン
ジョルノ「ありがとうございます」ペコリ
ポルポ(こいつ....『再点火』してスタンド使いになったのか?それともクソ真面目に火を守り続けたか?)
ポルポ「....とにかくおめでとう。どうだね、君も祝杯を....」トポポポ
ジョルノ「拒否します」
ポルポ「えっ」
ジョルノ「ごめんなさい」
ポルポ「....何故」
ジョルノ「生理的に無理です」
ポルポ「」
ジョルノ「あなたどれだけデブなんですか?この建物から出られないとか有り得なくないですか?大体あなた臭いんですよ臭い。こうしてガラス隔てていても正直目の前に立つのが苦痛です。ツバやら汗やら飛んでくるのが見えますもん....入団のためと自分を殺してあなたと話していましたが」
ジョルノ「気持ち悪いです」
ポルポ「............ワインだけでも持っていって....」
ジョルノ「パワハラですか?」
ポルポ「もういいよ出てけッ!」
~翌日~
ポルポ「........................」
ドガァ--ン
本体-ポルポ スタンド名-ブラック・サバス 死亡
~とあるカフェ~
アバッキオ「................♪」シャカシャカ
ミスタ「....................」モグモグ
フーゴ「バカちんがァーッ!」ドグシャア
ナランチャ「ぶげェーッ!!」ブシュウウ
ブチャラティ「お前ら何やってんだーッ!」バタン
ジョルノ「................」チラッ
ブチャラティ「昨日言っておいた仲間を連れてきた!愛想よくしろよッ!」
ジョルノ「ジョルノ・ジョバァーナ....です。よろしくお願いします」ペコリ
アバッキオ「........................」
アバッキオ「いいですとも。こっち来なよ........茶でも飲みながら」ジョポポポ
アバッキオ「話でもしようや....」ニヤ
ジョルノ「いただきます」カチャッ
アバッキオ「.....」ニヤァ
ジョルノ「.....?」
ジョルノ「」クンクン
ジョルノ「うわ!臭っ!」
アバッキオ「どうした?お前はそれをいたd」
ジョルノ「何この臭い!?まるで炎天下に三日もさらされた生魚!」
ジョルノ「ありえない!信じられない!お茶?これほんとにお茶?あんたこんなの飲んでんの?マジ?」
ジョルノ「これ作った人絶対頭おかしいってェ~!!」
アバッキオ「......でもお前いただk」
ジョルノ「ちょっとブチャラティ~!これェ~!」
ブチャラティ「ん?どうした」
アバッキオ「...いただきますって...言ったんだぜ...」ボソボソ
フーゴ「それ、あんまり無いお茶でね。健康にはいいよ」
ジョルノ「そーなんスか?」
アバッキオ「フーゴ、ナイスだぜ」
ジョルノ「私一瞬オシッコかなんかかと思っちゃいましたよ。にしても臭すぎですもんね」
アバッキオ「えっ」
ジョルノ「なんつーの、腐敗臭に近いっていうか...こんな小便する人、絶対内臓やられてますって」
アバッキオ「...今度人間ドック行こう」
フーゴ「ふぅん、そっかそっか。まぁ飲んでみなよ」
ジョルノ「はい......」ゴゴゴゴゴ
ミスタ「へへ。どーした?飲めねぇの?」
ジョルノ「」グイィーッ
4ギャング「!!!」
ナランチャ「うわコイツ、マジで飲みやがった!」
ミスタ「ばっちぃ!?い、いやほんとに飲んだわけがねぇ!!」
フーゴ「......あいつ」
アバッキオ「うそォ.......」
ブブブ
アバッキオ「ん?」
ブブゥゥーーーーン
アバッキオ「.......この音....」
ブブブブブブブブブ
アバッキオ「......!は、『ハチ』だァァァァァッ!突然ッ!」ドドドドド
フーゴ「それは『オオスズメバチ』!刺されれば強力な毒で最悪死に至る危険なヤツだッ!」
ブブブゥーーーン
アバッキオ「うっうおおぉぉぉお!?あっ、あたしの方にィィーッ!!」ガタッ
アバッキオ「こいつッ!よ、寄るんじゃあねーッ!!」ブンッ
フーゴ「やめろアバッキオ!暴れたりすれば逆効果だぞッ!」
ブゥゥーーンッ
アバッキオ「うぁっあぁぁぁあッ!!」
ナランチャ「おいッ!ハチがアバッキオの頭の上に......」
ブスゥッ
アバッキオ「さッ!刺され......」
パシャアツ
アバッキオ「えっ......」ポタッポタッ
ナランチャ「な...なんだ今の?ハチが『水風船』みてーに破裂したぞ!」
ミスタ「それにこの匂い......アバッキオ、おめーの被ったその液体ってのはよォ...」
アバッキオ「.........」クンクン
アバッキオ「うっ...く、臭い!」
ミスタ「おめーの『お茶』じゃあねーのか?」
フーゴ「こ...これはなんだ?どういう現象が起こってこうなったんだ?」
ジョルノ「さぁね...あんた達も能力を隠してるんだろ?」ニヤッ
4ギャング「!!!!」
アバッキオ「お、おめーか新入りの小娘...ただじゃあおかねーぞ!」
ナランチャ「.........よかったじゃん、アバッキオ。ハチに刺されたら『お茶』をかけるもんだぜ」クルッ
アバッキオ「えっ?」
ミスタ「おい新入り!おめー面白いな!な、どうやったのかあたしにだけ教えろよ?」ガシッ
アバッキオ「お...おいみんな?」
フーゴ「アバッキオ、そこ片しとけよ。きたねーからな」クルッ
アバッキオ「フーゴ...お、おめーまで...」
ブチャラティ「(なんだかよく分からんが...『ジョルノ・ジョバァーナ』こいつには人に認められていく才能みたいなものがあるらしい)」
ブチャラティ「(主に他人を蹴落とす形でな)」
~沖~
ミスタ「なぁブチャラティ!いい加減教えろよ?」
ミスタ「何故クルーザーに乗っているのかをよォー」
ブチャラティ「ふむ...いいだろう。陸からは大分離れたしな」
ジョルノ「まさかブチャラティ、死んだポルポの隠し財産を受け取っていたとか?」
ブチャラティ「え?あ...あぁ、うん...よく分かったな」
ジョルノ「ポルポは幹部ですから...六億円ぐらいあってもおかしくないですね」
ブチャラティ「何故そうピタリ当てられるんだ?...とにかく、今からあたしらはそれを回収しに向かう!」
ミスタ「ま、マジかよブチャラティ!」
フーゴ「(六億もの金があれば...ブチャラティもいよいよ幹部になれるということ)」
ナランチャ「六億もの金をどこに隠したん...」
ガオンッ
ブチャラティ「...おい、ナランチャ?」
ジョルノ「どうかしましたか?ブチャラティ」
ブチャラティ「いや、今ナランチャが何か...」チラッ
シィーーーン
ブチャラティ「!!」
ミスタ「おいどーしたナラン...ナランチャ?」
フーゴ「なにやってん...」ガオンッ
ミスタ「」ガオンッ
ブチャラティ「いつの間にか二人も消えている!まさか...」
ジョルノ「...敵かッ!」
ブチャラティ「残ったやつは一カ所に集まるんだ!アバッキオ、お前もいつまでもすねてんじゃあない!」
アバッキオ「...すねてねーし」ムスッ
ブチャラティ「ほ、ほら。この現象、お前のスタンドなら解明できるかもしれねーぞ!」
アバッキオ「えっ?」パァァッ
ジョルノ「それには及びませんよ」
アバッキオ「ちょっと待てやめろお前」
ジョルノ「私の『ゴールド・エクスペリエンス』は生命を操る」
ジョルノ「今調べた所、この船には七つの生命が確認できます」
ジョルノ「無論自分の生命は判別できます。チームの四人の生命の形も昨日のカラオケで調べてある...」
アバッキオ「(えっなにそれ)」
ジョルノ「それらを除外して残った生命の位置ッ!つまり敵は...」ズギュンッ
ジョルノ「そこだァァーッ!!『ゴールド・エクスペリエンス』ッ!」ドゴォッ
メキメキメキメキッ
ブチャラティ「船から木がッ!」
ズッケェロ「うっうぉおぉおおお!?」ズルズルズル
アバッキオ「あべしッ」バギィッ
ジョルノ「どうやって隠れているのか見当もつかないので...とりあえず生命の見える箇所を丸ごと木にしてみましたが」
ズッケェロ「うっ...くっ」ペラーン
ジョルノ「こいつ...『物をペラペラに薄くする』スタンドで、隙間に隠れていたようですね」
ブチャラティ「木に腕が埋まっちまって動けないようだ。マヌケな奴だぜ」
アバッキオ「...終わりかい」
ブチャラティ「元気出せよ。また活躍の機会はあるって」ポム
ジョボ...ジョボ...
ジョルノ「ハッ...しまったッ!」ジョボッジョボッ
ジョルノ「船底まで木に変えちまったもんだから...海水を吸って、木が枯れかけてるッ!」
ジョルノ「このままじゃ浸水して沈没...」
ブチャラティ「閉じろジッパーッ!!!」シパァーーッ
ジョルノ「」ニッ
ピシガシグッグッ
~港~
ズッタン!ズッズッタン!
サーレー「おーいズッケェロ!ブチャラティ達は始末できたの...」タッタッタッ
ブチャラティ「ん?誰だ?」グインッグインツ
ズッタン!ズッズッタン!
サーレー「えっ」
ズッタン!ズッズッタン!
ブチャラティ「悪いが今ダンス中だ。用事なら後にしてくれ」バッバッ
サーレー「ま、間違えましたぁ...」
ズッタン!ズッズッタン!
サーレー「あーれー?」
ブチャラティ「いいか、隠し財産は...ここだッ!」シパァーッ
ジャラジャラ キラキラ
ナランチャ「こ、ここって...」
ミスタ「『小便器』の中かよォーッ!確かに誰も予想しねーような場所だけどよー!」
サーレー「...............」ジョロロロロロロ...
フーゴ「すごい量だ...これなら、確かに鑑定に出せば六億円は下らねーぜ」ゴクリ
サーレー「(なんであいつら当たり前のよーに男子トイレにいるんだよ?)」ジョロロロン
清掃員「ちょっと失礼~」スタスタ
ナランチャ「あーおばちゃん、悪いけど今は待っててくれ。中でまだ『してる』からよ」
ブチャラティ「全員『礼』だーッ!この方は組織の幹部、ペリーコロさんだッ!」
ミスタ「えッ!?」
ブチャラティ「金を受け取るため、わざわざ出向いて下さったのだ!目立たないための変装なのだッ!!」
ペリーコロ「あー、いいからいいから。楽にして頂戴」
ペリーコロ「ふむ...確かに全て本物だ。このネックレス一つでも一千万の価値があるだろうね」ジャラッ
ペリーコロ「よろしい!ブチャラティ、君は十分な金を納めた!」
ペリーコロ「君を幹部として任命しようッ!!」
ナランチャ「やったぜ、ついにブチャラティが幹部になった!!」キャッキャッ
ペリーコロ「それでブチャラティ...君はポルポの管轄を丸ごと引き継ぐことになるわけだけども」
ポルポ「ヤツは死ぬ前、一つだけ仕事をやり残した...早速だが、君にはそれに取り掛かってもらうよ」
ブチャラティ「やり残した、仕事...?」
ペリーコロ「トリッシュ!出て来て!」クルッ
トリッシュ「.........」フラッ
ジョルノ「(何者だ、この少年は...?)」
ペリーコロ「任務はこの少年の護衛!君は彼をなんとしても守りきらねばならない!」
~隠れ家~
ナランチャ「......なぁ、色々欲しいもんがあるんだが。買ってきてくんないかな」
フーゴ「...買い出しですか。分かりました...ナランチャ!」
ナランチャ「ほい?」
トリッシュ「これ、リストね。頼んだよ」ピラッ
フーゴ「尾行されないようにな」
~街~
ナランチャ「これで全部かな...」
ホルマジオ「なぁ...ナランチャ。お前さっきから何やってんだ?」ニュッ
ナランチャ「!?」ビクッ
ホルマジオ「車で同じこところをグルグル回ったり...突然Uターンしたり...」
ナランチャ「な、なんだテメーッ!!いつから車の中にいたッ!?」
ホルマジオ「その紙袋...楽しくショッピングか?」
ナランチャ「質問を質問で......」ズギュンッ
『エアロスミス』
ホルマジオ「ちょっ」
ナランチャ「返してんじゃあねぇぇぇええぇええッ!!!」ドパラタタタタタタタ
ドドドドドドドドドドド
ホルマジオ「こいついきなり『キレ』てやがるッ!しょうがねェーなァァッ」ズギュンッ
ホルマジオ「『リトル・フィート』ッ!俺を小さくしろッ!!!」ミュミュミュミュミュ...
ナランチャ「なんだあいつ...どこへ消えたッ!?」キョロキョロ
ホルマジオ「うんしょっ...と。上手いことナランチャの服にもぐりこんでよぉ...」プハッ
ナランチャ「どこだッ!?出てきやがれーッ!!」
ホルマジオ「くっくっく...すぐここだ!っつーの............ん?」チラッ
『紙袋と散乱した中身』
ホルマジオ「こ、こりゃあ......まさか」ゴクリ
ホルマジオ「俺達のチーム九人は、『暗殺』が専門だった」
ホルマジオ「危険でキツい仕事だ...しかしボスよ与える報酬も、権限も、それに見合うものじゃあなかった」
ホルマジオ「俺達はそれが不満だった...徐々にボスへの反抗心が湧いた」
ホルマジオ「しかしそれからすぐだ。ボスの正体にほんのわずか近づいた、仲間の二人...」
ホルマジオ「一人は自殺死体で見つかった。さらに一人は......輪切りにされ、『芸術品』となって俺達のもとへ送られてきた」
ホルマジオ「それはボスからの警告だった!決して反逆など許さぬと、俺達に強く知らしめるためのものだった!」
ホルマジオ「俺達は恐怖した...ボスの正体に近づくことなど不可能だと、諦めようとした...しかしッ!」
ホルマジオ「そのニュースは突然やって来たッ!そして俺達に一筋の希望を差したッ!!」
ホルマジオ「『ボスには息子がいた』ッ!!!」
ホルマジオ「突然の判明だった...そいつはそれまで普通に暮らす学生だった」
ホルマジオ「しかし、ボスの直接の血縁者なんだ。そいつを捕まえ調べれば、ボスへ繋がるヒントが得られるはずッ!」
ホルマジオ「もちろんボスもそれを警戒するだろう...すぐに組織から護衛の者をつけるはずだ」
ホルマジオ「どいつが護衛を任されたのかは分からねぇ。しかしこのナランチャのチームの奴らは『ポルポ』の葬式に来なかった...」
ホルマジオ「怪しいぜッ!そしてその買い物の中身を見ればッ!」
『チョコバー』『ヘアジャム』『快楽天』etc...
ホルマジオ「おめーらのチームにこんなもん買う『男子』はいねーだろうがッ!こいつぁもしや」
ホルマジオ「いきなりアタリだぜッ!」
ホルマジオ「どういうことなのか...じっくり聞かせてもらうぜ」
ホルマジオ「俺の『リトル・フィート』の能力で、おめーを人形みてーな大きさにしてからなッ!」ズバッ
ナランチャ「チクッときたァー!?」チクッ
ホルマジオ「少しでも傷をつければ...もうお前に逃れる術はないぜ」
ナランチャ「い、今のは攻撃かァ!?さっきの男が何かしたのかッ!?」
ナランチャ「『エアロスミス』ッ!!ヤツを探せーッ!!」ズギュンッ
ホルマジオ「フン、無駄無駄...まさか自分の服ん中にいるとは思わんだろ」
ナランチャ「見つけたぞッ!お前、あたしの服の中に隠れているなッ!!」
ホルマジオ「なに!?」
ナランチャ「どこだ!?ポケットの中かッ!!」ペタペタ
ホルマジオ「うわッ!!ととっ、危ねぇッ!!」ズザザッ
ホルマジオ「何故だッ!?何故俺がここにいるとッ!?」
ナランチャ「周りに誰もいねぇのにチクッと痛ぇってことはよォー」
ナランチャ「それってつまり童話の『一寸法師』のことだぜッ!そうに違いねーッ!!」
ホルマジオ「こいつ頭悪いのかッ!?普通、遠くからのスタンド攻撃だと考えるだろーがッ!」
ホルマジオ「だが今はその単純さが脅威だぜ...服の裏側まで入っていって...」
ホルマジオ「位置を変えながら、ヤツに見つからないよう隠れるしかないッ!」
ナランチャ「.........」ピタッ
ナランチャ「......見えたッ!お前、今度はあたしの背中側にいるなッ!?」
ホルマジオ「なッ...」
ナランチャ「出て来やがれェーッ!!」ガバッ
サーレー「お買い物♪お買い物♪」ランラン
ザワザワ... ザワザワ...
サーレー「なんだァ?ばかに騒がしいじゃあねーか」
「いいぞ嬢ちゃん!」「もう一枚ーッ!」「ベネ!」
ナランチャ「うおおおぉぉぉおッ!」
サーレー「ありゃあ、ブチャラティんとこのナランチャだぜ...何やってんだ?」
ナランチャ「」ヌギッ
「「フゥーッ!!!」」
サーレー「...す、ストリップぅ!?」
ホルマジオ「こ、こいつ...こんな往来で服脱ぐか!?普通よぉ!!」
ナランチャ「出てこーい!」バッサバッサ
ホルマジオ「くそ、もっと内側の服に隠れ...だが何故だ!?よっぽど確信がなけりゃあこんなこと...」
ピコーン ピコーン
ホルマジオ「あ...あれは...」
ピコーン ピコーン
ナランチャ「この服にはいねェ!ってことはもっと内側かッ!!」
ホルマジオ「ナランチャの顔んとこに浮かぶ...あれってのは、まさか...」ピコーン
ホルマジオ「『レーダー』かッ!?それで俺の位置を察知してるっつーのかッ!!」
ナランチャ「まだここにいるな.....ッ!」
ピコーン ピコーン
ホルマジオ「...いや、あのレーダーは何を感知してる?俺の『何か』を見て、反応してるはずだぜ...」
ホルマジオ「......例えば...むぐっ」
ピコーン ...............
ナランチャ「な、なんだッ!反応が消えたぞ!?」
ホルマジオ「(呼吸で出る『CO2』とかな...これまた、いきなりアタリかァ?)」
ナランチャ「くそッ!だがまだここにいるはずだぜッ!いきなり消えるなんてことはありえねーッ!」ガバッ
ホルマジオ「(れ、レーダーの仕組みが分かったのはいい!が......)」
ホルマジオ「(もう服がねーぜッ!このままじゃあ見つかっちまう!!)」
ナランチャ「にゃああぁぁぁあぁあッ!!!」ヌギッ
ホルマジオ「仕方がねーッ!とにかく下着、『ブラジャー』ん中に隠れるんだ!ナランチャが縮みきるまでこらえろッ!!」ズザッ
「「下着姿キターッ!!!」」
ナランチャ「まだ出てこねーッ!ならスカートの中かッ!!!」スルッ
「「ディ・モールト、ディ・モールト ベネ!!!」」
サーレー「なんつー幼児体系だ...あいつあれで17かよ」
ナランチャ「ハァッ、ハァッ......くそッ、これでも見つからねーかッ!」
ホルマジオ「(へへ、見栄張ってでかいブラつけやがって...つってもAだけどな。空間はたっぷりあるぜ)」
ナランチャ「畜生、ならこれもかァ.........?」ピラッ
サーレー「いややめとけってお前」
ナランチャ「............」ジーッ
ナランチャ「.........」ジィーーーッ
ホルマジオ「やべ、見っかったか?」ヒヤッ
ナランチャ「なんか...これ胸...」
ナランチャ「......いつの間にか、成長してたのかッ!?」
ホルマジオ「.........」
ナランチャ「それどころか今この時も、見る見る大きくなっていくようだぜッ!!」
ホルマジオ「(逆だ逆!お前が小さくなってってんだよッ!)」
ナランチャ「ついにこの時が来たんだぜッ!やったぁぁああぁあ!!」キャッキャッ
ホルマジオ「やっぱこいつ、頭脳がマヌケか......?」
ナランチャ「へへ、毎日やってたマッサージのおかげかなぁ......」
ホルマジオ「だがもうこいつの身長は1mを切ってるッ!奇襲すりゃ十分......」
ナランチャ「.........こんなに効果があんならよォー」グワシッ
ホルマジオ「うぐぇ!?」ムギュッ
ナランチャ「もっとでっかくしてやるぜぇぇえぇえええぇぇえッ!!!!」モギュモギュモギュモギュ
ベキバキッゴキン
ホルマジオ「がっ.........ぎぃえあぁああぁあぁぁぁあ!!??」バリッグリュンボキィ
ナランチャ「出てきやがれッ!このド変態がァッ!!」ゴリュッブチン
ズムムムムムムムムムムムムムムムムムム...
サーレー「なんだありゃ...ナランチャの胸が膨らんで...」ゴクリ
ナランチャ「」バツンッ!!
ホルマジオ「」ドザァァッ
「「ポロリーーーーッ!!!」」
ホルマジオ「ハァッ、ハァッ......」
ホルマジオ「(危なかった......体の大きさを戻そうとしてなければ!今頃握りつぶされてたせ...」ゼェゼェ
ナランチャ「姿を見せたなァ...これで...」
ナランチャ「思う存分、てめーを打ち抜けるってことだよなァーッ!」ズギュンッ
バラララララララララララ...
ホルマジオ「........................」ハァハァ
ホルマジオ「.........てめー、の...『戦闘機』のスタンド......確かに、ゲホッ脅威...だが...」
ズギュンッ『リトル・フィート』
ホルマジオ「俺のスタンドは『近距離パワー型』......この距離なら」
ホルマジオ「てめーより先に一撃叩き込めるんだぜ...」
ナランチャ「............そんならよォ...試してみるか...」ユラァ
ホルマジオ「........................」
ナランチャ「........................」
...............................
ホルマジオ「『リトル・フィィーーーッ』...」グオォォォンッ!!
ナランチャ「『エアロスミス』ッ!!!」ズドドドドッ!!!
ドッバァーーーッ
ホルマジオ「」ブッシュゥゥーッ
ホルマジオ「しょォが...ねェ~なァァ...」ガクッ
ホルマジオ「なぁナランチャ...買い物いくだけでも......大した苦労だったろ......?」
ホルマジオ「これからもっと辛くなるぜ......お前らは.........」グラッ
ドザァァ...
ナランチャ「.........買い出し...『完了』...ただちょっとだけ...」
「下はァ!?」「もう一枚!もう一枚!」「ギャングのパンティおくれーッ!」
ナランチャ「目立ち...過ぎちまった...かな」
本体ーホルマジオ スタンド名ーリトル・フィート 死亡
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