【ジョジョSS】ジョルノ「父さんを理解した………」【5部x6部】 (60)

昔ジョセフ「ギャングスターになってやるぜッ!」を作った者です。

今回は前作の続編という形になるんですが………前作を知らない人は設定がポカーンてなるかもしれません。

できれば前作の方も見てみてくださいね。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423963851

〈午前2時32分11月6日〉

『州立グリーン・ドルフィンストリート重警備刑務所』
及び管理ジェイル
別名『水族館』

敷地面積120平方キロメートル
収容人数
・男性708名
・女性523名
・18歳以下の未成年452名

この刑務所に1人の男が車で運ばれていた。

ブウウウウウウン

?「…………………」

男「おい…そこのおまえ。」

?「…………………」

男「無視すんなよ。そこの金髪のおまえだよ。」

?「………ボクですか?」

男「そうだよ。おまえさ。何したの?」

?「……どういう意味ですか?」

男「だぁぁかぁらッ! おまえ何して捕まったのって聞いてんだよッ!」

?「なるほど。」

男「ちなみにオレは5人の女を無理やりヤッてやったんだ。あれは気持ちよかったぜェ〜。出所したらもう一回ヤるつもりだ。で…おまえは?」

?「僕は………」

?「人殺しです。」

男「へ?」

?「人を殺したんです。この手で。」

男「……………」

?「ついカッとなってあいつを殴ってしまったんです。まあ最後に殺したのは僕じゃないですけど。」

男「マジで?」

?「マジです。」

男「………………」

男「そ…そろそろ寝ようかなァ〜………」

?「……………………」

刑務官1「よし着いたぞッ。6番と21番はここで降りろッ。」

男「さてと。それじゃあ行きますか。」

刑務官1「6番は少しここで待ってろ。21番。前の刑務官についていけ。」

男「は、はい。」

?「……………」ガチャガチャ

謎の男は重そうな手錠を持ち上げ、刑務官についていった。

男「じゃあそろそろ………」

刑務官1「6番……おまえ………確か前なもここへやってきたよなァ?」

男「え? 覚えてるんですか?」

刑務官1「ああ、覚えてるさ。オレの気に入った囚人だったからな………」

男「え…? ええ?」

刑務官1「さてと………早めに終わらせるか……」ガサゴソガサゴソ…

刑務官は自分のズボンのベルトを外している。

男「あ、あの〜〜〜……何をされてるんですか…?」

刑務官1「見りゃあ分かるだろ。準備だよ準備。」

男「じゅんび…? ……………………ハッ!!!」

男「こ…これは………もしかしてェーッ………!」

刑務官1「楽しませてくれよな………6番………」

刑務官2「よかったな21番。おまえは気に入られなくて。あいつはゲイだから気に入った囚人はとことんヤらないと気が済まねえやつなんだ。あいつの方がよっぽど悪者だと思わないかァ。」

?「………………」

男「ギャァァァォァ…………………助けてェ…………………………」

乗っていた車からは男の悲しい叫び声がうっすら聞こえていた。

刑務官に連れられ、謎の男は面会室の前に連れてこられた。

刑務官2「檻の中に入る前に面会をしてもらう。これが済んだらようやく収監だ。」

?「わかりました。」

ガチャン

刑務官2「そこで座って待っていろ。面会が終わったらオレに声をかけろ。」

?「中には入らないんですか?」

刑務官2「………終わったら声をかけろ。」

ガコン

扉が閉まった。

?「…………………」

ガチャン

タッタッ

ストン

反対側の席に1人の男が座った。

ブチャラティ「やあ。久しぶりだねジョルノ君。1週間ぶりかな?」

ジョルノ「………やはりあなたでしたか。刑務官の反応を見てあなただと思いましたよ。」

ジョルノ「…」キョロキョロ

ジョルノ「今日はボディーガードの人と一緒じゃないんですか。」

ブチャラティ「彼は外で待っているよ。きみとは2人きりで話したかったからね。」

ブチャラティ「………それでは1週間前の返答を聞こうか。」

ジョルノ「…………」

ブチャラティ「もう一度言う。オレのチームに入らないか? きみの能力をオレはとても評価している。了承してくれるなら今すぐここからきみを出してあげよう。」

ブチャラティ「どうするんだいジョルノ君……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ジョルノ「お断りします。」

ブチャラティ「……どうしてだい?」

ジョルノ「あなたをよく知らないから………それではダメですか?」

ブチャラティ「………………」

ブチャラティ「ハハハハハハハハハハッ!」

ブチャラティ「ハハ…こんなに笑ったのは久しぶりだよ。親友と会って以来だ。」

ブチャラティ「今はそれでもいいさ。でも、必ずきみはオレを頼ってくる。その時は歓迎するよ。」

ブチャラティは席を立ち、部屋を去ろうとした。

スッ…

ブチャラティはドアノブに手をかけた。

ブチャラティ「あと…きみの刑期を少しだけ短くしておいたよ。これはオレからきみへのプレゼントだ。それじゃあ。」

ガコン

扉が閉まった。

ジョルノ「………終わりました。」

ガチャン

刑務官2「行くぞ。」

ジョルノ「聞いてたんですか?」

刑務官2「私は何も聞いていない。」

ジョルノ「………仕事に真面目なんですね。」

刑務官2「…そうしないとこの刑務所では生きていけないのさ。」

ジョルノ「?」

ジョルノは持ち物検査、身体検査を終わらせた。残るは………

ジョリジョリ〜

散髪屋「はい次の方〜。」

ストン

散髪屋「これまた個性的な髪型の持ち主で。それでは切らしていただきますね。」

ジョルノ「金を出せばこのままでもいい?」

散髪屋「………はい?」

ジョルノ「前の人がそうやっていた。金ならたっぷりあるんだけど。」

散髪屋「………………」

散髪屋「ゴホ! エヘンッ! ンッン! オホッ!」

散髪屋「斬られたくないなら30ドル。ゴホゴホ!! オホァエポッ!」

ジョルノ「ほら。」パッ

ジョルノは散髪屋に30ドル渡した。

それを散髪屋は周りにバレないように右ポケットに隠した。

散髪屋「はい終わり。次の方〜。」

ゴソッ

散髪屋「ん? あれッ!! 右ポケットの中に髪が入っちゃってるッ。気持ち悪ィ〜!」

ジョルノ「…………………」タッタッ

ロッコバロッコ「みなさん。わたしがこの『グリーン・ドルフィンストリート刑務所』所長のロッコバロッコです。」

ロッコバロッコ「そしてェェェーーーーーー。」

ロッコバロッコ「わたしの隣にいるこの彼女はぁー。女の子ですよー。みなさんへのあいさつを手伝ってくれるアシスタントの『シャーロット』です。」

シャーロット「よろしくぅーーーーっ。」

ジョルノ「…………………」

ガシャアーーン

刑務官3「ここがおまえの部屋だ囚人番号W210416。快適な囚人生活を送るように。家賃は払わなくていいとは羨ましいな。」

タッタッ

刑務官が去っていく。

?「新入りか…?」

ジョルノ「!」

?「楽しみだなぁ〜〜〜。おまえが何日この刑務所で耐えれるかをよォ〜〜〜〜〜。」

ジョルノ「すみません先輩。気がつきませんでした。」

?「いいってことよ。それよりさぁ………」ゴソッ

クイックイッ

謎の男は手招きでジョルノを呼んでいる。ジョルノも謎の男に近づく。

?「これから新しい女囚人見にいくけど………おまえも来るか!」

ジョルノ「女…?」

?「そんなやましい気持ちじゃあねえぜ。一目惚れした女に会いに行くだけだ。一緒に来るか?」

ジョルノ「…………………」

ジョルノ「どうせここにいても暇ですし、僕も行きますよ。」

?「おまえなかなか見込みあるなぁ………名前は?」

ジョルノ「W210………」

?「いや、名前だよ、名前。本名は?」

ジョルノ「ジョルノ・ジョバーナです。」

?「ジョルノか。なら祝福しろ。その女に会ったらオレは結婚する。盛大に頼むぜ。」タッタッ

ジョルノ「……………」

ジョルノ「そうさせていただきます。」タッタッ

〜to be continued〜

こんかいはここまで。
前作を見てくださってた方はこれからもよろしくお願い申し上げます。

タッタッ

ジョルノ「どこへ向かってるんですか?」

?「抜け道だよ。」

ジョルノ「抜け道…? この刑務所にですか。」

ジョルノ「この刑務所のすべての部屋をまだ見ていませんが、ボクが判断するにこの刑務所内に抜け道があるとは思えません。警備がしっかりしています。」

?「意外とそういう警備がしっかりしているところこそ安心しきってるから抜け道があるもんなんだよ。」

コロコロ…

ポツン

ジョルノ「?」

ジョルノの足にボールが転がってきた。

ジョルノ「ボール………? なぜこんな所にボールが………」

??「アナスイ………その人がジョルノさん?」

ジョルノ「!」バッ

ジョルノは声がした方をとっさに振り向いた。

そこには1人の野球少年がこちらをじっと見つめていた。

ジョルノ「どうして子供がこんな所に………」

アナスイ「ようエンポリオ。こいつだぜ。偶然だがオレと同部屋になったおかげで気さくで優しい先輩を装うことができたぜ。………でだ、例の女の情報は手に入れてくれたかァ?」

エンポリオ「ジョルノさんは信用できそう…?」

アナスイ「最悪の場合はオレが殺すから大丈夫だ。なあジョルノ。」

ジョルノ「…………ええ。」

エンポリオ「………大丈夫のようだね。それじゃあ行こうか。」タッ

アナスイ「おいおい! 無視すんなよ! 例の情報を教えてくれよ!」

エンポリオ「…………………」

エンポリオ「昨日は2回………今日は1回してるよ……………ちなみに今日は看守にその行為を見つかって恥ずかしがっていた。」

アナスイ「ますます気に入ったぜ。エンポリオ。パーティーの準備をしておけ。」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ガシッ

アナスイはエンポリオとジョルノの腕を掴んだ。

エンポリオ「とりあえず部屋で作戦会議をしよう。」

エンポリオの体が突然壁の隙間に入っていく。

ジョルノ「ど…どういうことですかこれは……ッ!」

エンポリオ「それも部屋で説明するよ。」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ジョルノ「こ…ここは……」

ジョルノがたどり着いたのは音楽室のような場所だった。

エンポリオ「何か飲む? コーラとオレンジジュースどっちがいい? まあ味しかしないけど。」

ゴクゴク

ダバー

エンポリオはオレンジジュースを飲んだが、あごの下からオレンジジュースが漏れていた。

ジョルノ「遠慮しておきます。飲んだら床が汚れそうですし。」

エンポリオ「見えるってことはやはり『スタンド』の自覚があるようですね………」

エンポリオ「あなたがこの刑務所に収監される前からあなたの情報は手に入れていました。イギリスのギャングパッショーネのボスと面会していた事も知っています。そして、『スタンド』の素質がある事も………勝手に個人情報を見た事は謝ります。」

エンポリオ「ですが…ボクたちは今、あなたの力が必要なんです。それを知っておいてもらいたい。」

ジョルノ「………………」

エンポリオ「あなたは『スタンド』を持っているのかその才能があるのか………どちらにしろあなたはアナスイに殺されなくて済みそうですね。」

エンポリオ「ボクとアナスイは特殊な能力…つまり『スタンド』というのを持っています。超能力と思ってもらっていいよ。本当はもう一人いるんだけど今日は散歩に行っててここにはいないんだ。」

エンポリオ「ボクの能力は幽霊となってしまったものを使える能力………この部屋自体はとっくの昔になくなっているんだけど、幽霊となってここにとどまり続けている。このジュースもそうさ。」

エンポリオ「ボクは人間だけど、ここにいる幽霊たちと一緒なんだ………」

ジョルノ「…………………」

エンポリオ「意味は分からなくていいよ。とりあえずボクはこの刑務所を一部分を除いて自由に移動できるって思ってくれたらいい。ここも自由に使ってくれて構わないし。」

アナスイ「…………あと数分で女たちは食事の時間に入るはずだ。その間看守たちは怠けているからその隙にオレが例の女と対面…というわけだ。」

エンポリオ「それで大丈夫だと思うよ。あとはカメラに映らなければいけると思う。」

エンポリオ「それでジョルノさんにはアナスイとは別行動をとって欲しいんだ。」

ジョルノ「別行動…?」

エンポリオ「そう……ジョルノさんは牢獄に行っておかしな人がいないか探して欲しい。」

エンポリオ「今の時間ならカメラ係りも食事に入ってる。制限時間は30分。その間なら自由に探索ができるはずだよ。」

ジョルノ「おかしな人とはなんですか。」

エンポリオ「………それはあなたが無事に帰ってこれたら話します。だから無事に帰ってきてください。」

エンポリオ「初めて会ったあなたにこんな頼みをするのはおかしな話ですが、これはみんなのためなんです。話はあとでちゃんとします。」

ジョルノ「…………………」

ジョルノ「事情はわからないですが、暇つぶしにはなりそうですね。」

エンポリオ「ありがとうジョルノさん…」

エンポリオ「…時間がきましたね。どうかお二人とも無事に帰ってきてください。」

>>17
訂正
イギリス→イタリア

ガシャアーーン

看守「おまえら食事の時間だッ!! 早いとこ飯を済ませろよッ!!」

チラッ

アナスイは柱の陰から例の女を探していた。

アナスイ(どこにいるんだ例の女は………会えばこっちのもんなのに……………)

アナスイ(昨日は2回か………なかなか溜まってたんだな………………)

一方ジョルノは牢獄を歩いていた。

コツ

コツ

ジョルノ「………………」

ジョルノ(おかしな人や異常は見当たらない………ここじゃあないのか……)

コソコソ……

ジョルノ「!」

ジョルノは廊下の端の方を見た。

そこには1匹のネズミがゆっくりと歩いていた。

ジョルノ(ネズミ…? こんな所に………)

ネズミ「チュー! チュー!」

ジョルノ(………ここは刑務所だからネズミ1匹いてもおかしくないか……)タッタッ

ネズミ「チューチュー!」

ジョルノ「?」

ネズミ「チューッ! チューッッ!!」

ジョルノ(このネズミ……やけにこっちを見て鳴いているな……………おかしい………)

ネズミ「チュウーーーッ!!」

?「あら? 男の囚人がこんな所に何の用?」

ジョルノ「!!」

ジョルノ(しまった! 見つかってしまった。)

ネズミ「……………………」

?「安心して。あなたを誰かに突き出すつもりはないわ。逆に嬉しいのよ。看守以外の男に会えたのが。」

ジョルノ「………それはどうも…」

?「そろそろ他の女どもが帰ってくるわよ。早く帰った方がいいわ。」

ジョルノ「わかりました。忠告ありがとうございます。」

?「偉いわねェ〜。ちゃんと礼儀がなってるわァ〜〜。どうしてこんな所にきたのよあなた。名前はなんて言うの?」

ジョルノ「ジョルノです。」

?「可愛らしい名前ね! ペットにしてあげたいわ!」

ジョルノ「………………」

?「冗談よ。わたしの名前はグェス。また会えたらいいわね。」

ジョルノ「それでは………」

ネズミ「チュウチュウッ!」

ジョルノ「…………………」

グェス「どうしたの? 早く行かないと女どもがくるわよ。」

ネズミ「チューッ!!」

ジョルノ「………グェスさん。この刑務所でネズミを見たことがありますか?」

グェス「何よ突然。ネズミなんていくらでも見たことがあるわよ。」

ジョルノ「………ネズミって生き物は人がよく通るところや明るいところには現れない生き物なんです。それを考えるとこの端にいるネズミはとても珍しいネズミです。人を恐れてないようです。」

グェス「へえ………勉強になるわ………それで?」

ジョルノ「このネズミはさきほどからよく鳴いています。ネズミは自分が追い詰められた時以外は鳴かない生き物です。ここまで鳴くのはよっぽど人が恐ろしいとおもってるんでしょう。」

グェス「あなたネズミに詳しいわねェ〜。ネズミ博士にでもなってみたらどう?」

ジョルノ「しかし…おかしいんです。なぜ人通りが多く明るいこの通路を恐れないネズミが、人にここまで怯えているのかが……辻褄が合わないんです。」

グェス「…………………」

ジョルノ「ボクの考えですが………このネズミはおかしいんですよ……………」

ジョルノ「怯えているのではなく………まるでボクに助けを求めているかのようなんです………」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

グェス「ヘェ〜〜〜………あなた…………名探偵の才能もあるみたいね………………才能の塊ね………」

ジョルノ「それはどうも………」

ダッ

ガシッ

ジョルノは後ろに振り向き、ネズミを掴んで走り始めた。

ジョルノ「このネズミはただのネズミではないッ!! そしてグェスさん! あなたという人もただの囚人ではないと判断しましたッ!」

グェス「勘が鋭すぎて嫌いになっちゃったわ………あなたのことをォーーーーーーーーッ!!!」

〜to be continued〜

次回は来週中には!
誤字脱字に気をつけます。

ジョルノ「このネズミは一体………」ダダダダダ

ネズミ「チュー………ふぅ……助けてくれてありがとう……ジョルノくんだっけ。わたしは徐倫って言うの。」

ジョルノ「!」

徐倫「あなたの推理した通りわたしは人間よ。どうしてこうなったかは説明しずらいけど…」

ジョルノ「グェスさんですね………」

徐倫「…!」

ジョルノ「グェスさんと接触したあなたはなぜか体がこうなってしまい、彼女から逃げてきた…ですか?」

徐倫「その通りよ。察しがよくて助かるわ。」

徐倫「こんなネズミの格好をさせられるなんて……人生の恥だわこれ……………」

ジョルノ「脱げないんですか?」

徐倫「脱げるものならとっくに脱いでるわよ。グェスを倒さない限り無理そうね。」

グググ…

ジョルノ「! 徐倫さん。体が大きくなっていませんか…?」

徐倫「え? ウソッ! マジで!!」

徐倫が着ていたネズミの人形がパチパチになってきた。

徐倫「どうやらここまでは制御できないようね。これで元の姿に戻れるわ。」

ビリビリッ!

ついに徐倫は人形から出る事に成功した。

徐倫「徐々に大きくなってるわ。ジョルノくん。わたしを持ったままあいつに近づいてくれない?」

ジョルノ「………ボクもやらないとダメですか?」

徐倫「わたしの今の体じゃあグェスに近づくのは厳しいわ………ある程度近づいてくれたらあとはわたしが仕留めるから………」

ジョルノ「そうですか………」

ダッ

ジョルノ「なら………ボクも手伝いますよ。まだ時間も残ってますし。」ダダダダダ

徐倫「ナヨナヨしそうな見た目なのに頼りになるわねェ〜〜〜。」

ヌクッ

徐倫「?」

グググ…

徐倫「なにあれ………」

徐倫が着ていたネズミの人形が段々と集まっていた。

そして完全に集まった時、人形は人型となり、ジョルノの方へ襲いかかっていた。

徐倫「ジョルノ後ろッ!!!」

ジョルノ「!」

グーグー・ドールズ「クエアアア。」

グーグー・ドールズは徐倫に襲いかかった。

徐倫「くっ!」

ジョルノ(ボクではなく徐倫さんを…! ……………人形を着ていた人を襲うのか…!)

徐倫「あなたはグェスのところへ行って! ここはわたしで十分だから!」

ジョルノ「そうさしていただきますッ!!」ダダダダダ

徐倫「少しは躊躇しなさいよ…」

ジョルノ「徐倫さんが耐えれるのはあと数分と予想した場合、それまでにグェスさんを見つけ、倒さないといけない。」ダダダダダ

ジョルノ「厳しいが、それほど難しいわけではない………」

ジョルノ「ゴールド・エクスペリエンス。」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ブチッ

ジョルノはボタンをちぎり、それを地面に捨てた。

そのボタンは地面に着いた瞬間、ネズミへと変化し、走り始めた。

ジョルノ「ボタンをネズミへと変えた………今、グェスさんはネズミを見たら間違いなく徐倫さんと勘違いする。」

ネズミ「チュー。」

ジョルノ「そして、その声が聞こえれば………」

コツ

コツ

ガシッ

グェス「ここにいたのね徐倫ちゃ………」

グェスはネズミを握った。

ジョルノ「間違いなく姿を現わす………」

グェス「!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

グェス「あなた、もしかしてわたしのストーカー?」

グェス「いやああああ〜〜〜〜〜〜〜ん。恥ずかしいわああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」

ジョルノ「スタンドを解除してください。」

グェス「あ、この能力スタンドって言うの? 知らなかったわ。」

ジョルノ「そして手に握っているのを返してください。」

グェス「いやよ。だって徐倫ちゃんはもうわたしの手元にいるもの。」

ジョルノ「それ…ボクの物なんで返してもらってもいいですか……」

グェス「へ?」

グェスは握っていた手を見た。

手の中にはジョルノのボタンが確かにあった。

グェス「あなた手品師の才能もあるの!? スゴイじゃない!!」

ジョルノ「グェスさん。ボクはあなたに手を出すつもりはありません。取り引きをしたいんです。」

グェス「取り引き…?」

ジョルノ「あなたがスタンドを解除してくだされば、500ドルお渡しします。500ドルもあれば半年は自由にこの刑務所内で暮らせます。悪い話ではないでしょう?」

グェス「いや。」

ジョルノ「!」

グェス「あなたがわたしのペットになればいいわよ。」

ジョルノ「……………………」

グェス「こうしてる間にも徐倫ちゃんはわたしのスタンドに攻撃されているのよ? 早く決断しないと………」

ジョルノ「わかりました。」

グェス「あら、早いわね。じゃあわたしのペットに………」

ジョルノ「交渉決裂です。」バッ

バアアアアン

グェス「それがあなたのスタンド? ダサいわよ。その見た目。」

ジョルノ「早くボタンを離した方がいいですよ……」

グェス「?」

グェス「!! な、なにこれッ!」

グェスの手からツルが伸びており、それがグェスの体に絡みついていた。

グェス「こんな事していいと思ってるの………徐倫ちゃんの命はもうないと思いなさい………」

ジョルノ「! ……………………」

グェス「わたしのスタンドちゃああああああああ〜〜〜〜〜〜ん。徐倫ちゃんを殺してあげてぇぇぇぇぇぇぇん。」

徐倫「わかったわグェスちゃあああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。」

グェス「え!!」

グェスは後ろを振り向いた。

そこにはスタンドを出した徐倫が立っていた。

徐倫「あなたもこの能力を持っていたのね。驚いたわ。」

ジョルノ「ボクも同じ意見です。」

グェス「あ、あれ? わたしのスタンドは?」

徐倫「今は縛られて動けないわよ。わたしのせいで。」

ジョルノ「ボクはそろそろ時間なので帰ります。仕留めるのは徐倫さんお願いします。」

徐倫「また会えたらいいわねジョルノ。その時はお礼にご飯でもおごるわ。」

グェス「ジョルノちゃん………ごめんね………………このツル解除してくれないかしら……?」

ジョルノ「いやです。」

グェス「!」

ジョルノ「徐倫さんにボコボコにされたら解除します。」

徐倫「良かったわねグェス。交渉成立よ………」

グェス「ヒィィィ!」

徐倫「ストーン・フリー!」

ジョルノ「おかしな人はいないようだ……」

スタンド名ーグーグー・ドールズ
本体ーグェス
これよりグェスは徐倫に逆らう事ができなくなる。

エンポリオ「どうだったアナスイ。見つかった?」

アナスイ「いいや。見つからなかったぜ。あんぐらい可愛い子だったら輝いてるはずなんだがな。」

エンポリオ「そう………ジョルノさんは?」

ジョルノ「おかしな人はいなかった。女囚人は二人見たけど。」

アナスイ「そいつらのどっちかが徐倫だったりしてな。」

ジョルノ「そうです。」

アナスイ「………………………は?」

エンポリオ「空条徐倫さんに会ったの…?」

ジョルノ「ええ。スタンドに襲われていたので助けました。」

アナスイ「おいエンポリオ、次はオレ1人に行かせろ。こいつ抜きでだ。」

エンポリオ「次はアナスイ1人で行かせないとジョルノさんの命が危ないな……………」

〜to be continued〜

今回はここまで。
次回は今週中に。

ジョルノ「………話はよくわかりました。」

ジョルノ「あなたたちは正体も分からない敵を倒すためにスタンドを持った仲間を探している………というわけですね。」

エンポリオ「それじゃあこれからも協力してくれるんですか………?」

ジョルノ「考えさせてもらいます。返事はあなたの言っている事が真実なのかをはっきりさせてからにします。」

エンポリオ「………そうですか………ではここで待っています。何かあったら声をかけてください。」

ジョルノ「はい。それでは。」

ジョルノは部屋から出た。

エンポリオ「………アナスイ……何かあったらジョルノさんを助けてあげて。」

アナスイ「気が向いたらな………」

エンポリオ「先にジョルノさんが徐倫さんに会ったのが気にくわないの?」

アナスイ「おまえのその発言でさらにムカついたぜ。」

エンポリオ「ボクも彼女には接触したけど信じてもらえなかった。今度はジョルノさんとアナスイが会いに行けば信じてもらえると思うんだけどなぁ……」

アナスイ「恋敵は潰しておくのが一番だ。」

エンポリオ「…………………」

〈某所〉

プルルルル…

ガチャ

ミスタ「はいもしもし…」

?「あらピザ屋さん? 注文を頼みたいんだけどォ。」

ミスタ「切るぞ。」

?「おいおい冗談だって! 切るこたぁねえだろ切ることは。」

ミスタ「久しぶりだな。おまえスタンド使ってこっちの現在地調べたのかァ? あんまり悪用すんなよ。」

?「うるせえッ! 勝手に出張してるおまえらが悪いんだよッ!!」

ミスタ「で…用はなんだ。」

?「ブチャラティは元気か?」

ミスタ「………そんだけか?」

?「いいから。」

ミスタ「…あぁ元気さ。ボスは今、お気に入りの部下候補を落とすのに必死さ。」

?「………他に変わったことはないか?」

ミスタ「おいおいどうしたんだよ。わざわざ電話して聞いてくる内容じゃあないだろ。」

?「後で教える。答えてくれ。」

ミスタ「………他言するなよ。ボスが部下にしようとしているのはディオの息子だ。」

?「それは知ってる。数年後オレに会いに来るからな。」

ミスタ「めんどくせえなおまえは。」

ミスタ「変わったことと言えばそんぐらいだな。で、なんでこんな事を聞いて来るんだ?」

?「慌てないで聞いてくれ。」

?「………今までの未来だとブチャラティはオレのところに何回も遊びに来ていたんだ。いつとお土産を持ってな。だが………」

?「ここ最近………ブチャラティとオレは今後会うことがない未来に変わっているんだ。」

ミスタ「なんだと…?」

?「未来が変わるのはそうそうない。あるとすれば………」

?「本来この世界にいない人物が突然現れた……………って可能性だ………」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ミスタ「……………………」

?「ミスタはできるだけブチャラティの近くにいて欲しいんだ。何かあればオレのところに電話してきてくれ。遅くなる前にだ。」

ミスタ「おまえがこっちには来れねえのか?」

?「あいにく今は仕事で忙しい。だが、ブチャラティの身に何かあればすぐに飛んでいく準備はしている……」

ミスタ「安心しな。準備なんていらねえよ。オレがボスを守る。」

?「頼りにしてるぜ。ミスタ。」

ミスタ「仕事がんばれよ奥様。」

?「じゃあねぇ〜。ミ・ス………」

ミスタ「…」ガチャ

ミスタ「さてと…ボスを探しに行くか。」

〈刑務所〉

男1「おーい。ボールくれよ。」

男2「ほらよ。」シュッ

ジョルノ「…………………」

ジョルノはベンチに座り、キャッチボールを眺めていた。

ザッザッ

男3「おまえもキャッチボールやるか?」

ジョルノ「遠慮しておきます。今考え事をしているので。」

男3「あ、そう。」

刑務官2「よう。元気かW210416。久しぶりだな。」タッタッ

ジョルノ「………なんですか?」

刑務官2「おまえに面会だよ。前回と同じ人だ。」

ジョルノ「拒否はできないんですか?」

刑務官2「おまえが拒否したらオレのクビが吹っ飛んじまうぜ。」

ジョルノ「わかりました。行きましょう。」

刑務官2「ちょっと待ちな。」

ジョルノ「なんですか?」

刑務官2「ここで仲間はできたか?」

ジョルノ「………それっぽいのはできました。」

刑務官2「そりゃあよかったな。1人は孤独だからな。」

ジョルノ「………この質問になんの意味が?」

刑務官2「オレのおせっかいだ。気にすんな。」

タッタッ

??「…………………」

看守「あいつがジョルノ・ジョバーナだ。おまえが探していた男だよ。」

??「…………………」

看守「これでいいか? オレはもう行くぞ。」

??「右のホルスターが壊れている………」

看守「え?」バッ

??「…」シュッ

男1「おい危ねえよ! もうちょっと丁寧に投げろよ。」

男3「悪ィ悪ィ。」

看守「…………………」タッタッ

〈面会室前〉

刑務官2「オレはここで待ってるから声をかけろよ。」

ジョルノ「あなた…他の刑務官や看守とは違いますね。」

刑務官2「?」

ジョルノ「囚人を下に見ていない………あくまでも人間として見ている。」

刑務官2「………気のせいだよ。早く面会室に入れ。」

ジョルノ「………はい。」

ガチャ

ガタン

ブチャラティ「やあ。元気にしてたかい。」

ジョルノ「ええ。」

ブチャラティ「突然だけどきみは両親の顔を覚えているかい?」

ジョルノ「………前にも同じ質問をしましたね。………父親は会ったことはありませんが、顔なら見たことがあります。母親のことはもう忘れました。」

ブチャラティ「自分の産みの親は大切にした方がいいよ。取り返しがつかなくなることもあるんだ。」

ジョルノ「……………………」

ジョルノ「………どれだけ来ても返事は変わりません。それだけです。」

ブチャラティ「そうかい………」

ブチャラティ「でも、今日は話が違うんだ。」

ジョルノ「?」

ブチャラティ「ジョンガリ・Aという男についてだ。」

ジョルノ「ジョンガリ・A?」

ブチャラティ「この写真を見て欲しい。」チラッ

ブチャラティ「こいつはきみの父親、ディオの部下にあたる男だ。今こいつはきみと同じ刑務所に入ってる。」

ブチャラティ「きみをこの刑務所内に入れたのはこいつの仕業だ。なぜだかはわからないがな………」

ジョルノ「………それで?」

ブチャラティ「こいつならきみの父親の情報を聞き出せるかもしれないんだ………オレたちに協力してくれないか?」

ジョルノ「ボクはもう父親のことは忘れたいんです。今日はもういいですか? また明日伺ってきてください。」

ブチャラティ「わかった………」

ブチャラティ「だが…それは外の敵を倒してからだ。」

ジョルノ「…………なんですって?」

ブチャラティ「やけに静かなんだよ。外の音がね。」

ジョルノ「外には刑務官がいるはずです。呼んでみましょうか?」

ブチャラティ「いいや。それは危険だ。敵に気付かれるかもしれない。」

ジョルノ「………ジョンガリ・Aですか?」

ブチャラティ「わからない………だが、可能性は高いだろう。」

ブチャラティ「ジョルノ……できるだけ顔を出さずに外の様子を伺ってみてくれ。」

ジョルノ「わかりました。」

ソッ

ジョルノは扉の鉄格子から外を見渡した。

ジョルノ「誰もいません。確かにおかしいですね。」

ブチャラティ「あぁ。きみの話によると外には刑務官がいるはずだ。その彼もいないのは明らかにおかしい。」

ジョルノ「扉を開けるのも危険………どうしますか?」

ブチャラティ「なら違う扉を開ければいい………」

ブオオオオン

ジリリリリ

ブチャラティはスタンドを使い、壁にジッパーを取り付けた。

ジョルノ「これは便利ですね。」

ブチャラティ「気をつけて進めよジョルノ。」

タッ

ジョルノ「! ブ…ブチャラティさん。どうやらあなたの言う通り敵の攻撃を受けているようです………」

ブチャラティ「!」

ジョルノ「刑務官が殺されています。しかも銃で撃ち抜かれて………」

ブチャラティ「銃声の音は聞こえなかった……ということはスタンド能力か。」

ジョルノ「…………………」

ブチャラティ「どうしたジョルノ。」サッ

ブチャラティ「!」

ブチャラティが見たジョルノはとても悲しそうな顔をしていた。だが、その目はただ悲しんでいるだけではなく、何かを変えてやろうとする決心の目であるとブチャラティは思った。

ブチャラティ(………やはり部下にしたい男だ。)

ジョルノ「………さて、行きましょう………」

ジョルノ「……!! ブチャラティさんッ。頭を下げて!」

ブチャラティ「なに!?」

ジョルノ「敵の攻撃ですッ!!」

ドヒュッ

ブチャラティの右肩に銃弾が被弾した。

ブチャラティ「ぐはっ!」

ジョルノ「大丈夫ですかッ?」

ブチャラティ「動くなジョルノ。少しも動くなよ………それとあまり呼吸もするな。」

ジョルノ「……………」

ブチャラティ「お…おまえの後ろにスタンドがいる…!」

ジョルノ「……!」チラッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ジョルノが見た先には宙に浮いたUFOのようなものがいた。

それはフラフラと無規則に浮遊を続けていた。

ブチャラティ「敵はあれを使って攻撃を仕掛けてきている。まずはあれがどういうスタンド能力を持っているのかを判断する必要がある。」

ジョルノ「なら…ボクが囮になるのでブチャラティさんが判断をしてください。」バッ

ジョルノは突然走り出した。

ブチャラティ「おいジョルノッ。何をしている!?」

ジョルノ「こうすれば敵はボクを狙ってくるはずです。ブチャラティさん、頼みましたよ。」

ブチャラティ「無茶をするな! それできみが死ねば意味がない行動だッ。」

ジョルノ「ブチャラティさんが生き残れば意味がある行動です。」ダダダ

謎のスタンドは突然動き出し、ジョルノの方へ近づいていく。

だが、ある程度近づくと離れていき、ある程度離れると近づくを繰り返していた。

ブチャラティ「この動き………もしかして……」

ヒュウウウウン

ブチャラティ「ジョルノ! 銃弾が飛んでくるぞ!」

カン

銃弾は謎のスタンドを反射してジョルノの方へ飛んでいった。

ジョルノ「ゴールド・エクスペリエンス。」

ドグアア

銃弾はジョルノの右手を貫通した。

ブチャラティ「ジョルノッ!!」

ジョルノ「安心してください………銃弾を別の物質に変えました……………」

ブチャラティ「そ…それは……!」

ジョルノ「ハチです……ハチは帰巣本能がありますから元の場所に戻ります。この場合、銃弾は拳銃に戻るはずなので敵の位置がわかります。」

ヒュウウウウン

グバザア

ジョルノ「!」

ブチャラティ「だめだジョルノ。敵は確実にオレらの動きが見えている。どんなに小さな生き物の動きでも寸分の狂いなく撃ってくる。」

ジョルノ「もしかして………敵の能力がわかったんですか?」

ブチャラティ「あぁ。敵は…気流であのスタンドを動かしているんだ。」

ジョルノ「気流?」

ブチャラティ「例えばオレが前へ歩いた時、空気はオレを避けようと後ろへ流れていく。その時に出来るのが気流だ。」

ブチャラティ「このスタンドはその気流を避けている。だからオレたちがこのスタンドに攻撃しようとしてもかわされてしまう。」

ブチャラティ「しかし敵は違う。敵はこのスタンドを狙って撃ち、反射してオレらを狙ってきているんだ。」

ジョルノ「恐ろしいですね………」

ブチャラティ「あぁ。このスタンドはとても厄介だ。」

ジョルノ「ですが本当に厄介なのは本体です。」

ブチャラティ「?」

ジョルノ「ブチャラティさんの話が本当なら本体はこの無規則に動く小さなスタンドを遠くの方から狙撃し、ボクらに攻撃してきていることになります。」

ジョルノ「それも…確実にです………」

ブチャラティ「…………………」

ブチャラティ「油断すれば確実に命を落とすってことだな。」

ブチャラティ「ジョルノ………これからはオレのことを呼び捨てにして構わない。何かあればすぐにオレを呼べ。」

ジョルノ「わかりましたブチャラティ。では本体を倒しに行きましょう。」

〜to be continued〜

今回はここまで。
ペースが早いですが、このままのペースは難しいのであまり期待しないでください……
次回は今週中。

ジョルノ「どうします? 敵の位置を探る方法がない今、動くのは危険です。」

ブチャラティ「そうだな。」

ブチャラティ「………ジョルノ。オレが合図を出したら走れ。」

ジョルノ「え?」

ブワーン

謎のスタンドは空中を浮遊している。

ブワ……

ブチャラティ「行くぞ。」ダッ

ジョルノ「は…はい。」ダッ

ダダダダダダ

ブオオオオン

謎のスタンドが機敏に動き出す。

ビュウウウウウ

ジョルノ「銃弾ですッ!」

ブチャラティ「壁に向かって走れッ!」

ガン

銃弾が謎のスタンドを反射した。

ブチャラティ「スティッキー・フィンガーズ!」

ジリリリリ

ブチャラティは壁にジッパーを取り付け、入り口を作った。

ブチャラティ「これで敵はしばらくオレたちを攻撃できない。」ジリリリリ

ジョルノ(さすがイタリアマフィアのボス。瞬時に状況を把握し、冷静に対処する。ブチャラティがボスである理由がわかった気がする。)

ドグォォ

2人が壁の向こう側へ行った時、銃弾は壁に直撃した。

アナスイ「? 何してんだジョルノ。隣は………」

エンポリオ「なんでパッショーネのボスがここにいるのジョルノ!?」

壁の先には偶然アナスイとエンポリオが歩いていた。

ブチャラティ「囚人仲間かい?」

ジョルノ「……………ええ。そうです。」

アナスイ「………説明しろ。おまえはなぜここにいる?」

ブチャラティ「事情は後で説明する。とりあえずオレたちに協力してくれ。」

アナスイ「どういうことだ?」

ブチャラティ「敵スタンドが今オレたちを狙ってきている。きみたちの力が必要なんだ。」

エンポリオ「敵スタンドが? ………わかりました。アナスイ、協力してあげよう。」

アナスイ「本気か? こいつはまだ味方じゃあねえかもしんねえんだぞ?」

エンポリオ「大丈夫です。ボクを信じて。」

ジョルノ「ちょっと待ってください。」

アナスイ・エンポリオ「?」

ジョルノ「ブチャラティ………あなたらしくありませんね。」

ブチャラティ「……なにがだ?」

ジョルノ「…………………」

ジョルノ「エンポリオを見てなぜあなたはボクの囚人仲間と思ったんですか?」

ブチャラティ「きみのことをジョルノと呼んでいたからね。きっと仲が良いと思ったんだ。」

ジョルノ「確かにアナスイなら囚人と思ってもおかしくはありません。ですが、エンポリオは野球のユニフォームを着ています。どこからどうみてもこの場所にふさわしくない。普段のあなたならエンポリオの存在を疑問視するはずです。」

ブチャラティ「………………」

ジョルノ「冷静に判断できるあなたがこんな思い込みをする可能性は低いです。それに………」

ジョルノ「アナスイとエンポリオがスタンド使いとなぜあなたは知っているんですか?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ブチャラティ「………どうしたんだジョルノ。オレを疑っているのか?」

ジョルノ「話を続けます。」

ブチャラティ「………………」

ジョルノ「今、初めてあなたはアナスイとエンポリオに出会った。なのにあなたは敵スタンドの存在を教えた。あなたが一般人にスタンドのことを教えるとは考えられません。ブチャラティなら一般人は巻き込ませたくないと思うでしょう。」

ジョルノ「敵スタンドの存在を教えるということは相手がスタンドを持っていると判断した時です。ということはアナスイとエンポリオをスタンド使いと判断したということです。」

ジョルノ「どう考えてもあなたらしくないですブチャラティ。あなたが思い込みで行動するはずがない。この短い間の行動でぶれすぎている。」

ブチャラティ「…………………」

ジョルノ「あなたは本当にブチャラティなんですか?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ジョルノ「ボクの意見を述べます。」

ジョルノ「おそらくボクはあの謎のスタンドと会う前からスタンド攻撃を受けていた。今までのボクたちの行動はまるで夢のように………」

ジョルノ「!!」

ジョルノ(な…なんなんだこれは………)

ジョルノが気がつくと溶けているようにドロドロになったなにかが体を覆っていた。

ジョルノとブチャラティは机にへばりついた状態で身動きがとれない状況である。

ジョルノ(体が…………動かない……………しかも、なんだか体が熱くなってきた…………髪の毛が溶け始めている…………………このままではボクの体が…………)

ジョルノ「ブ…ブチャラティ………聞こえていますか………? ボクたちは………今…スタンド攻撃を………」

ブチャラティ「聞こえてるさジョルノ……………体が動かせないんだ……」

ブチャラティもジョルノと同様に動けない状態にあった。

ジョルノ「め…面会は終わりました………扉を………開けてください………」

シィーン

ブチャラティ「外の刑務官は………やられたのか……………」

ジョルノ「誰かに助けを呼ばないと……………このままでは………」

ブチャラティ「………………」

ガチャ

ジョルノ・ブチャラティ「!!」

?「おいおいブチャラティ………こんなところでなにくつろいでんだ? 仕事をちゃんとしねえとダメだぜ………」

ブチャラティ「き、きみは………!」

シュルッ

ガシッ

ブチャラティの体をツルのようなものが巻き付いた。

シルシルッ

そしてブチャラティはそのツルに引っ張られ、面会室の外に出た。

ブチャラティ「そ…そうか……来てくれたのか………仕事が忙しいんじゃあなかったのかい?」

?「親友がピンチと聞いてな………オレの家に遊びに来る前に死なれるのは嫌だし、おまえの死んだ顔を見るのはもっと嫌だぜ。」

ブチャラティ「ありがとう………だが…」

グオオオオ

ドガァァァ

ブチャラティはスティッキー・フィンガーズで?の顔をぶん殴った。

?「な…なにしやがるブチャラ………」

ブチャラティ「きみはここに来れないはずだ……いや…来ないと言った方がいい………」

ブチャラティ「オレの親友は………もう少し面白い男で………………」

グオオオオ

ブチャラティ「そして………」

ブグァァァァァ

ブチャラティ「仲間の死んだ顔を想像するような弱い男ではない……ッ!…オレよりも頼りがいのある男で、1番の親友だッ。」

ブチャラティ「これは………現実ではないッ!! 幻を見せられているんだッ。」

ブチャラティ「ハッ!」

ブチャラティ(ま…またか………これも幻…………)

ブチャラティ(確かめなければいけないな………)

バァン

グオオオオ

ガン!

ブチャラティは自分のスタンドで自分の顔面を殴り、扉の近くにたどり着いた。

ブチャラティ「痛みを感じた…………ど…どうやら夢ではないらしい………な……」

ブチャラティ「あとは…………扉を………………」

ドロォ…

ブチャラティ(さ…さっきより身体が熱くなっている……………あと……数センチなのに……………)

サッ

ジョルノ「ブチャラティ………触ってはダメです……………そのドアノブに触れればあなたの手が溶けてしまいます………………」

ブチャラティ「…………なぜ分かるんだ………………?」

ジョルノ「このドロドロの液体がそのドアノブにも付いています……………触れれば間違いなく手が溶けてしまうでしょう……………」

ジョルノ「ブチャラティ…………スティッキー・フィンガーで入り口を開けてください……………」

ブチャラティ「あぁ………わかった………………」

ジリリ………

ブチャラティ「…………………」

ジョルノ(マズイ…………ブチャラティの意識が遠くなっている………………ボクが動かなければこのまま2人とも溶けてしまう……………)

ジョルノ「…………………」

ジョルノ「外に出るだけなら……………まだ出来る………」

ニョルッ

ジョルノはイスを木に変えて、扉付近にたどり着いた。

ジョルノはブチャラティを担いだ。

ジョルノ「あとは……外に出て助けを…………」

ビュウウウウウン

ガン

ジョルノ「!」

ジョルノが扉のジッパーから顔を出した時、銃弾が謎のスタンドを反射し、飛んできた。

ジョルノ(あのスタンドは夢に出てきた…! これも夢なのか………)

ジョルノ(ブチャラティを担いだボクにはとても避けきれない………ッ!)

ガチィイイイン

ポロッ…

銃弾が何かに弾かれた。

ジョルノ「な…なんだ?」

ミスタ「援護ならオレがしてやる………早く歩け。」

ジョルノ「あなたはブチャラティの部下の………」

ミスタ「ミスタだ。ボスを死なせなかったのは褒めてやる…認めてはいないがな。」

ジョルノ「どうやってここへ…?」

ミスタ「外の塀にブチャラティがジッパーを取り付けていているんだよ。そこからオレは自由に入れるってわけだ。」

ミスタ「オレが援護と指示をするから動け。ボスを死なしたら頭をブチ抜くからなッ。」

ジョルノ「死なせませんよ………ボクがいる限り…!」

ミスタ「違うな…オレがいる限りだ。」

〜to be continued〜

今回はここまで。
次回は今週中に。

更新遅れそうです。
申し訳ない。

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