女「誰もそんな事言ってないでしょ」
男「言ってるのと同じじゃん」
女「だからあれはただナンパされただけでなんだってば」
男「デレデレしてたじゃん、お前」
女「してない」
男「してた」
男「じゃあ、何で断らなかったんだよ」
女「断ったよ。彼氏がいるからって、ちゃんと」
男「でもあいつらまだお前にしつこく話しかけてたじゃん」
女「断ったけど、聞いてくれなかったの」
男「それ断ったって言わねぇじゃねーか」
女「断ったわよ」
男「断ってない」
女「もう止めようよ、折角のデートなんだしさ」
男「俺は悪くないぞ。一々ナンパなんかに構うお前が悪い」
女「はいはい、私が悪かったから」
男「…つーか、お前さ」
女「何」
男「…さっき、そこの店の店員に話かけてたろ」
女「だから何?」
男「だから何、じゃねーよ」
男「何話してたんだよ」
女「欲しい本があったからどこですか、って聞いてたの」
男「じゃあ、女の店員に聞けばいいだろ」
女「はぁ!?」
男「わざわざ男の店員に聞く事ねーだろ!」
女「近くにいたのがその店員さんだったの!」
男「つか!他の男の所行くならまず俺に聞けよ!」
女「聞いたわよ!そしたらあんた、知らないって答えたじゃないの!」
男「…は?」
女「何よ…」
男「俺が本の居場所なんて知るわけねーだろ!」
女「……もういい。私が悪かったから終わりにしよう」
男「言っとくけどお前が悪いんだからな!全部!全部!」
女「…分かったから」
男「お前は俺だけを見てりゃいいんだよ!俺だけを!他の男を視界に入れるな!」
女「分かった!分かったから!」
男「……」
女「……」
男「分かってねーだろ」
女「分かってるよ」
男「…お前、何やってんの」
女「?」
女「…ゲームだけど」
男「何やってんだよって聞いてんだよ!!」
女「だからゲーム!!」
男「ゲームじゃないだろ、それ!!」
女「ゲームよ!!」
男「じゃあ何で男と会話してんだよ!!」
女「恋愛シミュレーションだからよ!!」
男「は?もう俺の事好きじゃない訳?」
女「何!?そういうゲームもしちゃ駄目なの!?」
男「駄目に決まってんだろ!!浮気だぞ浮気!!」
女「ちゃんと三次元と二次元の区別ぐらい付いてるわよ!!」
男「そういう問題じゃねーんだよ!!」
男「貸せっ!こんなもん捨ててやる!」
女「ちょっと止めてよ!それ私のじゃないんだからっ」
男「借りてする程俺に不満があるのかよ!!」
女「無いわよ!!私だって好きで借りた訳じゃないの!」
女「友達がやってみてってしつこいから仕方無く借りてプレイしてんの!」
男「プレイ!?どいつとどんなプレイしたんだよ!!!」
女「してないわよ!!」
男「こいつだな!?この赤い髪の奴としたんだな!!選択肢『この最低野郎』を選んでやる!!」
女「やめなさいよ!!」
『この最低野郎…?聞き捨てならねぇな、お嬢ちゃん。そんなに俺にお仕置きして欲しいのか?』
男「……」
女「……」
男「お前こんな男がタイプだったのかよ!!」
女「あんた私の話聞いてた!?」
女「あのねぇっ…!私が好きなのはあんただけなの!!」
男「じゃあ今すぐこのゲームをやめろ!!」
女「…それで許してくれんの」
男「ああ、許す」
女「…分かった。じゃあ止めr」
『こっちにおいで…俺だけのお嬢ちゃん…』
男「早くやめろおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
女「画面を壊すなああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
男「はぁっ…はぁっ…」
男「なぁにが、『俺だけのお嬢ちゃん』だっつうの……女はお前と生きてる次元が違うんだよ…ばぁか!」
女「…何でも良いけど、弁償してよね。私のじゃないんだから」
男「無理」
女「はぁ!?」
男「俺悪くないし」
女「いやいや」
男「浮気したお前が悪い」
女「……」
男「……」
女「…男に取っては、今のも浮気だってあくまでも言い張るのね?」
男「ああ、事実だからな」
女「なら、もう私はやらない。それでいいでしょ?」
男「ああ」
女「でも、壊した物は弁償しなきゃ。そうでしょ?」
男「ああ、お前がな」
女「……」
男「お前が借りた物だろ?だったら、ちゃんとお前が管理しとくべきだ」
女「正論ね……」
女「はぁ…どうしよう…これ…」
男「だいたい、俺がいるってのに他の男とイチャイチャすんな」
女「…あんたがいつも勝手に私の部屋に入って来るんでしょうが」
男「愛し合ってるならいいだろ」
女「もういい」
男「女ってさ、もう俺の事好きじゃない訳?」
女「また始まった…」
男「なんなの?さっきの男と親しげに話したりして」
女「…ただの弟なんだし、別にいいでしょ」
男「駄目だ!!今後一切話すな!!」
女「余りに無茶過ぎる!!」
男「何それ。もう俺の事好きじゃないんだ」
女「だからっ、そんな事!一言もっ、言ってないっ!」
男「お前が他の男の妄想で汚されたりされんの嫌なんだよ」
女「安心して。弟は絶対にそんな事しない」
男「バカ言え、男は皆姉がいたら姉で抜く生き物なんだよ」
女「…あっそ」
男「お前ってさ、俺にだけ冷たいよな、態度」
女「当たり前でしょ」
男「何なの、それ」
女「こっちが何なの、って言いたいわよ」
男「どうせもう俺の事なんか好きじゃないんだろ?」
女「好きだけど」
男「嘘言ってんじゃねー」
女「……」
女「…じゃあ嫌い」
男「……はっ!?」
男「おい!お前は俺だけのモノだぞ!!分かってんのか!?」
女「想像以上にめんどくさい事態を招いてしまった……」
男「誰か他に好きな男が出来たのか!?殺してやる!その男をころすうううううぅぅぅぅぅ」
女「Oh……」
男「分かった!!弟だな!?」
女「えっ」
男「殺してやる!!」
女「ちょっ…ちょっと待ちなさい!!」
男「あ?」
女「…冗談よ」
男「……」
女「……」
男「でもどっちにしろ弟は殺す予定だったし」
女「もう帰りなさいよあんた」
男「俺は見たぞ」
女「何を?」
男「お前が浮気している所を」
女「あんたが何を勘違いしてるのか知らないけどしてないから」
男「してた」
女「してませんー!」
男「してたー!」
女「じゃあ聞くけど、誰と?」
男「俺の親父と」
女「OK、あんたがバカって事を忘れてたわ」
男「バカはお前だ!この浮気女!」
女「それはどうでもいいのよ!何で私があんたのお父さんと浮気しなくちゃならないの!?」
男「仲良く話してただろうが!」
女「……もういい。ほんと、もう……」
男「俺以外の男と話すな!目を合わせた瞬間に浮気だぞ、それは!」
女「……」
男「何だよ、その目は」
女「…なんでしょーねー」
男「言いたい事があるなら言え」
女「…いいわよ。どうせ言っても無駄だろうし」
男「は?もう俺の事好きじゃない訳?」
女「誰もそんな事言ってない」
男「は?」
女「……言うわよ、言えばいいんでしょ」
男「何その態度。好きな男の前でそういう態度はどうなの」
女「…悪かったわね」
男「言えよ」
女「…あんた、散々私に、話したら浮気とか、目が合っても浮気とか言うけどさ」
男「当たり前だろ」
女「自分はどうなの」
男「……は?」
女「あんただって私以外の女と話したりするでしょ?目が合っちゃうでしょ?」
男「……」
女「でも、それは仕方無いじゃない?生きていく中でコミュニケーションは必要なんだし」
男「……」
女「ね、どうなの」
男「……」
男「つか」
男「俺は別にいいんだよ」
女「…………は?」
男「俺はお前が好き、大好き。殺して凍らして永久保存しときたいくらい好き」
女「悪寒がした」
男「それで良いだろ?」
女「……………うん?」
男「だいたい、話逸らしてんじゃねぇよ、今はお前の事を話してるんだ。俺は関係無い」
女「…あんたが言えって言ったからこうして話してんでしょーが」
女「それに」
男「あんだよ」
女「…あんたの理屈から行くと、私もあんたの事が好き。それで良いんじゃないの?」
男「よくねーよ」
女「ちょっと訳が分からない」
男「あのな、よく聞け」
女「聞きたくないんだけど」
男「あー、もう俺の事すk」
女「…聞くわよ」
男「お前が俺が好きなんだろ?俺無しじゃ生きられないんだろ?」
女「……」
男「……」
女「私用事思い出したし失礼するわ」
男「あっ、おい!」
男「……」
男「どういう事だよ、お前えええええええええええ」
女「きゃあああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
男「おいコラ!!どういう事だよ!!」
女「それはこっちが聞きたいわよ!!何で入浴中に入ってくる訳!?さいってい!!」
男「愛し合ってるならいいだろ」
女「どさくさに紛れて胸を触るな」
男「お前、バイト始めたんだってな」
女「そうだけど」
男「何で彼氏である俺に許可を取らなかった!?」
女「どうしてあんたが壊したゲームをお金貯めて弁償するためのバイトを始めるのにあんたに許可取らなくちゃならないの!?」
男「…まぁ、いいだろう。問題はそっちじゃない」
女「あっそ」
男「問題はそう…バイト先の先輩に告白されたらしいな?」
女「…は?」
男「おまけにデートしたらしいじゃないか」
女「してないけど」
男「しらばっくれんなああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
女「石鹸を割るなああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
女「だいたいそれ!どこ情報よ!?」
男「お前の友達からだよ!!」
女「はぁ!?ガセよそれ!!」
女「私は告白もされてないしデートもしてない!!」
男「じゃあお前の友達はこんな下らない嘘を俺に付いたってのかよ!!」
女「そうよ!!彼女とその友達とどっちを信じる訳!?」
男「お前に決まってんだろ!!つか何の為にお前の友達は嘘付いたって言うんだよ!!」
女「大方、反応を見て楽しもうって魂胆でしょ」
男「友達は選べよ、女」
女「…たくっ、ソースも無いのに信じるとかほんといい加減にしてよね」
男「折角俺が心配してやったのに何だよ、その態度は」
女「彼氏いるのに他の男とデートするような女だと思ってるの?」
男「いや、そもそもお前は俺無しじゃ生きられないし」
女「…体洗えない。出てって」
男「無理。俺も一緒に入るから」
女「……」
男「……」
女「私が悪かった、だから出てって。マジで洗えない」
男「愛し合ってるんだし、別にいいだろ」
女「いや訳が分からん」
男「は?もう俺の事好きじゃないって言いたいの?」
女「違う」
男「あっ」
男「バイト先の男の名前全員教えて。ネットに晒す」
女「私達って本当に愛し合ってるのかしら」
男「……」
女「ねぇ」
男「……」
女「…ねぇ」
男「……」
女「悪かったって」
男「……」
女「…機嫌直してよ」
男「……」
女「仲直りしようよ」
男「…お前さ」
女「……」
男「何で、LINEの途中に寝ちゃう訳?」
女「だから、ごめんって」
男「そんなの『もう貴方とは別れます』宣言と同じなんだからな」
女「だって深夜の2時だよ?眠たくもなるでしょ」
男「は?言い訳すんの?」
女「…ごめん」
男「…誰とLINEしてた訳?」
女「?誰と…って、あんたとしかしてないわよ」
男「ふーん……」
女「何、疑ってるの?」
男「べっつに」
女「……機嫌直してよ。今度から寝ないように頑張るから」
男「…………」
女「…………」
男「…LINE鳴ったぞ」
女「…いいの、今はあんたと話してるんだからさ」
男「…誰からだよ」
女「そんなの後でm」
男「誰からだって聞いてんだよ!!」
女「………えっと」
女「先輩から、かな」
男「貸せ」
女「ん」
男「…そいつ、男なの?」
女「いや、女の先輩。あんたが男と連絡取ったりしたら煩いからメールもLINEもあんた以外の男とは全員全部切ってるけど」
男「じゃあ、何で昨日俺とのLINEの途中で止めたんだよ!!」
女「だから寝落ちしちゃったのって何度言えば分かるの!?」
男「ちっ、うぜー…」
女「……」
男「あーあー、うぜーまじうぜーわお前」
女「……」
男「自分一人だけ被害者面してさぁー、なんなの?マジ」
女「……」
男「あのさぁ、お前自分が何したのか分かってんの?彼氏の前でちゃんと土下座して詫びるべきじゃねーの?」
女「…ごめんなさい」
男「声がちっちゃいんですけど」
女「ごめんなさい!」
男「ちっ、仕方ねーな。許してやるよ」
女「……ありがとう」
男「って言う夢を見た」
女「やけに険悪でリアルな夢ね…」
男「因みにこの後滅茶苦茶セックスした」
女「…最低」
男「正夢になるかもな」
女「ならない」
男「おい」
女「何」
男「お前の初恋は本当に俺なんだよな?」
女「そうだけど」
男「お前の処女は本当に俺が貰ったよな?」
女「そうだけど」
男「……」
女「……」
男「……」
女「疑心暗鬼野郎め」
男「なぁ」
女「今度は何」
男「去年のバレンタインデーって本当に俺だけにくれたよな?」
女「そうだけど」
男「……」
女「……」
男「なぁ」
女「勉強に集中出来ない」
男「見ろよ、これ」
女「ちょっと今無理」
男「ちんこ、でっかくなった」
女「……」
男「なぁ」
女「……」
男「女は俺のちんこ、世界一だと思ってくれてるよな?」
男「ちんこごと俺を愛してくれてるよな?」
女「……」
男「俺、それだけが不安でさ…」
女「もうやだ」
男「なぁ」
女「何」
男「何でさっきから構ってくれない訳?彼氏がこうして遊びに来てるのに」
女「勉強してるから」
男「そんなんどうでもいいじゃん」
女「よくない」
男「…あー、そうかよ!なら俺はお前の勉強の邪魔してやるよ!!」
男「しこしこおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
男「しーこしこおぉぉおおおぉぉぉっ」
男「しこs」
女「帰って」
男「はい」
男「お前って俺以外とセックスした事ある訳?」
女「ないわよ、そんなの」
男「あるだろカス」
女「ない」
男「ある」
女「ない!」
男「ある!」
男「ヤッた男の名前を吐け。殺しに行く」
女「やってない。行くな」
男「…本当かよ」
女「本当」
男「本当の本当か?」
女「本当の本当」
男「……」
女「……」
男「……」
女「疑心暗鬼野郎」
男「うっせー」
男「女あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ」
女「騒がしい、近所迷惑。何?」
男「コンビニ行こうぜ、暑い」
女「アイス買うの?」
男「うん」
女「いいよ、ちょい待ち」
男「待てねーよ!!早くしろ!!」
女「わがまま!!」
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