モバP「ヤンキーちゃんとメガネちゃん2」 (28)

前回(読んでおく必要はない)
モバP「ヤンキーちゃんとゲーセン」
モバP「ヤンキーちゃんとゲーセン」 - SSまとめ速報
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ザー…
ザーザー…

春菜「外、酷い雨ですねー」

拓海「だな。仕事も全部流れたし」

春菜「…雨だけに、ですか?」

拓海「そこまで考えてねーよ」

春菜「いやー、拓海ちゃんもダジャレを言うんですね!」

拓海「いや、だから」

春菜「これがホントのパイレ」

拓海「その話はやめろォ!」


春菜「あ、おせんべいしけっちゃってる…」フニャ

拓海「この湿気だからな。チョコ食うか?」

春菜「1個ください。あ、冷えてておいひい…」モグモグ

拓海「外に出しとくと溶けちまうから冷やしといたぜ」

春菜「これはいいものでふね…」モグモグ

拓海「あとはこんにゃくゼリーぐらいしかねぇな。皆冷蔵庫の中漁ってやがる…」ガチャ

春菜「チューペットとかはないんですか?」

拓海「…麗奈のバカがあれで遊んで資料グシャグシャにしやがったから持ち込み禁止になった」

春菜「あぁ…」

拓海「あの時のPは…ヤバかった」ガタガタ

春菜(拓海ちゃんが震えるほど!?)

拓海「Pが阿修羅に見えたのはあれが最初で最後だぜ…」

春菜「そこまで!?」


拓海「そういや七夕って雨や曇りが多いよな」

春菜「そうですね。1年に1回しか会えないのに」

拓海「絶対浮気されてるよな」ケラケラ

春菜「不倫の現場を目撃した織姫様の流した涙…」

拓海「浮気され過ぎじゃねえか?」

春菜「それがレベルアップすると台風に」

拓海「何したんだよ彦星?!」

春菜「別の女との間に子供がいた…とか」

拓海「昼ドラ?!」


春菜「そういえば今年はちひろさんが織姫様のコスプレしてましたね」

拓海「あの人アタシらより色々な服着てるよな」

春菜「趣味がコスプレらしいですし」

拓海「…実は元コスプレイヤーとして活動してたとか」

ちひろ(ぎくっ)ピクッ

拓海「んなワケねえよな」

春菜「趣味止まりでしょうね」

ちひろ(言えない…学生時代に某祭りでコスプレ衣装で売り子してたなんて言えない…!)カタカタ…


春菜「コスプレといえば漫画のキャラクターとか多いですけど、比奈さんってコスプレするんですかね?」

拓海「比奈はそういうのやらねえタイプだろ」

春菜「そうなんですかね…?」

拓海「アイツは描く専門だろ。自分で日陰者って言ってたぐらいだし」

春菜「もったいないことを…」

拓海「比奈はもっと自信持ちゃいいんだよ。どこか卑屈なんだよな」

春菜「逆に言えば増長しないってことですよね。誰かに高圧的な態度をとったりしませんし」

拓海「長所と短所は表裏一体ってことだな」


春菜「そういや拓海ちゃんと比奈さんって正反対っぽいけど仲いいんですね」

拓海「そうやって言われるけどアタシら似たモン同士だからな」

春菜「えっ?」

拓海「アタシも本来は日陰者だ。表舞台に出てきちゃいけねえ人間だ」

春菜「そんなこと…!」

拓海「揉め事だらけの人間を表に出したらロクなことにならねえだろ。アタシが前に何やってたか知らねえワケじゃねえだろ?」

春菜「ううっ…それは」

拓海「どんな理由があろうがアタシの両手は血に塗れたことは事実だ。それだけでも普通ならアウトだ」


拓海「…まぁそれを無視してアタシをスカウトしたバカがいるけどな」

春菜(ば、バカ呼ばわり…!?)

拓海「元特攻隊長。当然ケンカ三昧。それをわかっててスカウトするとかただのバカだろ」

春菜「言われてみれば確かに…?」

拓海「必死に説得してきやがってよ…ホント、ストーカーみてぇだったな」

春菜(Pさん…通報されないでくださいね?)



拓海「…そんなまっすぐなバカのおかげでアタシは救われたんだけどな」

春菜「………」ニヤニヤ


拓海「…んだよ、その顔は」

春菜「やっぱり拓海ちゃんって…ふふふ」ニヤニヤ

拓海「何が言いてぇんだ!」

春菜「やっぱり好きじゃないですか!」

拓海「ち、違ぇ! ただ感謝してるだけで、別にアイツのことは…」

春菜「じゃあ留美さんにとられてもいいんですね…ふーん」

拓海「そ、それは!」




<ガチャ

比奈「やっと帰ってこれたでス」

P「ただ今戻りましたー! いやーひどい雨d」

拓海「このタイミングで帰ってくんじゃねえ!」ドゴォ

P「でぼらっ?!」グシャ

春菜「つうこんの いちげき!」

P「ちょっと待って!? なんで俺殴られたの!」

拓海「な、なんでこんなタイミングで帰ってくんだよぉ…!」カァァ

P「???」

P(わけがわからないよ)


ちひろ「まぁプロデューサーさんが悪いですね」

比奈「多分プロデューサーが悪いでスね」

春菜「Pさんが悪いです♪」

P「そんな新井が悪いみたいなノリで言わないでくれない!?」

拓海「Pは別に…浮ついた感情じゃねえし…」カァァ

P「そしてこの子はなんか顔赤らめてうつむいてるし! なんなのこの空間!?」


春菜「まぁまぁ眼鏡どうぞ」スッ

P「もうかけてるよ! 二重にかけてどうするんだよ!」

比奈「眼鏡と眼鏡が合わさって最強に見える」

P「見づらいだけなのは確定的に明らか」

ちひろ「これがホントの二面鏡ですね♪」

P「上手くないし全然別物だから…」

拓海「えっと…えっと…」

P「大喜利じゃねえからこれ!」


―翌日

拓海「ハァ…ったくよぉ」

拓海(Pにはあの後謝罪した。許してくれたが…)



P『なぁ…何かあったのか?』

拓海『…うっ、それは』

P『…言いたくないことなのか?』

拓海『すまねぇ…今はまだ』

P『決心がつくまで待つからな』



拓海「………」ハァ

拓海(言えるかバカ野郎!)


留美「百面相していったいどうしたの…」

拓海「あっ、姉御。メガネかけてくるなんて珍しい」

留美「…昨日コンタクトつけっぱなしで寝ちゃったのよ」

拓海「ありゃ。姉御も結構やらかすのか」

留美「完璧な人間はいないわ。皆の前ではできる人間を装ってるだけよ」

拓海「…疲れねぇのか?」

留美「私に求められているものを供給する。そのことはもう割り切っているわ」


留美「それに向井さんだってキャラづくり大変でしょ?」

拓海「…ハイ」ゲンナリ

留美「たくみんすまーいる☆だったかしら。あれ、可愛かったわね」クスクス

拓海「その話はやめてくれぇ!」

留美「ばっちぐー☆だなんて…私も一度はやりたいわね」

拓海「うぅぅ…姉御にもイジられる…」

留美(かわいいわね)


留美「そういえば向井さん。一つ聞きたかったのだけど」

拓海「?」

留美「なんで私のことを姉御と呼ぶのかしら」

拓海「なんとなく…かな?」

留美「何となくで元レディースにされたら困るのだけど」

拓海「どことなく雰囲気がレディースの頭っぽいんで」

留美「バイクを運転できない頭なんてダメでしょ」

拓海「姉御はバイクダメなのか」

留美「原付の免許を持ってるだけね。運転はサッパリ」




留美「なんにせよ姉御と呼ぶのはやめてちょうだい…」

拓海「わかったよ。えっと…留美、さん」

留美「それでいいわ」

拓海「じゃあアタシのことも拓海って呼んでくれ」

留美「…向井さんって私が呼ぶこと、気にしてた?」

拓海「なんかよそよそしい感じがしたんで。アタシのこと、嫌いか?」

留美「そういうわけじゃないのよ? 初めて会った頃、ちょっと刺々しい雰囲気があったからその名残でつい…」アセアセ

拓海「それじゃ…呼んでくれるか?」


留美「えっと…拓海、ちゃん?」

拓海「うん。やっぱり名前で呼ばれた方が落ち着くな」

留美「そんなに違うものかしら」

拓海「やっぱ名前で呼ばれねぇと距離が遠く感じちまうからな」

留美「あだ名で呼ぶのもいいかもしれないわね」クスッ

拓海「るーみんって呼ばれたいんすか?」

留美「なら私はたくみんって呼んであげるわ」

拓海「…流石にやめません? お互いにヤケドするだけなんで」ハァ

留美「…そうね。メンタルがすり減りそうだわ」ハァ

拓海(里奈ってすげぇ。改めてそう思った)


拓海「留美さんは今日仕事はあるのか?」

留美「今日はオフよ。といってもやることがある訳じゃないからとりあえず事務所に来ちゃったのよ」

拓海「…なんか事務所が暇人の集会所見てぇだな」

留美「本当はそれあまり良くないのよね」

拓海「まぁ…仕事の邪魔してるわけじゃねえから許してくれんだろ」

ちひろ(…居座る人が多くなってお茶請けの消費が激しくなっていることは黙っておいた方がいいんでしょうか)カチカチ…





<ガチャ

比奈「こんにちは」

拓海「うーっす」

留美「こんにちは、比奈ちゃん」

比奈「お二人さんもヒマだから居る感じでスか?」

拓海「今日は何もねーからな。寮に居てもすることねーし」

留美「私も拓海ちゃんと一緒ね」

比奈「………ん?」

比奈(今留美さん、拓海ちゃんって呼んだような…気のせいでスか?)


比奈「お二人さん、呼び方変わりました?」

留美「あら、わかっちゃったかしら」

拓海「姉御って呼ばれるのがイヤだって言うから、アタシは留美さんって呼んで」

留美「私は拓海ちゃんって呼ぶようにしたの」

比奈「距離が縮まりまったんでスね。ネコ好きも相まって姉妹みたいでスね」

留美「少々やんちゃが過ぎる妹ね」フフッ

拓海「あっ、その言い方はひでぇ!」

留美「冗談よ」


ワーワー

ちひろ(人は変わる。それがいい方なのか悪い方なのかはわからない)

ちひろ(変わってしまうことを恐れる人もいる。でもこの子たちは…)



留美「そういえばこんなプリクラが回ってきたのだけど」

比奈「あ。それ前にゲーセン行った時のでスね」

拓海「ちょっ…それは見んなぁ!」

留美「ふふふ…捕まえてごらんなさい!」ダッ

拓海「留美さんと言えど容赦しねぇぞ!」ダッ



ちひろ(きっと…大丈夫ですよね、プロデューサーさん♪)

おわり。

なんでたくみんって留美さんのこと姉御って呼ぶん?
運営、はよ教えてくれや

読んでくれた人はありがとう。

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