コナン「これが"俺達"の力だ、博士」 (13)
ビルや家屋の残骸が残るばかりの荒野に
腕を組み向かい合う三人の少年たちがいた。
その名は、コナン、元太、歩美
コナン「覚悟はいいな、お前ら」
元太「ああ、いつでもいいぜ」
歩美「私、何も怖くないよ。だから…」
コナン「よし、いいか。俺達が絶対平和を取り戻す―」
コナン元太歩美「「「博士を倒して!!!」」」
「ほっほっほ。君達もしばらく見ん間にたくましくなったのう」
コナン「なっ!?博士!」
阿笠「久しぶりじゃのう、新一。じゃが安心せい。戦いに来たわけではない」
光彦「流石に君たち3人相手では分が悪いですからねえ。このままじゃ一瞬でやられかねません」
厭らしく顔を歪める博士と光彦。近くに来ていれば気づくはずなのに、気配すら読めなかった。土虫のごとく地中から湧いて出たのだろうか
元太「博士…光彦…俺達はお前らを絶対許さねえ!」
歩美「みんなの笑顔を…みんなの平和な生活を、返して!」
阿笠「勝手に平和に暮らせばよかろう。じゃが…」
光彦「博士の送り込んだ刺客と僕達を倒せればですがね!」
コナン「刺客…!?まさか、博士!!!」
コナンは計算外の事態に一瞬戸惑った。かの惨劇の首謀者は博士と光彦だけだと思っていた。仲間もいるとは想定していないことはなかったが、嫌な予感が脳髄の先端から全身を駆け巡ったのだ。
コナン「そうか……あいつら、裏切ったのか」
阿笠「その通りじゃよ。残念じゃったな」
光彦「ではなるべく死なないようにして下さいね。待ちぼうけは嫌ですから。僕たちはこの辺で失礼…」
元太「…逃がすかよ」
阿笠「あ?」
光彦「ぅんあるれええ???何ですか元太君?君お顔がまっかっかですよおおおんぬ?うな重の食べ過ぎでお熱でも出しましたああん?」
元太「うるせえええ!!!!この場で二人共ぶっ殺してやる!!!てめえらなんか地獄に行く資格もねえええ!!!!」
コナン「元太!!!」
元太「へあああああああああああ!!!!!」
元太の肉体が変化していく。腕が真鍮のように光る黒色の細長い形へ、昆虫の脱皮のごとく進化する
元太 能力:『鰻重装―フルメタル・イール―』
ウナギの力を体に宿した能力。全身または身体の一部をウナギに変化させ、その剛健たる力を借り攻撃する。
複数の形態が存在し、それぞれ腕力、能力に違いがあり、臨機応変に闘うことが可能。
元太「さあ、お前ら……死ぬ準備は出来たよな!」
両腕が巨大なウナギと化した元太。両腕の躍動は周りの空気を切り裂き、叩き伏せるかのようだ。コナンも、流石伊達に鍛えたものじゃないと感心せざるを得ない。
阿笠「ほっほ。悪いが家に帰りたいのでのう」
光彦「悪いですけど元太君、僕達君と闘う暇はないので。それでは!」
元太「待て!!!喰らえ!!!!!」
元太は両腕を勢いのまま二人に叩きつける。疾い。元太の叫び声が終わらぬ内に土煙が上がった。
倒したかのように思われた。しかし、この時点で3人は厳しい現実を否応もなしに突きつけられることとなる。
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