男「俺の彼女はゲーム脳」 (15)
※
思い付きで書き溜めなし
短い
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男「……10分前。よし」
噴水のある公園で待ち合わせ。
言わずもがな、俺は今からデートだ。彼女とデートをする。
そう、つまりは初デート。10分前に到着して、彼女を待った。
男「………」
時計を見る。待ち合わせの時間は11時。
時計は11時5分。俺の時計は狂っていないし。ラインで決めた時間も間違っていない。
初デートに彼女が遅刻した。多分。
それから更に10分。
あれ?もしかして俺妄想をこじらせ過ぎたのか?と、若干不安になっている所に。
問題の彼女が到着した。
女「ごめんっ!本当にごめん!遅刻しましたっ!」
男「あ、大丈夫大丈夫。俺も今来た所」
女「いやぁ~。お母さんと玄関でエンカウントしちゃってさあー……」
男「エンカウント?」
女「うん。いや~、シンボル形式だから見れば分かるはずなんだけど、バックアタック取られちゃって……。長引いちゃいました……」
男「……そ、そうなんだ。無事でよかったよ」
女「あははは。大丈夫大丈夫。戦闘は逃げるを連打してきたから。
何回か回り込まれたけど。素早さを上げとくべきだったかな……」
たまに。いや、よく。彼女は俺には理解できない言葉を使う。
そんな彼女は、俺の彼女は『ゲーム廃人』
テレビゲームからアーケード。ボードゲームも手広く愛する。いわゆるゲーム脳。
いわゆる現実とゴッチャになっている痛い子だ。
だからきっと、この一瞬で浴びせられた、俺の聞いた事のない言葉もまた。
多分、ゲームの用語なのだろう。
ちなみに俺は、ゲームは全くしない。
男「素早さ……足りなかったんだね」
だから俺は、頑張って会話を試みる。こんな感じに……。
女「仕方ないでしょ?レベルもまだ17なんだから。
すばやさのたねとかアイテム使わない限りそりゃあ低いよ!」
怒られてしまった。意味が分からない。どうしろというのだ。
女「まあまあ、デートしようよデート!」
男「あ、うんうん。何処へ行こうか」
女「ん~。まだ初デートだからチュートリアル的に進めるのが王道だよね?
だとしたら機能説明も兼ねてファミレス?」
男「そ、そうだね。まずはチュートリアルからだね」
とりあえず復唱すれば間違いはないと思っている。
女「あ、ちなみに私はCERO【A】だからね?全年齢対象向けだからね?」
男「あ、うん。分かってるよ」
何も分かってないけど。いや、それでも多分。悔しい事を言われた事だけは分かる。
―ファミレス―
女「さて、何を食べようか」
男「ん~……」
メニューを見ながら、俺は何を食べようか迷う。
女「あっ!そうだ。ねぇねぇ男クン。私今日のためにイメチェンしてきましたっ!
さあ、何処が変わったでしょう!!」
え?そう言われて俺は改めて彼女を見た。
そして彼女の方を見ると、成程確かに。いつもは流している髪の毛が、今日はポニーテールだ。
男「髪の毛を、結んでる所?」
女「…………プイッ」
誰が見ても分かるぐらいにそっぽを向いた。
どうやら違うようだ。
いや、でも。そこじゃん。違う所。
女「それじゃあバッドコミュニケーションだよ……。髪型とかってのはいつでも変えられるじゃんか……」
男「言われてみれば確かに」
女「選択肢のミスは、場合によってはゲームオーバーだよ?まあ、今回はチュートリアルだから高感度の増減はないけどさ?
正解は3番:【前髪切った?】だよ?」
男「選択肢?」
女「うん。私の胸からお腹にかけてくらいにあるんだよ?」
ないんだよ?
ってか、じゃあ俺の選択肢は1番だったわけだ。
ひっかけ問題って奴か。あれ?じゃあ気になるな。2番ってなんだろう
男「あ、じゃあ2番ってなんだったの?」
女「へ?それは…………」
口をへの字にしやがった。どうやら考えてなかったみたいだ。
迷宮入りだ。
女「そんな事よりっ!彼女が初デートに気合入れて前髪0.5mmも切ったんだよっ!?」
男「……ごめん。ってえぇ?0.5mm?シャーペンの芯レベルじゃん……」
女「それは言いすぎだよ!?女の子が前髪0・5mm切るのってどれくらい気合はいってるか分かる!?」
男「聞かせてください」
女「格ゲーで2フレーム反応が遅れるくらい重要な事なんだよ!?」
なんのこったい。
男「マジで!?」
ノってみた。
女「ね?分かる!?波動拳コマンドを入れようと思ってガードの切り替える作業が出来ちゃうんだよ!?」
男「だよね!」
ぼろが出る前にやめておこう。
既に意味が分からない。波動拳コマンドってなんだよ。あれか、↑↑↓↓←→BAか。
女「そうです。だからチュートリアルといえど、前髪に気付かなかった男クンは重罪です」
男「ご、ごめん……」
女「異議ありッ!!」
男「うぉぁ!」
女「あ、言ってみたかっただけです」
本当に、なんじゃコイツは……。
ちなみに。何故俺がこの彼女と付き合っているのか意味が分からない人も多いと思う。
そもそも趣味は合わない。
彼女がゲーム大好き人間に対し、俺はゲーセンすら行った事が無いほどにゲームと言う物に興味が無い。
しかしそれならば、何故かという事だが。
至極単純な理由だ。
顔がタイプだったからだ。
紆余曲折の末。パスタを食べる事にした。
俺がミートソースで彼女は生クリームパスタ。いや、特にここまで明記する必要は特にない。
女「でね。だから今月は出費が大変なんだよ……。
アトリエの新作に、コンパイルハートの新作に、来るであろうOFAのDLCに……。
あ、違うよ?ちゃんとアサクリとかフォールアウトみたいな系統もやるんだよ?」
男「ああ、そうなんだ……」
そのアトリエとかってのと。アサクリなんていうのの違いが俺には分からない。
多分全くの別ジャンルだと言いたいのだろうが。俺に言わせればどっちもゲームだ。
男「ってことは女はさ……。やっぱりゲーム機っていっぱい持ってるの?」
女「ふぇ?一応最新ハードは揃えてるけど。互換性がある物は無いかな。
あ、でもPS2は持ってるよ?PS3は薄型の方だからね。
最古はスーファミかな……。VCでファミコンとかのソフトはやるけど……」
何を言っているか分からない。いや、PS2とかPS3。あとファミコンとかは流石に知っている。
でも、VC。ヴぁーちゃるこんそーる……。とかいう謎のクリーチャーの存在は知らない。
男「本当にゲームが好きなんだね。あっ!」
思いついたように俺は声を出した。
いや、思いついただけなんですが。俺にも知っているゲームがある。
様々なゲームをやっている彼女なら、これも知っているはずだ。
男「人生ゲームなら、俺もやった事がある」
女「え!?本当にっ!?」
よし来た。従兄の家でよく集まるたびに盆や正月やったからな。
女「どれどれ?無印?DD?GOGO?
私的には極辛のハラハラ感が好きなんだよねー。
それともゲーム版?あれはPS時代のが完成してたよねー……」
男「???」
Oh……MyGod……。
男「普通に、家を買って結婚して就職する奴……」
女「それは大抵するよー?」
奥が深いんだな……。人生ゲームも……。
女「でさー。ご飯食べた後はどうする?」
男「どうしようか……」
彼女のゲームへの高説も一通り落ち着いた所で。
彼女は今日のデートへ視野を向けてくれた。
ひとまずお昼前だと言う事でファミレスに来ては見たが。
今後の事は何も考えていない。
女「水族館とか遊園地が鉄板だけど。それって現実だとお昼過ぎからポンっと行く所でもないしね。
海とかスキーみたいな季節限定イベントも今はないし……」
日本語で頼む。
女「でーも。もうチュートリアルは終了。
今後は高感度の上下もしっかり視野に入れてね?そうしないとトゥルーはおろか、ハッピーエンドも目指せなくなるよ?」
男「せめてハッピーエンドを目指せるように頑張るよ……」
女「うん。その意気っ!じゃあ改めて……ンン……コホン」
のどの調子を整えている。なんだ?そんな重々しい言葉でも言うつもりなのか?
『女「それじゃあ今から何処へ行く?」』
え?俺は畏まっては見たものの。
彼女の口から出た言葉は、さっきも聞いた台詞だった。
なんじゃそりゃ。
そう俺が首をかしげていると。ある異変に気付く。
男「……あれ?なんで動かないの?」
まるで彼女は、画像みたいに動きを止めて。
じっと俺の方を見つめているだけだった。
なんだというんだ。
男「……え?」
女「…………えー?」
俺が同じように固まっていると、彼女は話しかけた。
女「限定イベントが終わったから、凡庸コメントの後に選択肢が左側に出たんだよ?
男クンはそこからデートスポットを選ばなきゃ……」
あー。あーなるほどねー。
ゲームのそういうシーンだったんだ。いやいや、ゲームを知ってても分かりにくいだろう行為を。
ゲームについての知識がほぼない俺に投げかけてくるのはキツいよ……。
女「今のは時間制限付きだったのでタイムオーバーでマイナスです。
なので強制イベントでゲームセンターに決定~!!」
なんか決まった。
なんだなんだ。ゲーセンに行きたいならそう言ってくれればいいのに……。
凡庸→汎用?
高感度→好感度?
>>10
勢いで書き過ぎて誤字多すぎですね……。
すみません。
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