アルミン「僕の天才頭脳でこの世界を変えてみせるぞ!!!」最終章(355)

アルミン「僕の天才頭脳でこの世界を変えてみせるぞ!!!」の続き。
これで最後です。

ネタバレ、キャラ崩壊、その他色々崩壊

アルレルト兵団 本拠地スペシャル作戦会議室(訓練兵団空き部屋)


アルミン「…今日の新聞では、調査兵団は一週間後、シーナの広場で反対派の公開処刑を行うらしい。そして、その際…壁中の人間を全て『公開処刑を見せる』という名目でシーナに集めるみたいだ」

アルミン「…僕らが調査兵団の反対派公開処刑を止めに行く間……君ら6人は別行動をとってもらう」

ライナー「…」

ベルトルト「…」

アニ「…」

マルコ「…」

サシャ「…」モグモグ

コニー「…」


アルミン「僕らが調査兵団を相手にしている最中、君らはトロスト区の門前で待機…以上だ」

コニー「なあ、アルミン…なんでトロスト区にいなきゃ駄目なんだ?」

サシャ「調査兵団がいるのはシーナでしょう?」

アルミン「…とりあえず、意図はライナーとベルトルトとアニには伝えてあるよ。また当日にこの三人から聞いてくれ」

ライナー「…アルミン、本当に来るのか?」

アルミン「たぶんね…君らから聞いた話をまとめて考えたら…その可能性が高い」

サシャ「教えてくださいよ~」

コニー「気になるぜ~」

アルミン「まだダァメ!!」

ベルトルト「…」

ベルトルト(情けない…怖くなってきた。でも、自分で選んだ道…迷ってはいけない)

アニ「…」


ライナー「…ベルトルト…アニ……お前らは俺が必ず守る」

ベルトルト「!」

アニ「急に何言い出すの…」

ライナー「他の同期たちも…ヒストリアも、命に代えてでも……」



アルミン「と、いう訳で…エレンとユミル、大事な作戦会議だ。ちょっとこっちおいで、ほれほれ」

エレン「おお、なんだ?」

ユミル「何か腹立つ言い方だな」

アルミン「新聞に書いてある内容だと…ピクシス司令とナイル団長はシーナの地下牢に捕らえられているみたいなんだ。君ら二人はこの二人を救出した後、ピクシス司令とナイル団長の指示に従って行動してくれ……以上」

エレン「……え、それだけか!?」

アルミン「ああ、とりあえず救出したら二人に従ってね」

ユミル「めんどくさいな…まぁ、やってやるよ」

アルミン「めんどくさいって言いながらやってくれるなんてこのツンデレめ!!」

ユミル「何だお前」

アルミン「…で、ミカサ、ジャン、ヒストリア、君らは僕と一緒に公開処刑実行の広場に行き調査兵団と戦う役……そこにエルヴィン団長、リヴァイ兵長もいるだろう。そして!!」


アルミン「ヒストリア、君の大舞台だ」ポンッ

ヒストリア「あ、そこで私リヴァイ兵長と戦うの?」

ジャン「しかも大勢の人間が見てる前でか…とんでもないプレッシャーだな」

ヒストリア「ひいいい!やっぱりやだよー!!!」

アルミン「もう引き返せないぞヒストリア!頑張れ、僕もついてる!!」

ヒストリア「わかったよー…」

ミカサ「頑張れ頑張れ、ヒストリア!ファイトだヒストリア!」

ヒストリア「そんな可愛い応援されたって怖いもんは怖いんだかんね!!」

―――外

エレン「…アルミンとヒストリア何してるんだ?」

ジャン「特訓だとよ。アルミンが遠くから動作だけで指示を出しそれをヒストリアが迅速に読み取り行動に移す練習だ」


ヒストリア「ちょあーっ!!」ビシュビシュビシュッ

アルミン「ちがーーう!!回転斬りじゃない!!指を回す動作は相手の背後に回れって意味だと教えただろう!!!」

ヒストリア「そんないっぱい覚えれないよー!!だいたいこんな事しなくてもアルミンも一緒に戦ってくれたらいいじゃ…」

アルミン「ダメだ!君1人でだ!!はい次!!」

ヒストリア「ひいいい、スパルタ教育!」


ミカサ「大変そうだね…」

―――対人格闘訓練

エレン「ふんっ!!!」グルンッ

ヒストリア「わああっ!」ドサッ

エレン「まだまだこんなんじゃリヴァイ兵長には勝てないぞ」

アニ「もっと訓練が必要だね」

ヒストリア「くそ~、まだまだやってやる!」ダダダダッ


ジャン「……アルミン、何となくだが俺もエルヴィン団長の意図はわかったぞ」

アルミン「!」

ジャン「だが、本当に成功するかは微妙だな……」

アルミン「ああ、まさに賭けだね」

―――――

ユミル「…あれ、ヒストリアはまだ戻ってないのか?」

アルミン「ヒストリアなら1人でもう少し訓練するって言ってたよ。必死になってる」

エレン「まぁ、あんなにアルミンに言葉攻めされたら必死になるよ」





ヒストリア「ふんっ!やあ!」ビシュッ

ヒストリア「はあ…はあ…疲れた」ガクッ


ヒストリア「………」

ザッ ザッ

ライナー「ヒストリア、水持って来てやったぞ」

ヒストリア「!ライナー、ありがとう」

―――――

ユミル「…あれ、ヒストリアはまだ戻ってないのか?」

アルミン「ヒストリアなら1人でもう少し訓練するって言ってたよ。必死になってる」

エレン「まぁ、あんなにアルミンに言葉攻めされたら必死になるよ」





ヒストリア「ふんっ!やあ!」ビシュッ

ヒストリア「はあ…はあ…疲れた」ガクッ


ヒストリア「………」

ザッ ザッ

ライナー「ヒストリア、水持って来てやったぞ」

ヒストリア「!ライナー、ありがとう」

ヒストリア「ぷはぁ、生き返るなぁ!」

ライナー「はは…頑張れよ、ヒストリア」

ヒストリア「おうよ!」

ライナー「……今のうちに伝えておきたい事がある」

ヒストリア「ん、どうしたの?」

ライナー「……全てが終わったら…」

ライナー「結婚してくれ」

ヒストリア「………」


ヒストリア「はい!?」

ライナー「冗談じゃなくて本気だぞ」

ヒストリア「………」


ヒストリア「ご、ごめん…ライナー……」

ライナー「…ふっ。わかってたさ…お前には他にいるからな」

ヒストリア「うん……ごめんね…」

ライナー「謝らなくていい…ただ、今言っておかないと二度と言えない気がしたからな」

ヒストリア「え?」

ライナー「次の戦いで俺は死ぬかもしれん」

ヒストリア「!?」

ライナー「俺はベルトルトやアニ…同期の皆もお前も必ず守ってみせる……」

ライナー「この命を捨ててでも」

ヒストリア「…ばっ…」

ヒストリア「馬鹿言ってんじゃないよ!!!」

ライナー「!?」

ヒストリア「あのね…ライナーだって大事な仲間だし、友達だよ!!簡単に命を捨てるとか言うなよ!!」

ライナー「…ヒストリア…」

ヒストリア「私は皆に死なないで欲しい……だから、死ぬための覚悟なんかしないで。必ず生きて帰ると約束して!!」

ライナー「………」

ライナー「そうだな…俺は馬鹿だった。皆で生きて帰ろう」

ヒストリア「約束破ったらお尻ペンペンだかんね…」

ライナー「ああ、約束だ」

―――――当日・シーナ内地

アルミン「さあ、今日がいよいよ戦いの日だ!準備は出来てるな!?」

エレン「ああ」

ミカサ「おーっ」

ユミル「…私とエレンはピクシスとナイルのいる場所に行けばいいんだな?」

アルミン「ああ。その後はそっちの従ってくれ。あと呼び捨てするなよ」

ジャン「…何でライナー達はトロスト区に残したんだ?」

アルミン「他にやってもらいたい仕事があるからね。それより僕らの仕事は調査兵団の公開処刑を止める事だ!!!」

ヒストリア「ようし、頑張るぞ!」

―――トロスト区

サシャ「はあ…私達はなんでトロスト区に残されたんでしょう」

コニー「きっと仲間外れにされたんだ…」

ライナー「ああ、わかった。門の前についたら教えてやるよ」

ベルトルト「見えてきた…あ」

アニ「門の前に人がたくさんいるよ」


ハンジ「やあ、君たち!来てくれたって事はアルミンにはしっかり伝わってたんだね!」

コニー「ハンジ分隊長!?」

ハンネス「よう、エレンの仲間達か。よろしくな」

マルロ「また一緒になったな、ベルトルトとアニ」

サシャ「駐屯兵団と憲兵団までいますよ!?」

オルオ「あの時の馬鹿ガキか。不安だぜ」

ペトラ「オルオ、そんなこと言わないの」

コニー「リヴァイ班まで…なんで、調査兵団がここにいるんだ!?」

ハンジ「ああ、いいよ。君たちにはちゃんと説明しよう」

ベルトルト「…住民はみんなシーナに集まったんだね?」

マルロ「ああ、そうだ」

ベルトルト「…なら、惜しみ無く巨人で戦える」

ハンジ「………私達は今まで、訳のわからない、力の及ばない存在に脅かされてきた。でもいつまでもこうはしていられない………」


ハンジ「だから、今度は……私達から、外の敵も内の敵も引きずり出してやるんだ。それと同時に人類の意志も1つに固める。それが今回の作戦なんだ…」

コニー「…」

サシャ「…」

ハンジ「私達は私達のやるべき事に集中しよう。内地の方は彼等にまかせるんだ…」

―――レイス家

男「調査兵団…遂に昨日の新聞に、この世界の真実の一部を載せ公表したようです」

ロッド「なんという事を……これ以上好きにやらせるわけにはいかん。早急に手を打たねば……ああ、こういう時に座標の力が必要なんだ。エレン、早くエレンを捕まえろ!!」

「ロッド様、あの方が…あの方が帰って来られました!」

ロッド「!どうした?」

「医者の男に連れ去られ、ずっと行方不明になっていた……」


???「久しぶりですね」カッカッ

ロッド「お、お前……」

カルラ「…兄さん」

ロッド「カルラ!お前…生きてたのか!!」

カルラ「はい」

ロッド「良かった…どうなったのかと…ずっと心配していた」

カルラ(…以前よりも更に不安定になってるみたいね)

カルラ「兄さん…私に任せてください。私が調査兵団を止めて見せます」

ロッド「!」

カルラ「私も…あの力を持ってますから。兄さんも一緒に来てください」

ロッド「ああ、そうか…そうだな。任せた…。私も一緒に行こう」


カルラ(これでいいわね……。エレンは任せたわよ、キース)


―――ズキンッ

ミカサ「いたっ!」ビクッ

アルミン「どうしたミカサ!?」

ミカサ「なんか…頭が痛い」

ジャン「最近、どこか痛くなるのが多くないか?大丈夫かよ…」

ヒストリア「ミカサ、体調不良なら休んでてもいいんだよ?」

ミカサ「大丈夫…体調不良じゃない」

アルミン「うん…顔色もいいし熱も無いし脈も正常。別に体調不良じゃないね」

ミカサ「うん。だから心配しないで」

ジャン(アルミンの奴、ミカサにベタベタして羨ましい…いや、だがアルミンもただミカサの体調を調べるためにやってるだけだ……いやだがやっぱ羨ましい」

ヒストリア「途中から声出てるよ。長いし」

アルミン「…もうすぐ広場だ。準備はいいね」

ジャン「おう」

ミカサ「うん」

ヒストリア「バッチリOKだよ!」

アルミン「僕らの行動に全てがかかってる……行くぞ!!」

―――地下牢

ザッザッザッザッ…

ユミル「そこの牢屋じゃないか?」

エレン「ああ……ピクシス司令、ナイル団長!!」ガチャッ

ナイル「おお、待っていたぞ」

ピクシス「待ちくたびれて酒を飲むとこじゃったわい」

ナイル「まだ飲まないでくださいね」

エレン「って二人とも何くつろいでるんですか!!」

ユミル「壁教の人間もいるのか」

ニック「…私はもう壁教は辞めた」

ナイル「さて、揃ったな」

ピクシス「エレンと、ユミル…じゃったな。お主らにも仕事してもらうぞ」

エレン「え?」

―――――

ジャン「見えたぞ、あれだ!」

アルミン「よし、僕の指示に従って動け!」

ミカサ「おーっ!」

アルミン「あと、ヒストリア…この紙渡しとく」

ヒストリア「なにこれ?」ピラッ

アルミン「リヴァイ兵長と戦った後の指示が書いてある。しっかり読んでおいてくれ」

ヒストリア「うん………なんかこれ、演劇の台本みたいだね」

アルミン「んな事気にしなくていいから、ちゃんと覚えるんだぞ!!」

ヒストリア「おうよ!」

―――広場

「エルヴィンめ、シーナに全人類を集めるなんて何考えてんだ」

「おい、昨日新聞に載ってた…レイス家に関する記述は本当なのか!!」

「お願いです!処刑はやめてあげてください」

エルヴィン「……だいぶ集まったようだな。悪いが公開処刑は止めない」

「な、なんでそんな事をするんだ!!」

エルヴィン「…信用できないからだ」

「え?」

エルヴィン「人類は今まで…王政とレイス家により情報操作…隠蔽、支配され生きてきた。もう私は何も信じる事が出来ない」

エルヴィン「だから不穏分子は全て処刑する。そして我々が新たな秩序を作り上げるのだ」

リヴァイ「…」

「ふざけるな!!」

「この悪魔め!!!」

リヴァイ「……」チラッ

建物の上

アルミン「いたぞ…エルヴィン団長とリヴァイ兵長だ」

ミカサ「公開処刑って……本当にしちゃうの?」オロオロ

ジャン「見てりゃ分かるさ」

ヒストリア「ようし、行くぞっ…」

アルミン「待て、まだ早い!」ガシッ

ヒストリア「ひゃわっ!」ズテンッ


リヴァイ「………」

リヴァイ「…」チラッ

エルヴィン「…」

リヴァイ「…」コクッ

エルヴィン「……では、公開処刑を始める。来い」

「待ってください!夫を殺さないで!!」ガシッ

リヴァイ「…なんだお前は、いい加減にしないと」スチャッ

「!!」

リヴァイ「テメェも反逆罪で処刑台に送るぞ」

「ひっ……だっ、誰か!お願いします!夫を…助けてください!!」


ビュンッ!!!

リヴァイ「…」チラッ


ガキーーーンッ!!!

「きゃっ!!」

「なんだなんだ!!」

リヴァイ「…」


ヒストリア「ただいま参上っ!!!」ジャギキーンッ

「だ、誰だあの小娘は…」

「あなた…助けに来てくれたの?お願いします、私の夫を助けてください」

ヒストリア「任せてください!!…ってあれ?」チラッ

ヒストリア(今の女の人調査兵団で見たような……)

リヴァイ「何を余所見している」

ヒストリア「!」

リヴァイ「突然現れて……テメェはなんだ?何しに来た」ギロッ

ヒストリア「ひっ!!」ビクッ

アルミン「ああもうヒストリアの馬鹿!!そこで『ひっ』って言っちゃダメだろ!!」

エルヴィン「……」

リヴァイ「ふざけてんのか?テメェはなんだと聞いてるんだ」

ヒストリア「…私は、ヒストリア・レイス!!助けてと言われりゃ助けますよ!!!」ドオオオッ

リヴァイ「…レイスの娘が何のようだ?世界の秘密を隠すのに俺達の存在が邪魔だから消しに来たのか?」

ヒストリア「違う!!確かにレイス家が色々隠して裏から人類を操作してるけどさ!私はそんなの気に食わないの!!ぶっ潰してやりたいくらいよ!!あんな家に生まれて恥ずかしい!!」

リヴァイ「そうか……なら俺達とお前の目的は一緒だ。敵対する必要はない」

ヒストリア「目的は一緒かも知れないけど手段が気に食わないのさ!!」
リヴァイ「…手を汚す事も必要だ。なぜそこまで嫌う」

ヒストリア「…私は……妾の娘として生まれて…周りから迫害を受けながら生きてきた。母親が殺されて父親にも捨てられたようなもんだよ」

ヒストリア「とにかく私はそういう不愉快で汚いもんが嫌いなの!!レイス家もあんたらも気に食わない!!」

―――建物の上

ミカサ「…リヴァイ兵長、なんでわざわざあんな事聞いてるの?ヒストリアの事は知ってるはず…」

ジャン「…なるほどな…ヒストリアの性格ならべらべら色々な事を喋ってくれる」

アルミン「ああ、ヒストリアを向かわせるという僕の閃きは天才だろう?リヴァイ兵長もさすがだよ」

ミカサ「??」



リヴァイ「…お前の言いたい事はわかった。だが、俺達はやはり人間をこれ以上信用できない」

リヴァイ「止めたければ………俺を倒していけ」

ヒストリア「………!!」

「あの子…レイスの娘なのか?」

「あの子が言うならレイス家が何かを隠し続けてたのは本当なのか…」

「酷い事をされてきたのね…可哀想に」

「お嬢ちゃん頑張れぇ!!」

エルヴィン「………」

ヒストリア「私が勝ったら皆を解放しなさい!!」ジャキンッ


リヴァイ「……ならば、大人を納得させるだけの力を見せてみろ…ヒストリア・レイス」ザッ


バシュンッ!!

ヒストリア「!!!」ビクッ

ガキーーーンッ!!!

ヒストリア「うあっ…早い!」

リヴァイ「どうした…口だけか?」

ガギンッ ギンッ キーーンッ

ヒストリア「おわっ、ちょっ…はや…」

リヴァイ「何をしている…もっと本気を出せ」

ヒストリア(そんな事言われたって……アルミン)チラッ


アルミン「…」グッ グッ

ヒストリア(え、あれは攻撃の合図……そ、そんな事言われても…)

リヴァイ「余所見している暇があるか?」ガキーーーンッ!!

ヒストリア「うあああ!」ザザッ

ヒストリア(こ、攻撃する暇も無いよ……)

リヴァイ「…」

ヒストリア(ど、どうしよう…)


ミカサ「あ、アルミン…助けに行こうよ…」

アルミン「…もう少し様子を見よう」

ジャン「…マトモに戦ってリヴァイ兵長に敵わないのは当然だろうが、それでもヒストリアの奴、どうしたんだ…動きが鈍いぞ」

アルミン「…やっぱ恐怖心がまだあるのか…後は斬る事を躊躇してる感じだ」

ミカサ「…」オロオロ


ヒストリア(うっ…来るときは調子よく出て来れたのに…いざとなると…)

リヴァイ「…」ザッ

バシュンッ!

ヒストリア「!!」

ドフッ!

ヒストリア「かはっ!?」ガクッ

リヴァイ「…」
バキッ ドガッ!!

ヒストリア「…っ!!」


ジャン「おいおい、さすがに不味いだろ!」

ミカサ「た、助けに行く!」

アルミン「ダメだ、待て!!よく見ろ!!」

ミカサ「え?」


ヒストリア「はあ…はあ…」

リヴァイ「…お前は、殺されそうになったら大人しく殺されるのか?」ボソッ

ヒストリア「…え?」

リヴァイ「もう一度言うぞ。お前は何をしにここへ来た?」ボソッ

ヒストリア「…!」

リヴァイ「ケニー相手にも戦えたんだろう。躊躇するな。同じように来ればいい」ボソッ

ヒストリア「…」

リヴァイ「自分より強い相手には何も出来ないのか?口で言うだけならバカでも出来る……」ボソッ

ヒストリア「…」

リヴァイ「いいか、俺を殺すつもりで来い。これは遊びじゃないんだ、こいつらを救う為に来たなら命を賭けて戦え。どんな手段を使おうが構わん。お前の覚悟はその程度か?」ボソッ

ヒストリア「…!」

ヒストリア「よし、隙ありだ!!」ドフッ!!

リヴァイ「ぐああああっ!!」ガクッ

ヒストリア「って、え!?」

「おお、あの娘リヴァイに一発食らわせたぞ!」
「すげえ!!」

リヴァイ「ぐふっ、ぐはっ!!」ヨロッ

ヒストリア(…)

リヴァイ「…何をぼーっとしている!」ギュンッ

ヒストリア「…!」ジャキンッ

アルミン「…」グッ

ヒストリア(攻撃の合図…次は迷わない!)

ギュンッ

ガギギキイィィーーンッ

ヒストリア「負けるかあっ!!」ガキンッ キインッ

リヴァイ「…」

アルミン「よし、ヒストリアの気迫が戻ってきた!」

ミカサ「がんばれー!」

「すげえ、リヴァイと渡り合ってるぞ、何者だ!?」

ヒストリア(冷静に見たらリヴァイ兵長の動きは…早いけど単調だ。パターンが分かればあまり怖くない)

リヴァイ「…」

ヒストリア(…もしかして…)

リヴァイ「…足が遅いぞ!」ギュンッ

ヒストリア(…そうか、足に来る!)

ヒストリア「よっと!」ピョンッ

アルミン「…」

ヒストリア(…後ろに回り込んで攻撃の指示)グルンッ

ヒストリア(そして足を狙う!)ザシュッ

リヴァイ「ちっ!!」ガクッ

ヒストリア「はあ…はあ…」

リヴァイ「…そろそろ勝負を決めるか」ジャキン

ヒストリア「!」

アルミン「…」

ヒストリア(突撃して攻撃か…了解)

リヴァイ「覚悟しろ、ヒストリア……」
バシュンッ!!

ヒストリア「…行きますよ!!!」ギュンッ!!


ジャン「…」

ミカサ「がんばれー!」

アルミン「…よしっ」

ザシュッ!!!!!

ヒストリア「…!!」ザザッ

リヴァイ「…」ザザッ

ブシュッ!!

リヴァイ「がはあっ!!」ガクッ

ヒストリア「…え…」

リヴァイ「…」ドサッ

「おおおお!リヴァイを倒した!!」

ヒストリア「え?」

ヒストリア(あれ、今の……)

エルヴィン「………」

アルミン「エルヴィン!あんたもここまでだ!!」ザッ

エルヴィン「…ふっ…」
「お、また誰か来た!!」

ヒストリア「!アルミン…」

ジャン「皆さん、もう大丈夫です」ザッ

ミカサ「アルレルト兵団、参上!」ザッ


「よくやってくれた…」ザッザッ

ヒストリア「!」

ピクシス「彼等はアルレルト兵団…この世界を変えるために戦う者達じゃ」

ミカサ「あのおじいちゃん誰?」

ジャン「ピクシス司令だ」

ピクシス「わしはアルレルト兵団の者に救われた」

ピクシス「…ここにいるレイスの娘が言っていた通り…この壁の中はレイス家の人間により真実は隠蔽されてきた」

ニック「…そして、調査兵団が発表していた、壁の中に巨人がいて…それがもうじき出てくる事も真実だ」

「え、あれピクシス司令じゃない?」

「壁教の人間まで来たぞ!」

ピクシス「そして…」

ドカアアアアアッン

ヒストリア「!!」

エルヴィン「…予定通りだな」

アルミン「…」


巨人「…」シュウウウゥゥゥ

ジャン「な、巨人!?なんだあの巨人は!!」

「おい、巨人が現れたぞ!!」
「うわああああっ!!」

カアッ!!

ジャン「!」

ミカサ「あの光は…」

エレン巨人「…」
ユミル巨人「…」

ヒストリア「エレンとユミル!?」

アルミン「よし、ヒストリア!君の出番だ!!」

ヒストリア「へ?」

アルミン「皆さん、怖がる必要はありません!!そこに出てきた2体の巨人は味方です。さあ、ヒストリア!巨人を操れ!!」

ヒストリア「………ふわあっつ!!?」

アルミン「いいからほら、エレンの上に乗れ!!」

ヒストリア「はい!?あ…うん」

ヒストリア(あ、これ…アルミンからもらった紙に書いてあったな)

エレン巨人「…」

ヒストリア「エレン、私を乗せなさい!」

エレン巨人「…」スッ


ヒストリア「よし、そのまま肩に!」

「あの巨人、ヒストリアちゃんの言うことを聞いてるぞ!」

「いったいなんなんだ!?」

ヒストリア「ようし、エレン!ユミル!あの巨人をやっつけろー!!!」

ユミル巨人「…」

エレン巨人「…」


巨人「…」ズシンッ ズシンッ

ズシイイイイインッ!!!

エレン巨人「…」グググ

ユミル巨人「…」グググ

ヒストリア「そのまま巨人を押さえつけて!!」

巨人「…」


巨人「…」

…シュウウウゥゥゥ………

ジャン「…巨人が消えてく……」

「あの巨人が消えてくぞ!」

「やっつけたのか!?」

ヒストリア(…!今、あの巨人から誰か出てきた?)


ロッド「あ…ああ…なんてことだ……カルラ…」

ナイル「…あんたが連れてきた巨人か、ロッド・レイス」

ロッド「!!」

ナイル「見ていたぞ。やはりあなた方レイスは巨人とも繋がりがあるようだ…来い」

ロッド「は、離せ!!」

ザッ ザッ……


ナイル「………今、巨人が現れた地点にロッド・レイスがいた」ザッザッ

ロッド「ぐっ…」

「あれはナイル団長!」

「じゃあ、あれはレイスが連れてきた巨人なのか」

ヒストリア「ふう…終わったよ」

アルミン「お疲れ様、こっちおいで」

ピクシス「見たろう、レイス家は…都合が悪いから、ワシらを消そうとあのような巨人まで連れてきた」

ロッド「………」

ピクシス「奴等は壁の巨人がもうじき現れる事も隠していた」


アルミン「………ですが、恐れないでください!パニックを起こさないでください!!」

アルミン「僕らにはこの………ヒストリア・レイスがいるのですから!!!」

ヒストリア「いっ!!?」

アルミン「見たでしょう、彼女はリヴァイ兵長を凌ぐ戦闘力を持ち!更には巨人を操る力まで備えている!!」

ヒストリア「ちょっ…ま…」

リヴァイ「…」ギロッ

ヒストリア(うわ、余計な事言うなって感じに睨まれてるよ…)

ピクシス「……調査兵団がしたことは許されんが、それはこの世界の理不尽なものに絶望してのこと………彼等はレイス家…いや、この世界への怒りや憎しみに振り回されこのような行動に至ってしまったのだ」

ピクシス「だが、皆はこうなってはならない!感情に振り回されてもそれは破滅を呼ぶだけじゃ!!今こそ人類が1つとなり…この世界と立ち向かわなければならん!!!」

ピクシス「ここにいる若者達のように真っ直ぐな心を持つべきなのじゃ!!」

アルミン「ええ!!僕の天才頭脳と……」

アルミン「ヒストリアの力……そして皆の力で!!!」


アルミン「この世界を変えてみせるぞ!!!」

ヒストリア「おおおぉぉぉっ!!!」

―――巨人出現地点

エレン「…ユミルはアルミン達のとこに行ってくれ。俺は他に用がある」

ユミル「ああ」

エレン「…」ザッザッザッ


エレン「…母さん…」

カルラ「…エレン」

エレン「……少し前にキース教官が来て、俺に伝えてくれた…でもまさか、本当に……」

エレン「母さんはレイスの人間で、巨人化の能力者だったなんて……」

カルラ「ええ、まあ…私は不完全なんだけどね。すぐに消えちゃったでしょ」

エレン「…レイスの事を民衆に晒すために、わざわざあんな事をしたのか?母さん」

カルラ「そうよ……あんなの見られたらもうレイスもおしまいね」

エレン「母さんは………父さんも、一体何者なんだ!?」

パアアアンッ!!!

エレン「!!?」

カルラ「銃声!?」

エレン「あの銃声は……聞き覚えがある………まさか!!!」

エレン「俺はアルミン達のとこに行く!後で聞かせてくれよ!!」

カルラ「ええ……生きて帰るのよ」

―――時は少し戻り

広場


「ヒストリアーー!!!」

「ヒストリアーー!!!」

ヒストリア「あああ…何この状況……私、こういうの苦手なのよ……」

アルミン「苦手なのかい、そりゃ意外だ」

ナイル「エルヴィン、リヴァイは憲兵団が預かる」

エルヴィン「…」

ナイル「…お前が予想していた通りになったな、エルヴィン」

エルヴィン「ああ……我々が悪人になることで、パニックに陥った人間の醜くさを民衆に見せ考え直させる事により人類を逆に冷静にさせる。そして、レイスの娘が民衆を助けに現れレイス家の秘密を語る……我々調査兵団が語るより、体を張って助けに来てくれたヒストリアの話の方が信用できるだろう」

ナイル「………」

エルヴィン「後は…民衆からの信頼が高いピクシス司令やお前が…人類をまとめてくれ……」

ナイル「……しかし…これからどうするんだ。団員ならまだ、脅迫されていたとか…何とでも言って許しはしてもらえるかも知れんが…指導者であるお前はこれから肩身の狭い思いで生きて行かねばなるまい」

エルヴィン「私は今まで多くの命を切り捨ててきた…その程度の報いなど、まだまだ足りないくらいだ」

ナイル「…そうか」




ヒストリア「…リヴァイ兵長…足の怪我、すみません…」

リヴァイ「何で謝ってんだお前は」

ヒストリア「…手を、抜いてくれてたんですよね」

リヴァイ「まぁ…そうだな。確かにお前にもわかりやすいように予測しやすい行動をしてやったし、攻撃する時の力も半分以下にとどめてやった」

ヒストリア「…」

リヴァイ「だが、スピードだけは本気だったぞ」

ヒストリア「え?」

リヴァイ「他の部分は手を抜いたが、スピードだけは全力を出していた……だが、ヒストリア。お前はそれについてくる事ができた」

ヒストリア「…」

リヴァイ「そして途中からはアルミンの指示が無くても冷静な判断が出来ていた…」

リヴァイ「大したもんだ、ヒストリア。お前はもう立派な……一人前の兵士だ」

ヒストリア「はい!」


パアアアアッンッ!!!

ヒストリア「!?」

リヴァイ「な…」

アルミン「銃声だとお!?」

ミカサ「え?え?」オロオロ

ジャン「なんだ、誰が撃った!?」


ナイル「…!ロッド・レイス、貴様まだ何かしようというのか!?」

ロッド「ち、違う…私は知らない!!」


「はっはっはっは!!!」ジャキンッ

アルミン「!!!」

ヒストリア「あいつ…!!!」



ケニー「茶番劇はここまでだぜ………」


リヴァイ「ケニーー!!!」

バシュシュシュシュッ!!!

アルミン「!!誰か来るぞ、大量に!!」

ミカサ「え!?」

バシュッ バシュッ

調査兵団員「ぎゃあああっ」ドサッ

ジャン「何だあいつら…早い!!」

ケニー「アッカーマン部隊…人類最強の戦闘部隊だ……まぁ、今は人類の敵だがな」

アッカーマン隊「…」

アルミン「ちっ!住民もいる!まずは住民を遠くへ逃がすことを優先しろ!!」

ジャン「わかった!」

ケニー「…人類の希望を、今ここで殺してやろう…」ガチャンッ

ヒストリア「!!」

アルミン「ヒストリア!!」ダダダッ

ケニー「もう逃げられん!バキュウウウンッ!!」
バキュウウウンッ!!

パアアアアッンッ!!!

ブシュウウウッ!!!


アルミン「!!!」

リヴァイ「!!!」


ヒストリア「…え…?」






ロッド「…ヒス…トリア……」


ヒストリア「……え?」

ロッド「ぐふっ」ドサッ


ケニー「ちっ!邪魔しやがって」

リヴァイ「ケニーーー!!!」バシュッ

ケニー「おっと、リヴァイか!?でかくなりやがって…」

リヴァイ「貴様…なにをしている!!!」ジャキンッ



アルミン「ヒストリア!!」ダダッ

ヒストリア「…え…な…んで……?」

ロッド「ヒストリア……今まで、すまなかった………」

ヒストリア「…は?」

ロッド「私は…ずっと、操り人形だった…いや、レイス家そのものが、ずっと……」

ロッド「私はずっと…多数の命を奪った…そして自分は悪人だと思い込み、歪んだ性格を作って行った…その結果、次第に…私は、何が本当の自分なのか、わからなくなってしまったんだ…」

ヒストリア「………」

ロッド「…本当に、ごめんな…今まで……」

ヒストリア「…今さら何を…」

ロッド「最後に…一度だけでいい……お父さんと呼んでくれ……」

ヒストリア「ふ、ふざけんじゃないわよ!!!」

ヒストリア「今さら何を言ってんのよ!散々わたしに酷い事して…ユミルを利用し拷問して!!都合が良すぎるわよ!!あんたなんかお父さんなんて呼べるわけが無い!!!」

ロッド「ああ…その通りだ…都合のいい最低な人間だ。だが、それでも…お願いだ…一度だけ…一度だけでいい……」

ヒストリア「………っ!」

ロッド「…」

ヒストリア「…」



ヒストリア「………」





ヒストリア「…お父さん…」






ヒストリア「………」

ヒストリア「………」

ヒストリア「っあああああああああああああああああああ!!!!!!」

アルミン「………」

ヒストリア「……はぁ……」

アルミン「ヒストリア…」

ヒストリア「…ねえ……アルミン…」

アルミン「なんだい」

ヒストリア「もし、普通の世界で産まれてたら……私も、普通の家族に囲まれて、暮らしてたのかな…」

アルミン「…それは…誰にもわからないよ」

ヒストリア「……だよね……」

ユミル「そんな…もしかしたら、何て考えても…どうにもならねぇよ」ザッザッ

ヒストリア「!」

ユミル「…前を向け。立て。まだ私らには…やらなきゃいけない事があるだろ」

ヒストリア「うん…そうだね………………行こうっ!」

エレン「はあ…はあ…これは!!?」ザッザッザッ

ミカサ「エレン!」

ジャン「早く加勢してくれ!こいつら…強すぎる!!」

アッカーマン隊「…」ジャキンッ

エレン「くっ…てめえら、まとめてぶっ飛ば…」

オオオオオオオッ!!!!!

エレン「え!?」

ジャン「な、なんだ…この雄叫びは…」

ユミル「こいつは巨人の雄叫びだ」

アルミン「ローゼの方から…ついに来たか」

エレン(な、なんだ…この雄叫びを聞いてると……)

ビリビリビリビリッ

エレン「う!?」

アルミン「エレン、どうした!?」


…殺せ

エレン(!?)

殺せ……人間を……全て

エレン(頭の中に…声が…)

ビリビリッ!!

殺せ!!!


エレン「…殺……せ…」

エレン「ニン…ゲ…ン…を…」


アルミン「!?」

ミカサ「エレン!?」

――――――――

エレン(ここは……)

ヒュウウウウン…
ドゴオオオオオッ!!!
『エレン…これは旧人類の戦争、殺し合いの姿だ』

エレン(空飛ぶ機械…爆発やキノコみたいな雲がたくさん)

『そして海や森までも汚染し破壊し尽くした』

エレン(そうか…知性巨人にはユミルの細胞が使われている。だからこんな光景が記憶の奥底に…)

『人類を滅ぼせ…それが世界を救う道だ』

クリスタ「ーーエレン!駄目…その声を聞いちゃ駄目!!」

―――滅ぼせ!!!

エレン「ニンゲン……駆逐…してやる…この世から」

イッピキ ノコラズ!!!

エレン巨人「オオオオオオオオッ!!!」

アルミン「エレンが…巨人に…!」

ミカサ「エレン!!」バシュッ

エレン巨人「オオオオオオオオッ!!」ブンッ!!

ミカサ「きゃあああ!!」

ジャン「ミカサを殴りやがった!!?」

アルミン「ミカサ…近づくな!!!」

ミカサ「うう……」

ヒストリア「な、なに!?なんで!?」

ユミル(あのエレンの叫び…あの叫びはまさか…)

エレン巨人「オオオオオオオオッ!!!」

ミカサ「い、痛い…血が、血が!!」

アルミン「落ち着け、ちょっと頬をかすっただけだ!!」

ジャン「エレンの野郎…!なんで急に…」

ミカサ「いたっ、頭が!!」ズキンッ

ヒストリア「ちょ、大丈夫!?」

ミカサ「また……これだ……」

ミカサ「私の中に……私じゃない私が………」

アルミン「は!?」

ミカサ「いたい、頬に傷してから……もっと…」

アルミン「おい!しっかりしろ、ミカサ!」

ユミル「お前ら、今すぐエレンを止めろ!!」

ヒストリア「え!?」

ユミル「あれは…壁巨人を呼び出す時の叫び声だ」

アルミン「ぬあっ!?」

ジャン「なら、さっさとエレンのとこに…」

アッカーマン隊「…」ギュンッ!

ジャン「うわ!?こいつら…」

ヒストリア「私達がエレンに近づくのを邪魔してる!!」

アルミン「ぐっ…敵の方が上手だったみたいだ…」

エレン巨人「オオオオオオオオッ!!!」

ケニー「くく、俺とアッカーマン隊はエレン巨人に奴等を近付かせない命令を受けた…」

リヴァイ「…外の敵の側についたか」

ケニー「ああ、そうだ」

リヴァイ「壁内に巨人側の内通者がいたことは予想できていた…そして、壁内の情報が外の敵に漏れているなら攻めてくるのはこのタイミングだろうと思っていた」

ケニー「だからトロスト区に兵を置いていたのか」

リヴァイ「だが、貴様や、あんな部隊がいたこと…そして、エレンが操られる事は想定外だった」

ケニー「俺達はその外の敵の内通者に誘われて巨人側についた。ソニーとビーンとかいう奴等だったかな」

リヴァイ「ふざけやがって…!」ギュンッ

ケニー「止めてみろよ、リヴァイ!!」

ミカサ「痛い……痛いよ…」

アルミン「くっ、ミカサは休んどけ!みんな、エレンを止めるぞ!!」

ジャン「おう!!」

ヒストリア「うおおおっ!!」ギュンッ

アッカーマン隊「…」ジャキンッ


ミカサ「エレン……どうして………」

ザッザッ…

ミカサ母「ミカサ…」

ミカサ「!お母さん!?」ビクッ

ミカサ母「もう人類はダメよ……」

ミカサ「え?」

ミカサ母「使いなさい、貴方の腕にある印の力…」

ミカサ「…え?」

ミカサ母「全てを一からやり直す」

ミカサ母「私達の一族は、代々からこの印を受け継いだ…時を戻す力を。人間の最後の切り札として」

ミカサ母「この印は座標と繋がっている。それに向かって、世界を一からやり直す事を命令しなさい。そうすれば人類が完全に滅亡する事はない…また時を戻す事ができる」

ミカサ「え…………」

ミカサ母「あなたの仲間達も…あんな状況じゃエレンに近づくなんて不可能よ」

アルミン「うわあああ!!」
ヒストリア「アルミン!!」
ジャン「余所見するな…うっ!?」
ユミル「駄目だ…こいつら強すぎる…私達じゃ勝てない!?」

ミカサ母「今ならまだ間に合う。このままじゃ壁巨人も出てくる。さあ………」

ミカサ「………や………」

ミカサ「やだよ!!」

ミカサ「そんな事したら……今までの思い出も、全て、無駄になっちゃうよ!!!」

ミカサ母「!」

ミカサ「お父さんとお母さんが生きててくれた…エレンやアルミンと会えた…ヒストリアは明るく皆と打ち解けられた。アニと親友になれて…ライナーやベルトルトとも和解できた。サシャもコニーもジャンもマルコもユミルも…みんな今まで生きてこれた」

ミカサ「ここまで来たんだよ!ここまで来たのに…全てを台無しにするなんて、私は嫌だ!!」

ミカサ母「ミカサ…」

ミカサ「………私は………」

―――戦え!

ミカサ「!」

――戦え!!

ミカサ(この声は…)


それがいつ聞いた記憶なのかはわからない。でも1つだけわかった事がある。
それは…エレンの声だった。



 戦え!!!



ミカサ「…」





ミカサ「戦わなければ……勝てない」

アルミン「ぐうっ!!」ドサッ

ジャン「くそ…こいつら」

アルミン「親友のピンチだってのに!!」

ヒストリア「1人でも厳しいのに…それがいっぱいいるなんて…」

ユミル「どうすんだよ」

ビュンッ!!

アルミン「え?」

ビシュッ ビシュッ!!!

ジャン「あれは…」

アッカーマン隊「…!」ドサッ


ミカサ「……みんな、大丈夫?」スタッ

アルミン「ミカサ!!」

ジャン「大丈夫なのか!?」

ミカサ「私は問題ない…ので、心配いらない」

ヒストリア「…え?」

アルミン「ん?」

ジャン「あ?」

ミカサ「どうしたの?」

アルミン「今、しゃべり方おかしかったぞ!!?」

ミカサ「そんな事はない、私は普通」

ヒストリア「いやいや、明らかに違うよ!なにがあったのさ!?」

アッカーマン隊「…」ギュンッ

ミカサ「邪魔」バシィンッ!!!

アッカーマン隊「ぐぎゃっ!?」ズザザザッ

ジャン(一撃でやりやがった…)

アルミン「ミカサ、いつにも増して絶好調みたいだね。やれるか?」

ミカサ「ええ…」

ユミル「今のミカサがいればなんとかなる。みんな私の巨人に乗れ…一気にエレンのとこまで行くぞ」

アルミン「よし、エレンに僕らで近づく…そして、うなじ部分から声をかけ目を覚まさせる!!」

ジャン「…上手く行くか知らねぇが、やってみるか」

ヒストリア「必ず成功させる!」

ミカサ「ええ、みんな……行こう!」

エレン巨人「オオオオオオオオッ!!!」

ミカサ(エレン…必ず助ける)

アッカーマン隊「…」ビュンッ

ヒストリア「わ、来た!」

ミカサ「伏せて、ヒストリア」
バシュシュッ!!

アッカーマン隊「アウチッ!!」ドサアッ

ジャン「さっきまで追い詰められてたのが嘘みてぇだな…」

アルミン「今のミカサがいれば安全安心快適だ!!このままエレンのうなじまで突っ込め!」

ヒストリア「いっけぇ、ユミル!!」

ユミル巨人「アアアアアッ!!」

エレン巨人「グオオオオオオッ!!!」

ピシッ…ピシッ

アルミン(…!壁にヒビが入り始めた…急がなければ…)

ジャン「なあ、思ったんだが…エレンをうなじから切り離せばいいんじゃないか?」

アルミン「いや、エレン自身が恐らく敵の巨人の叫びで操られているんだ。切り離したところでエレン自身が操られている事は変わらないし、また巨人化されたら意味がない」

ミカサ「なるほど…」

ヒストリア「だから、声を掛けて正気に戻させるんだね」

アルミン「うん。もしくは向こうにいるライナー達が叫びの元凶を倒してくれたら…と思うけど、その元凶を倒したところで叫びの力の効果が失われるかはわからない。何より急がなければ壁巨人が出てくる」

ミカサ「わかった。急ごう」

アルミン「よし、全員エレンのうなじに飛び移れ!!」

ケニー「あいつら、何か企んでやがるか、やらせねぇよ!」ガチャッ

リヴァイ「テメェの相手は俺だろうが」ビュンッ

ケニー「おっと、あぶねぇ!足怪我してる癖に何て動きだこいつ!!」

リヴァイ「ヒストリアも加減して攻撃したみたいだからな……動くのに支障はない」

リヴァイ「…それより、何だテメェのその気持ち悪い体は」

ケニー「ははは、カッコいいだろ!?」

リヴァイ「なんでさっき斬った腕が再生してやがる」

ケニー「巨人の力を少しだけもらったのさ…巨人化は出来んが、体が丈夫になり…再生能力までついた!!」


アルミン「…縦1m…横10cm……ちょっと痛いが我慢しろよ!!」ドスッ

ミカサ「ああ!?」ビクウッ

アルミン「大丈夫、エレンの腕に刺さっただけだ!このブレードから中のエレンに声を伝えるぞ!!」

ジャン「…」

アルミン「エレン、何やってんだ!!敵の叫びなんかに操られてどうするんだ、目を覚ませ!!!この寝坊助め!コラーッ!!!」

ヒストリア「…」

アルミン「…この世界を平和にして、皆で外の世界を探検するんだろ!!こんな事してる場合じゃないだろ!!起きろーー!!!」

エレン巨人「…グウ…オオ…」

ヒストリア「!少し大人しくなった!?」

アルミン「まだだ!まだエレン巨人の目がおかしい!!」

―――――――

『壊せ 殺せ 滅ぼせ』

………違う。俺はそんな事は…



『何やってんだエレン!起きろーー!!』

………この声は……



…でも、ダメだ。何だかぼんやりして……自分が自分でなくなっていく…もう、俺は……


???「エレン」

!!

???「大丈夫だ……彼らを信じろ」

え、なんで…なんであんたが……

???「私はこの日を予測し、お前の脳内に細工をしておいた…」


???「後は、アルミン君やミカサ達や仲間たちを信じるんだ。彼らなら…」

―――――

エレン巨人「オオ…オオオオッ!!」

アルミン「まだ止まらないか…」

ヒストリア「私もやるよアルミン!」

アルミン「おう、やったれヒストリア!」

ヒストリア「エレエェェン!!敵に操られて好きにされるなんてあんたらしくないよ!!聞こえてるの!?」

アルミン「起きろーー!!」

ヒストリア「起きろーー!!」

エレン巨人「オオオオッ!」

ヒストリア「はぁ………はぁ………」

ヒストリア「……」


ヒストリア「お姉ちゃんも、何してるの!!エレンと一緒にいるんでしょ!?」


ヒストリア「お姉ちゃん…聞こえてるなら、エレンを目覚めさせるの手伝ってよ!!」

エレン巨人「…」

アルミン「!」

ヒストリア「いい加減しないと……二人揃ってお尻ペンペンだぞおおおおおおお!!!」

エレン巨人「…グウウ…」

エレン巨人「アアアアアアッ!!!」

ビリビリビリッ

ヒストリア「きゃっ!?」

アルミン「また叫び出した…でもだいぶ不安定になってる……エレンとヒストリアの姉さんが必死に抵抗してるのかも知れない!!」

ミカサ「なら、もっと声をかけてあげよう」

アルミン「おうよ!!」

ケニー「…」

ピシッ ピシッ…

ケニー「いいことを思い付いたぞ」

リヴァイ「!何か企んでやがるな…やらせねぇ!!」ビュンッ

ケニー「リヴァイ、お前の動きの癖はだいたいわかってんだ!」バキュンッ!!

リヴァイ「ぐっ!?ちっ…」

ケニー「おらよ!!」バキュンッ バキュンッ!!

リヴァイ「!!」

バキッ ガラッ……

リヴァイ「しまった…」

壁の巨人「…」ズズズ…

ケニー「一点に攻撃するなら対人立体機動装置の威力は強力だ。ヒビが入った壁なら破壊出来る」

リヴァイ「くそっ…!」

ユミル「おい!壁の巨人が一体出てきちまったぞ!!!」

壁の巨人「…」ズシイイイイインッ

アルミン「ええい、なんてこった!!!さっさと何とかしなけりゃ地獄絵図だ!!!」

ミカサ「私が…」

アルミン「ダメだ、ミカサはここだ!エレンのとこにいろ!!」

ミカサ「!」

ジャン「アッカーマン部隊もまだいるからな…ミカサはここにいるべきだ」

ミカサ「…わかった」

ヒストリア「じゃあ、私が行けばいいんだね!?」ザッ

アルミン「…やれるか?ヒストリア。あいつの戦闘力や能力は未知数だ」

ヒストリア「……私はアルミンの剣だ!!邪魔をする奴は私がなぎ払う!!!」ザンッ

壁の巨人「…」ズシイイイイインッ ズシイイイイインッ

ヒストリア「ユミル、行くよ!」ジャキーンッ

ユミル「ああ。突っ込みすぎるなよ、ヒストリア」ガリッ

ヒストリア「わかってるよ!」

ユミル巨人「オオオオオオッ!!」カアッ

ヒストリア「ユミル!あなといれば私は…どんな奴が来ようと怖くない!!」ザッ

壁の巨人「…」ズシイイイイインッ

ユミル巨人「…」バシュンッ

ヒストリア「かかって来い、壁の巨人!!!」

ケニー「あの餓鬼どもも…」ガチャン

リヴァイ「やらせるかぁ!!!」ギュギュンッ

バシュッ バシュッ!!

ケニー「ぐおおっ!!!」

リヴァイ「テメェの好きにはこれ以上やらせねぇ」


アッカーマン部隊「…」ジャキッ

ミカサ「くっ、また」ビシュンッ

アッカーマン部隊「!!」ドシャアッ

ジャン「……おい、みんな、テメェの為に必死になってんだぞ。お前を元に戻そうと命を賭けてんだ」

ジャン「言ってたよな…全員で生き延びて、外を探検するってよ。このままじゃ、誰が死んでもおかしくねぇ。お前はそれでいいのか、自分の大事ものを…仲間たちを…守りたいんだろ」

ジャン「…ミカサを、守ってやれよ!エレン!!目を覚ませ!!」

ピシッ…ピシッ!!

壁の巨人「…」

アルミン「まずい、またもう一体出てくるぞ!!」

ジャン「…そろそろ俺も、行かなきゃならねぇな。アルミン、ミカサ…任せたぞ」ザッ

アルミン「わかった。ジャン、頼んだ!」

ミカサ「…頑張って」


アッカーマン隊「…」ギュンッ

アルミン「くっ、ぞろぞろとしつこいな…ミカサ!後は任せたぞ!!」ジャキッ

ミカサ「え、アルミン!?」

アルミン「ミカサがエレンを呼び覚ましてやれ!!あいつらは僕がやる!!」

ミカサ「…でも、アルミンじゃ…」

アルミン「ああ、僕じゃ長くは持たない!だから早くしろ!」

ミカサ「…わかった」

ミカサ「エレン!みんながエレンの為に戦っている……」

ミカサ「あなたが、敵になるなんて嫌だ。目を覚まして!!また、昔みたいにいつもの日常に戻りたい!!」

エレン巨人「…」

アッカーマン部隊「…」バシュッ

ガキイイインッ!!

アルミン「んぐっ、こんのおお、パワーが違いすぎる!!」

アッカーマン部隊「…」ザシュッ!!

アルミン「いってえ!!!」

ミカサ「!!」

ミカサ「エレン!お願い…早く!」

リヴァイ「…!ちっ、邪魔だケニー!!」ザシュッ

ケニー「ぐおっ!!」

リヴァイ「ちょっと寝てろ!!」ブンッ

ケニー「おおお!?」ドガガガ

アッカーマン部隊「…」

アルミン「ああ、ダメだ、くそっ…自分の弱さに腹立つな!!」

ギュギュンッ

アルミン「!」

ザシュッザシュッ!!

アッカーマン部隊「っ!!」

リヴァイ「…よえぇ癖に無茶すんな」

アルミン「リヴァイ兵長!」

アッカーマン部隊「…」ビュンッ

リヴァイ(…まだ居やがるか。そろそろまずいな、体力が限界になりそうだ)


エレン巨人「グオオオオッ!!」

ミカサ「うっ!!」

ピシピシッ…ピシッ

ミカサ「どんどん壁にヒビが…」

ヒストリア「…!ユミル、また壁巨人が出そうだよ!」

ユミル(ちっ…ヤバいなこりゃ)

壁の巨人「…」ピシッ

ジャン「まずい…このままじゃ本当に!!」

ヒストリア「くっそ、何体来ようが諦めない!!」

ミカサ「……」

アルミン「はあ…はあ…」ヨロッ

リヴァイ「どんどん来やがる…なんなんだこいつら」

ミカサ「………」

エレン巨人「…」

ミカサ「エレン……聞いて、伝えたい事がある」


ミカサ「私の家族を、救ってくれてありがとう」


ミカサ「私と…友達になってくれてありがとう」


ミカサ「私に…マフラーを巻いてくれて、ありがとう」

エレン巨人「……グッ…」

ミカサ「!」


エレン巨人「グオオオオ」


オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!


ミカサ「きゃっ!?」


ヒストリア「!!」

ジャン「なんて叫び声だ!!」

ヒストリア「も、もう駄目なの?」

アルミン「いや、違う…」

ヒストリア「え?」

ジャン「あ…壁の巨人が」

壁の巨人「…」ピキピキピキッ

ユミル「…動きを止めて硬化し始めた。壁のヒビも修復し始めている」

アッカーマン部隊「…」ヒュンッ ヒュンッ

リヴァイ「…!あいつら、後退したぞ」

アルミン「…まさか、エレンが…」



ミカサ「…」

エレン巨人「…ミ……カ……サ…」

ミカサ「エレン!」

―――――
エレン「……なんで、あんたもここにいるんだ」
エレン「父さん」

グリシャ「…」

グリシャ「イェーガー家は…本来壁の世界を管理する一族だった。地下の墓所にいるものに従ってな」

エレン「え?」

グリシャ「だが…私は自分の役目を放棄した…そして一度は壁外勢力についた」

エレン「!」

グリシャ「だが、私は…カルラと出会い、彼女と、彼女の愛する壁内の世界を守ることを選んだ」

エレン「……」

グリシャ「私はクリスタの力を誰の手にも使わせない為にお前の中に隠した………そして、壁の巨人が出る日に、お前の力を使い食い止める予定だったんだ。これを考えたのは私だ…私はこんな事をする父親だ。恨んでくれてかまわない」

エレン「いや、人類の存続の為だから…それに、クリスタもそれに賛成したってなら、仕方ないとは思うけど……父さんがここにいる理由はなんだ!?」

グリシャ「…壁外勢力にも、叫びの力を持つものがいた」

エレン「え?」

グリシャ「私は今まで巨人や叫びの力を研究していた…そのメカニズムも少しだがわかっていた。だから、もしも…お前が壁外勢力に叫びの力で操られた時、少しでもその力を抑えられるように………私は叫びの力への抗体として自分の魂と記憶をお前の中に取り込ませていたんだ」

エレン「…」

グリシャ「そして、それによって出来た隙間からアルミンやミカサ、仲間達の声がお前に届いたんだ」

エレン「……」

グリシャ「さあ、戻れ。まだ戦いはこれからだ」

エレン「…急に現れて、こんなの…酷いよ、父さん」

グリシャ「ああ…父親らしい事をしてやれなかったな……エレン。すまなかった」

エレン「………必ず守ってみせるよ。みんなを」

グリシャ「ああ……頼んだぞ」



カアッ!!!

―――――

エレン「…」

アルミン「エレンが元に戻った!!」

ミカサ「グスッ…良かった…」

ジャン「…大丈夫か?」

アルミン「ああ、気を失ってるだけだよ。ちゃんと生きてる」

ヒストリア「良かったね、ミカサ」

ミカサ「うん」

ユミル「…」

ミカサ「…」

ミカサ「皆も、生きてて良かった……」

アルミン「え?」

ミカサ「ありが…とう」ドサッ

ヒストリア「ミカサ!?」

ジャン「おい、どうした!?」

アルミン「おい、急にどうした、ミカサ!!」

ミカサ「…」

ミカサ「…ん…」

アルミン「お、覚めるの早いな」

ミカサ「あ…ごめん…ちょっと気を失ってた…」ヨロッ

ジャン「…ビックリしたじゃねぇか…」

ミカサ「…エレン、ちゃんと戻って来れたんだね」

エレン「…」

ミカサ「あ、エレン、腕怪我してるよ!」オロオロ

アルミン「ああ、そういえば僕が刺しちゃったからね…まぁ、修復してきてるしすぐ治るよ」

アルミン「…って、ん?」

ミカサ「私のほっぺの傷も大丈夫?」オロオロ

ユミル「それくらいならほっといても大丈夫だよ」

ヒストリア「ありゃ、いつものオロオロミカサちゃんに戻った」

アルミン「今回は記憶はあるのか?」

ミカサ「うん…ちゃんとあるよ。全部覚えてる」

アルミン「ミカサってなんだか常にオロオロしてるイメージあるからね。ビックリしたよ、急に雰囲気変わるから」

ミカサ「そんなことないよ…オロオロしてないよ」オロオロ

ユミル(してるじゃねぇか)

ヒストリア「…次は、トロスト区だね」

ジャン「ああ」

アルミン「エレンが覚めたらすぐに行くぞ」

ミカサ「…わたし、自分の体の使い方も覚えてる」

アルミン「!」

ミカサ「今なら、自分の体を完全に支配して戦える」

アルミン「そりゃ頼もしい、期待してるよミカサ」

ミカサ「うん、頑張ろう!」ザッ

ガッ!!

アルミン「あ」

ミカサ「わああ!?」ズテーンッ

ジャン「ミカサアア!?」

ミカサ「…石につまずいてこけちゃった…」グスッ

アルミン「気を付けろよミカサ~」

リヴァイ「何やってんだテメェは…ったく」

ミカサ「ひっ、ごめんなさい!!」ビクウッ

ジャン(どじっ子と怖がりは相変わらずなんだな)

エレン「…うっ……」

アルミン「お、エレン!!」

ミカサ「もう大丈夫だよね!?」

エレン「ああ…ありがとうな」

ジャン「手間かけさせやがって……ったくよ」

エレン「おう、悪いな。ジャン」

ジャン「ふん。謝る必要はねぇよ」

ヒストリア「これで一安心だね!」

エレン「…叫びの力を受けた影響からか、少しわかった気がする。座標の力の使い方が」

アルミン「本当かい!?」

エレン「ああ…行くぞ。勝って、全て終わらせて…自由を手にいれる為に」

ミカサ「うん!」

エレン「あ、そうだ……ミカサ」

ミカサ「どうしたの?」

エレン「…いや。全てが終わってから話そう」

ミカサ「?」



アルミン「よし、ガスを補給したら即座に出動だ!!!いいな!!」

ヒストリア「おうよ!!」

―――――時は少し戻る
トロスト区


ライナー「…今頃向こうは上手く行ってるだろうか」

ベルトルト「上手く行ってる事を祈ろう。僕らの仕事は…ここに来る壁外勢力を迎え撃つ事だ」

アニ「うん」

ライナー「…生きて戻るぞ。ベルトルトもアニも」

ベルトルト「当たり前だ」

アニ「ライナーこそ、他人の事を気にしすぎてしくじるんじゃないよ」

ライナー「わかってるさ」

ハンジ「…それで、カルラさんがエルヴィンのとこに来たんだよ。今回の内地の方の作戦も半分はカルラさんが考えたんだ」

コニー「そうなんですか…」

サシャ「だから、エレンのお母さんが居なくなってたんですね」

ハンネス「おい、全員!戦闘の準備をしておけ!」

ハンジ「!」

ハンネス「門の前に巨人が増えてきてやがる!もしかしたら…」

ライナー「来るか、準備はいいな」

ベルトルト「ああ」

アニ「…誰が来ようと迷わない…」

―――――894 山中での訓練

アルミン「山での訓練は去年の雪山以来だね!」

エレン「去年は大変だったな」

ミカサ「うん」

ユミル「暑いな…なんでこんな時季に山で訓練せにゃいけないんだ」

ライナー「兵士はどんな状況でも動けなければならん。文句は言うな」

クリスタ「さっすが班長は言うことが違うね!」

ライナー「おう…照れるな」

ユミル「やらしい顔でクリスタ見んなよ」

エレン「それにしても本当に暑いな…」

ミカサ「お水…」ゴクゴク

ライナー「水は大事に飲めよ」

クリスタ「………」

ユミル「…ん?」

アルミン「おい、クリスタ…大丈夫か?ちょっと顔色が悪…」

ドサッ!


クリスタ「…」

ユミル「おい、クリスタ!?」

アルミン「大丈夫か!?ちゃんと水分補給してたのか!?」

ユミル「おい、お前水筒がねえじゃねえか…どうしたんだよ」

クリスタ「あはは…ごめん……途中の道で野良犬が水欲しそうにしてたから…あげちゃった……」

ユミル「なにやってんだよ!?」

アルミン「はあ……自分も大事にしろよ、クリスタ」

ユミル「クリスタ運んでくる、お前らは先に行け。ほら、私の水飲めよ」

クリスタ「ん…」

アルミン「すまない、任せるよ。クリスタ…無理するなよ、全く」

クリスタ「へへ…アイムソーリィ」

―――――訓練終了

アルミン「んなぁ!クリスタとユミルがいないだって!?」

キース「ああ…二人は来てないぞ」

アルミン「ええい、まずいな!どっかで遭難したのか!?」

ライナー「…!!」ダダダッ

ベルトルト「ライナー!」

ライナー「こんな暑い日に山で遭難なんかしたら大変だ、助けに行く!」
エレン「俺も行くぞライナー!」

ミカサ「私も…」

アルミン「ミカサは医療器具持ってこい!一応!」

ミカサ「わかった!」




―――――――

ユミル「…なんてこった、私としたことが………」

クリスタ「……」

ユミル(まさか途中でクリスタを狙う中央憲兵と遭遇するとは…雪山の時もいたのにうっかりしていた)

ユミル(奴等を撒いてたら迷子になるなんて情けねぇ)

クリスタ「…ユミルは悪くないよ……私を守ろうとして逃げたんだから……」

ユミル「…ほら、水飲め」

クリスタ「…」ゴクゴク

ユミル「…クリスタ、動けるか?」

クリスタ「まあ……なんとか。だいぶ良くなってきたよ…まだ気持ち悪いけど」

ユミル「先に行け、私は動けん」

クリスタ「え!?」

ユミル「お前に水全部飲ませちまったからな。正直もう喋るのも苦しい」

クリスタ「な、なんで!自分の分残せば良かったのに!!」

ユミル「いいから行けよ…私はお前と違って頑丈だから大丈夫だ。助けを呼んできてくれ」

クリスタ「…!!」

クリスタ「でも…どこに出ればいいかわからないし…」

ユミル「…今頃アルミンやエレンやライナー辺りが探しに来てる頃だろう。体力がほとんど無いから一瞬しか無理だが…私の巨人の蒸気で大まか方向だけは向こうに伝えてやる。そうすればこっち側に向かって来ると思うから、後はクリスタがアルミンやライナーを探して私の場所を教えてくれ」

クリスタ「…、わかった!すぐに呼ぶから!!待っててね!!」ダダダッ
―――――

ザッザッザッ

アルミン「こっちから巨人らしき蒸気が見えた、たぶんユミルだ!!」

ライナー「わかった、あっち側を手分けして探すぞ!!」ダダダッ

エレン「了解だ!」

ザッザッザッ

「ライナー!!」

ライナー「!」

クリスタ「ライナー…早く来て!」

ライナー「クリスタ…お前は大丈夫なのか!?」

クリスタ「私はいいから、早くユミルを助けて!!」

ライナー「!!…わかった、すぐに行く!!」

クリスタ「はあ…はあ…」ザッザッ

ライナー「クリスタ…まだ苦しいんだろ。無理するな」

クリスタ「私は大丈夫だから…」

ライナー「ユミル!」

クリスタ「!!」

ユミル「…」

ライナー「おい、大丈夫か、おい!!」

ユミル「…」

クリスタ「は、早く運ばなきゃ!!」

「待て」

クリスタ「!」

中央憲兵「そこを動くな」

ライナー「ちっ、こんなときに…」

クリスタ「なにさ、あんたら!邪魔すんな!!」

中央憲兵「抵抗するようだな、そこの気絶してる女を撃って脅せ」

中央憲兵「了解」

ユミル「…」

ライナー「!!」

クリスタ「え!?」

パパパパパパンッ!!!!!!

クリスタ「…!!!」

ライナー「ぐっ…うう…」

クリスタ「ライナー!!!」

中央憲兵「あいつ、盾になりやがった!?」

ライナー「無抵抗な女を撃とうとするとは…外道が」ザッ

バキイッ!!

中央憲兵「ぐおお!?」ドサッ

パンッ!パンッ!!

ライナー「ぬぐうう!?」

クリスタ「ライナー…もういいよ、死んじゃう!!やめて!!」

ライナー「クリスタ、ユミルと一緒に隠れてろ!!」

ビュンッ!!!

クリスタ「!!」

エレン「おらあ!!!」バギドガゴッ!!!

中央憲兵「ぐぎゃああ!?」ズザザッ

ライナー「エレン!!」

エレン「よう、休んでろライナー!あとは俺がやる!!」

アルミン「さっきこっち側に中央憲兵が通るのが見えたんだ、だからここにいると思ってね!!」ザッザッザッ

クリスタ「アルミン!!」

ライナー「…助かったぜ」

アルミン「ミカサ!ライナーとユミルの応急処置!」

ミカサ「うん!」トテトテッ

アルミン「ベルトルト、ジャン、ライナーとユミルを運ぶのは任せた!!」

ベルトルト「うん」

ジャン「ああ、わかった」

アルミン「後はエレンとアニの師弟コンビが中央憲兵をやっつけてくれるさ」

エレン・アニ「ダブルイナズマキック!!!」

―――――医務室

ユミル「…」

ライナー「…」

クリスタ「ユミル…ライナー…」

ユミル「すまねぇな、迷惑かけて」

クリスタ「ごめん…」

ユミル「なんでお前が謝るんだよ」

ライナー「クリスタは悪くないだろ。まあ、俺達が巨人の丈夫な体で良かったな」

ユミル「ああ…」

ユミル「クリスタ、優しいのもいいが…ちゃんと自分の事も考えろよ」

クリスタ「ユミルだって人の事言えないじゃないのよさ」

ユミル「ははっ、そうだな…私もバカだよ」

クリスタ「もう無茶はやめてね…」

ユミル「お前こそな」

クリスタ「ライナーも、あんな無茶はしないでよ…自分から銃弾に当たりに行くなんて」

ライナー「ああでもしなきゃお前らを守れんだろう」

クリスタ「それでも…死んじゃったら意味ないじゃない」

ライナー「…」

ライナー「そうだな。気を付けるよ」

クリスタ「二人とも心配だよ…なんだかんだで自己犠牲なとこがあるからさ」

ユミル「ふん、お前が言うな」

ライナー「…否定できんな」

クリスタ「ユミル、ライナー…頼むから」

クリスタ「自分を犠牲にして死なないでよ」

――――――850 トロスト区 壁上


ズシンッ ズシンッ ズシンッ

モブリット「巨人多数接近!」

ハンジ「よし、迎撃準備!!」

ビュンッ ビュンッ

ハンネス「!!巨人の群れのなから立体機動で何人か来るぞ!!」

ライナー「…来たか、ベリック」

ハンジ「あれが君たちの言ってた仲間の戦士か」

ベルトルト「はい、あいつを壁に近づけてはいけません!!」

アニ「壁を破壊されるからね」

ハンジ「よし、あのベリックとかいう男を狙え、巨人に変身させるな!!」

ベリック「…壁上に待ち伏せしていたとは…こちらの動きが読まれていたのか」

ハンジ「ダウパー村の方々、お願いします!」

サシャ父「了解した!」ガチャ

パンッ!!!

ベリック「おっと、危ない!!」サッ

ハンジ「くっ、銃になれてる狩猟民族でも当たらないのか」

ライナー「よし、俺達もいくぞ、ベルトルト!アニ!」

ベルトルト「ああ!」

アニ「先には行かせないよ!」

ベリック「…ふん、忘れたのか?お前ら三人がかりでも…」

バシュシュッ!!

ライナー「ぐあっ!?」
ベルトルト「くそっ」

アニ「早い…」

ベリック「俺に勝てなかった事を」

ソニー「ベリックの邪魔はさせないよ」バッ
ビーン「今日で人類は滅びるんだ」バッ

ライナー「!!」

サシャ「はあっ!!」ビュンッ

ソニー「おっと!?」

コニー「お前らこそ、ライナー達の邪魔はさせねぇぞ!!」

ビーン「いいだろう…僕らの力を味わうがいいさ」ガリッ

ハンジ「彼等が知性巨人の人間を相手にしてる間、私らは無知性をやるぞ!彼等の邪魔をさせるな」

ミケ「わかった」スチャッ

ハンネス「やってやろうじゃねぇか」

ベリック「…そうだ、今来ているのは俺達だけじゃないぞ」

ライナー「なに?」

ミケ「ぐあああああっ!?」

ベルトルト「!!」

ミケ「ぐうっ…」ドサッ

ハンジ「ミケがやられた…誰だ!?」

「…アニ…久しぶりだな」ザッ

アニ「…!?」

アニ「…お……お父さん…?」

父「…これがお前の選んだ道か、アニ」

ハンジ「アニのお父さん!?」

アニ「気を付けて下さい!父は…強…」

父「…」ザッ!
ビュシュッ!!!

「ぐあああああっ!!」
「ぎゃあああああ!!!」

アニ「…!!」

ハンジ「なんてこった、一瞬で兵士がどんどんやられて行くなんて!!」

ペトラ「なに…あの動き」

オルオ「人間じゃねぇ…」

父「ライナーくん、ベルトルトくん、悪いが邪魔はしないでもらおう」バッ

ドフッ!ドフッ!

ライナー「ぐああっ!!」
ベルトルト「かはっ…!」ガクッ

アニ「お父さん!!」バッ

父「…アニ、娘を殴らせないでくれ」ガシッ

アニ「いたっ…離せ!!」

父「行け、ベリック!壁の扉を破壊しろ!!」

ベリック「了解!!」バッ

サシャ「あ!」
コニー「やらせるかよ!!」

ソニー「待ちなよ!」
ビーン「君らの相手は僕らだろ!!」

サシャ父「くっそ、来んなやぁ!!」パンッ パンッ

ベリック「当たらない」

ハンジ「行かせるかあ!!」バッ

ビュンッ
バカアアアッ!!!

ハンジ「いたああっ!?な…投石!?」

父「…石ころ1つで充分だ」

ベリック「…着いたな」ガリッ

カアアアッ!!!

ライナー「あ…」

ドゴオオオオ!!!!!

ベリック巨人「…」シュウウウ


ベルトルト「ベリイイイック!!!」ザッ


ドガアアアアアアアアアンッ!!!!!!

ハンネス「な…何てことだ…また壁が…」

ベルトルト「くそっ…くそっ、もう破壊させないと…思っていたのに…!!」ガリッ

ドゴオオオオ!!!

ライナー「ベルトルト!!!」

ベリック巨人「!」

超大型巨人「…」シュウウウ

ベルトルト(せめて…ここでやっつけて、これ以上壁を破壊出来ないようにしてやる!!)

ハンジ「おお…すっげえ、60メートル級巨人同士の戦い…」

ハンジ「っと感動している場合ではない!侵入した巨人を倒せ!!すぐに!!」

モブリット「了解!」

父「…じゃあ、俺も…巨人で制圧するとしよう」ガリッ

アニ「!!」



父巨人「…」ドオオオオ
ズシンッ…ズシンッ…

アニ「お父さんまで……巨人だったなんて…」

アニ「…くそっ!」

やるしか無いんだ!!!
ガリッ

カアアアッ!!

女型の巨人「…」ズシンッ


ライナー「俺も鎧の巨人で…」


オオオオオオオオッ!!!

ライナー「!?」ビリビリッ

ハンジ「うっるさ!何の声だ!!」

モブリット「分隊長!壁の上に!!」

ハンジ「ああ!?」


獣の巨人「オオオオオオオオッ!!!!!」


ライナー「あれは獣の巨人!!いつの間に!?」

獣の巨人「オオオオオオオオッ!!!!!」

ライナー(壁の上から叫んでいる…?あの方向は…)

ライナー(まさか!?)

ライナー「あいつ、叫びの力でエレンを操る気か!?やらせんぞ!!」ダダダッ

ガリッ


鎧の巨人「オオオッ!!」ズウウウンッ

獣の巨人「…!!」

鎧の巨人「…!」ブンッ!!!

獣の巨人「っと、危ないなぁ」バシュッ!!

鎧の巨人「…」ズシンッズシンッ

獣の巨人「なんだ、俺に挑もうっての?いい度胸だな」



ズウウウンッ!!!

女型の巨人「…!!!」ドシャアアッ!!

父巨人「…」ズシンッズシンッ

父(アニ…お願いだ。抵抗しないでくれ)


アニ(くっ…負けるか。誰が来ようと戦うと決めたんだ!)

女型の巨人「…!!」ズシンッズシンッズシンッ

ブオンッ!!

父巨人「…」ガシッ

アニ(…!ダメだ、攻撃しても捕まる!!)

父巨人「…」ブンッ

女型の巨人「!!」ドシャアアッ

アニ(私1人じゃ…手も足も出ないなんて…)

父(アニ…無駄だ、大人しくしておくんだ)

アニ(くそっ…まだ…)

ビュンッビュンッビュンッビュンッ

ザシュシュッ!!

父巨人「!!」フラッ

アニ(!!)

グンタ「よし、片足は削いだ!!」

エルド「女型の巨人……アニ・レオンハートだったな。俺達も協力するぞ」

アニ(!!)

オルオ「おめえ1人じゃ心配だったからな、感謝しろよガキ!!」

ペトラ「私達がサポートするから…攻撃を頼むわね、アニ」

女型の巨人「…」コクッ

父巨人「…」

アニ(お父さん…私はまだ負けないよ)

ソニー巨人「…」バッ!!

ビーン巨人「…」バッ!!

サシャ「わっ、速い!!?」ビクッ

コニー「くそっ、無知性巨人みたいな面しやがって…大人しくしてろよ!!」

ソニー巨人「…」ガシッ!!

サシャ「ひゃっ!?」

コニー「あの野郎、サシャを離しやがれ…」

ズバッ!!!

コニー「!」

ソニー巨人「!!」

ハンジ「大丈夫かい、サシャ!」ビュンッ

サシャ「あ、はい!ありがとうございます!!」

コニー「ハンジ分隊長!!」

ハンジ「さあ、私も手伝ってやるぞ新兵!!」

コニー「頼りになります!!」

サシャ「あなたがゾエ様ですか!!」

ハンジ「その通りだよ、ブラウスとスプリンガー!!!」

モブリット「真面目にお願いします!!」

ビーン(俺達が戦う人間って毎回変なやつな気がする)

とりあえず今日はここまで

―――842 壁外の村


ベルトルト「なんだよ、ライナーの馬鹿!!」

ライナー「うるせえ、デカイ体して弱い癖に!」ガンッ

ベルトルト「いったい!!」

バチコーーーンッ!!!

ライナー「ぶほっ!?」ドサッ

ベルトルト「あ…」

べリック「はあ…また喧嘩かよお前らは…」ザッザッ

べリック「ライナー、弱い奴に暴力なんか奮って恥ずかしくないのか?」

ライナー「だって、ベルトルトが…アニは僕と結婚するんだって」

べリック「んな下らない事で喧嘩するな!」バチンッ

ライナー「いたっ!」

ベルトルト「あ…ありがとう、べリックさん」

べリック「お前もやられてばかりじゃなくてたまにはやり返せよ。あと呼び捨てでいいよ、二歳しか違わないんだから」

ライナー「…」ヒリヒリ

べリック「ほら、謝れ…いつもは仲いいだろお前ら。このまま友達じゃなくなってもいいのか?」

ライナー「…」ズズッ


ライナー「…ごめん、ベルトルト…」

ベルトルト「…うん、いいよ…僕こそムキになって…」

ライナー「…でも、アニは俺と結こ」

ベルトルト「違う!僕とだ!!」

べリック「またかよ!?」

ライナー「ふん、友達として正々堂々とどっちがアニにふさわしいか勝負だ!」

ベルトルト「…!臨むところだ!」

べリック(…まあ、もう喧嘩じゃなさそうだしいいか)

アニ「…なに話してるの?」

ライナー「」

ベルトルト「」

アニ「私どっちとも結婚する気なんか無いよ」プイッ

ライナー「」ベルトルト「」

べリック「…あーあ」



―――――845


べリック「…いよいよ今日か。頑張れよ」

ライナー「おう!」

ベルトルト「戦士としての使命を果たして必ず帰るよ!」

アニ「…じゃあ、行ってくる」

べリック「マルセル、三人を頼むぞ。一番年長なんだから」

マルセル「わかってるって」

―――――847 訓練所

ライナー「…アニは大丈夫だろうか…あいつ人見知り激しいからな」

ベルトルト「…うん」

ベルトルト「……ライナー…僕は今、罪悪感に押し潰されそうだ……みんな、いい人だから…」

ライナー「…」

ライナー「ベルトルト、俺達は殺人鬼だ。長くは生きられないだろう」

ベルトルト「…」

ライナー「だから、なるべく早い内に…アニに気持ちを伝えておけよ」

ベルトルト「…え?でも、ライナーも…」

ライナー「…なに言ってんだ、俺はクリスタにゾッコンだ。気にするな」

ベルトルト(…ライナー…僕に気を使ってるのかな…)

―――――850 アルレルト兵団本部(訓練所空き部屋)

ベルトルト「…結局、硬化は出来なかった…」

アニ「…無理はしなくていいよ、体が一番大事なんだから」

ベルトルト「そうだね…」

アニ「………べリックとも戦わなきゃいけなくなるなんてね」

ベルトルト「…僕らにとって兄貴みたいな存在だった」

アニ「…」

アニ「そういえば、思い出したけど…あんたら私と結婚するとかどうとかで喧嘩してたね。それでべリックに叱られてた。それで二人ともフッてやったんだ…フフッ」

ベルトルト「うっ………よく覚えてるね」

アニ「…まぁね」

ベルトルト「…今だから聞くけど、そのとき好きな人とかいたの?」

アニ「べリック。頼りになるし」

ベルトルト「」

アニ「でも…今は違うよ。あれは恋愛感情じゃなくて、ただ兄みたいな存在として憧れてただけなんだって気付いたし…もう敵同士だし」

ベルトルト(………今はどうなんだろう……エレンやアルミンと仲いいよな…)

アニ「…楽しかったね、訓練生の生活……」

ベルトルト「!うん…そうだね」

アニ「…でも、やっぱり現実はいつまでも楽しい生活なんかさせてくれない…もうすぐ故郷とも戦わなきゃいけない」

ベルトルト「…」

アニ「…ベルトルト、死ぬんじゃないよ」

ベルトルト「…うん…生きるさ。そして故郷と壁内で戦わなくてもいい世界にするんだ」

アニ「…なんだか変わったね、ベルトルト。前はいつもオドオドしてる感じだったのに」

ベルトルト「アニこそ、表情が柔らかくなったよね」

アニ「…ミカサやエレンやアルミンやヒストリアや皆のおかげだよ」

ベルトルト「うん…」

絶対に生きて帰ろう…

―――――

ドシイイイイイイインッ!!!!!


べリック巨人「…」


超大型巨人「…」ズズズッ

ベルトルト(くそ…ダメだ、べリックの巨人は鎧のように全身が固い…攻撃が効かない…でも!諦めるか!)

超大型巨人「オオオオオオッ!!!!!」

ドオオオオオンッ!!!

べリック巨人「…」ピキッピキッ

ボロッ…

ベルトルト(くそっ…攻撃しても固くてこっちの手が潰れる)

べリック(ベルトルト…悪いな)
べリック巨人「…」ズオッ

ドゴオオオオンッ!!!!!

超大型巨人「!!!」ドシイイイイイイインッ

ベルトルト(このままじゃ…どうする、どうする!!?)

べリック(…ベルトルト…本当はこんな事はしたくないんだが、仕方ない)

べリック巨人「…」シュウウウウウッ

ベルトルト(…!!!あれはまさか…蒸気弾!?)

キュンッ キュンッ キュンッ

超大型巨人「…!!!」

チュドオオオオッン!!!
ドオオオオオッ!!!ドゴオオオオンッ!!!

べリック巨人「…」ピキッピキッピキッ


コニー「うお!?なんだ今の爆発…」

サシャ「ベルトルトの方から!?」

ハンネス「なっ…あのデカイ奴…何しやがった!?」


モブリット「分隊長!」

ハンジ「…アルミンやライナーの報告通りだ…べリックの巨人は体から発する高温の蒸気を弾丸のようにして放出する事ができる。しかしあそこまで強力だとは…」

コニー「はあ!?」

サシャ「つ…つまり、どういう事ですか?」

ハンジ「つまり奴は、全身に強力な大砲を纏っているようなもんだ!!!」

べリック巨人「…」シュウウウウウッ

超大型巨人「…」ボロッ

ベルトルト(今ので…激しく損傷してしまった…くそ、もう…ダメなのか…)

べリック巨人「…」シュウウウウウッ

超大型巨人「…」

べリック(もう動けないか。…こんな事には…なりたくなかったな……せめて、一瞬でうなじを潰して楽にしてやる……)

ベルトルト(べリックは一度決めたら曲げない人だ……感情を押し殺してでもトドメを刺しに来る…)

ベルトルト(くそ、動け!超大型巨人!このままじゃ…僕は、何も出来ないまま…)

女型の巨人「…!」

アニ(ベルトルト……まずい、あのままじゃ!!)

ズシンッズシンッズシンッ

女型の巨人「!」

父巨人「…」バシイイインッ!!!

女型の巨人「!!!」ズザザザザッ
アニ(…しまった…余所見してたら喰らった…)

オルオ「おい、クソガキ、ボーッとすんな!!やる気ねえならあっち行け!!」

ペトラ「ちょっと、オルオ…」

オルオ「………テメエはここにいても役に立たねえ、向こう行ってろ!お前の親父は俺達だけで充分だ!!」

アニ(…!)

シュウウウウウッ……

アニ「…」ザッ

ペトラ「アニ…」

アニ「すみません…すぐに戻ります………死なないでください…」

オルオ「わかったからさっさと行ってこい!」

ペトラ「大事な友達だもんね…助けに行ってあげて!!」

アニ「はいっ!!!」バシュンッ

エルド「…ったく、オルオ…素直じゃないな…」

グンタ「普通に、友達助けてこいとか言えばいいのにな」

オルオ「うるせー、んなことねぇよ!!!」

ペトラ「ちょっと巨人来るわよ!!!」

アニ(べリックの巨人に私の巨人で挑んでも自殺行為……それなら立体機動装置で挑んだ方がマシだ)
ギュイイイイィィィッ!!

ベルトルト(!あれは…アニ!?)

アニ「べリック!!やらせないよ!!」ジャキンッ

べリック(!)

ガキイィィンッ!!!

べリック巨人「…」

アニ(くっ…やっぱり効かない……だが、目なら…)

べリック巨人「…」ピシッ ピシッ

ボゴオオオオオッ!!!!!


アニ「あああ!!!?熱の蒸気か!!!」

アニ(しまった、落ちる…)

超大型巨人「…!」バッ

ストンッ

アニ「あ…超大型巨人の手…ありがとう」

ライナー(…!ベルトルト…アニ…べリックに苦戦している……俺も行かなければ)

獣の巨人「余所見してる暇あんの?」バシュンッ!!!

ライナー(!!)

バギイイイインッ!!!

鎧の巨人「…!」グググッ

獣の巨人「お前の巨人じゃ俺に追い付くだけで精一杯だ、他人にかまってる暇なんか無いんだよ」

獣の巨人「そして…」ジャキンッ

鎧の巨人「!!」

ガリガリッ!!!

ライナー(ぐうううっ!!!)

獣の巨人「俺の爪は壁以上の硬度で出来ている。鎧の巨人の皮膚なんざ紙みたいなもんだ」

ライナー(そうか………ならば)


 このような鎧などいらん!!!


鎧の巨人「オオオオオオッ!!!」ガコオッン

ボロッ…ボロッ

獣の巨人「…!!自分で自分の皮膚を剥がしやがった!!?」

ライナー(この鎧の皮膚を剥がせば体重も通常の巨人くらいになる…つまり素早い動きが可能になる!!)

鎧の巨人「オオオオオオッ!!!」ドシンッドシンッドシンッ

獣の巨人「ふん、少しは動きが良くなったみたいだが…」バッ

ビュッ!!!

ライナー(ちっ…爪を喰らった…)

獣の巨人「それでもまだ俺には敵わん!」

ライナー(…確かに獣の巨人は素早い…だが)

獣の巨人「このままうなじを切り裂いてくれるわ!!!」バッバッ

鎧の巨人「…!!」

ガキイィィンッ!!!!!

獣の巨人「…!!」

ライナー(受け止めてやったぞ…)

獣の巨人「ちっ、捕まっ…」

ライナー「エレンと日々訓練し鍛え上げられた格闘術…今こそその力を発揮する時だ!!!!!」

グルンッ…

獣の巨人「おおっ!?」

ドシャアアアアアアッ

獣の巨人「いてて…投げ飛ばされた」ポリポリ

鎧の巨人「…」ズシンッ

獣の巨人「…お前さあ、自分のやってる事わかってんのか?」

ライナー「!」


獣の巨人「俺達を倒すって事は…それだけ世界全体の寿命が縮まるって事だ」

獣の巨人「“俺達”獣の巨人は自然環境の回復と人口調節を管理しているんだ…昔壁から追い出された人類を使ってな」

獣の巨人「2000年以上前に起きた世界中での大戦争…この壁の周りじゃ分からんだろうがな。少し遠くまで行けば、まだそれの傷痕は完全には回復してないんだ。今、人類の活動領域を広める訳には行かないんだよ」

ライナー(…)

獣の巨人「だから、俺達は発達し賢くなってきた今の壁内人類をいったん滅ぼすんだ。レイスのガキを二匹残してな」

ライナー(レイスのガキを二匹?一人はヒストリアの事か…)

ライナー(…ヒストリアは、そんな世界は望んじゃいない)

ライナー(…獣の巨人の言う通り人類は一度滅んだ方が世界の為にはいいのかも知れん………だがな)

ライナー「俺達人間だって、命ある一匹の小さな生き物だ!!!死にたい訳ねぇだろ!!!何と言われようと…生きる為に、守りたい命を守る為に戦ってやる!!!」

鎧の巨人「オオオオオオッ!!!」ドシンッドシンッドシンッ

獣の巨人「それでもまだ来るか…人間とはどこまでも愚かな生き物よ!!!」

ライナー(ベルトルト、アニ…こいつを倒しすぐに向かうぞ!!!)

獣の巨人「グオオオオオッ!!!」バシュンッ

ライナー(当たらん!!)
鎧の巨人「…」シュッ シュッ!!

獣の巨人「にっ!!?」

鎧の巨人「オオオオオオッ!!!」ドドドドドッ

バカアアアアアアアンッッ!!!

獣の巨人「ギイイイイッ!!?」ドシャアアアアアアッ

ライナー(こいつの力は未知だ…反撃の暇を与えず徹底的に叩く!!!)


バギイイイイッ!!ドゴオウッ!!!


シュウウウウウ……


鎧の巨人「…」ズシンッ


獣の巨人「」 ガラッ…


ライナー(…動かなくなった……倒したのか?それともまだ生きてるのか?わからん…)

ライナー(まあいい。動かなくなったなら今の内に…)


べリック巨人「…」


ライナー「ベルトルト、アニ、今行くぞ!!」

べリック巨人「…」キュンッ キュンッ

ドオオオオオンッ!!!チュドオオオオッ!!!

ベルトルト「…っ!!!」ビリビリッ

アニ「くそ、迂闊に近づけない…」

べリック(ベルトルト…アニ…諦めてくれ)

ギイイイイッ!!!

ベルトルト「!」

アニ「あっ…」

ドスッ!!!

べリック巨人「!!」

ライナー「べリック、俺達は負けない!!」ジャキンッ

べリック(くっ、片目をやられたか)

べリック巨人「オオオオオオッ!!!」ボオオオオッ!!!

ライナー「ぐっ…手強い…!!」

アニ「もう片目も潰す!!」バシュンッ

ギイイイイッ!!

ライナー「アニ、危ない!!」

アニ「えっ…」

ガシイッ!!

アニ「ああっ!!?」

べリック(捕まえたぞ、アニ)

べリック巨人「…」

グググググッ…

アニ「かはあっ…!!ま、ずい……潰され…」

ベルトルト(アニ!!)

超大型巨人「オオオオオオッ!!!」ズズズッ

ライナー「アニを離せ、べリック!!」ギイイイイッ

べリック(ライナー、焦りで動きが粗くなっているぞ)

ガシイッ!!

ライナー「しまっ……」ギリギリ

ベルトルト(ライナーまで!!?)

べリック(…)

べリック(もう昔みたいには戻れない…感情を押し殺せ)

ライナー「…っ!!!」ググッ

アニ「ぐうっ…!」ググッ

べリック(…お別れだ、ライナー、アニ……すまない)


ベルトルト(このままじゃ、このままじゃ二人が……)

ベルトルト(させない、ライナーを…アニを、殺させなんかしない!絶対に!!!)

超大型巨人「…」

ベルトルト(立て、超大型巨人!!!)

超大型巨人「…」

ベルトルト(僕は皆を…守りたい!!!)

超大型巨人「…」



超大型巨人「…」ギラッ

ズズズズズズズ………


ドシイイイイイインッ!!!!!


超大型巨人「アアアアアアアアアッ!!!!!」ブシュウウウウウウッ


べリック「!!!」

アニ「え!?」

ライナー「ベルトルト…」


超大型巨人「…」メキメキメキ…

べリック(バカな…何だ、あの再生力は…聞いたことがない。さっきまでボロボロで動けない状態だったのに…もう完全に再生している!!?)


超大型巨人「…」パキッ…パキッ、パキッ

べリック(あれは…!?)

アニ「まさか…」

ライナー「超大型巨人が硬化している!!」

超大型巨人「…」ドシイイイイイインッ

べリック(超大型巨人が鎧の巨人のように固い皮膚で覆われた…俺の巨人と同じか!?)

超大型巨人「アアアアアアアアアッ!!!」ブシュウウウウウウッ!!

べリック(ぐっ、高温の蒸気か!!!)

ライナー「あっつ!だが…べリックの力がゆるんだ!今の内に脱出だ!!」バシュンッ

アニ「ああ!」ザッ

超大型巨人「…」グググググッ

ブンッ!!!

べリック巨人「…!」

ガシャアアアアアンッ!!!

べリック(ちっ…皮膚が少し破壊された…だが)

ブンッ!!

超大型巨人「…!」

ガシャアアアアアンッ!!!

ベルトルト(ぐううっ……こっちも皮膚が破壊されるか)

べリック(このまま反撃の隙など与えん!)

ガシャアアアアアンッ!!

超大型巨人「…ッ」グラッ

ガシャアアアアアンッ!!!

超大型巨人「…」グラッグラッ

べリック(よし、押している…このまま行けば)

ベルトルト(…このままじゃまずい、やはりべリックの方が強い……でも、いま僕の考えてる事がうまく行けば…)

べリック(このまま追い討ちをかける!)

べリック巨人「…」パキッ パキッ

キュンッ キュンッ

チュドオオオオッ!!!チュドオオオオッ!!!チュドオオオオッ!!!

超大型巨人「…」ドシイイイイイインッ ドシイイイイイインッ

べリック(まだ向かってくるか…また接近してきたところで格闘戦も俺が上だ!!)

ガシャアアアアアンッ!!!

超大型巨人「…!!!」グラッ

べリック(さあ、どうする!!?」

ベルトルト(この距離なら行ける…)

パキッ パキッ

超大型巨人「…」パキッ パキッ

ベルトルト(よし、今だ!!)

べリック(…!!)

ドスッ!!!

べリック巨人「!!」

べリック(何か刺さった…あれは、爪!?)

ベルトルト(超大型巨人の指先を爪の形に硬化させた…そして)

超大型巨人「…」パキッ

ブシュウウウウウウッ!!!!!

べリック(…!!!!!)

べリック巨人「オオオオオオッ!!?」

ベルトルト(固い皮膚のの下の肉まで刺した爪から高温の蒸気を発生させる…べリックの巨人でもこれは強烈なダメージなはずだ)

べリック(ベルトルト…!まさか、直接脆い部分に蒸気を突っ込んで来るとは!!)

超大型巨人「…」パキッ パキッ

ベルトルト(よし、今だ!!)

べリック(…!!)

ドスッ!!!

べリック巨人「!!」

べリック(何か刺さった…あれは、爪!?)

ベルトルト(超大型巨人の指先を爪の形に硬化させた…そして)

超大型巨人「…」パキッ

ブシュウウウウウウッ!!!!!

べリック(…!!!!!)

べリック巨人「オオオオオオッ!!?」

ベルトルト(固い皮膚の下の肉まで刺した爪から高温の蒸気を発生させる…べリックの巨人でもこれは強烈なダメージなはずだ)

べリック(ベルトルト…!まさか、直接脆い部分に蒸気を突っ込んで来るとは!!)

べリック巨人「…」ズズズズズズズ…

超大型巨人「…」ドシイイイイイインッ

ベルトルト(最後のトドメだ…!)

べリック(…くそ、今ので巨人に大きなダメージを喰らっちまった)

べリック(………ここまでか…)

ベルトルト(べリック………今まで勝てなかった………ずっとべリックを尊敬していた)

ベルトルト(…この勝負、僕らの勝ちだ)

超大型巨人「…」グオオオッ!!!

べリック(ライナー…アニ…そして、ベルトルト……強くなったな…)

べリック(…お前らも最後まで、自分の信じた道を進んで行け)

ドオオオオオオオオオオンッッ!!!!!!

とりあえず今日はここまで



シュウウウウウウ………


ベルトルト「…」ザッ ザッ



べリック「…」


ベルトルト(気を失っている…べリックも力を全て出し切ったか…)

フラッ

ベルトルト「う…」ドサッ!!


ライナー「ベルトルト!べリック!」

アニ「…まさか、勝てたなんて……」

ベルトルト「ライナー、アニ…何とか…戦い抜いたよ……べリックも生きてる」

ライナー「…起きたらべリックに怒られるだろうな。『何でトドメを刺さないんだ』ってな」

アニ「うん………随分甘くなっちゃったね、私達」

ベルトルト「…」

ライナー「!おい、ベルトルト!?…気を失っているだけか…」

アニ「…」

アニ(よく頑張ったね、ベルトルト)

ライナー「…ベルトルトとべリックを安全な場所に寝かせる。そしたらさっさと皆に加勢するぞ」

アニ「そうだね。じゃあ二人はライナーに任せた。私は早くリヴァイ班の人達のとこに戻らなきゃ」

――――――

―――レイス家 牧場


ヒストリア「…あれ?ここは?さっきまでエレンを助けに行ってたはず………」

黒髪「…久しぶりね、ヒストリア。大きくなって」

ヒストリア「!!お姉ちゃん!!」


黒髪「…ゆっくり話したいけど……あまり話してる時間は無いから…」

黒髪「最後に……成長した顔を見ておきたかった」

ヒストリア「え…最後って…待ってよ…」

黒髪「貴女なら大丈夫。…覚えておいて、仲間がピンチになったら、貴女の存在が…逆転の鍵になるかも知れない」

ヒストリア「え、どういう事?」

黒髪「…そろそろヒストリアも目を覚まさなきゃいけない。じゃあね……今までありがとう」ギュッ

ヒストリア「…わ、私こそ…ありがとう……」

ヒストリア「辛かった子供の頃も…ずっと側に居てくれて……楽しかったよ…」ギュッ

―――――現在

ヒストリア「…んぁ…」パチッ

エレン「よう、目が覚めたか。お前が急に寝ちまったから俺が背負ってやってたんだ」

ヒストリア「あ…エレン」ゴシゴシ

アルミン「よっ、おはようヒストリア!」

ヒストリア「アルミン……おはよー」

ミカサ「おはよーヒストリア」

ヒストリア「おはよーミカサ」

ジャン「急に寝ちまうなんて疲れてるんじゃないか?…大丈夫か?」

ユミル「お前はなんだかんだで無理しようとするからな。これから巨人と戦いに行くってのに…戦えるのか?」

ヒストリア「大丈夫大丈夫、寝たら良くなった!」ザッザッザッ!

アルミン「なら、いいけど……そう言えばさっきまでヒストリアの事を考えてたんだが」

ヒストリア「わ、私の事を考えてただなんて!!もうっ///」

ユミル「おいコラ」

アルミン「ヒストリアは…何でレイス家から重要視されてたんだろうってね」

ヒストリア「ああ、そういう事か」

ジャン「確かにな…どうしてわざわざ妾の娘を重要視していたのか」

アルミン「ヒストリアの話を聞いた限りなら最初は処分されかけた…つまり居なくてもいい存在だった。でも、ロッド・レイスはそれを止めた」

ヒストリア「うん…」

アルミン「つまり、ロッド・レイスが何か個人的な思惑でヒストリアを生かしたんじゃないか?」

ユミル「…あいつは二重人格みたいなもんだったらしいじゃないか。娘を逃がしたかったからじゃないか?」

アルミン「それもあると思うけど……それならわざわざ、座標を引き継ぐ為の役目の名前である『クリスタ』をなぜ与えたのか。逃がしたかったからだけなら、追い出した後は干渉せずに無視すればいいはずだ」

ヒストリア「…」

アルミン「…レイス家の人間はみんな黒髪をしている、でもヒストリアは金髪だ…つまり母親の血の方が濃い」

ヒストリア「そゆことやね」

アルミン「…もしかしたら、ロッド・レイスは…グリシャおじさんと同じような事を考えていたのかも知れない」

ヒストリア「へ?」

アルミン「まあ、今はそんな事考えてる状況じゃないね!さっさとトロスト区までレッツラゴーだ!!」

ヒストリア「おうよ!」

エレン「待ってろよ……俺達人類は絶対に負けないぜ」

アルミン「さっすがエレンだ!カッコいいぜ!!」

ミカサ「カッコいい!!」

エレン「ははは、照れるなオイ!」

ジャン「テメエ、ミカサにカッコいいって言われて羨ましい!!!」

エレン「はああ!?」

アルミン「仲良しだなぁ、あっはっは!!」

ミカサ「仲良し仲良し!全部終わったら皆で遊びに行こう!!」

ヒストリア「いいねいいね!」

ユミル「お前らなぁ…こんな状況でも平常運転かよ」

リヴァイ「…」

エレン「もちろん、皆で最初は海に行くんだ、な!!」

アルミン「あったりまえよぉ!!他にも外の世界には炎の水、氷の大地、砂の雪原、フジサン、スキヤーキなどがあるんだ!!」

ミカサ「なんかわからないけど何か凄い!」

アルミン「みんなで外の世界を探検しよう!!」

エレン「楽しみだな!」
ミカサ「楽しみ!」

ヒストリア「よーし、ワクワクしてきた!」

ジャン「ふん、俺も行ってやるか」

ユミル「まあ、そん時はついてってやるよ」

リヴァイ「………」

エレン「また焼き芋も食いてぇな!」

ミカサ「雪山で遊びたい!!」

アルミン「じゃあ雪山で焼き芋だ!」

ヒストリア「やっほー!」

ジャン「ふん、俺も行ってやるよ」

ユミル「まあ、そん時もついてってやるよ」

リヴァイ「………俺も焼き芋いいか?」


ヒストリア「ついでに雪山でスキーしよう!!」

アルミン「よし、じゃあ僕とスキーするか、ヒストリア!!」

ヒストリア「もちろんOKだよ!!ユミルもやろうよ!!」

ユミル「仕方ねぇな…」

アルミン「楽しみだね!!」

ヒストリア(ああ、本当に楽しみだよ!アルミンとスキースキースキースキース…)

ヒストリア(キス!!?)

ヒストリア「ぶはっ!!」フラッ

エレン「うお!?」

ユミル「っておい、どうした!?」

ミカサ「ヒストリア!大丈夫!?」

ヒストリア「だ…大丈夫……アルミンと……キース…」

ジャン「大丈夫に見えねぇ!!」

ユミル「アホだろお前」

アルミン「ははは、楽しいなぁ!!!」

リヴァイ「…」

―――トロスト区

バシュッ!バシュッ!!

ソニー巨人「…」ニタァ

ビーン巨人「…」ニタァ

コニー「くそっ…こいつら早い…」

サシャ「全く攻撃が当たらないですよ!」

ハンジ「くっ、可愛い顔して強敵だな」

サシャ「え、可愛い!?」

アニ「みんな…無事か!?」ザッザッ


エルド「くたばれっ!!」ギュイイッ
グンタ「おおおっ!!」ギュイイッ

父巨人「…」パシッ

エルド「捕まれた!!!」

ブンッ!!!

エルド「ぐあああ!!!」
グンタ「ああああっ!!!」

ペトラ「エルド!グンタ!」

オルオ「あのやろう!!」ジャキッ

父巨人「…」

アニ「大丈夫ですか!?」

エルド「あ、ああ……投げられて一瞬死んだかと思ったが…運よく飛ばされた場所に木があって死なずにすんだ…」

グンタ「だが…いてっ、それでもボロボロになっちまった……もう戦いは無理だな」

アニ「くっ…お父さん…これ以上はやらせない!!」ガリッ

女型の巨人「…」ドオオオオオッ!!

父(また来るか…アニ)

オルオ「戻ったか!よしついてこい!!」

女型の巨人「…」コクッ

ペトラ「私たちが隙を作る!!」ギュイイイイッッ

ズバッ!ズバッ!

父巨人「…!」

女型の巨人「…」ズシンズシンズシンッ

ブンッ!!!

バシイイイイイッ!!!

父巨人「…」ギリギリ

アニ(くっ…女型の蹴りが効いてない!?)

バシィィンッ!!!

女型の巨人「…!!」ズザザッ

ペトラ「くっ、両腕も削ぐわよ!」パシュッ

オルオ「おお!」ジャキッ

父巨人「…」ビュンッ!!!

ペトラ「!」
オルオ「!」

ズシャアアアアアッ!!!

ペトラ「キャッ!蹴りで砂を飛ばした!!!」

オルオ「いって、くそぉ!!!」

バシッ!!

ペトラ「しまった、捕まっ…!」

オルオ「ペトラ!離しやがれこのやろう!!」

アニ(このままじゃ…早く行かなきゃ!)ズシンズシンズシンッ

父巨人「…」

オルオ「おおおっ!!!」ギュイイイイッ

父巨人「…」ビュンッ

ペトラ「オルオ!逃げて!!」

オルオ(蹴りがくる!?ダメだ…避けきれ…)

アニ(くそ、間に合わない!!?)

ギュウウウゥゥゥンッ!!!

女型の巨人「!!」

父巨人「っ!!」

ペトラ「あっ…」

ズシャズシャズシャ!!!

オルオ「うおお!?」


ミカサ「助けに来ました!!!」ジャキッ


ペトラ「ミカサちゃん!?」

アニ(ミカサ!ギリギリのとこで巨人の足を削いだ!?)

父(なんだ今のスピードは…何者だ、あの娘は)

アニ(そうだ…ミカサは本気になれば恐ろしい程の実力になる)

エレン「おおおおお!!」ギュイイッ

アルミン「真打ちのご到着だああ!!!」

アニ(!!)

エレン「ふんっ!!」ズバッ!

ペトラ「エレン!」パシッ

エレン「もう大丈夫ですよ…オルオさんも無事で良かったです」

オルオ「ふん、かっこつけやがって…」


ミカサ「あ、アニ!」ピョンッ

女型の巨人「…」ベリッ

アニ「ミカサ、あんた向こうは終わったの?」

ミカサ「うん!」

アルミン「エレンは僕と来い!作戦がある!」

エレン「わかった!」

アルミン「ミカサ、アニを手伝ってやれ!!」

ミカサ「わかった!」

父巨人「…」ズシンッ

ミカサ「…あれは、知性巨人?」

アニ「ああ、私のお父さんだ…強いよ」

ミカサ「!!」

アニ「…なんだい、悲しそうな顔して」

ミカサ「…だって……お父さんと戦わなきゃいけないなんて…」

アニ「はっ、だからってなんであんたが悲しそうにするんだよ…」

ミカサ「…」

アニ「…私は覚悟を決めてある。遠慮する必要なない…行くよ、ミカサ」

ミカサ「…うん、わかった」ジャキッ


父巨人「…」ズシンッズシンッ


ハンジ「サシャ、コニー、いったん離れろ!こいつらに接近戦は無理だ!」

サシャ「わかりました!」

コニー「面白い面の癖にぃ!!」

ソニー巨人「…」ビュンッビュンッ

ビーン巨人「…」ビュンッビュンッ

サシャ「だ、ダメです、速くて離れられません!!」

ハンジ「万事休すなのかあ!?」

コニー「まだだ、まだ諦めるな!!!」


「そのとおおおっり!!!」ダンッ

コニー「!!その声は…」

サシャ「イッツ ア ゴッドボイィィス!?」

ヒストリア「助けに来たぞ、友よ!!!」ズギャキキィィンッ

コニー「ヒストリア!!カッコいいぜ!!」

サシャ「やはりあなたが神様ですかっ!!!」

ヒストリア「照れるなぁ~」アハハハ

ユミル「おい、バカ!前見ろ!巨人来てるぞ!!」

ソニー巨人「…」ズドドドッ

ビーン巨人「…」ズドドドッ

ヒストリア「って、この前の奴等じゃん!!!」

ソニー・ビーン(またこいつかよ)

ヒストリア「まだ諦めるな、みんな!私と…」

コニー「俺と!」

サシャ「私と!」

ユミル「…」

ヒストリア「ユミルの友情パワーで!!」

ユミル「私もかよ!?」

ヒストリア「この世界を…救う!!!」ドンッ

サシャ・コニー「やってやろうぜ!!」

ユミル「…」

リヴァイ「おい、ハンジ。お前はこっちに来い。後はあのアホ共がやってくれるだろう」

ハンジ「リヴァイ!向こうは無事に終わったのかい」

リヴァイ「何とかな……予想外の事態も起きたが」


―――――


ガラッ…

ケニー「…ってて、あのチビが。なんつう腕力してやがる」ザッ

ケニー「面白くなって来たぜ…ここからが本番だ」バシュンッ

―――――壁上

アルミン「…無知性巨人は数が多い…いくらここに精鋭が集まってるとは言っても厳しいだろう。外からどんどん来るんだ」

エレン「そうだな。巨人は疲れを知らないが普通の人間の俺達には限界がある」

アルミン「と、言うわけでエレンには早速、座標の力、ザ・パワーを使って貰うぜい!!!」

エレン「…こっから、無知性巨人達に人間への攻撃を止めさせればいいんだな」

アルミン「そうだ、この場所なら壁内に侵入した巨人や外をうろついてる巨人にも効くはずだ!!」

アルミン「それと、巨人体でやって!叫ぶことは、『人間を喰うな』と命令するんだ!」

アルミン「もし、『人間を襲うな』や『巨人同士で戦え』とか叫んで、運悪くそれが味方側にも効いちゃったらえらいことになるからな!敵の知性巨人を攻撃出来なくなったり味方の巨人同士で争う事になってしまう!!」

エレン「わかった、早速やるぜ」ガリッ

アルミン「ちなみに『人間を喰うな』と命令させたのは他にも理由があるんだが…それは秘密さ!!それに僕の想定してる事態は起こらない方がいいからね!!」ビッ



カアッ!!!!!

エレン巨人「…」ドオオオオッ

エレン(…俺達は負けるわけにはいかねぇんだ。壁外のあんたらにどんな理由があろうと…絶対に!!)


エレン巨人「グオオオオオオオッ!!!!!」


人間を喰うな!!!



ビリビリビリッ

ハンネス「あれがエレンの巨人…なんてぇ声だ」

リコ「ハンネス隊長、巨人達が突如人間を襲わなくなりました!!」バッ

ハンネス「なんだと!!」


ハンジ「巨人が人間を喰うのをやめた…」

リヴァイ「…エレンか」


ソニー(ちっ、座標の力か!!)

ビーン(これは不味いな…)



ライナー(良かった…エレンは何とか助かったんだな。このまま逆転出来れば…)

エレン「…ふう……巨人はどうだ?」シュウウウ

アルミン「大成功だよ!!」

ジャン「巨人が人間に興味を示さなくなった!…エレンがやったのか?」バッ

エレン「おう、上手くいったみたいだ」

ライナー「…向こうも何とかなったみたいだな」ザッザッザッ

エレン「おう、ライナー」

ライナー「無知性巨人が脅威でなくなった今なら…逆転のチャンスだ!行くぞ!」

エレン「おう!」

アルミン「…!おい、何か来るぞ!?」

ジャン「あ?」

ヒュウウウウウウ……

ジャン「ありゃあ…岩!?」

アルミン「こっちに飛んで来るぞ、避けろ!!!」バシュッ


ドガアアアアアアッ!!!!!


エレン「あぶねぇ…投石だと!?」

ジャン「…今の攻撃はまさか…」

アルミン「ああ、奴だ!!」

ライナー「ぐっ…まだ動けたのか!?」


獣の巨人「…」ズシンッズシンッ

獣の巨人「…」ズシンッズシンッ

アルミン「って、2体いるぞ!?」

ライナー「なんだとぉっ!!?」

獣の巨人「あーあ、結局エレン手に入れるの失敗してるよ」

獣の巨人「仕方ないから俺達も手を貸してやるかな」

エレン「ど、どういう事だよライナー…」

ライナー「複数いるなど知らなかった……」

ジャン「おい、ヤバいんじゃねぇか?」

アルミン「ビックラこいてる暇はない!!行くぞ!!」

エレン「…だよな、戦わなければ勝てない!」ガリッ

ライナー「何体来ようと倒す!」ガリッ

ジャン「ええい、やってやらぁ!!」

カアッ!!!!!

エレン巨人「…」ドオオオオッ

鎧の巨人「…」ドオオオオッ

エレン巨人「グオオオオオオオッ!!!」ズシンッズシンッズシンッ

鎧の巨人「オオオオオオッ!!!」ズシンッズシンッズシンッ

アルミン「よし、ジャン!エレンとライナーのサポートをするぞ!!」

ジャン「了解した!!」ジャキンッ


獣の巨人「あいつらやる気だよ、獣くん」

獣の巨人「うん、本当人間は往生際の悪い生き物だね、獣くん」


ドドドドドド!!!!!

―――

ヒストリア「いっけぇ、ユミル!!!」

ユミル巨人「…」バシュッバシュッ

ソニー(なんだあいつ!!)
ビーン(あの巨人…俺達と同じくらい速い!!!)

ユミル(捉えた!!!)

ガリッ!!ガリッ!!

ソニー巨人「グアアッ!!」
ビーン巨人「ギャッ!!」

ヒストリア「よし…今だ、サシャ!コニー!!友情アタックを仕掛ける!!」

コニー「おう!!」

サシャ「行きますよー!!」

バシュッ!バシュッ!バシュッ!

ヒストリア「うおおおおお!!!喰らえ!!これが、これこそが私たちの…」

コニー「スペシャル!!!」

サシャ「友情!!!」

ユミル巨人「アアアアアアアッ」

ヒストリア「ッッタアアアアアック!!!!!」

ズバッ!!ズバッ!!ズバッ!!

ソニー(ぐうううっ!!)

ビーン(くそ…まだっ)


ハンジ「今だ、撃て!!!」

バシュッバシュッバシュッ!!!

ソニー「!!」

ビーン「!!」


ヒストリア「おお!!」


リヴァイ「…成功したようだな」

ハンジ「ああ、知性巨人の捕獲成功だ!!」

リヴァイ「これで壁外の話も聞き出せる」

ソニー(まさか…捕まるなんて)

ビーン(僕達としたことが…)

ケニー「おう、やってるじゃねぇか…」ザッ

ハンジ「!!」

リヴァイ「…ちっ、まだ生きてたか」

ケニー「俺はそう簡単にゃ死なねぇよ」

ヒストリア「…ケニー!!」

ケニー「…お前も目付きが立派になったよな。相変わらずチビだが」

ヒストリア「うるせぇ!!」

ケニー「俺には夢があるんだ…その夢に近づくまで死ねないんだ」

リヴァイ「…夢の為に人を殺してきて…更には人類も裏切ったのか」

ケニー「俺達はみんな生まれた時から自由なんだ。どう生きようと勝手だろう?」

リヴァイ「そりゃ自由じゃなく自分勝手なだけだ」

ヒストリア「あんたの夢がなんだか知らないけど…私達の敵になるならば容赦はしない!」

ケニー「…お前には夢はあるのか?」

ヒストリア「あったりまえよ!!皆で仲良く暮らせる世界を目指すこと!ユミルと一緒に暮らすこと!!そしてアルミンと結婚すること!!」ジャキンッ!!

ケニー「ははは!なら自分達の夢を目指して殺し合いと行くか!!」

ヒストリア「訳わからんことぬかすな!物騒な奴め!!」

リヴァイ「…ヒストリア、奴は巨人の再生力を身に付けてる。油断するな…俺についてこい」

ヒストリア「イェッサー!」

ケニー「行くぜ…汚れの無い世界を目指して…」

―――

バシュンッ!!!

ミカサ「やーっ!!」

ズバッ!!ズバッ!!

父巨人「…!!!」

アニ(よし、押してる!!)

ミカサ「アニ…今っ!!」

女型の巨人「…」ズドドドドッ

バシイイイイイインッ!!!

父巨人「ッッ!!!」ザザザッ

アニ(よし、入った!)

ミカサ「頑張れ、頑張れ!」

父(…このままではいかんな、あの娘から止めなければ…)

アニ(このまま押し通す!!!)

バシイイイイイインッ!!!

父巨人「…」

アニ(…動きがなくなった…お父さん?)

女型の巨人「…」ピタッ

父(…すまん…アニ)

ガシッ!!!

女型の巨人「!!!」

ミカサ「あ、アニ!!」バシュンッ

アニ(うっ…しまった、油断した!!)

ミカサ「もう止めてよ!!」ジャキンッ

父(…実力はあるが取り乱しやすい性格のようだな)

ガッ!!!

ミカサ「きゃああ!!!」

アニ(!!)

父(君には悪いが…潰れてもらう)

ギリギリギリ…

ミカサ(このままじゃ、潰れちゃう…どうする、エレンやアルミンなら……)

ミカサ(…!)

アニ(やめて!!!)

女型の巨人「アアアアアアアッ!!!」

父(終わりだ)

グチャッ!!!

アニ(…!!)

ボタッ ボタッ

父巨人「…」

父(…手のなかにはいない、血まみれだ……潰れたか…本当にごめんな…)

アニ(…あ、ああ…嘘だ…嘘だ!)

女型の巨人「アアアアアアアッ!!!」

ズシンッズシンッズシンッ

父巨人「…」ブンッ!!!

女型の巨人「…ッ!!!」ザザザッ

父(アニ…ここまでだ…)

ズシュッ ズシュッ…

父(…ん?)

アニ(…う、うう……どうして…どうして事に……ミカサが…)

―――――お父さん…私、妹が欲しい

アニ(………)


父巨人「…」

父(なんだ…巨人の体に何か違和感が…)

ズシュッズシュッバシュッ

父(何の音だ?どんどん近づいて来るような…)

バシュッ!!ズシャッ!!!

父「え!!?」

ブバッ!!!

ミカサ「ぷはっ!!!」

父「!?!?!?」

ミカサ「あ、アニのお父さんですか?こんにちは」ペコリ

父「え?あ……は?」

ミカサ「巨人の体の中ってこんなになってるんですね」キョロキョロ

父「いや、ちょっと待て…君…え?」

ミカサ「あ、えっと…潰れる前に手の平から剣で削いで掘り進んで来ました」

父「…つまり…手から侵入しこのうなじの部分まで来たと」

ミカサ「はい」

父「とんでもないな」

ミカサ「もうこんなのは止めましょう」ブチブチ

父「!?」

ミカサ「貴方もここから出します」

父巨人「…」ピクッ

女型の巨人「!!」

ベリベリッ!!

ミカサ「ぷは!!」バッ!!

父「…」

アニ「ミカサとお父さん!?何でうなじから!?」

ミカサ「えへへ」

アニ「いや、えへへじゃないよ!!本気でビックリしたんだからね!!」

父「…」

ミカサ「もう、こんなのは止めましょうよ…」オロオロ

父「…ダメだ、やめるわけにはいかん」

ミカサ「!」

アニ「…」

父「俺は戦士として…最後まで戦う」ザッ

ミカサ「そ、そんな…」オロオロ

アニ「お父さん…やっぱり、こうなるんだね」

父「…最後は巨人は無しだ。アニ、純粋な格闘術で勝負を決めよう」

アニ「!」

父「…来い。どこまで成長したか見せてみろ」

今日はここまで

―――――848 訓練所


グルンッ!!!

エレン「どわあ!!!」ドシャアッ

アニ「なかなか上達してきてるけど…まだまだ足りないね」

エレン「…っとに強いなお前…」

アルミン「今日も絶好調だね、アニ!!格闘術の時の君はイキイキしているレオンハーーット!!!」

アニ「…別にそんなことないよ。てかレオンハートって呼ぶのやめろ」

ミカサ「でも…確かに格闘術やってるときはアニ楽しそう」

アニ「…そんなことはないよ」

エレン「お父さんから教えてもらったんだっけ」

アニ「…うん」

アニ「でも……こんなの覚えたって下らないよ。巨人相手にはなにもならない」

アルミン「そんなこといいながら格闘術大好きな癖に!アニは恥ずかしん坊だね!!」

アニ「…あんた後で裏に来な」

エレン「落ち着け落ち着け」

ミカサ「お父さんは今どうしてるの?」

アニ「さあ……前からよく夢を語ってたけど。私にはよくわからなかったよ。今も何してるんだか」

エレン「っと、無駄話してたら教官が来ちまう。続きしようぜ」

アニ「いいよ」

アルミン「よし、レオンハート師匠の特訓でもっと強くなるぞ!!」

ミカサ「おーっ」


バッ!!

アニ「ふんっ!!」ガチッ

エレン「ぐわああ!!?」ドサッ

アニ「ほら、抜け出してみなよ」ギリギリ

アルミン「大変だ、エレンがまた極め技を食らってしまった!!」

ミカサ「がんばれ~!」

エレン「くそっ、ダメだ…これされたら抜け出せねぇ…」グググッ

アニ「…じゃあ、また私の勝ち…」

ヒュウウウウ…

エレン「ん?」

アルミン「エレン、避けろ!!!」

ドシャアッ!!!

アニ「うわあ!!?」

ライナー「…いてて…」

エレン「何でライナーが降ってくるんだよ…」

ミカサ「た、大変」オロオロ

エレン「誰だよ、ライナー飛ばしてきた奴は!!」

ベルトルト「…」ザッザッ

エレン「ベルトルトかよ!!」

アニ「…」

ベルトルト「エレン、そこを代ってくれ!いや代われ!!」

エレン「何言ってんだお前!!」

アルミン「今日のベルトルトは自己主張全開だね!!」

ライナー「お前な…だからといって俺を飛ばすこと無いだろ」

アニ「はあ…」

ミカサ「…」オロオロ

アニ「ハイハイ、相手してあげるよ」

ベルトルト「やった!」

アニ「ふんっ!!」バシンッ

ベルトルト「ギャアア!」グルンッ


アルミン「さて、僕達三人で極め技を特訓してみよう!」

エレン「おう、じゃあミカサ。まずはお前が俺にしてみろ」

ミカサ「わかった」

エレン「行くぞっ!!」ブオッ

ミカサ「やあーっ!」ダキィッ

エレン「…ミカサ。そりゃ抱きついてるだけだ」

ミカサ「んう…難しい」

アニ「ほんとミカサはこういうの苦手だよね、だからここは…」

ヒュウウウウ……

アルミン「また飛んでくるぞ!!!」

エレン「んな!!?」


ジャン「ぐわああ!!」ドシャアッ

アニ「今度はジャンかよ!?」

ジャン「死に急ぎ野郎、そこ代わりやがれ!!!」ガバッ

エレン「はあ!?」

ジャン「ミカサ、それ俺にしてくれ!!」

ミカサ「!?」ビクウッ

アルミン「あはは、今日はみんな自己主張が激しいなぁ」

エレン「そうか、ジャンも覚えたいんだな……わかった。一緒に頑張ろうぜ!!」

ジャン「え?」

エレン「行くぜ!!」ガチッ

ジャン「ギャアア!!」ドシャアッ

ライナー「なんてカオスなんだ」

アニ「…まあいいや。アルミンこっち来な。ミカサに手本見せるから」

アルミン「この超天才な僕を特訓用サンドバッグにする気か!?」

アニ「うん、そうだから。ミカサよく見てなよ」ガチイッ!!

アルミン「うぎゃあああ!!!ちょっと痛い!」ギリギリ

アニ「こういう風に…」グググッ

ミカサ「ん~…もう一度始めから見せて」

アニ「わかった、始めからもう一度ね」

アルミン「ちょっと勘弁!」

ヒュウウウウ…

アルミン「っと、また来たあ!?」

アニ「今度はなんだい!!」

クリスタ「あだあああっ!!!」ドシャアッ

ミカサ「クリスタ!?」

アルミン「クリスタ…君はいつも男子から天使と呼ばれているがまさか空から降ってくるとは…」

ミカサ「え、クリスタって本当に天使だったの!?」

クリスタ「天使だなんてそんなことないよー」アハハ

アニ「…あんたは何しに来たの」

クリスタ「アニ、そこ私と代わって!!」

アニ「いやそれじゃ特訓になんないでしょ………まあ、後で代わってやるから安心しな」

クリスタ「ありがとうアニ!!いや、その前に私にも教えて!」

ミカサ「クリスタも一緒に皆でやろう」

クリスタ「そうだねぇ!ユミルもおいでよー!」

ユミル「お前といると疲れるよ、全く…」

アルミン「そんなこと言いながらクリスタにべったりのユミルであったのだ」

アルミン「そうそう、アニ。サンドバッグついでにちょっと頼みがあるんだけど」

アニ「なんだい?」

アルミン「これ見てくれ」

アニ「なにこれ?」ピラッ

アルミン「そこに書いてある技を実際にやってみてくれ!!」

アニ「…いいけど、痛いかも知れないよ?」

アルミン「いいから、来い!アーッニ!!」ダダッ

アニ「わかったよ…まあ、大怪我しないようにはするさ」

アニ「ふんっ!!」シュッ

アルミン「おっ!!」グラッ

アルミン「おお…」フラッ

ドサッ

アニ「!!」

ミカサ「アルミン!!」
エレン「おい、どうした!?」

アニ「ちょ…ごめん!そんな力は入れてなかったはずなのに…」

アルミン「…ふふ…おじいちゃんの本に書かれていた格闘術の一種だ。本当に通用するみたいだね」

エレン「久しぶりにおじいちゃんの本か!!」

アニ「…おじいちゃんの本には何でも書いてあるんだね」

ミカサ「ビックリした…」

アニ「全力じゃなくてもあれか…ちょっと簡単には使わない方が良さそうだね」

アルミン「アニ、これあげるよ。外の世界の色々な格闘術が載っているらしい…君が一番役立ててくれそうだからね」

アニ「…」

アルミン「まあ、興味なければいいけど。良かったら見てみてくれ!」

アニ「どうも。気が向いたら見てみるよ」

エレン「アルミンは昔から人に本を薦めるのが好きだからな」

ミカサ「私も野菜の本をもらった」

アルミン「はっはっはっは!!」

―――――現在

父「アニ、覚えているな。俺の教えは…」

アニ「…戦士になるなら感情を捨てろ。冷酷な人間になれ」

父「そうだ…でなければ戦士など無理だからな」

父「例え相手が身内でも…やらなければならないときは冷酷な戦士となり敵を葬らなければならない」

父「それも全て…この世界の為なんだ」

アニ「私にはわからないよ……」

アニ「私は冷酷な戦士になるのは無理だった。ライナーもベルトルトも……気のいい馬鹿な奴等といたせいだよ」

アニ「でも私は後悔していない。これも自分で選んだ道だから」

父「…わかった。では始めよう」

父「仲間たちを守りたいなら…相手が身内でも容赦するな、来い」

アニ「…うん…」ダッ!!!

ビシュシュッ!!!

父「ぬう…っ」ビリッ

アニ「くっ…」ビリッ


ミカサ「…」オロオロ


アニ「はああああっ!!」ガシッ

父「ぬんっ!!」グルンッ

アニ「うあっ!!」ドシャアッ

父「…まだだ、その程度じゃ俺には勝てん」

アニ(…やっぱり格闘術を熟知してるお父さんには敵わない、攻撃しても返されるし防御される)

父「立て、まだ終わっていない!」

アニ「…」

アニ「ああ、わかってるさ」バッ

ダダダッ!!!

父「!!逃げた!?」

―――

クリスタ「逃げろ~!!」ダダダッ

アニ「はあ…はあ…早いよあんた」

クリスタ「えへへ、鬼ごっこは私の独壇場だよ!」

アニ「くそ…てかなんで私が鬼ごっこなんか…ええい、待て!」ダダダッ

クリスタ「わ、早くなった!?」

アニ「ほら、目の前は木だよ、追い詰めた…」

クリスタ「まだまだ!」タンッ

アニ「…な!?」

―――――

アニ「…」ダダダッ

父「…アニ、距離を取るために逃げたのだろうが、俺からは逃げられんぞ!それに自ら木に向かって走って行くとは…」ダダダッ

アニ「…」ダダダッ

父「…もう逃げられんぞ。自分から木に向かって逃げ行き場を失うとは…そんな考えの足りない素人のようなミスを…」

アニ「…考えの足りないのはあんただよ」タンッ

父「!!」

アニ「ふん!!」バシュッ

父(…!!木を蹴って飛んだ!?)

アニ「後ろはもらった!!」ザザッ

バシイィッ!!!

父「ぐっ!!」フラッ

やっぱり途中で終わらせるのは気持ち悪くてスッキリしないので、いったんここを終わらせてから書き直します。
時間たってちょっと忘れたので221あたりの続きからやります。

アニ「ふっ!!」ビシュンッ

父「…」パシッ

アニ「ぐっ、このぉっ!!」バシュンッ ビュンッ

父「…」パシッパシッパシッ

アニ(ダメだ…やっぱり正面からじゃ相手にならない!!)

父「加減はしないぞ」ブンッ!!!

アニ「いっ!!?」


ズザザザザザザッ!!!

アニ「かはっ…!」


父「うむ、前よりはパワーもスピードもある。だが、俺の相手にはまだ早かったようだ」ザッザッ

ミカサ「アニ!」タタタッ

アニ「来るんじゃないよ!これは私達の戦いだ…」

アニ(どうする…このままマトモにやり合っても勝てない)

父「…時間が無い。もうケリを付けよう」ザッ

アニ「!!」

父「アニ…行くぞ」シュダダッ

ビュンッ!!!

アニ「!!?」


バシュウゥンッ!!!!!

アニ「あああ!!?」ビリビリ

父「…今のが俺の全力のスピードだ…追いついてみろ!!」ギュンッ

アニ「うっ」


バシイイイインッ!!!

アニ「かはあああっ!!」ズザザザザザザッ


アニ「ダメだ、早すぎて追い付けない…このままじゃ…」グラッ

父「…次で終わりだ」

アニ(どうする…ダメだ、…もう…負ける…)


ミカサ「諦めるなああああああ!!!」

アニ「!!」


――エレン(諦めていいことあるのかよ)

アニ「…」


――アルミン(考える事を放棄するな!頭を全力グルグル大回転だ!!)


ミカサ「アニ!!勝って、みんなで帰って、みんなで外の世界を探検するんでしょ!!!諦めるないで!!!」

アニ「…」

アニ(そうだね…まだ負けるわけにはいかないんだ。あのバカな同期達とまた…笑って過ごす為にも)

父「トドメだ」ザッ

アニ(ベルトルトだってあのべリックに勝てたんだ………私だって!!!)ザッ!!

アニ(…そうだ…アルミンからもらった本…)


―――どんな相手だろうと所詮は人間
「絶対に追い付けない」なんて事は無い

アニ「…」


心を落ち着かせ、思考を無にし、五感のみに全てを委ねろ

アニ「…」

風の音を、地の音を聞け

そうすれば、どんなに早い敵の動きでも


父「ボーッとして諦めたのか!?だが、容赦はしない!!」ギュンッ

アニ(…わかる…周りの色々な音が…風が…空気の動きが…)

父「…」ビシュンッ

アニ「…!!」

アニ「そこだあああああああ!!!!!」

父「…!!!」

ギュンッ!!

アニ「やああっ!!!」
ブンッッッ!!


バシイイイインッ!!!!!

父「…!?ぬううぅっ!!!」

ズザザザザッ!!


アニ「はあ…はあ…当てれた……」


父(…俺の動きを見切り、蹴りを食らわせてきた……急に…何が起きたんだ)

父(たまたまだ…もう一度!!)バシュンッ

アニ「…今の私には、よく見えるよ…」

バシイイイインッ!!!

父「…!!受け止めた!?」ビリビリ

アニ「あんたの動きがね!!」ビリビリ

父「ちっ!」ビシュッ

アニ「ぐっ!」フラッ

父「アニ…本当に強くなった…だが」

アニ「!!」

父「動きに付いてこれようが、パワーなら俺が上だ!!」ブンッッッ

アニ「った!!!」ザザッ!

父「さっきも俺のパンチを受け止めた時、だいぶダメージもあったはずだ。その手がまだ使えるか!?」ダダッ

アニ「くっ………」

アニ「この程度の痛み!負けないよお父さん!!」

父「アニ…」


―――お父さん……痛いよ…

泣くな、お前が戦士になるためには…辛い特訓も耐えなければならん

―――特訓とか戦士とかどうでもいいもん!私はただ…

父「…!!」ピクッ

――私はただ、普通にお父さんと暮らしていたかっただけなのに…

父(…!くそ、こんなときに…)

アニ(…!動きが鈍くなった!?)

今だ!!!

アニ「ふっ!!!」ビシュッ!!

父「しまっ…」


バアアアアアンッ!!!


父「…!!?」グラッ


父(一撃で……意識が…あいつ、急所を的確に…狙ってきたのか……)

父(……アニ…最後の気の迷いが命取りになった…俺の負けだ……)

アニ「…あ……」

ドサアッ!!!

アニ「お父さん!!!」ダダッ

父「…」

アニ「お父さん!!」グイッ

ミカサ「アニ!おじさん!」タタタッ

アニ「…はあ…はあ……生きて…るよね…?」

父「…う……はは、なに泣きそうな顔してるんだ。死にはせんさ」

父「だが、まさか、あんな正確に急所を狙って攻撃出来るとはな………これではしばらく動けんな……」

アニ「…」

父「俺の負けだ……アニ」

アニ「……」

アニ「……私は自分の信じる道を信じて進む…そして全て終わらせる」

父「…」

アニ「そしたらまた、1からやり直そう……お父さん」

父「…ふ……そうだな…」

―――――


ガキイイイイインッ!!!

ケニー「オラオラ、まだ行くぜチビども!バキュウウウウウンッ!!!」バキュウウウウウンッ

リヴァイ「ちっ!」サッ

ヒストリア「ええい、しぶといなぁ!!」

ケニー「ははははは!俺の理想の世界はもうすぐそこまで来てるんだ!邪魔はさせねぇ!!」

リヴァイ「ふん、人間がいなくなって巨人だらけなのが理想の世界だと?」

ヒストリア「バカみたいなこと考えてんじゃないわよ!あんただって人間じゃないのよさ!!」

ケニー「…くっ…はっはっは!!俺が人間!?お前らは知ってるのか?アッカーマン一族が…何なのか?」

リヴァイ「なに?」
ヒストリア「え?」

ケニー「アッカーマンってのはレイス家に仕える東洋人の事だと言われているが…そんなもんうわべだけの言葉だ。実際はな…」

ケニー「昔の戦争で使われた、大量殺戮用に遺伝子操作されて造られた人間兵器……それがアッカーマンだ。俺達一族は昔から人権も暖かい生活も何も無かった……人を殺す為だけに生まれたただの道具なんだよ!!!」

リヴァイ「…」

ヒストリア「兵器って………ミカサも?」

ケニー「ああ、遺伝子そのものに手を加えられているからその力は子孫にも引き継がれる。まあ、あのミカサとかいうガキはアッカーマンの力以外にも何か特別な力を持っていたみたいだが」

リヴァイ「…お前は俺のフルネームを教えようとしなかったな……まさか」

ケニー「…ああ、お前の本名はリヴァイ・アッカーマンだ」

リヴァイ「…」

ケニー「俺は…このアッカーマンの真実を知った時は深く絶望したもんだ。結局俺は…生まれた時から人を殺す為だけに存在する道具なんだと」

ケニー「俺を雇っていた連中も俺を人間として見ていなかった……」

リヴァイ「…」

ヒストリア「…」

ケニー「なら、いいさ……もう俺は…アッカーマン本来の姿…殺戮兵器として生きてやる。そして人間なんて醜い生き物のいない世界に作り変えるんだ」

ケニー「俺は人間らしい感情なんかとっくに捨てたさ!最強の殺戮兵器だ!弱っちい人間なんざ機械のように淡々と狩って狩って狩りまくってやるさ!!!」

リヴァイ「…お前はやっぱり人間だ、ケニー…」

ケニー「…な…」

リヴァイ「お前も…感情を持った弱い人間だ」

ケニー「…ふざけるなよ、ガキが偉そうに…」ガチャンッ

ヒストリア「…兵長の言う通りだよ。あんたの言ってる事もやってる事も無茶苦茶だし許せないけどさ……」

ヒストリア「あんたのその行動も、人間だからこそやってるんじゃないの?」

ケニー「…」

リヴァイ「本当にただの兵器だったら…人間やこの世界に絶望したりしねぇだろ。偉そうなのはお前の方だ、自分は他人と違うみたいな考えしやがって。お前も…その弱っちい人間の1人だと自覚しろ」

ケニー「…お前らみたいな、暖かい人間に囲まれた平和な時を経験した奴等にはわからねぇさ。俺のような、今までずっと暗く汚い場所でしか生きた事のない人間の気持ちなんかな」

ケニー「俺は!こんな世界は認めねぇ!俺の存在する意味を残さなきゃ…俺が生まれてきた意味も無いじゃねぇか!!!」

リヴァイ「…それで人を殺すしか出来ないのか……哀れな奴め……」

ヒストリア「……」

リヴァイ「…ヒストリア、あいつの相手は後は俺がやる」

ヒストリア「!」

リヴァイ「お前はエレンやアルミンに加勢してこい。あいつはもう手遅れだ…生かしてはおけん……ガキは人を殺す経験なんかしなくていい。俺に任せろ」

ヒストリア「…わかりました」

―――――

エレン巨人「グオオオオオオッ!!!」

バアアアアアンッ!!!!!

鎧の巨人「オオオッ!!!」ドドドドド!!!


獣の巨人「無駄無駄無駄ーー!!!」ビュンビュンビュン!!

獣の巨人「お前らの巨人じゃ俺達に勝てないよ」」

エレン(ち、動きが早い!!)

アルミン「今だジャン!ワイヤーで目を潰す!!」ビシュンッ

ジャン「おう!!」ビシュンッ

獣の巨人「ぐお!?」ドスッ


アルミン「よし、一体の目は潰した!」

ライナー(今だ、動きを抑える!)

鎧の巨人「オオオオオオッ!」

ズシイイイイインッ!!

エレン(今のうちに…俺の巨人でうなじを噛みちぎってやる!!)

エレン巨人「グウウウウッ!!」バクウッ!!

ブチブチブチッ!!!

アルミン「よし、うなじを噛みちぎった……あ!?」

ジャン「な!?」

エレン(…!!)

獣の巨人「残念だったね…俺達はうなじには何も居ないよ」

ライナー(何て奴だ!!)

獣の巨人「ボーッとしてる暇があるのかい?」ビシュンッビシュンッビシュンッ

エレン巨人「…!!」ズザザッ

鎧の巨人「グウッ!!」ズザッ

ヒュウウウウ…

アルミン「!!遠くから岩が!!」

ジャン「またかよ!?」

アルミン「エレン、ライナー!逃げろ!!」ビュンッ

エレン巨人「!!」

鎧の巨人「!!」

ドオオオオオンッ!!!

ジャン「け、獣の巨人が…また…」

アルミン「あ、…ありゃ…」


獣の巨人「お前達に勝ち目は無いよ」

ゾロゾロゾロゾロゾロゾロ…


獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人獣の巨人


ゾロゾロゾロゾロゾロゾロ…

アルミン「なんてこったああああああ!!?」


ヒストリア「…ユミル!!まだ戦える!?」ザッ

ユミル「ああ、私もあいつらのとこに行こうとしてたとこだ」

コニー「獣野郎があんなに…どういう事だよ」

サシャ「うなじを攻撃しても倒せないみたいですし…勝てるんでしょうか…」

ヒストリア「諦めたらダメだよ!私達は絶対に勝ってやる!!」

ユミル「…そうだな。このままボーッとしてても死ぬだけだ」

ヒストリア「みんな、頑張ろう!」

コニー・サシャ「おーっ!!」

ヒストリア「…ユミル」

ユミル「なんだ?」

ヒストリア「ちゃんと生きて帰ろうね。そして自由を手に入れたら、家族として一緒に暮らそう!」

ユミル「…ああ…帰って来れたらな」

ヒストリア「ようし、いざ出陣だっ!!」バシュッ

ユミル「…」


ケニー「テメーもガキの頃はもっといい目付きをしていたのにな…リヴァイ。まあ今も目付きは悪いが、あの頃のような狂暴な獣の様な雰囲気は消えちまった」

リヴァイ「俺は今でいいと思っている。お前みたいにいつまでも自分勝手な理由で殺人なんか出来ねぇよ」

ケニー「ヒストリアもだ!あいつもガキの頃は絶望と孤独に染まったいい目付きだった。だが、今じゃその影もねぇ…腹が立つほどに真っ直ぐだ」

リヴァイ「…お前の感覚がさっぱり理解出来ねぇ」ギュンッ!

ガキイイイイインッ!!

ケニー「くく、お前らは綺麗事を並べごまかすがな…俺が引き出させてやるよ!人間の本性をな!!」ギュンッ

リヴァイ「!!」

ケニー「お前の一番嫌がる事をやってやる…ガキどもをぶち抜き部下どもも皆殺しにしてやる!それでもまだ理性を保っていられるか!?憎しみを、殺意を剥き出しにせずにいられるか!?」

リヴァイ「ふざけた真似を!!」ジャキンッ

ケニー「まずはあいつらからだ!!」ジャキンッ

リヴァイ「!!…コニー!サシャ!逃げろ!!

コニー「え!?」

ケニー「バキュウウウウウンッ!!!」

サシャ「コニー!伏せて!!」バッ

ヒストリア「あっ…!!」

バアンッ!!バアンッ!!

コニー「ってええっ!!」ザザッ

サシャ「足が…!!」

ケニー「ちっ、はずしたか…もう一発バキュウウウウウンッ!!!」

リヴァイ「くそっ!!」バシュッ

ケニー「無駄だリヴァイ!もう間に合わねぇよ!!」

ヒストリア「サシャ!コニー!」

ユミル「ちっ!!」


バアンッ!!!

リヴァイ「…!!!」

サシャ「あ…」

コニー「お、おい…」

ヒストリア「…っ!!」


ユミル「かはぁっ!!!」ガクッ


サシャ「ユミル!!」

コニー「お前…何やってんだよ!!俺達を庇うなんて!?」

サシャ「出血が酷いですよ!!」

ユミル「ふう…ふう……」ドクドク

ヒストリア「…っ…ユミ…ル…」

ケニー「ちっ、当たったのは巨人の女か」

リヴァイ「…」ビュンッ!!!

ケニー「おっと!お前の攻撃は俺には丸わかりだぜ!!」サッ

リヴァイ(ユミルは…巨人の力で再生してるみたいだ…命に別状は無いだろうが…)

ギュイイイイイイッ!!!

リヴァイ「!!!」


ヒストリア「うあああああああああああっ!!!!!」ギュンッ


ケニー「来たな!そうだ…その殺意のこもった目だ!!!」

ヒストリア「テメーいい加減しろよオラアアア!!!」ジャキンッ!!

ケニー「そうだ!俺を殺しに来い!だが俺もお前を…バンッ!バンッ!!バンッ!!!」

ビュンッ!ビュンッ!

ヒストリア「くたばれええええええ!!!!!」ギュンッ

ケニー(…あいつの視線は、首を狙ってるな。分かりやすい奴だ…)



ヒストリア「…と思ったかあああああ!!?」ギュルンッ!!


ケニー「にっ!?」



ザクッ!!ザクッ!!

ケニー「両腕をやられた!?」


ヒストリア「殺意を剥き出しにして突っ込んだのも首を狙ってたのもフェイントだ!!!」

リヴァイ「…トドメだ」ギュンッ


ケニー「…くっ…あははははは!!!」


ズシャッ!!!ズシャッ!!!

ケニー「はあ…はあ…」

リヴァイ「…まだやる気か?」ジャキンッ

ケニー「はっ…もう駄目みてぇだな…身体の再生も……追い付かなくなった…」

リヴァイ「…そうか」

ヒストリア「…」

ケニー「だが、俺は…悔いはねぇ。最後まで自分のやりたいように生きれたからな…」


ケニー「…ヒストリア……トドメを刺すなら今だぞ?俺はテメーの両親を手に掛けユミルにも二度と大怪我を負わせたんだ」

ヒストリア「…人殺しはやだ」

ケニー「なに言ってんだお前は…本当のバカだな」

ヒストリア「…」

リヴァイ「もう言い残す事は無いか?」

ケニー「……地獄に先に逝ってるぜ、リヴァイ」

リヴァイ「…勝手に行って来い」

ヒストリア「…はあ…」ザッ

ユミル「終わったか?ってて…」

ヒストリア「うん。大丈夫?サシャとコニーも…」

ユミル「私ら三人はここでリタイアかもな」

サシャ「とりあえず安全な場所で休みましょう」

コニー「すまねぇな、ヒストリア」

ヒストリア「大丈夫大丈夫、命あってこそだからね!」

ユミル「……無茶はすんなよ」

ヒストリア「うん。………ねぇ…」

ユミル「なんだ?」

ヒストリア「私はケニーは大嫌いだし許せないけど………あいつも、この世界の被害者なんだよね…」

エレン巨人「ウオオオオオッ!!!」

鎧の巨人「アアアッ!!!」

ジャン「おい、獣の巨人の数がただ事じゃねぇぞ!どうすんだ!?」ザクッ

アルミン「ああ、こりゃ何とかしなきゃ絶対絶命大ピンチって奴だが…」

アルミン(うなじをちぎっても生きてると言う事は…こいつら一体一体に意思があり生きてるのか?いや、そんなはずは無い……こいつらは人の手によって作られた、人を管理する為の存在のはずだ。意思がある生き物より人の命令通り動く人形の方が都合がいいはずだ…)

アルミン(まさか、あの大量の獣の巨人はただの人形で…どこかに獣の巨人の本体がいるのか?)

アルミン「…おいみんな!恐らく、どこかに獣の巨人の本体がいるはずだ!!!」

ジャン「!!」

ライナー(!)

エレン(!)

アルミン「他の獣の巨人と違う動きをしている奴が居るかも知れない!そいつを見つけたら徹底的にぶっ叩くぞ!!」

ライナー(獣の巨人の本体?………まさか………)

鎧の巨人「…!」グルッ


ガラッ……



ライナー(最初に俺が戦っていた獣の巨人が居なくなっている!?)

アルミン「ライナー、どうした!?」

ライナー「アルミン!マズイ…」ペリッ



ハンジ「みんな!大変だああ!!ってうわ!?獣の巨人多すぎだろ!!?」

エレン「それより!!大変な事とは!!」

ハンジ「壁内から巨人が出現したんだ!!獣の巨人と共に!!!」

アルミン「…!!やられたか!!?」

ライナー「くっそぉ…!!」

アルミン「壁内の住人が巨人にさせられたか!!ちくしょう…!いつの間に!!」

ライナー(くっ…トドメが刺せていなかったのか!俺の責任だ!!)

鎧の巨人「オオオッ!!!」ドドドドドッ

エレン「ライナー!一人で突っ込むな!!」

エレン巨人「グオオオオオッ!!」ドドドドドッ

ジャン「おい、どうすんだよ!住人が巨人にさせられたなんて!!」

アルミン「…とりあえず、住人の巨人は人を食べる心配は無いさ…エレンが最初に大声で人間を喰うな、と叫んだ座標の力が残っていればね」

ジャン「!」

アルミン「だが、問題は巨人から人間に戻れるかどうかだ…」


巨人「…」ズシンズシンズシンズシン

獣の巨人(こいつら…人間に興味を示さないのか。最初のエレンの叫びが壁内の人間にも効いていたみたいだな)

アルミン「…そうだ!そういえば前にサシャが巨人にされた時、巨人と一体化するまでには時間があった!!」

ジャン「そんな事もあったな…つまり」

アルミン「急いでうなじを削いで中の住人を一体化する前に引きずり出す!!エレンの座標の力で戻せたら一番いいが……確実性は無いし時間も無い!!」

ジャン「わかった、俺もやるぜ」

リヴァイ「…それで上手く行くのか?アルミン」シュタッ

アルミン「リヴァイ兵長!!」

ヒストリア「私もやるよアルミン!!」ザッ!

リヴァイ「…だが、それには高い技術を要する。後ろの獣の巨人の群れも相手にしなきゃならない」

アルミン「とりあえず、あの本体と思われる獣の巨人はエレンとライナーに任せますよっ!!!」

リヴァイ「それでいい。アルミン、ジャン、ヒストリア、お前らは俺と巨人から住人を引き剥がすぞ。後ろの奴等は俺の班とハンジ達に任せる」

アルミン・ヒストリア・ジャン「はっ!!!」

ミカサ「アルミン!ヒストリア!ジャン!」

ヒストリア「ミカサっ!」

ジャン「アニの方は済んだみたいだな」

ミカサ「うん!アニは獣の巨人の相手に行った」

アルミン「よし!ミカサも住人を巨人から引き剥がすのを協力してくれ!!」

ミカサ「わかった!」

リヴァイ「よし、行くぞ…しくじるなよ」

アルミン「ようし、ミカサ!行って来い!!」

ミカサ「行ってくる!」ピューン

アルミン「ヒストリア!ジャン!僕の指示通りに削げ!!そうすれば百発百中だ!!!」

ヒストリア「了解さぁ!!」

ジャン「頼りにしてるぞ!!」

アルミン「行けえええええ!!!」ギューーンッ

リヴァイ「1人………3人…」ザシュッ!ザシュッ!



エレン巨人「アアアアアアッ!!!」ブンッッ

鎧の巨人「オオオオッ!!!」ドウッッ

ガシャアアアアアアンッ!!!

獣の巨人「ったいなぁ…」ポリポリ

エレン(ぐっ、マトモにダメージが効かねぇ)

ライナー(傷を与えてもすぐに修復する…どうすれば)

獣の巨人(複数)「…」

ゾロゾロゾロゾロ……


ハンジ「くっそ!なんだこいつら!!」

オルオ「一体がしぶとい上にどんどん来やがる!!!」

ペトラ(このままじゃこっちが限界になって負けてしまう!!)

女型の巨人「…」ズシンズシン

アニ(数が多すぎる…さっきまでの戦闘の疲れもあって、長くは持たない……)


ベルトルト「…うっ…」パチッ

ベルトルト「…!!は、あれは!?」

ベリック「…獣の巨人か…あいつらはいくら倒してもどんどん現れるぞ」

ベルトルト「!」

ベリック「獣の巨人に一体…座標の力に似た能力をを持っている奴がいる。そいつを倒さない限り終わらない」



ユミル「…エライ事になってるな…」

サシャ「やっぱり休んでるなんて出来ません!」

コニー「俺達も行こうぜ!」

ユミル「止めとけ、そんな怪我で行っても足手まといになるだけだ」

コニー「でもよ…」

ユミル「戦いが無理なら他にも出来る事はある。他の怪我人の手当てでもやってた方がマシだ」

サシャ「…そうですか…」

コニー「わかった…よし、俺達にも出来る事をやろうぜ!!」

ユミル(…くそ、こんな怪我負わなけりゃ私も行けたなのに…)

ミカサ「やーっ!」ギューーンッ!!!

ザシュッ!ズバッ!

ミカサ「20人目!!」

アルミン「ヒストリア!そこの巨人の目付きがおかしい気がする!一体化しかけてるかも知れない、早く行けえ!!!」

ヒストリア「たあああっ!!」ザクッ!!

住民B「…」

ヒストリア「よっし!!」ギューーンッ

アルミン「ジャン!一気に足を削いでそこの巨人集団の動きを止めろ!」

ジャン「任せろ!!」


アルミン(…意外と多いな…間に合うか!!?)

獣の巨人(荒っぽいやり方になるけど仕方ないな…)


獣の巨人「オオオオオオオオオオオオッ!!!!!」ビリビリ

エレン「!!」
ライナー「!!」

アルミン「うあっ!?うるさいなぁ、あんにゃろめぇっ!!!」

ヒストリア「なんて近所迷惑なのさ!!」

ジャン「おい、あれ!!」

ビリビリ…

巨人「…」ドドドドドッ!!!

ジャン「巨人の群れが一斉に来やがった!!」

アルミン「まずい!あいつが攻撃命令を出したんだ、食われはしないが気を付けないと潰されるぞ!!!」

ヒストリア「くっ…やりにくくなったね!」

エレン(暴れたら、住民を巨人から助け出すのが難しくなる!こうなったら…)

エレン巨人「グオオオオオオオオッ!!!!!」ビリビリ

巨人「!!」ピタァッ

アルミン「止まった!!」

獣の巨人「オオオオオオオオオオオオッ!!!!!」ビリビリ

エレン巨人「グオオオオオオオオオオオオッ!!!!!」ビリビリ

ジャン「…!今のうちに早く巨人から引き剥がすぞ!」

ヒストリア「おうよ!」

アルミン「ナイス・イェーガーだ!!!」

ライナー(今のうちに獣の巨人を!!)

鎧の巨人「…」ドウンッッ

バガアアアアアッ!!!

獣の巨人「ちいっ!!!」ズギャギャギャッ!


―――――

ベルトルト「獣の巨人群れにみんなが苦戦している…行かなければ」バシュッ

ベリック「…」

ベリック「俺に任せろ」ザッ

ベルトルト「え?」

ベリック「…戦士としての俺は敗れた、もうここにはいない」

ベリック「今ここに居るのはベリックという1人の人間だ。俺は…お前達の目指す未来を信じよう」

ベルトルト「ベリック…」

ベリック「だから、お前達はまだ死ぬな………死ぬのは俺1人で充分だ」

ベルトルト「な…死ぬって、何を…」

ベリック「…」ガリッ

ベルトルト「巨人化する気か!?今の体力でそんなことをすれば、命が…」

ベリック「俺には何が本当に正しいものなのかわからない…」

ベルトルト「!」

ベリック「だから、自分の信じたいものを信じ…やりたいようにやるだけだ」

ベリック「獣の巨人の群れと戦っている連中を退かせろ、巻き込まれないようにな」

カアアッ!!!

ベルトルト「ベリック!!!」

ベリック巨人「オオオオッ!!!」ドオオオォォォッ

アニ(…!!あれは…)

ベルトルト「アニ、退け!!ベリックが獣の巨人の群れと戦う気だ!!」

女型の巨人「!?」

ハンジ「おい、どういう事だ!?」

ベルトルト「とにかく、皆さん今すぐ下がってください!!巻き込まれたらいけないですから!!」

アニ「…ベリックは…獣の巨人の群れと戦うつもりなの?」

ベルトルト「ああ…でも、あの身体じゃ……」

アニ「!!」

ベルトルト「…くそ、止められなかった…」


獣の巨人(複数)「…」

ゾロゾロ…


ベリック巨人「…」シュウウウウウ……

ベリック(…これで良いんだ。これで…)

ベリック(ライナー…ベルトルト…アニ。俺はお前達の為にここで死ぬ…だが、その代わり…必ず、自分の信じるものを貫き通せ………自分の目指す未来を勝ち取れ)


ベリック巨人「…」キュウウウウウッ…

キンッ キンッ

ドオオオォォォンッ!!!ドオオオォォォンッ!!!


ゴオオオオオオオオオ………

エルド「リヴァイ兵長、加勢します!」

リヴァイ「!!向こうは大丈夫なのか?」

グンタ「はい、敵だった巨人が味方つき…1人で戦っているようです」

ペトラ「戦闘が激しくて…近寄れば私達も巻き込まれてしまうんです」

リヴァイ「そうか……なら、頼んだぞ」

アルミン「よし!リヴァイ班も加わった!これで百人力だ!!」

オルオ「ふっ……餓鬼ども、抜かるんじゃねぇぞ。ついてこい!!」

ヒストリア「おーっ!!」

ジャン「なんでオルオさんが仕切ってるんですか…」

ペトラ「なにやってんのよあんた」

鎧の巨人「オオオオッ!!」

エレン巨人「アアアアアアッ!!!」

ガシャアアアアッ!!!

獣の巨人「何度やろうと無駄だって……俺はお前らの巨人とは違うんだ。巨人全身と一体化してるから、うなじだけやっても意味ないぞ」ズシンッ

エレン(くっ…確かに何度攻撃しても無駄だ…すぐに再生するし…全身に一体化してるなんて…どうすればいいんだ)

ライナー(…)

ライナー(こうなればもう…最後の手段しかねぇ)

鎧の巨人「…」ベリッ

ライナー「…エレン、聞こえてるか?たぶん…ここでお別れだ」

エレン(!?)

エレン「はああ!?お別れって…急に何を言ってんだお前は!?」

アルミン「なにか聞こえたぞライナー!」

ジャン「お前、なにする気だ!?」

ヒストリア「ちょっと!何を考えてんのさ!」

ライナー「…死ぬわけではないぞ…だが、もしかしたら二度と会えなくなるかも知れん」

エレン「訳わかんねぇよライナー!!」

アルミン「…!!ライナー、まさか…」


獣の巨人「…」ズシンッズシンッ

ライナー「…鎧の巨人を結晶化させあいつと一緒に閉じ込める。この巨人で出来た壁と同じようにな」

エレン「!?」

ジャン「確かにそれなら獣の巨人の動きは止まるが…」

ヒストリア「ライナーも出られなくなるじゃないの!!!」

アルミン「待て!まだ何か方法があるかも知れない!生け捕りにして地下に拘束するとか…」

ライナー「…アルミン…本当はわかってるだろ。これしか方法が無いって」

アルミン「っ!!」

ライナー「あいつはうなじだけでなく全身が人間と同化している…更に異常なまでの再生力。あんな奴に剣や大砲や巨人で勝てるわけが無い。それにあんな危ない奴を生け捕りにしたら…もしもの時は地獄になるぞ」

アルミン「ぐっ…!!その通りだ!!」

エレン「待てよ!もしかしたら、攻撃を続けてたらあいつの再生力も弱るかも知れねぇ!!」

ライナー「その前にこっちが限界になる」

エレン「…!!」

ミカサ「そ、そんなのやだよ!皆で戻るって…」

ライナー「…すまん…」

アニ「おい、ライナー!」

ベルトルト「勝手に何をしようとしてんだ君は!!」

ライナー「アニ、ベルトルト…」

ベルトルト「三人で故郷に帰るんだろ!?」

ライナー「…俺もそうしたかったさ…だがもう…どうしようもない」

アニ「…わかってるけど……あまりに急すぎるじゃないか!」

ライナー「…ベルトルト、アニ、故郷は頼んだぞ」

ベルトルト「…ライナー…!」

アニ「……っ」

エレン「…くそっ……何が巨人の力だ…叫びの力だ……こんなときには何の役にも立たねぇじゃねぇか…」

アルミン「エレン!自分を責めるな!!」

ライナー「そうだ、お前は悪くない。力があれば何でも思い通りになるなんて事はあり得ないんだ」

エレン「…」

エレン「ライナー、やっぱりお別れはしないぞ」

ミカサ「!?」

アルミン「!!!」

ライナー「なっ!!?」

エレン「…俺達は全てが終わったら…外の世界を探検するんだ。この世界は知らない事がたくさんある…だから、外の世界に出た時…いつか!ライナーを救い出す方法が見つかるかも知れない!!」

ライナー「!!」

エレン「だから俺は…これでお別れなんて言わない」

ライナー「…エレン…」

エレン「いつか、また会おう!!」

アルミン「そうだね!ネガティブに考えるからいけないんだ……ライナー!!僕らが外の世界に行き、色々な事が分かれば、君を結晶の中から助け出してやる!!」

ミカサ「私も!」

ライナー「…ああ…ありがとうな、お前達」

獣の巨人「…お喋りはそこまでだ」


ライナー「…さて、俺はもう行かなければならない」

ジャン「…また会おうぜ、ライナー…俺達は必ず勝つ」

ヒストリア「どれだけ先でもいいから…絶対にいつか帰って来てよ!帰って来なきゃお尻ペンペンだかんね!!」

ライナー「ああ…いつかまた帰って来る」

ベルトルト「…君が帰って来る日までに、故郷と壁内人類が争わなくて済む世界にしてみせる」

アニ「その日まで、楽しみに待ってなよ」

ライナー「すまんな……お前達ならやれる、信じているぞ」

エレン「約束だ!いつかまた会おう…絶対に!!」

獣の巨人「…」ズシンッ ズシンッ

ライナー「…行くぞ、獣の巨人」

鎧の巨人「オオオオオオオオッッ!!!!!」

ドドドドドド!!!

ガシイッ!!

獣の巨人「ふん、取っ組み合いじゃ俺には勝てな…」

ライナー(もう離しはせんぞ…獣の巨人)グググッ

獣の巨人「!?こいつ…なにする気だ!?」

ライナー「一緒に長い旅へと行こうじゃねぇか!!!」
ボシュウウウウウウッ!!!

獣の巨人「まさか!俺を巻き込んで結晶化を…」

ライナー(…エレン、アルミン、ミカサ、コニー、サシャ、ユミル、ジャン、マルコ…みんな、楽しかったぜ)

ライナー(ベルトルト、アニ。エレンとの約束通り、いつか必ず帰って来るからな)

ライナー(………帰ったらまた、ヒストリアにプロポーズしてみるか。なんてな…)

カアアアアアアッ!!!!!

獣の巨人「ウオオオオオオオオッ!!!!?」

アルミン「…!!!ライナーと獣の巨人が…」

シュウウウウウウッ………

ジャン「…一緒に硬化した」

エレン「成功したんだな…」

ミカサ「うう、ぐすっ…ライナー…」

エレン「泣くな…絶対にこれが最後のお別れにはさせない」

ベルトルト「……君は本当…いつも誰もがやりたくない役回りを引き受ける……」

アニ「…また、会えるよね」


ヒストリア「……ライナー………」


鎧の巨人と獣の巨人は硬化された皮膚に覆われた。二体とも、動き出すことは無かった。


その後、なんとか巨人にさせられた住民達も、時間が間に合い巨人体から救出することに成功した。
こうして、人類は壁外勢力の襲撃をいったん退けた…
しかし、まだ問題が全て解決した訳では無い。


ピクシス「とりあえず襲撃は退けたが…それで壁外にいる人類と和解した訳ではない。重要なのはここからじゃ。このまま争い続けても何も進展しないじゃろう……血を流さず、彼等と和解しなければならない」

リヴァイ「…まず、壁外勢力の目的はわかったのか?」

ハンジ「ああ、捕らえたソニー・ビーンと、アニの父親からだいたいの事は聞き出した。リヴァイ達の報告書通り、彼等は四枚目の壁に住んでいた、壁から迫害され追い出された人類らしい」

リヴァイ「…」

ハンジ「そして、そのなかでも特に壁内人類に恨みを抱き、四枚目の壁で広まっていた宗教の狂信的な信者でもあったアニ・レオンハートの祖母…彼女によって、今の壁外勢力が生まれたらしいんだ」

ハンジ「彼女は『悪魔に支配された壁内人類を救う』『悪魔をこの世から滅ぼし汚れた世界を綺麗にする』という名目で壁内人類を滅ぼす計画を進めていたんだ。どこから知ったのかわからないが、巨人化の研究なんかもしていたようだよ」

エルヴィン「…では、獣の巨人とは?」

ハンジ「獣の巨人は、この世界を管理する役目を持った巨人らしくて……壁外勢力の人類に目をつけ、世界を管理する為の駒として利用していたらしい」

ピクシス「…それに今は何より、大型巨人に破壊された扉をどうするかが問題じゃ。後から来た巨人がどんどん侵入してきておる。数が少ないのが唯一の救いじゃが…このままでは兵も疲弊しきっていずれ人類は負けるぞ」

ハンジ「そうなんですよね…」

アルミン「次のやることは決まっています!!!」バンッ

ハンジ「おっと!?ビックリした!!」

アルミン「エレン宅の、地下室です!!!」
リヴァイ「地下室だと?」

アルミン「ユミルやエレンから聞いた話から推測するなら…そこに、恐らくこの世界を支配する何かが存在している。まずはそこに行くべきでしょう!!!」バンッ

アルミン「僕が推測するに…そこには巨大な座標が存在しています」

リヴァイ「言ってる意味がよくわからねぇが…」

アルミン「つまり壁外をうろついてるあの巨人達…もしかしたら壁の巨人も。彼等を巨大な座標の力で操っている存在がいると思います。予想ですが。でも、もしそいつが全ての元凶なら…とりあえず世界から巨人の存在を無くす事は可能かも知れません」

ハンジ「…確かに地下室には何かがあると思われる。行くべきかもね」

リヴァイ「だが…移動手段は…」

ピクシス「それなら問題ない。王政で隠されていた『あるもの』があったじゃろう」

リヴァイ「あれか。だが、使い方は分かるのか?」

ナイル「何日か調べて…何となくならわかって来たがな」

アルミン「あるものって!!?」

エルヴィン「…王政府の地下室に隠されていた…空を飛ぶと思われる機械だ」

エレン「え、ピクシス司令とナイル団長のところに行った時、俺とユミルが巨人で外に引っ張り出した機械ですよね!?あれ空を飛ぶ機械なんですか!?」

ピクシス「周りに置いてあった書物を見る限りはそうじゃろう」

アルミン「僕の天才頭脳とおじいちゃんの本に任せてください!ヒコーキの使い方もおじいちゃんの本に載っていました!!」

ミカサ「おじいちゃんの本は最後まですごい!!」

ジャン「すごいと言うか何でもありだな」

ハンジ「…でも、疲弊してる兵が多いし壁に侵入する巨人を倒すために多くを残さなきゃいけない。地下室に行ける兵は限られる」

エレン「俺はもちろん行かなきゃならん」ザッ

ミカサ「私も行く!!」

アルミン「ヒストリア!ジャン!君たちもついてこい!」

ヒストリア「あったり前よ、アルミン!!」

ジャン「ああ…最後まで付き合ってやるよ」

アルミン「マルコ!怪我してるユミル、サシャ、コニーと壁内の防衛は任せたぞ!!」

マルコ「ああ!任せてくれ!!」

アニ「…私達は…」

アルミン「君たちは自分達の故郷の事に専念するんだ。地下室は僕達に任せてくれればいい」

ベルトルト「うん、ありがとう…頑張ってくれ」

アニ「ちゃんと戻って来なよ」


ヒストリア「ユミル!サシャ!コニー!ゆっくり休んでてね、頑張って来るから!!」

ユミル「ああ、待ってるぞ」

コニー「帰ったらまた鬼ごっこしような!!」

サシャ「焼き芋パーティーもしましょう!!」

ヒストリア「うん!しよう!!」

ユミル「相変わらずだなお前らは……踏ん張れよ、ヒストリア」

ヒストリア「おうよ!!じゃあ行ってくるね!!」タタタッ

ユミル「元気な奴だな…本当」

コニー「楽しくていいじゃねぇか!!」

サシャ「行ってらっしゃ~~…」

サシャ「…!」ピクッ


コニー「!サシャ?」

ユミル「どうした、芋女」

サシャ「いや…その、今………なんか………」



サシャ「何故か分かりませんが………」



もう二度と、ヒストリアと会えないような気がしました…

とりあえず今はここまで



アルミン「こいつが空を飛ぶ機械……『ヒコーキ』か。王政はこんなものまで隠していたんだな。ワクワクすっぞ!!」

エレン「…動かし方はちゃんとわかったか?」

アルミン「ああ、問題ない!こんなもの僕の手に掛かれば、おちゃのこさいさいさ!!!」

ミカサ「空を飛ぶってどんな感じなんだろうね」

アルミン「未知のワクワクが僕らを待っているのさ!!」

ミカサ「未知のワクワク!」

エレン「…そして、地下室だ」

アルミン「ああ!!皆も…準備はいいな!!!」

エレン「おう。地下室に行けば全てがわかるはずなんだ。ライナーや怪我して動けないみんなの分も……止まるわけには行かない」

ミカサ「うん、ちょっと怖いけど…頑張るよ!」

ジャン「人数はこんだけだが…何とか終わらせ全員で帰ろう」

ヒストリア「当たり前さ!自由で平穏な世界にするために!!」

アルミン「行くぞおおお!!!」

ゴオオオオオオオ!!!

……………


………



マルコ「行ったね」

コニー「ああ…みんな無事に帰って来てくれよ」

サシャ「…」

コニー「なあ…サシャ。お前が言ってたこと…」

サシャ「あ、いや、ただの気のせいだと思いますから気にしないでください!」

コニー「だよな。ヒストリアもちゃんと帰って来るはず…」

マルコ「…あれ?」

サシャ「どうしたんですか?マルコ」

マルコ「ユミルがいない…」

「え?」

―――――

ヒストリア「すごーい!本当に空を飛んでる!!」バタバタ

ジャン「興奮するのは分かるが、もう少し緊張感持てよ…」

ミカサ「こうして見ると私達が普段住んでた街も小さいんだね」


アルミン「ああ!あの壁も…世界全体から見ればほんの砂粒のようなものなのさ!!」

エレン「俺達人間や巨人なんかは更に小さい存在だよな」

アルミン「そうだ!世界全体から見れば、人間も巨人も蟻以下の存在なんだ!!」

エレン「しかも速いな………もう、マリアが見えてきたぞ」

アルミン「よおぉし、五年ぶりのウォール・マリアだ!!気合い入れて行くぞ!!!」


ゴオオオオオオオ!!!

―――ウォール・マリア

エレン「ちょうど暗くなってきたから巨人の動きも鈍くなってるな」

アルミン「ああ!その辺も計算したさ!!」

ミカサ「…エレンの家。久しぶりだね」

アルミン「地下室は…ここか!!」キュピリリィィィンッ

エレン「ああ、これだ…開けるぞ」スッ

ミカサ「ドキドキ」

ヒストリア「…ねえ…もし、地下室に…アルミンの言った通りこの世界を支配してる存在が居るなら……なんでエレンのお父さんは、それを大事にしまいこんでたのかな?」

ジャン「確かにそうだよな…」

アルミン「…それを確かめるためにも行かなきゃいけないさ」

エレン「ああ」


ガチャンッ

ゴン… ゴン…

アルミン「…下まで長い階段が続いてるな」

エレン「降りるぞ」

ミカサ「暗くて少し怖い…」

ヒストリア「けっこう深いよこれ…」

ジャン「このまま行けば地下室は相当広い部屋になりそうだな。いったい何があるんだよ」

アルミン「もうひとつ扉が現れた!!!」

ミカサ「鍵の出番!」

エレン「おう」

ガチャンッ

オオオオオオ…


ドクンッ ドクンッ


アルミン「むおっ!!?」

ミカサ「!?!?」ビクウッ

エレン「な…なんだこりゃ…なんで、俺んちの地下室にこんなものが…」

ジャン「これは…金属の機械みたいだが……かなりデカイぞ…」

ヒストリア「ちょっ、ドクンドクン聞こえるけど生きてるの?」

『よく、ここまで来ました……エレン、ヒストリア』

エレン「!!声!?」
ヒストリア「目の前のあれから!」

アルミン「…お前は何者だあ!他人に話しかける前にまずは自己紹介しろっ!!」

『私は………ユミルの民の血をひく、この世界と人類の管理を任されている者』

アルミン「外をうろついてる巨人はお前が操っているのか!?」

『そうです。ですが…残念ながらそれを止める訳にはいきません』

アルミン「なぜだ!!理由を答えて見せろ!!!」

『人類は昔…世界中で殺しあい、自然を破壊しつくしました』

アルミン「それは知っている!!」

『人類が全員悪で無いことは知っています…しかし仕方ないのです。こうでもして人類を支配し、管理しなければ……たちまち人口が増えまた同じ過ちを繰り返すでしょう』

アルミン「これからどうなるかは分かんないだろうが!!!」

『わかります。過去の歴史からもそれは明白です…人類の多くは何も学ばず、愚かな行為を続けて来ました』

アルミン「お前もその人間に作られた存在だろうが!!!」

『ですが…今の私は人類の支配者です。それにこれは世界全体の為に…』

アルミン「世界全体の為にだと!?その為なら、罪の無い人間すらも殺すのは仕方ない事だと言うのか!!?」

アルミン「ふざけるんじゃねぇ!!!お前の言ってる事も単なる傲慢だ!!!」

『そうですね、あなたの言ってる事もわかります。だから私を破壊しにきた…という事ですか?』

アルミン「そうだ!!自由な世界を手に入れるために!!!」

『…世界の存亡に関わることを、あなた達の勝手な理由で決めようとするところも傲慢に見えますね』

アルミン「その通りだ!僕達も人間だからな!!」

『面白い人ですね。いいでしょう…ただ、私も黙って破壊される訳にはいきません』

ブシュウウウウウッ………

アルミン「!!」

エレン「なんだ、結晶が2つ現れた!?」

ミカサ「中に人が入ってるよ!?」

『彼等は…昔、アッカーマン一族とレイス一族を作る際のプロトタイプとして生まれた。今は私の護衛として普段は眠りについています』


『プロトタイプアッカーマン・コードネーム「ムラクモ」……プロトタイプレイス・コードネーム「ツバキ」………侵入者を追い出しなさい』

シュタッ!!!

ジャン「来るぞ!!」

ガキイイイイッンッ!!!

ミカサ「うわあ、待って…」ギリギリ

『ムラクモ』「…」ギリギリ

ヒストリア「このお!!」タンッ

『ムラクモ』「…!」サッ!

ヒストリア「くっ、速い…」

『ツバキ』「…」スッ

エレン「!」

ビリビリ!!

エレン「うあっ!?体が…」
エレン(勝手に操られそうだ…座標の力みたいなもんか!?だが……)グググッ

エレン「好きには操られん!!」ブンッ

『ツバキ』「…!」ザザッ

アルミン「…こいつら…喋らないし表情も変えない。完全に自我を失った人形になっているのか!?」

ミカサ「酷い…」

ヒストリア「アルミン!この二人も助けてやろう!!」

アルミン「僕もそう思っていたところだ!」

ジャン「どうするんだよ!?」

アルミン「エレン!!!」

エレン「おお!!」ザンッ

『ムラクモ』「…」
『ツバキ』「…」

エレン『攻撃をやめろっ!!!!!』ビリビリ

『ムラクモ』「!!」ドクンッ
『ツバキ』「!!」ドクンッ

アルミン「よし、今だ!ワイヤーで拘束しろ!!」ビシュッ
ミカサ「うん!」ビシュッ
ジャン「わかった!」ビシュッ
ヒストリア「ちょっと苦しいけど我慢してよね!」ビシュッ

グルンッグルンッ!!

エレン「…よし、二人は拘束した…」

『…その二人を助けようとするなんて…』

アルミン「ずっとこんなとこにいちゃ可哀想だろ」

『私を破壊しますか?』

エレン「それしか無いならそうするだけだ」

ヒストリア「あんたが壊れれば…巨人も動きを止めるんでしょ?」

『ええ、確かに私が破壊されれば外の巨人や壁の巨人は行動を停止します。しかし…ある問題が発生します』

ジャン「ある問題だと?」

『昔起こった戦争で世界中に撒き散らかされた毒…それはこの辺りにも多少あります。それがなぜ人体に影響を与えていないのかわかりますか?』

アルミン「…まさか!?」

『私が毒を弱めているから。私がいなくなれば…たちまち毒が強くなり人類は死滅するでしょう』

ミカサ「そんな…」

『それだけではありません。他の動物や虫や草花も…』

アルミン「くっ…なんてこった!」

エレン「だが、このままじゃ巨人がいるままだし…いずれ壁の巨人も起きてしまう」

ミカサ「ど、どうすれば…」

『1つだけ方法はありますよ。ユミルの民の血を引く者か…ユミルの民の血が混じっているレイス一族、どちらかが私の代わりに核となれば」

ジャン「!!」

ヒストリア「…」

『私ももうあなた達に抵抗する手段はありません。しかし、私が居なくなる事で最悪の事態が起きても困りますから…誰かが代わりになるのらいいですよ?』

エレン「俺がやる。要は…巨人だけ停止させて毒を止めればいいんだろ」

ミカサ「エレン!!」

アルミン「待てよ、外の世界を探検するのはどうすんだ!!」

ジャン「落ち着け、まだ何か方法が…」

エレン「…巨人を止めて毒を弱める方法なんか他に無いだろ…俺が代わりになる」

ミカサ「そんな…」オロオロ

アルミン「三人で探検するって約束しただろうう!!!」

ヒストリア「…エレンは、残って」

エレン「!」

アルミン「ヒストリア…」

ヒストリア「私がやる」

アルミン「待て!ヒストリア…本当にいいのかよ!?楽しくないし、二度とみんなと会えないかも知れないんだぞ!!」

ミカサ「ヒストリア…」オロオロ

エレン「お前は…今まで辛い目にたくさんあってきたんだ。お前こそ残って…これからを普通の女の子として生きていくべきだ」

ヒストリア「でも!エレンが居なくなったらアルミンやミカサが悲しむでしょ!?」

ジャン「お前が居なくなっても誰かが悲しむだろうが!!」

ヒストリア「私はいいの!もう満足したから!!」

アルミン「何が満足しただバカ野郎!!」

ヒストリア「…でもっ、これしか無いんでしょ?誰かが代わりになって…巨人だけは止めたままにして毒を防ぎ続ける」

アルミン「確かに…そうだが」

ヒストリア「結局誰が行っても誰かが悲しむ…なら、私がやる」

ヒストリア「それにエレンは…ライナーとの約束があるでしょ?」

エレン「…!」

ヒストリア「みんな。ごめん…でも、私は…後悔、しないから」


アルミン「…」
エレン「…」
ミカサ「…」グスッ
ジャン「…」

ヒストリア「…じゃあ、私が行くよ」


アルミン「…仕方ない…のか……本当にいいんだな、ヒストリア」

ミカサ「うう…やだよ…」

ヒストリア「…みんな、ごめんね。今までありがとう……本当に楽しかったよ」

ヒストリア「…エレン…仲間思いで頼れる存在だったね。アルミンやミカサとこれからも仲良くね」

エレン「……ヒストリア、すまない……元気でな…」

ヒストリア「ミカサ。…ふふ、ミカサは最後まで泣き虫なままだね。これからも頑張って」

ミカサ「ヒストリア…なんでみんな急に居なくなっちゃうの……」グスッ

ヒストリア「ジャン…よくいじってたけどごめんね。それは、信頼できる友達だったからだよ…」

ジャン「んな事わざわざ言わなくてもわかってるよ。バカ野郎…」

ヒストリア「そして…アルミン」

アルミン「…」

ヒストリア「今までありがとう。私……私ね、ずっと…アルミンの事が………」






「それは無事に帰ってから言え、ヒストリア」

ヒストリア「!!!」

アルミン「え!?」



ユミル「…ったく、何してんだよ…らしくねぇ」

ヒストリア「ユミル…なんで…」

ユミル「ヒストリア。言ったろ…自分の為に生きろって」

ヒストリア「これだって自分の為だよ!自分がやりたいからやってるの!!」

ユミル「嘘をつくな。お前の本心は…みんなとずっと一緒に居たいんだろ」

ヒストリア「!!」

アルミン「ユミル…まさか…」

ユミル「私が核となってやる。とりあえず巨人だけは停止させて毒を抑えときゃいいんだろ、簡単な仕事だ」


ヒストリア「まっ…」


ヒストリア「待ってよユミル!!!」

ユミル「…」

ヒストリア「ユミルこそ…どうなの!自分の為に生きるんでしょ!?」

ユミル「私はもう充分に自分の為に生きた」ザッザッ

ヒストリア「待って、まだ行かないでよ!!」

アルミン「ユミル、本当にいいのか!?」

エレン「後悔は無いのかよ!?」

ミカサ「ユミル…」

ユミル「…はっ、全員揃いも揃って湿気た面しやがって…」

ユミル「いいか?私がやる。邪魔すんな」

ジャン「…!」

アルミン(…ありゃ迷いの無い本気の目だな…)

アルミン「わかった…悲しいが、そこまで本気の目をされちゃ断れない」

ヒストリア「そんな!?私はやだよ!!ユミルが居なくなるなんて…そんなの!!」

ユミル「…ヒストリア……もうお前は、私が居なくても大丈夫だろ」

ヒストリア「大丈夫とか大丈夫じゃないとかじゃないよ!!」

ユミル「…我が儘言うなよ、ガキじゃないんだから」

ヒストリア「だって…あまりに、急過ぎるよ…」

アルミン「ヒストリア。ユミルは…エレンや君と違い迷いが一切無いよ。止めるなんて出来ない」

ヒストリア「わかってる…わかってるよ……私が子供みたいなこと言ってるのもわかってる。でも、でも………」グスッ

ユミル「ああ…本当にすまない、ヒストリア。だが私は死ぬ訳じゃない…ちゃんとここにいる。ずっとな」

ヒストリア「…わたし…ユミルと一緒に暮らして…色々なとこに、遊びに行ったりしたかった……」

ユミル「ああ、私もだよ……」

ヒストリア「…ごめん、騒いじゃって…」ゴシゴシ

ヒストリア「ユミルが決意したことなら…私がとやかく言う権利は無い………ずっと、忘れないよ」

ユミル「…ありがとうな。これからも胸はって生きろよ」


ユミル「お前らも……まあ、なんだ…今までありがとうな。バカみたいなやつばっかりだったけど…楽しかった」

ユミル「…いつまでも湿気た面してないで普段みたいにいてくれ。その方が私は嬉しい」

エレン「…ユミル!!これで二度と会えないとか言うなよ…またいつか会えると信じてるからな!!」

アルミン「そうさ、僕の天才頭脳でいつか……そんな事しなくても毒を抑える方法を見つけてやるさ!!」

ミカサ「うん、そうだよ!まだ二度と会えないと決まった訳じゃないよ!」

ジャン「俺達は大丈夫だ…ユミルも安心してろ」
ヒストリア「ユミル………私、精一杯生きるから!!!」

ユミル「ああ。じゃあな…みんな」


ザッザッザッ


エレン「…行っちまった…か…」

ヒストリア「………」

ヒストリア「…うっ、うぐっ…うあぁ…」

アルミン「…ヒストリア…」ポンッ


ユミル(……みんな、本当に楽しかった…)シュウウウウウ

ユミル(ヒストリアにもまた辛い思いさせちまったが、もう大丈夫だよな……)

ユミル(アルミン…ヒストリアをまた泣かせたりするんじゃねぇぞ)

シュウウウウウ……


生まれ変わったら、自分の為に生きるとか誓ったのに………結局最後は人の為に犠牲になっちまうんだな、私は………

でも………まぁ……



女神様も、そんなに悪い気分じゃないね


カアアアアアッ!!!



ヒストリア「うああああああああああああっ!!!!!!」


そして…全ての巨人は行動を停止し、壁の巨人もその機能を失った。


この世界から巨人という存在はいなくなった………

むやみやたらに上げないで欲しいですね

―――――――――故郷
住民「…変な動きはするなよ」ガチャッ

ハンジ「そっちが何もしなけりゃ私達も手は出さないって…」

モブリット「…アニとベルトルトは、上手く説得出来るでしょうか」

ハンジ「信じるしか無いね」


老婆「………」

ベルトルト「…それで、レイス家も滅び…もうあなた達が本当に憎むべき対象はいないんです」

アニ「簡単には許せないかも知れないけど………今いる壁内人類には何の罪もない。それに、彼等も私達と同じ人間だよ………やはり、どんな理由があろうとあんな虐殺紛いな事はやめるべだよ婆ちゃん」

老婆「………」

ピクシス「我々も、壁内人類が過去に貴方がたに犯した罪を認め、償っていくつもりです……ですからもうこのような無益な殺し合いは避けるべきです。ならば、我々は共に協力しあい…人類が再び昔のような過ちを犯さないような世界を目指す。その方がよほど建設的でしょう」

老婆「言いたい事はそれだけか?」

ピクシス「!」

老婆「ワシの兄は巨人化の実験台にされ…食われた。他の家族や友人や恋人もみな死んだ。今更…そのような事を言われてワシの憎しみが失せると思うかあ!!?ああっ!?」

―――――――――故郷
住民「…変な動きはするなよ」ガチャッ

ハンジ「そっちが何もしなけりゃ私達も手は出さないって…」

モブリット「…アニとベルトルトは、上手く説得出来るでしょうか」

ハンジ「信じるしか無いね」


老婆「………」

ベルトルト「…それで、レイス家も滅び…もうあなた達が本当に憎むべき対象はいないんです」

アニ「簡単には許せないかも知れないけど………今いる壁内人類には何の罪もない。それに、彼等も私達と同じ人間だよ………やはり、どんな理由があろうとあんな虐殺紛いな事はやめるべきだよ婆ちゃん」

老婆「………」

ピクシス「我々も、壁内人類が過去に貴方がたに犯した罪を認め、償っていくつもりです……ですからもうこのような無益な殺し合いは避けるべきです。ならば、我々は共に協力しあい…人類が再び昔のような過ちを犯さないような世界を目指す。その方がよほど建設的でしょう」

老婆「言いたい事はそれだけか?」

ピクシス「!」

老婆「ワシの兄は巨人化の実験台にされ…食われた。他の家族や友人や恋人もみな死んだ。今更…そのような事を言われてワシの憎しみが失せると思うかあ!!?ああっ!?」

アニ「婆ちゃん!憎しみは簡単には無くならないだろうけど、もう個人的感情に流されてる場合じゃないんだよ!」

ベルトルト「とにかく、憎むなとは言いません…ですが殺し合いはもうやめましょう!」

老婆「うるさい!お前たち、こいつらを牢獄に連れていけ!!」

ピクシス「ぬう…っ!」
アニ「そんな…」
ベルトルト「…!」

シーン………

老婆「な…お前たち!どうした、こやつらを捕らえんか…」

住民「彼等の言う通り…もうやめましょう」

老婆「なっ!?」

住民「怖くて言い出せなかったけど…やはり間違ってたんです。こうして話せば向こうも同じ人間…それに、そもそも子供に虐殺を行わせた時点で我々が間違ってたんですよ」

老婆「だが、こやつらはワシらを虐殺し…」

住民「それをやったのは今の壁内人類では無いでしょう」

住民「レイス家も居ないんだ…ならもう我々が憎むべき相手もいない」

老婆「き、貴様ら…なぜだ!愚かな人類を皆殺しにしろぉ!!」

アニ「…みんな…」

ベルトルト「…故郷の人間も、自分たちに疑問を抱いていたのは僕らだけじゃなかったんだ」

住民「…でも全員がそうではありません。やはり壁内人類に負の感情を持つ人間もたくさんいます」

ピクシス「そうでしょうな…やはり簡単にはいかんですか」

住民「すぐに和解するのは無理でしょう…ですが、殺し合いはもう、終わりにしましょう」


老婆「ワシは…まだ認めん、奴等を、奴等を許すなど…」

アニ「…婆ちゃん…」

ベルトルト「…これ以上殺し合いが続けば君のお婆さんのような憎しみに支配された人間がたくさん生まれてしまう。やっぱり戦争なんか…何の価値も無いよ」

アニ「…うん」


長いあいだ放置されててあげられるのはいいんですけどね。
こんな短期間にあげられるのは不愉快って事です。
まあ下げて更新しましょうか


長いあいだ放置されててあげられるのはいいんですけどね。
こんな短期間にあげられるのは不愉快って事です。
まあ下げて更新しましょうか

―――――――

ザッザッザッ!


アルミン「見つけたぞ!!ここも巨人化の研究所らしき場所だ!!」

エレン「こんなもの……破壊してやる」ガリッ

アルミン「いっけえええ!!スペシャル巨人パワーでぶっ壊せえええ!!!」


エレン巨人「オオオオオッ!!!」

ミカサ「そこだー!」

ガシャアアアアアンッ!!!



ジャン「…これで怪しい研究施設はだいたい破壊したか」

アルミン「まだどっかに怪しい場所はあるかも知れない!まだまだ進むぞ!!」

ジャン「だな。…しかし、なかなか新しい情報は入らないな」

アルミン「おうよ、ライナーの事や……昔の戦争によって発生した毒をどうにかする方法が無いか知りたいんだがね。なかなか上手い事行かないよ」

―――――――

ザッザッザッ!


アルミン「見つけたぞ!!ここも巨人化の研究所らしき場所だ!!」

エレン「こんなもの……破壊してやる」ガリッ

アルミン「いっけえええ!!スペシャル巨人パワーでぶっ壊せえええ!!!」


エレン巨人「オオオオオッ!!!」

ミカサ「そこだー!」

ガシャアアアアアンッ!!!



ジャン「…これで怪しい研究施設はだいたい破壊したか」

アルミン「まだどっかに怪しい場所はあるかも知れない!まだまだ進むぞ!!」

ジャン「だな。…しかし、なかなか新しい情報は入らないな」

アルミン「おうよ、ライナーの事や……昔の戦争によって発生した毒をどうにかする方法が無いか知りたいんだがね。なかなか上手い事行かないよ」

エレン「終わったぜ」ザッ

アルミン「お疲れサンダー!!」

ミカサ「はい、お水!」

アルミン「さて、今日は戻って飯だ!!」

サシャ「巨人もいなくなって壁外人類とも争いは無くなったから…平和に戻ると思ったんですがねぇ」

コニー「なかなか休まる暇が無いな」

アルミン「おう、仕方ないさ。こういう場所は破壊しとかなきゃまた誰かに悪用されても困るし……」


ヒストリア「…」

アルミン「おう、ヒストリア!見張りお疲れさん!周りに怪しい人は現れなかったかい!?」

ヒストリア「あ、うん。大丈夫だよ、中央憲兵の残党が来たけどやっつけといた」

中央憲兵「チーン」

サシャ「さすが神様です!」

コニー「まだ邪魔してくる奴等いるんだな…」

アルミン「まあ、もう大した事じゃないさ。人類の大半は真実を知ってるし、中央憲兵側だった人間もほとんど僕らの味方についたし」

エレン「…さっさとこの世界からいらないもんは全部ぶっ壊して、巨人の力なんかも使わないでいいようにするぞ」ザッ

アルミン「そしてその後は外の世界!」

ミカサ「わーいっ」


アルミン「そういえば皆は全て終わったらどうするつもりなんだいだい!!?まあ最初に皆で海にいくのは確定事項だがね!!!嫌でも連れていくよ!!」

ジャン「強制かよ」

コニー「そうだなぁ、とりあえず村に戻って普通に暮らしたいぜ」

サシャ「私は故郷に帰って村の立て直しを手伝おうと思ってますよ」

ジャン「まあ、憲兵に正式に入るかな」」

ヒストリア「…まだ何も考えて無いなぁ」

サシャ「なら私と山で狩猟しましょう!」

ミカサ「一緒に外の世界に行こう!」

ヒストリア「あはは、また考えておくよー」

ジャン「なら、お前もまだ兵士続けるか?」

ヒストリア「え~…兵士ってやっぱり私には合わない気がするしなぁ」

コニー「まあ、ゆっくり決めればいいじゃねぇか」

ヒストリア「そうだねぇ!」

アルミン「ところでヒストリア、あの地下室で僕に何か言おうとしてなかった?」

ヒストリア「え?」

アルミン「なんか中途半端だったから気になってさ」

ヒストリア「ああ、あれは…」

ヒストリア「…」

ヒストリア「何でもないよーだ!」パシンッ

アルミン「あだあっ!?」

ヒストリア「そんなことより、先を見なきゃね!私たちにはまだやらなきゃいけない事はたくさんあるんだから!!」ダダダッ!!

アルミン「待て、はええよヒストリア!」


―――――――

―――1年後



あれから一年…とりあえず落ち着いた僕たちは皆で海を見に行き、それぞれの生活に戻った。

壁の中と外の人類は少しずつだが和解していっている。
そして人類の外に出る計画も進められていった。


一方、この天才すぎる僕とエレンとミカサは外の世界の探検に出た。

――――――


(強く生きろよ…ヒストリア)



ヒストリア「…」ゴシゴシ


ヒストリア(いまだに見るなぁ…ユミルの夢……)


カルラ「おはよう、ヒストリア」

ヒストリア「あ、おはようございます」


私はイェーガー家に住まわせてもらってる。カルラさんも元はレイスの人間だったらしく、私を引き取ってくれた

牧場


馬「ブルルルル…」

ヒストリア「よーしよーし、いい子いい子」


ヒストリア(牧場で働くのは楽しいなぁ。やっぱり私にはこれが一番合ってると思う)


サシャ「ヒストリアー!」

コニー「遊びに来たぜー!」

ヒストリア「ありゃ、二人とも仕事は?」

コニー「休みだぜ!」

サシャ「私は年がら年中休みですよ!狩りで暮らしていけますからね!!」

ヒストリア「あはははは」

憲兵団本部

ヒストリア「よっ、久しぶりジャン」

ジャン「…おう、何しに来た?」

ヒストリア「えへへ、憲兵団の管理してる図書館使わせて欲しくてね」

ジャン「ああ、わかったよ。ついてこい」

サシャ「王政から出てきた古い書物やらが置いてあるんでしたっけ?」

ヒストリア「そうだよ~」

コニー「俺達も行っていいか!?」

ジャン「別に構わねぇが、騒ぐなよ」

ジャン「…情報集めか?」

ヒストリア「まあ、それもあるけど。普通に昔から本読むのは好きだしね」

コニー「そういや、まだエレンとアルミンとミカサは外の世界か?」

ヒストリア「うん、楽しそうだよね~私も行きたかった」

サシャ「じゃあ、ついていけば良かったじゃないですかぁ」

ヒストリア「あはは、あの三人の邪魔になりそうだからやめといたよ!」

ジャン「そうだな、あいつらだけに楽しませてやりたいよな」

ヒストリア「とか言いながらミカサと遊びたかった癖に」

ジャン「んな!テメェこそアルミンと遊びたかったんじゃねぇか!?」

ヒストリア「うん、そうだよ。めちゃくちゃ遊びたかったよ」

ジャン「なんつー正直な奴だ!!」

ヒストリア「まあ、私は…兄貴と義妹と旦那の帰りを待つだけさ」

コニー「旦那って誰だ?」

ヒストリア「アルミンだよ、もう!!言わせないで恥ずかしい!!」パシンッ

コニー「いたっ!?」

サシャ「何か進展はあったんですか?」

ヒストリア「いや?手も繋いだ事ないよ?」

ジャン「全然まだまだじゃねぇか…」

ヒストリア「ま、いいのいいの!人生楽しけりゃそれでいいの!」


ベルトルト「あ、ヒストリア」

アニ「久しぶりだね」

ヒストリア「あ、二人とも久しぶりだね!」

ジャン「お前らも本読みに来たのか?」

アニ「いや、ヒストリアを探しててさ」

ベルトルト「実は故郷で新しい情報が入って…伝えておこうと思ってね」

ヒストリア「え、なになに!?」


…みんながそれぞれ自分の人生をまっとうしている。

私も今、とても楽しいよ。だから心配しないでね、ユミル……




ユミル……ライナー…、きっといつの日か…

―――――――

エレン「炎の水!!!」

アルミン「氷の大地!!!」

ミカサ「砂の雪原!!!」


アルミン「そんな簡単には見つからなーーい!!!」

ミカサ「見つからないね…」

エレン「ま、いいじゃねぇか。焦らずゆっくり探検すればよ」

ミカサ「うん」

アルミン「まだまだ僕らには時間はいっぱいあるからね!!!」

エレン「…見たことない動物や見たことない植物、たまに出会う絶景」

アルミン「外の世界って素晴らしい!」

ミカサ「とっても広いね!」

アルミン「これぐらい広いぞ!!!」

ミカサ「これぐらい?」

アルミン「ちがう!これぐらいだ!!!」

エレン「どれぐらいだよ」

アルミン「…さて、次の目的地は向こうに行ってみよう。あそこから何かをビンビンと感じる気がする」

ミカサ「感じる気がするね!」

エレン「そう言われるとそう感じる気がするな」

アルミン「せっかく手にいれた自由だ、とことん楽しもうぜ!だがこれもまだ完全な自由ではない!!」

エレン「完全な自由を手に入れるまで」

ミカサ「うん!まだまだ!」

アルミン「僕達の進撃は止まらなああああああい!!!」

エレン「よし、行こうぜ!」ダダダダダッ

ミカサ「わ、速いよ~」
アルミン「エレンちょっとスピード下げて!」

エレン「おっとすまねえ、テンションがあがってつい」

ミカサ「さ、みんなで行こう!」

アルミン「…外を探検し終えて、『全員』が揃ったら…もう一度海へ行こうぜ!!」

エレン「!…ああ、そうだな!」

ミカサ「その為にも頑張らなくちゃ!」

アルミン「僕の天才頭脳についてこい!!さあ、もっと向こうへレッツゴーだぁ!!!」

――――――――


―――――――




―――



――







サアアアアアアアアア………





ザアアアアァァァン……





ザアアアアァァァン………


バシャッバシャッ



「これが海か……美しいな…」


「おーい、泳ごうぜ!」

「おう、いま行くよ」


バシャッバシャッバシャッ


「そーれ!!」


「テメェ、水かけんなコラアッ!!」

バシャッ

「きゃー!つめたーい!!」


「あーーはっはっはっは!!!」




ザアアアアァァァ……


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