「かたあしせんすいかんのごーや」 (59)



くれのちんじゅふにごーやという名のつよくおおきな、とてもかわいいせんすいかんがいました。




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ごーやは仲間のイクやイムヤ、はち、まるゆ、しおいといったせんすいかん達と一緒にたたかっていました。



ごーやはこども好きで、まだちいさなくちくかん達を背に乗せくるーじんぐしたり、ねんりょうやたまを配っていました。
ごーやはみんなのにんきもので、てーとくも「ごーやに任せれば安心ね」とほめていました。




ある日、らいじゅんチきゅうがくちくかんたちをねらいやってきたとき、ごーやはいちはやくきがつき、
くんれんようのだみーぎょらいをはっしゃしておどろかせ、おいはらいました。



しかし、しばらくすると、こんどはくうぼヲきゅうがやって来たのです。

「みんなはやくにげるでち!くうぼヲきゅうはごーやがひきうけるでち!」



はげしいたたかいのあと、くうぼヲきゅうはよろよろ、ふらふらとにげていきました。



ちいさなくちくかんのみんながごーやにちかづくと、なんとごーやのあしがいっぽんもぎとられていました。



「みんながぶじで、ほんとうによかったでち」



ごーやはいたいのをこらえてそういうと、しずかにそのばにうずくまってしまいました。



それからちんじゅふではへいわな日がつづきました。しかしごーやにとってはくるしみの日がはじまったのです。



ごーやのけがは、ないそうのきそぶぶんまでたっしていたのです。ここまでひといけがだと、いまのちんじゅふにあるしざいでは、とうていなおせません。



しかたなくごーやはちんじゅふで、てーとくのですくわーくのおてつだいをすることにしました。



かたあしではみんなとあそべないし、たたかいのおてつだいもできません。
ですくわーくだってなれないごーやにはひとくろうです。



はじめのうちはほうこくしょのこうせいやてーとくのだいひつをしていましたが、しっぱいばかり。
でもいっぱいしごとをしてなれてきたのでしゅけいかのしごともまかせられるようになりました。



ごーやはひがたつにつれ、たたかいのことをわすれようとおもいました。




みんなにとってはかんたんなにんむも、かたあしのごーやにとってはつらく、くるしいのです。
それでもみんな、ごーやのことをたよりにしてくれています。
ごーやもこれがじぶんのたたかいだとおもうようにしました。



しかし、ごーやのこころは日に日にほそく、かさかさにひからびてゆきました。



つきのあかるいよるにはゆめにたくさんのくちくイきゅうがでてきて
「まだいきてるのか、しねばおれたちのえさになるのに」
とはやしたてます。



しごとをしていても、せんかんルきゅうがあたまの上からあらわれて
「ごーや、はやくわたしたちのえさになりなさい」
とごーやのみみもとでささやくのです。



ごーやはもうこのごろはまんぞくにねむることもできず、こころをすりへらしてひっしでしごとをしていました。
そして、いちにちのおわりにはゆうやけのうみをながめてもうしゅつげきできないうみへおもいをはせるのでした。



なみだがひとつぶ、ごーやのほほをつたってぽつりとあしもとのまっかにそまったうみにすいこまれました。



いまのごーやには、とおくからきこえるくちくかん達のたのしそうなこえをきくことだけがゆいいつのなぐさめなのです。



あるひ、ちんじゅふのはずれのかいいきにそうこうくうぼきがあらわれました。




おりしも、しゅりょくかんたいはにんむにいっており、ちんじゅふにはちいさなくちくかんとごーやしかいませんでした。
ごーやは「くうぼきでち!」とすくらんぶるむせんでさけび、みんなはいっせいににげましたが、にげおくれたいかづちとあかつきがねらわれました。



ごーやはじぶんのからだのことなどわすれて、なんとかたすけてやらなくてはとおもいました。
ごーやはくんれんようのだみーきょらいをじぶんのみぎあしがあったところにくくりつけ、さんそぎょらいをにほんかかえてうみにとびこみました。



「みんな!ごーやがひきつけるからはやくにげるでち!」



ふたりのくちくかんはもうひっしでちんじゅふにむかってにげていきます。



くうぼきはまっかなめをらんらんとかがやかせてごーやにれんそうほうをあびせていきます。



しかし、ごーやはそんなものきかないといわんばかりにぎゅっと、くちびるをかみしめてくんれんようぎょらいをふるかどうさせてせまってゆきます。



くちくかん達はそのちからづよいかおを見て、ふしぎとあんしんかんをえることができました。



ごーやはさいごののちからをふりしぼってたたかいました。そして、いっぽんのさんそぎょらいをくうぼきにぶちかますとくうぼきはすこしひるみました。



そのしゅんかん!ごーやはそのすきをつきました。
くうぼきのくちにさんそぎょらいをさしこみ、りょううででくうぼきのくちをおさえつけたのです。



せぼねはすいあつのおもみでおれそうです。
いっぽんあしはれんそうほうのちょくげきでちまみれです。



やがておおきなみずしぶきがあかり、うみがしずかになりました。



「たすかったー」「ばんざーい!」



くちくかん達はとおくからこのようすをみまもっていましたが、みずしぶきがあがったとたんにかんせいをあげました。




くちくかん達はごーやのそばにいこうとみずしぶきがあがったばしょにいきました。
「ごーやおねえさん、ありがとうなのです!」そうおれいをいおうとしたときです。



そこにはいっぽんのくんれんようのだみーきょらいがうかんでいました。




そして、ごーやのすがたはどこにもみえませんでした。




ごーやがのこしたくんれんようのだみーきょらいはちんじゅふのうみがよくみえるやねのうえにかざられています。
くちくかん達はそのぎょらいをみているとごーやがみまもっていてくれるようにかんじるそうです。

おわり

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